JP2011057588A - 多価ヒドロキシ化合物、それらの製造方法及びエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物 - Google Patents

多価ヒドロキシ化合物、それらの製造方法及びエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた難燃性を有し、高耐熱性、耐湿性及び異種材料との高密着性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂の硬化剤、改質剤及びその中間体となるアミノ基又はイミド基含有多価ヒドロキシ化合物の提供。
【解決手段】アミノ基含有多価ヒドロキシ化合物は、下記一般式(1)で表すことができ、フェノール類中のフェノール環1モルに対して、芳香族アミン類及びアルデヒド類をそれぞれ0.05〜1.5モル用いて反応させることにより得られる。式中、Xは直接結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO−又は二価の炭化水素基であり、mの平均は0.05〜1.5である。
Figure 2011057588

【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤、改質剤等として有用な多価ヒドロキシ化合物、これら用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するものであり、プリント配線板、半導体封止等の電気電子分野の絶縁材料、コーティング材料及び複合材料等のベース樹脂として好適に使用される。
エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズは大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、半田耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。また、最近では車載用半導体の進展に伴い、高温使用環境下での信頼性向上が求められ、高いガラス転移点に加えて、熱分解安定性の高い材料の開発が求められている。回路基板材料においても同様に、半田耐熱性向上の観点から低吸湿性、高耐熱性、高密着性の向上に加え、高温使用環境下での分解劣化が小さい材料の開発が望まれている。さらに最近では、環境負荷低減の観点から、ハロゲン系難燃剤排除の動きがあり、より難燃性に優れたエポキシ樹脂及び硬化剤が求められている。
上記背景から種々のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤が検討されている。エポキシ樹脂硬化剤の一例として、ナフタレン系樹脂、ビフェニル系樹脂等が知られており、難燃性向上にある程度有効であるが、硬化性に劣る欠点や炭化水素のみで構成される主骨格を有することから、未だ十分な難燃性とはなっていなかった。
一方、エポキシ樹脂についても、これらの要求を満足するものは未だ知られていない。例えば、周知のビスフェノール型エポキシ樹脂は、常温で液状であり、作業性に優れていることや、硬化剤、添加剤等との混合が容易であることから広く使用されているが、耐熱性、耐湿性の点で問題がある。また、耐熱性を改良したものとして、ノボラック型エポキシ樹脂が知られているが、耐湿性、接着性等に問題がある。更には、主骨格が炭化水素のみで構成される従来のエポキシ樹脂では、難燃性が全くない。
ハロゲン系難燃剤を用いることなく難燃性を向上させるための方策として、リン酸エステル系の難燃剤を添加する方法が開示されている。しかし、リン酸エステル系の難燃剤を用いる方法では、耐湿性が十分ではない。また、高温、多湿な環境下ではリン酸エステルが加水分解を起こし、絶縁材料としての信頼性を低下させる問題があった。リン原子やハロゲン原子を含むことなく、難燃性を向上させるものとして、硬化剤と同様にビフェニル構造を有するアラルキル型エポキシ樹脂を半導体封止材へ応用した検討がなされている。しかしながら、これらのエポキシ樹脂は難燃性や、耐湿性、耐熱性のいずれかにおいて性能が十分でなかった。
また、特許文献1、2及び3にはアミノ基含有フェノール樹脂、イミド基含有フェノール樹脂が開示されているが、フェノール骨格とイミド骨格が交互共重合体となった構造を有しており、耐熱性は向上するものの、軟化点及び粘度が高くなり取扱い性が大幅に低下する問題があった。
さらに、特許文献4及び5にはアミノ基またはマレイミド基が末端基として置換されたフェノール性化合物が開示されているが、アミノ基含有フェノール化合物を合成する際、まずフェノール化合物とアルカリ性条件下でホルムアルデヒドを反応させてジメチロール化合物を合成し、次にこれとアニリン類を酸性条件下で反応させる等の煩雑な合成操作を必要とする問題がある。さらに、ビスフェノール化合物を出発原料としてジメチロール化合物を合成する際、ビスフェノール化合物中のメチレン基が水酸基に対してオルソ位となる制約がある。これより得られる樹脂はその立体障害の大きさから脆い硬化物となる問題があった。
特開平4−227624号公報 特開平7−10970号公報 特開平7−33858号公報 特許4084597号公報 特開2009−161605号公報
本発明の目的は、エポキシ樹脂組成物の硬化剤、改質剤等に有用な多価ヒドロキシ化合物を提供することにある。他の目的は、優れた成形性を有するとともに、耐熱性、難燃性、低吸湿性、熱分解安定性等に優れた硬化物を与える電気・電子部品類の封止、回路基板材料等、複合材料等に有用なエポキシ樹脂組成物を提供すること、及びその硬化物を提供することにある。
すなわち、本発明はフェノール類、芳香族アミン類およびアルデヒド類を反応させて得られる下記一般式(1)で表されるアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物である。
Figure 2011057588

(但し、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R〜Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Xは直接結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO−又は二価の炭化水素基を示す。nは1〜10の数であり、mは0〜2の整数であるが、mの平均は0.05〜1.5である。)
また本発明は、下記一般式(2)で表されるフェノール類の水酸基を有するベンゼン環1モルに対して、下記一般式(3)で表される芳香族アミン類を0.05〜1.5モル、下記一般式(4)で表されるアルデヒド類を0.05〜1.5モル用い、かつ芳香族アミン類とアルデヒド類のモル比が0.5〜2.0の条件で反応させることを特徴とするアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物の製造方法である。
Figure 2011057588

(但し、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Xは直接結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO−又は二価の炭化水素基を示す。nは1〜10の数である。)
Figure 2011057588

(但し、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
Figure 2011057588

(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
さらに本発明は、上記アミノ基含有多価ヒドロキシ化合物とZ(CO)Oで表わされるジカルボン酸無水物類を反応させることにより得られる下記一般式(5)で表されるイミド基含有多価ヒドロキシ化合物である。
Figure 2011057588

(但し、R〜R、X、n及びmは、一般式(1)と同じ意味を有する。Zはジカルボン酸無水物類から生じる少なくとも2個の炭素原子を有する2価の基である。)
また本発明は、上記一般式(2)で表されるフェノール類中の水酸基を有するベンゼン環1モルに対して、上記一般式(3)で表される芳香族アミン類を0.05〜1.5モル、上記一般式(4)で表されるアルデヒド類を0.05〜1.5モル用い、かつ芳香族アミン類とアルデヒド類のモル比が0.5〜2.0の条件で反応させることによりアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物を得て、次にこのアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物とZ(CO)O(但し、Zは少なくとも2個の炭素原子を有する2価の基である。)で表わされるジカルボン酸無水物類を、アミノ基1モルに対し酸無水物基が1.0〜1.5モルとなる割合で使用して反応させることを特徴とするイミド基含有多価ヒドロキシ化合物の製造方法である。
さらに本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、硬化剤の一部又は全部として、上記のアミド基含有多価ヒドロキシ化合物又はイミド基含有多価ヒドロキシ化合物を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。また、本発明は、このエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物である。
本発明のアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物及びイミド基含有多価ヒドロキシ化合物は、エポキシ樹脂の硬化剤、改質剤及びエポキシ樹脂中間体として有用であり、エポキシ樹脂組成物に応用した場合、優れた難燃性を有するとともに、高耐熱性、耐湿性及び異種材料との高密着性に優れた硬化物を与え、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の用途に好適に使用することが可能である。
アミノ基含有樹脂のH−NMRスペクトル アミノ基含有樹脂の赤外吸収スペクトル アミノ基含有樹脂のFDMSスペクトル アミノ基含有樹脂のGPCチャート イミド基含有樹脂のH−NMRスペクトル イミド基含有樹脂の赤外吸収スペクトル イミド基含有樹脂のFDMSスペクトル イミド基含有樹脂のGPCチャート イミド基含有樹脂のGPCチャート アミノ基含有樹脂のGPCチャート イミド基含有樹脂のGPCチャート アミノ基含有樹脂のGPCチャート イミド基含有樹脂のGPCチャート アミノ基含有樹脂のGPCチャート イミド基含有樹脂のGPCチャート
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物(以下、アミノ基含有樹脂ともいう)は一般式(1)で表される。また、本発明のイミド基含有多価ヒドロキシ化合物(以下、イミド基含有樹脂ともいう)は一般式(5)で表される。イミド基含有樹脂は、アミノ基含有樹脂のアミノ基をイミド化することにより得ることができるので、アミノ基含有樹脂はイミド基含有樹脂の中間体でもある。また、アミノ基含有多価ヒドロキシ化合物及びイミド基含有多価ヒドロキシ化合物は、いずれも多価ヒドロキシ化合物である点で共通するので、両者を本発明の多価ヒドロキシ化合物と、又はアミノ基又はイミド基含有樹脂と総称する。
本発明のアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物は、一般式(2)で表されるフェノール類と芳香族アミン類とアルデヒド類を反応させることにより得られるので、まず製造方法の発明から説明する。
一般式(2)において、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜8の炭化水素基である。Rが水素原子又はメチル基であると低粘度性が優れる。また、水酸基であると耐熱性が優れる。さらに、フェニル基、ベンジル基、スチリル基又はインデニル基であると耐湿性、難燃性、高接着性が優れる。好ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルコキシ基又は炭素数1〜3のアルキル基である。
一般式(2)において、Xは直接結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO−又は二価の炭化水素基である。Xが直接結合、−SO2−、−CO−であると耐熱性が優れる。また、Xがメチレン基、エチリデン基又はイソプロピリデン基であると溶剤溶解性、低粘度性が優れる。さらに、Xが−CH2−φ−CH2−基又は−CH2−φ−φ−CH2−基であると耐湿性、難燃性、耐クラック性に優れる。ここで、φはフェニレンを示す。2価の炭化水素基としては、炭素数1〜14の炭化水素基が好ましいが、より好ましくは炭素数1〜3のアルキレン若しくはアルキリデン又はキシリレンである。
一般式(2)において、nは1〜10の数である。ここで、一般式(2)のフェノール類は、nの値が異なる成分の混合物より構成されたフェノール性樹脂である場合は、nはその平均(数平均)値である。なお、一般式(2)のフェノール性化合物としては、nが1又は2の整数であるビスフェノール化合物又はトリスフェノール化合物、又は平均値nが1〜2にあるビスフェノール化合物又はトリスフェノール化合物を主成分とする樹脂、あるいはこれらの化合物又は樹脂を主成分とするものであると低粘度性、溶剤溶解性が優れる。より好ましいnは、整数である場合は1であり、平均値である場合は1〜1.5である。
一般式(2)で表されるフェノール類としては、nが1〜10の整数のいずれかである単一化合物である場合と、2種以上の混合物である場合とがあり、混合物である場合は分子量分布を有する樹脂であることができる。好ましくは、nが1であるビスフェノール化合物及び分子量分布を有する多価のフェノール性樹脂が挙げられる。
具体的に例示すれば、ビスフェノール化合物としては、ビスフェノールF、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、フルオレンビスフェノール、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノールを挙げることができる。また、多価のフェノール性樹脂としては、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、フェノールとビスクロロメチルビフェニルとの反応により得られるビフェニル型アラルキル樹脂を例示することができる。
一般式(3)において、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。R、Rが水素原子又はメチル基であると低粘度性が優れる。さらに、フェニル基、ベンジル基、スチリル基、インデニル基であると耐湿性、難燃性、高接着性が優れる。一般式(3)の芳香族アミン類として具体的には、アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、エチルアニリン類、フェニルアニリン類、ベンジルアニリン類を挙げることができるが、低粘度性、反応性の観点からは、アニリンが好ましい。
一般式(4)において、Rは水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基を示す。一般式(4)のアルデヒド類として具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドを挙げることができるが、低粘度性、反応性の観点からはホルムアルデヒドが好ましい。なお、反応の際のホルムアルデヒド源としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等を用いることができる。
本発明のアミノ基含有樹脂は、式(2)で表されるフェノール類と式(3)で表される芳香族アミン類および式(4)で表されるアルデヒド類を含む反応混合物を反応させることにより合成することができる。この反応において、主反応は次のとおり進行する。まず、アルデヒド類が芳香族アミン類と優先的に反応して、アルデヒド類の芳香族アミン付加物が生成する。次に、この付加物がフェノール類と反応して、フェノール類と芳香族アミン類がアミノメチル基を介して結合した脱水縮合物が生成し、次にこれが転移反応を起こして、フェノール類と芳香族アミン類がメチレン結合を介して反応した本発明のアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物が生成する。従って、芳香族アミン類に対して、アルデヒド類が不足する場合は未反応の芳香族アミン類が残存し、アルデヒド類が過剰の場合は、これがフェノール類あるいは生成したアミノ基含有樹脂と反応し高分子量化する。
これらの点から、芳香族アミン類の使用量は、フェノール類中の水酸基を有するベンゼン環1モルに対して0.05〜1.5モルの範囲であるが、好ましくは0.1〜1.0、より好ましくは0.15〜1.0モル、さらに好ましくは0.2〜0.9モル、さらに好ましくは0.4〜0.8モルの範囲である。これより少ないと耐熱性、難燃性等の向上効果が小さく、これより多いと軟化点が高くなり取り扱い性が低下する。
アルデヒド類の使用量は、フェノール類中の水酸基を有するベンゼン環1モルに対して、0.05〜1.5モルの範囲であるが、好ましくは0.1〜1.0、より好ましくは0.15〜1.0モル、さらに好ましくは0.2〜0.9モル、さらに好ましくは0.4〜0.8モルの範囲である。また、芳香族アミン類1モルに対して0.5〜2.0モルの範囲であるが、好ましくは0.8〜1.2モル、より好ましくは0.9〜1.1モルの範囲である。これより少ないと反応後の残存する未反応の芳香族アミン類の量が多くなり、これより多いとフェノール類あるいは、生成したアミノ基含有樹脂がアルデヒド類と反応し高分子量化することで、高軟化点化および高粘度化して取り扱い性が低下するとともに、場合によりゲル化することがある。
アルデヒド類は、フェノール類と芳香族アミン類を結合させる架橋剤として作用する。フェノール類中のベンゼン環1つに対し、芳香族アミン類がm個結合すると理解される。この反応は縮合反応であり、水が生成する。ここで、フェノール類中の水酸基を有するベンゼン環とは、一般式(2)において、水酸基と結合しているベンゼン環を意味し、フェノール類中のベンゼン環又はフェノール環と同意である。
この反応は無触媒又は触媒の存在下に行うことができる。触媒を使用する場合、触媒としては、たとえば周知の無機酸、有機酸より適宜選択することができる。具体的には、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸あるいはイオン交換樹脂、活性白土、シリカ-アルミナ、ゼオライト等の固体酸等が挙げられる。
また、この反応は、通常、10〜250℃で1〜20時間行われる。好ましい反応温度は50〜200℃であり、好ましい反応時間は1〜10時間である。更に、反応の際には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を溶媒として使用することができる。
反応終了後、場合により、得られたアミノ基含有樹脂中には、未反応の芳香族アミン類およびアルデヒド類が残存する。残存した芳香族アミン類およびアルデヒド類は、通常、減圧蒸留、水洗あるいは溶剤分割等の方法により系外に除去される。減圧蒸留の際にも反応が進行するので、温度及び時間(合計)は上記の範囲に収めることがよい。アミノ基含有樹脂中に残存する未反応の芳香族アミン類およびアルデヒド類の量は少ない方が望ましく、通常は、5重量%以下であり、好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。残存する芳香族アミン類およびアルデヒド類の量が多いと、成形物を作成する際に揮発し、成形作業性を低下させるとともに成形物のボイドの原因になることがある。また、成形物の難燃性も低下する。
本発明のアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物は、上記一般式(1)で表される。ここで、X、Rおよびnは一般式(2)のフェノール類の説明におけるX、Rおよびnと同じである。また、R、R3は一般式(3)の芳香族アミン類の説明におけるR、R3と同じであり、Rは一般式(4)のアルデヒド類の説明におけるRと同じである。
一般式(1)において、mは0〜2の整数であるが、水酸基と結合しているベンゼン環(フェノール環)1個当たりの平均でmは0.05〜1.5の範囲である。アミノ基含有樹脂としてみた場合、mの数はフェノール環1個について、平均的に0.05〜1.5であるが、好ましくは0.1〜1.0、より好ましくは0.15〜1.0、さらに好ましくは0.2〜0.9、さらに好ましくは0.4〜0.8の範囲である。これより少ないと耐熱性、難燃性等の向上効果が小さく、これより多いと軟化点が高くなり取り扱い性が低下する。本発明のアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物が、分子量分布を有せず、nが整数である化合物である場合は、一分子中の少なくとも1つのmは1又は2である。また、nが分子量分布を有し、平均値である化合物である場合は、一分子当たりの平均のm(一分子中のmの合計の数平均)は、0.1〜3の範囲である。
本発明のアミノ基含有樹脂の軟化点は40〜160℃であることがよく、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃の範囲である。ここで、軟化点は、JISK−6911の環球法に基づき測定される軟化点を指す。これより低いと、これをエポキシ樹脂に配合したとき、硬化物の耐熱性が低下し、これより高いと成形時の流動性が低下する。さらには、本発明のイミド基含有樹脂の中間体として用いた場合、得られたイミド基含有樹脂の軟化点および粘度が高くなり、取り扱い性が低下する。なお、アミノ基含有樹脂およびイミド基含有樹脂の軟化点は、一般式(1)のn又はm等を変化させることに調整可能であり、一般にこれらを大きくすることにより軟化点を高くすることができる。
次に、一般式(5)で表される本発明のイミド基含有樹脂について説明する。一般式(5)において、R〜R、X、mおよびnは、一般式(1)における説明と同じ意味である。
また、一般式(5)において、mの数が少ないと耐熱性、難燃性等の向上効果が小さく、これより多いと軟化点が高くなり取り扱い性が低下する。
Zは、Z(CO)2Oで表わされるジカルボン酸無水物類から、酸無水物基(CO)2Oをとって生じる2価の基である。したがって、Zはジカルボン酸の無水物の説明から理解される。
好ましいZとしては、CnH2n又はCnH2n-2で表わされる2価の脂肪族基、Aで表わされる2価の1〜3環の芳香族環、Ar-Y-Arで表わされる2価の芳香族基、シクロC4-6で表わされる2価のシクロ炭化水素基、ビシクロC6-8で表わされる2価のビシクロ炭化水素基が例示される。また、nとしては1〜8の範囲が好ましい。Aとしては2価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましい。Arとしてはベンゼン環が好ましいが、2つのArは同一でなくともよい。Yとしては、単結合、O、S、SO、SO2、CO又はCnH2nが好ましく、nとしては1〜8の範囲が好ましい。シクロC4-6としては、2価のC4〜C6のシクロアルカン、シクロアルケン又はシクロアルカジエン環が好ましい。ビシクロC6-8で表わされる2価のビシクロ炭化水素基としては2価のC6-8のビシクロアルカン環が好ましい。これらの炭化水素基、芳香族環又は脂肪族環は置換基を有することができ、置換基を有する場合好ましい置換基は炭素数1-6のアルキル基、フェニル基、炭素数1-6のアルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲンである。
また、Zは炭素数2〜24の不飽和脂肪族基、不飽和単環式脂肪族基、不飽和縮合多環式脂肪族基、環式脂肪族基が直接または架橋員により相互に連結された不飽和非縮合多環式脂肪族基、置換基として鎖状脂肪族基を有する単環式芳香族基、置換基として鎖状脂肪族基を有する縮合多環式芳香族基、置換基として不飽和単環式脂肪族基および置換基として不飽和単環式脂肪族基を有する縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基であることが好ましい。
本発明のイミド基含有樹脂は、本発明のアミノ基含有樹脂にジカルボン酸無水物を反応させることにより得ることができる。
ここで使用できるジカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボンキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボン酸フェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物、シクロブタン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロブタン−1,3−ジカルボン酸無水物、1,2−シクロペンタンジカルボン酸無水物、1−メチル−1,2−シクロペンタンジカルボン酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸無水物、3−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,6−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセニルコハク酸無水物、5−ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−ビシクロ[2,2,2]オクテン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ビシクロ[2,2,2]オクテン−2,3−ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。なかでも好適な化合物は無水マレイン酸、無水フタル酸および無水ナジック酸である。無水マレイン酸を用いた場合はマレイミド基が生成し、これを樹脂組成物に応用した場合、マレイミド基が硬化反応に関与するために、大幅な耐熱性の向上が期待できる。また、無水フタル酸および無水ナジック酸を用いた場合は、硬化物において耐湿性および耐熱性の向上が期待できる。
この製造方法においては、まずアミノ基含有樹脂にカルボン酸無水物を反応させたのち、この付加物を加熱脱水閉環するか、酸性触媒の存在下、所定の溶媒中で加熱還流することにより脱水縮合させるものである。触媒を用いずに加熱脱水閉環する方法は、常圧もしくは減圧下において加熱脱水を行う。反応は通常無溶媒で行うが、反応に不活性な溶媒を使用してもよい。この方法では上記のカルボン酸無水物のいずれも使用できるが、特に不飽和脂肪族カルボン酸無水物を除くカルボン酸無水物が好適である。
酸性触媒を用いて脱水閉環させる場合では、酸性触媒として、硫酸、塩酸、リン酸等の鉱酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロゲン化カルボン酸、シリカアルミナ等の固体酸、カチオン型イオン交換樹脂等が使用できる。特に硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸が好適である。またこれらの酸は、アミンとの塩の形となっていてもよい。これらの酸性触媒は、その種類によっても異なるが、一般にジカルボン酸無水物と前記アミノ基含有樹脂との合計量当り、0.1〜10重量%の量で使用することが望ましい。触媒量が、0.1重量%よりも少ない場合には所望の触媒効果が達成されず、また10重量%より多く用いたとしても一定以上の効果が得られず、経済的に不利となるばかりか、残存触媒の除去が困難になる。
縮合反応に際して用いる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素およびそのハロゲン化物、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アニソール、n−ブチルエーテル等の含酸素ないしは含硫黄極性溶媒が使用される。溶媒量は、一般に前記アミノ基含有樹脂およびカルボン酸無水物との合計量の1〜20倍、特に2〜10倍の範囲にあることが好適である。
反応温度は一般に80〜200℃、好ましくは150〜200℃である。加熱還流下で反応を行う場合の反応温度は、用いる溶媒等によっても若干異なるが、一般に80〜190℃、特に100〜160℃の範囲が好適である。圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれでもよく、用いる溶媒と反応温度とに応じて適宜選択される。反応時間は、一般に0.5〜20時間、特に1〜15時間の範囲である。なお、ジカルボン酸無水物とアミノ基含有樹脂の仕込量は、アミノ基含有樹脂成分に対して、ジカルボン酸無水物量を等量または、若干過剰とすることが好適である。一般には、モル基準で、アミノ基含有樹脂中の全アミノ基に対して、カルボン酸無水物が1.0〜1.5倍となるように仕込めばよい。縮合反応完了後、反応混合物を水洗して、残存触媒、未反応ジカルボン酸無水物を除去したのち、溶媒を留去して濃縮物を得る。このようにして得られるイミド基含有樹脂は、イミド基/水酸基のモル比が3:97〜80:20、軟化点60〜160℃程度であることがよい。なお、未反応ジカルボン酸無水物の除去は、ジカルボン酸無水物の沸点によって異なるが、減圧下150〜250℃で行うことがよい。
本発明のイミド基含有樹脂は、アミノ基含有樹脂のアミノ基部位が、ジカルボン酸無水物と反応した後に、一次的に生じるアミド基部位の少なくとも一部、好ましくは全部がイミド基となっている樹脂である。イミド化後のアミノ基の量は可及的に少量であることがよく、アミン当量として5000g/eq.以上であることが好ましく、より好ましくは10000g/eq.以上である。なお、アミン当量が5000g/eq.以上であるようにイミド化することは難燃性、耐熱性向上の点で有利である。
また本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、硬化剤の一部又は全部として、本発明のアミノ基又はイミド基含有樹脂を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物であり、次の2種類がある。
1)硬化剤の一部又は全部として前記アミノ基含有樹脂を配合した組成物。
2)硬化剤の一部又は全部として前記イミド基含有樹脂を配合した組成物。
3)硬化剤の一部又は全部として前記アミノ基含有樹脂と前記イミド基含有樹脂を配合した組成物。
上記1)及び2)の組成物の場合、アミノ基又はイミド基含有樹脂の配合量(アミノ基含有樹脂とイミド基含有樹脂の両者を配合する場合は、合計量)は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して2〜200重量部、好ましくは5〜80重量部の範囲である。これより少ないと難燃性、低吸湿性及び密着性向上の効果が小さく、これより多いと成形性および硬化物の強度が低下する問題がある。
硬化剤の全量として本発明のアミノ基含有樹脂又はイミド基含有樹脂を用いる場合、通常、それぞれの配合量は、樹脂中のアミノ基およびフェノール性水酸基の活性水素の量とエポキシ樹脂中のエポキシ基の当量バランスを考慮して配合する。エポキシ樹脂及び硬化剤の当量比は、通常、0.2〜5.0の範囲であり、好ましくは0.5〜2.0の範囲である。これより大きくても小さくても、エポキシ樹脂組成物の硬化性が低下するとともに、硬化物の耐熱性、力学強度等が低下する。
硬化剤として本発明のアミノ基又はイミド基含有樹脂以外の硬化剤を併用することができる。その他の硬化剤の配合量は、アミノ基又はイミド基含有樹脂の配合量が、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して2〜200重量部、好ましくは5〜80重量部の範囲が保たれる範囲内で決定される。アミノ基又はイミド基含有樹脂の配合量がこれより少ないと難燃性、低吸湿性及び密着性向上の効果が小さく、これより多いと成形性及び硬化物の強度が低下する問題がある。
アミノ基又はイミド基含有樹脂以外の硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用でき、ジシアンジアミド、酸無水物類、多価フェノール類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。これらの中でも、半導体封止材等の高い電気絶縁性が要求される分野においては、多価フェノール類を硬化剤として用いることが好ましい。以下に、硬化剤の具体例を示す。
酸無水物硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ドデシニルコハク酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o-クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更には、フェノール類、ナフトール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物等がある。また、前記の本発明のフェノール樹脂組成物を配合することもできる。
アミン類としては、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、p-キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
上記組成物には、これら硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
上記組成物に使用されるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するもの中から選択される。例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、3,3',5,5’−テトラメチル−ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、2,2' −ビフェノール、3,3',5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェノール、レゾルシン、ナフタレンジオール類等の2価のフェノール類のエポキシ化物、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類のエポキシ化物、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物、フェノール類とパラキシリレンジクロライド等から合成されるフェノールアラルキル樹脂類のエポキシ化物、フェノール類とビスクロロメチルビフェニル等から合成されるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、ナフトール類とパラキシリレンジクロライド等から合成されるナフトールアラルキル樹脂類のエポキシ化物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。より好ましいエポキシ樹脂は3,3',5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェノール、3,3',5,5’−テトラメチル−ビスフェノールF等から得られる結晶性エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック等の多官能樹脂から得られるエポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂類、ビフェニルアラルキル樹脂類から得られるエポキシ樹脂等の常温で固体状エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデン樹脂、インデン・クマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を他の改質剤等として適宜配合してもよい。添加量は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜30重量部の範囲である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤等の添加剤を配合できる。無機充填剤としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、又はマイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ等が挙げられ、半導体封止材に用いる場合の好ましい配合量は70重量%以上であり、更に好ましくは80重量%以上である。
顔料としては、有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じて硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2から5重量部の範囲である。
更に必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤の溶解させたワニス状態とした後に、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー等のポリエステル不織布、等の繊維状物に含浸させた後に溶剤除去を行い、プリプレグとすることができる。また、場合により銅箔、ステンレス箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等のシート状物上に塗布することにより積層物とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させれば、本発明のエポキシ樹脂硬化物とすることができ、この硬化物は低吸湿性、高耐熱性、密着性、難燃性等の点で優れたものとなる。この硬化物は、エポキシ樹脂組成物を注型、圧縮成形、トランスファー成形等の方法により、成形加工して得ることができる。この際の温度は通常、120〜220℃の範囲である。
本発明のアミノ基又はイミド基含有樹脂は他の多価フェノール類と混合することでフェノール樹脂組成物とすることもできる。アミノ基又はイミド基含有樹脂の含有率は、他の多価フェノール類100重量部に対し、2〜200重量部、好ましくは5〜100重量部、更に好ましくは10〜80重量部の範囲である。これより少ないと低吸湿性、耐熱性、密着性、及び難燃性等の改質効果が小さく、これより多いと粘度が高くなり成形性が低下する。
ここで言う他の多価フェノール類は、先のエポキシ樹脂組成物の硬化剤の例として説明した多価フェノール類と同じものが使用できる。
上記のフェノール樹脂組成物は、ヘキサメチルテトラミン等のフェノール樹脂成形材料に一般的に用いる硬化剤と併用することにより、フェノール樹脂硬化物とすることができる。
また本発明のアミノ基又はイミド基含有樹脂は、これにハロゲン化アルキル化合物、ハロゲン化アルケニル化合物、エピハロヒドリン化合物等を反応させることにより、アミノ基含有樹脂中のアミノ基及びフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部をアルキル基、アルケニル基、グリシジル基等に置換することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
ここで、粘度はBROOKFIELD製、CAP2000Hを用い、軟化点はJIS K−6911に従い環球法で測定した。また、GPC測定は、装置;日本ウォーターズ(株)製、515A型、カラム;TSK−GEL2000×3本およびTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件であり、検量線にはポリスチレン標準液を使用した。アミン当量は0.1M過塩素酸−酢酸溶液による電位差滴定により求めた。また、アミノ基含有樹脂の水酸基当量は、塩化アセチル法で求めた水酸基とアミノ基の合計量から、アミン当量の測定で求めたアミノ基量を差し引くことで水酸基量を見積もることで推算した。
実施例1
アニリン46.5g(0.5モル)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン200g(1.0モル)を仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し、37%ホルマリン水溶液40.5g(0.5モル)を滴下した。次に、撹拌しながら95℃まで昇温して2時間還流させ、さらに脱水後180℃まで昇温し、2時間反応させた。その後、減圧下180℃にて未反応のアニリンを除去し、アミノ基含有樹脂238.5gを得た。得られた樹脂の水酸基当量は117.4g/eq.、アミン当量は626.4g/eq.、軟化点は62℃、150℃における溶融粘度は31mPa・sであった。
H−NMRスペクトルを図1、赤外吸収スペクトルを図2、FDMSスペクトルを図3、GPCチャートを図4に示す。FDMSスペクトルにおいて、式(1)でn=1およびm=0に対応するm/z=200、n=1およびm=1に対応するm/z=305、n=2およびm=1に対応するm/z=518、n=2およびm=2に対応するm/z=623、n=2およびm=3に対応するm/z=728、n=3およびm=2に対応するm/z=835、n=3およびm=3に対応するm/z=940、n=3およびm=4に対応するm/z=1045、n=4およびm=3に対応するm/z=1152、n=4およびm=4に対応するm/z=1258、n=5およびm=3に対応するm/z=1363、n=6およびm=2に対応するm/z=1469が観察された。なお、FDMSスペクトルに関する説明において、式(1)のmは1分子中のmの合計と理解される。
実施例2
実施例1で得られたアミノ基含有樹脂60g、無水フタル酸14.2gを仕込み、窒素を導入しながら150℃に加熱し溶解させ1時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下230℃にて未反応の無水フタル酸を除去し、イミド基含有樹脂57.1gを得た(樹脂A)。得られた樹脂の水酸基当量は157g/eq.、アミン当量は74950g/eq.、軟化点は76℃、150℃における溶融粘度は0.11Pa・sであった。
H−NMRスペクトルを図5、赤外吸収スペクトルを図6、FDMSスペクトルを図7、GPCチャートを図8に示す。FDMSスペクトルにおいて、式(5)でn=1およびm=0に対応するm/z=200、n=1およびm=1に対応するm/z=435、n=2およびm=1に対応するm/z=647、n=1およびm=2に対応するm/z=670、n=2およびm=2に対応するm/z=884、n=1およびm=3に対応するm/z=906、n=3およびm=2に対応するm/z=1095、n=2およびm=3に対応するm/z=1118、n=3およびm=3に対応するm/z=1330が観察された。
実施例3
実施例1で得られたアミノ基含有樹脂60g、無水マレイン酸9.4g、トルエン120gを仕込み、窒素を導入しながら、110℃に加熱してトルエンとの共沸で水を系外に除きながら2時間反応させた。その後、減圧下180℃まで加熱し、トルエンおよび未反応の無水マレイン酸を除去し、イミド基含有樹脂64.3gを得た(樹脂B)。得られた樹脂の水酸基当量は144g/eq.、アミン当量は138400g/eq.、軟化点は88.5℃、150℃における溶融粘度は0.44Pa・sであった。GPCチャートを図9に示す。
実施例4
アニリン46.5g(0.5モル)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン100g(0.5モル)を仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し、37%ホルマリン水溶液40.5g(0.5モル)を滴下した。次に、撹拌しながら95℃まで昇温して2時間還流させ、さらに脱水後180℃まで昇温し、2時間反応させた。その後、減圧下180℃にて未反応アニリンを除去し、アミノ基含有樹脂134.6gを得た。得られた樹脂の水酸基当量は122.0g/eq.、アミン当量は386.4g/eq.、軟化点は85℃、150℃における溶融粘度は0.19Pa・sであった。GPCチャートを図10に示す。
実施例5
実施例4で得られたアミノ基含有樹脂50g、無水フタル酸19.2gを仕込み、窒素を導入しながら150℃に加熱し溶解させ1時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下230℃にて未反応無水フタル酸を除去し、イミド基含有樹脂63.8gを得た(樹脂C)。得られた樹脂の水酸基当量は189g/eq.、アミン当量は11030g/eq.、軟化点は111.3℃、150℃における溶融粘度は2.3Pa・sであった。GPCチャートを図11に示す。
実施例6
アニリン45.9g(0.49モル)、ビスフェノールA150g(0.66モル)を仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し、37%ホルマリン水溶液40.0g(0.49モル)を滴下した。次に、撹拌しながら95℃まで昇温して2時間還流させ、さらに脱水後180℃まで昇温し、2時間反応させた。その後、減圧下180℃にて未反応アニリンを除去し、アミノ基含有樹脂186.6gを得た。得られた樹脂の水酸基当量は132.4g/eq.、アミン当量は516.2g/eq.、軟化点は88℃、150℃における溶融粘度は0.19Pa・sであった。GPCチャートを図12に示す。
実施例7
実施例6で得られたアミノ基含有樹脂70g、無水フタル酸20.1gを仕込み、窒素を導入しながら150℃に加熱し溶解させ1時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下230℃にて未反応無水フタル酸を除去し、イミド基含有樹脂80.5gを得た(樹脂D)。得られた樹脂の水酸基当量は200g/eq.、アミン当量は39630g/eq.、軟化点は105℃、150℃における溶融粘度は1.3Pa・sであった。GPCチャートを図13に示す。
実施例8
アニリン23.7g(0.25モル)、フェノールアラルキル樹脂(明和化成製、MEH−7800SS、OH当量175、軟化点67℃)200gを仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し、37%ホルマリン水溶液20.6g(0.25モル)を滴下した。次に、撹拌しながら95℃まで昇温して2時間還流させ、さらに脱水後180℃まで昇温し、2時間反応させた。その後、減圧下180℃にて未反応アニリンを除去し、アミノ基含有樹脂200gを得た。アミン当量は1060g/eqであった。GPCチャートを図14に示す。
このアミノ基含有樹脂を150℃とした後に、無水フタル酸25.1gを仕込み、窒素を導入しながら150℃に加熱し溶解させ1時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下230℃にて未反応無水フタル酸を除去し、イミド基含有樹脂212.7gを得た(樹脂E)。得られた樹脂の水酸基当量は217g/eq.、アミン当量は30540g/eq.、軟化点は101℃、150℃における溶融粘度は2.2Pa・sであった。GPCチャートを図15に示す。
合成例1(比較)
アニリン40.0g、フェノール200.0g、37%ホルマリン溶液41.5gを仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し溶解させた。次に、撹拌しながら95℃まで昇温して2時間還流させ、さらに脱水後180℃まで昇温し、2時間反応させた。その後、減圧下180℃にて未反応フェノール、アニリンを除去し、アミノ基含有樹脂102.0gを得た。得られた樹脂の水酸基当量は145.8g/eq.、アミン当量は242g/eq.、軟化点は61℃、150℃における溶融粘度は0.02Pa・sであった。
得られたアミノ基含有樹脂102.0g、無水フタル酸63.6gを仕込み、窒素を導入しながら80℃に加熱し溶解させた。その後、撹拌しながら150℃まで昇温し1時間反応させた。この間、反応により生成する水は系外に除いた。その後、減圧下230℃にて未反応無水フタル酸を除去し、イミド基含有樹脂152.1gを得た(樹脂F)。得られた樹脂の水酸基当量は295g/eq.、アミン当量は39750g/eq.、軟化点は105℃、150℃における溶融粘度は0.65Pa・sであった。
実施例9〜13及び比較例1〜3
エポキシ樹脂成分としてo-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量200、軟化点65℃)、硬化剤として実施例2、3、5、7、8、合成例1で得たイミド基含有樹脂(樹脂A〜F)、フェノールノボラック(樹脂G:群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 82℃)、フェノールアラルキル樹脂(樹脂H;明和化成製、MEH−7800SS、OH当量175、軟化点67℃)を用い、充填剤としてシリカ(平均粒径18μm)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン及び表1に示すその他の成分を表1に示す配合割合で混練しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃にて成形し、175℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。
ガラス転移点(Tg)及び線膨張係数(CTE)の測定は、熱機械測定装置を用いて10℃/分の昇温速度で求めた。また吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて、直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後85℃、85%RHで100時間吸湿させた後の重量変化率とした。曲げ強度及び曲げ弾性は、JISK 6911に従い、3点曲げ試験法で常温にて測定した。接着強度は、銅板2枚の間に25mm×12.5mm×0.5mmの成形物を圧縮成形機により175℃で成形し、180℃にて12時間ポストキュアを行った後、引張剪断強度を求めることにより評価した。難燃性は、厚さ1/16インチの試験片を成形し、UL94V-0規格によって評価し、5本の試験片での合計の燃焼時間で表した。結果を表1に示す。
Figure 2011057588

Claims (6)

  1. フェノール類、芳香族アミン類およびアルデヒド類を反応させて得られる下記一般式(1)、
    Figure 2011057588

    (但し、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R〜Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Xは直接結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO−又は二価の炭化水素基を示す。nは1〜10の数であり、mは0〜2の整数であるが、mの平均は0.05〜1.5である。)で表されるアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物。
  2. 下記一般式(2)、
    Figure 2011057588

    (但し、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Xは直接結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO−又は二価の炭化水素基を示す。nは1〜10の数である。)で表されるフェノール類の水酸基を有するベンゼン環1モルに対して、
    下記一般式(3)、
    Figure 2011057588

    (但し、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
    で表される芳香族アミン類を0.05〜1.5モル、
    下記一般式(4)、
    Figure 2011057588

    (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
    で表されるアルデヒド類を0.05〜1.5モル用い、かつ芳香族アミン類とアルデヒド類のモル比が0.5〜2.0の条件で反応させることを特徴とするアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物の製造方法。
  3. 請求項1に記載のアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物とZ(CO)Oで表わされるジカルボン酸無水物類を反応させることにより得られる下記一般式(5)で表されるイミド基含有多価ヒドロキシ化合物。
    Figure 2011057588

    (但し、R〜R、X、n及びmは、一般式(1)と同じ意味を有する。Zはジカルボン酸無水物類から生じる少なくとも2個の炭素原子を有する2価の基である。)
  4. 下記一般式(2)で表されるフェノール類中の水酸基を有するベンゼン環1モルに対して、下記一般式(3)で表される芳香族アミン類を0.05〜1.5モル、下記一般式(4)で表されるアルデヒド類を0.05〜1.5モル用い、かつ芳香族アミン類とアルデヒド類のモル比が0.5〜2.0の条件で反応させることによりアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物を得て、次にこのアミノ基含有多価ヒドロキシ化合物とZ(CO)O(但し、Zは少なくとも2個の炭素原子を有する2価の基である。)で表わされるジカルボン酸無水物類を、アミノ基1モルに対し酸無水物基が1.0〜1.5モルとなる割合で使用して反応させることを特徴とするイミド基含有多価ヒドロキシ化合物の製造方法。
    Figure 2011057588

    (但し、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、Xは直接結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO−又は二価の炭化水素基を示す。nは1〜10の数である。)
    Figure 2011057588

    (但し、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
    Figure 2011057588

    (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
  5. エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、硬化剤の一部又は全部として、請求項1又は3に記載のアミド基含有多価ヒドロキシ化合物又はイミド基含有多価ヒドロキシ化合物を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
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