JP4156874B2 - 芳香族オリゴマー、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

芳香族オリゴマー、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂の改質剤等として有用な芳香族オリゴマーに関するものであり、かつ低吸湿性、耐熱性、密着性および難燃性等に優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止、回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズは大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、半田耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。従って、封止材料としては、低吸湿化に加え、リードフレーム、チップ等の異種材料界面での接着性・密着性の向上が強く求められている。回路基板材料においても同様に、半田耐熱性向上の観点から低吸湿性、高耐熱性、高密着性に優れた材料の開発が望まれている。これらの要求に対応するため、主剤となるエポキシ樹脂側から、様々な新規構造のエポキシ樹脂が検討されている。しかし、エポキシ樹脂側の改良だけでは、低吸湿化に伴う耐熱性の低下、密着性の向上に伴う硬化性の低下等が生じ、物性バランスを取ることは困難であった。さらに最近では、環境負荷低減の観点から、ハロゲン系難燃剤排除の動きがあり、より難燃性に優れた改質剤が求められている。
【0003】
従って、上記背景から種々のエポキシ樹脂改質剤が検討されている。その一例として、インデンクマロン樹脂が知られており、特開平1-249824号公報にはクマロン・インデン・スチレン共重合樹脂を半導体封止材へ応用することが示されている。しかし、従来の芳香族オリゴマー類は、樹脂マトリックスを可塑化するため、これを添加することにより硬化物の耐熱性(ガラス転移点)を低下させる問題があった。また、難燃性も十分ではなかった。
【0004】
一方、特開平6-107905号公報には、密着性および耐熱性向上の観点より、芳香族オリゴマー中のインデン構造の含有量を高くしたインデン樹脂が記載されているが、依然、耐熱性向上の効果は小さい。さらに、難燃性向上効果も殆ど無い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、エポキシ樹脂組成物の改質剤等に有用な芳香族オリゴマーを提供することにある。他の目的は、優れた成形性を有し、低吸湿性、耐熱性、密着性および難燃性等に優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止、回路基板材料等に有用なエポキシ樹脂組成物を提供することにある。また、他の目的は、新規なエポキシ樹脂組成物の硬化物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明はエポキシ樹脂、硬化剤および改質剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、インドール類を重合して得られる軟化点が40℃から200℃の芳香族オリゴマーを改質剤として、エポキシ樹脂100重量部に対して2〜200重量部配合してなるエポキシ樹脂組成物若しくはこれを硬化してなるエポキシ樹脂硬化物である。
【0007】
本発明の芳香族オリゴマーは、インドール類を20重量%以上含む芳香族オレフィン類を主成分とするモノマーを重合して得られるものである。本発明の効果である優れた耐熱性、密着性、耐湿性および難燃性は、芳香族オリゴマー中のインドール構造の含有率に大きく依存しており、物性バランスの観点からはインドール構造の含有率は高い程よく、20wt%以上、好ましくは40wt%以上、さらに好ましくは60wt%以上である。
【0008】
本発明の芳香族オリゴマーの軟化点は40℃から200℃であり、好ましくは60℃から150℃の範囲である。また、さらに好ましくは80℃から130℃の範囲である。これより低いと、これをエポキシ樹脂に配合したとき、硬化物の耐熱性が低下するとともに、芳香族オリゴマーのブリードアウト等により成形性が低下する問題があり、これより高いと成形時の流動性が低下する。
【0009】
本発明の芳香族オリゴマーを合成する際の重合方法としては、特に制約はないが、カチオン重合が有利である。カチオン重合を行う際の触媒としては、周知の無機酸、有機酸より適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸あるいは、活性白土、シリカアルミナ、ゼオライト等の固体酸等が挙げられる。カチオン重合を行う際の好ましい触媒は、三フッ化ホウ素である。これは、高反応性であるとともに得られたオリゴマーの着色が小さい点でその他の触媒に比べて優れている。
【0010】
カチオン重合反応後の触媒の除去は、通常、用いた触媒に対して過剰量の水酸化カルシウムを加えることで難溶性の中和塩とした後、ろ過することにより行われる。この重合は、通常、10〜200℃で1〜20時間行われる。
【0011】
重合に際しては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を溶媒として使用することができる。
【0012】
本発明の芳香族オリゴマーを得るために使用するモノマー中の必須成分であるインドール類としては、インドール又はメチルインドール、エチルインドール、ジメチルインドール等の炭化水素基置換インドール類が挙げられるが、好ましくはインドールである。
【0013】
本発明の芳香族オリゴマーを得るために使用するモノマー中には、インドール類以外の芳香族オレフィン類が存在することができる。このような芳香族オレフィン類としては、インデン、アルキルインデン類、ベンゾチオフェン、メチルベンゾチオフェン類、ベンゾフラン、メチルベンゾフラン類、スチレン、アルキルスチレン類、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニル等の不飽和結合を有するモノマーが挙げられる。
【0014】
また、前記モノマー中には、芳香族オレフィン類以外に、本発明の目的に反しない範囲で少量のその他のモノマーが存在することができる。このようなモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル類、無水マレイン酸、フマル酸等の脂肪族オレフィン類、ジビニルベンゼン類、ジイソプロペニルベンゼン等のジオレフィン類などが挙げられる。また、その他のモノマーの存在量は30wt%以下、好ましくは10wt%以下にとどめることがよい。
【0015】
これらのモノマー類は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。芳香族オリゴマーを含有して得られる硬化物の物性面からは、芳香族オリゴマー中のインドール類骨格の含有率が高いほどよく、重合に際して含有させるインドール類は、通常、重合成分中、20wt%以上、好ましくは40wt%以上、更に好ましくは60wt%以上である。
【0016】
また、重合に際して、フェノール類を共存させることができる。フェノール類としてはフェノール、クレゾール類等のアルキルフェノール類、キシレノール等のジアルキルフェノール類、ナフトール類、ナフタレンジオール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類、あるいはフェノールノボラック、フェノールアラルキル樹脂等の多官能性フェノール化合物が例示される。これらフェノール化合物の添加量は、通常、20wt%以下であるが、特に制約はない。フェノール類自体は、不飽和結合を有しないので、重合性ではないが、カチオン触媒の存在下では、芳香族オレフィン類又はそのオリゴマーと反応して末端がフェノール類となった芳香族オリゴマーを形成する。
【0017】
上記重合反応終了後、場合により、得られた芳香族オリゴマー中には、未反応のインドール類が残存する。残存したインドール類は、減圧蒸留、溶剤分割等の方法により、系外に除去することが可能である。しかし、必要により、未反応のインドール類を含有したまま、本発明のエポキシ樹脂組成物とすることができる。この場合の残存インドール類の量は、通常、10wt%以下であり、好ましくは5wt%以下、さらに好ましくは2wt%以下である。これより多いと硬化物の耐熱性および難燃性が低下する。
【0018】
本発明の芳香族オリゴマーは、軟化点が40℃から200℃(JISK-6911の環球法)である必要がある他、その数平均分子量は300から3000、重量平均分子量では400から4000であることが好ましい。これより低いと硬化物とした際の耐熱性が低下し、これより高いとエポキシ樹脂組成物とした際の成形性が低下する。
【0019】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂、硬化剤及び改質剤を含むものであるが、改質剤として前記芳香族オリゴマーを配合する。芳香族オリゴマーの配合量は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して2〜200重量部であるが、好ましくは5〜50重量部の範囲である。これより少ないと低吸湿性、密着性および難燃性向上の効果が小さく、これより多いと成形性および硬化物の強度が低下する問題がある。なお、必要に応じて、他の改質剤を配合することもできるが、その場合も前記芳香族オリゴマーの配合量は、前記の範囲とすることがよい。
【0020】
本発明のエポキシ樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するもの中から選択される。たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、テトラブロモビスフェノールA、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール、クレゾール、ナフトール等のノボラック樹脂、フェノール、クレゾール、ナフトール等のアラルキル樹脂等の3価以上のフェノール性化合物のグルシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
本発明のエポキシ樹脂組成物に使用する硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用でき、ジシアンジアミド、酸無水物類、多価フェノール類、芳香族および脂肪族アミン類等がある。これらの中でも、半導体封止材等の高い電気絶縁性が要求される分野においては、多価フェノール類を硬化剤として用いることが好ましい。以下に、硬化剤の具体例を示す。
【0022】
酸無水物硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ドデシニルコハク酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
【0023】
多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o-クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類、さらにはフェノール類、ナフトール類又は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物等がある。
【0024】
アミン類としては、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、p-キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂および硬化剤は、エポキシ樹脂および硬化剤の官能基の当量バランスを合わせるように配合する。エポキシ樹脂および硬化剤の当量比は、通常、0.8から1.2の範囲であり、好ましくは0.9から1.1の範囲である。
【0027】
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を他の改質剤等として適宜配合してもよい。添加量は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜30重量部の範囲である。
【0028】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤、等の添加剤を配合できる。無機充填剤としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、又はマイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ、等が挙げられ、半導体封止材に用いる場合の好ましい配合量は70wt%以上であり、さらに好ましくは80wt%以上である。顔料としては、有機系又は、無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。
【0029】
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じて、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルポレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ポレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルポレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルポレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部の範囲である。
また必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
【0030】
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤の溶解させたワニス状態とした後に、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー等のポリエステル不織布、等の繊維状物に含浸させた後に溶剤除去を行い、プリプレグとすることができる。また、場合により銅箔、ステンレス箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等のシート状物上に塗布することにより積層物とすることができる。
【0031】
本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させれば、エポキシ樹脂硬化物とすることができ、この硬化物は低吸湿性、高耐熱性、密着性、難燃性等の点で優れたものとなる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0033】
実施例1
インドール150gをトルエン150mLに溶解し、110℃に加熱した。その後、撹拌しながら三弗化ホウ素ジメチルエーテルコンプレックス3gを15分かけて滴下した。滴下後、さらに6時間反応させた。その後、水酸化カルシウム9gを加え中和した。中和塩および過剰の水酸化カルシウムをろ過により除去し、その後、減圧蒸留により、トルエンおよび未反応モノマーを除去し、芳香族オリゴマー32gを得た(オリゴマーA)。得られた樹脂の軟化点は105℃、150℃での溶融粘度は、1.2Pa・sであった。GPC測定により求めた残存モノマー量は2wt%であった。GPCチャートを図1、赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0034】
ここで、粘度はICIコーンプレート型粘度計を用い、軟化点はJIS K-6911の環球法に従い測定した。また、GPC測定条件は、装置;HLC−82A(東ソー(株)製)、カラム;TSK−GEL2000×3本およびTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIであり、検量線にはポリスチレン標準液を使用した。
【0035】
実施例2
反応温度を80℃にして、実施例1と同様に反応を行い、褐色状のオリゴマー22gを得た(オリゴマーB)。得られた樹脂の軟化点は122℃、150℃での溶融粘度は、4.1Pa・sであった。GPC測定により求めた残存モノマー量は3wt%であった。GPCチャートを図3に示す。
【0036】
実施例3〜8および比較例1〜3
改質剤として実施例1、2で得られた芳香族オリゴマー(オリゴマーA、B)およびインデンオリゴマー(オリゴマーC;新日鐵化学製、IP-100、軟化点101℃)を用い、エポキシ樹脂成分としてo-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量 200、軟化点 70℃)、硬化剤としてフェノールノボラック(硬化剤A;OH当量103、軟化点 82℃)、1-ナフトールアラルキル樹脂(硬化剤B;新日鐵化学製SN-485、OH当量210、軟化点90℃)を用い、充填剤としてシリカ(平均粒径、22μm)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを表1に示す配合で混練しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃にて成形し、175℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。
【0037】
ガラス転移点(Tg)は、熱機械測定装置により、昇温速度10℃/分の条件で求めた。吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後133℃、3atm、96時間吸湿させた時のものである。接着性の評価は、エポキシ樹脂組成物を用いて、銅箔上に175℃にて圧縮成形後、175℃にて12時間ポストキュアを行い、ピール強度を測定した。難燃性は、厚さ1/16インチの試験片を成形し、UL94V-0規格によって評価し、5本の試験片での合計の燃焼時間で表した。結果をまとめて表2に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004156874
【0039】
【表2】
Figure 0004156874
【0040】
【発明の効果】
本発明の芳香族オリゴマーは、エポキシ樹脂組成物の改質に有用であり、優れた高耐熱性、難燃性を有するとともに、異種材料との高密着性に優れた硬化物を与え、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の用途に好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 芳香族オリゴマーAのGPCチャート
【図2】 芳香族オリゴマーAの赤外吸収スペクトル
【図3】 芳香族オリゴマーBのGPCチャート

Claims (2)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤および改質剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、インドール類を重合して得られる軟化点が40℃から200℃の芳香族オリゴマーを改質剤として、エポキシ樹脂100重量部に対して2〜200重量部配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
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