JP2010153349A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の電極、特に空気極の面内方向における水分含有量の均一をはかる。
【解決手段】電解質膜3、触媒層33、拡散層の表面又は拡散層内部の撥水性材料の少なくとも一つに水路31を設け、この水路31を介して比較的湿潤状態の部分から比較的乾燥状態の部分へ水を移動させて、面内方向の水分量の均一化を測る。水路31は空気流れと導方向に形成することが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池の改良に関する。
燃料電池では、電解質の乾燥による出力低下を抑制するため、燃料ガスや酸化剤ガス(空気)を加湿して供給して発電を行う。しかし、ガスを加湿して供給するには、加湿装置が必要であり、装置が大型化するとともに、補機動力が大きくなり、燃料電池システムの効率が低下するなどの問題があり、より加湿を必要としない燃料電池電極が求められている。
燃料電池では、発電反応に伴い水が発生するため、自己の加湿に利用することができる。
発電の際、水素極で発生したプロトンは、水を伴って電解質中を空気極へ移動するため、水素極では、含水量が低下する。
一方、空気極では、空気極触媒上でプロトンと酸素が反応して水を生成する。そのため、水素極と空気極では、電解質の含水状態に差が生じるため、発電生成水は、水素極に向かって移動(逆拡散)し、水素極での乾燥が抑制される。
しかし、供給する反応ガス(空気及び水素ガス)のガス湿度が低い場合や、燃料電池温度が高くなると、供給する反応ガスによって持去られる水量が増大するため電極の乾燥が進行し、イオン抵抗の増大、出力低下が引き起こされる。
反応ガスによって持去られる水量は、その湿度に依存するため、乾燥した反応ガスが供給される上流側(入口側)では電極から多くの水分が持ち出され、他方、当該持ち出された水分により湿った反応ガスが供給される下流側(出口側)では、電極から水を持ち出す量が小さい。そのため、ガス供給上流側領域では乾燥(ドライアップ)傾向、下流側領域では湿潤(フラッディング)傾向となって出力低下を招き、本来(電極全面で発電する場合)の出力特性が得られなくなる。
このような面内の含水量分布の抑制には、電解質膜、触媒層の面内水移動性を高める必要がある。
図1に燃料電池1の断面模式図を示す。
中央の電解質膜3の左側を水素極10、右側を空気極20とし、水素と空気を対向するように供給している。この燃料電池1において電解質膜3の厚さ(即ち水素極と空気極間の距離)は10〜100μm程度と小さいため、含水状態の差に伴い、水の移動(逆拡散)が積極的に起きる。
一方、ガス流れ方向に対しては、数十〜数百mmもの距離があるとともに、非常に水のパスが小さい(薄い)ため、一旦、含水量分布が発生すると、その状態を解消するのは困難である。
この発明は上記課題を解決しようとしてなされ、その第1の局面は次のように規定される。即ち、電解質膜、該電解質膜の表面上へ順次積層される触媒層及び拡散層を備える燃料電池であって、
前記電解質膜、前記触媒層、前記拡散層の表面又は前記拡散層内部の撥水性材料の少なくとも一つに、反応ガスの流れに沿って水路が形成される、ことを特徴とする燃料電池。
燃料電池はその稼働中において反応ガス流れの下流側領域(第1の領域)において湿潤状態になりやすく、他方、その上流側領域(第2の領域)において乾燥状態となりやすい。そこで、第1の局面に規定するように、反応ガス流れに沿って水路を形成することにより、該水路を介して湿潤状態の下流側領域から乾燥状態の上流側領域へと水の移動が促進されるので、電極における水分の偏在を解消できる。
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、第1の局面に記載の燃料電池において、前記水路は空洞若しくは親水性材料からなる。
水路を空洞とした場合、湿潤状態の下流側領域から乾燥状態の上流側領域への水の移動は生成水自体の水圧による。親水性材料からなる水路においては毛管力が水の移動の原動力となる。
この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、第1又は第2の局面に記載の燃料電池であって、
前記拡散層における前記反応ガスの流れの下流側領域のガス透過性が前記反応ガスの流れの上流側領域のガス透過性より小さい燃料電池である。
このように規定される第3の局面の燃料電池では、下流側領域に対応する部分の拡散層のガス透過性が低いので、電解質膜や反応層はその下流側領域において湿潤状態に確実に維持される。その結果、水路を介する下流側領域から上流側領域への水分移動がより確実に実行される。換言すれば、水路のパフォーマンスが向上し、含水量の偏在がより確実に解消されて、電極面内における水分の均一化がより向上する。
この発明の第4の局面は次のように規定される。即ち、第1又は第2の局面に記載の燃料電池であって、
空気極側の前記拡散層において、空気流れの下流側に第1のガス透過性を有する前記第1の領域が形成され、
前記空気流れの上流側に第2のガス透過性を有する前記第2の領域が形成され、
前記第1のガス透過性が前記第2のガス透過性より低い燃料電池である。
このように規定される第4の局面の燃料電池では、空気極側の第1の領域に対応する部分の拡散層のガス透過性が低いので、電解質膜や反応層はその第1の領域において湿潤状態に確実に維持される。その結果、水路を介する第1の領域から第2の領域への水分移動がより確実に実行される。換言すれば、空気極側の水路のパフォーマンスが向上し、空気極側の含水量の偏在がより確実に解消されて、電極面内における水分の均一化がより向上する。
この発明の第5の局面は次のように規定される。即ち、第4の局面に記載の燃料電池であって、
水素極側の前記拡散層において、第3のガス透過性を有する第3の領域及び第4のガス透過性を有する第4の領域が形成され、
前記第3のガス透過性が前記第4のガス透過性より低く、
前記第3の領域が前記第1の領域に対向して配置されている燃料電池である。
このように規定される第5の局面の燃料電池では、空気極側の第1の領域に対向する水素極側の領域(第3の領域)のガス透過性を小さくしたので、当該第3の領域からの水分の蒸発が抑制される。これにより、空気極側の第1の領域から水素極側の第3の領域への水分移動が抑制される。よって、第1の領域の湿潤状態がより確実に維持される。
この発明の第6の局面は次のように規定される。即ち、第4又は第5の局面に規定の燃料電池において、
前記空気流れ方向が下から上向きであり、
前記水素ガスの流れ方向が上から下向きであり、
前記第3の領域は、前記水素極側の拡散層において前記水素ガス流れの上流側領域である。
前記第4の領域は、前記水素極側の拡散層において前記水素ガス流れの下流側領域である。
このように規定される第6の局面の燃料電池では、第4及び第5の局面の作用に加えて、空気流れ方向が下から上向きであるため、湿潤状態の第1の領域が電極において上側に、乾燥状態の第2の領域が電極において下側に位置することとなる。よって、第1の領域から第2の領域への水分移動に重力も作用し、水路を介しての水分移動がより促進される。水素極側においては、水素ガス流れの上流側において拡散層のガス透過性を小さくし、その上流側において拡散層のガス透過性を大きくしているので、乾燥傾向にある下流側における水分の蒸発を抑制し、湿潤傾向にある上流側において水分の蒸発を促進できる。よって、水素極面における水分の均一化がより向上する。
この発明の第7の局面は次のように規定される。即ち、第4又は第5の局面に記載の燃料電池において、
水素ガス流れ方向が空気流れ方向と同方向であって、
前記第3の領域は、前記水素極側の拡散層において前記水素ガス流れの下流側領域であり、
前記第4の領域は、前記水素極側の拡散層において前記水素ガス流れの上流側領域である。
第9の局面で説明したとおり、水素極においては水素ガス流れの上流側拡散層のガス透過性を小さくし、その下流側拡散層のガス透過性を大きくすることが、水分を均一化する見地から好ましい。
これに対し、第7の局面では、水素ガス流れ方向と空気流れ方向とが同一の場合は、空気極側における第1の領域の湿潤状態を維持することを重視し、当該第1の領域に対向する水素極の拡散層のガス透過性をあえて小さくする。これにより、空気極側における第1の領域の湿潤状態が確実に維持される。
一般的に、燃料電池では水素極側に比べて空気極側の方において水分の偏在が生じやすいので、第7の局面に規定の構成を採用することにより、燃料電池全体としてみたとき、水分がより均一に分布することとなる。
図1は燃料電池の基本構成を示す模式図である。 図2は実施例1の燃料電池の構成を示し、図2(A)は正面図、図2(B)は図2(A)におけるB−B線断面図である。 図3は他の実施例の燃料電池の構成を示す模式図である。 図4は他の実施例の燃料電池の構成を示す模式図である。 図5は他の実施例の燃料電池の構成を示す模式図である。 図6は他の実施例の燃料電池の電解質膜の構成を示す斜視図である。 図7は実施例2の燃料電池の構成を示す模式断面図である。 図8は実施例3の燃料電池の構成を示す模式断面図である。 図9は実施例4の燃料電池の構成を示す模式断面図である。 図10は実施例5の燃料電池の構成を示す模式断面図である。
図1の構成において、電解質膜3はナフィオン(登録商標、Nafion(Dupont社製))からなる高分子電解質膜である。膜厚は約50μmである。水素極10及び空気極20の各触媒層11、21は白金担持カーボンからなる。膜厚は約20μmである。拡散層13、23はマイクロ孔を有するカーボン織物、カーボン紙又はカーボン不織布等の表面又は内部にPTFEやカーボン粉末等からなる撥水性材料を含ませて構成されており、ガスは透過可能であるが水等の液体の透過を制限する。この拡散層13、23の膜厚は約300μmである。
白金担持カーボンをペースト状にして拡散層13、23の一面に塗布して触媒層11、21とし、この触媒層11、21の間に電解質膜3を介在させて、加熱圧着により図1に示す構成が得られる。
空気極20側に形成される水路31の例を図2に示す。図2(A)は実施例の燃料電池30を空気極35側から見た正面図であり、図2(B)は図2(A)におけるB−B線で示される部分の一部拡大断面図である。なお、図2において図1と同一の作用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図2の例では、触媒層33に空洞の水路31が形成されている。この水路31は空気流れに沿うように、図2(A)において上下方向に(矩形に形成された拡散層23の短辺に平行に)形成される。
水路31の幅及びピッチは任意に設計可能であるが、この実施例では触媒層21の膜厚と同一の幅を有し、そのピッチは幅の約5倍とした。
この水路31は次のようにして形成することができる。
触媒層33の作成に際し、予め拡散層23の表面へ複数の銅線(その直径が触媒層33の膜厚(20μm)にほぼ等しい)をマスクとして、等ピッチでかつ拡散層23の短辺に平行に配設する。その後、白金担持カーボンのペーストを拡散層23の当該表面へ塗布し、電解質膜3へホットプレスする。そして、マスクとして利用した銅線を酸洗浄等の方法で除去する。
水路31の部分が溝となるように白金担持カーボンのペーストを拡散層23の表面へ印刷してもよい。印刷の方式としてインクジェットを利用することができる。
銅線の代わりにシリカやチタニア等の親水性かつポーラスな線材を用いれば、その除去が不要となる。
図2の燃料電池30によれば、上縁領域(空気流れの下流側領域)では空気が比較的湿潤状態にあるので、拡散層23を通しての水分の持ち去りが生じがたい。したがって、この上縁部分おいて電解質膜3及び触媒層33で保持できない生成水は水路31へしみだして、下縁領域(空気流れの上流側領域)へ押し流される。この実施例では水路31が上下方向に形成されているので、重力の作用も相俟って、上縁領域の生成水は水路31を介して下縁領域に移動する。この下縁領域では乾燥した空気による水分の持ち出し量が大きいので、電解質膜3及び触媒層33も乾燥状態にある。かかる乾燥領域に水路31を介して移動した水が供給される。
図2の例では水素ガスの流れ方向と空気の流れ方向とが相対しており、かつ空気は下から上へ流している。各々2つのガスの流通方向は任意に設定できる。
図3に他の実施例の燃料電池40の断面図を示す。なお、前の実施例と同一の作用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この燃料電池40では空気極45側の拡散層43の表面に溝が彫られて水路41となる。この水路41も図2の水路31と同じ設計思想で形成されている。即ち、空気流れに沿って平行にかつ等ピッチで形成されている。水路41の断面形状は任意に設計可能である。この実施例では正方形断面(20μm×20μm)としたが、三角断面その他の断面形状を採用可能である。
この燃料電池40は次のようにして形成される。
拡散層43の表面に水路41となる溝をエッチング若しくはダイシングにより形成する。その後、水路41を塞がないように白金担持カーボンのペーストを拡散層43の表面へ積層し、電解質膜3へホットプレスにより接合する。
図3に示す燃料電池によれば、図2の例と同様な作用を奏し、比較的湿潤状態にある空気流れの下流側領域の生成水を比較的乾燥状態にある空気流れの上流側領域に供給し、これを湿潤させる。
図4に他の実施例の燃料電池50の断面図を示す。なお、前の実施例と作用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この燃料電池50では拡散層53と触媒層52の界面に親水繊維の束が介在され水路51を構成する。親水繊維として例えば活性炭繊維を用いることができる。この水路51も図2の水路31と同じ設計思想で形成されている。即ち、空気流れに沿って平行にかつ等ピッチで形成されている。水路51の断面形状は任意に設計可能である。この実施例では円形断面(直径20μm)としたが、四角形その他の断面形状を採用可能である。
この燃料電池50は次のようにして形成される。
拡散層53の表面に水路51となる親水繊維の束を埋設する。例えば、拡散層53の表面へエッチング若しくはダイシングにより溝を形成してその溝に親水繊維の束を埋め込む。その後、水路51を塞がないように白金担持カーボンのペーストを拡散層53の表面へ積層し、電解質膜3へホットプレスにより接合する。
図4に示す燃料電池によれば、図3の例と同様な作用を奏し、比較的湿潤状態にある空気流れの下流側領域の生成水を比較的乾燥状態にある空気流れの上流側領域に供給し、これを湿潤させる。この例では、水の移動は親水繊維の専ら毛管力による。
図5に他の実施例の燃料電池60の断面図を示す。なお、前の実施例と同一の
用を奏する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この燃料電池60では拡散層63と触媒層62の界面に親水材が介在され水路61を構成する。親水材としてシリカやチタニアなどのポーラスな金属酸化物を挙げることができる。この水路61も図4の水路51と同じ設計思想で形成されている。即ち、空気流れに沿って平行にかつ等ピッチで形成されている。水路61の断面形状は任意に設計可能である。この実施例では正方形断面(20μm×20μm)としたが、三角断面その他の断面形状を採用可能である。
この燃料電池60は次のようにして形成される。
拡散層63の表面に水路61となる親水材を埋設する。例えば、拡散層63の表面へエッチング若しくはダイシングにより溝を形成してその溝に線状の親水材を埋め込む。その後、水路61を塞がないように白金担持カーボンのペーストを拡散層63の表面へ積層し、電解質膜3へホットプレスにより接合する。
図5に示す燃料電池によれば、図4の例と同様な作用を奏し、比較的湿潤状態にある空気流れの下流側領域の生成水を比較的乾燥状態にある空気流れの上流側領域に供給し、これを湿潤させる。
図6に他の実施例の燃料電池の電解質膜73の斜視図を示す。
この実施例では、電解質膜73に複数の貫通孔が平行に形成されて水路71をなす。この水路71も図2の水路31と同じ設計思想で形成されている。即ち、空気流れに沿って平行にかつ等ピッチで形成されている。水路71の断面形状は任意に設計可能である。この実施例では円形断面(直径20μm)としたが、四角形その他の断面形状を採用可能である。
かかる電解質膜73は次のようにして形成される。
直径20μmの銅線を中子として電解質膜73をキャスト成形し、銅線を酸洗浄にて除去する。
ポーラスシリカ等の親水材料の線材を中子として使用すれば、その除去工程は不要となる。
かかる電解質膜73に対して図1に示した空気極20の構造を適用することができる。更には、図2に示した空気極35の構造、図3に示した空気極45の構造、図4に示した空気極55の構造、図5に示した空気極65の構造を適用することができる。これらの構造を適用することにより、水路が多層に形成されて水の移動効率が向上する。
以上に説明した例では水路が電解質膜、触媒層、触媒層と拡散層との界面において一方の端面(上縁端面)から他方の端面(下縁端面)まで連続して形成されている。電解質膜や触媒層の形成材料は水を透過させるので、これらに形成する水路は非連続的としてもよい。
上記の例では全ての水路を空洞にする場合(図2、図3及び図6参照)と、全ての水路を親水材料で形成する場合(図4及び図5参照)の例が示されているが、一つの燃料電池において空洞の水路と親水材料の水路とを混在させられる。
上記の例では水路は直線状であり、その径(断面の形状)もその軸方向全域で同じものとしている。水路を曲線状もしくは分岐させること、その径に変化を持たせること可能である。
さらにまた、上記の例では空気極に形成された水路を例に採りあげて説明してきたが、水路を水素極へ形成すること、並びに水素極及び空気極のそれぞれへ水路を形成することも許容される。
図7は、実施例2の燃料電池80の模式断面図を示す。図7において図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この燃料電池80では、空気極145が触媒層21及び拡散層143を備え、触媒層21と拡散層143との間に水路41を備える。この例では、水路の構成として図3に示すもの(水路41)を採用したが、図2、図4、図5及び図6に示す構成の水路の採用を妨げるものではない。
この燃料電池80では拡散層143が第1の拡散層831と第2の拡散層832を備える。第2の拡散層832は水素極10側の拡散層13と同じガス透過性を有し、第1の拡散層831は第2の拡散層832より低いガス透過性を有する。
第1の拡散層831は空気極145において空気流れ方向に下流側半分の領域を占め、第2の拡散層832は空気極145において空気流れ方向に上流側半分の領域を占める。
このように構成された燃料電池80によれば、湿潤傾向にある空気流れ下流側に配置される第1の拡散層831のガス透過性を小さくしたので、この部分の湿潤状態が維持される。その結果、当該湿潤領域の水分の水圧が上昇し、水路41を介する乾燥領域(第2の拡散層832)側への水の移動が促進される。
第1の拡散層831と第2の拡散層832は、マイクロ孔を有するカーボン織物、カーボン紙又はカーボン不織布等の基材へ撥水性材料(PTFEやカーボン粉末等)を担持させたものであり、この撥水性材料の担持量を制御することにより、ガス拡散性を調整可能である。また、プレス等により基材の密度を調整することによりガス透過性を調整することもできる。
水路41の製造方法は図3の例で説明したとおりである。
図8は、実施例3の燃料電池90を示す。図8において図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この燃料電池90では、水素極110が触媒層11及び拡散層113を備え、触媒層11と拡散層113との間に水路46を備える。この例では、水路46の構成として図3に示すもの(水路41)に対応した構成を採用したが、図2、図4、図5及び図6に示す構成の水路の採用を妨げるものではない。
この燃料電池90では拡散層113が第1の拡散層931と第2の拡散層932を備える。第2の拡散層932は空気極20側の拡散層23と同じガス拡散層を有し、第1の拡散層931は第2の拡散層932より低いガス透過性を有する。
第1の拡散層931は水素極110において水素ガス流れ方向に下流半分の領域を占め、第2の拡散層932は水素局110において水素ガス流れ方向に上流側半分の領域を占める。
このように構成された燃料電池90によれば、湿潤傾向にある水素流れ下流側に配置される第1の拡散層931のガス拡散層を小さくしたので、この部分の湿潤状態が維持される。その結果、当該湿潤領域の水分の水圧が上昇し、水路46を介する乾燥領域(第2の拡散層932)側への水の移動が促進される。
第1の拡散層931と第2の拡散層932は、マイクロ孔を有するカーボン織物、カーボン紙又はカーボン不織布等の基材へ撥水性材料(PTFEやカーボン粉末等)を担持させたものであり、この撥水性材料の担持量を制御することにより、ガス拡散性を調整可能である。また、プレス等により基材の密度を調整することによりガス透過性を調整することもできる。
図9は実施例4の燃料電池100の模式断面図であって、その構成は図7において水素極の拡散層に変更を加えたものである。即ち、この燃料電池100は、水素極111において水素ガス流れの上流側に第3の拡散層931と、水素ガス流れの下流側に第4の拡散層932とを更に備える。尚、図9において先の図と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この燃料電池100では、水素極111側の水素ガス流れが図の上から下方向であり、空気極145側の空気流れが図の下から上方向である。
第3の拡散層931は第1の拡散層831と同じガス透過性を有し、第4の拡散層932は第2の拡散層832と同じガス透過性を有しており、第1の拡散層831は第2の拡散層832より低いガス透過性を有する。
このように構成された燃料電池100によれば、第1の拡散層831に対向した第3の拡散層931のガス透過性を小さくしたので、第1の拡散層831に対応する領域の湿潤状態が確実に維持される。その結果、当該湿潤領域の水分の水圧が上昇し、水路41を介する乾燥領域(第2の拡散層832)側への水の移動が促進される。
水素極11においても乾燥傾向にあるガス流れの上流側領域において拡散層931のガス透過性を小さくしたので、この部分での水持ちが向上する。
図10は、実施例5の燃料電池200の模式断面図であって、その構成は図9の水素極の第3の拡散層931、第4の拡散層932の位置を変換したものである。即ち、燃料電池200は、水素ガス流れの上流側に第4の拡散層932、水素ガス流れの下流側に第3の拡散層931を備える。尚、図10において先の図と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この燃料電池200では、水素極211側の水素ガス流れと空気極145側の空気流れは、共に図の上から下方向である。
空気極145側における第1の領域の831湿潤状態を維持することを重視し、第1の拡散層831に対向する水素極211の部分のガス透過性を小さくした(第3の領域932)。これにより、第1の拡散層831から第3の拡散層931への水分の移動が抑制される。その結果、当該湿潤領域の水分の水圧が上昇し、水路41を介する乾燥領域(第2の拡散層832)側への水の移動が促進される。一般的に、燃料電池では水素極側に比べて空気極側において水分の偏在が生じやすい。したがって、燃料電池全体として見たとき、水分がより均一に分布することとなる。
上記の実施例において、第1及び第2の拡散層のガス流れ方向に占める割合は1:1としているが、それらの拡散層のガス流れ方向に占める割合は任意に設計可能である。また、第1と第2の拡散層との間に第3の拡散層を存在させてもよい。この第3の拡散層のガス透過性は第1の拡散層のそれより小さく、第2の拡散層のそれより大きい。
拡散層は、その厚さ方向に多層構造にすることができ、その場合は水路側の層においてガス透過性に変化を与える。
さらに、燃料電池を正面から捉えたとき(図2(A)参照)、空気極145の第1の拡散層と第2の拡散層が空気流れ方向に占める割合を、拡散層の中央部と端部において異ならせてもよい。例えば、中央部においては第1の拡散層の占める割合を小さくして、端部においては第1の拡散層の占める割合を大きくする。
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
1,30,40,50,60,80,90,100,200 燃料電池
20,35,45,55,65,145 空気極
21,33,52,62 空気極触媒層
23,43,53,63,143 空気極拡散層
831 空気極低透過性拡散層
832 空気極高透過性拡散層
10,110,111,211 水素極
11 水素極触媒層
13,113,114,214 水素極拡散層
931 水素極低透過性拡散層
932 水素極高透過性拡散層
31,41,46,51,61,71 水路

Claims (7)

  1. 電解質膜、該電解質膜の表面上へ順次積層される触媒層及び拡散層を備える燃料電池であって、
    前記電解質膜、前記触媒層、前記拡散層の表面又は前記拡散層内部の撥水性材料の少なくとも一つに、反応ガスの流れに沿って水路が形成される、ことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記水路は空洞若しくは親水性材料からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記拡散層における前記反応ガスの流れの下流側領域のガス透過性が前記反応ガスの流れの上流側領域のガス透過性より小さい、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池装置。
  4. 空気極側の前記拡散層において、空気流れの下流側に第1のガス透過性を有する前記第1の領域が形成され、
    前記空気流れの上流側に第2のガス透過性を有する前記第2の領域が形成され、
    前記第1のガス透過性が前記第2のガス透過性より低い、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
  5. 水素極側の前記拡散層において、第3のガス透過性を有する第3の領域及び第4のガス透過性を有する第4の領域が形成され、
    前記第3のガス透過性が前記第4のガス透過性より低く、
    前記第3の領域が前記第1の領域に対向して配置されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池
  6. 前記空気流れ方向が下から上向きであり、
    前記水素ガスの流れ方向が上から下向きであり、
    前記第3の領域は、前記水素極側の拡散層において前記水素ガス流れの上側領域である、
    前記第4の領域は、前記水素極側の拡散層において前記水素ガス流れの下側領域であり、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池。
  7. 水素ガス流れ方向が空気流れ方向と同方向であって、
    前記第3の領域は、前記水素極側の拡散層において前記水素ガス流れの下流側領域であり、
    前記第4の領域は、前記水素極側の拡散層において前記水素ガス流れの上流側領域である、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池。
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