JP7249574B2 - 燃料電池用ガス拡散層、膜電極接合体、及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用ガス拡散層、膜電極接合体、及び燃料電池 Download PDF

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Description

本開示は、燃料電池に用いる膜電極接合体が備えるガス拡散層に関する。
燃料電池の一例として、例えば高分子電解質型燃料電池がある。高分子電解質型燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解質膜の一方の面を水素等の燃料ガスに、他方の面を酸素にそれぞれ暴露し、電解質膜を介した化学反応によって水を合成することで、その際に生じる反応エネルギーを電気的に取り出すことを基本原理としている。
高分子電解質型燃料電池の単電池は、膜電極接合体(以下、MEAと記載する)と、MEAの両面に配置された一対の導電性のセパレータを有している。
MEAは、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、この電解質膜を挟む一対の電極層を備えている。一対の電極層は、高分子電解質膜の両面に形成され、白金族触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層と、当該触媒層上に形成され、集電作用とガス透過性と撥水性とを併せ持つガス拡散層とを有している。
ガス拡散層は、セパレータから供給されるガスを触媒層に均一に供給する役割を果たすため、良好なガス透過性及びガス拡散性を備えている必要がある。また、ガス拡散層は、触媒層とセパレータ間の電子の導電経路として、優れた導電性を有している必要がある。このため、ガス拡散層には導電性多孔質部材が使用されている。
また、ガス拡散層には、触媒層で電池反応により生成された余剰な水分を速やかに除去し、MEA系外に排出させるとともに、ガス拡散層の細孔が生成水で閉塞されないように、高い撥水性が求められている。そのため、ガス拡散層には、導電性多孔質部材をフッ素樹脂などで撥水処理し、更に導電性基材の触媒層と接する側に、カーボン粉末とフッ素樹脂などの撥水性樹脂を主成分とする撥水層を設けたものを使用するのが一般的である。
このように、導電性基材を撥水処理することで、ガス拡散層の細孔の生成水による閉塞を防止している。また、撥水層の撥水性を導電性基材よりも高くすることで、触媒層で生成された余剰な水分を速やかにMEA系外に排出することが可能となる。
このようなガス拡散層は、例えば特許文献1、2、3に開示されている。
特許文献1のガス拡散層は、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とし、この高分子樹脂よりも少ない重量の炭素繊維が添加された多孔質部材で構成されている。
特許文献2のガス拡散層は、導電性粒子と高分子樹脂とを主成分とし、この高分子樹脂よりも少ない重量の炭素繊維が添加された多孔質部材で構成され、内部に0.01~0.05μmの細孔と、1~200μmの空孔を有している。
特許文献3のガス拡散層は、繊維径0.5~500nm、繊維長1000μm以下でかつ中心軸が空洞構造からなる微細炭素繊維と導電性粒子と撥水性樹脂粒子の混合物を抄造した、厚みが0.05~2mmのシートである。
特許第4938133号公報 国際公開第2017/085901号 国際公開第2005/043656号
しかしながら、ガス拡散層のガス透過性及び水の排出性をより向上させることが要望されている。
本開示は、十分なガス透過性、水の排出性を有する燃料電池用ガス拡散層、膜電極接合体、及び燃料電池を提供することを目的とする。
上記、目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討した結果、ガス拡散層が導電性粒子と導電性繊維と高分子樹脂で構成されており、ガス拡散層の内部に導電性繊維の凝集体が存在することで、前記ガス拡散層の課題であったガス透過性、水の排出性を大幅に改善し、燃料電池の発電性能を向上させることを見出した。
前記目的を達成するために、本開示は以下のように構成される。すなわち、本開示の燃料電池用ガス拡散層は、導電性粒子と導電性繊維と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材で構成され、前記多孔質部材の内部に前記導電性繊維の凝集体が形成されており、前記多孔質部材の任意の断面における前記凝集体の面積比率は、0.5%以上58%以下である。
本開示は、十分なガス透過性、水の排出性を有する燃料電池用ガス拡散層、膜電極接合体、及び燃料電池を提供することができる。
本開示の実施形態の高分子電解質型燃料電池スタックの概略図 本開示の実施形態の高分子電解質型燃料電池セルの概略構成を示す断面図 本開示の実施形態のガス拡散層の断面の概略構成を示す模式図 本開示の実施形態のガス拡散層の断面の拡大した模式図 本開示の実施形態のガス拡散層の断面SEM写真図 本開示の実施形態のガス拡散層の断面SEM写真図 本開示の実施形態のガス拡散層の製造方法について説明するためのフローチャート 本開示の実施形態のガス拡散層の変形例の断面の概略構成を示す模式図 本開示の実施形態のガス拡散層の変形例の断面の拡大した模式図 本開示の実施形態のガス拡散層の変形例の断面SEM写真図
以下本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1を用いて、本開示の実施の形態にかかる燃料電池100の基本構成について説明する。図1は、本実施形態にかかる高分子電解質型燃料電池スタックの概略図である。なお、本実施の形態は、高分子電解質型燃料電池に限定されるものではなく、種々の燃料電池に適用可能である。
<燃料電池100>
図1に示すように、燃料電池100は、基本単位である電池セル10を複数枚積層し、積層した電池セル10の両側に配置した集電板11、絶縁板12、端板13を用いて所定の荷重で圧縮し、締結したものである。
集電板11は、ガス不透過性の導電性材料である。集電板11には、例えば、銅、真鍮などが使用される。集電板11には電流取り出し端子部(図示せず)が設けられており、発電時には電流取り出し端子部から電流が取り出される。
絶縁板12は、樹脂等の絶縁性材料である。絶縁板12には、例えばフッ素系樹脂、PPS樹脂などが使用される。
端板13は、複数枚積層された電池セル10と、集電板11と、絶縁板12とを、図示しない加圧手段によって所定の荷重で締結し、保持している。端板13には、剛性の高い金属材料、例えば、鋼などが使用される。
図2は、電池セル10の概略構成を示す断面図である。電池セル10は、MEA20をアノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bで挟んだ構成を有する。
以下では、アノード側セパレータ4a及びカソード側セパレータ4bを合わせて、セパレータ4と記載する。他の構成要素についても、複数の構成要素を合わせて説明する場合には、同様の記載を行う。
セパレータ4には、流体流路5が形成されている。アノード側セパレータ4aには、燃料ガス用の流体流路5が形成されている。カソード側セパレータ4bには、酸化剤ガス用の流体流路5が形成されている。セパレータ4には、カーボン系、金属系の材料を用いることができる。
流体流路5はセパレータ4に形成された溝部である。流体流路5の周囲には、リブ部6が設けられている。
MEA20は、高分子電解質膜1と、触媒層2と、ガス拡散層3と、を有する。水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1の両面にアノード触媒層2a、カソード触媒層2b(合わせて触媒層2)が形成されており、更にその外側にアノード側ガス拡散層3a、カソード側ガス拡散層3b(合わせてガス拡散層3)が配置されている。
高分子電解質膜1には、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸重合体が用いられるが、プロトン導電性を有すれば特に限定されない。
触媒層2は、白金等の触媒粒子を担持した炭素材料と高分子電解質を含む層を用いることができる。
<ガス拡散層の構成例>
次に、図3A及び図3Bを用いて、本開示の実施形態にかかるガス拡散層3の構成について詳細に説明する。
図3Aは、ガス拡散層3の概略構成を示す断面図である。図3Bは、ガス拡散層3の拡大断面図である。ガス拡散層3は、導電性粒子31と導電性繊維32と高分子樹脂33とを主成分とした多孔質部材30で構成されている。多孔質部材30において、導電性繊維32の量は、導電性粒子31の量よりも多くなっている。その結果、多孔質部材30は、内部に導電性繊維32の凝集体34を有している。
導電性粒子31には、例えば、カーボンブラック、グラファイト、活性炭などのカーボン材料が使用できる。特に、導電性粒子31には、高い導電性と細孔容積が大きいカーボンブラックを使用するのが好ましい。また、導電性粒子31には、カーボンブラックとして、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、バルカンが使用できる。特に、導電性粒子31には、不純物量が少ないアセチレンブラック、あるいは、比表面積が大きく、導電性の高いケッチェンブラックを使用するのが好ましい。
導電性繊維32には、例えば、カーボンナノチューブが使用できる。導電性繊維32としてのカーボンナノチューブの繊維径は50nm以上300nm以下、繊維長は1μm以上50μm以下であることが好ましい。その理由は、以下の通りである。
カーボンナノチューブの繊維径が50nm未満、あるいは繊維長が1μm未満の場合、ガス拡散層3において、導電性粒子と導電性繊維と高分子樹脂のみで指示される構造(いわゆる自己支持体構造)を持つだけの強度が得られない。
一方、カーボンナノチュ-ブの繊維径が300nmより太い、あるいは繊維長が50μmより長い場合、導電性繊維32間の隙間に出来る細孔が大きくなるため、ガス拡散層としての保水性の機能が低下する。特に、低加湿運転時のおける燃料電池100の電池性能が低下する。これにより、導電性繊維32としてのカーボンナノチュ-ブの繊維径及び繊維長の値は、上記した範囲内に設定されることが好ましい。
高分子樹脂33の材料の例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(ポリフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などが挙げられる。特に、高分子樹脂33の材料としては、耐熱性、撥水性、耐薬品性の観点から、PTFEを使用することが好ましい。PTFEの原料形態としてはディスパージョンや粉末状などが挙げられるが、ディスパージョンを使用すると分散性に優れるため、より好ましい。
高分子樹脂33は、導電性粒子31同士を結着するバインダーとしての機能を有する。また、高分子樹脂33は、撥水性を有する。これにより、ガス拡散層3内部の細孔に水が滞留してガス透過が阻害されることが防止される。
<導電性繊維32の凝集体34>
導電性繊維32の凝集体34は、導電性繊維32の製造時の分散工程において解砕されずに固まりとして残った導電性繊維の集合体を指す。導電性繊維32の凝集体34の内部には、導電性粒子31が10%以下しか存在していない。その理由は以下の通りである。
凝集体34は、導電性繊維32が互いに絡み合った構造を有する。凝集体34を構成する導電性繊維32同士の隙間である細孔の径(細孔径)は0.05μm以上、0.5μm以下である。一方、導電性粒子31の大きさは、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラックを例に取ると、粒子径が0.01μm~0.05μmのドメイン(1次粒子)が数十個融着した1次凝集体(アグリゲート)で0.1μm~1μmである。アグリゲートは、ファン・デル・ワールス力などの物理的な力により2次凝集体(アグロメレート)を形成しているが、結合強度が強いため、分散工程でアグロメレートが完全にアグリゲートのサイズまで分散することはほぼない。そのため、導電性繊維32の凝集体34の細孔には、カーボンブラックなどの導電性粒子31が少量しか侵入出来ない。これにより、上記のように、導電性繊維32の凝集体34の内部には、導電性粒子31が10%以下しか存在していない。
導電性繊維32の凝集体34の大きさは、短径、長径のいずれも1~20μmの範囲内である。これは、凝集体34の大きさが1μmより小さい場合、ガス拡散経路や水の排出経路として十分に機能せず、一方、20μmよりも大きい場合、導電性繊維32同士の間に導電性粒子31がほとんど存在出来なくなるため、導電性が低下するからである。
また、ガス拡散層3の任意の断面において、凝集体34の面積比率は0.5%以上5%以下である。その理由は、以下の通りである。すなわち、面積比率が0.5%よりも小さい場合、十分なガス拡散性、水の排出性が確保できず、電池性能が低下する。一方、面積比率が5%より大きい場合、導電性が低下し、電池性能が低下するからである。
<凝集体34の面積比率の算出方法>
ガス拡散層3(多孔質部材30)の任意の断面における、導電性繊維32の凝集体34の面積比率の算出方法は、以下の通りである。まず、ガス拡散層3を切断し、断面を研磨した後、SEMあるいは光学顕微鏡で断面写真を撮る。そして、断面写真において1μmから20μmの凝集体を選別することで、全断面積に対する凝集体の面積比から面積比率を算出することができる。
図4Aは、ガス拡散層3の断面SEM写真、図4Bは、ガス拡散層3の断面SEMの拡大写真である。図4A及び図4Bでは、導電性粒子31と、導電性繊維32と、導電性繊維32の凝集体34と、が確認できる。なお、図4A及び図4Bでは、微細な繊維状の高分子樹脂33は、SEM観察時の電子線によりダメージを受けて観察されていない。
上記したように、導電性繊維32の凝集体34を得るために、ガス拡散層3には、導電性繊維32が導電性粒子31よりも多く含有されている。これは、導電性繊維32の量が導電性粒子31の量よりも少ない場合、混合・分散工程で導電性繊維32が導電性粒子31によって解砕され、凝集体34がほとんど存在しなくなるからである。
ガス拡散層3における導電性粒子31、導電性繊維32及び高分子樹脂33の量の具体例は、以下の通りである。すなわち、ガス拡散層3は、例えば導電性粒子31を5wt%以上35wt%未満、導電性繊維32を35wt%以上80wt%以下、かつ高分子樹脂33を10wt%以上40wt%以下で構成することが好ましい。
<ガス拡散層3の累積細孔容積、細孔分布>
ガス拡散層3における細孔の占有容積、すなわちガス拡散層3の累積細孔容積は、1.0mL/g以上1.7mL/g以下であることが好ましい。その理由は、以下の通りである。すなわち、累積細孔容積が1.0mL/gより小さい場合、ガスの拡散、水の排出経路が減少し、フラッディングによる電池性能が低下する。一方、累積細孔容積が1.7mL/gより大きい場合、導電性や保水性が低下し、電池性能が低下するからである。
また、ガス拡散層3の細孔径の分布のピークは、0.05μm以上0.5μm以下にあることが好ましい。その理由は、以下の通りである。すなわち、細孔径の分布のピークが0.05μm以下にある場合、細孔が小さすぎて十分なガス透過性、水の排出性を得られない。一方、細孔径の分布のピークが0.5μm以上にある場合、特に低加湿時において保水性が低下し、プロトン抵抗が上昇し、電池性能が低下するからである。
なお、ガス拡散層3の累積細孔容積と細孔分布の測定方法は、前処理として120℃で4時間、ガス拡散層3を乾燥させた後に、水銀圧入法によって測定したものである。
<ガス拡散層3の多孔度>
ガス拡散層3の多孔度は、65%以上75%以下であることが好ましい。その理由は、以下の通りである。多孔度が65%より低い場合、ガスの拡散、水の排出経路が減少し、フラッディングによって電池性能が低下する。一方、多孔度が75%より大きい場合、導電性や保水性が低下し、電池性能が低下するからである。
以下、ガス拡散層3の多孔度の算出方法(測定方法)について説明する。まず、ガス拡散層3を構成する各材料の真密度と組成比率から、製造したガス拡散層3の見かけ真密度を算出する。次いで、製造したガス拡散層3の重量、厚み、縦横寸法を測定して、製造したガス拡散層3の密度を算出する。次いで、多孔度=(ガス拡散層3の密度)/(見かけ真密度)×100の式に、前記算出したガス拡散層3の密度及び見かけ真密度を代入し、多孔度を算出する。以上のようにして、製造したガス拡散層3の多孔度を算出することができる。
<ガス拡散層3の圧縮時の潰れ量>
ガス拡散層3は、燃料電池100の製造時に、面圧7kgf/cmで圧縮される。ガス拡散層3が圧縮された後の厚みは、圧縮前の厚みに対して85%以上98%以下であることが好ましい。その理由は、以下の通りである。すなわち、ガス拡散層3が圧縮された後の厚みが圧縮前の厚みに対して85%よりも小さい場合、セパレータ4のリブ部6によって圧縮時に荷重が加わり、ガス拡散層3の内部の細孔が潰れる。この場合、ガス拡散層3のうちリブ部6と接する部位のガス拡散性や水の排出性が低下するので、電池性能が低下する。また、セパレータ4に設けられた流体流路5の断面積が、ガス拡散層3が垂れ込むことで減少するので、圧損が上昇したり、垂れ込みの度合いによって圧損のバラツキが生じたりする。一方、ガス拡散層3が圧縮された後の厚みが圧縮前の厚みに対して98%より大きい場合、ガス拡散層3と触媒層2との密着性が低下し、界面に隙間が生じて導電性が低下したり、隙間に生成水の膜が出来てガス拡散性が低下したりする。これにより、ガス拡散層3が圧縮された後の厚みは、圧縮前の厚みに対して上記した範囲内に設定されることが好ましい。
<ガス拡散層3のガス透過性>
ガス拡散層3のガス透過性は、ガーレー数が5sec/100mL以上150sec/100mL以下であることが好ましい。その理由は、以下の通りである。すなわち、ガーレー数が5sec/100mLより小さい場合、特に低加湿時の保水性が低下し、プロトン抵抗が上昇し、電池性能が低下する。一方、ガーレー数が150sec/100mLよりも大きい場合、ガス透過性、水の排出性が不十分となり、電池性能が低下するからである。
なお、ガーレー数とは、以下のようにして測定される数値である。油を満たした外筒に内筒を入れると、内筒の自重によって内筒は徐々に降下し、内筒内のガスが圧縮される。この際、一定体積(100mL)のガスが、外筒内にセットされた試験片を透過するために要する時間を測定し、ガーレー数とする。空気が透過するサンプルの面積は、6.42cmである。
<ガス拡散層3の引張破断強度>
ガス拡散層3の引張破断強度は、0.05N/mm以上であることが好ましい。これは、ガス拡散層3の引張破断強度が0.05N/mmより小さい場合、ガス拡散層3を自立膜として取り扱うことが困難になるからである。なお、自立膜とは、自己支持体構造を有する膜を意味する。したがって、ガス拡散層3としての多孔質部材の引張破断強度は0.05N/mm以上で、導電性粒子31と導電性繊維32と高分子樹脂33のみで支持される自立膜が好ましい。
<ガス拡散層3の厚み>
ガス拡散層3の厚みは、70μm以上、200μm以下であることが好ましい。その理由は、以下の通りである。すなわち、厚みが70μmよりも薄い場合、ガス拡散層3の強度が弱くなり、自立膜として取り扱うことが困難になる。また、ガス拡散層3の厚みが200μmよりも厚い場合、プロトン抵抗が高くなり、電池性能が低下するからである。
<ガス拡散層3の製造方法>
次に、本開示の実施形態にかかるガス拡散層3の製造方法について説明する。図5は、ガス拡散層3の製造方法について説明するためのフローチャートである。
ステップS1では、導電性粒子31と導電性繊維32と高分子樹脂33と界面活性剤と分散溶媒とを混練する。具体的には、導電性粒子31としてのカーボン材料と、導電性繊維32としてのカーボンナノチューブと、界面活性剤、分散溶媒を投入し、攪拌、混練する。その後に、高分子樹脂33を投入し、再度、攪拌、混練して、混練物を得る。
ステップS1の材料の混練には、例えばプラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ニーダー、ロールミルなどを使用することができる。混練工程であるステップS1では、高分子樹脂33を除いた、導電性粒子31と導電性繊維32と界面活性剤と分散溶媒とを、先に混練、分散した後、最後に高分子樹脂33を投入して撹拌することで、高分子樹脂33が混練物中に均一に分散された状態とすることができる。
ステップS2では、混練物を圧延しながら、シート状に伸ばしていく。ステップS2の圧延には、例えば圧延ロール機を使用することができる。例えば0.001ton/cmから4ton/cmを圧延の条件として、1回または複数回の圧延を行うことにより、高分子樹脂33を好適に繊維化し、強度が高いガス拡散層3を得ることができる。
ステップS3では、シート状に伸ばした混練物を焼成して、前記混練物中から、界面活性剤、分散溶媒を除去する。
ステップS3の焼成では、例えばIR炉、熱風乾燥炉等を使用することができる。焼成温度は、界面活性剤が分解する温度より高く、高分子樹脂33が融解する温度よりも低い温度に設定される。その理由は以下の通りである。すなわち、焼成温度が界面活性剤の分解する温度より低い場合、ガス拡散層3内部に界面活性剤が残留し、ガス拡散層3の内部が親水化することで水が滞留するため、ガス拡散層3のガス透過性が低下する。一方、焼成温度が高分子樹脂33の融点よりも高い場合、高分子樹脂33が融解するため、ガス拡散層3の強度が低下してしまうからである。具体的には、例えば、高分子樹脂33がPTFEの場合、焼成温度は、280~340℃が好ましい。
ステップS4では、界面活性剤と分散溶媒を除去したシート状の混練物をロールプレス機で再圧延し厚みを調整する。これにより、本開示の実施形態にかかるガス拡散層3を製造することができる。
ステップS4の再圧延には、例えばロールプレス機を使用することができる。例えば0.01ton/cmから4ton/cmをロールプレスの条件として、1回または複数回の再圧延を行うことで、ガス拡散層3の厚み、多孔度を調整することができる。
これまで示した例のように、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
<ガス拡散層の変形例>
以上説明したガス拡散層3の変形例として、ガス拡散層3Mについて説明する。図6Aは、変形例としてのガス拡散層3Mの概略構成を示す断面図である。また、図6Bは、変形例としてのガス拡散層3Mを示す拡大断面図である
図6A及び図6Bに示すとおり、ガス拡散層3Mは、導電性粒子31と導電性繊維32と微細な繊維状の高分子樹脂である繊維状高分子樹脂33Fとを主成分とした多孔質部材30で構成されている。そして、多孔質部材30は、内部に導電性繊維32の凝集体34と、粒子状の高分子樹脂である粒子状高分子樹脂33Pと、を有している。すなわち、図6A及び図6Bに示すガス拡散層3Mは、高分子樹脂として繊維状の繊維状高分子樹脂33Fと、粒子状の粒子状高分子樹脂33Pと、を有する点で図3A及び図3Bに示すガス拡散層3Mと異なっている。
本変形例において、繊維状高分子樹脂33F及び粒子状高分子樹脂33Pの材料としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が使用される。PTFEは良く知られている通り、せん断力が加わると微細な繊維状となる性質を有する。ガス拡散層3Mの製造時の混合・分散工程やシート化の工程において、材料となるPTFEにせん断力が加わることで、PTFEは微細な繊維状となる。これにより、ガス拡散層3M(多孔質部材30)の内部に繊維状高分子樹脂33Fが形成される。
このような繊維状高分子樹脂33Fが導電性粒子や導電性繊維を結着するバインダーとして機能することで、ガス拡散層3Mに自己支持体構造を持たせることができる。
一方、粒子状高分子樹脂33Pは、ガス拡散層3Mの内部において、繊維化されずに粒子として存在している。粒子状のPTFEは、繊維状のPTFEよりも粒子近傍で高い撥水性を有する。このため、粒子状高分子樹脂33Pによって、ガス拡散層3Mの内部に存在する細孔に滞留した水がガスの透過を阻害することが好適に防止される。
粒子状高分子樹脂33Pの大きさは、短径、長径のいずれも0.1~10μmの範囲内である。これは、0.1μmより小さい粒子は原料の段階で存在せず、一方、粒子径が10μmよりも大きい場合、導電性が低下するからである。
また、ガス拡散層3M(多孔質部材30)の任意の断面において、粒子状高分子樹脂33Pの面積比率は0.1%以上1%以下である。その理由は、以下の通りである。すなわち、粒子状高分子樹脂33Pの面積比率が0.1%よりも小さい場合、ガス拡散層3Mの内部における撥水効果が小さくなり、内部の細孔に水が滞留しやすくなる。一方、面積比率が1%より大きい場合、導電性が低下し、電池性能が低下するからである。
ガス拡散層3Mにおける、導電性粒子31、導電性繊維32、及び、繊維状高分子樹脂33Fと粒子状高分子樹脂33Pとを合わせた高分子樹脂の量は、上記説明したガス拡散層3Mと同様である。すなわち、具体的には、導電性粒子31を5wt%以上35wt%未満、導電性繊維32を35wt%以上80wt%以下、繊維状高分子樹脂33Fと粒子状高分子樹脂33Pとを合わせた高分子樹脂を10wt%以上40wt%以下とすればよい。その理由は、以下の通りである。すなわち、高分子樹脂の量が10wt%よりも少ない場合、ガス拡散層3の製造時に高分子樹脂全体にせん断力が加わる。この場合、高分子樹脂のほぼすべてが繊維状高分子樹脂33Fとなり、粒子状高分子樹脂33Pがほとんど存在しなくなる。一方、高分子樹脂の量が40wt%より多い場合、粒子状高分子樹脂33Pの割合が増加し、ガス拡散層3の導電性が低下してしまうからである。
<粒子状高分子樹脂の面積比率の算出方法>
ガス拡散層3M(多孔質部材30)の任意の断面における、粒子状高分子樹脂33Pの面積比率の算出方法は、以下の通りである。まず、ガス拡散層3Mを切断し、断面を研磨した後、SEMあるいは光学顕微鏡で断面写真を撮る。そして、断面写真において0.1μmから10μmの粒子状高分子樹脂33Pを選別し、全断面積に対する粒子状の高分子樹脂の面積比から面積比率を算出することができる。
図7は、ガス拡散層3Mの断面SEM写真である。導電性粒子31と、導電性繊維32と、粒子状高分子樹脂33Pと、が確認できる。なお、微細な繊維状の繊維状高分子樹脂33Fは、SEM観察時の電子線によりダメージを受けて観察されていない。
以下、本開示の実施例について説明する。各材料は以下のものを使用し、各評価は以下の方法で実施した。
[導電性粒子31]アセチレンブラック(以下AB)(電気化学工業製、デンカブラック粉状品)、ケッチェンブラック(以下KB)(ライオン製 ECP300)
[導電性繊維32]VGCF(昭和電工製、VGCF-H)
[高分子樹脂33]PTFEディスパージョン(ダイキン製)
[造孔剤]フマル酸(日本触媒製、粒子径50~200μm)
[ガス透気度試験機]ガーレー式デンソメータ(東洋精機製)
[圧縮率・引張破断強度縮試験機]引張圧縮試験機(今田製作所製)
[発電試験方法]
以下説明する実施例、比較例で製造したガス拡散層3をカソード側ガス拡散層3b(図2参照)として使用して、以下の方法で発電試験を実施した。
電極触媒である白金粒子をカーボン粉末上に担持させた触媒担持カーボン(田中貴金属工業(株)製のTEC10E50E、50質量%がPt)と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質溶液(ソルベイソレクシス(株)製のアクイヴィオン、D79-20BS)とを、エタノールと水との混合分散媒(質量比1:1)に分散させてカソード触媒層形成用インクを調製した。高分子電解質は、塗布形成後の触媒層中の高分子電解質の質量が、触媒担持カーボンの質量の0.4倍となるように添加した。
得られたカソード触媒層形成用インクを、高分子電解質膜1(ジャパンゴアテックス(株)製のGSII、120mm×120mm)の一方の面に、スプレー法によって塗布し、白金担持量が0.3mg/cmとなるようにカソード触媒層2b(図2参照)を形成した。
次に、カソード電極と同様に、白金担持量が0.1mg/cmとなるようにアノード触媒層2a(図2参照)を形成した。
アノード側ガス拡散層3a(図2参照)としては、SGL社製のカーボンペーパーを使用した。
上記製造したカソード側ガス拡散層3bをカソード触媒層2bと接合させ、アノード側ガス拡散層3aをアノード触媒層2aと接合させることにより、MEA20を得た。
次に、流路の形成されたセパレータ4を用いて、燃料電池100を製造した。すなわち、MEA20を、燃料ガス供給用の流体流路5および冷却水流路を有するアノード側セパレータ4aと、酸化剤ガス供給用のガス流路を有するカソード側セパレータ4bとで挟持し、カソードおよびアノードの周囲にフッ素ゴム製のガスケットを配置することで単電池とした。有効電極(アノードまたはカソード)面積は36cmである。
セル電圧の測定時には、以下の条件を使用した。セル温度を75℃に制御し、アノード側のガス流路に燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソード側のガス流路に空気を供給した。水素ガスのストイキオメトリは1.5、空気のストイキオメトリは1.8とした。燃料ガスおよび空気は、いずれも露点が75℃となるように加湿してから単電池に供給した。
発電評価は、電流密度0A/cmから2.0A/cmまで、0.5A/cmごとに、3分間保持してセル電圧を測定し、2.0A/cmのときのセル電圧を記録した。
<合格範囲>
圧縮率は、面圧7kgf/cmで圧縮されたときに、ガス拡散性と触媒層との密着性を両立するため、85%以上98%以下を合格とした。
カーレー数は、ガス拡散性、水の排出性・保水性を確保するために、5sec/100mL以上150sec/100mL以下を合格とした。
引張破断強度は、自立膜として取り扱うために、0.05N/mm以上を合格とした。
セル電圧は、 比較例を超える性能として、580mV以上を合格とした。


(実施例1~6)
実施例1~6において、上記製造方法を用いてガス拡散層3を製造したが、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、VGCF、PTFEの塑性比が互いに異なっている。具体的には、表1に示す組成比で、厚み100μmのガス拡散層3を製造した。
これらの実施例1~6において、ガス拡散層3の全面積に対する凝集体34の面積比、全面積に対する粒子状高分子樹脂33Pの面積比、累積細孔容積、細孔径の分布のピーク、多孔度、7kgf/cmで圧縮したときの圧縮率(7kgf/cm時の厚み/圧縮前の厚み)、ガーレー数、引張破断強度、セル電圧を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0007249574000001
(実施例7~11)
実施例7~11において、上記製造方法を用いてガス拡散層3を製造したが、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、VGCF、PTFEの塑性比が互いに異なっている。具体的には、表1に示す組成比で、厚み140μmのガス拡散層3を製造した。
これらの実施例7~11において、ガス拡散層3の全面積に対する凝集体34の面積比、全面積に対する粒子状高分子樹脂33Pの面積比、累積細孔容積、細孔径の分布のピーク、多孔度、7kgf/cmで圧縮したときの圧縮率(7kgf/cm時の厚み/圧縮前の厚み)、ガーレー数、引張破断強度、セル電圧を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1~3)
比較例1は、実施例1に対して、造孔剤(フマル酸)を添加して、同様の製造方法で厚み100μmのガス拡散層3を製造した。
比較例2は、実施例1に対して、導電性粒子(KB)の量を導電性繊維(VGCF)の量よりも多くして、同様の製造方法で厚み100μmのガス拡散層3を製造した。
これらの比較例1~3において、ガス拡散層3の全面積に対する凝集体34の面積比、全面積に対する粒子状高分子樹脂33Pの面積比、累積細孔容積、細孔径の分布のピーク、多孔度、7kgf/cmで圧縮したときの圧縮率(7kgf/cm時の厚み/圧縮前の厚み)、ガーレー数、引張破断強度、セル電圧を測定した。その結果を表2に示す。
表1に示すとおり、実施例1~11のガス拡散層3は、比較例1~2のガス拡散層3に対して、ガス拡散層3の内部における凝集体34が面積比率において0.5%以上形成されている。そのため、特に高電流密度でのガス拡散性、保水性、余剰な水の排出性が向上した。その結果、表1及び表2に示すとおり、2.0A/cmの高電流密度でのセル電圧が大幅に高くなることが確認できた。
また、実施例1~11のガス拡散層3は、比較例3のガス拡散層3に対して、ガス拡散層3内部に粒子状高分子樹脂33Pが面積比で0.1%以上形成されている。そのため、特に高電流密度でのガス拡散層3の内部に水が滞留することを防止できた。その結果、表1及び表2に示すとおり、2.0A/cmの高電流密度でのセル電圧が大幅に高くなることが確認できた。
<作用・効果>
以上説明したように、本開示の実施の形態に係るガス拡散層3は、導電性粒子31と導電性繊維32と高分子樹脂33とを主成分とした多孔質部材30で構成され、多孔質部材30の内部に導電性繊維32の凝集体34が形成されており、多孔質部材30の任意の断面における凝集体34の面積比率は、0.5%以上8%以下である。
このような構成により、凝集体34内部の空孔がガスの拡散経路になるとともに、導電パスとしても機能するので、ガス拡散性及び導電性が向上し、ガス拡散層3が使用された燃料電池100の発電性能が向上する。
また、導電性繊維32の凝集体34は、電池セル10を複数重ねて燃料電池100を製造する際の締結圧で潰れないようになっているため、締結時に荷重が加わるリブ部6下におけるガス拡散を確保できる。さらに、高分子樹脂をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とし、多孔質部材30が繊維状のPTFEである繊維状高分子樹脂33Fと粒子状のPTFEである粒子状高分子樹脂33Pとを内部に有するようにすることで、PTFE粒子の近傍において撥水性を高くでき、多孔質部材30の内部における水の滞留を防止することができる。
本開示の燃料電池用ガス拡散層は、燃料電池の発電性能の向上と、低コスト化の両方を実現することができる。これにより、本開示の燃料電池用ガス拡散層は、家庭用コージェネレーションシステム、自動車用燃料電池、モバイル用燃料電池、バックアップ用燃料電池などの用途にも適用できる。
100 燃料電池
1 高分子電解質膜
2 触媒層
2a アノード触媒層
2b カソード触媒層
3 ガス拡散層
3M ガス拡散層
3a アノード側ガス拡散層
3b カソード側ガス拡散層
4 セパレータ
4a アノード側セパレータ
4b カソード側セパレータ
5 流体流路
6 リブ部
10 電池セル
11 集電板
12 絶縁板
13 端板
30 多孔質部材
31 導電性粒子
32 導電性繊維
33F 繊維状高分子樹脂
33P 粒子状高分子樹脂
34 凝集体

Claims (17)

  1. 導電性粒子と導電性繊維と高分子樹脂とを主成分とした多孔質部材で構成され、
    前記多孔質部材の内部に前記導電性繊維の凝集体が形成されており、
    前記多孔質部材の任意の断面における前記凝集体の面積比率は、0.5%以上8%以下であると共に、
    前記凝集体の内部における前記導電性粒子の存在比率は10%以下である、燃料電池用ガス拡散層。
  2. 前記多孔質部材における前記導電性繊維の量は、前記導電性粒子の量より多い、
    請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  3. 前記凝集体の径は、1~20μmである、
    請求項1又は2に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  4. 前記導電性繊維は、繊維径50nm以上300nm以下、繊維長0.5μm以上50μm以下のカーボンナノチューブである、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  5. 前記多孔質部材は、前記導電性粒子を5wt%以上35wt%未満含み、前記導電性繊維を35wt%以上80wt%以下含み、前記高分子樹脂を10wt%以上40wt%以下含む、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  6. 前記高分子樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンである、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  7. 前記高分子樹脂は、繊維状のポリテトラフルオロエチレンと粒子状のポリテトラフルオロエチレンとを有する、
    請求項6記載の燃料電池用ガス拡散層。
  8. 前記粒子状のポリテトラフルオロエチレンの径は、0.1μm以上10μm以下である、
    請求項7記載の燃料電池用ガス拡散層。
  9. 前記任意の断面における前記粒子状のポリテトラフルオロエチレンの面積比率は、0.1%以上1%以下である、
    請求項7または8に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  10. 前記多孔質部材の累積細孔容積は1.0mL/g以上1.7mL/g以下であり、且つ細孔径の分布のピークは0.05μm以上0.5μm以下にある、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  11. 前記多孔質部材の多孔度は、65%以上75%以下である、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  12. 前記多孔質部材は、面圧7kgf/cmで圧縮されたときの厚みが圧縮前の厚みに対して85%以上98%以下である、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  13. 前記多孔質部材のガーレー数は、5sec/100mL以上150sec/100mL以下である、請求項1から12のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  14. 前記多孔質部材は、引張破断強度は0.05N/mm以上であり、前記導電性粒子と前記導電性繊維と前記高分子樹脂のみで支持される自立膜である、
    請求項1から13のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  15. 前記多孔質部材の厚みは、70μm以上、200μm以下である、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散層を備える、膜電極接合体。
  17. 請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散層を備える、燃料電池。
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