JP2012169104A - 電解質膜・電極接合体及びその製造方法と、それを備える固体高分子型燃料電池 - Google Patents

電解質膜・電極接合体及びその製造方法と、それを備える固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質膜・電極接合体から過剰の水を速やかに排出する一方で、電解質膜がプロトン伝導を起こすのに必要な水分を確保する。
【解決手段】アノード電極14及びカソード電極16の各々は、ガス拡散層20、24と、該ガス拡散層20、24と電解質膜12に接する電極触媒層22、26とを有する。電極触媒層22、26の少なくともいずれか一方は、触媒と、プロトン伝導体と、繊維体とを含み、この中の繊維体の表面は、撥水性のコーティング膜、例えば、フッ素樹脂で被覆されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体及びその製造方法と、該電解質膜・電極接合体を具備する固体高分子型燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、周知の通り、アノード電極とカソード電極で固体高分子膜からなる電解質膜を挟持して構成される電解質膜・電極接合体を備え、この電解質膜・電極接合体が1組のセパレータで挟まれることで構成された単位セルを備え、一般的には、複数個の単位セルが積層されたスタックとして構成される。この固体高分子型燃料電池は、比較的低温で高電圧と大電流を得易いという利点があることから、自動車等の駆動機構として好適である。
ここで、前記アノード電極及びカソード電極は、ガス拡散層と、該ガス拡散層と電解質膜との間に介在する電極触媒層から構成される。ガス拡散層は、例えば、カーボンペーパー又はカーボンクロスからなり、また、電極触媒層は、例えば、白金等の触媒を担持した触媒担体(カーボンブラック等)がイオン導伝性バインダを介して結合一体化されることにより形成される。
固体高分子型燃料電池を発電させるに際しては、アノード電極のガス拡散層を介して電極触媒層に水素、メタノール等の燃料ガスを導入するとともに、カソード電極のガス拡散層を介して電極触媒層に空気、酸素等の酸化剤ガスを導入する。これにより、アノード電極では、前記電極触媒層に含まれる触媒の作用下に、前記燃料ガスからプロトン及び電子が生成する。従って、導線を介して外部負荷をアノード電極とカソード電極に電気的に接続すると、この外部負荷を経由してアノード電極からカソード電極に向かって電子が移動する(換言すれば、カソード電極からアノード電極に向かって電流が流れる)。これにより、前記外部負荷を付勢することが可能となる。
なお、アノード電極で生成したプロトンは、前記電解質膜を介してカソード電極の電極触媒層に移動する。プロトンは、さらに、カソード電極の電極触媒層において、該電極触媒層に含まれる触媒の作用下に、前記酸化剤ガスと反応して水を生成する。
ところで、電解質膜である固体高分子膜は、湿潤状態であるときに優れたプロトン伝導性を示す。そこで、前記電極触媒層に含まれるイオン伝導性バインダの量を多くし、該イオン伝導性バインダに水分を保持させておくことが考えられる。
この場合、固体高分子膜とイオン伝導性バインダとの間で水分が平衡状態にある。従って、固体高分子膜に含まれる水分が低減すると、両者の平衡を維持するべく、イオン伝導性バインダに含まれている水分が固体高分子膜に供給され、固体高分子膜に含まれる水分が低減することが抑制されると期待される。
しかしながら、高電流域において発電量が増加すると、カソード電極の電極触媒層での生成水の量が増大する。この生成水がイオン伝導性バインダに保持されると、電極触媒層に必要以上の水分が滞留することになる。このような事態が生じると、電極触媒層における前記酸化剤ガスの拡散が妨げられ、固体高分子型燃料電池の端子電圧が低下する。
そこで、本出願人は、特許文献1において、電極触媒層に含まれる細孔の孔径分布を適切な範囲に設定し、これにより、過剰の水分を速やかに排出し得るようにすることを提案している。なお、前記細孔を形成するための孔部形成材としては、炭素繊維が例示されている。
また、電極触媒層に一層優れた撥水性を発現させるべく、特許文献2で従来技術として説明されているように、撥水性の樹脂、例えば、フッ素樹脂を電極触媒層に添加することも想起される。
特許第4130792号公報 特許第3571680号公報
繊維体を含んで構成される電極触媒層の細孔の孔径は、特許文献1に示されるように、概ね0.01〜30μmの範囲内であり、典型的には0.1〜1μm程度である。一方、フッ素樹脂の一次粒子の粒子径は0.1〜数百μmであり、二次粒子になるとこれよりも一層大きくなる。このため、フッ素樹脂が電極触媒層の細孔に進入することが容易ではない。仮に進入し得たとしても、生成水の排出経路である細孔がフッ素樹脂で閉塞され、このために生成水を排出することや、反応ガスが拡散することが困難となる懸念がある。
また、過剰な撥水性を付与すると、水が電極触媒層から過度に排出され、その結果、電解質膜のプロトン伝導度が低下するという不具合を招いてしまう。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、適切な撥水性を示す電極触媒層を有し、このために過剰の生成水を速やかに排出することが可能であるとともに、優れたプロトン伝導性を示す電解質膜・電極接合体及びその製造方法と、それを備える固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体であって、
前記アノード電極及び前記カソード電極の各々は、ガス拡散層と、前記ガス拡散層と前記電解質膜との間に介在する電極触媒層とを有し、
前記アノード電極の電極触媒層又は前記カソード電極の電極触媒層の少なくともいずれか一方は、触媒と、プロトン伝導体と、繊維体とを含み、
前記繊維体が撥水性のコーティング膜で被覆されていることを特徴とする。
このような撥水化処理済の繊維体を含む電極触媒層は、その表面や、細孔の内壁にコーティング膜が露呈し、これにより撥水性を示す。従って、過剰の水が弾かれて速やかに排出される。
すなわち、上記した構成の電極触媒層では、粒状の撥水性樹脂や水によって細孔が閉塞されることが回避される。従って、細孔を介しての水の排出や、反応ガスの拡散が妨げられることが回避される。
しかも、この電極触媒層は、弾かれる程度に過剰に水が含まれるようになるまでは水を適度に保持することが可能である。従って、電解質膜がプロトン伝導を示すために必要な水分を付与することができるので、電解質膜が乾燥することに起因して端子電圧等の発電特性が低下することを回避することもできる。
前記コーティング膜の好適な例としては、フッ素樹脂を挙げることができる。また、前記繊維体の好適な例としては、炭素繊維が挙げられる。特に、気相成長炭素繊維が好ましい。
なお、電極触媒層の重量を100重量%とするとき、繊維体の割合は15〜45重量%とすることが好ましい。このような範囲内とした場合、電流密度が同一であるときには、範囲外である場合に比して比較的優れた端子電圧を得ることができる。
また、本発明は、固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体の製造方法であって、
繊維体に対して撥水化処理を施す工程と、
撥水化処理が施されることで撥水性のコーティング膜が形成された前記繊維体を、触媒及びプロトン伝導体と混合して混合物を得る工程と、
前記混合物を用いてガス拡散層上に電極触媒層を形成し、前記アノード電極又は前記カソード電極の少なくともいずれか一方を得る工程と、
を有することを特徴とする。
このような過程を経ることにより、上記した構成の電解質膜・電極接合体を容易に得ることができる。
なお、撥水化処理は、例えば、繊維体をフッ素樹脂とともに溶媒に添加した後、前記溶媒に対して加熱処理を施すことで実施することができる。
また、電極触媒層は、例えば、前記混合物をインクとするスクリーン印刷によって形成することができる。
上記したように、繊維体としては炭素繊維を用いることができる。また、電極触媒層の重量を100重量%とするとき、繊維体を15〜45重量%の範囲内とすることが好ましい。
さらに、本発明は、固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体と、前記電解質膜・電極接合体を挟む1組のセパレータとを具備する固体高分子型燃料電池であって、
前記アノード電極及び前記カソード電極の各々は、ガス拡散層と、前記ガス拡散層と前記電解質膜との間に介在する電極触媒層とを有し、
前記アノード電極の電極触媒層又は前記カソード電極の電極触媒層の少なくともいずれか一方は、触媒と、プロトン伝導体と、繊維体とを含み、
前記繊維体が撥水性のコーティング膜で被覆されていることを特徴とする。
要するに、この固体高分子型燃料電池は、上記した電解質膜・電極接合体を含む。固体高分子型燃料電池は、1個の単位セルで構成されたものであってもよいし、複数個の単位セル同士が積層されたスタックであってもよい。
上記したように、コーティング膜の好適な例としてはフッ素樹脂を挙げることができ、また、繊維体の好適な例としては炭素繊維を挙げることができる。さらに、電極触媒層の重量を100重量%とするとき、繊維体が15〜45重量%であることが好ましい。
燃料電池では、反応ガスの上流側で生成した水が下流側に蓄積される。このため、電極において、下流側の部位の水の量は、上流側の部位に比して多くなる。従って、電極触媒層中の繊維体の割合を、反応ガスの上流側の部位よりも下流側の部位の方を大きく設定することが好ましい。これにより、下流側の部位において、より多量の水を排出することが可能となる。
本発明によれば、撥水化処理済の繊維体を用いて電極触媒層を形成するようにしているので、該電極触媒層の表面や、細孔の内壁にコーティング膜が露呈して優れた撥水性を示すとともに、粒状の撥水性樹脂や水によって細孔が閉塞されることが回避される。電極触媒層では、細孔を介して過剰な水が排出されるとともに反応ガスが拡散するが、上記したように細孔が閉塞されることが回避されているので、過剰な水の排出や反応ガスの拡散が妨げられることが回避される。従って、十分な反応場が形成される。
しかも、電解質膜がプロトン伝導を示すために必要な水分を保持することができるので、電解質膜が乾燥してプロトン伝導度が低下することに起因して端子電圧等の発電特性が低下することを回避することもできる。
本実施の形態に係る固体高分子型燃料電池を構成する単位セルの概略分解斜視図である。 前記単位セルの要部縦断面図である。 カソード電極の電極触媒層に含まれる撥水化処理済繊維体の割合を変更したときのセル電圧の変化を示すグラフである。 カソード電極の電極触媒層に撥水化処理済繊維体を含む実施例セルと、カソード電極の電極触媒層に含まれる繊維体に撥水化処理が施されていない比較例セルにおける電流密度とセル電圧との関係を示すグラフである。 反応ガスの湿度を変更して前記実施例セルと前記比較例セルのセル電圧を対比したグラフである。
以下、本発明に係る電解質膜・電極接合体及びその製造方法につき、該電解質膜・電極接合体を具備する固体高分子型燃料電池との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る固体高分子型燃料電池を構成する単位セル10の概略分解斜視図であり、図2は、該単位セル10の要部縦断面図である。前記固体高分子型燃料電池は、図1及び図2に示す単位セル10を複数個積層して構成される。
単位セル10は、固体高分子膜からなる電解質膜12(図2参照)をアノード電極14とカソード電極16とで挟持して構成される電解質膜・電極接合体18を備える。
電解質膜12は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸されることで構成される。又は、前記特許文献1に記載されるようなスルホン化ポリアリーレン系ポリマーであってもよい。
アノード電極14は、ガス拡散層20と、該ガス拡散層20を被覆する電極触媒層22とを有する。この中、ガス拡散層20は、例えば、カーボンペーパーからなる。この種のガス拡散層20は公知であり、従って、その詳細な説明を省略する。
一方の電極触媒層22は、触媒と、プロトン伝導体と、繊維体とを含んで構成される。ここで、触媒は、Pt、Pd、Ruやその合金等であるが、これらは、炭素粒子(例えば、カーボンブラック)等の適切な担体の表面に担持される。すなわち、触媒は、担体に担持された状態で電極触媒層22に含まれている。
プロトン伝導体は、上記のように電極反応によって生成したプロトンの移動に寄与する成分である。このような機能を営むプロトン伝導体としては、高分子が好適である。この場合、高分子が、電極触媒層22に含まれる担体(触媒)及び繊維体同士を結合するバインダとしても機能するからである。この種の高分子の好適な例としては、パーフルオロスルホン酸や、スルホン化ポリアリーレン系ポリマー等が挙げられる。
繊維体は、前記触媒や前記担体に絡みつくことで多数の接触点を形成し、これに伴って導電パスを形成して電極触媒層22の電子伝導性を向上させる役割を果たす。加えて、繊維体同士の絡み合いによって電極触媒層22に多数の細孔を形成することから、この細孔を介して反応ガスが拡散することが容易となるとともに、過剰の水分を排出することが容易となる。
繊維体の好適な例としては、アルミナウィスカ、シリカウィスカ等の無機繊維、炭素ウィスカや結晶性炭素繊維とも呼称される気相成長炭素繊維(以下、VGCFともいう)をはじめとする炭素繊維、ナイロンやポリイミド等の高分子繊維が挙げられる。とりわけ、繊維径が大きい、細孔の孔径や分布を制御し易い、電子伝導性が高いという様々な利点があることから、気相成長炭素繊維が特に好ましい。
上記したような物質からなる繊維体の表面は、撥水化処理が予め施されることによって形成された撥水性のコーティング膜で被覆されている。本実施の形態において、前記コーティング膜はフッ素樹脂からなる。撥水性を示すフッ素樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、テトラフルオロエチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂等が挙げられる。
このため、電極触媒層22に含まれる細孔の内壁には、フッ素樹脂からなるコーティング層が露呈している。すなわち、この場合、細孔がフッ素樹脂の粒子によって閉塞されることが回避されている。勿論、内壁にコーティング膜が露呈している細孔は、撥水性を示す。
また、電極触媒層22の表面にもコーティング膜(フッ素樹脂)が露呈することになる。従って、電極触媒層22の表面も十分な撥水性を示す。
カソード電極16におけるガス拡散層24及び電極触媒層26は、上記したガス拡散層20及び電極触媒層22の各々と同様に構成される。従って、詳細な説明は省略する。
ここで、図3に、カソード電極16の電極触媒層26における繊維体の割合を種々変更したときの単位セル10のセル電圧をグラフとして示す。なお、単位セル10の構成は、後述する実施例セルと基本的には同一であり、繊維体として気相成長炭素繊維(VGCF)を用いている。また、測定時の電流密度は1A/cm2で同一である。
この図3から、電極触媒層26における繊維体の割合が15〜45重量%であるときに、セル電圧が高くなることが分かる。この理由は、15重量%よりも少ないと電極触媒層26に形成される細孔の量が十分でなくなり、また、45重量%よりも多いと、電極触媒層26の厚みが大きくなるので反応ガスの移動距離が長くなるためであると推察される。従って、電極触媒層26における繊維体の割合は、15〜45重量%に設定することが好ましく、20〜40重量%とすることが一層好ましい。最も好ましくは、25〜35重量%である。
さらに、本実施の形態では、アノード電極14の電極触媒層22に含まれる繊維体の割合は、図1における矢印B方向の左方の部位と右方の部位を比較した場合、左方が小さく右方が大きく設定される。後述するように、燃料ガスは、矢印Bに沿って左方から右方に流れる。このことから諒解されるように、繊維体の割合は、燃料ガスの流通方向上流側で小さく、下流側で大きく設定されている。
なお、繊維体の割合は、矢印Bに沿って左方から右方に向かうに従って漸次的に上昇させるようにしてもよく、段階的に上昇させるようにしてもよい。例えば、電極触媒層22を矢印Bに沿って仮想的に左方と右方に2分割した場合、左方の部位における繊維体の割合を小さく、且つ右方の部位における繊維体の割合を大きくする程度であってもよい。
カソード電極16の電極触媒層26においても、繊維体の割合は、酸化剤ガスの流通方向上流側の部位で小さく、下流側の部位で大きく設定されている。後述するように、酸化剤ガスは、矢印Bに沿って右方から左方に流れるので、電極触媒層26では、繊維体の割合は、図1における矢印B方向の右方の部位が小さく、且つ左方の部位が大きくなっている。
単位セル10は、さらに、上記のように構成されるMEAを挟む第1セパレータ28と第2セパレータ30とを有する。
図1に示すように、この場合、電解質膜・電極接合体18は、鉛直方向(矢印C方向)に面方向を向けて立位姿勢で配置されるとともに、カソード電極16及びアノード電極14は、反応面が鉛直姿勢で且つ水平方向(矢印B方向)に長尺な横長形状を有する。
電解質膜・電極接合体18は、第1セパレータ28及び第2セパレータ30で挟持され、水平方向(矢印A方向)に沿って積層される。第1セパレータ28及び第2セパレータ30は、例えば、カーボンセパレータ又は金属セパレータで構成される。
第1セパレータ28において、電解質膜・電極接合体18のアノード電極14に臨む側の端面には、反応ガスの1つである燃料ガスを流通するための燃料ガス流路32が形成される。燃料ガス流路32は、アノード電極14の長手方向(矢印B方向)に沿って燃料ガスを流通させるべく、各々が直線状に延在する複数本の溝として設けられる。
また、第1セパレータ28において、単位セル10に隣接する別の単位セル10(図示せず)を構成する第2セパレータ30に臨む側の面には、第2セパレータ30と第1セパレータ28との間に冷却媒体を流通するための冷却媒体流路34が設けられる。
一方、第2セパレータ30において、電解質膜・電極接合体18のカソード電極16に臨む側の端面には、反応ガスの1つである酸化剤ガスを流通するための酸化剤ガス流路36が設けられる。この酸化剤ガス流路36も、カソード電極16の長手方向(矢印B方向)に沿って燃料ガスを流通させるべく、燃料ガス流路32と同様に、各々が直線状に延在する複数本の溝として設けられる。
固体高分子型燃料電池には、単位セル10の積層方向に互いに連通して、燃料ガスを供給する燃料ガス供給連通孔40、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給連通孔42、冷却媒体を供給する冷却媒体供給連通孔44が形成される。併せて、前記酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出連通孔46、前記燃料ガスを排出する燃料ガス排出連通孔48、及び前記冷却媒体を排出する冷却媒体排出連通孔50も設けられる。
燃料ガス供給連通孔40は、前記単位セル10の長手方向他端側の上方隅部に設けられ、酸化剤ガス供給連通孔42は、単位セル10の長手方向(矢印B方向)一端側の上方隅部に設けられる。これに対し、燃料ガス排出連通孔48は、前記単位セル10の長手方向一端側の下方隅部に設けられるとともに、酸化剤ガス排出連通孔46は、単位セル10の長手方向他端側の下方隅部に設けられる。
また、冷却媒体供給連通孔44は、単位セル10の短手方向(矢印C方向)の上端側に矢印B方向に延在して設けられ、一方、冷却媒体排出連通孔50は、単位セル10の短手方向の下端側に矢印B方向に延在して設けられる。
本実施の形態に係る固体高分子型燃料電池は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果について説明する。
上記のように構成される固体高分子型燃料電池を運転するに際しては、該固体高分子型燃料電池が所定の運転温度に昇温されるとともに、冷却媒体供給連通孔44、冷却媒体流路34及び冷却媒体排出連通孔50を流通する冷却媒体(例えば、冷却水)が供給・排出される。また、燃料ガス供給連通孔40に接続された燃料ガス供給源から燃料ガス、例えば、水素等の水素含有ガスが供給される一方で、酸化剤ガス供給連通孔42に接続された酸化剤ガス供給源から酸化剤ガス、例えば、空気等の酸素含有ガスが供給される。勿論、余剰の燃料及び酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔46、燃料ガス排出連通孔48からそれぞれ排出される。
なお、電解質膜12には予め水が含浸されているが、固体高分子型燃料電池が室温よりも高温となっているので、電解質膜12中の水が蒸発して該電解質膜12が乾燥する可能性もある。乾燥状態の電解質膜12では十分なプロトン伝導度が得られないので、燃料ガスや酸化剤ガスを、ミスト状や気化状態の水を含んだ湿潤ガスとして供給することが好ましい。
燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔40を通過して燃料ガス流路32を図1中の矢印Bに沿って左方から右方に流通し、この際、アノード電極14のガス拡散層20に接触する。さらに、その後、ガス拡散層20を拡散して電極触媒層22に到達する。なお、電極触媒層22では、燃料ガスは、細孔を介して拡散する。
そして、該電極触媒層22において、燃料ガス中の水素が電離してプロトンと電子が生成する電極反応が起こる。上記したように、電子は外部負荷を付勢する電気エネルギとして取り出され、一方、プロトンは、電解質膜12を介してカソード電極16の電極触媒層26に向かって移動する。
酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔42を通過して酸化剤ガス流路36を図1における矢印Bに沿って右方から左方に流通する。この過程で、カソード電極16のガス拡散層24を拡散して電極触媒層26に到達する。上記と同様に、酸化剤ガスは、電極触媒層26の細孔を介して拡散する。
そして、該電極触媒層26において、アノード電極14から移動してきたプロトン、電気エネルギとして機能した後にカソード電極16に到達した電子、酸化剤ガス中の酸素の3者が結合して水が生成する電極反応が起こる。
従って、カソード電極16の電極触媒層26には、このようにして生成した水や、燃料ガスないし酸化剤ガスを湿潤状態とするために付与された水が一旦含まれることになる。また、アノード電極14の電極触媒層22には、燃料ガスないし酸化剤ガスを湿潤状態とするために付与された水が含まれる。
ここで、電極触媒層22、26に含まれる繊維体の表面には、上記したように撥水性のコーティング膜が形成されているので、電極触媒層22、26の表面、及び細孔の内壁が撥水性を示す。このため、電極触媒層22、26に含まれる水が過剰となった際には、該水が電極触媒層22、26の表面や細孔の内壁のコーティング膜によって弾かれ、速やかに電極触媒層22、26から排出される。
しかも、カソード電極16の電極触媒層26では、生成水が蓄積されてその量が多くなる下流側の部位に含まれる繊維体の割合を大きくしている。このため、生成水の量が多い下流側においても、該生成水を速やかに排出することが可能となる。
以上のようにして、電極触媒層22、26に過剰の水が滞留することが回避され、特に、表面や細孔に水が残留した状態となることが回避される。従って、電極触媒層22、26において反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)が拡散することが妨げられることが回避される。その結果、電極触媒層22、26に十分な反応場が形成されるので、固体高分子型燃料電池の端子電圧が維持される等、優れた発電特性が得られる。
しかも、電極触媒層22、26に含まれる水は、過剰量となるまでは電極触媒層22、26を十分に濡らすことが可能である。従って、電解質膜12に十分な水分を供給することができるので、電解質膜12の水分が不足することに起因してプロトン伝導度が低下することを回避することもできる。このため、電解質膜・電極接合体18は、優れたプロトン伝導性を示す。
電解質膜・電極接合体18は、以下のようにして製造することができる。
先ず、電極触媒層22、26の出発材料を調製するべく、繊維体に対して撥水化処理を施す。具体的には、例えば、気相成長炭素繊維を、PTFE樹脂、FEP樹脂又はPFA樹脂等のフッ素樹脂の粉末とともに、エチレングリコール等の適切な溶媒に分散させてスラリーとする。
次に、このスラリーに対して加熱処理を施し、さらに、冷却する。これにより、フッ素樹脂からなるコーティング膜が表面に形成された繊維体が凝集体として得られる。その後、この凝集体を粉砕することにより、粒状の撥水化処理済繊維体が得られる。
この撥水化処理済繊維体を、触媒を担持した担体、及びイオン伝導体(バインダ)とともに、ノルマルプロピルアルコール(NPA)と水の混合液等の溶媒に添加して混合物とする。撥水化処理済繊維体の割合は、撥水化処理済繊維体、触媒、触媒を担持した担体、及びイオン伝導体の合計を100重量%とするとき、15〜45重量%とすることが好ましく、20〜40重量%とすることが一層好ましい。また、必要であれば、この混合物に対して遊星ボールミル等を行い、各成分が均等に分散するようにしてもよい。
次に、この混合物をインクとし、PETフィルム等に対してスクリーン印刷を行う。その後、インクを乾燥させることにより、PETフィルム等からなるシート上に、前記インクの乾燥物からなる電極触媒層22、26が得られる。
ここで、アノード電極14、カソード電極16の電極触媒層22、26における繊維体の割合を、反応ガスの上流側に対応する部位と、下流側に対応する部位とで相違させる場合には、上記に準拠して、繊維体の割合が相違する混合物(インク)を2種以上用意し、さらに、インクを交換しながらスクリーン印刷を2回以上行えばよい。この場合、反応ガスの上流側となる部位を形成する際には、繊維体の割合が小さいインクを用い、一方、下流側となる部位を形成する際には、繊維体の割合が大きいインクを用いればよい。中間に、繊維体の割合が徐々に変化する部位を形成するようにしてもよいことは勿論である。
その一方で、ガス拡散層20、24を作製する。すなわち、例えば、カーボンブラックとPTFE粒子とをエチレングリコール等に分散させてスラリーとし、次に、このスラリーをカーボンペーパーに塗布して乾燥する。これにより、前記スラリーの乾燥物である下地層がカーボンペーパー上に形成されたガス拡散層20、24が得られる。
次に、電解質膜12となる固体高分子の両端面に、前記電極触媒層22、26を積層する。さらに、ホットプレスを行うことによって、電極触媒層22、26と電解質膜12とを互いに接合する。その後、前記シートを剥がして電極触媒層22、26の端面を露呈させる。
この露呈した電極触媒層22、26に、ガス拡散層20、24の前記下地層を積層する。さらに、ホットプレスを行うことによって電極触媒層22、26と下地層とを互いに接合することによりアノード電極14及びカソード電極16が電解質膜12の各端面にそれぞれ形成されるとともに、電解質膜・電極接合体18が得られるに至る。
単位セル10は、この電解質膜・電極接合体18を第1セパレータ28、第2セパレータ30で挟持することによって得られる。さらに、このようにして得られる単位セル10を複数個積層することにより、スタックとしての固体高分子型燃料電池が得られる。
なお、上記した実施の形態では、アノード電極14の電極触媒層22、カソード電極16の電極触媒層26の双方に繊維体を含ませるようにしているが、繊維体は、電極触媒層22、26の少なくともいずれか一方に含まれればよい。例えば、電極触媒層26のみに繊維体が含まれるようにしてもよい。
また、電極触媒層22、26において、反応ガスの上流側の部位と下流側の部位とで繊維体の割合を相違させる必要は特にない。すなわち、繊維体が略均等に分散された電極触媒層22、26であっても上記した効果を十分に得ることが可能である。
昭和電工社製の気相成長炭素繊維とPTFE樹脂とを、重量比で12:11として混合し、その後、エチレングリコールに分散させてスラリーとした。このスラリーを耐熱容器に移した後、120℃で30分間保持し、さらに、10℃/分の昇温速度で380℃まで昇温して5分間保持することで加熱処理を施した。冷却後に耐熱容器から冷却固化物を取り出し、粉砕して、PTFE膜が形成された撥水化処理済VGCFを得た。
その一方で、NPAと水を重量比で1:2として混合した混合溶媒を調製した。この混合溶媒を、田中貴金属工業社製のTEC50E50E(Pt担持触媒)に対して10倍の重量で加えた。また、イオン伝導性バインダとなるパーフルオロアルキレンスルホン酸(例えば、デュポン社製のナフィオン)の溶液を、TEC50E50E:溶液中の高分子分=1:1.5の重量比となるように、前記混合溶媒に添加した。
さらに、この混合溶媒に対し、前記撥水化処理済VGCFを、混合溶媒を除いた成分(触媒、触媒を担持した担体、イオン伝導性バインダの溶液、撥水化処理済VGCF)の合計を100重量%とするとき、20重量%となる量で添加した。
以上の成分が添加された混合溶媒に対して、遊星ボールミルによる混合を行った。なお、回転数は80rpmとし、120分間続行した。これにより、インクを得た。
次に、このインクを用い、PETフィルムに対し、触媒である白金が0.5mg/cm2となるようにスクリーン印刷を行った。その後、60℃で10分加熱した後、減圧下で100℃、15分間加熱してインクを乾燥させて、カソード電極16の電極触媒層26を得た。
その一方で、NPAと水を重量比で1:2として混合した混合溶媒を調製した。この混合溶媒を、触媒を担持した担体に対して10倍の重量で加えた。また、イオン伝導性バインダとなるパーフルオロアルキレンスルホン酸(例えば、デュポン社製のナフィオン)の溶液を、TEC50E50E:溶液中の高分子分=1:1の重量比となるように前記混合溶媒に添加し、この混合溶媒が所定の粘度となるまで撹拌した。
さらに、以上の成分が添加された混合溶媒に対して遊星ボールミルを行った。なお、上記同様に回転数は80rpmとし、120分間続行した。これにより、インクを得た。
次に、このインクを用い、PETフィルムに対し、触媒であるPtが0.5mg/cm2となるようにスクリーン印刷を行った。その後、60℃で10分加熱した後、減圧下で100℃、15分間加熱してインクを乾燥させてアノード電極14の電極触媒層22を得た。
以上とは別に、カーボンブラックとPTFE粒子とを重量比で4:6として混合した後にエチレングリコールに分散させてスラリーとした。次に、このスラリーを東レ社製のカーボンペーパーTGP−H060の平坦面に塗布し、その後、乾燥した。これにより、カーボンペーパー上に前記スラリーの乾燥物である下地層が形成されたガス拡散層20、24を得た。
次に、電解質膜12として選定したデュポン社製のナフィオンN112の各端面に、上記のようにして得た電極触媒層22、26を積層した。さらに、120℃、2MPaの条件下でホットプレスを行い、電極触媒層22、26と電解質膜12とを互いに接合した。その後、前記PETフィルムを剥がして電極触媒層22、26の端面を露呈させた。
この露呈した電極触媒層22、26に、ガス拡散層20、24の前記下地層を積層した。さらに、150℃、2.5MPaの条件下でホットプレスを行い、電極触媒層22、26と下地層とを互いに接合することによりアノード電極14及びカソード電極16を電解質膜12の各端面にそれぞれ形成し、電解質膜・電極接合体18を得た。
この電解質膜・電極接合体18を用い、日本自動車研究所(JARI)に規格される電極面積25cm2の標準セルを組み立てた。これを実施例セルとする。
また、VGCFに対して撥水化処理を施すことなく電極触媒層を作製したことを除いては実施例に準拠して標準セルを組み立てた。これを比較例セルとする。
以上の実施例セル、比較例セルの各々につき、セル温度を70℃とし、燃料ガスとして湿度50%の水素ガス、酸化剤ガスとして湿度70%の空気を供給して、様々な電流密度におけるセル電位を測定した。なお、水素ガス、酸化剤ガスの各利用率は75%、63%であり、供給圧力は双方とも100kPaである。
結果を、図4に併せて示す。なお、実施例セルは「▲」、比較例セルは「●」のプロットで表している。
この図4から、特に高電流密度時に実施例セルのセル電圧が高いことが分かる。このことから、カソード電極16の電極触媒層26に含まれる繊維体に対して撥水化処理を施すことが特に高電流密度での放電時に有効であることが明らかである。
さらに、セル温度を85℃、燃料ガスを湿度100%の水素ガス、酸化剤ガスを湿度100%の空気に変更し、電流密度が1A/cm2であるときのセル電位を測定した。実施例セル、比較例セルのセル電圧を、セル温度が70℃で湿度50%の水素ガス、湿度70%の空気が供給され、且つ電流密度が1A/cm2であるときのセル電位と併せて図5に示す。なお、湿度が低い反応ガスを供給したときを「低湿度」、湿度が高い反応ガスを供給したときを「高湿度」と表している。
この図5から、反応ガスが低湿度のときのみならず、フラッディングを招き易い高湿度のときでも実施例セルのセル電圧が高いことが諒解される。すなわち、実施例セルのようにカソード電極16の電極触媒層26に含まれる繊維体に対して撥水化処理を施すことにより、カソード電極16に多くの水が含まれ易くなる条件下であっても、優れた発電特性を確保し得る。
10…単位セル 12…電解質膜
14…アノード電極 16…カソード電極
18…電解質膜・電極接合体 20、24…ガス拡散層
22、26…電極触媒層 28、30…セパレータ
32…燃料ガス流路 34…冷却媒体流路
36…酸化剤ガス流路

Claims (14)

  1. 固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体であって、
    前記アノード電極及び前記カソード電極の各々は、ガス拡散層と、前記ガス拡散層と前記電解質膜との間に介在する電極触媒層とを有し、
    前記アノード電極の電極触媒層又は前記カソード電極の電極触媒層の少なくともいずれか一方は、触媒と、プロトン伝導体と、繊維体とを含み、
    前記繊維体が撥水性のコーティング膜で被覆されていることを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  2. 請求項1記載の接合体において、前記コーティング膜がフッ素樹脂からなることを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  3. 請求項1又は2記載の接合体において、前記繊維体が炭素繊維であることを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合体において、前記電極触媒層の重量を100重量%とするとき、前記繊維体が15〜45重量%であることを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  5. 固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体の製造方法であって、
    繊維体に対して撥水化処理を施す工程と、
    撥水化処理が施されることで撥水性のコーティング膜が形成された前記繊維体を、触媒及びプロトン伝導体と混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物を用いてガス拡散層上に電極触媒層を形成し、前記アノード電極又は前記カソード電極の少なくともいずれか一方を得る工程と、
    を有することを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法において、前記撥水化処理は、前記繊維体をフッ素樹脂とともに溶媒に添加した後、前記溶媒に対して加熱処理を施すことによって行われることを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  7. 請求項5又は6記載の製造方法において、前記電極触媒層を、前記混合物をインクとするスクリーン印刷によって形成することを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法において、前記繊維体として炭素繊維を用いることを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の製造方法において、前記電極触媒層の重量を100重量%とするとき、前記繊維体を15〜45重量%とすることを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  10. 固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体と、前記電解質膜・電極接合体を挟む1組のセパレータとを具備する固体高分子型燃料電池であって、
    前記アノード電極及び前記カソード電極の各々は、ガス拡散層と、前記ガス拡散層と前記電解質膜との間に介在する電極触媒層とを有し、
    前記アノード電極の電極触媒層又は前記カソード電極の電極触媒層の少なくともいずれか一方は、触媒と、プロトン伝導体と、繊維体とを含み、
    前記繊維体が撥水性のコーティング膜で被覆されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  11. 請求項10記載の燃料電池において、前記コーティング膜がフッ素樹脂からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  12. 請求項10又は11記載の燃料電池において、前記繊維体が炭素繊維であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  13. 請求項10〜12のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記電極触媒層の重量を100重量%とするとき、前記繊維体が15〜45重量%であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  14. 請求項10〜12のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記電極触媒層中の前記繊維体の割合が、反応ガスの上流側の部位よりも下流側の部位の方が大きいことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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JP2019083112A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 凸版印刷株式会社 燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法、並びに固体高分子形燃料電池
CN113228354A (zh) * 2018-10-09 2021-08-06 凸版印刷株式会社 燃料电池用膜电极接合体以及固体高分子型燃料电池
WO2023176042A1 (ja) * 2022-03-14 2023-09-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 触媒層、電解質膜-電極接合体、燃料電池および触媒層の製造方法

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