JP2004087491A - 燃料電池 - Google Patents

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柴田 礎一
Hiroki Kusakabe
日下部 弘樹
Kazuhito Hado
羽藤 一仁
Nobunori Hase
長谷 伸啓
Shinsuke Takeguchi
竹口 伸介
Hideo Obara
小原 英夫
Toshihiro Matsumoto
松本 敏宏
Katsuzo Konakawa
粉川 勝蔵
Takayuki Urata
浦田 ▲隆▼行
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Abstract

【課題】 ガス拡散層の性状およびガス流路の寸法を最適化して、触媒層中の触媒に均一に反応ガスを供給し、かつ生成された余剰水を速やかに排出することができ、高い放電性能と信頼性を持つ燃料電池を提供する。
【解決手段】 セパレータ板のガス流路内にMEAのガス拡散層が突出した状態とし、かつセパレータ板のガス流路が、ガス拡散層が突出するのに十分な幅と深さを有し、ガス流路間のリブの幅を狭くした燃料電池。
【選択図】図3

Description

 本発明は、燃料として純水素、あるいはメタノールもしくは化石燃料からの改質水素、またはメタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの液体燃料を直接用い、空気や酸素を酸化剤とする燃料電池に関するものであり、とくに固体高分子を電解質に用いた燃料電池に関するものである。
 一般的に高分子電解質型燃料電池の電極は、高分子電解質膜に接する触媒層、および触媒層の外面に配されたガス拡散層からなる。このガス拡散層は、主に次の三つの機能を持っている。その第一は、ガス拡散層のさらに外面に形成されたガス流路から触媒層中の触媒へ均一に燃料ガスまたは酸化剤ガスなどの反応ガスを供給するために、反応ガスを拡散する機能である。第二は、触媒層で反応により生成した水を速やかにガス流路に排出する機能である。第三は、反応に必要な、または生成される電子を導電する機能である。従って、それぞれ高い反応ガス透過性、水透過性、および電子導電性が必要となる。
 従来の一般的な技術として、ガス透過能は、ガス拡散層を多孔質構造とすること、水透過能は、フッ素樹脂で代表とされる撥水性の高分子などをガス拡散層中に分散し、水の詰まり(フラッディング)を抑制すること、電子導電性は、カーボン繊維や金属繊維、炭素微粉末などの電子導電性材料でガス拡散層を構成することでそれぞれ行われてきた。
 従来のガス拡散層は、上記の3つの機能を持つ材料として、カーボンペーパーが用いられてきた。しかしながら、ガス拡散層にカーボンペーパーを用いた燃料電池では、燃料ガスおよび酸化剤ガスの相対湿度が98%以上になると、フラッディングによる電圧の低下が起こり、安定した動作が不可能であった。これは、カーボンペーパーが高いガス拡散能を持つため、セパレータ板のガス流路間のリブの下を潜って反応ガスが流れる伏流の割合が多くなり、反応ガスの圧損が低下し、水透過能が低下するために引き起こされる。したがって、反応ガスの流量を増やし、反応ガスの圧損を高くすることで、安定した動作は可能となる。しかし、そうすると燃料電池の効率が低下してしまう。
 カーボン不織布をガス拡散層に用いた燃料電池では、燃料ガスおよび酸化剤ガスの相対湿度が98%以上であっても安定した動作が可能である。しかし、カーボンペーパーを用いた燃料電池に比べ電圧が低下する。供給するガスの加湿度合いを高くしてもフラッディングに強い理由は、燃料電池を組み立てた状態では締結圧がかかることで、カーボン不織布が全体的に押しつぶされるため、カーボン不織布のガス透過能が低下し、伏流の割合が少なくなり、高い圧損が得られるためである。しかしながら、ガス透過能が低下するために、燃料電池の放電性能も低下してしまう。
本発明は、これら上記した従来の課題を解決するもので、ガス拡散層内でのガスの拡散性および余剰水の透過性を確保しうる燃料電池用電極を提供することを目的とする。
 本発明は、ガス拡散に必要なガス拡散層の気孔率を確保することおよび伏流の割合を減少させることを両立させ、特に高加湿状態での発電において放電性能および安定性の高い燃料電池を提供することを目的とする。
 本発明の燃料電池は、高分子電解質膜、前記高分子電解質膜を挟む一対の電極、および前記電極の外側に配置され、前記電極に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給するガス流路を有する一対のセパレータ板を具備し、前記電極が触媒層およびガス拡散層からなり、前記ガス拡散層は前記セパレータ板に直に接する表面Aと前記ガス流路に臨む表面Bとを有し、表面Aを有する部分の気孔率が表面Bを有する部分の気孔率よりも低く、かつ表面Bが前記ガス流路内へ突出している。
 本発明による燃料電池においては、ガス流路に対向するガス拡散層、すなわち表面Bを有する部分の気孔率を保持しながら、ガス流路間に形成されるリブに対応する部分、即ち表面Aを有する部分ではガス拡散層を圧縮等の方法により気孔率を下げ、ガス拡散能を低下させることで伏流の割合を減少させる。これにより、電池性能と安定性に優れた燃料電池を提供することができる。
 さらに、ガス流路内にガス拡散層の一部が膨出ないし垂れ込んだ状態となり、表面Bがガス流路内へ突出した形状を呈する。このような形状とすることで、ガス流路内を流れる反応ガスとガス拡散層が接する面積が増大する。このため、ガス拡散層内に反応ガスが容易に侵入することができ、ガス拡散能力が向上する。これにより、電池性能に優れた燃料電池を提供することができる。
 本発明によれば、ガス拡散層およびガス流路の寸法を最適化することによって、触媒層中の触媒に均一に反応ガスを供給し、かつ生成された余剰水を速やかに排出することが可能となり、高い放電性能と信頼性を持つ燃料電池を実現することができる。
 本発明の燃料電池においては、電極のガス拡散層は、セパレータ板に直に接する表面Aとセパレータ板のガス流路に面する表面Bとを有し、表面Aを有する部分の気孔率が表面Bを有する部分の気孔率よりも低く、かつ表面Bが前記ガス流路内へ突出している。これにより、ガス拡散層の表面Bを有する部分の気孔率を保持しながら、表面Aを有する部分のガス透過能を下げることができる。
 次に、ガス拡散層の気孔率に関してより詳しく説明する。
 表面Aを有する部分の気孔率については、これをほぼ0%とすることで伏流を無くすことが可能となる。しかし、そのようにすると、電極表面の全面積中表面Aの占める割合は大きいため、表面Aの下にある電極における反応が反応ガスの欠乏により起こらなくなる。そうすると、電池の発電性能が著しく低下してしまう。一方、表面Aを有する部分の気孔率が表面Bを有する部分の気孔率に近づくに従って、伏流の割合が大きくなり、ガス流路を流れる反応ガスの流量が少なくなって耐フラッディング性能が低下する。
 本発明者らは、以下の実施例で説明するように、ガス拡散層の気孔率について様々な実験を行った結果、表面Aを有する部分の気孔率aと表面Bを有する部分の気孔率bとの比a/bが0.20〜0.85の範囲であるとき、燃料電池が安定かつ高効率で作動することを見いだした。この比a/bは0.4〜0.5であることがより好ましい。
 セパレータ板のガス流路内へ突出しているガス拡散層の表面Bの部分の断面形状が円弧形状である場合、ガスの流路内を流れる反応ガスとガス拡散層が接する面積を増大させることができる。これにより、ガス拡散層内への反応ガスの拡散が容易になる効果がある。ガス拡散層のガス流路内へ突出する量は、小さすぎると効果が現れず、大きすぎるとガス流路の断面積を狭めてしまうことになる。ガス拡散層のガス流路内へ突出する量は、0.10〜0.25mmのときにガスの拡散性が良くなる結果が得れらる。
 ガス拡散層がガス流路内へ突出した状態にする場合、ガス流路の断面積が極端に狭くなると、反応ガスの圧損が急激に上昇するため、燃料電池の構成材の強度上問題となる。一方、伏流の割合が減少することで、セパレータ板のリブに接する部分の電極反応が起こりにくくなり、電池性能が低下してしまう。これらのことから、ガス拡散層がガス流路内へ突出した状態にする場合のガス流路は、一定以上の断面積を持つ必要があり、かつリブの幅は狭い方が望ましい。
 以上の観点から、セパレータ板のガス流路は、幅が1.0mm〜2.0mm、深さが1.0mm〜2.0mmであり、リブの幅が0.5mm〜1.0mmとすることが好ましい。ガス流路の寸法をこのようにすることで、ガス拡散層がガス流路内へ突出することによるガス流路の断面積の変化およびリブの下の反応面積の減少の影響を無視できるようになる。
 以下、本発明の実施の形態を説明する。
 図1は一般的な高分子電解質型燃料電池の要部の構成を示す。1は高分子電解質膜を表す。高分子電解質膜1の外面に触媒層2A、2Bが配置され、さらにその外面にガス拡散層3A、3Bが配置されている。これらの外面には、セパレータ板4A、4Bが配置される。セパレータ板4A、4Bは、それぞれガス流路5A、5Bを有する。6A、6Bは、ガス流路とガス流路との間に形成されたリブを表す。
 電極反応は触媒層2Aおよび2Bの触媒表面で起こる。アノード反応ガスは、例えばセパレータ板4Aに形成されたガス流路5Aからガス拡散層3Aを通り触媒層2Aへ、カソード反応ガスは、セパレータ板4Bのガス流路5Bからガス拡散層3Bを通り触媒層2Bへそれぞれ供給される。アノード触媒層2Aでは、式(1)の反応が起こり、カソード触媒層2Bでは、式(2)の反応が起こり、全体として式(3)となる。
  H2→2H++2e-     (1)
  1/2O2+2H++2e-→H20   (2)
  H2+1/2O2→H2O+Q (3)
この反応により起電力が得られ、その電気エネルギーにより発電がなされる。同時に水の生成がカソード触媒層2Bで起こる。また、起電反応の際、アノード触媒層2Aで生じたH+は高分子電解質膜1中を移動しカソード触媒層2Bへ至る。
 このH+イオンが移動する際、H+イオン1個当たり5〜20個のH2O分子を同伴して移動する。高分子電解質膜は、十分な水が存在して初めてH+イオンの高い導電性を発揮する性質がある。したがって、高分子電解質膜中を移動するH+イオンに同伴して水が移動するため、不足する水を常に供給する必要がある。
 この水は、水蒸気として、セパレータ板における反応ガスの入り口側マニホールド孔からガス流路5A、5Bを経てガス拡散層3A、3Bを通り高分子電解質膜へ供給される。また、カソードの触媒層内で生成された水のうち、高分子電解質膜が必要としない余剰水は、ガス拡散層3Aおよび3Bを通り、セパレータ板のガス流路5A、5Bを経て出口側マニホールド孔から排出される。
 このように、燃料電池では、水の出入りの多いガス拡散層3A及び3Bのガス拡散能および余剰水の排出能を確保することが重要であり、長期信頼性の点からも余剰水を速やかに排出できるように設計する必要がある。このような余剰水は、反応ガスに押し出される形でガス流路5A及び5Bやガス拡散層3A及び3Bの中を移動するため、余剰水の排水能を高めるためには、反応ガスの圧損を高く維持する必要がある。しかしながら、ガス流路とガス流路との間のリブ6Aおよび6Bに接しているガス拡散層のガス透過能が高いと、図2に示すように、リブの下をガスが潜り抜ける伏流の割合が大きくなるため、反応ガスの圧損が低下してしまう。
 図2はアノード側セパレータ板14の正面図である。一点鎖線13で囲まれた部分にアノードが配置される。燃料ガスの入り口側マニホールド孔10aから供給される燃料ガスは、マニホールド孔10aと出口側マニホールド孔10bとを連絡するガス流路15をとおりマニホールド孔10bから排出される。図の矢印16は、流路15をとおるガスの流れを表し、矢印17は、セパレータ板に接している電極のガス拡散層を流れる伏流を表す。図ではガス流路は1本の溝で構成されているが、並行する複数の溝によってガス流路を形成する場合もある。
11aおよび11bは、それぞれ酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔および出口側マニホールド孔であり、12aおよび12bは、それぞれ冷却水の入り口側マニホールド孔および出口側マニホールド孔である。
 本発明では、セパレータ板のガス流路間に形成されるリブに接するガス拡散層を圧縮してガス拡散能を減少させ、反応ガスの伏流の割合を減少させると共に、ガス拡散層のガス流路に臨む部分はガス流路内へ突出させることでガス拡散層の気孔率を高い状態に保ち、ガス拡散能の低下を起こさないようにする。このようにして、電極中で余剰とされる水が排出できるようにする。これによって、電極中で水詰まりが起こらず、フラッディングを招くことがなく、ガス拡散性の低下をも引き起こすことのない、放電特性および信頼性の高い燃料電池を提供することができる。このように本発明のガス拡散層を用いることによって、放電特性および信頼性の高い燃料電池を提供することができる。
 ここで、ガス拡散層の気孔率とは、比表面積・細孔分布測定装置((株)島津製作所製 トライスター3000)を用いて窒素ガスにより測定した未圧縮状態のガス拡散層中の全細孔体積と、このガス拡散層の見かけ体積との比である。また、ガス拡散層の圧縮後の気孔率は、ガス拡散層の真体積が一定であるとの仮定のうえで、圧縮前後の厚み変化により計算したものである。
 以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。ここに用いる構造図は理解を容易にするためのものであって、各要素の相対的なサイズや位置関係は必ずしも正確ではない。
《実施の形態1》
 図3は本実施の形態にかかる単電池の要部の断面図である。24Aはアノード側セパレータ板であり、アノードと対向する面には、溝で構成されたガス流路25Aを有する。24Bはカソード側セパレータ板であり、同様にカソードと対向する面にはガス流路25Bを有する。これらのセパレータ板24Aおよび24Bのガス流路25Aおよび25Bは、不可避な部分を除いて、それぞれ対向する位置に配置されている。ガス流路25A間および25B間にはそれぞれリブ26Aおよび26Bが形成される。
 これら2枚のセパレータ板間に挟まれる電解質膜電極接合体(MEA)は、高分子電解質膜21および高分子電解質膜を挟む一対の電極、すなわちアノードおよびカソードを具備する。電極は、いずれも高分子電解質膜に接する触媒層とその外側に配されるガス拡散層からなる。以下の図面においては、電極はいずれも一層のみで表している。そして、電極の圧縮される部分や、突出する部分は、主としてガス拡散層のみである。
 セパレータ板のガス流路の幅、深さ、および流路間のリブの幅を適切に設定するとともにセルの締結圧を調節することにより、電極のガス流路に臨む部分22Aおよび22Bのガス拡散層をガス流路25Aおよび25B内へ突出させ、一方リブ26Aと26Bで挟まれる電極部分23Aおよび23Bのガス拡散層を圧縮することができる。
 このような構成によれば、ガス拡散層のガス流路に臨む部分は、良好なガスの拡散性および水分の透過性を保持し、しかもガスの伏流を軽減することができる。
《実施の形態2》
 図4は本実施の形態に係るガス拡散層の要部の断面図であり、図5は同ガス拡散層を用いた単電池の断面図である。
 ガス拡散層を構成するカーボン不織布などを、あらかじめ対応するセパレータ板でプレスすることにより、ガス流路と対応した形状の未圧縮部31と残余の圧縮部32を形成する。圧縮部32の表面には凹部33が形成される。このような加工をしたガス拡散層を組み合わせたMEAをセパレータ板で挟み、ガス拡散層の圧縮部32の凹部33に、セパレータ板のリブがはまるように単電池を組み立てる。
 図5はそのような単電池を示す。高分子電解質膜41を挟む一対の電極、すなわちアノードおよびカソードは、前記ガス拡散層の凹部33を有する面とは反対側に触媒層が形成されてつくられている。アノードは、ガス拡散層の圧縮部を有する部分43Aがセパレータ板44Aのリブ46Aに接し、ガス拡散層の未圧縮部を有する部分42Aがガス流路45A内へ突出している。同様に、カソードは、ガス拡散層の圧縮部を有する部分43Bがセパレータ板44Bのリブ46Bに接し、ガス拡散層の未圧縮部を有する部分42Bがガス流路45B内へ突出している。
 以上の実施の形態においては、MEAをアノード側セパレータ板とカソード側セパレータ板で挟んだ構成の単電池を示した。燃料電池は、多数の単電池を積層してセルスタックとして用いるのが普通である。そのようなセルスタックでは、MEA間には、一方の面に燃料ガスの流路を形成し、他方の面に酸化剤ガスの流路を形成したアノード側セパレータ板とカソード側セパレータ板とを兼ねる単一のセパレータ板が挿入される。また、1〜3セル毎に冷却部が設けられる。冷却部は、背面に冷却水の流路を形成したアノード側セパレータ板とカソード側セパレータ板とを冷却水の流路を向き合うように組み合わせた複合セパレータ板で構成される。
 以下実施例を説明する。
 まず、触媒層を有する電極の作製方法を説明する。
 アセチレンブラック粉末に、平均粒径が約30Åの白金粒子を25重量%担持した。これを電極の触媒とした。この触媒粉末のイソプロパノール分散液に、パーフルオロカーボンスルホン酸粉末のエチルアルコール分散液を混合し、触媒ペーストとした。
 一方、外寸16cm×16cm、厚み0.36mm、気孔率74%のカーボン不織布(東レ(株)製、TGP−H−120)を、フッ素樹脂の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製、ネオフロンND1)に含浸した後、乾燥し、400℃で30分間加熱することで、撥水性を与えた。このカーボン不織布の一方の面に、触媒ペーストをスクリーン印刷法をもちいて塗布することにより触媒層を形成した。このとき、触媒層の一部は、カーボン不織布の中に埋まり込んでいた。このようにして触媒層とカーボン不織布とからなる一対の電極を作製した。電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるようにした。
 次に、外寸が20cm×20cmのプロトン伝導性高分子電解質膜の裏表両面に、前記一対の電極を触媒層が電解質膜に接するようにホットプレスで接合し、これを電解質膜電極接合体(MEA)とした。ここでは、プロトン伝導性高分子電解質膜として、パーフルオロカーボンスルホン酸を50μmの厚みに薄膜化したものを用いた。以上の材料、条件で作製したMEAをMEA−1とする。
 次に、導電性セパレータ板について説明する。
 まず、平均粒径が約10μmの人造黒鉛粉末50重量部、平均直径50μm、平均長0.5mmの繊維状グラファイト30重量部、および熱硬化性フェノール樹脂20重量部を押し出し混練機で混練した。この混練物をガス流路用溝、冷却水流路用溝およびマニホールド孔を成形するための加工を施した金型に投入し、ホットプレスした。ホットプレスの条件は、金型温度150℃、圧力100kgf/cm2で10分間とした。得られたセパレータ板は、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、流路間のリブの幅が1.0mmであった。
 上記のアノード側セパレータ板およびカソード側セパレータ板でMEAシートを挟んで単電池を組み立てた。この単電池を用いた電池スタックは、後述のようにして締結される。本実施例では、ガス拡散層を構成する前記のカーボン不織布は、セパレータ板のリブに接する部分の厚みが0.11mmとなるように締結された。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は14.9%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.2となった。こうして図3に示すような単電池を作製した。電極のカーボン不織布がガス流路内へ突出している量は最大0.25mmであった。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が2.0mm、深さが2.0mm、リブ幅が0.5mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−1のシートを挟み、リブに接する部分のカーボン不織布の厚みが0.11mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は14.9%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.2となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は最大0.25mmであり、図3に近い断面形状となった。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブ幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。前記のセパレータ板2枚で、MEA−1のシートを挟み、セパレータ板のリブに接する部分のカーボン不織布の厚みが0.25mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は62.6%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.85となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は最大0.11mmであり、図3に近い断面形状となった。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブ幅が0.5mmのセパレータ板を作製した。前記のセパレータ板2枚で、MEA−1のシートを挟み、セパレータ板のリブに接する部分のカーボン不織布の厚みが0.25mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は62.6%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.85となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は最大0.11mmであり、図3に近い断面形状となった。
 外寸16cm×16cm、厚み0.36mm、気孔率90%のカ−ボン不織布(東レ(株)製、TGP−H−120)を用いた他は実施例1と同様にしてMEAを作製した。このMEAをMEA−2とする。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が2.0mm、深さが2.0mm、リブの幅が0.5mmのセパレータ板を作製した。前記のセパレータ板2枚で、MEA−2のシートを挟み、セパレータ板のリブに接する部分のカーボン不織布の厚みが0.11mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は67.3%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.75となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は最大0.25mmであり、図3に近い断面形状となった。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。
 次に、触媒層を有する電極の作製方法を説明する。 まず、アセチレンブラック粉末に、平均粒径が約30Åの白金粒子を25重量%担持した。この触媒粉末のイソプロパノール分散液に、パーフルオロカーボンスルホン酸粉末のエチルアルコール分散液を混合し、触媒ペーストとした。
 一方、ガス拡散層の基材として、太さ約10μm、長さ約5mmに切断したポリアクリロニトリル繊維を水に分散させ、これを抄紙してシートを作製した。次いで、エタノールにて濃度40重量%に希釈したフェノール樹脂溶液に、前記のシートを含浸させ、約100℃で10分間乾燥させて樹脂を硬化させた。これを窒素雰囲気下2000℃で24時間加熱し黒鉛化させ、厚み0.2mm、気孔率80%のカーボンペーパーを得た。次に、撥水剤の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製ネオフロンND1)と水とを重量比1:10の割合で混合した希釈液に、前記のカーボンペーパーを浸漬した後、約60℃で1時間乾燥させた。さらに、アセチレンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを重量比3:1の割合で分散させた水分散液を調製し、これをドクターブレードを用いて前記処理後のカーボンペーパー上に塗工して撥水層を形成した。これを約
60℃で1時間乾燥させた後、約380℃で15分間焼成した。このカーボンペーパーを外寸が16cm×16cmとなるように切断した。
 上記のカーボンペーパーに対応するセパレータ板のガス流路側の面とが接するように重ね合わせ、接触している面積当たり100kg/cm2の加圧力をかけることで、セパレータ板のリブに当たっている部分のカーボンペーパーを潰し、図4に示すように、深さ0.1mmの溝33を形成した。これにより、カーボンペーパーの圧縮された部分の気孔率は60.0%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.75となった。このカーボンペーパーのもう一方の面、すなわち撥水層を有する面に、触媒ペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布して触媒層を形成した。このとき、触媒層の一部は、カ−ボンペーパーの中に埋まり込んでいた。このようにして触媒層とカーボンペーパーとからなる一対の電極を作製した。電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるようにした。
 次に、外寸が20cm×20cmのプロトン伝導性高分子電解質膜の裏表両面に、一対の電極を触媒層が電解質膜に接するようにホットプレスで接合し、これをMEAとした。高分子電解質膜は、実施例1と同じものを用いた。このMEAをMEA−3とする。
 前記のセパレータ板2枚でMEA−3のシートを挟んで図5のような単電池を構成した。締結圧は単位面積当たり15kgf/cm2とした。なお、セパレータ板のリブとMEAのガス拡散層の圧縮部分とが一致するようにした。
 実施例6と同様の材料、手順により、深さ0.05mmの溝を持つカーボンペーパーを作製した。これにより、カーボンペーパーの圧縮された部分の気孔率は20.0%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.25となった。このカーボンペーパーを用いて、実施例6と同様の材料、手順によりMEAを作製した。このMEAをMEA−4とする。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。前記のセパレータ板2枚で、MEA−4のシートを挟んで図5のような単電池を構成した。締結圧は単位面積当たり15kgf/cm2とした。セパレータ板のリブとMEAのガス拡散層の圧縮部分とが一致するようにした。
 カーボンペーパーを作製するときの芯材であるポリアクリルニトリル繊維の径を15μmのものに変えて、実施例6と同様の手順により、圧縮前の気孔率が70%である溝付きのカーボンペーパーを作製した。このときの溝の深さは0.10mmであり、圧縮された部分の気孔率は40.0%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.57となった。このカーボンペーパーを用いて、実施例6と同様の材料、手順によりMEAを作製した。このMEAをMEA−5とする。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。前記のセパレータ板2枚で、MEA−5のシートを挟んで図5のような単電池を構成した。締結圧は単位面積当たり15kgf/cm2とした。セパレータ板のリブとMEAのガス拡散層の圧縮部分とが一致するようにした。
比較例1
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が2.0mm、深さが2.0mm、リブの幅が0.5mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−1のシートを挟み、セパレータ板のリブに接する部分のカーボン不織布の厚みが0.10mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は6.4%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.09となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は最大0.26mmであり、図3に近い断面形状となった。
比較例2
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が0.5mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−1のシートを挟み、セパレータ板のリブに接する部分のカーボン不織布の厚みが0.11mmとなるよう締結した。このとき、セパレータ板のガス流路の幅が狭いために、カーボン不織布のガス流路への突出が少なく、全体的に圧縮され、図7に示すように、突出している量が0.05mm以下であった。これにより、全体の気孔率は約15%となった。
比較例3
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが0.5mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−1のシートを挟み、セパレータ板のリブに接している部分のカーボン不織布の厚みが0.25mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は0.11mmであり、図3に近い断面形状となった。
比較例4
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が2.0mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−1のシートを挟み、セパレータ板のリブに接している部分のカーボン不織布の厚みが0.11mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は14.9%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.20となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は0.25mmであり、図3に近い断面形状となった。
比較例5
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が0.3mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−1のシートを挟み、セパレータ板のリブに接している部分のカーボン不織布の厚みが0.25mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は62.6%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.85となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は0.11mmであり、図3に近い断面形状となった。
比較例6
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が2.0mm、深さが2.0mm、リブの幅が0.5mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−2のシートを挟み、セパレータ板のリブに接している部分のカーボン不織布の厚みが0.08mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は55.0%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.61となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は0.28mmであり、図3に近い断面形状となった。
比較例7
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が2.0mm、深さが2.0mm、リブの幅が0.5mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−2のシートを挟み、セパレータ板のリブに接している部分のカーボン不織布の厚みが0.25mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は85.6%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.95となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は0.25mmであり、図3に近い断面形状となった。
比較例8
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が2.0mm、深さが2.0mm、リブの幅が0.5mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−2のシートを挟み、セパレータ板のリブに接している部分のカーボン不織布の厚みが0.27mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は86.7%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.96となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は0.09mmであり、図3に近い断面形状となった。
比較例9
 外寸16cm×16cm、厚み0.36mm、気孔率65%のカ−ボン不織布(東レ(株)製、TGP−H−120)を用いた他は実施例1と同様にしてMEAを作製した。このMEAをMEA−6とする。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が2.0mm、深さが2.0mm、リブの幅が0.5mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚で、MEA−6のシートを挟み、セパレータ板のリブに接する部分のカーボン不織布の厚みが0.11mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は0.0%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.0となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は最大0.25mmであり、図3に近い断面形状となった。
比較例10
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−6のシートを挟み、セパレータ板のリブに接する部分のカーボン不織布の厚みが0.30mmとなるよう締結した。これにより、カーボン不織布の圧縮された部分の気孔率は58.0%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.89となった。これにより、カーボン不織布がガス流路内へ突出し、その量は最大0.06mmであり、図7に近い断面形状となった。
比較例11
 まず、実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。
 ガス拡散層の基材には、実施例6において、セパレータ板で加圧する前の段階における気孔率が80%のカーボンペーパーを用いた。このカーボンペーパーに実施例6と同様に撥水層を形成した。これを外寸が16cm×16cmとなるように切断した後、撥水層を有する面に実施例1と同じ触媒ペーストを用いて触媒層を形成した。このとき、触媒層の一部は、カーボンペーパーの中に埋まり込んでいた。このように作製した電極を用いた他は実施例1と同様にして、MEAを作製した。このMEAをMEA−7とする。
 前記セパレータ板2枚で、MEA−7のシートを挟み、図6に示すような単電池を組み立てた。図6において、51は高分子電解質膜を示す。高分子電解質膜を挟むアノード52Aおよびカソード52Bは、セパレータ板53Aおよび53Bのガス流路54Aおよび54Bに臨む部分のガス拡散層は、その他の部分とほぼ同じような性状を有している。
比較例12
 実施例6と同様の材料、手順により、深さ0.15mmの溝を持つカーボンペーパーを作製した。これにより、カーボンペーパーの圧縮された部分の気孔率は73.3%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.92となった。このカーボンペーパーを用いて、実施例6と同様の材料、手順によりMEAを作製した。このMEAをMEA−8とする。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−8のシートを挟み、締結して図5のような単電池を構成した。締結圧は単位面積当たり15kgf/cm2とした。セパレータ板のリブとMEAのガス拡散層の圧縮部分とが一致するようにした。
比較例13
 カーボンペーパーを作製するときの芯材であるポリアクリルニトリル繊維の径を15μmのものに代えて、実施例6と同様の手順により圧縮前の気孔率が70%である溝付きのカーボンペーパーを作製した。このときの溝の深さは0.15mmであり、圧縮された部分の気孔率は0.0%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.0となった。このカーボンペーパーを用いて、実施例6と同様の材料、手順によりMEAを作製した。このMEAをMEA−9とする。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−9のシートを挟み、締結して図5のような単電池を構成した。締結圧は単位面積当たり15kgf/cm2とした。セパレータ板のリブとMEAのガス拡散層の圧縮部分とが一致するようにした。
比較例14
 カーボンペーパーを作製するときの芯材であるポリアクリルニトリル繊維の径を15μmのものに代えて、実施例6と同様の手順により圧縮前の気孔率が70%である溝付きのカーボンペーパーを作製した。このときの溝の深さは0.05mmであり、カーボンペーパーの圧縮された部分の気孔率は60.0%となり、圧縮された部分と圧縮されていない部分の気孔率の比は0.86となった。このカーボンペーパーを用いて、実施例6と同様の材料、手順によりMEAを作製した。このMEAをMEA−10とする。
 実施例1と同様にして、外寸が20cm×20cm、厚みが3.0mm、ガス流路および冷却水流路の幅が1.0mm、深さが1.0mm、リブの幅が1.0mmのセパレータ板を作製した。このセパレータ板2枚でMEA−10のシートを挟み、締結して図5のような単電池を構成した。締結圧は単位面積当たり15kgf/cm2とした。セパレータ板のリブとMEAのガス拡散層の圧縮部分とが一致するようにした。
 以上の実施例1〜8および比較例1〜14に示した単電池をそれぞれ100セル積層して電池スタックを組み立てた。電池スタックの両端部には、ステンレス鋼製の集電板および電気絶縁板を介して端板を重ね合わせ、端板同士を締結ロッドで固定した。実施例1〜5および比較例1〜10においては、カーボン不織布の厚みが目的の寸法となるような圧力で締結した。また、実施例6〜8および比較例11〜14においては、セパレータ板の面積当たり15kgf/cm2の圧力で締結した。電池スタックは、2セル毎に冷却部を設けた。冷却部は、一方の面に冷却水の流路を設け、他方の面に燃料ガスの流路を設けたセパレータ板と、一方の面に冷却水の流路を設け、他方の面に酸化剤ガスの流路を設けたセパレータ板とを、冷却水の流路を向き合わせて組み合わせた複合セパレータ板で構成した。その他の部分において、MEAとMEAとの間に挿入されたセパレータ板は、一方の面に燃料ガスの流路を有し、他方の面に酸化剤ガスの流路を有するセパレータ板である。
 このように作製したそれぞれの高分子電解質型燃料電池を、75℃に保持し、アノードに75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソードに75℃の露点となるように加湿・加温した空気をそれぞれ供給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時には、全ての電池で95V〜96Vの電池開放電圧を得た。これらの電池を燃料利用率85%、酸素利用率50%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を計測した。
 表1に実施例1〜8および比較例1〜14の電池スタックの水素−空気燃料電池としての放電特性の平均値を示した。また、いくつかの電池スタックの連続発電試験中の電圧の経時変化を図8および図9に示す。これらの図は、特徴的な電圧挙動を示したもののを抜粋して示している。
Figure 2004087491
 表1から明らかなように、実施例1〜8の電池は、8000時間以上にわたって約62Vの電池電圧を維持することが確認された。比較例1および6の電池は、初期から急激な電圧の低下を起こした。無負荷状態におけるカソード側の反応ガスの圧損を比較すると、比較例1および6の電池は、比較例2の約3倍であった。試験装置の能力から、このような高い圧損水準では、酸素利用率50%で作動するに必要な反応ガス流量を送り込むことができない。したがって、反応ガスの欠乏が放電不可能となった原因である。
 比較例2、3、7、8、10、11、12および14の電池は、連続運転を行うと、初期の1〜3時間程度は約12.8kW(57V−224A)の電池出力を維持した。しかしながら、その後電池の電圧が変動を始め、電池に濡れすぎによるフラッディング現象が確認された。これらの比較例と実施例4の電池について、アノード反応ガスおよびカソード反応ガスの圧損を比較すると、これらの比較例の圧損の方が30%低くなっていた。この圧損の低下がフラッディング現象を引き起こす原因であり、このような圧損の低下が起こる原因は伏流の割合が増大したためである。
 比較例4、9および13の電池は、安定した動作は確認できたものの、電池スタックの電圧が実施例1〜8に比べ5〜8V低下した。比較例9および13では、セパレータ板のリブに接する部分のガス拡散層の気孔率がほぼ0%まで潰されているために、伏流がなくなっている。そのため、リブの下の触媒層では、反応ガス濃度の供給不足による反応分極が大きくなって、電圧の減少が引き起こされている。比較例4は、実施例1に比べセパレータ板のリブの幅が広いため、反応分極が高い部分が多くなっている。そのため、前記のような電圧の低下が引き起こされている。
 比較例5の電池は、運転初期から電圧が低く、運転開始後100時間を経過した時に、異常発熱により運転が中止された。これは、セパレータ板のリブの幅が狭いので、MEAにかかる面圧が高くなったため、クリープにより電解質膜に発生した微少な穴からクロスリークが発生し、水素の燃焼が起こったためである。
 以上のように、セパレータ板のガス流路にMEAのガス拡散層を突出した状態であり、かつそのときのガス流路が適切な寸法を持っていることで、電極内でのフラッディングを抑制し、かつ、ガス拡散性および水蒸気透過性を良好に保つことが可能となる。これによって、放電性能および信頼性の高い電極および燃料電池を提供することが可能となる。
 本発明は、高い放電性能と信頼性を持つ燃料電池を実現する。
一般的な高分子電解質型燃料電池の単電池の要部の断面図である。 反応ガスの伏流を説明するためのセパレータ板の正面図である。 本発明の一実施例における単電池の要部の断面図である。 本発明の他の実施例のガス拡散層の部分断面図である。 同ガス拡散層を用いた単電池の要部の断面図である。 比較例1の単電池の要部の断面図である。 比較例2の単電池の要部の断面図である。 実施例および比較例の電池スタックの連続発電試験中の電圧の経時変化を示す。 比較例の電池スタックの連続発電試験中の電圧の経時変化を示す。
符号の説明
 21 高分子電解質膜
 22A、22B 電極のガス流路に臨む部分
 24A、24B セパレータ板
 25A、25B ガス流路
 26A、26B リブ

Claims (4)

  1.  高分子電解質膜、前記高分子電解質膜を挟む一対の電極、および前記電極の外側に配置され、前記電極に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給するガス流路を有する一対のセパレータ板を具備し、前記電極が触媒層およびガス拡散層からなり、前記ガス拡散層は前記セパレータ板に直に接する表面Aと前記ガス流路に臨む表面Bとを有し、表面Aを有する部分の気孔率が表面Bを有する部分の気孔率よりも低く、かつ表面Bが前記ガス流路内へ突出している燃料電池。
  2.  前記ガス拡散層の表面Aを有する部分の気孔率と表面Bを有する部分の気孔率との比が0.20〜0.85である請求項1記載の燃料電池。
  3.  前記ガス拡散層の表面Bが前記ガス流路内へ0.10〜0.25mm突出している請求項1または2記載の燃料電池。
  4.  前記ガス流路は、その幅が1.0〜2.0mm、深さが1.0〜2.0mmであり、前記ガス流路間に形成されるリブの幅が0.5〜1.0mmである請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
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