JP2007207486A - 固体高分子型燃料電池のガス拡散層 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の固体高分子型燃料電池は、ガス拡散層に金属メッシュを用いていたため、ガス拡散性が低くなるなどの問題点があった。
【解決手段】固体高分子から成る電解質膜1の両面に各電極を構成する触媒層2及びガス拡散層3を備えた固体高分子型燃料電池において、少なくとも一方の電極に用いるガス拡散層3であって、触媒層2側から、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層2Aと、炭素繊維で形成した基材層3Bを順に備えた構成とし、微細孔層2A及び基材層3Bを形成する炭素繊維により、機械的強度の確保と厚さ方向及び平面方向における良好なガス拡散性を実現し、燃料電池の発電性能や耐久性を高めた。
【選択図】図1
【解決手段】固体高分子から成る電解質膜1の両面に各電極を構成する触媒層2及びガス拡散層3を備えた固体高分子型燃料電池において、少なくとも一方の電極に用いるガス拡散層3であって、触媒層2側から、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層2Aと、炭素繊維で形成した基材層3Bを順に備えた構成とし、微細孔層2A及び基材層3Bを形成する炭素繊維により、機械的強度の確保と厚さ方向及び平面方向における良好なガス拡散性を実現し、燃料電池の発電性能や耐久性を高めた。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体高分子から成る電解質膜を用いて電気化学反応により電気エネルギーを得る固体高分子型燃料電池において、その燃料極や空気極に用いられるガス拡散層に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子から成る電解質膜の両面に、燃料極及び空気極を夫々構成する触媒層及びガス拡散層を備えた構造を有し、燃料極(アノード)に、水素を含有する燃料ガスを供給すると共に、空気極(カソード)に、酸素を含有する酸化ガスを供給し、各電極の電解質膜側の面で下記式の電気化学反応を生じさせて、電極から電気エネルギを取り出すものである。
燃料極反応: H2 → 2H+ + 2e− …(1)
空気極反応:2H+ + 2e− + (1/2)O2 → H2O …(2)
空気極反応:2H+ + 2e− + (1/2)O2 → H2O …(2)
燃料極に対する燃料ガスの供給には、水素貯蔵装置から純水素である燃料ガスを直接供給する方法や、水素を含有する燃料を改質してこれを燃料ガスとして供給する方法が知られている。また、水素貯蔵装置には、高圧ガスタンク、液化水素タンク及び水素吸蔵合金タンク等があり、水素を含有する燃料には、天然ガス、メタノール及びガソリン等がある。他方、空気極に供給する酸化ガスには、一般的に空気が利用されている。
さらに、固高分子型燃料電池では、電解質膜を保湿状態にしておく必要があり、電解質膜の性能を充分に引き出して発電効率を向上させるためには、電解質膜の水分量を最適に保つ必要がある。このため、固高分子型燃料電池では、導入する燃料ガス及び空気に対して予め充分な加湿を行っている。
ところで、上記の固体高分子型燃料電池は、電解質膜、各電極を構成する触媒層及びガス拡散層のほか、各ガス拡散層との間にガス流路を形成するセパレータ板を積層し、その積層方向に所定の圧縮力を印加した状態に保たれる。このため、圧縮力に加えて高温・高湿度に晒されることでガス拡散層等が変形し、その結果、面圧不足による接触抵抗の増大が生じて、発電性能や耐久性が低下する恐れがある。
そこで、従来の固体高分子型燃料電池には、図6に示すように、電解質膜101、触媒層102、ガス拡散層103及びセパレータ板104を積層した燃料電池において、ガス拡散層103として、金属メッシュ103aにカーボン粉末103bを充填したものを用いることにより、ガス拡散層103の機械的強度を高めると共に、触媒層102とガス拡散層103の間に、カーボン粉末と撥水性材料の混合物から成る第2のガス拡散層105を設けることにより、反応生成水や移動水の給排出をコントロールするようにしたものがあった(特許文献1)。
特開2002−170572号公報
しかしながら、上記したような従来の固体高分子型燃料電池にあっては、ガス拡散層に金属メッシュを用いていたため、この金属メッシュによって平面方向(図6の左右方向)のガス拡散性が阻害され、とくに、金属メッシュとセパレータ板との接触部分(図6中の符号A部分)でガス拡散性が低くなるという問題点があり、また、金属メッシュによりガス拡散層の機械的強度が得られる反面、カーボン粉末と撥水性材料の混合物から成る第2のガス拡散層で変形が生じ易くなるという問題点があることから、発電性能や耐久性をより高めるうえで、このような問題点を解決することが課題となっていた。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、変形し難いうえに良好なガス拡散性を得ることができ、燃料電池の発電性能や耐久性を高めることができる固体高分子型燃料電池のガス拡散層を提供することを目的としている。
本発明の固体高分子型燃料電池のガス拡散層は、固体高分子から成る電解質膜の両面に、燃料極及び空気極を夫々構成する触媒層及びガス拡散層を備えた固体高分子型燃料電池において、燃料極及び空気極の少なくとも一方の電極に用いるガス拡散層であって、触媒層側から、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成した基材層を順に備えた構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の固体高分子型燃料電池のガス拡散層は、炭素繊維により熱や圧縮力に対する強度が確保されて変形し難いものとなるうえに、厚さ方向及び平面方向のガス拡散性や、セパレータ板との接触部分におけるガス拡散層を充分に得ることができ、これにより固体高分子型燃料電池の発電性能や耐久性を向上させることができ。また、炭素繊維と導電性粉末から成る微細孔層により、反応生成水や移動水の給排出をコントロールすることができる。
図1は、本発明における固体高分子型燃料電池のガス拡散層の一実施形態を説明する図である。図1に示す固体高分子型燃料電池は、固体高分子から成る電解質膜1の一方の面に、空気極を構成する触媒層2及びガス拡散層3と、ガス拡散層3との間に酸化ガス(空気)のガス流路4を形成するセパレータ板5を積層し、電解質膜1の他方の面に、図示しない燃料極の触媒層、ガス拡散層及びセパレータ板を積層した構造を有している。
ガス拡散層3は、触媒層2に対して酸化ガスを拡散供給すると共に、集電体としても機能するものであって、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層3Aと、炭素繊維で形成した基材創3Bを備え、微細孔層3Aを触媒層2側にし且つ基材層3Bをセパレータ板5側にして配置してある。
微細孔層3A及び基材層3Bを形成する炭素繊維には、例えばカーボンペーパやカーボン不織布としたものを用いることができる。また、微細孔層3Aに充填する導電性粉末には、カーボン粉末やカーボンブラック粉末が用いることができる。
セパレータ板5は、金属製又はセラミックス製であって、ガス拡散層3側の面に適宜形状のリブ5aを有し、隣接するリブ5a同士の間をガス流路4としている。また、セパレータ板5は、それ自体による導電性又は適当な通電経路を設けることで外部端子としても用いられる。
なお、図1にはガス流路4の6個の断面を示したが、これらはジグザグ状に連続している。したがって、ガスの流れ方向は、ガス流路4の各断面部分では図面に垂直な方向であるが、燃料電池全体としては図1の左右方向となる。
上記のガス拡散層3を備えた固体高分子型燃料電池は、従来技術の項でも説明したように、積層方向に所定の圧縮力が印加され、空気極に酸化ガスを供給するとともに燃料極に燃料ガスを供給して発電を行なうこととなる。
このとき、当該燃料電池では、ガス拡散層3の微細孔層3A及び基材層3Bを炭素繊維で形成しているので、この炭素繊維によってガス拡散層3の機械的強度が確保され、熱や圧縮力を受けてもガス拡散層3が変形し難いものとなり、また、微細孔層3Aによって反応生成水や移動水の給排出をコントロールすることができる。
そして、当該燃料電池では、ガス拡散層3を炭素繊維で形成したことにより、上記の機械的強度の確保に加えて、ガス拡散層3の厚さ方向及び平面方向(図1左右方向)におけるガス拡散性を充分に得ることができ、とくに、従来のガス拡散層(図6参照)ではセパレータ板との接触部分でガス拡散性が低下していたのに対して、セパレータ板5のリブ5aとの接触部分におけるガス拡散性も良好に得ることができる。
このようにして、当該燃料電池では、機械的強度に優れ且つガス拡散性が良好なガス拡散層3を用いたことにより、発電性能及び耐久性を高めることができる。
本発明の固体高分子型燃料電池のガス拡散層は、より好ましい実施形態として、微細孔層を形成する炭素繊維が、撥水性樹脂で被覆してある構成とすることができる。これにより、触媒層における生成水をガス流路へ効率良く排出することができ、また、炭素繊維と導電性粉末との結合に関して撥水性樹脂がバインダーとなり、双方の結合力を大きくすることができる。
さらに、本発明の固体高分子型燃料電池のガス拡散層は、より好ましい実施形態として、微細孔層の空隙に充填した導電性粉末が、撥水性樹脂で被覆してある構成とすることができる。これにより、触媒層における生成水をガス流路へ効率良く排出することができ、また、導電性粉末同士の結合に関して撥水性樹脂がバインダーとなり、その結合力を大きくすることができる。
さらに、本発明の固体高分子型燃料電池のガス拡散層は、より好ましい実施形態として、微細孔層の空隙に充填した導電性粉末の充填率が、当該燃料電池におけるガスの流れ方向において下流側で大きいものとすることができる。このとき、当該燃料電池におけるガスの流れ方向は、先述したように図1の左右方向である。
より具体的には、図2に示すように、ガス拡散層3の微細孔層3Aを、導電性粉末の充填率が低い低充填率層3Lと、これよりも導電性粉末の充填率が高い高充填率層3Hで形成し、低充填率層3Lを上流側に配置し、高充填率層3Hを下流側に配置する。なお、導電性粉末は、先述の如く撥水性樹脂で被覆するのがより望ましい。
これにより、ガス拡散層3は、生成水が滞留し易い下流側においては、導電性粉末の充填率を高くすることで排水性をより向上させることができ、また、生成水が少ない上流側においては、導電性粉末の充填率を低くすることでガス拡散性をより向上させることができる。
さらに、本発明の固体高分子型燃料電池のガス拡散層は、より好ましい実施形態として、微細孔層の空隙に充填した導電性粉末の充填率が、ガス拡散層の厚さ方向において触媒層側で大きいものとすることができる。
より具体的には、図3に示すように、ガス拡散層3の微細孔層3Aを、導電性粉末の充填率が低い低充填率層3Lと、これよりも導電性粉末の充填率が高い高充填率層3Hで形成し、高充填率層3Hを触媒層2側に配置し、低充填率層3Lを基材層3B側に配置する。なお、導電性粉末は、先述の如く撥水性樹脂で被覆するのがより望ましい。
これにより、厚さ方向において、触媒層2側に小さな空孔が存在し且つ基材層3B及びガス流路4側に大きな空孔が存在する空孔分布となり、高充填率層3Hにおける小さな空孔の毛細管力によって触媒層2における生成水の排出性をより高めることができる。
なお、図2及び図3では、ガスの流れ方向及びガス拡散層3の厚さ方向において、微細孔層3Aの導電性粉末の充填率を異ならせるに際し、同微細孔層3Aを低充填率層3Lと高充填率層3Hの2層で形成した場合を例示したが、微細孔層3Aを3層以上で形成することも可能であり、また、各方向において導電性粉末の充填率を連続的に変化させることも可能である。
また、図1〜図3に示す各実施形態では、電解質膜の空気極側のみを図示したが、微細孔層及び基材層から成るガス拡散層は、燃料極側あるいは両極に設けることも当然可能である。
(実施例1)
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成して、図1に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成して、図1に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
この際、微細孔層及び基材巣の炭素繊維には、カーボンペーパ(東レ製TGP−H−060)を用い、微細孔層の導電性粉末には、カーボンブラックの粉末(電気化学工業製デンカブラック)を用いた。また、微細孔層は、カーボンブラックの粉末を所望の粒子径に粉砕し、これを水に分散させてカーボンブラック分散液を作製した後、真空吸引によりカーボンブラック分散液をカーボンペーパに含浸させ、その後、乾燥させたものとした。
(実施例2)
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成して、図1に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成して、図1に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
この際、微細孔層の炭素繊維に、撥水性樹脂で被覆したカーボンペーパを用い、それ以外は実施例1と同様にした。すなわち、撥水性樹脂であるPTFEの分散液にカーボンペーパを浸漬し、このとき、PTFE重量/カーボンペーパ重量=0.4となるように調整した。この撥水処理されたカーボンペーパに対して、真空吸引によりカーボンブラック分散液を含浸させ、これを乾燥させて微細孔層を得た。
(実施例3)
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成して、図1に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成して、図1に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
この際、微細孔層の導電性粉末に、撥水性樹脂で被覆したカーボンブラックの粉末を用い、それ以外は実施例1と同様にした。すなわち、実施例1のカーボンブラック分散液を作製する際に、PTFE重量/カーボンブラック重量=0.4となるようにPTFEの分散液を混合し、この混合分散液を真空吸引によりカーボンペーパに含浸させ、これを乾燥させて微細孔層を得た。
(実施例4)
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成し、さらに、微細孔層を、導電性粉末の充填率が低い上流側の低充填率層と、導電性粉末の充填率が高い下流側の高充填率層とで構成し、図2に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成し、さらに、微細孔層を、導電性粉末の充填率が低い上流側の低充填率層と、導電性粉末の充填率が高い下流側の高充填率層とで構成し、図2に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
この際、実施例3と同様に、カーボンブラックの粉末と撥水性樹脂であるPTFEとの混合分散液を作製し、カーボンペーパの片側半分に対して、真空吸引により混合分散液100mgを含浸させ、これを乾燥させて高充填率層とした。次に、カーボンペーパの残り半分に対して、真空吸引により混合分散液50mgを含侵させ、これを乾燥させて低充填率層とし、高充填率層及び低充填率層から成る微細孔層を得た。それ以外は実施例1と同様にした。
(実施例5)
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成し、さらに、微細孔層を、導電性粉末の充填率が低い基材層側の低充填率層と、導電性粉末の充填率が高い触媒層側の高充填率層とで構成し、図3に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成された基材層で構成し、さらに、微細孔層を、導電性粉末の充填率が低い基材層側の低充填率層と、導電性粉末の充填率が高い触媒層側の高充填率層とで構成し、図3に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
この際、実施例3と同様に、カーボンブラックの粉末と撥水性樹脂であるPTFEとの混合分散液を作製し、カーボンペーパ(東レ製TGP−H−030)に対して、真空吸引により混合分散液100mgを含浸させ、これを乾燥させて高充填率層とした。次に、別のカーボンペーパに対して、真空吸引により混合分散液50mgを含浸させ、これを乾燥させて高充填率層とし、高充填率層及び低充填率層から成る微細孔層を得た。それ以外は実施例1と同様にした。
(比較例1)
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を金属メッシュとカーボン粉末で構成し、図6に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
固体高分子から成る電解質膜の両側に、燃料極及び空気極の触媒層及びガス拡散層と、セパレータ板を配置し、空気極側のガス拡散層を金属メッシュとカーボン粉末で構成し、図6に示す固体高分子型燃料電池を作製した。
実施例1〜4及び比較例1の発電評価結果を図4に示す。評価条件は、燃料極(アノード)/空気極(カソード)=水素/空気、S.R.=1.5/2.5であり、セル温度は70℃であり、R.H.=60%/50%である。
図4から明らかなように、比較例1では高電流密度において電圧が低下した。これは、ガス拡散層に金属メッシュ及びカーボン粉末を用いていることから、ガス拡散層における平面方向のガス拡散性が低下し、とくにセパレータ板のリブとの接触部分でのガス拡散性が低いからである。
これに対して、実施例1〜4では、高電流密度においても電圧が高いものとなった。これは、ガス拡散層に炭素繊維(カーボンペーパ)を用いていることから、ガス拡散層における平面方向のガス拡散性が高く、セパレータ板のリブとの接触部分にもガスが充分に供給されて、触媒が有効に利用されていることを示している。
さらに、実施例2の微細孔層の炭素繊維に撥水性樹脂で被覆したもの、及び実施例3の微細孔層の導電性粉末に撥水性樹脂で被覆したものは、撥水性樹脂の効果により、液水の排出が促進され、高電流密度においてより高い電圧を示した。さらに、実施例4のガス上流と下流で、導電性粉末の充填率を変えたものは、上流側のガス拡散性向上と下流側の液水排出性能向上により、さらに高い電圧を示した。
さらに、実施例2の微細孔層の炭素繊維に撥水性樹脂で被覆したもの、及び実施例3の微細孔層の導電性粉末に撥水性樹脂で被覆したものは、撥水性樹脂の効果により、液水の排出が促進され、高電流密度においてより高い電圧を示した。さらに、実施例4のガス上流と下流で、導電性粉末の充填率を変えたものは、上流側のガス拡散性向上と下流側の液水排出性能向上により、さらに高い電圧を示した。
また、図5には、実施例1〜5及び比較例1の燃料電池のクリープ曲線を示す。横軸は時間であり、縦軸は圧縮ひずみである。試験条件は、面圧:1MPa、セル温度:90℃、湿度:50%とした。
図5から明らかなように、比較例1では、時間経過とともに顕著なひずみの増加が認められた。これに対して、実施例1〜5では、比較例1に比べてひずみの値そのものが小さく、しかも増加は見られない結果となり、ガス拡散層を形成する炭素繊維よって充分な機械的強度が得られることを確認した。
1 電解質膜
2 触媒層
3 ガス拡散層
3A 微細孔層
3B 基材層
3L 低充填率層(微細孔層)
3H 高充填率層(微細孔層)
2 触媒層
3 ガス拡散層
3A 微細孔層
3B 基材層
3L 低充填率層(微細孔層)
3H 高充填率層(微細孔層)
Claims (6)
- 固体高分子から成る電解質膜の両面に各電極を構成する触媒層及びガス拡散層を備えた固体高分子型燃料電池において、少なくとも一方の電極に用いるガス拡散層であって、触媒層側から、炭素繊維で形成され且つその空隙に導電性粉末を充填した微細孔層と、炭素繊維で形成した基材層を順に備えたことを特徴とする固体高分子型燃料電池のガス拡散層。
- 微細孔層を形成する炭素繊維が、撥水性樹脂で被覆してあることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池のガス拡散層。
- 微細孔層の空隙に充填した導電性粉末が、撥水性樹脂で被覆してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池のガス拡散層。
- 微細孔層の空隙に充填した導電性粉末の充填率が、当該燃料電池におけるガスの流れ方向において下流側で大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池のガス拡散層。
- 微細孔層の空隙に充填した導電性粉末の充填率が、ガス拡散層の厚さ方向において触媒層側で大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池のガス拡散層。
- 請求項1〜5のいずれか1項の記載のガス拡散層を燃料極及び空気極の少なくとも一方に用いたことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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