JP2003151585A - 燃料電池及び拡散層 - Google Patents
燃料電池及び拡散層Info
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Abstract
る燃料電池の提供。 【解決手段】電解質膜1と電解質膜1の両面に設けられ
た反応電極2とそれらの両面に設けられたガス透過性の
拡散層3とをもつ膜−電極接合体と、その膜−電極接合
体の両面を狭持するセパレータ4とを有し、反応電極
2、拡散層3及びセパレータ4は反応ガスが通過するガ
ス通路21、31、42と水及び水蒸気が通過する水通
路20、32、43とをもつことを特徴とする。つま
り、反応ガスが通過するガス通路21、31、42と水
が通過する水通路20、32、43とを完全に分離する
ことでガス通路21、31、42に要求される特性と水
通路20、32、43に要求される特性とをそれぞれに
影響されることなく実現できる。
Description
の湿潤化を好適に行うことができる燃料電池及び燃料電
池用の拡散膜に関する。
単位である単位セルは一般に膜−電極接合体(以下、
「MEA」と称する)の両面を燃料ガス(水素等)流路
及び酸化剤ガス(酸素等)流路を備えたセパレータで狭
持したものである。MEAは電子を通さず、イオンを透
過する電解質膜と、その電解質膜の両面を狭持する主に
貴金属からなる反応触媒を含む反応電極とからなる狭義
の膜−電極接合体の両面に燃料ガス又は酸化剤ガスや反
応により生成した水等を拡散・透過させ反応電極で発生
した電子を透過できる拡散層で狭持したものである。こ
の単位セルを多数積層したものをスタックという。
は、発電の過程で水が生成する。反応によって生成する
水は主にカソード側に出てくるが、一部は電解質膜を透
過してアノード側に出る。
一般的に使用されている。代表的な電解質膜には市販の
NafionTM(米国・デュポン社製商品名)がある。この電
解質膜は、他の高分子電解質と比較してプロトン伝導性
が高いが、電解質膜が乾燥すると急激にプロトン伝導性
が低下することである。また反対に、水が多量に存在す
るとフラッディングによる性能低下を起こすこととな
る。このため固体高分子電解質型燃料電池では常に電解
質膜を適当な含水状態に制御することが求められる。同
様に反応電極も一定範囲の水分含有量を保持することが
好ましい。この水分量は電池反応により生成する水を用
いることが合理的である。
御している。従来の拡散層はガス透過性を付与するため
のフッ素樹脂からなる多孔質高分子と導電性及び水透過
性を付与するためのカーボン粉末との混合物からなる膜
を機械的性質を向上するための基材上に形成することで
製造される。
拡散層を用いた燃料電池では以下の不都合があった。従
来の拡散層は一定条件下におけるガス透過性及び水透過
性はある程度達成できるものの、燃料電池の運転条件に
よっては特性が充分ではない場合があった。たとえば、
燃料電池を高出力で運転する場合には排水が追い付かず
にフラッディングが生じたり、反対に排水しすぎて乾燥
したりした。また、水分状態の制御に主眼をおくと、反
応ガスの供給が充分でなくなる場合もあった。その結果
として本来燃料電池が有する高効率が生かし切れない。
このように、拡散層は異なる2つの性能を発揮する必要
があり、双方に満足できるものはなかった。
ので、この発明の課題は、適正な水分状態及び反応ガス
の供給を制御できる燃料電池を提供すること及び同燃料
電池に好適な拡散層を提供することにある。
明の燃料電池は、電解質膜と該電解質膜の両面に設けら
れた反応電極とそれらの両面に設けられたガス透過性の
拡散層とをもつ膜−電極接合体と、該膜−電極接合体の
両面を狭持するセパレータとを有し、前記反応電極、前
記拡散層及び前記セパレータの少なくとも1つは反応ガ
スが通過するガス通路と水及び水蒸気が通過する水通路
とをもつことを特徴とする(請求項1)。
が通過する水通路とを完全に分離することでガス通路に
要求される特性と水通路に要求される特性とをそれぞれ
に影響されることなく実現できる。従来の燃料電池では
反応ガスの供給を担う部分と水の通過を担う部分とが微
視的には分かれているもののそれらが混合しているの
で、それぞれに必要とされる特性を独立して最適化する
ことができなかったのである。
を選択的に通過させ、前記水通路は水及び水蒸気を選択
的に通過させるものであることが好ましい(請求項
2)。ガス通路及び水通路をそれぞれ反応ガス及び水を
選択的に通過させるようにすることで、前述のガス通路
と水通路とを分離した燃料電池を簡便に実現できる。
前記セパレータ側に水を通過させないガス通路と、水及
び水蒸気が通過できる水通路とをもつことが好ましい
(請求項3)。
が逆流しない構造とすることで、反応ガスの透過を妨げ
ることがなくなるという利点が生じる。
が好ましい(請求項4)。ガス通路と水通路とは確保さ
れているので、その他の部分は反応ガス及び水の透過性
を考慮する必要がなくなり、材料として内部抵抗を低減
でき且つ熱伝導性に優れる金属を採用できる。
おける前記ガス通路及び前記水通路は、それぞれ連通す
るように区画されていることが好ましい(請求項5)。
拡散膜のガス通路とセパレータのガス通路、及び拡散層
の水通路とセパレータの水通路をそれぞれ連通するよう
に区画することで、拡散層及びセパレータに形成されて
いるガス通路及び水通路をそれぞれ無秩序に形成した場
合のように、セパレータ拡散層の水通路により導かれた
水分と反応ガスとが混合することがなくなり、より精密
な制御が可能となる。
ガスに親和性を有し且つ疎水性の素材からなり、少なく
ともその一部が前記拡散層と接触することが好ましく
(請求項6)、そのガス通路は繊維状であることがより
好ましい(請求項7)。反応電極中に反応ガスと親和性
が高いガス通路を有することで反応電極で生成した水に
影響されることなく反応電極内に効率的に反応ガスを供
給することができる。
記水通路は該拡散層の膜厚方向に形成された複数の貫通
孔であることが好ましく(請求項8)、その平均孔径は
ガス通路が10μm〜2mmであることがより好ましく
(請求項9)、水通路が5〜50μmであることが好ま
しい(請求項10)。ガス通路及び水通路は拡散層に設
けた貫通孔により容易に実現可能である。この場合に、
前記ガス通路の前記貫通孔は前記反応電極側から前記セ
パレータ側に向けて拡径していることが好ましく(請求
項11)、前記水通路の前記貫通孔は前記反応電極側か
ら前記セパレータ側に向けて縮径していることが好まし
い(請求項12)。貫通孔内の流体の流れは貫通孔の孔
径の大きい側から小さい側に向けて選択的に進み、逆方
向には流れにくいので、ガス通路及び水通路を前述のよ
うに孔径を規定することでそれぞれ適正な方向に流体
(反応ガス、水及び水蒸気)が流れることとなる。
し(請求項13)、その内部に撥水性素材からなるガス
通路用充填材が充填される(請求項14)ことが好まし
い。さらに、前記水通路の内壁は親水性素材からなり
(請求項16)、内部に親水性素材からなる水通路用充
填材が充填される(請求項17)ことが好ましい。ガス
通路と水通路とをより完全に分離することが可能とな
る。
散膜の表裏を区画する酸素富化膜をもつことが好ましい
(請求項15)。酸化剤ガスとして空気を用いる場合に
酸素富化膜を用いてガス中の酸素濃度を向上することが
好ましいが、酸素富化膜をカソード側の拡散層内に配設
することで、アノード側の流量を相対的に向上し、酸素
濃度(カソード側)を下げることなく、アノード側への
逆拡散を促進する利点がある。
されることが好ましい(請求項18)。単位セルを構成
する電解質膜、反応電極等は燃料電池の運転条件等によ
り最適な水分量が異なるので、水通路と排水量が制御で
きる排水制御手段とを接続して、必要に応じて排水量の
制御を行うことで常に適正な運転条件下で燃料電池を使
用することが可能となる。
を開閉する弁体とすることができる(請求項19)。こ
の場合に、弁体は機械的に駆動されて開閉されるものの
他に、水分含有量に関連して体積が変化する材料(請求
項20)や、水分含有量に関連して親水性が変化する材
料(請求項21)や、温度に関連して体積が変化する材
料(請求項23)で構成できる。単位セル内に必要な水
分量は適正範囲があり、また、その適正範囲は温度によ
っても変化するので、水分量や温度によって体積等が変
化する材料を弁体として採用することで、適正な運転条
件に必要とされるパラメータに対して直接的にフィード
バック制御することができる。
変化させて水通路からの水分蒸発量を調節する圧力可変
手段とすることもできる(請求項24)。燃料電池の運
転状況(出力、外部温度等)によっても単位セル内部の
状況が判別可能であり、その状況に応じて必要な水分量
も推定できるので、その必要な水分量に応じて圧力可変
手段を制御して水通路の圧力を変化させることで水分蒸
発量を変化させて燃料電池内部を適正な水分量とするこ
とができる。
又は該拡散層と前記セパレータとの間に金網を有するこ
とが好ましい(請求項25)。ガス通路及び水通路を形
成することにより、拡散層及び反応電極の強度が低下す
ることが考えられるが、その場合にそれらを補強するこ
とができる。金網は反応ガス、水、水蒸気及び電流の通
過を妨げない。
層は、電解質膜と該電解質膜の両面に設けられた反応電
極とそれらの両面に設けられたガス透過性の拡散層とを
もつ単位セルと、該単位セルの両面を狭持するセパレー
タとを有する燃料電池用の拡散層であって、反応ガスが
通過するガス通路と水及び水蒸気が通過する水通路とを
もち、金属からなることを特徴とする(請求項26)。
層について詳細に説明する。なお、拡散層については燃
料電池の一構成要素であるので燃料電池中の記載をもっ
て説明に代える。ここで本発明が適用できる燃料電池は
主に固体高分子型の燃料電池(PEFC)である。
複数重ね合わせたスタックを形成しているものを規定す
る。そして電解質膜を挟んだ両側の反応電極にそれぞれ
燃料ガスと酸化剤ガスとを供給するガス供給装置がそれ
ぞれ対応する側のセパレータから接続される。そして燃
料ガスとしては水素ガスを酸化剤ガスとして空気をそれ
ぞれ便宜的に規定する。
反応電極で狭持した後にさらに拡散層で狭持したMEA
の両側をセパレータで狭持した構造をもつ。これらの反
応電極、拡散層及びセパレータの少なくとも1つは、反
応ガスが通過するガス通路と水及び水蒸気が通過する水
通路とをもつ。
作用をもち、特に反応電極側からセパレータ側に水を極
力通過させないことが好ましい。そして、水通路は水及
び水蒸気を選択的に通過させることが好ましい。なお、
水通路はガスが通過できるものでも良い。すなわち、水
の排出が問題となる燃料電池を高出力で運転する場合以
外の場合には水通路を反応ガスが通過するものであって
も良い。
れ且つ電流を流さない材料からなる。現在汎用されてい
る材料としてはパーフルオロスルホン酸系ポリマー(商
品面:NafionTM)を挙げることができる。この電解質膜
を特に限定されない一般的な厚さで用いることができ
る。
ものを使用可能である。たとえば、カーボン粉末上に白
金や白金のアロイを分散させた触媒を用いることが可能
である。たとえば、この触媒をそのままもしくは結着剤
等と混合して電解質膜表面で製膜することで反応電極を
形成できる。
をもつガス通路を形成することができる。ガス通路はそ
の一部が拡散層側に露出することが好ましい。拡散層と
接触することで効果的に反応ガスを反応電極中に取り込
むことが可能となる。反応電極中のガス通路の形態は比
表面積の大きい繊維状であることが好ましい。
をもつ材料としてはフルオロカーボン系ポリマー(たと
えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラ
フルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロ
トリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エ
チレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETF
E)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体
(ECTFE))が挙げられる。フッ素の存在によって
ガス親和性が向上すると共に耐蝕性が向上する。
撥水性高分子粉末との混合物を用いることができる。膜
厚方向に複数の貫通孔を設けたりすることでガス通路及
び水通路を形成することができる。
る場合には拡散層として前述の組成の他に金、白金、
銅、ステンレス鋼等の金属から構成することもできる。
これらの金属から拡散層を形成する場合にはそれらの金
属板をそのまま加工することもできるし、金属粉末を前
述の通常の材料(カーボン粉末と撥水性高分子粉末等)
に混合することもできる。好ましくは金属板を加工して
拡散層とすることである。この場合には金属板の膜厚方
向に複数の貫通孔を設けることでガス通路及び水通路と
する。拡散層に金属を用いることにより電流を流す機能
は金属で充分達成可能となり、ガス通路及び水通路を形
成する部分には単純にガス透過性及び水透過性の高い素
材、形態を採用でき単純化できるという効果がある。
て形成する場合にはその平均孔径をが数通路では10μ
m〜2mm、さらには20μm〜1mmとすることが好
ましく、水通路では5〜50μm、さらには5〜20μ
m、とすることが好ましい。平均孔径が小さいと毛細管
力が上昇し、大きいと反対に排出力が小さくなる。
らセパレータ側に向けて拡径している形状とすること
で、いわゆるクヌーセン効果により流体の流れを一方通
行とし反応ガスの流れをセパレータ側から反応電極側へ
の流れとすることができる。反対に水通路を構成するの
貫通孔は反応電極側からセパレータ側に向けて拡径して
いることで、水及び水蒸気の流れを反応電極側からセパ
レータ側への一方通行とすることができる。
を結ぶ孔により連通している構造であっても良い。
ことで、ガス通路内への水の侵入を最小限に抑えること
ができ、ガス通路内部に撥水性材料からなるガス通路用
充填材を充填することでさらにガス通路内への水の侵入
を抑制できる。この場合、撥水性材料としては親反応ガ
ス性の素材が好ましい。たとえば、前述したフルオロカ
ーボン系ポリマーが好ましい例として例示できる。ガス
通路用充填材はたとえば多孔質等のような一体的な形態
でも良いし、撥水性材料の粉末の集合体でも良い。
ことで、水通路内へ積極的に水を誘導することができ、
水通路内部に親水性材料からなる水通路用充填材を充填
することでさらに水通路内へ水を積極的に誘導すること
ができる。この場合、親水性材料としては電気化学的に
安定な炭素系材料からなることが好ましい。一般的な炭
素材料はその表面が酸化されており親水性をもつものが
多い。さらに表面を酸化処理することでより一層の親水
性を付与できる。
質、形態のものが使用できる。セパレータには流路が形
成され、その流路には反応ガスを供給するためのガス供
給装置が接続されると同時に、反応しなかった反応ガス
及び発生した水を除去する手段とが接続される。セパレ
ータにガス通路及び水通路を形成する場合には前述のよ
うに通路内部等に疎水性材料又は親水性材料からなる充
填材を充填することでガス通路と水通路とを分離するこ
とができるほか、その表面に形成した流路をガス供給用
の流路(ガス通路)と水排出用の流路(水通路)との少
なくとも2系統設けることでも達成可能である。
ータにガス通路及び水通路を形成した場合にはそれぞれ
独立して関連なしにガス通路と水通路とを形成すること
もできるが、反応電極のガス通路、拡散層のガス通路及
びセパレータのガス通路をそれぞれ連通するように区画
されることが好ましい。特に拡散層のガス通路とセパレ
ータのガス通路とは連通するように区画することが好ま
しい。このことは水通路についても同様に反応電極、拡
散層及びセパレータを、特に拡散層とセパレータとを連
通されるように区画することが好ましい。
画する方法としては拡散層に設けた貫通孔(ガス通路及
び水通路)の間隔に合わせてセパレータに形成する流路
(ガス通路及び水通路)の間隔を調整することで達成で
きる。具体的な一例としてはガス通路と水通路とを一定
間隔で交互に線状に並べ、その拡散層でのガス通路と水
通路との間隔でセパレータにガス通路及び水通路を縞状
に形成しそれぞれの対応する通路が一致するように拡散
層とセパレータとを接合することで連通させることがで
きる。
それぞれ設けることができるガス通路及び水通路の割合
(面積、数)は特に限定されず、燃料電池の想定される
使用態様において生成する水の量に応じて適宜変化でき
る。
レータとの間には金網を配設することができる。金網に
ついては特に組成、形態を限定しない。また、拡散層の
表裏面方向を区画するような位置に酸素富化膜を配設す
ることができる。酸素富化膜としては1−メチルトリメ
チルシリルプロピン高分子等のシリコン系高分子、ポリ
ビニルアルコール等からなる薄膜が例示できる。
れることが好ましい。排水制御手段が接続される部分と
しては単位セル又はスタックの外部にまで連通する水通
路と接続させても良いし、反応電極、拡散層若しくはセ
パレータ内に設けられている水通路の内部に配設しても
よい。
含有量に応じて水通路からの水の排水量を変化させるこ
とができる手段である。たとえば、セパレータと拡散膜
との位置関係を移動可能にし、いずれかの位置を変化さ
せることで拡散膜とセパレータとにそれぞれ設けられた
水通路の連通状態を調節することで排水を制御する手段
である。また、水通路内に設けられた弁体により水通路
を開閉することでも達成可能である。水通路を開閉する
ことで外部との連通を制御し、結果として水通路からの
水分排出量が制御できる。さらに、水通路の圧力(減圧
度)を調節することで水通路からの水の蒸発量を制御し
て水通路からの水の排出量を制御する圧力可変手段を用
いる方法がある。これらを組み合わせることも好まし
い。
双方に設けることができるが、特に水はカソード側の反
応電極で生成されるのでカソード側に排水制御手段を設
けることが好ましい。
により変化する適正水分量の範囲に水分量が収まるよう
に制御する。したがって、前述の弁体としては自身の水
分含有量に応じて体積が変化する材料で形成することで
自立的に水分含有量を制御でき好ましい。弁体の体積が
変化することで水通路内を閉塞、解放したり、水通路自
体を体積が変化する材料で形成することで水通路の孔径
を変化させたりして水の透過性を効果的に制御できる。
弁体を形成することで、変化する体積に応じて水通路内
を閉塞、解放したり、水通路自体を体積が変化する材料
で形成することで水通路の孔径を変化させたりできる。
性が変化する材料により弁体を形成することでも同様の
排水量の制御ができる。より好ましくはこれらを組み合
わせて使用することである。
材料としてはカルボキシル基等の弱酸性基若しくは弱ア
ルカリ性基を有する高分子(たとえば、メタクリル酸、
アクリル酸等を有する高分子、具体的にはポリメタクリ
ル酸、ポリアクリル酸、ポリペプチド、ポリグルタミン
酸等)を例示できる。一般的な燃料電池の単位セル内の
環境は水分含有量によりpHが変化することを確認して
おり(水分含有量が低下するにつれてpHが下がる)、
そのpHの変化によりカルボキシル基の解離度が変化す
る結果、高分子の高次構造が変化して体積が変化する。
このpHの変化は水通路用充填材として適正な材料(た
とえば水通路用充填材として炭素系材料を用いる場合に
は、表面に存するカルボキシル基等の弱酸性基の存在量
により水分含有量に応じてpHが変化する)を選択する
ことで制御可能である。
化する高分子鎖を水通路の内壁表面若しくは水通路用充
填材表面にグラフト化することで安定した弁体を形成で
きる。つまり、水分含有量の変化に伴うpHの変化に適
合する適正なpKaを有する高分子を用いて弁体を形成
することで適正な水分量を保つことができる。
材料としては、ポリイソプロピルアクリルアミド(PN
IPAAm)、ポリイソプロピルアクリルアミドアジド
フェニル(PNIPAAm−Az)が例示できる。これ
らの高分子は温度の変化により高分子鎖間の会合状態が
変化する結果、その高次構造が変化し、体積や親水性が
変化するのである。
らのその他の入力(電気、光等)に応じて体積等が変化
するアクチュエータ等で形成することもできる。電気、
光等により変化する材料の場合には運転状況に応じて外
部から制御信号として電気、光等を入力することで排水
制御手段を制御する。
る水通路に接続する減圧ポンプ等が例示できる。水通路
の減圧度を水通路と減圧ポンプの接続量を調節したり、
接続した減圧ポンプ自身の減圧度を調節したりすること
で、水通路の圧力を調節でき、結果として水蒸発量、つ
まり排水量を制御できる。
以下の説明では1つの単位セルについて説明を行うこと
で燃料電池全体の説明とする。特に必要がある場合には
スタックや、スタック及び単位セルの外部に接続する部
材について説明する。なお、以下に示す図面は必ずしも
正確なものではなく、部材によって理解しやすいように
縮尺、細部の形態等を変化させている。また、同様の機
能を有する部材については明らかに形態、材料等が異な
るものであっても同一の符号を付すことがある。
図1に示すように電解質膜1と、その両面を狭持する反
応電極としてのカソード電極2及びアノード電極5と、
それらの両面を狭持する拡散層3、4と、それらの両面
を狭持するセパレータ4、7とからなる単位セルを複数
積層したスタックを有する。
組成、構造等を説明する。電解質膜1はNafionTMからな
る薄膜である。カソード電極2及びアノード電極5は基
本的に同一構造でありカーボン微粒子の表面にPt微粒
子を担持させた触媒と高分子バインダーとの混合物から
なる。拡散層3及び5は基本的に同一構造でありカーボ
ン微粒子とフルオロカーボン系多孔質高分子との混合物
からなる。セパレータ4、7には拡散層3、6に接する
側に反応ガスが流れる流路41、71が形成された炭素
系材料からなる。流路41、71はそれぞれ図面に垂直
方向に延びている。
それぞれセパレータ4(酸素)及び7(水素)の流路4
1、71から供給される。供給された反応ガスはそれぞ
れの拡散層3、6を拡散通過してそれぞれカソード電極
2(酸素)及びアノード電極5(水素)に到達する。ア
ノード電極5で電子を奪われた水素は電解質膜1を拡
散、通過してカソード電極2に到達し酸素と反応して水
を生成する。生成した水は一部が電解質膜1を通過して
アノード電極5に到達するほか、拡散層3を通過して流
路41に到達し単位セル外部に排出される。
に示すように、カソード電極2がカーボン微粒子とその
表面に担持されたPt微粒子とを高分子バインダーで固
めて形成した反応触媒基材20と、フルオロカーボン系
高分子製の繊維(ガス通路)21との混合物からなる。
反応触媒基材20は拡散層3から拡散する酸素と電解質
膜1から拡散してくるプロトンとの反応を触媒すると同
時に発生する水の通路(水通路)にもなっている。繊維
21は反応ガスとしての酸素と親和性が高く電池反応に
より生成する水に影響されることなく酸素をカソード電
極2の内部にまで運搬することができる(ガス通路)。
繊維21の一部は拡散層3と接触することでより一層、
均一に酸素を反応触媒基材20中に運搬可能である。
に示すように、拡散層3が金属(金)製の基材30と、
その基材30の膜厚方向に設けられた貫通孔31、32
とをもつ。貫通孔31、32は2種類あり、貫通孔31
はセパレータ4からカソード電極2に向けて縮径されて
おりガス通路としての作用をもつ。貫通孔32はカソー
ド電極2からセパレータ4に向けて縮径されており水通
路としての作用をもつ。
応ガスは主に貫通孔31を通過してカソード電極2に到
達する。カソード電極2で生成した水は主に貫通孔32
を通過して流路41に排出される。その結果、燃料電池
を高出力で運転する場合などのように多量の水がカソー
ド電極2で生成しても水と反応ガスとの通路が大きく分
離されているので、反応ガスのカソード電極2への供給
が生成する水によって妨げられるおそれが少なくなる。
また、反応ガス及び水の通路が確実に確保できるので、
拡散層3の基材30には反応ガス及び水通過性を考慮す
る必要がなくなり、電気伝導性及び熱伝導性に優れた金
属を用いることもできるため燃料電池の効率が向上す
る。なお、基材30としては金属以外にも一般的な炭素
系材料を用いることもできる。
の拡散層3の貫通孔31にガス通路用充填材としてのP
TFEを充填し、貫通孔32内に水通路用充填材として
のカーボン粉末を充填することでより一層のガス−水の
通路の分離が達成できる。
に示すように、拡散層が金属製の基材と、基材30に設
けられたガス通路用充填材としてのPTFEを充填した
ガス通路としての貫通孔31及び水通路用充填材として
のカーボン粉末を充填した水通路としての貫通孔32と
をもつ。これらの貫通孔31、32の形状は拡散層3の
膜厚方向に設けられた円筒形状である。
2のようにテーパ状とすることなく反応ガスと水との通
過部位を適正に分離することができる。その結果、実施
例2で説明したように反応ガスと水とは互いに不必要な
影響を与えることなく拡散層3を通過することができる
ので、反応ガスのカソード電極2への供給が生成する水
によって妨げられるおそれが少なくなる。
燃料電池において水通路としての貫通孔32内に充填さ
れた水通路用充填材を充填しなくても、ほぼ実施例3の
燃料電池と同等の作用効果を発揮できる(図5)。ま
ず、反応ガスが拡散層3をセパレータ4からカソード電
極2に通過する際には貫通孔31及び32の両方を通過
することができる。反対にカソード電極2で生成した水
は貫通孔31内に充填されたガス通路用充填材の作用で
貫通孔31内には侵入することができず、専ら何の障壁
もない貫通孔32を通過してセパレータ4の流路41に
排出される。この場合に水の排出量が多くなったとして
も常に貫通孔31は反応ガスのみを通過させることから
水によって反応ガスの通過が阻害されることは少なくな
る。
に示すように、セパレータ4に形成する流路を反応ガス
を通過させる流路42(ガス通路)と排出される水を通
過させる流路43(水通路)とに分離する。
3を拡散、通過してカソード電極2に到達する。電池反
応により生成する水は拡散層3を通過して流路43に到
達し排出される。セパレータ4において反応ガスと水と
の通路が分離された結果、セパレータ4において、排出
される水により反応ガスの供給が妨げられることが防止
できると共に、拡散層3が流路42及び43がそれぞれ
接する部分でそれぞれ主に反応ガスが通過する部位(流
路42が接する部位)と主に排出される水が通過する部
位(流路43が接する部位)とに大きく分かれ、拡散層
3においても反応ガスと水との通路の分離が大まかに達
成でき、拡散層3においても反応ガスの供給が水の通過
により阻害されることが少なくなる。
に示すように、実施例2の拡散層3と、実施例4のセパ
レータ4とを組み合わせたものである。拡散層3に形成
された貫通孔31、32は、拡散層3を単独でセパレー
タ4側から見た図である図8にその一部を示すように、
種類(ガス通路又は水通路)毎に一定間隔で一列に並ん
で配列されている。
3は交互に縞状に配列しており、それぞれガス通路31
(流路42が対応)及び水通路32(流路43が対応)
が対応するようにその間隔が設定されている。
スは拡散層3のガス通路31を通過してカソード電極2
に到達し、カソード電極2で生成した水は水通路32を
通過して流路43に到達して排出される。このように、
反応ガスと水との通路がほぼ完全に分離されているの
で、カソード電極2で生成した水によって反応ガスの供
給が阻害されることがなくなる。
31及び水通路32をテーパ形状としなくても膜厚方向
に延びる円筒形状とすることでも実施例5とほぼ同様の
作用効果が得られる。セパレータ4側の流路が分離(4
2と43)しているので、特に拡散層3に形成するガス
通路31と水通路32とに反応ガス若しくは水に親和性
を付与するような形態、材質を採用しなくても反応ガス
と水との流れを整然と分離できる。なお、反対にガス通
路31及び水通路32にそれぞれガス通路用充填材及び
水通路用充填材を充填することも必要に応じてできる。
に示すように、実施例5の燃料電池の構成においてさら
にカソード電極2が実施例1のカソード電極2を採用し
ている。このときにカソード電極2に形成されたガス通
路21が拡散層3のガス通路31に接するように配置さ
れている。
の流路42から拡散層3のガス通路31に、そしてカソ
ード電極2のガス通路21へと整然と供給されていき、
同様に生成する水についてもカソード電極2の反応触媒
基材20から拡散層3の水通路32に、そしてセパレー
タ4の流路43へと整然と排出される。したがって、反
応ガスと水との流れが完全に分離することから、反応ガ
スの供給において生成する水による影響はなくなること
となる。
池において、それぞれの拡散層3のセパレータ4側とカ
ソード電極2側とを区画するように酸素富化膜を配置す
ることができる。酸素富化膜を配置する部分としては拡
散層3にガス通路31が設けられている場合には少なく
ともガス通31がある部位に対応する部位のみに配置す
れば足りる。拡散層3にガス通路31が形成されていな
い場合には拡散層3の全面に配置する。酸素富化膜とし
ては1−メチルトリメチルシリルプロピン高分子膜を用
いた。
32を形成したことで強度の低下が問題となる場合には
拡散層3とセパレータ4との間、又は拡散層3とカソー
ド電極2との間に金網を介挿させることができる。用い
ることができる金網としては線径が小さく目開きの小さ
いものである。
数)は同じである必要はなく適正に変更できる。
1〜6の燃料電池について水通路に排水制御手段を接続
したものである。排水制御手段としては、水通路の圧力
を変化させる圧力可変手段としての減圧ポンプ又は水通
路を開閉する弁体を用いた。減圧ポンプは特にセパレー
タ4に水通路(流路43)を形成した場合に採用した。
たとえば、実施例4〜6の燃料電池のセパレータ4の流
路43(水通路)の出口に減圧ポンプを直接若しくは調
圧器を介して接続した。水通路を減圧することで水の蒸
発量を調節し、最終的に電解質膜1、カソード電極2、
アノード電極5等の含水量を積極的に制御する。
及び内部に設けた。したがって、実施例1〜6のすべて
の燃料電池においても採用できる。弁体としては機械的
にアクチュエータ等で水通路を開閉する弁44(図1
0)や、環境により体積又は水親和性の性質が変化する
材料を用いる。環境により性質が変化する材料として、
実施形態で説明した特定のグラフト高分子を用いた。こ
の高分子は、図11に示すように、周囲の環境に応じて
高次構造が変化して体積が変化したり、親水性が変化し
たりするものである。体積が変化することで弁体として
は開状態(b)から閉状態(a)まで自立的に制御でき
る。グラフト高分子は水通路の内壁に配置したり、水通
路用充填材の表面に配置したりできる。弁体と減圧ポン
プとを併用することが好ましい。
燃料電池の運転状態に応じて弁体を開閉する。弁体を開
くと水の排水(蒸発)が促進されるのでカソード電極2
等の水分含有量は減少する。燃料電池を高出力で運転す
る場合などには弁体を開く。反対に弁体を閉じると水の
排出量が減少するので、低出力での運転などのように水
の生成量が少ない場合には弁を閉じ、カソード電極2等
からの水の排出を抑制する。
水の生成がないが、必要に応じて各実施例と同様の組
成、構成をアノード電極5側の各構成要素(アノード電
極5、拡散層6、セパレータ7)についても採用でき
る。
は、ガス通路と水通路とを分離したために、電池反応に
より生成する水により反応ガスの供給を阻害されること
が防止できる。また、本発明の拡散膜は、ガス通路と水
通路とを分離したために、燃料電池に適用したときに、
電池反応により生成する水により反応ガスの供給を阻害
されることが防止できる。また、ガス通路、水通路及び
それ以外の部分はそれぞれ反応ガス及び水の透過性、並
びそれぞれの構成要素に求められる性能(たとえば、拡
散層ならば電気伝導性や熱伝導性等)について考慮すれ
ばよいので材料選択がより適正になる。
り燃料電池の運転状態により変化する水分含有量を適正
な範囲に制御することができる。
基本構成を示す断面図である。
池の単位セルの断面図である。
位セルの断面図である。
位セルの断面図である。
電池の単位セルの断面図である。
の単位セルの断面図である。
の燃料電池の単位セルの断面図である。
及び水通路の配置を示す図である。
有する実施例6の燃料電池の単位セルの断面図である。
単位セルの断面図である。
分子の変化を示す模式図である。
維(ガス通路) 3、6…拡散層 30…基材 31…ガス通路
32…水通路 4、7…セパレータ 40、70…基材 41、7
1…流路 42…流路(ガス通路) 43…流路
(水通路) 5…アノード電極
Claims (26)
- 【請求項1】 電解質膜と該電解質膜の両面に設けられ
た反応電極とそれらの両面に設けられたガス透過性の拡
散層とをもつ膜−電極接合体と、該膜−電極接合体の両
面を狭持するセパレータとを有し、 前記反応電極、前記拡散層及び前記セパレータの少なく
とも1つは反応ガスが通過するガス通路と水及び水蒸気
が通過する水通路とをもつことを特徴とする燃料電池。 - 【請求項2】 前記ガス通路は前記反応ガスを選択的に
通過させ、前記水通路は水及び水蒸気を選択的に通過さ
せる請求項1に記載の燃料電池。 - 【請求項3】 前記拡散層は、前記反応電極側から前記
セパレータ側に水を通過させないガス通路と、水及び水
蒸気が通過できる水通路とをもつ請求項1又は2に記載
の燃料電池。 - 【請求項4】 前記拡散層は金属で構成される請求項1
〜3のいずれかに記載の燃料電池。 - 【請求項5】 前記拡散層及び前記セパレータにおける
前記ガス通路及び前記水通路は、それぞれ連通するよう
に区画されている請求項1〜4のいずれかに記載の燃料
電池。 - 【請求項6】 前記反応電極の前記ガス通路は反応ガス
に親和性を有し且つ疎水性の素材からなり、少なくとも
その一部が前記拡散層と接触する請求項1〜5のいずれ
かに記載の燃料電池。 - 【請求項7】 前記反応電極の前記ガス通路は繊維状で
ある請求項6に記載の燃料電池。 - 【請求項8】 前記拡散層の前記ガス通路及び前記水通
路は該拡散層の膜厚方向に形成された複数の貫通孔であ
る請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池。 - 【請求項9】 前記拡散層の前記ガス通路に形成された
前記貫通孔の平均孔径は10μm〜2mmである請求項
8に記載の燃料電池。 - 【請求項10】 前記拡散層の前記水通路に形成された
前記貫通孔の平均孔径は5〜50μmである請求項8又
は9に記載の燃料電池。 - 【請求項11】 前記ガス通路の前記貫通孔は前記反応
電極側から前記セパレータ側に向けて拡径している請求
項8〜10のいずれかに記載の燃料電池。 - 【請求項12】 前記水通路の前記貫通孔は前記反応電
極側から前記セパレータ側に向けて縮径している請求項
8〜11のいずれかに記載の燃料電池。 - 【請求項13】 前記ガス通路の内壁は撥水性素材から
なる請求項2〜12に記載の燃料電池。 - 【請求項14】 前記ガス通路には撥水性素材からなる
ガス通路用充填材が充填されている請求項2〜13に記
載の燃料電池。 - 【請求項15】 前記ガス通路は前記拡散膜の表裏を区
画する酸素富化膜をもつ請求項1〜14に記載の燃料電
池。 - 【請求項16】 前記水通路の内壁は親水性素材からな
る請求項2〜15に記載の燃料電池。 - 【請求項17】 前記水通路には親水性素材からなる水
通路用充填材が充填されている請求項2〜16に記載の
燃料電池。 - 【請求項18】 前記水通路は排水制御手段に接続され
る請求項1〜17に記載の燃料電池。 - 【請求項19】 前記排水制御手段は前記水通路を開閉
する弁体である請求項18に記載の燃料電池。 - 【請求項20】 前記弁体は水分含有量に関連して体積
が変化する材料からなる請求項19に記載の燃料電池。 - 【請求項21】 前記弁体は水分含有量に関連して親水
性が変化する材料からなる請求項19又は20に記載の
燃料電池。 - 【請求項22】 前記弁体は温度に関連して体積が変化
する材料からなる請求項19〜21のいずれかに記載の
燃料電池。 - 【請求項23】 前記弁体は温度に関連して親水性が変
化する材料からなる請求項19〜22のいずれかに記載
の燃料電池。 - 【請求項24】 前記排水制御手段は前記水通路の圧力
を変化させて水通路からの水分蒸発量を調節する圧力可
変手段である請求項18〜23のいずれかに記載の燃料
電池。 - 【請求項25】 前記拡散層と前記反応電極との間又は
該拡散層と前記セパレータとの間に金網を有する請求項
1〜24に記載の燃料電池。 - 【請求項26】 電解質膜と該電解質膜の両面に設けら
れた反応電極とそれらの両面に設けられたガス透過性の
拡散層とをもつ単位セルと、該単位セルの両面を狭持す
るセパレータとを有する燃料電池用の拡散層であって、 反応ガスが通過するガス通路と水及び水蒸気が通過する
水通路とをもち、金属からなることを特徴とする拡散
層。
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