JP3889482B2 - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低吸湿性、高耐熱性及び異種材料との高密着性等に優れ、かつ電気絶縁性に優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止、回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズは大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、はんだ耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。したがって、封止材料としては、低吸湿化に加え、リードフレーム、チップ等の異種材料界面での接着性・密着性の向上が強く求められている。
【0003】
これらの問題点を克服するため、主剤となるエポキシ樹脂側から、様々な新規構造のエポキシ樹脂が検討されている。しかし、主剤側の改良だけでは、低吸湿化に伴う耐熱性の低下、密着性の向上に伴う硬化性の低下等、物性バランスを取ることが困難であった。
【0004】
このような背景からエポキシ樹脂改質剤が検討されている。その一例として、従来よりインデンクマロン樹脂が知られており、特開平1−249824号公報にはクマロン・インデン・スチレン共重合樹脂を半導体封止材へ応用することが示されているが、従来の芳香族オリゴマー類は、樹脂原料の精製が不十分であったり、カチオン重合に用いた触媒の除去が不十分であるため電気絶縁性に劣り、特に半導体封止材に用いた場合に半導体素子の信頼性が低下する問題があるとともに密着性向上に寄与するインデン成分の含有量が十分ではない。また、特開平6−107905号公報にはインデン含有量を高めたインデン系樹脂を電子材料用途に応用することが示されているが、インデン含有量の高いオリゴマーはいずれも高軟化点であり、半導体封止材へ応用した場合、フィラーの高充填化が困難であるとともに、成形時の流動性が低下する問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、成形性に優れ、かつ低吸湿性、高耐熱性、異種材料との高密着性等に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤及び改質剤を必須の成分とするエポキシ樹脂組成物において、改質剤として、アルカリ金属イオン及びハロゲンイオンの含有量が20ppm以下であるインデン及びスチレンを主成分とするモノマーをカチオン重合して得られ、かつ赤外吸収スペクトル測定で1480cm-1付近のインデンのC=C伸縮振動の吸光度aと700cm-1付近のスチレンのC−H変角振動の吸光度bの比(a/b)が1.08以上、軟化点が60〜110℃、150℃での溶融粘度が2〜30ポイズであり、インデン成分とスチレン成分の合計が80重量%以上である芳香族オリゴマーを、エポキシ樹脂100重量部に対し5〜50重量部配合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。また、本発明は、このエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及び改質剤を必須の成分として含有し、その改質剤としてインデン成分及びスチレン成分を有する芳香族オリゴマーを用いるものである。
【0008】
本発明に改質剤として用いる芳香族オリゴマーは、インデン及びスチレンを主成分とするモノマーをカチオン重合して得られる。本発明の効果である優れた密着性、耐湿性は、オリゴマー中のインデン成分とスチレン成分の含有率、特にインデン成分の含有率に大きく依存しており、物性バランスの観点からはインデン成分の比率が高いほどよい。その構成成分としては、インデン成分とスチレン成分を80重量%以上含有し、かつその中でもインデン成分を主成分として含有するものであり、赤外吸収スペクトル測定で1480cm-1付近のインデンのC=C伸縮振動の吸光度aと700cm-1付近のスチレンのC−H変角振動の吸光度bの比(a/b)が0.8以上のものである。
【0009】
高インデン含有率の芳香族オリゴマーとしては、インデン構造の特異な閉環構造から高軟化点、高粘度のものが従来より知られているが、エポキシ樹脂組成物へ応用した場合、成形時の流動性が低下する問題があった。本発明に用いる芳香族オリゴマーの軟化点は60〜110℃であり、好ましくは80〜105℃である。また、150℃での溶融粘度は2〜30ポイズであり、好ましくは2〜20ポイズである。軟化点がこれより低いと、硬化物のガラス転移点が低下する問題があり、粘度がこれよい高いと半導体封止材へ応用した場合のフィラー高充填化が困難になるとともに、成形時の流動性が低下する。本発明に用いる芳香族オリゴマーの分子量は数平均分子量で200〜3000程度である。
【0010】
また、本発明に用いる芳香族オリゴマーはイオン成分の含有量が少ない高純度ものが好ましい。特にナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン及び塩素イオン、臭素イオン等のハロゲンイオンの少ないものがよく、アルカリ金属イオン及びハロゲンイオンの含有量は、20ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5ppm以下である。
【0011】
本発明に用いる芳香族オリゴマーは、インデン及びスチレンを含有するモノマーをカチオン重合させることにより得られる。インデン及びスチレンと共に用いられるモノマーとしては、例えばメチルインデン類、ベンゾチオフェン、メチルベンゾチオフェン類、ベンゾフラン、メチルベンゾフラン類、アルキルスチレン類、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、アセナフチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル類、無水マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン類、ジイソプロペニルベンゼン等の不飽和結合を有するモノマーなどが挙げられる。これらのモノマー類は1種又は2種以上を用いることができ、その配合量は20重量%未満である。
【0012】
また、芳香族オリゴマーの末端を変性してエポキシ樹脂との相溶性を改善するため、フェノール類を用いることができる。このフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール類等のアルキルフェノール類、キシレノール等のジアルキルフェノール類、ナフトール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類、あるいはフェノールノボラック、フェノールアラルキル樹脂等の多官能性フェノール化合物などが挙げられる。これらフェノール化合物の配合量は20重量%未満である。これより多いとエポキシ樹脂硬化物の耐熱性、対湿性を低下させる。
【0013】
本発明に用いる芳香族オリゴマーの重合用原料としては、純度の高いインデンにスチレン又はこれらに他の成分を配合してもよいが、コールタール又はコークス炉ガス軽油の蒸留で得られる130〜200℃留分を主とする原料油や、石油精製、石油分解の際に生産される芳香族油を蒸留して得られたインデンを含む原料油を用いることもできる。一方、石油系又は石炭系の原料には、ピリジン類、キノリン類に代表される塩基類及び芳香族カルボン酸類が含有されており、重合阻害を起こす問題があるため、一般的には原料中の塩基類、酸類を除くために、硫酸等による酸洗、カセイソーダ等によるアルカリ洗浄が行なわれるが、これにより原料中に硫酸イオン、ナトリウムイオン等が混入することとなり、得られた芳香族オリゴマーの電気電導度が高くなる問題がある。したがって、重合用原料としては、十分に洗浄を行ったもの、あるいは酸洗及びアルカリ洗浄後さらに蒸留してイオン成分を除去したものを用いることが好ましい。
【0014】
本発明に用いる芳香族オリゴマーは、通常、酸性触媒の存在下にカチオン重合により合成される。この酸性触媒としては、周知の無機酸、有機酸より適宜選択することができ、例えば塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸、あるいは活性白土、シリカアルミナ、ゼオライト等の固体酸などが挙げられる。
【0015】
このカチオン重合は、通常、10〜250℃で1〜20時間行われる。また、反応の際に、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類や、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物などを溶媒として使用することができる。
【0016】
本発明に用いる芳香族オリゴマーの配合量は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対し2〜50重量部、好ましくは5〜30重量部である。これより少ないと低吸湿性、密着性向上の効果が小さく、これより多いと硬化物の強度、耐熱性が低下する問題がある。
【0017】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するもの中から選択される。このようなエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、テトラブロモビスフェノールA、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類や、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール、クレゾール、ナフトール等のノボラック樹脂、フェノール、クレゾール、ナフトール等のアラルキル樹脂等の3価以上のフェノール性化合物のグルシジルエーテル化物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0018】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用でき、例えばジシアンジアミド、酸無水物類、多価フェノール類、芳香族及び脂肪族アミン類などが挙げられる。これらの中でも、半導体封止材等の高い電気絶縁性が要求される分野においては、多価フェノール類を硬化剤として用いることが好ましい。これら硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
これらの硬化剤のうち、酸無水物硬化剤としては、例えば無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ドデシニルコハク酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。
【0020】
多価フェノール類としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類や、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類や、フェノール類、ナフトール類又はビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物などが挙げられる。
【0021】
アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類や、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類などが挙げられる。
【0022】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記必須成分以外にポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物などを適宜配合してもよい。
【0023】
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填剤、顔料、難燃剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤等の添加剤を配合できる。無機充填剤としては、例えば球状又は破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナなどが挙げられ、顔料としては、例えば有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料などが挙げられる。揺変性付与剤としては、例えばシリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系などが挙げられる。
【0024】
また必要に応じて、本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来より公知の硬化促進剤、例えばアミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸などを配合することができる。その配合量としては、エポキシ樹脂100重量部に対し0.2〜5重量部程度である。さらに必要に応じて、本発明のエポキシ樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤などを配合してもよい。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止材料として用いる場合には、エポキシ樹脂、硬化剤及び前記改質剤の他に、シリカ等の無機充填剤を主要な必須成分として配合する。
【0026】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。
参考例1
インデン70g、スチレン25g、フェノール5gをトルエン250gに溶解し、115℃に加熱した後、撹拌しながら三弗化ホウ素ジメチルエーテルコンプレックス1gを15分かけて滴下した。滴下後、さらに3時間反応させた。その後、水酸化カルシウム2.4gを加え中和した。中和塩及び過剰の水酸化カルシウムをろ過により除去し、さらにイオン交換水100mlで3回洗浄を繰り返した後、減圧蒸留してトルエン及び未反応モノマーを除去し、芳香族オリゴマー89gを得た。得られた樹脂の軟化点は98℃であり、150℃における溶融粘度は8ポイズであった。また、得られた樹脂の赤外吸収スペクトルから求めたインデン/スチレン比率は1.08であった。なお、インデン/スチレン比率は、以下のとおり測定した。すなわち、樹脂0.2gをクロロホルム1mlに溶解させ、この溶液をKBr板に薄く塗布し乾燥させたものを赤外分光光度計により赤外吸収スペクトルを測定し、1480cm-1付近の吸収(インデンのC=C伸縮振動)の吸光度と700cm-1付近の吸収(スチレンのC−H変角振動)の吸光度の比より求めた。この樹脂の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0027】
参考例2
インデン90g、スチレン10gを用い、参考例1と同様に反応を行い、芳香族オリゴマー92gを得た。得られた樹脂の軟化点は105℃であり、150℃における溶融粘度は16ポイズであった。また、得られた樹脂の赤外吸収スペクトルから求めたインデン/スチレン比率は2.1であった。
【0028】
参考例3
インデン50g、スチレン50gを用い、参考例1と同様に反応を行い、芳香族オリゴマー92gを得た。得られた樹脂の軟化点は84℃であり、150℃における溶融粘度は5ポイズであった。また、得られた樹脂の赤外吸収スペクトルから求めたインデン/スチレン比率は0.7であった。
【0029】
参考例4
インデン80g、スチレン20gを用い、反応温度を90℃として、参考例1と同様に反応を行い、芳香族オリゴマー95gを得た。得られた樹脂の軟化点は120℃であり、150℃における溶融粘度は42ポイズであった。また、得られた樹脂の赤外吸収スペクトルから求めたインデン/スチレン比率は1.8であった。
【0030】
実施例1〜3及び比較例1〜3
改質剤として、参考例1、2で得られた芳香族オリゴマー(改質剤A、B)、及び参考例3、4で得られた芳香族オリゴマー(改質剤C、D)を用い、エポキシ樹脂成分としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂A:日本化薬(株)製、EOCN−1020−70;エポキシ当量200、加水分解性塩素400ppm、軟化点70℃)、ビフェニル系エポキシ樹脂(エポキシ樹脂B:油化シェルエポキシ(株)製、YX4000HK;エポキシ当量195、加水分解性塩素450ppm、融点105℃)、硬化剤としてフェノールノボラック(群栄化学(株)製、PSM−4261;OH当量103、軟化点82℃)を用い、さらに難燃剤としてノボラック型臭素化エポキシ(日本化薬(株)製、BREN−S;エポキシ当量284、加水分解性塩素600ppm、軟化点84℃)、充填剤として球状シリカ(平均粒径、25μm)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン及びその他の表1に示す添加剤を用い、表1(表中の数値は重量部)に示す配合で混練し、エポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃で成形し、175℃で12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、以下に示す各種物性測定に供した。これらの測定結果を表2に示す。
【0031】
ガラス転移点は、熱機械測定装置により昇温速度10℃/分の条件で求めた。吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後85℃、85%RHの条件で24時間及び100時間吸湿させた時のものであり、クラック発生率は、QFP−80pin(14×20×2.5mmt)を成形し、ポストキュア後、85℃、85%RHの条件で所定時間吸湿後、260℃のはんだ浴に10秒間浸漬させた後、パッケージの状態を観察し求めた。また、接着性の評価は、42アロイの基材間に挟んだ10×10×1mmtの型枠中でエポキシ樹脂組成物を175℃で圧縮成形後、175℃で12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、引っ張り強度を測定した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、低吸湿性、高耐熱性及び異種材料との高密着性等に優れた硬化物を与え、電子部品封止材として好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、参考例1で合成した芳香族オリゴマーの赤外線吸収スペクトルを示す。
Claims (2)
- エポキシ樹脂、硬化剤及び改質剤を必須の成分とするエポキシ樹脂組成物において、改質剤として、アルカリ金属イオン及びハロゲンイオンの含有量が20ppm以下であるインデン及びスチレンを主成分とするモノマーをカチオン重合して得られ、かつ赤外吸収スペクトル測定で1480cm-1付近のインデンのC=C伸縮振動の吸光度aと700cm-1付近のスチレンのC−H変角振動の吸光度bの比(a/b)が1.08以上、軟化点が60〜110℃、150℃での溶融粘度が2〜30ポイズであり、インデン成分とスチレン成分の合計が80重量%以上である芳香族オリゴマーを、エポキシ樹脂100重量部に対し5〜50重量部配合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
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