JP4237137B2 - アセナフチレン変性フェノール性樹脂及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

アセナフチレン変性フェノール性樹脂及びエポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤、エポキシ樹脂中間体等として有用なフェノール性樹脂に関するものであり、また、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するものである。
背景技術
従来より、エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズは大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、半田耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。従って、封止材料としては、低吸湿化に加え、リードフレーム、チップ等の異種材料界面での接着性・密着性の向上が強く求められている。回路基板材料においても同様に、半田耐熱性向上の観点から低吸湿性、高耐熱性、高密着性の向上に加え、誘電損失低減の観点から低誘電性に優れた材料の開発が望まれている。これらの要求に対応するため、主剤となるエポキシ樹脂側から、様々な新規構造のエポキシ樹脂が検討されている。しかし、エポキシ樹脂側の改良だけでは、低吸湿化に伴う耐熱性の低下、密着性の向上に伴う硬化性の低下等が生じ、物性バランスを取ることは困難であった。更に最近では、環境負荷低減の観点から、ハロゲン系難燃剤排除の動きがあり、より難燃性に優れた改質剤が求められている。
従って、上記背景から種々の変性フェノール樹脂が検討されている。その一例として、特開平9−208673号公報にはインデン又はインデンオリゴマー変性フェノール樹脂を硬化剤としてエポキシ樹脂組成物へ応用することが示され、低吸湿性、低誘電性に優れることが開示されているが、難燃性の向上効果は期待できない。更に、耐熱性も十分ではない。また、USP5173548号明細書には、インデンとフェノールを反応させ、この反応生成物をエポキシ化してエポキシ変性炭化水素樹脂を得る方法が記載されている。
発明の開示
本発明の目的は、エポキシ樹脂の中間体、エポキシ樹脂組成物の硬化剤等に有用なフェノール性化合物を提供することにある。また、他の目的は、優れた成形性を有するとともに、低吸湿性、耐熱性、密着性及び難燃性等に優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止材料、回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物を提供すること、並びにその硬化物を提供することにある。
本発明は、フェノール樹脂又は多価フェノールから選択されるフェノール性化合物100重量部に対し、3〜50重量部のアセナフチレン類を用い、アセナフチレン類の30〜100モル%をフェノール性化合物に付加反応させて得られるアセナフチレン類変性フェノール性樹脂である。
また、本発明は、フェノール樹脂又は多価フェノールから選ばれるフェノール性化合物100重量部に対し、3〜50重量部のアセナフチレン類を用い、アセナフチレン類の30〜100モル%をフェノール性化合物に付加反応させることを特徴とするアセナフチレン変性フェノール性樹脂の製造方法である。
更に、本発明は、このアセナフチレン類変性フェノール性樹脂を、エピクロロヒドリンと反応させて得られるエポキシ樹脂である。
また更に、本発明は、上記アセナフチレン類変性フェノール性樹脂又はエポキシ樹脂を、硬化剤成分又はエポキシ樹脂成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物、並びに、このエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物である。
本発明のアセナフチレン類変性フェノール性樹脂は、フェノール性化合物(フェノール性の水酸基を2以上有するフェノール樹脂、多価フェノール又は両者を含む意味である)にアセナフチレン類の一部又は全部を付加反応させることにより得られる。このアセナフチレン類変性フェノール性樹脂は、フェノール性化合物であるフェノール樹脂又は多価フェノールのOH基を有する芳香族環に、平均して0.1個以上のアセナフチレン類又はアセナフチレン類オリゴマーが置換したものを含む樹脂であり、その他未反応フェノール性化合物やアセナフチレン類ホモオリゴマー等が含まれてもよい。
本発明の効果である優れた耐熱性、密着性、耐湿性及び難燃性は、アセナフチレン変性フェノール性樹脂中のアセナフチレン構造の含有率に大きく依存する。アセナフチレン変性フェノール性樹脂を調製する際のアセナフチレン類の使用量は、フェノール性化合物100重量部に対して3〜50重量部の範囲であり、好ましくは5〜40重量部、更に好ましくは8〜30重量部の範囲である。これより少ないと本発明の効果である耐熱性、難燃性が発揮され難い。これより多いと、残存する未反応アセナフチレン類の含有率が高くなり、金型汚れ、ボイド発生等の成形不良を起すとともに、硬化物の耐熱性、難燃性等の効果が低下し、機械的強度も低下する。更に、アセナフチレン類の使用量がこれより多いと付加反応の過程において、副反応として生成するアセナフチレン類自体の重合によるアセナフチレン類ホモオリゴマーの生成量が多くなる。ホモオリゴマーの生成量が多くなると、粘度が高くなり成形性が低下するとともに、ホモオリゴマー自体は硬化反応に関与しないため、耐熱性、難燃性等の性能が低下し、場合により、成形の過程でホモオリゴマーのブリードアウトによる金型汚れ等の問題が起こり成形性の低下を招く恐れがある。
このアセナフチレン類の30モル%以上、好ましくは50モル%以上、更に好ましくは80モル%以上が、フェノール性化合物と反応し、一部はアセナフチレン類ホモオリゴマーとなる。
本発明に用いるアセナフチレン類としては、アセナフチレン又はメチルアセナフチレン、エチルアセナフチレン、プロピルアセナフチレン、フェニルアセナフチレン等の炭化水素基置換アセナフチレン類が挙げられるが、好ましくはアセナフチレンである。かかるアセナフチレン類は、通常、アセナフテン類を脱水素することにより合成することができる。
本発明に用いるアセナフチレン類の純度は、高いほど好ましく、通常は80%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。不純物としては、アセナフテン類、アルキルナフタレン類が含まれている場合が多いが、これらが多いと硬化物とした際の難燃性、耐熱性、及び機械強度等が低下する。
また、アセナフチレン変性フェノール性樹脂を調製する際、アセナフチレン類に、アセナフチレン類以外の不飽和結合を有する他のモノマーを共存させることができる。このようなモノマーとしては、インデン、アルキルインデン類、ベンゾチオフェン、メチルベンゾチオフェン類、ベンゾフラン、メチルベンゾフラン類、スチレン、アルキルスチレン類、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、ジビニルベンゼン類、ジイソプロペニルベンゼン類、アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル類、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられるが、該他のモノマーの存在量は、30wt%以下、好ましくは10wt%以下にとどめることがよい。
前記他のモノマー類は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。硬化物の物性面からは、不飽和結合を有するモノマー中のアセナフチレン類の含有率が高いほどよく、重合に際して含有させるアセナフチレン類は、通常、重合性成分中、60wt%以上、好ましくは70wt%以上、より好ましくは80wt%以上、更に好ましくは90wt%以上である。
本発明で原料として使用するフェノール性化合物とは、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有するもの全てを指し、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの3価のフェノール類、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上の多価フェノール類やフェノール樹脂類がある。更には、フェノール、炭素数1〜6のアルキル基が置換したアルキルフェノール類、ナフトール類等の1価のフェノール類又はビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール、p−キシリレングリコールジメチルエーテル、4,4’−ジメトキシメチルビフェニル、4,4’−ジメトキシメチルジフェニルエーテル、ジビニルベンゼン類、ジビニルビフェニル類、ジビニルナフタレン類等の架橋剤との反応により合成されるフェノール樹脂類がある。
本発明でいうフェノール性化合物は、上記のように、通常、フェノール樹脂と称されるものの他、多価フェノールを含む意味で使用される。好ましいフェノール性化合物の一つは、フェノール樹脂である。フェノール樹脂としては、上記の1価のフェノール類又は2価のフェノール類と架橋剤との反応により合成されるフェノール樹脂類である。好ましいフェノール樹脂としては、フェノール、炭素数1〜6のアルキル基が置換したアルキルフェノール類、ナフトール類等の1価のフェノール類と、ホルムアルデヒドを縮合させて生じるノボラック樹脂や、上記の1価のフェノール類と、RO−R’−Ar−R’−OR(但し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R’は−C2n−を示し、nは1〜6の数を示し、Arは炭素数6〜15の2価のアリール基を示す)で表される化合物やジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル等の芳香族ジビニル化合物又はこれらの炭素数1〜6のアルキル置換体から選ばれる架橋剤とを縮合させて生じるアラルキル構造を有するフェノール樹脂がある。アラルキル構造を有するフェノール樹脂は、アセナフチレンとの反応性に優れること、更には硬化物とした場合の難燃性、耐湿性等に優れていることから、特に好ましい。具体的には、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基を有するフェノール又はナフトールのアラルキル樹脂が挙げられる。
フェノール性化合物とアセナフチレン類の反応は、周知の無機酸、有機酸等の触媒を用いることができるが、触媒を用いることなく熱だけで行うことが好ましい。この際の温度は、通常、40〜150℃であり、好ましくは60〜130℃である。これより低いと付加反応に長時間を要し、これより高いと副反応で生成するアセナフチレン類自体の重合によるアセナフチレン類ホモオリゴマーの生成量が多くなる。また、反応時間は、通常、30分〜20時間である。
なお、150℃以上の温度であっても、反応時間をコントロールすることにより本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂を調製することができる。
上記反応において、触媒を用いる場合、触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸あるいは、活性白土、シリカアルミナ、ゼオライト等の固体酸等が挙げられる。この場合の触媒の使用量は、用いるフェノール性化合物とアセナフチレン類の合計量に対して、通常、0.01〜5wt%の範囲である。また、反応温度は、通常、40〜150℃であり、反応時間は、通常、0.5〜10時間である。
反応に際しては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を溶媒として使用することができる。
反応後の触媒の除去は、水洗、又は、用いた触媒に対して過剰量の水酸化カルシウムを加えることで難溶性の中和塩とした後、ろ過することにより行われる。
上記反応終了後、得られたアセナフチレン変性フェノール性樹脂中には、未反応のアセナフチレン類が残存してもよい。この場合の残存アセナフチレン量は70wt%以下、好ましくは30wt%以下、更に好ましくは10wt%以下であることがよい。これより多いと硬化物の耐熱性及び難燃性が低下する。また、アセナフチレン変性フェノール性樹脂中のアセナフチレン類ホモオリゴマーの含有率は、30wt%以下、好ましくは15wt%以下、より好ましくは10wt%以下、更に好ましくは5wt%以下であることがよい。また、アセナフチレン変性フェノール性樹脂中の未変性のフェノール性化合物は、80wt%以下、好ましくは70wt%以下、より好ましくは60wt%以下することがよい。
未反応アセナフチレン類は、本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂を調製後、系外に除くことができる。除去の方法としては、減圧蒸留、水蒸気蒸留等の方法を適用することができる。
本発明の製造方法の付加反応で生じる反応混合物は、少なくとも1個のアセナフチレン類がフェノール性化合物のOH基を有する芳香環に付加したアセナフテニル基類置換フェノール性化合物を含み、未反応フェノール性化合物、未反応アセナフチレン類又はアセナフチレン類ホモオリゴマー等を含む。その他、反応に使用した溶媒や触媒を含むことがある。これらから、必要により、アセナフテニル基類置換フェノール性化合物を分離、精製して、これを本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂とすることもできる。また、触媒や溶媒、未反応アセナフチレン類等の分離容易なものだけを分離して、これを本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂とすることもできる。本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂は、溶媒を除く固形分中に、アセナフテニル基類置換フェノール性化合物を20〜100wt%、好ましくは30〜90wt%を含み、その他の成分としては未変性フェノール性樹脂を含むことが好ましく、両者の合計は70〜100wt%、好ましくは80〜100wt%の範囲がよい。残りの固形分としては、未反応アセナフチレン類やアセナフチレン類ホモオリゴマー等が主である。
アセナフチレン変性フェノール性樹脂の好ましい150℃での溶融粘度は、5mPa・sから800mPa・sであるが、更に好ましくは10mPa・sから400mPa・sである。また軟化点は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは40〜120℃である。これより低いと保存時のブロッキングの問題があり、これより高いとエポキシ樹脂組成物調製時の混練性と成形性に問題がある。
本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂は、これをエピクロロヒドリンと反応させて本発明のエポキシ樹脂とすることができる。また、本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂及びエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物の一成分として使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂は、アセナフチレン変性フェノール性樹脂をエピクロロヒドリンと反応させることにより得られ、優れた耐熱性と不燃性を有する。このエピクロロヒドリンとの反応は公知の方法により行うことができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂及び硬化剤を含むものであるが、硬化剤として前記アセナフチレン変性フェノール性樹脂を配合するか、又は、エポキシ樹脂として前記の本発明のエポキシ樹脂を配合する。
アセナフチレン変性フェノール性樹脂を硬化剤として配合するエポキシ樹脂組成物は、通常、エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対して、アセナフチレン変性フェノール性樹脂中の水酸基が0.8から1.2モルの範囲となるように配合される。これより小さくても大きくても、硬化物の架橋密度が低下するため、耐熱性、機械強度及び難燃性が低下する問題がある。なお、上記の配合量は、本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂のみを硬化剤として使用した場合であり、他の硬化剤が併用されるときは、その量が控除される。
このエポキシ樹脂組成物を調製する方法としては、前記のエポキシ樹脂と本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂を配合する方法がある。
これとは別に、エポキシ樹脂、フェノール性化合物及びアセナフチレン類を別々に分け取った後に混合し、エポキシ樹脂の存在する中で、フェノール性化合物とアセナフチレン類を付加反応させる方法がある。この際、エポキシ樹脂とフェノール性化合物を混合した後に、アセナフチレン類を加えて混合物としてもよい。この付加反応を行うには、これらの混合物を加熱溶融させる方法があり、この際の好ましい温度範囲は70〜200℃であり、反応時間は通常、10分から10時間である。なお、この際、エポキシ樹脂とアセナフチレン類が付加反応したものが少量生成してもよい。加熱溶融混合をする方法としては、攪拌羽根の付いた反応基を用いても良いし、ヘンシェルミキサー等の混合機、ロール混練機、あるいはニーダー等の混練機を用いても良い。また、加熱混合を行う際には、エポキシ樹脂、フェノール性化合物、アセナフチレン類以外に、後記の無機フィラー、触媒、難燃剤、顔料、ワックス、離型剤、カップリング剤、低応力化剤、熱可塑性樹脂等の添加剤を同時に混合していても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するもの中から選択される。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、テトラブロモビスフェノールA、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の3価以上のフェノール類、フェノール、クレゾール、ナフトール等から誘導されるノボラック樹脂、フェノール、クレゾール、ナフトール等から誘導されるアラルキル樹脂等のフェノール性樹脂から誘導されるグルシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、上記本発明のエポキシ樹脂を使用することもできる。
このエポキシ樹脂組成物に使用する硬化剤としては、前記の本発明に関わるアセナフチレン変性フェノール性樹脂以外にその他の硬化剤を併用しても良い。その他の硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用でき、ジシアンジアミド、酸無水物類、フェノール類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。これらの中でも、半導体封止材等の高い電気絶縁性が要求される分野においては、フェノール性樹脂を硬化剤として用いることが好ましい。以下に、硬化剤の具体例を示す。
酸無水物硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ドデシニルコハク酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更にはフェノール類、ナフトール類又はビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール樹脂等がある。
アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができるが、全硬化剤中、本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂を50wt%以上、好ましくは70wt%以上、更に好ましくは90wt%以上とするのがよい。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を他の改質剤等として適宜配合してもよい。添加量は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜30重量部の範囲である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填剤、顔料、難燃剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤等の添加剤を配合できる。無機充填剤としては、例えば、球状あるいは破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ又は水和アルミナ等が挙げられる。半導体封止材に用いる場合の好ましい配合量は70wt%以上であり、更に好ましくは80wt%以上である。顔料としては、有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じて、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば(アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルポレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ポレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルポレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルポレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部の範囲である。
更に必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤の溶解させたワニス状態とした後に、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー等のポリエステル不織布等の繊維状物に含浸させた後に溶剤除去を行い、プリプレグとすることができる。また、場合により銅箔、ステンレス箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等のシート状物上に塗布することにより積層物とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として配合するエポキシ樹脂が本発明のエポキシ樹脂である場合は、硬化剤が任意である他は、上記の説明が同様に適用される。本発明のエポキシ樹脂を、他のエポキシ樹脂と混合して使用する場合は、本発明のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂の50wt%以上、好ましくは80wt%以上使用することがよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させれば、エポキシ樹脂硬化物とすることがでる。
また、例えば、フェノール性化合物、エポキシ樹脂とアセナフチレン類を加えたエポキシ樹脂組成物を調製し、150℃以上の成形温度を適用して、アセナフチレンとフェノール性化合物への付加反応を進行させながら、エポキシ樹脂硬化物を作成することもできる。この場合の成形時間は通常、1分から1時間である。
このようにして得られる本発明の硬化物は低吸湿性、高耐熱性、密着性、難燃性等の点で優れたものとなる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例を示す。実施例中、%はwt%であり、部は重量部である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
100℃に溶融させた160gのフェノールノボラック(OH当量104、軟化点46℃、150℃での溶融粘度20mPa・s;フェノール樹脂A)中に、アセナフチレン40gを加えて均一に溶融させた後、撹拌しながら100℃で1時間反応させ、アセナフチレン変性フェノール性樹脂(変性樹脂A)198gを得た。得られた変性樹脂Aの軟化点は51℃、150℃での溶融粘度は24mPa・s、OH当量は132であった。GPC測定により求めたアセナフチレンの付加反応率は46%、アセナフチレンホモオリゴマーの生成量は3wt%以下であった。アセナフチレンの反応がフェノールノボラックへの付加反応で進行することは、得られた変性樹脂AのFD−MSスペクトルを測定することにより確認した。図1に示すように、原料フェノールノボラックに対応したm/z=200、306、412、518、625、1分子のアセナフチレンが反応したことに対応したm/z=352、458、565、670、777が確認された。それぞれのピークの相対強度から見積もったアセナフチレン付加物(アセナフチル基がフェノールノボラックのベンゼン環に1個以上置換したもの)の生成率は33モル%であった。
ここで、粘度はICI型コーンプレート粘度計(CAP2000H型、BROOKFIELD社製)を用い、軟化点はJIS K−6911に従い環球法で測定した。また、GPC測定条件は、装置;HLC−82A(東ソー(株)製)、カラム;TSK−GEL2000×3本及びTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1ml/分、温度;38℃、検出器;RIである。
実施例2
フェノール樹脂として1−ナフトールアラルキル樹脂(OH当量208、軟化点74℃、150℃での溶融粘度35mPa・s;新日鐵化学製SN−475;フェノール樹脂B)180g、アセナフチレン20gを用い、100℃で1時間付加反応を行い、アセナフチレン変性フェノール性樹脂を218gを得た(変性樹脂B)。得られた変性樹脂Bの軟化点は54℃、150℃での溶融粘度は31mPa・s、OH当量は236であった。GPC測定により求めたアセナフチレンの付加反応率は99%であり、アセナフチレンホモオリゴマーの生成は認められなかった。アセナフチレンが1−ナフトールアラルキル樹脂へ付加反応を行うことは、変性樹脂BのFD−MSスペクトルを測定することにより確認した。すなわち、原料1−ナフトールアラルキル樹脂に対応したm/z=390、636、883、1分子のアセナフチレンが付加したことに対応したm/z=542、789、1035、2分子のアセナフチレンが付加したことに対応したm/z=695が確認された(図2)。それぞれのピークの相対強度から見積もったアセナフチレン付加物の生成率は38モル%であった。一方、アセナフチレンホモオリゴマーに相当するピークm/z=304、456、608、760は観察されなかった。
実施例3
フェノール樹脂としてフェノールアラルキル樹脂(OH当量162、軟化点50℃、150℃での溶融粘度30mPa・s;明和化成製MEH−7800−4L;フェノール樹脂C)を用い、実施例2と同様に付加反応を行い、アセナフチレン変性フェノール性樹脂(変性樹脂C)198gを得た。得られた変性樹脂Cの軟化点は59℃、150℃での溶融粘度は40mpa・s、OH当量は184であった。GPC測定により求めたアセナフチレンの付加反応率は99%であり、アセナフチレンホモオリゴマーの生成は認められなかった。アセナフチレンがフェノールアラルキル樹脂へ付加反応を行うことは、反応後のアセナフチレン変性フェノール性樹脂のFD−MSスペクトルを測定することにより確認した。すなわち、原料フェノールアラルキル樹脂のm/z=290、486、683、879、1075、1分子のアセナフチレンが付加したことに対応したm/z=442、639、835、1031、2分子のアセナフチレンが付加したことに対応したm/z=594、790、987、3分子のアセナフチレンが付加したことに対応したm/z=746、942が確認された(図3)。それぞれのピークの相対強度から見積もったアセナフチレン付加物の生成率は45モル%であった。一方、アセナフチレンホモオリゴマーに相当するピークは観察されなかった。
実施例4
フェノールアラルキル樹脂(フェノール樹脂C)140g、アセナフチレン60gを用い、実施例3と同様に反応させて、アセナフチレン変性フェノール性樹脂(変性樹脂D)255gを得た。得られた変性樹脂Dの軟化点は59℃、150℃での溶融粘度は64mPa・s、OH当量は234であった。GPC測定により求めたアセナフチレンの付加反応率は90%であった。
実施例5
実施例2で得た変性樹脂B、100gをエピクロルヒドリン400gに溶解し、減圧下(約100mmHg)、60℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液34.8gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、更に1時間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリンを減圧留去し、メチルイソブチルケトン(MIBK)450gに溶解した後、濾過により生成した塩を除いた。その後、20%水酸化ナトリウム水溶液17gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、MIBKを減圧留去し、褐色のエポキシ樹脂(エポキシ樹脂A)118.3gを得た。得られたエポキシ樹脂Aのエポキシ当量は308.2g/eq.であり、軟化点は48℃、加水分解性塩素は600ppm、150℃での溶融粘度は30mPa・s、であった。なお、ここで加水分解性塩素は、樹脂試料0.5gを1,4−ジオキサン30mlに溶解させたものを1N−KOH/メタノール溶液5mlで30分間煮沸還流したものを、硝酸銀溶液で電位差滴定を行うことにより求めた。
実施例6
変性樹脂Bの代わりに、実施例4で得た変性樹脂Dを100gを用い、実施例5と同様にエポキシ化反応を行い、褐色のエポキシ樹脂(エポキシ樹脂B)115.6gを得た。得られたエポキシ樹脂Bのエポキシ当量は302.8g/eq.であり、軟化点は52℃、加水分解性塩素は350ppm、150℃での溶融粘度は47mPa・s、であった。
実施例7〜14及び比較例1〜4
エポキシ樹脂成分として、実施例5及び実施例6で合成したエポキシ樹脂A及びB、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、軟化点54℃、150℃での溶融粘度90mPa・s;日本化薬製EOCN−1020;エポキシ樹脂C)、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物(エポキシ当量195、加水分解性塩素450ppm、融点105℃、150℃での溶融粘度11mPa・s;ジャパンエポキシレジン製YX−4000HK;エポキシ樹脂D)、硬化剤として実施例1、実施例2、実施例3で使用したフェノール樹脂A〜C及び実施例1〜4で得られた変性樹脂A〜Dを用い、充填剤としてシリカ(平均粒径、22μm)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを表1に示す配合で混合し、加熱ロールを用い130℃にて4分間、混練を行い、エポキシ樹脂組成物を得た。
なお、実施例10、11においては、30メッシュ以下に粉砕したアセナフチレンを用い、表1及び2に示す割合で粉体混合した後、加熱ロールで混練を行い、エポキシ樹脂組成物とした。
加熱ロール後のアセナフチレンの付加率は、エポキシ樹脂組成物をトルエンにてソックスレー抽出を行い、アセナフチレンモノマー及びホモオリゴマーの抽出量を分析することにより求めた。
アセナフチレンの付加率={(使用アセナフチレンモノマー)−(アセナフチレンモノマー及びホモオリゴマー抽出量)}/(使用アセナフチレンモノマー)×100
このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃で成形し、175℃で12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。ガラス転移点(Tg)は、熱機械測定装置により、昇温速度7℃/分の条件で求めた。曲げ試験は、240℃での高温曲げ強度、曲げ弾性率を3点曲げ法により行った。接着強度は、42アロイ板2枚の間に25mm×12.5mm×0.5mmの成形物を圧縮成型機により175℃で成形し、175℃、12時間ポストキュアを行った後、引張剪断強度を求めることにより評価した。吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後85℃、85%RHの条件で100時間吸湿させた時のものであり、クラック発生率は、QFP−80pin(14mm×20mm×2.5mm、194アロイ)を成形し、ポストキュア後、85℃、85%RHの条件で所定の時間吸湿後、260℃の半田浴に10秒間浸漬させた後、パッケージの状態を観察し求めた。難燃性は、厚さ1/16インチの試験片を成形し、UL94V−0規格によって評価し、n=5の試験での合計燃焼時間で表した。結果をまとめて表1及び2に示す。
Figure 0004237137
Figure 0004237137
産業上の利用可能性
本発明のアセナフチレン変性フェノール性樹脂はエポキシ樹脂の中間体や硬化剤として有用であり、これより得られるエポキシ樹脂組成物は、優れた高耐熱性、難燃性を有するとともに、低吸湿性に優れた硬化物を与え、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の用途に好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1のアセナフチレン変性フェノール性樹脂のFD−MSスペクトル図であり、図2は、実施例2のアセナフチレン変性フェノール性樹脂のFD−MSスペクトル図であり、図3は、実施例3のアセナフチレン変性フェノール性樹脂のFD−MSスペクトル図である。

Claims (5)

  1. フェノール樹脂から選ばれるフェノール性化合物100重量部に対し、3〜50重量部のアセナフチレン類を用い、アセナフチレン類の30〜100モル%をフェノール性化合物に付加反応させて得られるアセナフチレン変性フェノール性樹脂と、エピクロロヒドリンと反応して得られるエポキシ樹脂。
  2. フェノール性化合物に対するアセナフチレン類の付加反応率が50〜100モル%であり、アセナフチレン類のホモオリゴマーの含有率が10wt%以下である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. フェノール樹脂から選ばれるフェノール性化合物100重量部に対し、3〜50重量部のアセナフチレン類を用い、アセナフチレン類の30〜100モル%をフェノール性化合物に付加反応させて、アセナフチレン変性フェノール性樹脂を得て、これとエピクロロヒドリンと反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
  4. エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、請求項1に記載のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分の一部又は全部として配合してなるエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
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