JP2001019725A - 芳香族オリゴマー、それを用いたエポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

芳香族オリゴマー、それを用いたエポキシ樹脂組成物およびその硬化物

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JP2001019725A
JP2001019725A JP11194619A JP19461999A JP2001019725A JP 2001019725 A JP2001019725 A JP 2001019725A JP 11194619 A JP11194619 A JP 11194619A JP 19461999 A JP19461999 A JP 19461999A JP 2001019725 A JP2001019725 A JP 2001019725A
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Masashi Kaji
正史 梶
Kiyokazu Yonekura
清和 米倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂組成物の改質剤として有用な高
軟化点芳香族オリゴマーを提供すること、ならびに低吸
湿性、耐熱性、密着性、低誘電性等に優れた電気・電子
部品類の封止、回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組
成物を提供すること。 【解決手段】 インデン類を主成分とするモノマーを重
合して得られる軟化点が150℃以上の芳香族オリゴマ
ー、ならびにこの芳香族オリゴマーを改質剤として、エ
ポキシ樹脂100重量部に対して5〜200重量部配合
してなるエポキシ樹脂組成物およびこの硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物の改質剤として有用な芳香族オリゴマーに関するもの
であり、かつ低吸湿性、耐熱性、密着性および低誘電性
等に優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止、回
路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物、ならびにそ
の硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エポキシ樹脂は工業的に幅広
い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ま
すます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤と
する樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料がある
が、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイ
ズは大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表
面実装化への移行が進展しており、半田耐熱性に優れた
材料の開発が望まれている。従って、封止材料として
は、低吸湿化に加え、リードフレーム、チップ等の異種
材料界面での接着性・密着性の向上が強く求められてい
る。回路基板材料においても同様に、半田耐熱性向上の
観点から低吸湿性、高耐熱性、高密着性の向上に加え、
誘電損失低減の観点から低誘電性に優れた材料の開発が
望まれている。これらの要求に対応するため、主剤とな
るエポキシ樹脂側から、様々な新規構造のエポキシ樹脂
が検討されている。しかし、エポキシ樹脂側の改良だけ
では、低吸湿化に伴う耐熱性の低下、密着性の向上に伴
う硬化性の低下等が生じ、物性バランスをとることは困
難であった。
【0003】従って、上記背景から種々のエポキシ樹脂
改質剤が検討されている。その一例として、従来よりイ
ンデンクマロン樹脂が知られており、特開平1−249
824号公報にはクマロン・インデン・スチレン共重合
樹脂を半導体封止材へ応用することが示されている。し
かし、従来の芳香族オリゴマー類は、通常、軟化点の上
限が120℃程度までであり、これを添加することによ
り硬化物の耐熱性(ガラス転移点)を低下させる問題が
あった。また、軟化点の低い芳香族オリゴマーをエポキ
シ樹脂改質剤として使用した場合、成形時、あるいは基
板用途においてはプレス加工時に樹脂の染出しが起こ
り、成形性、および加工性を低下させる問題があった。
【0004】一方、芳香族オリゴマー中のインデン構造
の含有量を高くすることにより、芳香族オリゴマーの軟
化点を高くできることが知られており、特開平6−10
7905号公報には、インデン構造を100%とした軟
化点が142℃のインデン樹脂が記載されているが、こ
れ以上の軟化点を与える可能性は示唆されておらず、ま
た、これでは依然、耐熱性向上の効果は小さい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な高軟化点芳香族オリゴマーを提供すること、およびエ
ポキシ樹脂組成物の改質剤として有用な芳香族オリゴマ
ーを提供することにあり、かつ優れた成形性を有すると
ともに、低吸湿性、耐熱性、密着性および低誘電性等に
優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止、回路基
板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物を提供すること、
およびその硬化物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はイン
デン類を主成分とするモノマーを重合して得られる軟化
点が150℃以上の芳香族オリゴマーであり、また、本
発明はエポキシ樹脂、硬化剤および改質剤を含んでなる
エポキシ樹脂組成物において、前記の芳香族オリゴマー
を改質剤としてエポキシ樹脂100重量部に対して5〜
200重量部配合してなるエポキシ樹脂組成物であり、
さらにはそれを硬化してなるエポキシ樹脂硬化物であ
る。
【0007】本発明の芳香族オリゴマーは、インデン類
を主成分とするモノマーを重合して得られるものであ
る。本発明の効果である優れた耐熱性、密着性および耐
湿性は、インデン構造の含有率に大きく依存しており、
物性バランスの観点からはインデン構造の比率が高い程
よく、通常70wt%以上、好ましくは80wt%以
上、さらに好ましくは90wt%以上である。
【0008】本発明の芳香族オリゴマーの軟化点は15
0℃以上であり、好ましくは160℃以上で、300℃
以下の範囲である。これより低いと、これをエポキシ樹
脂に組成物に配合したとき、硬化物のガラス転移点が低
下するとともに、成形性が低下する問題があり、これよ
り高くても成形時の流動性が低下する。
【0009】本発明の芳香族オリゴマーを合成する際の
重合方法としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニ
オン重合等の方法が適用できるが、好ましくはカチオン
重合である。カチオン重合は、通常、酸性触媒の存在下
に行われる。この酸性触媒としては、周知の無機酸、有
機酸より適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫
酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢
酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有
機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ
化ホウ素等のルイス酸あるいは、活性白土、シリカアル
ミナ、ゼオライト等の固体酸等が挙げられる。カチオン
重合を行う際の好ましい触媒は、三フッ化ホウ素であ
る。これは、高反応性であるとともに得られたオリゴマ
ーの着色が小さい点でその他の触媒に比べて優れてい
る。
【0010】反応後の触媒の除去は、通常、用いた触媒
に対して過剰量の水酸化カルシウムを加えることで難溶
性の中和塩とした後、ろ過することにより行われる。こ
の重合は、通常、10〜200℃で1〜20時間行われ
るが、本発明の軟化点が150℃以上である高分子量オ
リゴマーを合成するためには、20〜80℃の温度で重
合することが好ましい。これより低いと重合性が悪くな
り樹脂歩留りが低下するし、これより高いと低分子量体
の生成割合が高くなり、オリゴマーの軟化点が低下す
る。また、場合により、本発明の軟化点が150℃以上
の高分子量オリゴマーを得るために、重合したオリゴマ
ーから減圧留去あるいは溶剤分割等により低分子量オリ
ゴマー成分を除去する方法をとることができる。
【0011】また、反応の際に、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類
や、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン等の芳香族化合物等を溶媒として使用することが
できる。
【0012】重合を行う際のモノマー成分中の主成分で
あるインデン類としては、インデン又はメチルインデ
ン、エチルインデン、プロピルインデン、フェニルイン
デン等の炭化水素基置換インデン類が挙げられるが、好
ましくはインデンである。また、共重合させる際に用い
るインデン類以外のモノマーとしては、ベンゾチオフェ
ン、メチルベンゾチオフェン類、ベンゾフラン、メチル
ベンゾフラン類、スチレン、アルキルスチレン類、α−
メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニ
ル、アセナフチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル
類、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル類、無水
マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン類、ジイソプ
ロペニルベンゼン等の不飽和結合を有するモノマーが挙
げられる。これらのモノマー類は混合して用いることが
できるが、必須成分であるインデン類は、通常、重合成
分中、50wt%以上、好ましくは80wt%以上、更
に好ましくは90wt%以上含有させる。
【0013】また、カチオン重合を行う際、カチオント
ラップ剤として、フェノール類を共存させることができ
る。フェノール類としては、フェノール、クレゾール類
等のアルキルフェノール類、キシレノール等のジアルキ
ルフェノール類、ナフトール類、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF等のビスフェノール類、あるいはフェノ
ールノボラック、フェノールアラルキル樹脂等の多官能
性フェノール化合物が例示される。これらフェノール化
合物の添加量は、通常、20wt%以下である。これよ
り多いとエポキシ樹脂硬化物の耐熱性、対湿性を低下さ
せる。
【0014】本発明の芳香族オリゴマーを得るために用
いるインデン類を主成分とする原料モノマーとしては、
コールタール又はコークス炉ガス軽油の蒸留で得られる
130〜200℃留分を主とする原料油や、石油精製、
石油分解の際に生産される芳香族油を蒸留して得られた
インデンを含む原料油又はこれを再度蒸留してインデン
濃度を高めたものなどを用いることができる。
【0015】本発明の芳香族オリゴマーは、軟化点が1
50℃以上(JISK-6911の環球法)である必要がある
他、その数平均分子量Mnは1200以上、重量平均分
子量Mwは1800以上、Mw/Mnは2以下が好まし
い。
【0016】本発明のエポキシ樹脂組成物は、樹脂成分
としてエポキシ樹脂、硬化剤及び改質剤を主剤とするも
のであり、改質剤として前記芳香族オリゴマーを配合す
る。芳香族オリゴマーの配合量は、通常、エポキシ樹脂
100重量部に対して2〜200重量部であり、好まし
くは5〜200重量部、より好ましくは5〜100重量
部、更に好ましく7〜50重量部はの範囲である。これ
より少ないと低吸湿性、密着性向上の効果が小さく、こ
れより多いと成形性および硬化物の強度、耐熱性が低下
する問題がある。なお、必要により他の改質剤を配合す
ることもできるが、その場合も前記芳香族オリゴマーの
配合量は、前記の範囲とすることがよい。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物に使用される
エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以
上有するもの中から選択される。たとえば、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオ
レンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,
2’−ビフェノール、テトラブロモビスフェノールA、
ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、
あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、フェノール、クレゾール、ナフトール等
のノボラック樹脂、フェノール、クレゾール、ナフトー
ル等のアラルキル樹脂等の3価以上のフェノール性化合
物のグルシジルエーテル化物等がある。これらのエポキ
シ樹脂は1種又は2種以上を混合して用いることができ
る。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物に使用される
硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知
られているものはすべて使用でき、ジシアンジアミド、
酸無水物類、多価フェノール類、芳香族および脂肪族ア
ミン類等がある。これらの中でも、半導体封止材等の高
い電気絶縁性が要求される分野においては、多価フェノ
ール類を硬化剤として用いることが好ましい。以下に、
硬化剤の具体例を示す。
【0019】酸無水物硬化剤としては、例えば、無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無
水ドデシニルコハク酸、無水ナジック酸、無水トリメリ
ット酸等がある。
【0020】多価フェノール類としては、例えば、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、
フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、
2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、ある
いは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノ
ボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノー
ル等に代表される3価以上のフェノール類、さらにはフ
ェノール類、ナフトール類又は、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフ
ェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェ
ノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオ
ール等の2価のフェノール類のホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベン
ズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤に
より合成される多価フェノール性化合物等がある。
【0021】アミン類としては、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェ
ニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族ア
ミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂
肪族アミン類がある。また、本発明のエポキシ樹脂組成
物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用
いることができる。
【0022】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物中に
は、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエー
テル、ポリウレタン、石油樹脂、フェノキシ樹脂等のオ
リゴマー又は高分子化合物を他の改質剤等として適宜配
合してもよい。
【0023】また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
無機充填剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリン
グ剤、流動性向上剤、等の添加剤を配合できる。無機充
填剤としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シ
リカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラ
ス粉末、又はマイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミ
ナ、水和アルミナ、等が挙げられ、顔料としては、有機
系又は、無機系の体質顔料、鱗片状顔料、等がある。揺
変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族
アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベ
ントナイト系、等を挙げることができる。
【0024】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には
必要に応じて、従来より公知の硬化促進剤を用いること
ができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、
有機ホスフィン類、ルイス酸等がある。添加量として
は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2
〜5重量部の範囲である。さらに必要に応じて、本発明
の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等
の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、
三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応
力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用でき
る。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱硬化さ
せれば、エポキシ樹脂硬化物とすることができ、この硬
化物は低吸湿性、高耐熱性等の点で優れたものとなる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例1(芳香族オリゴマーの合成例) インデン100gをトルエン100gに溶解し、75℃
に加熱した。その後、撹拌しながら三弗化ホウ素ジメチ
ルエーテルコンプレックス1gを10分かけて滴下し
た。滴下後、さらに2時間反応させた。その後、水酸化
カルシウム3gを加え中和した。中和塩および過剰の水
酸化カルシウムをろ過により除去し、さらにイオン交換
水200mlにて3回洗浄を繰り返した後、減圧蒸留によ
り、トルエンおよび未反応モノマーを除去し、芳香族オ
リゴマー80gを得た。得られた樹脂の軟化点は158
℃、25℃におけるトルエン溶液(50wt%)中での
粘度は、0.5ポイズであった。GPC測定により求めた
数平均分子量は1420、重量平均分子量は2100で
あった。
【0027】ここで、粘度はE型粘度計を用い、軟化点
はJIS K-6911に従い環球法で測定した。また、GPC測定
条件は、装置;HLC-82A(東ソー(株)製)、カラム;T
SK-GEL2000×3本およびTSK-GEL4000×1本(いずれも東
ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1
ml/min、温度;38℃、検出器;RIであり、検量線にはポ
リスチレン標準液を使用した。
【0028】実施例2 インデン100gをトルエン100gに溶解し、50℃
に調温した。その後、撹拌しながら三弗化ホウ素ジメチ
ルエーテルコンプレックス1gを10分かけて滴下し
た。滴下後、さらに2時間反応させた。その後、水酸化
カルシウム3gを加え中和した。中和塩および過剰の水
酸化カルシウムをろ過により除去し、さらにイオン交換
水200mlにて3回洗浄を繰り返した後、減圧蒸留によ
り、トルエンおよび未反応モノマーを除去し、芳香族オ
リゴマー71gを得た。得られた樹脂の軟化点は186
℃、25℃におけるトルエン溶液(50wt%)中での
粘度は、1.1ポイズであった。GPC測定により求めた
数平均分子量は1850、重量平均分子量は2700で
あった。
【0029】実施例3 インデン85g、スチレン10g、フェノール5gをト
ルエン100gに溶解し、30℃に加熱した。その後、
撹拌しながら三弗化ホウ素ジメチルエーテルコンプレッ
クス1gを15分かけて滴下した。滴下後、さらに4時
間反応させた。その後、水酸化カルシウム3gを加え中
和した。中和塩および過剰の水酸化カルシウムをろ過に
より除去し、さらにイオン交換水200mlにて3回洗浄
を繰り返した後、減圧蒸留により、トルエンおよび未反
応モノマーを除去し、芳香族オリゴマー58gを得た。
得られた樹脂の軟化点は171℃、25℃におけるトル
エン溶液(50wt%)中での粘度は、0.8ポイズで
あった。GPC測定により求めた数平均分子量は160
0、重量平均分子量は2300であった。また、得られ
た樹脂の赤外吸収スペクトルから求めたインデン/スチ
レン比率は1.14であった。なお、インデン/スチレ
ン比率は、以下のごとく測定した。すなわち、樹脂0.2
gをクロロホルム1mlに溶解させ、この溶液をKBr板
に薄く塗布し乾燥させたものを赤外分光光度計により赤
外吸収スペクトルを測定し、1480cm-1付近の吸収(イン
デンのベンゼン環のC=C伸縮振動)の吸光度と700cm-1
近の吸収(スチレンのベンゼン環のC-H変角振動)の吸
光度の比より求めた。
【0030】実施例4〜6および比較例1〜2 改質剤として実施例1〜3で得られた芳香族オリゴマー
(実施例番号順に改質剤A、B、Cという)および軟化点9
9℃のインデンオリゴマー(改質剤D;新日鐵化学製、IP
-100)、軟化点102℃のインデン・スチレン・フェノー
ル共重合オリゴマー(改質剤E;新日鐵化学製、I-100)
を改質剤として用い、エポキシ樹脂成分としてo−クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量 200、
軟化点 70℃)、硬化剤としてフェノールノボラック(O
H当量103、軟化点 82℃)を用い、充填剤としてシリカ
(平均粒径、22μm)、硬化促進剤としてトリフェニル
ホスフィンを表1に示す配合で混練しエポキシ樹脂組成
物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃に
て成形し、175℃にて12時間ポストキュアを行い、
硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。
【0031】ガラス転移点は、熱機械測定装置により、
昇温速度10℃/分の条件で求めた。吸水率は、本エポ
キシ樹脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤
を成形し、ポストキュア後133℃、3atm、96時間吸
湿させた時のものである。接着性の評価は、エポキシ樹
脂組成物を用いて、銅箔上に175℃にて圧縮成形後、
175℃にて12時間ポストキュアを行い、ピール強度
を測定した。結果をまとめて表2に示す。また、成形性
は、成形時の金型からの樹脂の染出しの程度で評価し
た。判断は、以下のとおりである。 ◎;染出し全く無し、◎;染出し極く僅か、△;染出し
僅か、×;染出し多い。また、表1中の数値は配合にお
ける重量部を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明の芳香族オリゴマーは、エポキシ
樹脂の改質に有用であり、エポキシ樹脂組成物に応用し
た場合、優れた高耐熱性を有するとともに、低吸湿性、
低誘電率性および異種材料との高密着性に優れた硬化物
を与え、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の用
途に好適に使用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BK00W CD03X CD04X CD05X CD06X CD12X CE00X EE016 EJ036 EJ046 EL136 EL146 EN016 EN046 EN056 ER026 FD010 FD090 FD130 FD146 FD150 FD170 GQ05 4J100 AB00Q AB02Q AB03Q AB04Q AB07Q AB15Q AB16Q AJ02Q AJ09Q AK32Q AL02Q AR09P AR10P AR31Q AR32Q BC43Q CA01 CA04 DA23 FA08 FA12 FA19 JA46 4M109 AA01 BA01 BA03 CA21 EA03 EB02 EB03 EB04 EB06 EB07 EB08 EB12 EB18 EC01 EC05 EC07 EC09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インデン類を主成分とするモノマーを重
    合して得られる軟化点が150℃以上の芳香族オリゴマ
    ー。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂、硬化剤および改質剤を含
    有してなるエポキシ樹脂組成物において、請求項1に記
    載の芳香族オリゴマーを改質剤として、エポキシ樹脂1
    00重量部に対して5〜200重量部配合してなること
    を特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物を
    硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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