JP2009129599A - 膜電極積層体および膜電極積層体を備える燃料電池 - Google Patents

膜電極積層体および膜電極積層体を備える燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】広範囲な運転条件において、安定した発電を行うことが可能となる電極積層体およびこれを備える燃料電池を提供する。
【解決手段】膜電極積層体48は、電解質膜10と、酸化極32および燃料極34を備え、酸化極32は、酸化極触媒層12と酸化極拡散部36とを含み、燃料極34は、燃料極触媒層14と燃料極拡散部42とを含む。酸化極拡散部36は、酸化極触媒層12側から順に酸化極多孔体層38と、酸化極含浸層40とを含み、燃料極拡散部42は、燃料極触媒層14側から順に燃料極多孔体層44と、燃料極含浸層46とを含み、燃料極多孔体層44の厚みyが、酸化極多孔体層38の厚みx以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、特に、燃料極と酸化極とを電解質膜を挟んで積層させた膜電極積層体を備える燃料電池に関する。
燃料電池の最小単位に相当する、一般的な単セル(燃料電池単セルとも称する)の構成について、特に電極部分を含む要部の構成の概略について説明する。図10に例示するように、酸化極触媒層12(カソード触媒層とも称する)と燃料極触媒層14(アノード触媒層とも称する)を、電解質膜10を挟んで互いに対向するように設けた膜電極接合体(MEA)30が構成されている。また、酸化極触媒層12の外側には酸化極拡散層16が、燃料極触媒層14の外側には燃料極拡散層18が、それぞれ設けられている。さらに、酸化極拡散層16の外側には、酸化ガス流路20およびセル冷媒流路22が形成された酸化極側セパレータ26が、燃料極拡散層18の外側には、燃料ガス流路24およびセル冷媒流路22が形成された燃料極側セパレータ28が、それぞれ設けられており、これらを例えば、接着や圧着などにより一体化させて、単セル150が形成される。
得られた単セル150を、所望の起電力が得られるように複数枚積層させたセルスタックを備える燃料電池がさまざまな分野において適用されている。燃料電池は一般に、酸化極触媒層12に酸素ガスや空気等の酸化ガスを、燃料極触媒層14に水素ガスや改質ガス等の燃料ガスを、それぞれ供給して発電する。このような燃料電池は一般に、発電時には化学反応に伴う熱を発生するが、安定した発電を維持するためには例えば60℃から100℃程度の所定の温度範囲となるように制御することが必要であるため、水やエチレングリコールなどの冷却媒体(冷媒)を各単セルに設けられたセル冷媒流路22に流通させて燃料電池の過熱を防止している。
このように燃料極および酸化極を含む電極部分において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。この燃料電池は、発電に使用される原料のガスや液体燃料が豊富に存在すること、また、その発電原理より、排出される物質が水であること等から、クリーンなエネルギー源として様々な検討がされている。
一般に燃料電池が良好な発電を行なうためには、例えばパーフルオロ系、パーフルオロスルホン酸系等のフッ素系イオン交換樹脂などが用いられる電解質膜10に対して所定の水分量(含水量)を維持させて、プロトン透過性膜としての機能を発揮させることが好適である。電解質膜10の含水量の不足に伴う、いわゆるドライアップの発生を防止するため、例えば燃料電池内に供給する反応ガスのいずれか一方、または両方を加湿させ、電解質膜10の水分調節を行なう。
一方、燃料電池に対する水分の供給量が所定の量を超えると、ガス流路内においてガス中の水分が凝縮し、液体の水(液水)を生成する場合がある(これを凝縮水と称する)。この凝縮水がガス流路や拡散層を塞いでしまうと、反応に必要な原料ガス(反応ガスとも称する)の、触媒層への供給が不十分となってしまう、いわゆるフラッディングと呼ばれる現象が発生し、発電効率が低下するばかりでなく、運転状態が不安定となり、場合によってはシステムの停止に繋がるおそれもある。さらに酸化極側、つまり酸化ガスが流通しているガス流路においては、加湿供給に由来するガス中の水分が凝縮した凝縮水のほか、プロトンと酸素との反応によって生成する生成水も含まれるため、酸化極側における水分量の制御には特に注意が必要である。
このように、燃料電池のより安定した運転には、運転条件や電極の特性に応じた好適な水分量を維持する必要がある。
ガス流路中の水分量を調節し得る燃料電池として、例えば特許文献1〜4が開示されている。
特許文献1には、燃料電池拡散層として好適に用い得る、撥水処理された導電性不織布について記載されている。
特許文献2には、燃料電池拡散層において、触媒層側とセパレータ側とで撥水性を異ならせ、触媒層側を疎水性、セパレータ側を親水性とすることについて記載されている。
特許文献3には、アノード側拡散層の厚みをカソード側拡散層の厚みよりも大きくすることについて記載されている。
特許文献4には、性質の異なる複数の層を張り合わせてなる拡散層を有する燃料電池について記載されている。
特許第3774439号公報 特開2004−140001号公報 特開2005−197150号公報 特開2002−164056号公報
本発明は、広範囲な運転条件において、安定した発電を行うことが可能となる電極積層体およびこれを備える燃料電池を提供する。
本発明の構成は以下のとおりである。
(1)電解質膜と、前記電解質膜の両面を挟持する酸化極および燃料極を備え、前記酸化極は、積層構造を有する酸化極拡散部と、該酸化極拡散部と前記電解質膜との間に設けられた酸化極触媒層とを含み、前記燃料極は、積層構造を有する燃料極拡散部と、該燃料極拡散部と前記電解質膜との間に設けられた燃料極触媒層とを含み、前記酸化極拡散部は、酸化極触媒層側から順に酸化極多孔体層と、空隙を有する第1の基材に撥水剤を含む塗工液を含浸させた酸化極含浸層と、を含み、前記燃料極拡散部は、燃料極触媒層側から順に燃料極多孔体層と、空隙を有する第2の基材に撥水剤を含む塗工液を含浸させた燃料極含浸層と、を含み、積層方向に対する、前記燃料極多孔体層の厚みが、前記酸化極多孔体層の厚み以下である、膜電極積層体。
(2)上記(1)に記載の膜電極積層体において、前記酸化極含浸層の密度が、0.35g/cm3から0.65g/cm3であり、前記燃料極含浸層の密度が、0.35g/cm3から0.65g/cm3である、膜電極積層体。
(3)上記(1)に記載の膜電極積層体において、前記酸化極含浸層の密度が、0.45g/cm3から0.55g/cm3であり、前記燃料極含浸層の密度が、0.45g/cm3から0.55g/cm3である、膜電極積層体。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の膜電極積層体において、前記酸化極含浸層の密度は、前記酸化極多孔体層の密度よりも大きく、前記燃料極含浸層の密度は、前記燃料極多孔体層の密度よりも大きい、膜電極積層体。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の膜電極積層体において、前記酸化極多孔体層は、前記酸化極触媒層と、前記燃料極多孔体層は、前記燃料極触媒層と、それぞれ接触している、膜電極積層体。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の膜電極積層体において、前記酸化極含浸層は、前記酸化極多孔体層と、前記燃料極含浸層は、前記燃料極多孔体層と、それぞれ接触している、膜電極積層体。
(7)上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の膜電極積層体において、前記酸化極では、前記酸化極触媒層、前記酸化極多孔体層、前記酸化極含浸層が順に積層され、前記燃料極では、前記燃料極触媒層、前記燃料極多孔体層、前記燃料極含浸層が順に積層されている、膜電極積層体。
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の膜電極積層体において、前記酸化極多孔体層の密度が、0.25g/cm3から0.6g/cm3であり、前記燃料極多孔体層の密度が、0.25g/cm3から0.6g/cm3である、電極積層体。
(9)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の膜電極積層体において、前記酸化極多孔体層の密度が、0.33g/cm3から0.55g/cm3であり、前記燃料極多孔体層の密度が、0.3g/cm3から0.55g/cm3である、膜電極積層体。
(10)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の膜電極積層体において、前記酸化極多孔体層と前記燃料極多孔体層は、撥水処理されている、膜電極積層体。
(11)上記(1)に記載の膜電極積層体において、前記積層方向に対する、前記酸化極多孔体層の厚みをx、前記燃料極多孔体層の厚みをyとすると、y/xが0.7以下である、膜電極積層体。
(12)上記(1)に記載の膜電極積層体において、前記酸化極含浸層は、前記酸化極多孔体層よりも排水性が高く、前記燃料極含浸層は、前記燃料極多孔体層よりも排水性が高い、膜電極積層体。
(13)上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の膜電極積層体を備える燃料電池。
広範囲な運転条件において安定した発電を行うことが可能となる。
以下、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態において、図10に示した単セル(燃料電池)と同様の構成については同一の符号を付し、その説明については省略するか、または簡単な説明にとどめる。また、図面中の各部材の寸法は必ずしも実際の各部材の寸法に対応していない。
図1は、本発明の実施の形態における燃料電池(単セル)の構成の概略を示す図である。図1に示す単セル50は、電解質膜10を挟持する酸化極32および燃料極34を備え、これらが積層された膜電極積層体48を含み、構成されている。
図1において、酸化極32は、電解質膜10側から順に酸化極触媒層12と、酸化極拡散部36とを含み、酸化極拡散部36はさらに、酸化極触媒層12側から順に酸化極多孔体層38と、酸化極含浸層40とを含む積層構造を有する。
一方、燃料極34は、電解質膜10側から順に燃料極触媒層14と、燃料極拡散部42とを含み、燃料極拡散部42はさらに、燃料極触媒層14側から順に燃料極多孔体層44と、燃料極含浸層46とを含む積層構造を有する。
図1において、酸化ガス流路20(酸化ガス供給流路)を流通する、エアポンプ(ブロワ)や酸素ボンベなどを用いて単セル50外部から供給された酸化ガスは、酸化極含浸層40を介して酸化極多孔体層38、酸化極触媒層12に順に導入される。一方、燃料ガス流路24(燃料ガス供給流路)を流通する、単セル50外部から供給された純水素や改質ガスなどの燃料ガスは、燃料極含浸層46を介して燃料極多孔体層44、燃料極触媒層14に順に導入される。酸化極触媒層12に導入された酸化ガス中の酸素と、燃料極触媒層14に導入された燃料ガス中の水素との間で、触媒層12,14における触媒作用により、電解質膜10を介して出力制御に応じた所定の電池反応が起こる。このとき、その反応に応じた所要量の酸化ガスおよび燃料ガスが消費される。消費されずに残った燃料ガスのオフガスは、余剰な水分とともに、燃料極多孔体層44、燃料極含浸層46を経由し、燃料ガス排出流路(燃料ガス流路24)を介して外部に排出される。一方、酸化ガスのオフガスは、酸化極触媒層12で生成した生成水を含む余剰な水分とともに、酸化極多孔体層38、酸化極含浸層40を経由し、酸化ガス排出流路(酸化ガス流路20)を介して外部に排出される。
本発明の実施の形態において、酸化極含浸層40および/または燃料極含浸層46を構成する含浸層用基材として、空隙を有する基材を用いることができ、例えばポリアクリロニトリル系、ピッチ系などの炭素系材料などからなる繊維質(炭素繊維)より形成される、多孔質の織布または不織布など、他の実施の形態としてカーボンクロスやカーボンペーパーなどをそれぞれ用いることが可能である。含浸層用基材は、一般に導電性が高く、基材面方向の電気抵抗は、例えば5〜約20mΩ・cm程度のものを用いることができるが、この範囲に限定されるわけではない。具体的には、酸化極含浸層40および/または燃料極含浸層46を構成する含浸層用基材を、例えば、100μm〜300μm程度の厚みとすることが可能であるが、この範囲に限定されるわけではない。また、例えば含浸層用基材の膨張および/または収縮が大きい場合には、必要とされる含浸層の形状(厚み)に応じて、含浸層用基材の形状を適宜決定することが可能であり、他の実施の形態において、酸化極含浸層40および/または燃料極含浸層46の厚みが、例えば100μm〜300μm程度となるような含浸層用基材を適用することができる。
上述の含浸層用基材に、撥水性を付与させる塗工液(含浸層用塗工液)を塗工し、含浸させることにより、図1に示す酸化極含浸層40および/または燃料極含浸層46を形成することができる。このような含浸層用塗工液として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PEA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂と、必要に応じて用いられる、アセチレンブラック等のカーボンブラックや、黒鉛などの導電性粒子とを、必要に応じて用いられる界面活性剤(分散剤)とともに、水やアルコールなどの水系媒体に分散させた分散液を用いることができる。他の実施の形態として、フッ素樹脂に代えて他の撥水化材料(撥水剤)などを、また水系媒体に代えて有機溶媒などを用いても良い。導電性粒子の大きさは、例えば外寸約0.1μm〜約10μm程度とすることが可能であり、より具体的には、ケッチェンブラックEC(商品名)等の高導電性カーボン粒子を好適に使用することが可能である。一方、フッ素樹脂の大きさは、塗工液中では外寸約0.1μm〜約10μm程度のものが好適に用いられるが、これに限らない。
本実施の形態において、含浸層用塗工液として用いられる導電性粒子とフッ素樹脂(撥水化材料)との配合比率は、一例として、60:40(質量比)程度とすることが可能であるが、特に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。ただし、所定の導電性を確保するため、導電性粒子の比率は、好ましくは40重量%以上である。含浸層用塗工液の塗工は、例えば含浸法、アプリケータ法、ダイコータ法、ディッピング法、その他公知のあらゆる方法を適用することが可能であり、特に限定はされない。必要に応じて乾燥および/または焼成した後、例えば次に示すようにして酸化極多孔体層38および/または燃料極多孔体層44を作製することができる。
酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44はいずれも、例えば酸化極含浸層40および燃料極含浸層46の一方面に、多孔体層材料を適当な分散媒に分散させた多孔体層用塗工液を所望の厚みだけ塗工し、作製することが可能である。多孔体層用塗工液の塗工の際、選択する塗工方法に応じた好ましい粘度となるように、例えば固形分量を調整するなどの方法により塗工液の粘度および/または流動性を適宜調整することが好適である。このとき、各含浸層表面への多孔体層用塗工液の載り量(目付量)または堆積高さを制御することにより、完成する酸化極多孔体層38/燃料極多孔体層44が所望の厚みとなるように調整することが可能である。
実施の形態において、酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44の作製に用いられる多孔体層用塗工液として、例えば気相成長法炭素繊維(vapor grown carbon fiber、VGCF)などの炭素繊維に代表される導電性繊維と、PTFEなどのフッ素樹脂に代表される撥水性を有する樹脂バインダとを、水などの適当な分散媒に分散させたものを使用することができる。
本実施の形態において、多孔体層用塗工液として用いられる導電性繊維とフッ素樹脂(撥水性樹脂バインダ)との配合比率は、一例として、70:30(質量比)程度とすることが可能であるが、特に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。ただし、所定の導電性を確保するため、導電性繊維の比率は、好ましくは40重量%以上である。また、必要に応じて、含浸層用塗工液に配合したものと同様の導電性粒子を追加しても良い。例えばアプリケータ法、ダイコータ法、ディッピング法その他の適切な方法により多孔体層用塗工液を各含浸層または含浸層基材の表面に塗工し、必要に応じて乾燥させた後、焼成することにより、複数の導電性繊維と溶融した樹脂バインダとが複雑に絡まり合い、一般に含浸層よりも小さな空隙(細孔)を有する酸化極多孔体層38/燃料極多孔体層44を含む酸化極拡散部36/燃料極拡散部42が形成される。
実施の形態において、酸化極多孔体層38、燃料極多孔体層44の厚みは、酸化極含浸層40、燃料極含浸層46の厚みに関わらず、例えば300μm以下とすることが可能であり、より具体的には20〜200μm程度とすることが可能である。
本実施の形態において、酸化極多孔体層38は一般に、より外側に形成された酸化極含浸層40と比較して反応ガスおよび水分の拡散・流通経路となる空隙(細孔)が小さいため、酸化極含浸層40よりも排水性が低い。同様に、燃料極多孔体層44は、より外側に形成された燃料極含浸層46よりも排水性が低い。このため、反応ガスおよび/または電極内部が低加湿雰囲気においては、酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44に留まる水分雰囲気が、酸化極触媒層12および燃料極触媒層14方向に拡散して電解質膜10の乾燥をも防止することによりドライアップの発生を抑制する。一方、高加湿雰囲気下では、その撥水性能により反応ガス流路を確保しつつ、酸化極含浸層40および燃料極含浸層46から燃料電池外部方向に速やかに過剰な水分を排出することが可能となるため、フラッディング発生の防止または抑制にも寄与し得る。このため、広範囲の運転条件下において安定した発電性能を発揮することができる。なお、ここでいう「排水性」とは、必ずしも単なる撥水性と一致するものでなく、例えば撥水性の程度、空隙の大きさ、層の厚みなどに基づいた、燃料電池外部方向への水分移動の容易性について指す。
実施の形態において、図1に示すように酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44を備えるとともに、酸化極多孔体層38の積層方向の厚みxと燃料極多孔体層44の積層方向の厚みyとの関係、酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44の密度、さらに酸化極含浸層40および燃料極含浸層46の密度をそれぞれ規定することにより、広範囲な運転条件において安定した発電を行うことができることが明らかとなった。
一般に燃料電池においては、反応ガス利用率の低い低負荷運転領域において、電極内部からの水分の排出性が低下する傾向にあり、フラッディングが発生し易くなるため、一般に、発電安定性が低下する。以下、拡散部の構成を変更した種々の燃料電池を作製し、検証することにより、好適な発電性能を有する燃料電池の構成が明らかとなった。以下、その評価試験の具体例につき、結果とともに説明する。なお、評価条件は、300Wの部分負荷安定性の評価とした。
[評価試験例1]種々の含浸層密度条件における、露点温度の変化の影響
図1に示す酸化極含浸層40および燃料極含浸層46の密度を変化させることにより、供給する反応ガスの露点温度、つまり含有する水分量の程度、の変化に応じて発電性能がどのように変動するかを検証した。評価条件は表1のとおりである。
Figure 2009129599
なお、評価試験1において、反応ガスの露点温度については、所望の条件に応じて変化させ、2時間固定した。内、後半1時間を測定時間にあて、その間の平均電圧(V)と電圧の偏差σ(mV)を測定した。表2および図2に平均電圧を、表3および図3にその間の電圧の偏差を3σとして、それぞれ示す。
Figure 2009129599
Figure 2009129599
表2,3中、「多孔体層あり」としていないものについては、図1に示す酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44を有さず、拡散部としては酸化極含浸層40および燃料極含浸層46のみを備えるものである。また、「多孔体層あり」のものにつき、多孔体層38,44の密度はいずれも0.33g/cm3であり、図1に示す燃料極多孔体層44と酸化極多孔体層38の積層方向の厚みの比(y/x)は0.7である。
図2,3に示すように、多孔体層(MPL)を有さない燃料電池においては、露点温度の変化に対する発電性能の変動が大きくなる。また、図3に示すように、含浸層の密度が小さくなると、露点温度の低い、低加湿側での発電安定性が低下し、含浸層の密度が大きくなると、露点温度の高い、高加湿側での発電安定性が低下する。
このことは、次のように説明される。つまり、含浸層の密度が小さくなると反応ガスの拡散性が向上するが、その一方で排水性も向上するため、水分の保持性能が低下する。このため、セル内における水分の分布が偏り、特に低加湿条件下において燃料極側が乾燥し、発電安定性が低下する。一方、含浸層の密度が大きくなると排水性が低下するため、特に生成水が生じる酸化極側でフラッディングが発生し易くなり、発電安定性が低下する。
一方、図3に示すように、含浸層の密度を最適化(ここでは0.45g/cm3)することにより、電圧偏差は小さくなり、発電安定性が向上する。しかし、図2に示すように、露点温度の変化に対し、安定した電圧を得ることは困難である。これに対し、酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44の存在により、露点温度の変化にかかわらず安定した運転が可能になることがわかる。これは、多孔体層の存在により、電極内部における水分の移動が適度に制御されているものと考えることができる。
[評価試験例2]種々の露点温度条件における、含浸層密度の変化の影響
次に、酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44を備える燃料電池において、含浸層の密度が発電安定性にどのように寄与するかについて検証した。測定条件は、表1のとおりであり、露点温度は45℃、65℃、80℃としてそれぞれ測定した。また、多孔体層38,44の密度はいずれも0.33g/cm3とし、図1に示す燃料極多孔体層44と酸化極多孔体層38の積層方向の厚みの比(y/x)は0.7に固定し、評価試験1と同様、露点温度ごとの2時間の発電安定性評価を行った。表4および図4に平均電圧を、表5および図5にその間の電圧の偏差を3σとして、それぞれ示す。
Figure 2009129599
Figure 2009129599
図5から明らかなように、酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44を備える燃料電池であっても、含浸層の密度が小さく、より具体的には、酸化極含浸層40および燃料極含浸層46の密度が0.35g/cm3より小さくなると、低加湿条件下において安定性が低下するとともに、図4に示すように平均電圧も低下する。また、図5に示すように含浸層の密度が大きく、より具体的には、酸化極含浸層40および燃料極含浸層46の密度が0.65g/cm3より大きくなると、高加湿条件下において安定性が低下する。
実施の形態において、酸化極含浸層40の密度を0.35g/cm3から0.65g/cm3、より好ましくは0.45g/cm3から0.55g/cm3とし、燃料極含浸層46の密度を0.35g/cm3から0.65g/cm3、より好ましくは0.45g/cm3から0.55g/cm3とすることにより、広範囲な加湿条件での安定した発電が可能となる。酸化極含浸層40および/または燃料極含浸層46の密度が0.35g/cm3未満では、特に低湿度環境下、例えば露点温度45℃以下の加湿条件において安定性が低下する場合があり、さらに起電力も低下する場合がある。一方、酸化極含浸層40および/または燃料極含浸層46の密度が0.65g/cm3を超えると、特に高湿度環境下、例えば露点温度80℃以上の加湿条件において安定性が低下する場合がある。
[評価試験例3]種々の露点温度条件における、多孔体層密度の変化の影響
次に、図1に示す燃料電池において、含浸層の密度を固定したとき、多孔体層の密度が発電安定性にどのように寄与するかについて検証した。測定条件は、表1のとおりであり、露点温度は45℃、65℃、80℃としてそれぞれ測定した。また、含浸層40,46の密度はいずれも0.45g/cm3、図1に示す燃料極多孔体層44と酸化極多孔体層38の積層方向の厚みの比(y/x)は0.7にそれぞれ固定し、評価試験1,2と同様、露点温度ごとの2時間の発電安定性評価を行った。表6および図6に平均電圧を、表7および図7にその間の電圧の偏差を3σとして、それぞれ示す。
Figure 2009129599
Figure 2009129599
図7から明らかなように、酸化極含浸層40および燃料極含浸層46の密度が適切であっても、多孔体層の密度が小さく、より具体的には、酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44の密度が0.25g/cm3より小さくなると、特に低加湿条件下において安定性が低下するとともに、図6に示すように平均電圧も低下する。また、図7に示すように多孔体層の密度が大きく、より具体的には、酸化極多孔体層38および燃料極多孔体層44の密度が0.6g/cm3より大きくなると、特に高加湿条件下において安定性が低下する。
実施の形態において、酸化極多孔体層38の密度を0.25g/cm3から0.6g/cm3、より好ましくは0.33g/cm3から0.55g/cm3とし、燃料極多孔体層44の密度を0.25g/cm3から0.6g/cm3、より好ましくは0.33g/cm3から0.55g/cm3とすることにより、広範囲な加湿条件での安定した発電が可能となる。酸化極多孔体層38の密度および/または燃料極多孔体層44の密度が0.25g/cm3未満では、特に低湿度環境下において安定性が低下する場合があり、酸化極多孔体層38の密度および/または燃料極多孔体層44の密度が0.65g/cm3を超えると、特に高湿度環境下において安定性が低下する場合があり、さらに起電力も低下する場合がある。
[評価試験例4]種々の露点温度条件における、露点温度の変化の影響
次に、図1に示す燃料電池において、含浸層および多孔体層の密度を固定したとき、燃料極多孔体層44と酸化極多孔体層38の積層方向の厚みの比(y/x)が発電安定性にどのように寄与するかについて検証した。測定条件は、表1のとおりである。y/xは0.7,1.0,1.3としてそれぞれ測定した。また、含浸層40,46の密度はいずれも0.45g/cm3、多孔体層38,44の密度はいずれも0.33g/cm3にそれぞれ固定し、評価試験1〜3と同様、露点温度ごとの2時間の発電安定性評価を行った。表8および図8に平均電圧を、表9および図9にその間の電圧の偏差を3σとして、それぞれ示す。
Figure 2009129599
Figure 2009129599
図9によれば、酸化極多孔体層38と燃料極多孔体層44の積層方向の厚みの比によって、安定性が変化し、燃料極多孔体層44の積層方向の厚みxを、酸化極多孔体層38の積層方向の厚みy以下とすることにより、特に低湿度環境下での安定性が向上することが明らかとなった。また、図8に示すように、y/xを1以下、好ましくは0.7程度に調整することにより、低湿度環境下での起電力の低下を抑制することも可能となる。これは、酸化極多孔体層38を厚くすると、酸化極側における生成水を含む水分の、酸化ガス流路20側への移動抵抗が増すことにより、燃料極側へ逆拡散する水分量が増加するためであると考えることができる。
すなわち、図1において、少なくとも燃料極多孔体層44の積層方向の厚みyが、酸化極多孔体層38の積層方向の厚みx以下、より好ましくは、y/xが0.7以下となるように電極積層体48を作製する。本実施の形態によれば、広範囲な加湿条件、特に低湿度環境下、例えば露点温度45℃以下の加湿条件においても、起電力の低下を抑制し、かつ安定した発電を行うことが可能となる。
なお、本発明の他の実施の形態として、図1に示す酸化極多孔体層38と酸化極含浸層40との間、および/または燃料極多孔体層44と燃料極含浸層46との間に、この2つの層の中間の排水性および/またはガス拡散性を有する中間層(図示せず)をそれぞれ設けても良い。
[燃料電池]
酸化極拡散部材(拡散部)36および燃料極拡散部材(拡散部)42の組み合わせを変更しながら、図1に示した単セル50を備える燃料電池を製造し、その電池性能を評価した。なお、以下に示す燃料電池の作製において、括弧内に示す符号は、図1に示す符号に対応している。
[膜電極積層体の作製]
<電解質膜>
フッ素系の電解質膜であるナフィオン(登録商標)112(デュポン社製)を5cm×5cm角に裁断し、電解質膜(10)として使用した。
[触媒層の作製]
カーボンブラック(ケッチェンブラック EC600、ライオン(株)より入手)に対し重量基準で50%の白金を担持させた触媒を作製した。この触媒を、5%ナフィオン(登録商標)溶液(デュポン社製)と、分散媒として50%エタノール水溶液とを用いて混合分散し、触媒インクを作製した。触媒とナフィオン(登録商標)との混合比は、触媒:ナフィオン(登録商標)(固形分含量)=1:0.5とした。
上述の電解質膜(10)の両面に、上述の触媒インクを塗布し、酸化極触媒層(12)および燃料極触媒層(14)をそれぞれ作製した。より具体的には、別のシート(本実施例ではETFEフィルムを使用)上に所定量の触媒インクを塗布したものを予め作製し、これを電解質膜(10)へ熱圧着プレスにより転写接合することにより酸化極触媒層(12)および燃料極触媒層(14)をそれぞれ作製する方法を採用した。ここで触媒インクの塗布量は、酸化極触媒層(12)側における触媒塗布量が0.8mg/cm2、燃料極触媒層(14)側における触媒塗布量が0.5mg/cm2となるようにそれぞれ調整した。なお、他の実施の形態として、上述の触媒インクをスプレーで直接電解質膜(10)の両面に塗布しても同様の触媒層(12,14)が得られる。
[拡散部材の作製]
<含浸層用基材>
含浸層(40,46)用基材A(以下、「基材A」のように記す)として、3.5cm×3.5cm角、厚み0.2mm、密度0.4mg/cm2のカーボンペーパー(TGP−H−060、東レ株式会社製)を使用した。同様に、含浸層用基材として使用した基材B,Cとともに、表10にまとめた。
Figure 2009129599
[拡散部材作製用塗工液の調製]
導電性粒子として、平均一次粒子径35nmのカーボンブラック(アセチレンブラック)を、撥水性を有する樹脂バインダとして、平均粒子径0.2μmのPTFEを、カーボンブラック/PTFE=70/30(乾燥重量比)の割合でそれぞれ脱イオン水中に分散させ、固形分含量10%の塗工液1を作製し、これを含浸層用塗工液として使用した。
一方、導電性繊維として、平均繊維径150nm、平均繊維長8μmの気相成長法炭素繊維(VGCF、昭和電工社製)を、撥水性を有する樹脂バインダとして、平均粒子径0.2μmのPTFEをそれぞれ用い、VGCF/PTFE=75/25(乾燥重量比)で脱イオン水中に分散させ、固形分含量15%の塗工液2を作製し、これを多孔体層用塗工液として使用した。塗工液2と同様に、多孔体層用塗工液として使用した塗工液3〜6とともに、上記塗工液1とあわせて表11にまとめた。
Figure 2009129599
<含浸層用塗工液塗工工程>
塗工装置としてダイコータを用い、表10に示す各含浸層用基材の一方面上に、表11に示す塗工液1を、表12に示した目付量となるようにそれぞれ塗工し、含浸させた。このとき、塗工量(目付量)の制御は、定量ポンプを用いて行った。なお、表12に示した目付量は、いずれも固形分換算した値である。含浸層用塗工液による塗工処理後、自然乾燥し6時間放置後、多孔体層用塗工液の塗工を行った。
<多孔体層用塗工液塗工工程>
塗工装置としてダイコータを用い、含浸層用塗工液を塗工し、乾燥させた各含浸層用基材の一方面上に、表11に示す塗工液2〜6を、表12に示した目付量となるようにそれぞれ塗工した。なお、表12に示した目付量は、いずれも固形分換算した値である。多孔体層用塗工液による塗工処理後、自然乾燥し6時間放置後、焼成を行った。
<焼成工程>
焼成炉を用いて、350℃、8時間の焼成を行った。焼成後、放冷し、拡散部材を得た。
[拡散部材の接合]
上述のようにして作製した、電解質膜(10)の一方面に酸化極触媒層(12)を、他方面に燃料極触媒層(14)を、それぞれ作製したものの両側を、上述のように作製した拡散部材を酸化極拡散部(36)および燃料極拡散部(42)としてそれぞれ挟持し、その両側から熱圧着プレスにより接合し、膜電極積層体(48)を作製した。なお、本実施の形態において、接合条件は、120℃、3MPaとしたが、これに限らず、任意に設定することが可能である。各膜電極積層体における酸化極(32)と、燃料極(36)との組み合わせにつき、表12にまとめた。
Figure 2009129599
表12において、含浸層の「厚み」は、多孔体層を形成させないことを除き、基材および含浸層塗工液の目付量は同一である対照品を焼成させて得られた「厚み」として求め、含浸層の「密度」は、このとき得られた対照品の1cm2当たりの重量をこの対照品の「厚み」で割った値として求めたものである。一方、多孔体層の「厚み」には、焼成により作製された拡散部材の厚みから、上述した対照品の厚みを差し引いた値を用い、多孔体層の「密度」には、焼成により作製された拡散部材の1cm2当たりの重量から対照品の1cm2当たりの重量を差し引いたものを、算出された多孔体層の「厚み」で割った値として用いた。他の実施の形態として、顕微鏡などを用いて直接観察し、測定することも可能であるが、本実施例の結果により得られた値とは良い相関が認められる。
また、表12において、多孔体層用塗工液の「2−1」、「2−2」とは、表11に示す塗工液2を、高速ミキサーを用いてそれぞれ撹拌し、発泡倍率をそれぞれ5倍、10倍とした発泡塗工液を作製し、塗工したことを示す。本実施の形態では、得られた発泡塗工液を、アプリケータを用いて、ギャップを所望の塗工量となるように適宜調整し、塗工処理を行った。
[単セルの作製]
<セパレータ>
4.5cm×4.5cm角、厚さ5mmの日清紡製セパレータ基材の一方面側に、ガス流路として形成された幅1.8mm、深さ0.5mmの流路溝を、他方面側に、冷却水流路として使用される、ガス流路とほぼ同形状の流路溝を、それぞれ有するカーボンセパレータを作製し、酸化極側セパレータ(26),燃料極側セパレータ(28)としてそれぞれ使用した。ガスケット/シール部材を適宜挟み込み、セパレータの外側からボルトにて締結、挟持し、単セル(50)を作製した。
[燃料電池性能の評価]
電池性能を評価するために、以下に示す諸条件において、表12に示す各膜電極積層体と上述のセパレータとを用いて作製した各燃料電池におけるセル電圧と、その偏差を測定した。なお、測定条件は、表1に示した評価条件において、所定の露点温度条件にて2時間保持し、内、後半1時間を測定時間にあて、その間の平均電圧(V)と電圧の偏差σ(mV)を測定した。表13に平均セル電圧を、表14にその間の電圧の偏差を3σとして、結果をそれぞれ示す。
Figure 2009129599
Figure 2009129599
本実施例において、好適な平均セル電圧は、例えば0.8V以上に設定することができる。このとき、好ましい電圧偏差を、例えば3σが10mV未満、より好適には5mV未満に設定することができる。例えば反応ガスの露点温度が50℃〜75℃、より好適には45℃〜80℃程度まで上述したような電池性能を維持させることにより、広範囲な運転条件において安定した発電を行うことが可能となる。
本発明は、種々の燃料電池に対して利用することが可能であるが、特に運転条件を任意に変動させ得る燃料電池に対して有効である。
本発明の実施の形態における電極積層体を供える単セルの構成の概略を示した拡大図である。 種々の含浸層密度条件における、露点温度の変化の電圧に対する影響について説明するグラフである。 種々の含浸層密度条件における、露点温度の変化の電圧偏差に対する影響について説明するグラフである。 種々の露点温度条件における、含浸層密度の変化の電圧に対する影響について説明するグラフである。 種々の露点温度条件における、含浸層密度の変化の電圧偏差に対する影響について説明するグラフである。 種々の露点温度条件における、多孔体層密度の変化の電圧に対する影響について説明するグラフである。 種々の露点温度条件における、多孔体層密度の変化の電圧偏差に対する影響について説明するグラフである。 種々の露点温度条件における、露点温度の変化の電圧に対する影響について説明するグラフである。 種々の露点温度条件における、露点温度の変化の電圧偏差に対する影響について説明するグラフである。 燃料電池単セルの構成の概略を示した図である。
符号の説明
10 電解質膜、12 酸化極触媒層、14 燃料極触媒層、16 酸化極拡散層、18 燃料極拡散層、20 酸化ガス流路、22 セル冷媒流路、24 燃料ガス流路、26 酸化極側セパレータ、28 燃料極側セパレータ、30 膜電極接合体(MEA)、32 酸化極、34 燃料極、36 酸化極拡散部(酸化極拡散部材)、38 酸化極多孔体層、40 酸化極含浸層、42 燃料極拡散部(燃料極拡散部材)、44 燃料極多孔体層、46 燃料極含浸層、48 膜電極積層体、50,150 単セル。

Claims (13)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の両面を挟持する酸化極および燃料極を備え、
    前記酸化極は、積層構造を有する酸化極拡散部と、該酸化極拡散部と前記電解質膜との間に設けられた酸化極触媒層とを含み、
    前記燃料極は、積層構造を有する燃料極拡散部と、該燃料極拡散部と前記電解質膜との間に設けられた燃料極触媒層とを含み、
    前記酸化極拡散部は、酸化極触媒層側から順に酸化極多孔体層と、空隙を有する第1の基材に撥水剤を含む塗工液を含浸させた酸化極含浸層と、を含み、
    前記燃料極拡散部は、燃料極触媒層側から順に燃料極多孔体層と、空隙を有する第2の基材に撥水剤を含む塗工液を含浸させた燃料極含浸層と、を含み、
    積層方向に対する、前記燃料極多孔体層の厚みが、前記酸化極多孔体層の厚み以下であることを特徴とする膜電極積層体。
  2. 請求項1に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極含浸層の密度が、0.35g/cm3から0.65g/cm3であり、
    前記燃料極含浸層の密度が、0.35g/cm3から0.65g/cm3であることを特徴とする膜電極積層体。
  3. 請求項1に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極含浸層の密度が、0.45g/cm3から0.55g/cm3であり、
    前記燃料極含浸層の密度が、0.45g/cm3から0.55g/cm3であることを特徴とする電極積層体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極含浸層の密度は、前記酸化極多孔体層の密度よりも大きく、
    前記燃料極含浸層の密度は、前記燃料極多孔体層の密度よりも大きいことを特徴とする膜電極積層体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極多孔体層は、前記酸化極触媒層と、
    前記燃料極多孔体層は、前記燃料極触媒層と、
    それぞれ接触していることを特徴とする膜電極積層体。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極含浸層は、前記酸化極多孔体層と、
    前記燃料極含浸層は、前記燃料極多孔体層と、
    それぞれ接触していることを特徴とする膜電極積層体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極では、前記酸化極触媒層、前記酸化極多孔体層、前記酸化極含浸層が順に積層され、
    前記燃料極では、前記燃料極触媒層、前記燃料極多孔体層、前記燃料極含浸層が順に積層されていることを特徴とする膜電極積層体。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極多孔体層の密度が、0.25g/cm3から0.6g/cm3であり、
    前記燃料極多孔体層の密度が、0.25g/cm3から0.6g/cm3であることを特徴とする膜電極積層体。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極多孔体層の密度が、0.33g/cm3から0.55g/cm3であり、
    前記燃料極多孔体層の密度が、0.3g/cm3から0.55g/cm3であることを特徴とする膜電極積層体。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極多孔体層と前記燃料極多孔体層は、撥水処理されていることを特徴とする膜電極積層体。
  11. 請求項1に記載の膜電極積層体において、
    前記積層方向に対する、前記酸化極多孔体層の厚みをx、前記燃料極多孔体層の厚みをyとすると、y/xが0.7以下であることを特徴とする膜電極積層体。
  12. 請求項1に記載の膜電極積層体において、
    前記酸化極含浸層は、前記酸化極多孔体層よりも排水性が高く、
    前記燃料極含浸層は、前記燃料極多孔体層よりも排水性が高いことを特徴とする膜電極積層体。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の膜電極積層体を備える燃料電池。
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