JP2014062153A - 電子材料用エポキシ樹脂組成物及び電子部品 - Google Patents

電子材料用エポキシ樹脂組成物及び電子部品 Download PDF

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浩一郎 大神
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Abstract

【課題】低粘度性、成形性に優れるとともに、耐熱性、特に実用性の観点から酸素存在下での熱分解安定性に優れ、更には、耐湿性、低熱膨張性、熱伝導性にも優れた性能を有する電子材料用のエポキシ樹脂組成物、およびその硬化物を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填材よりなるエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、ジケトン系エポキシ樹脂を用い、硬化剤成分として、一分子中の水酸基の数が2以上であり、かつ150℃での溶融粘度が50〜500mPa・sであるフェノール化合物を用い、無機充填材を70wt%以上含有してなるエポキシ樹脂組成物、およびその硬化物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱分解安定性、低熱膨張性、低吸湿性等に優れた硬化物を与える電子材料用エポキシ樹脂組成物およびこの硬化物で形成された電子部品に関するものである。
近年、電子材料分野の進歩にともない、より高性能な樹脂材料の開発が求められている。例えば、半導体封止の分野においては、車載用半導体の進展により、高耐熱性、特に熱分解安定性に優れた樹脂組成物が求められている。その一方、高密度実装化も進展していることから、無機フィラーの高充填率化が指向され、低粘度で成形性に優れた樹脂組成物が強く求められている。また、封止材料としての信頼性向上の観点から、低吸湿性、低熱膨張性、密着性等の向上も求められている。
しかしながら、これらの要求を満足するエポキシ樹脂組成物は未だ提案されていない。例えば、耐熱性、耐湿性を改善したものとして、特許文献1にはナフトールアラルキル型エポキシ樹脂組成物、特許文献2には4,4’−ジヒドロキシビフェニルをp−キシリレン基で連結したアラルキル型のエポキシ樹脂組成物、特許文献3にはビスフェノール化合物をビフェニレン基で連結した構造を持つビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂組成物が開示されているが、いずれも、熱分解安定性、低熱膨張性の観点からは十分ではなかった。
特許文献4にジケトン構造を持つエポキシ樹脂が提案されている。しかし、開示されたエポキシ樹脂はいずれも結晶性で融点の高いものが多いため、取扱性、成形性に劣るとともに、実施例として開示された樹脂組成物は、硬化剤として芳香族ジアミンを用いたものであり、信頼性の観点から電子部品用樹脂組成物としては不向きであるとともに、硬化物の熱分解安定性も十分ではなかった。
特開平1−252624号公報 特開平4−255714号公報 特開平8−239454号公報 特開昭60−226869号公報
従って本発明の目的は、低粘度性および成形性に優れるとともに、耐熱性、特に実用性の観点から酸素存在下での熱分解安定性に優れ、さらには、耐湿性、低熱膨張性、および熱伝導性にも優れた性能を有する電子材料用のエポキシ樹脂組成物およびその硬化物を提供することにある。
すなわち本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填材よりなるエポキシ樹脂組成物において、主たるエポキシ樹脂成分として、一般式(1)で表されるジケトン系エポキシ樹脂、主たる硬化剤成分として、一分子中の水酸基の数が2以上であり、かつ150℃での溶融粘度が50mPa・sから500mPa・sであるフェノール化合物を用い、無機充填材を組成物中70wt%以上含有してなる電子材料用エポキシ樹脂組成物、およびこれを硬化して得られる硬化物で形成された電子部品である。
Figure 2014062153
(但し、Xは直接結合または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R1およびR2はそれぞれ同時または別々に水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはグリシジルオキシ基を表す。また、Gはグリシジル基を示し、nは0.1〜15の数を示す。)
本発明の好ましい態様を次に示す。
1) ジケトン系エポキシ樹脂が、一般式(1)においてn=0体が90%以下でありかつ常温で非結晶性のエポキシ樹脂であること。
2) ジケトン系エポキシ樹脂が、一般式(1)において、Xが1,3−フェニレン基であるエポキシ樹脂であること。
3) フェノール化合物が、下記一般式(2)で表されるアラルキル型フェノール樹脂であること。
Figure 2014062153
(但し、Aはベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル環を示し、kは1〜15の数、mおよびpは1または2の数を示す。)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、低粘度で成形性に優れているとともに、優れた高耐熱性、熱分解安定性、および低吸湿性に優れた硬化物を与え、電気・電子部品類の封止、回路基板材料等の電子材料用途に好適に使用することが可能である。
本発明の電子材料用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填材を含み、主たるエポキシ樹脂成分が、一般式(1)で表されるジケトン系エポキシ樹脂、主たる硬化剤成分が、一分子中にOH基を2以上有し、かつ150℃での溶融粘度が50mPa・s〜500mPa・sであるフェノール化合物であり、無機充填材を組成物中70wt%以上含有する。
ジケトン系エポキシ樹脂は一般式(1)で表され、nは繰り返し単位であり、0〜15の数であるが、通常は繰り返し単位nの値が異なる成分の混合物である。好ましいnの値は平均値(数平均)として0.1〜4.0である。より好ましくは、nの値は0.1〜2.0である。これより小さいと結晶性が強くなるとともに融点が高くなり、取扱い性が低下する。これより大きいと粘度が高くなり成形性が低下する。低粘度性、取扱い性および成形性の観点から、n=0体の含有率が30〜90%の範囲にあるものが好ましい。
一般式(1)において、Xは直接結合または炭素数1〜12の炭化水素基を表す。炭化水素基としては、直鎖及び分岐状の2価のアルキレン基、例えば1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1,3−ヘキシレン基、1,6−ヘキシレン基、1,8−オクチレン基、2,7−オクチレン基、3,6−オクチレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,4−トリレン基、2,5−トリレン基、o−キシリレン基、m−キシリレン基、p−キシリレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,2’−ビフェニレン基を挙げることができる。耐熱性、耐湿性の観点からは、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、あるいはこれらが混合した基が好ましい。また、本発明に用いる一般式(1)のエポキシ樹脂は、Xの異なるエポキシ樹脂の混合物であってもよい。
1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはグリシジルオキシ基を表す。低粘度性の観点からは、水素原子またはメチル基が好ましく、耐湿性、難燃性、高接着性の観点からは、フェニル基、ベンジル基、スチリル基、グリシジルオキシ基が好ましいが、取扱い性と硬化物物性のバランスからは、水素原子またはメチル基が最も好ましい。R1およびR2は同一であっても、異なってもよく、複数のR1またはR2は同一であっても、異なってもよい。Gはグリシジル基を示す。
エポキシ樹脂の純度、特に加水分解性塩素量は、電子部品の信頼性向上の観点から少ないものがよい。特に限定するものではないが、1000ppm以下が好ましい。なお、本発明でいう加水分解性塩素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、更に80%アセトン水100mlを加え、0.002N AgNO3水溶液で電位差滴定を行い得られる値である。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必須成分とする上記エポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂を併用してもよい。その場合に用いる他のエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するもの中から選択され、1種又は2種以上を混合して用いることができる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、テトラブロモビスフェノールA、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の2価の多価フェノール類、フェノール、クレゾール、ナフトール等から得られるノボラック樹脂、およびフェノール、クレゾール、ナフトール等から得られるアラルキル樹脂等の3価以上のフェノール性化合物のグルシジルエーテル化物等がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂として上記一般式(1)のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分の50wt%以上含むことが望ましい。さらに好ましくは、全エポキシ樹脂の70wt%以上、より好ましくは80wt%以上である。使用割合がこれより少ないとエポキシ樹脂組成物としての成形性が悪化するとともに、硬化物とした際の耐熱性、酸素存在下での熱分解安定性、さらには耐湿性、低熱膨張性、および熱伝導性等の向上効果が小さい。
本発明で使用する硬化剤は、一分子中の水酸基の数が2以上であり、かつ150℃での溶融粘度が50mPa・sから500mPa・sであるフェノール化合物(樹脂を含む)である。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の多価フェノール類、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類、更にはフェノール類、ナフトール類又は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール、p−キシリレングリコールジメチルエーテル、4,4’−ジメトキシメチルビフェニル、4,4’−ジメトキシメチルジフェニルエーテル、ジビニルベンゼン類、ジビニルビフェニル類、ジビニルナフタレン類等の架橋剤との反応により合成される多価フェノール性化合物等がある。
フェノール化合物としては、特にその構造を限定するものではないが、上記一般式(2)で表されるアラルキル型フェノール樹脂であることが好ましい。
式中、Aはベンゼン環、ナフタレン環、又はビフェニル環を示し、mおよびpは独立に1または2の数を示す。ここで、ベンゼン環、ナフタレン環、又はビフェニル環は、置換基を有するものであってもよく、好ましい置換基はC1〜3のアルキル基である。kは繰り返し数であり1〜15の数であるが、その平均は1〜2の範囲であることが好ましい。
アラルキル構造を有するフェノール樹脂は、ベンゼン環又はナフタレン環を有するフェノール性水酸基含有化合物と芳香族架橋剤とを反応させることにより製造できる。
フェノール性水酸基含有化合物としては、フェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、フロログルシノール、1−ナフトール、2−ナフトール、1,5−ナフタレンジオール、1,6−ナフタレンジオール、1,7−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
芳香族架橋剤としては、ベンゼン骨格を有するものとビフェニル骨格を有するものがある。ベンゼン骨格を有するものとしては、o−体、m−体、p−体のいずれでもよいが、好ましくは、m−体、p−体である。具体的には、p−キシリレングリコール、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロピル−p−キシレン、α,α’−ジブトキシ−p−キシレン、m−キシリレングリコール、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジブトキシ−m−キシレン等が挙げられる。また、ビフェニル骨格を有するものとしては、4,4’−ジヒドロキシメチルビフェニル、2,4’−ジヒドロキシメチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシメチルビフェニル、4,4’−ジメトキシメチルビフェニル、2,4’−ジメトキシメチルビフェニル、2,2’−ジメトキシメチルビフェニル、4,4’−ジイソプロポキシメチルビフェニル、2,4’−ジイソプロポキシメチルビフェニル、2,2’−ジイソプロポキシメチルビフェニル、4,4’−ジブトキシメチルビフェニル、2,4’−ジブトキシメチルビフェニル、2,2’−ジブトキシメチルビフェニル等が挙げられる。メチロール基等の官能基のビフェニルに対する置換位置は、4,4’−位、2,4’−位、2,2’−位のいずれでもよいが、縮合剤として望ましい化合物は4,4’−体であり、全架橋剤中に4,4’−体が50wt%以上含まれたものが特に好ましい。これより少ないとエポキシ樹脂硬化剤としての硬化速度が低下したり、得られた硬化物が脆くなりやすい。
上記一般式(2)において、kは1から15の数である。kの値は、上記フェノール性水酸基含有化合物と上記架橋剤を反応させる際の両者のモル比を変えることにより容易に調製できる。すなわち、フェノール性水酸基含有化合物を架橋剤に対して、過剰に用いるほどkの値は小さくコントロールできる。kの値が大きいほど得られた樹脂の軟化点及び粘度が高くなる。また、kの値が小さいほど粘度が低下するが、合成時の未反応フェノール性水酸基含有化合物が多くなり、樹脂の生産効率が低下する。両者のモル比は、実用上、フェノール性水酸基含有化合物1モルに対して架橋剤が1モル以下でなければならず、好ましくは、0.1〜0.9モルの範囲である。0.1モルより少ないと未反応のフェノール性水酸基含有化合物量が多くなり、工業上好ましくない。
フェノール化合物の150℃での溶融粘度は50mPa・s〜500mPa・sであるが、好ましくは80mPa・s〜300mPa・sであり、更に好ましくは100mPa・s〜200mPa・sである。また軟化点は、好ましくは50〜110℃、より好ましくは60〜90℃である。これより低いと保存時のブロッキングの問題があり、これより高いとエポキシ樹脂組成物調製時の混練性と成形性に問題がある。これらのフェノール樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤成分として溶融粘度が上記範囲にあるフェノール化合物Aを硬化剤成分の50wt%以上含むことが望ましい。さらに好ましくは、全硬化剤の60wt%以上、より好ましくは70wt%以上である。使用割合がこれより少ないとエポキシ樹脂組成物としての成形性が悪化するとともに、硬化物とした際の耐熱性、酸素存在下での熱分解安定性、さらには耐湿性、低熱膨張性、および熱伝導性等の向上効果が小さい。上記フェノール化合物Aとしては、上記一般式(2)のフェノール樹脂Bであることが好ましい。
硬化剤成分は、一般式(2)のフェノール樹脂Bのみからなることが好ましいが、50wt%未満、好ましくは30wt%未満であれば、他の硬化剤を含むことができる。他の硬化剤としては、フェノール系硬化剤が好ましいが、酸無水物系、アミン系等の公知のエポキシ樹脂硬化剤であることができる。フェノール化合物Aがフェノール樹脂Bと他のフェノール系硬化剤Cを含む場合、フェノール化合物A全体として、溶融粘度が上記範囲にあることがよい。硬化剤成分が、フェノール化合物Aの他に、酸無水物系、アミン系等の公知のエポキシ樹脂硬化剤を含む場合であっても、硬化剤成分全体として溶融粘度が上記範囲にあることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、通常採用される範囲で差し支えないが、好ましくはエポキシ基1モルに対しフェノール性の水酸基が0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モルになるように配合することがよい。他の硬化剤を含む場合であっても、硬化官能基の合計は上記モル比の範囲とすることがよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、70重量%以上の無機充填材が配合されるが、好ましくは75重量%以上、更に好ましくは80重量%以上である。無機充填材の配合量がこれより少ないと半田耐熱性の向上効果が小さい。無機充填材としては、例えばシリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニアなどの1種又は2種以上が挙げられ、その形態は粉体、球形化したビーズなどが挙げられる。これらの内、無機充填材の高充填化の観点から球状の溶融シリカが好ましい。通常、シリカは、数種類の粒径分布を持ったものを組み合わせて使用される。組み合わせるシリカの平均粒径の範囲は、0.5〜100μmがよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来より公知の硬化促進剤、例えばアミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸などを添加してもよい。具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して0.2〜10重量部である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、カルナバワックス、エステル系ワックス等の離型剤、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、アルキルシラン、有機チタネート、アルミニウムアルコレート等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、シリコンオイル等の低応力化剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩等の滑剤などを配合してもよい。
一般的には、以上のような原材料を所定の配合量でミキサーなどによって十分混合した後、ミキシングロール、押し出し機などによって混練し、冷却、粉砕することによって、電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を調製することができる。
本発明の電子部品は、この電子部品封止用エポキシ樹脂組成物用いて封止することにより得られる。この封止の方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的であるが、射出成形法、圧縮成形法によっても可能である。このようにして得られたエポキシ樹脂硬化物及びこれで封止された電子部品は、耐熱性、電気絶縁性に優れ、封止材パッケージおよびプリント配線板へ好適に使用される。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
参考例1
1,3−ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン30gをエピクロルヒドリン180gに溶解し、60℃にて減圧下(約130Torr)、48%水酸化ナトリウム水溶液15.4gを3時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続して脱水後、エピクロルヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン250gを加えた後、水洗を行い塩を除いた。その後、80℃にて20%水酸化ナトリウムを3g添加して2時間攪拌し、温水300mLで水洗した。その後、分液により水を除去後、メチルイソブチルケトンを減圧留去し、淡黄色透明で固形のエポキシ樹脂36.5gを得た(エポキシ樹脂A)。
エポキシ樹脂A1の150℃での粘度は36.5mPa・sであった。エポキシ当量は232であり、加水分解性塩素は370ppm、得られた樹脂のGPC測定より求められた一般式(1)における各成分比は、n=0が87.3%、n=1が11.7%であった。ここで、融点は、キャピラリー法により昇温速度2℃/分で得られる値である。粘度はBROOKFIELD製、CAP2000Hで測定した。また、GPC測定は、装置;日本ウォーターズ(株)製、515A型、カラム;TSK−GEL2000×3本およびTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件に従った。
実施例1〜3、比較例1〜3
エポキシ樹脂成分として、参考例1のエポキシ樹脂A、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンのエポキシ化物(エポキシ樹脂B:新日鐵化学製、エポキシ当量173)、ビフェニル系エポキシ樹脂(エポキシ樹脂C:三菱化学製、YX−4000H、エポキシ当量195)を使用し、硬化剤としてフェノールノボラック(硬化剤A:群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 82℃)、フェノールアラルキル樹脂(硬化剤B:明和化成製、MEH−7800−4L、OH当量162、軟化点50℃、150℃での溶融粘度30mPa・s)、1−ナフトールアラルキル樹脂(硬化剤C:新日鐵化学製、SN−475、OH当量208、軟化点74℃、150℃での溶融粘度35mPa・s)、ビス(4−アミノフェニル)メタン(硬化剤D:東京化成工業製)を使用した。また、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、無機充填材として、球状アルミナ(平均粒径12.2μm)を使用した。表1に示す成分を配合し、ミキサーで十分混合した後、加熱ロールで約5分間混練し、実施例1〜3、比較例1〜3のエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて表1に示す条件で成形およびポストキュアを行い、成形物の物性を評価した。
結果をまとめて表1に示す。なお、表1中の各配合物の数字は重量部を表す。また、評価は次により行った。
(1)スパイラルフロー:規格(EMMI−1−66)に準拠したスパイラルフロー測定用金型でエポキシ樹脂組成物をスパイラルフローの注入圧力(150kgf/cm2)、硬化温度175℃、硬化時間3分の条件で成形して流動長を調べた。
(2)ゲルタイム:予め175℃に加熱しておいたゲル化試験機(日新科学(株)製)の凹部にエポキシ樹脂組成物を流し込み、PTFE製の攪拌棒を用いて一秒間に2回転の速度で攪拌し、エポキシ樹脂組成物が硬化するまでに要したゲル化時間を調べた。
(3)ガラス転移温度、線膨張係数:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製TMA7100型熱機械測定装置を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した。
(4)曲げ強度、曲げ弾性率:幅10mm、厚さ4mmの試験片を成形し、ポストキュア後、3点曲げ法により求めた。
(5)加熱分解温度:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製TGA6000型を用いて、空気気流下、昇温速度10℃/分にて測定した際の樹脂成分のみの5重量%減量時の温度とした。
(6)残炭率:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製TGA6000型を用いて、窒素気流下、昇温速度10℃/分にて測定した際の700℃における樹脂成分中の残渣割合とした。
(7)吸水率:直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後、85℃、相対湿度85%の条件で100時間吸湿させた後の重量変化率とした。
(8)熱時硬度:175℃で成形直後の試験片を、デュロメータタイプDにより測定した。
Figure 2014062153

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填材よりなるエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、下記一般式(1)で表されるジケトン系エポキシ樹脂、硬化剤成分として、一分子中の水酸基の数が2以上であり、かつ150℃での溶融粘度が50mPa・sから500mPa・sであるフェノール化合物を用い、無機充填材を組成物中70wt%以上含有してなる電子材料用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2014062153
    (但し、Xは直接結合または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R1およびR2はそれぞれ同時にまたは別々に、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはグリシジルオキシ基を表す。また、Gはグリシジル基を示し、nは0〜15の数を示す。)
  2. ジケトン系エポキシ樹脂が、一般式(1)においてn=0体が90%以下であり、かつ常温で非結晶性のエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. ジケトン系エポキシ樹脂が、一般式(1)において、Xが1,3−フェニレン基であるエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物。
  4. フェノール化合物が、下記一般式(2)で表されるアラルキル型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2014062153
    (但し、Aはベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル環を示し、kは1〜15の数、mおよびpは1または2の数を示す。)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子材料用エポキシ樹脂組成物の硬化物で形成された電子部品。
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