JP4067639B2 - エポキシ樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐ブロッキング性と保存安定性に優れるとともに、成形性、低吸湿性、高耐熱性及び異種材料との密着性に優れ、かつ電気絶縁性に優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止、回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物、さらにはその硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズは大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、半田耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。半田耐熱性向上の有力な方法には、低吸水率化と、リードフレーム、チップ等との異種材料界面における密着性の向上がある。
【0003】
低吸水率化のためには、無機充填材の高充填率化が指向されており、低粘度なエポキシ樹脂が望まれている。これらの背景から、ビフェニル系エポキシ樹脂(特公平4−7365号公報)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(特開平6−345850公報)等の二官能型のエポキシ樹脂を用いた半導体封止材用エポキシ樹脂組成物が提案されている。これらのエポキシ樹脂は低粘度性に優れ、フィラー高充填率化、流動性向上に特徴があるが、コンパウンドの耐ブロッキング性、及び保存安定性等の取り扱い性に劣るとともに、二官能性のために架橋密度を高くすることが困難であり、硬化物の硬度、ガラス転移点が低くなり、成形性と耐熱性が低下する欠点がある。
【0004】
成形性及び耐熱性に優れたエポキシ樹脂としては、従来より多官能性のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が広く使用されてきているが、粘度が高い欠点が有り、フィラー高充填率化に限界があった。従って、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の低分子量化が検討され、150℃の溶融粘度で1ポイズ以下のものが提案されているが、樹脂の軟化点が60℃以下に低下し耐ブロッキング性が悪化する問題がある。また、低粘度性を保持し、かつ耐ブロッキング性を向上させたものとして、二官能成分及び高分子量物を少なくし、分子量分布をシャープにした材料が提案されているが、密着性が低下する問題があった。
【0005】
以上のように、主剤となるエポキシ樹脂側から様々な新規構造のエポキシ樹脂が検討されているが、主剤側の改良だけでは、低吸湿化に伴う耐熱性の低下、密着性の向上に伴う硬化性の低下など、物性バランスを取ることが困難であった。
【0006】
このような背景から、エポキシ樹脂改質剤が検討されている。その一例としては、従来よりインデンクマロン樹脂が知られており、特開平1−249824号公報にはクマロン・インデン・スチレン共重合樹脂を半導体封止材へ応用することが示されているが、密着性及び流動性が十分ではない。また、特開平6−107905号公報にはインデン含有量を高めたインデン系樹脂を電子材料用途に応用することが示されているが、インデン含有量の高いオリゴマーはいずれも高軟化点であり、半導体封止材へ応用した場合、フィラーの高充填化が困難であるとともに、成形時の流動性が低下する問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、耐ブロッキング性と保存安定性に優れるとともに、成形性、低吸湿性、高耐熱性及び異種材料との高密着性等に優れ、且つ電気絶縁性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂に特定の芳香族オリゴマーを組み合わせ、かつ両成分をエポキシ樹脂組成物を調製する前に均一に混合下調合物することにより、優れた固体での取り扱い性と保存安定性を保持しつつ、優れた成形性、高耐熱性、低吸水性及び高密着性が発現されることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、o −クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール系硬化剤、インデン類を主成分とするモノマーを重合して得られる芳香族オリゴマー及び75重量%以上 の無機充填材を主たる成分とする常温固体のエポキシ樹脂組成物の製造方法において、常温固体のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂100重量部に対し、インデン類を主成分とするモノマーを重合して得られる常温固体の芳香族オリゴマー5〜100重量部を溶融混合法又は溶液混合法により均一に予備混合し、これをフェノール系硬化剤及び無機充填材を含む配合成分と粉体混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法である。また、本発明は、エポキシ樹脂組成物が、電子部品封止用である上記のエポキシ樹脂組成物の製造方法である。更に本発明は、上記のエポキシ樹脂組成物の製造方法で得られたエポキシ樹脂組成物を硬化することを特徴とするエポキシ樹脂硬化物の製造方法である。ここで、芳香族オリゴマーは、軟化点が70〜150℃であることがよい。
【0010】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(OCNEともいう)は、特にその製造方法を限定するものではないが、常温固体であり、軟化点が40〜100℃、有利には50〜80℃であることが好ましい。これより低いとエポキシ樹脂組成物としての耐ブロッキング性が低下し、これより高いと成形時の流動性が低下するとともにフィラーの高充填率化が困難となる。
【0011】
OCNEの純度、特に加水分解性塩素量は、封止する電子部品の信頼性向上の観点から少ないものがよい。特に限定するものではないが、1000ppm以下が好ましい。なお、本発明でいう加水分解性塩素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加え、0.002N−AgNO3 水溶液で電位差滴定を行い得られる値である。
【0012】
本発明のエポキシ樹脂組成物の改質剤として用いる芳香族オリゴマーは、インデンを主成分とするモノマーを重合して得られる常温固体の樹脂である。本発明の効果である優れた密着性、耐湿性は、インデン構造の含有率に大きく依存しており、物性バランスの観点からはインデン構造の比率が高い程よい。
【0013】
芳香族オリゴマーは、インデン又はインデンと共重合可能なモノマーを含有するモノマーをカチオン重合、アニオン重合、ラジカル重合等の方法で得られるが、通常、カチオン重合が好適である。共重合可能なモノマーとしては、例えばメチルインデン類、ベンゾチオフェン、メチルベンゾチオフェン類、ベンゾフラン、メチルベンゾフラン類、スチレン、アルキルスチレン類、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、アセナフチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル類、無水マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン類、ジイソプロペニルベンゼン等の不飽和結合を有するモノマーが挙げられるが芳香族オレフィン系モノマーがよい。これらの配合割合は全モノマーの50重量%以下、有利には30%以下が好ましい。
【0014】
芳香族オリゴマーの重合原料としては、コールタール又はコークス炉ガス軽油を蒸留して得られる130〜200℃留分を主成分とする原料油や、石油精製、石油分解の際に生産される芳香族油を蒸留して得られたインデンを含む原料油を用いることができる。
【0015】
カチオン重合は、通常、酸性触媒の存在下に行われる。この酸性触媒としては、周知の無機酸、有機酸より適宜選択することができ、例えば塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸、活性白土、シリカアルミナ、ゼオライト等の固体酸などが挙げられる。
【0016】
この重合は、通常10〜250℃で1〜20時間行われる。また、反応の際に溶媒としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物などを用いることができる。
【0017】
また、重合の際に重合停止剤としてフェノール類を用いてもよい。フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール類等のアルキルフェノール類、キシレノール等のジアルキルフェノール類、ナフトール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類、あるいはフェノールノボラック、フェノールアラルキル樹脂等の多官能性フェノール化合物などが挙げられる。これらのフェノール化合物の添加量は、通常、20重量%以下である。これより多いとエポキシ樹脂硬化物の耐熱性、対湿性を低下させる。
【0018】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる芳香族オリゴマーは、軟化点が70〜150℃、好ましくは80〜130℃であり、また150℃での溶融粘度が4〜100ポイズ、好ましくは6〜80ポイズであることがよい。溶融粘度及び軟化点が、これより低いと耐ブロッキング性の向上効果が小さく、これより高いと成形時の流動性が低下する。この芳香族オリゴマーの分子量は、数平均分子量で400〜2000程度である。
【0019】
また、この芳香族オリゴマーは、イオン成分の含有量が少ない高純度ものが好ましい。特に、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン及び塩素イオン、臭素イオン等のハロゲンイオンの少ないものがよく、アルカリ金属イオン及びハロゲンイオンの含有量は、30ppm以下、好ましくは10ppm以下である。
【0020】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、OCNEと芳香族オリゴマーとを混合してなる組成物と、これに更にフェノール系硬化剤及び無機充填材を混合してなる電子部品封止用エポキシ樹脂組成物とがある。いずれの組成物においても芳香族オリゴマーの配合量は、OCNE100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜40重量部である。これより少ないと成形時の流動性が低下するとともに、耐ブロッキング性の向上効果が小さいとともに、硬化物の吸水率低減効果及び異種材料界面での密着性向上効果が小さい。また、これより多いと硬化物の熱時硬度及び耐熱性が低下するとともに難燃性も低下する。
【0021】
OCNEと芳香族オリゴマーとを混合してなる組成物は、それぞれの融点又は軟化点以上の温度で撹袢、混練等により均一に混合する溶融混合法と、それぞれを溶解する溶媒に両者を溶解させて、撹袢、混練等により均一に混合する溶液混合法とにより得ることができる。溶液混合法に用いる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族系溶媒などを挙げることができる。なお、この組成物を調製する際、無機充填材、他のエポキシ樹脂、その他の添加剤(材)を配合することも可能であるが、硬化剤の配合は避けることがよい。
【0022】
上記のOCNEと芳香族オリゴマーとを混合してなるエポキシ樹脂組成物は、常温固体であって、耐ブロッキング性に優れるため、長期保存後の使用性に優れる。したがって、電子部品封止用材料用の他、エポキシ樹脂を使用する各種の用途に使用可能である。
【0023】
本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物は、予め調製された上記エポキシ樹脂組成物にフェノール系硬化剤と無機充填材を配合することにより得られる。ここで、予め上記エポキシ樹脂組成物を調製することなく、各成分を同時に混合すると、得られた封止用エポキシ樹脂組成物の耐ブロッキング性が改善されず、また耐熱性が低下する。
【0024】
また、予め調製するエポキシ樹脂組成物において、両成分の混合が均一でないと、特に低軟化点のOCNEと組み合わせた場合、耐ブロッキング性があまり向上しない。両成分の混合が均一であるほど、このエポキシ樹脂組成物の成形性及び保存安定性等の向上効果が大きい。
【0025】
この電子部品封止用エポキシ樹脂組成物は、予め調製された上記エポキシ樹脂組成物とフェノール系硬化剤と無機充填材とを混合することにより得ることができるが、粉体混合により得ることが好ましい。ここで、予め調製された上記エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を奏する限り、場合により他の成分を含んでいてよいことは前記のとおりであり、また電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を得る際、他のエポキシ樹脂やその他の添加剤(材)を添加してもよく、またOCNE又は芳香族オリゴマーの一部を新たに混合してもよいが、多量に混合することは有利ではない。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、OCNE以外に、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂を配合してもよい。このようなエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4' −ビフェノール、2,2' −ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの配合量は、本発明の目的を損なわない範囲であればよいが、通常、OCNEの50重量%以内がよい。
【0027】
フェノール系硬化剤としては、フェノールノボラック等のエポキシ樹脂硬化剤として従来より公知のものを使用できる他、アラルキル型構造を有する多価フェノール系硬化剤を使用することができる。アラルキル型構造を有する多価フェノール系硬化剤は、アルキル置換若しくは未置換のベンゼン環又はナフタレン環を有するフェノール性水酸基含有化合物と特定の芳香族架橋剤とを反応させることにより製造できる。
【0028】
また、多価フェノール系硬化剤としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4' −ビフェノール、2,2' −ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ナフタレンジオール類等の2価のフェノール類、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類、さらにはフェノール類、ナフトール類又は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4' −ビフェノール、2,2' −ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ナフタレンジオール類等の2価のフェノール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール、p−キシリレングリコールジメチルエーテル、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジメトキシメチルビフェニル類、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル類等の架橋剤との反応により合成される多価フェノール性化合物などが挙げられる。これらの硬化剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】
フェノール系硬化剤の軟化点範囲は、好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜120℃である。これより低いと保存時のブロッキングの問題があり、これより高いとエポキシ樹脂組成物調製時の混練性と成形性に問題がある。また、好ましい150℃における溶融粘度は20ポイズ以下であり、より好ましくは5ポイズ以下である。これより高いとエポキシ樹脂組成物の調製時の混練性、及び成形性に問題がある。
【0030】
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物におけるフェノール系硬化剤の配合割合は、通常採用される範囲で差し支えないが、好ましくはエポキシ基1モルに対しフェノール性の水酸基が0.7〜1.2モルになるように配合することがよい。
【0031】
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物に配合する無機充填材としては、例えばシリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニアなどの1種又は2種以上が挙げられ、その形態は粉体、球形化したビーズなどが挙げられる。これらの内、無機充填材の高充填化の観点から球状の溶融シリカが好ましい。通常、シリカは、数種類の粒径分布を持ったものを組み合わせて使用される。組み合わせるシリカの平均粒径の範囲は、0.5〜100μmがよい。
【0032】
この無機充填材の配合割合は、封止用エポキシ樹脂組成物全体の75重量%以上、好ましくは80重量%以上である。これより少ないと半田耐熱性の向上効果が小さい。
【0033】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来より公知の硬化促進剤、例えばアミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸などを添加してもよい。具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して0.2〜10重量部である。
【0034】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、カルナバワックス、エステル系ワックス等の離型剤、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、アルキルシラン、有機チタネート、アルミニウムアルコレート等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、シリコンオイル等の低応力化剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩等の滑剤などを配合してもよい。
【0035】
一般的には、以上のような原材料を所定の配合量でミキサーなどによって十分混合した後、ミキシングロール、押し出し機などによって混練し、冷却、粉砕することによって、電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を調製することができる。
【0036】
この電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、電子部品を封止するための方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的であるが、射出成形法、圧縮成形法によっても可能である。このようにして得られたエポキシ樹脂硬化物及びこれで封止された電子部品は耐熱性、電気絶縁性が優れる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
合成例1
インデン70g、スチレン25g、フェノール5gをトルエン250gに溶解し、115℃に加熱した。その後撹拌しながら三弗化ホウ素ジメチルエーテルコンプレックス1gを15分かけて滴下した。滴下後、さらに3時間反応させた。その後、水酸化カルシウム2.4gを加え中和した。中和塩及び過剰の水酸化カルシウムをろ過により除去し、さらにイオン交換水100mlで3回洗浄を繰り返した後、減圧蒸留により、トルエン及び未反応モノマーを除去し、芳香族オリゴマー89gを得た。得られた樹脂(芳香族オリゴマーA)の軟化点は98℃であり、150℃における溶融粘度は8ポイズであった。
【0038】
合成例2
反応温度を90℃として参考例1と同様に反応し、芳香族オリゴマー92gを得た。得られた樹脂(芳香族オリゴマーB)の軟化点は118℃であり、150℃における溶融粘度は64ポイズであった。
【0039】
合成例3
インデン100gをトルエン250gに溶解し、参考例1と同様に反応し、芳香族オリゴマー93gを得た。得られた樹脂(芳香族オリゴマーC)の軟化点は103℃であり、150℃における溶融粘度は10ポイズであった。
【0040】
実施例1〜4、比較例1〜2
OCNE型エポキシ樹脂として、エポキシ樹脂A(日本化薬製、EOCN-1020-55;エポキシ当量200、加水分解性塩素400ppm、軟化点55℃、150℃溶融粘度1ポイズ、二量体含有量13.3%)、エポキシ樹脂B(日本化薬製、EOCN-1020-65;エポキシ当量200、加水分解性塩素400ppm、軟化点65℃、150℃溶融粘度3ポイズ、二量体含有量8.5%)を用いた。芳香族オリゴマーとして、合成例1〜3の芳香族オリゴマーA〜Cを用いた。
【0041】
表1に示す割合(重量部)のエポキシ樹脂と芳香族オリゴマーを150℃で30分間溶融混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。エポキシ樹脂組成物の物性及びブロッキング試験の結果を表1に示す。なお、ブロッキング試験の結果は、エポキシ樹脂組成物の2mmパスの粉体を用い、20℃で6時間放置後のブロッキング率を重量%で表した。また、エポキシ樹脂の軟化点はグリセリンを熱媒として測定した値であり、150℃溶融粘度はコントラバス社製レオマット115を用いて測定した値である。
【0042】
実施例5〜8及び比較例3〜8
エポキシ樹脂成分として実施例1〜4のエポキシ樹脂組成物又はエポキシ樹脂A〜Bと芳香族オリゴマーA〜C、硬化剤として軟化点80℃のフェノ−ルノボラック(硬化剤A:群栄化学製、PSM-4261;OH当量103、軟化点80℃)、難燃剤としてノボラック型臭素化エポキシ(臭素化エポキシA:日本化薬製、BREN-S;エポキシ当量284、加水分解性塩素600ppm、軟化点84℃)、無機充填材として球状シリカ(シリカA:平均粒径、18μm)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、及び表2に示す添加剤を用い、表2に示す配合(重量部)で粉体混合した後、加熱ロールで混練して封止用エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0043】
このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃で成形し、175℃で12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。ガラス転移点は、熱機械測定装置により、昇温速度7℃/分の条件で求めた。曲げ試験は、240℃での高温曲げ強度、曲げ弾性率を3点曲げ法により行った。接着強度は、銅板又は鉄板2枚の間に25mm×12.5mm×0.5mmの成形物を圧縮成型機により175℃で成形し、175℃、12時間ポストキュアを行った後、引張剪断強度を求めることにより評価した。吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後85℃、85%RHの条件で100時間吸湿させた時のものであり、クラック発生率は、QFP−80pin(14mm×20mm×2.5mm、194アロイ)を成形し、ポストキュア後、85℃、85%RHの条件で所定の時間吸湿後、260℃の半田浴に10秒間浸漬させた後、パッケージの状態を観察し求めた。結果をまとめて表3に示す。
【0044】
なお、ブロッキング試験の結果は、本エポキシ樹脂組成物の1mmパスの粉体を用い、25℃で24時間放置後のブロッキング率を重量%で表した。また、保存安定性は、本エポキシ樹脂組成物を25℃、1週間放置後のスパイラルフロー残存率で表した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、耐ブロッキング性が改善され、取り扱い作業性にも優れているとともに、低吸湿性、高耐熱性及び異種材料との高密着性等に優れた硬化物を与え、電子・電気部品の封止材として好適に使用することができる。
Claims (4)
- o −クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール系硬化剤、インデン類を主成分とするモノマーを重合して得られる芳香族オリゴマー及び75重量%以上 の無機充填材を主たる成分とする常温固体のエポキシ樹脂組成物の製造方法において、常温固体のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂100重量部に対し、インデン類を主成分とするモノマーを重合して得られる常温固体の芳香族オリゴマー5〜100重量部を溶融混合法又は溶液混合法により均一に予備混合し、これをフェノール系硬化剤及び無機充填材を含む配合成分と粉体混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- エポキシ樹脂組成物が、電子部品封止用である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 芳香族オリゴマーの軟化点が70〜150℃であり、 o −クレゾールノボラック型エポキシ樹脂100重量部に対する芳香族オリゴマーの割合が10〜40重量部である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法で得られたエポキシ樹脂組成物を硬化することを特徴とするエポキシ樹脂硬化物の製造方法。
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