JP2007048495A - 固体高分子形燃料電池用ガス拡散層およびそれを用いた固体高分子形燃料電池 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用ガス拡散層およびそれを用いた固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒層にガスが均一に供給され、ガス拡散層からの水排出性が高い、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層と、このガス拡散層を用いた、出力電圧および耐久性能が著しく向上した固体高分子形燃料電池を提供する。
【解決手段】第1多孔質層と第2多孔質層とを備え、前記第1多孔質層が触媒電極と接する固体高分子形燃料電池用ガス拡散層において、前記第2多孔質層の平均孔径は前記第1多孔質層の平均孔径よりも大きく、前記第2多孔質層は繊維状カーボンとフッ素樹脂とを備え、前記第1多孔質層はカーボン粒子とテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を含み、前記第1多孔質層におけるカーボン粒子とFEPとの合計に対するFEPの混合比率が10〜50質量%であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層およびそれを用いた固体高分子形燃料電池に関するものである。
固体高分子形燃料電池(以下「PEFC」とする)の単セルは、膜/電極接合体を一対のセパレータで挟持した構造である。その接合体は、高分子電解質膜の一方の面にアノ−ドを、他の面にカソ−ドを接合したものである。セパレータにはガス流路が加工されている。そして、アノ−ドに燃料として水素、カソ−ドに酸化剤として酸素を供給することによって、アノードでは、(1)式の電気化学反応が、カソードでは、(2)式の電気化学反応がそれぞれ進行する結果、電力を得ることができる。
アノ−ド:2H→4H+4e (1)
カソード:O+4H+4e→2HO (2)
PEFCの電極は、一般に触媒層とガス拡散層とから構成されている。その触媒層では、白金を高分散担持したカーボンと、高分子電解質とが三次元に分布することによって、電気化学反応が生じる三相界面を複数形成している。
特許文献1で開示されているように、従来のPEFCのスタックでは、固体高分子電解質膜の両主面に貴金属(主として白金)を含む触媒層を接合して形成された膜/電極接合体(MEA)の触媒層の両面には、触媒層へのガス拡散通路を確保するために多孔質のガス拡散層が配され、このガス拡散層はカーボン材のような導電性の多孔質材料で構成されていた。
特許文献2には、PEFCにおいて、導電性多孔質体からなるガス拡散層と、電極触媒とイオン交換樹脂を含有する触媒層とからなる電極を備え、ガス拡散層が、カーボン粒子と撥水性樹脂からなる層を含む技術が開示されている。すなわち、カーボンペーパーをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョンに浸漬し、乾燥・焼成することでカーボンペーパーを撥水性にした導電性多孔質基板上に、アセチレンブラックのようなカーボン粒子と、撥水性樹脂であるPTFE粉末(重量比で4:1)からなる層(カーボン層)を形成し、ガス拡散層を2層とするものである。
また、非特許文献1にも、ガス拡散層が、セパレータのガス流路から供給されたガスを均一に分配するための多孔質なカーボンペーパーなどの繊維状カーボン基材とその基材に撥水性を付与するためのフッ素樹脂とを含むマクロポーラスレイヤーと、この層の触媒層との接触抵抗を低減するために設けられるカーボンとPTFEとを含むミクロポーラスレイヤーの2層構造から形成される技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、PEFCのカソード側のガス拡散層を2層とする技術が開示されている。すなわち、カソード側のガス拡散層は、カーボンとPTFEとからなる第一層と、この第一層よりも厚い第二層からなり、第二層の気孔の平均孔径が第一層の気孔の平均孔径よりも大きく、第一層はカソードと接しており、ガス拡散層は、繊維状の多孔性基体であるカーボンペーパーに、撥水性樹脂(テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP))が塗布されたのち、この多孔性基材に導電性粒子であるカーボン粒子が充填された構成を有するものである。
なお、2層構造のガス拡散層の触媒層に接する層における、カーボンとPTFEの合計に対するPTFEの比率(重量%)は、特許文献2では25%、特許文献3では52.4%であった。
また、2層構造のガス拡散層の、触媒層に接する層と触媒層に接しない層の孔径については、特許文献2および非特許文献1には記載されていないが、特許文献3には、平均孔径は第1層が10μm未満、第2層が10μm以上であることが記載されている。
特開2000―208153号公報 特開2004−362875号公報 特開2001−338655号公報 V.A.Paganin,E.A.Ticianelli,E.R.Gonzalez,J.Appl.Electrochem.,26,297(1996)
PEFCにおいて、触媒層と接しているガス拡散層は、セパレータに形成されたガス流路から供給された反応ガスを、均一に拡散させて触媒層に供給する機能をもち、さらに、カソード側ガス拡散層は、電池反応によって生成する水を排出する機能をもっている。
特許文献1では、ガス拡散層は導電性の多孔質材料で構成された単層であり、触媒層にガスが均一に供給されないという問題があったが、この問題は、特許文献2などに記載のようにガス拡散層を2層にすることによって改善された。
しかしながら、特許文献2、特許文献3および非特許文献1に記載された2層構造のガス拡散層では、触媒層に接する層(特許文献2の「カーボン層」、特許文献3の「第一層」、非特許文献1の「ミクロポーラスレイヤー」)は、すべてカーボンとPTFEからなっていた。
2層構造のガス拡散層の触媒層に接する層の中では、撥水性が高く、さらに絶縁物であるPTFEは凝集して存在するので、排水性および電子伝導性が場所によって大きく異なる。その結果、PTFEが存在しない場所では水の滞留が生じ、一方、PTFEの凝集箇所では触媒層との接触抵抗が増大するので、電流分布の不均一が生じる。したがって、PEFCの出力電圧の低下および耐久性能の低下が起こるという問題があった。
そこで本発明の目的は、触媒層にガスが均一に供給され、ガス拡散層からの水排出性が高い、PEFC用ガス拡散層と、このガス拡散層を用いた、出力電圧および耐久性能が著しく向上したPEFCを提供することにある。
請求項1の発明は、第1多孔質層と第2多孔質層とを備え、前記第1多孔質層が触媒電極と接する固体高分子形燃料電池用ガス拡散層において、前記第2多孔質層の平均孔径は前記第1多孔質層の平均孔径よりも大きく、前記第2多孔質層は繊維状カーボンとフッ素樹脂とを備え、前記第1多孔質層はカーボン粒子とテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を含み、前記第1多孔質層におけるカーボン粒子とFEPとの合計に対するFEPの混合比率が10〜50質量%であることを特徴とする。
請求項2の発明は、固体高分子形燃料電池において、上記の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層を備えることを特徴とする。
本発明は、第1多孔質層と第2多孔質層との2層構造からなるPEFC用ガス拡散層において、第1多孔質層がカーボン粒子とテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を含むことにより、FEPが第1多孔質層中に均一に分散し、ガス拡散層内部に滞留した水の排出性が高くなり、電流分布が均一になるものである。
すなわち、FEPはPTFEと比較して、ディスパージョン中の沈降速度が小さく安定であること、および溶融粘度が低いことから、凝集しにくいので、第1多孔質層中に均一に分散することができ、排水性や電子伝導性を向上させることができる。また、第1多孔質層を通過した反応ガスは触媒層に均一に供給される。
一方、第2多孔質層は繊維状カーボンとフッ素樹脂とからなり、カーボン粒子を含まず、第1多孔質層に比べて平均孔径が大きいため、反応ガスの供給および反応生成物である水の排出が容易に行われる。
そして、この2層構造のガス拡散層を使用することによって、PEFCの出力電圧および耐久性能が著しく向上するものである。
本発明のPEFC用ガス拡散層は、カーボン粒子とFEPとを含む第1多孔質層と、繊維状カーボン(電極基材)とフッ素樹脂(PTFE、FEPなど)とを含む第2多孔質層の2層構造であり、第1多孔質層が触媒電極と接している。
また、第1多孔質層はカーボン粒子とテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を含み、第1多孔質層におけるカーボン粒子とFEPとの合計に対するFEPの混合比率が10〜50質量%である。第1多孔質層中のFEPの配合比率は、10質量%より小さい場合にはフラッディングを抑制する効果が得られず、50質量%より高くなるとFEPが絶縁物であることによって電子伝導性が低下する。したがって、第1多孔質層において、フラッディングを抑制し、同時に良好な電子伝導性を保つためには、FEPの混合比率は10〜50質量%の範囲としなければならない。
本発明のガス拡散層においては、第2多孔質層の平均孔径は前記第1多孔質層の平均孔径よりも大きい。そして、第1多孔質層の平均孔径は0.01〜10μmの範囲とし、第2多孔質層の平均孔径は10〜100μmの範囲とした場合に、反応ガスの供給がより均一となり、反応生成物である水の排出が容易になる。
第1多孔質層および第2多孔質層の平均孔径分布は、水銀圧入法を用いたポロシメーター(AutoPoreIII 9400、島津製作所製)を用いて測定することができる。
第1多孔質層に撥水性を持たせるために加えるフッ素樹脂には、従来はPTFEが用いられていたが、本発明ではPTFEに代えてFEPを用いることが特徴である。PTFEとFEPの溶融粘度および粒子サイズを表1に示した。
Figure 2007048495
表1から、PTFEに比べてFEPの方が、粘度が低く、粒子サイズが小さく、そのため、FEPを用いた第1多孔質層中では、FEPがPTFEよりも均一に分散しやすいことがわかる。
なお、本発明で用いるFEPは、テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体であるため、FEPの粘度や粒子サイズは、共重合体に含まれるTFEとHFPの組成によって変化することが考えられる。しかし、市販品で入手可能なFEPの組成は、HFPを14〜25wt%含むものであり、この組成範囲のFEPの粘度や粒子サイズは表1の範囲に入っている。
本発明の第1多孔質層に用いるカーボン粒子の種類は、特に限定されるものではないが、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラックを用いることができる。例えば、デンカブラック、バルカンXC−72、ケッチェンブラックEC、ブラックパール2000等のカーボンブラックが好ましい。
第2多孔質層に用いる電極基材としての繊維状カーボンは、カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロスなどを用いることができる。厚さのばらつきの少ない、カーボンペーパーが好ましい。その多孔度は、60%以上90%以下が反応ガスの拡散性が高いので好ましい。
つぎに、本発明のPEFC用ガス拡散層の製造方法について述べる。まず、PTFEのディスパージョンに、カーボンペーパーを浸漬させたのち、自然乾燥する。PTFEのディスパージョンは、粒子径が0.2μm以上、0.4μm以下で、固形分が10質量%以上、60質量%以下であるものが、電極基材である繊維状カーボンに均一に撥水性を付与することができるので好ましい。つづいて、カーボン、FEPのディスパージョン、および溶媒とから構成されるスラリーを、撥水性を付与したカーボンペーパー上に塗布したのち、260℃で加熱乾燥する。
FEPディスパージョンは、FEPの粒子径が0.1μm以上、0.26μm以下で、固形分が10質量%以上、60質量%以下であるものが、第1多孔質層中に均一に分散させることができるので好ましい。
FEPのディスパージョンを含むスラリーに用いる溶媒は、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒、および水、もしくは、水と所定の割合で混合した混合溶媒などを用いることができる。
なお、第1多孔質層の厚さは10μm以上、40μm以下で、下記の式で求められる多孔度(%)は65%以上、90%以下であることが、反応ガスの拡散性が高いので好ましい。
多孔度=(1−(第1多孔質層の重量/第1多孔質層の体積/真密度))×100
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する。
[実施例1〜5および比較例1〜10]
[実施例1]
まず、カーボンペーパー(厚さ:196μm、多孔度:78%、東レ製)を、10質量%に脱イオン水で希釈したPTFEディスパージョン(PTFE30J、固形分:60.4%、三井・デュポンフロロケミカル製)に含浸させたのちに、自然乾燥し、カーボンペーパーに撥水性を付与し、これを第2多孔質層とした。
つぎに、FEPディスパージョン(FEP120J、固形分:53.8%、三井・デュポンフロロケミカル製)とカーボン(VulcanXC−72、Cabot製)5gと脱イオン水と2−プロパノールとの混合溶媒(水:2−プロパノール=1:1、ナカライテスク製)80gとを混合して、スラリーを作製した。
このスラリーを、撥水性を付与したカーボンペーパーの片面に塗布したのちに、260℃で焼成し、第1多孔質層とし、2層構造からなる本発明のPEFC用ガス拡散層を作製した。これを実施例1のガス拡散層aとし、このガス拡散層aをカソード側およびアノード側に用いたPEFCを作製し、これを実施例1のPEFC(A)とする。
得られたガス拡散層Aにおいて、第2多孔質層に含まれるPTFEとカーボンペーパーの合計重量に対する第2多孔質層に含まれるPTFEの重量の比率は10質量%、また、第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率は10質量%とした。
また、水銀圧入法を用いたポロシメーター(AutoPoreIII 9400、島津製作所製)を用いて測定した第1多孔質層の平均孔径は0.08μm、第2多孔質層の平均孔径は60μmであった。また、第2多孔質層の多孔度は78%であった。
[実施例2]
第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率を20質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のガス拡散層bおよびPEFC(B)を作製した。
[実施例3]
第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率を30質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のガス拡散層cおよびPEFC(C)を作製した。
[実施例4]
第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率を40質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4のガス拡散層dおよびPEFC(D)を作製した。
[実施例5]
第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率を50質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5のガス拡散層eおよびPEFC(E)を作製した。
[比較例1]
第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率を5質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1のガス拡散層fおよびPEFC(F)を作製した。
[比較例2]
第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率を60質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2のガス拡散層gおよびPEFC(G)を作製した。
[比較例3]
第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率を70質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3のガス拡散層hおよびPEFC(H)を作製した。
[比較例4]
第1多孔質層において、FEPとカーボン粒子の合計重量に対するFEPの重量の比率を80質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4のガス拡散層iおよびPEFC(I)を作製した。
[比較例5]
スラリーを作製する場合、FEPディスパージョンの代わりにPTFEディスパージョン(PTFE30J、固形分:60.4%、三井・デュポンフロロケミカル製)を用い、第1多孔質層において、PTFEとカーボン粒子の合計重量に対するPTFEの重量の比率を5質量%としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例5のガス拡散層jおよびPEFC(J)を作製した。
[比較例6]
第1多孔質層において、PTFEとカーボン粒子の合計重量に対するPTFEの重量の比率を10質量%としたこと以外は比較例5と同様にして、比較例6のガス拡散層kおよびPEFC(K)を作製した。
[比較例7]
第1多孔質層において、PTFEとカーボン粒子の合計重量に対するPTFEの重量の比率を20質量%としたこと以外は比較例5と同様にして、比較例7のガス拡散層lおよびPEFC(L)を作製した。
[比較例8]
第1多孔質層において、PTFEとカーボン粒子の合計重量に対するPTFEの重量の比率を30質量%としたこと以外は比較例5と同様にして、比較例8のガス拡散層mおよびPEFC(M)を作製した。
[比較例9]
第1多孔質層において、PTFEとカーボン粒子の合計重量に対するPTFEの重量の比率を40質量%としたこと以外は比較例5と同様にして、比較例9のガス拡散層nよびPEFC(N)を作製した。
[比較例10]
第1多孔質層において、PTFEとカーボン粒子の合計重量に対するPTFEの重量の比率を50質量%としたこと以外は比較例5と同様にして、比較例10のガス拡散層oおよびPEFC(O)を作製した。
実施例1〜5および比較例1〜10で作製したガス拡散層およびPEFCの内容を表2にまとめた。
Figure 2007048495
[特性測定]
実施例1〜5および比較例1〜10のPEFC(A)〜(O)について、まず、第1多孔質層中のフッ素樹脂の種類および配合比率がPEFC単セルの分極特性におよぼす影響を調べるために、400mA/cmの電流密度におけるセル電圧を測定した。つぎに、第1多孔質層中のフッ素樹脂がPEFCの耐久性能におよぼす影響を調べるために、300mA/cmの電流密度で連続運転した場合の、1000時間後のセル電圧の変化量を測定した。
なお、測定条件はいずれも、燃料に水素(ガス利用率80%)、酸化剤に空気(ガス利用率40%)を用いて、セル温度70℃とした。測定結果を表3にまとめた。
Figure 2007048495
この測定から得られたPEFC単セルの、第1多孔質層中のフッ素樹脂の種類および配合比率と、400mA/cmの電流密度におけるセル電圧との関係を図1に示す。図1から、フッ素樹脂の種類はFEPの場合の方がPTFEに比べてセル電圧が高いことがわかった。また、FEPの場合、配合比率が10質量%以上、50質量%以下の場合に、高いセル電圧を示し、この範囲では、PTFEを用いた場合よりもセル電圧は高くなることがわかった。
このことは、FEPの分散性がPTFEに比べて高いので、第1多孔質層中において、FEPが低い配合率でも撥水性を付与することができ、高い配合率においても、触媒層との接触抵抗が低く、均一に分散していることに起因するものと考えられる。
また、第1多孔質層中のフッ素樹脂の種類および配合比率と、300mA/cmの電流密度で連続運転した場合の1000時間後のセル電圧の変化量との関係を図2に示す。なお、セル電圧の変化量は、連続運転開始直後のセル電圧と1000時間後のセル電圧との差とした。
図2から、フッ素樹脂の種類はFEPの場合の方がPTFEに比べてセル電圧の変化量が小さく、また、FEPの場合、配合比率が10質量%以上、50質量%以下の場合に、耐久性能が優れていることが明らかとなった。
以上のことは、FEPがPTFEと比較して、第1多孔質層中におけるフッ素樹脂の分散性が高く、その結果、電極内部の水の排出性能が向上し、さらに、電流分布が均一になったこととに起因するものと考えられる。
[実施例6、7および比較例11]
[実施例6]
第2多孔質層に用いた撥水性を付与したカーボンペーパーに、同じ撥水性を付与したカーボンペーパーを粉砕して得たカーボン繊維を充填して、平均孔径を30μmとしたこと以外は実施例3と同様にして、実施例6のガス拡散層pおよびPEFC(P)を作製した。
[実施例7]
第2多孔質層に用いた撥水性を付与したカーボンペーパーに、同じ撥水性を付与したカーボンペーパーを粉砕して得たカーボン繊維を充填して、平均孔径を10μmとしたこと以外は実施例3と同様にして、実施例7のガス拡散層qおよびPEFC(Q)を作製した。
[比較例11]
第2多孔質層に用いた撥水性を付与したカーボンペーパーの空孔部に、FEPディスパージョン(FEP120J、固形分:53.8%、三井・デュポンフロロケミカル製)とカーボン(VulcanXC72、Cabot製)5gと脱イオン水と2−プロパノールとの混合溶媒(水:2−プロパノール=1:1、ナカライテスク製)80gとを混合したスラリーを充填したのちに、260℃で焼成し、平均孔径を0.08μmとしたこと以外は実施例3と同様にして、比較例11のガス拡散層rおよびPEFC(R)を作製した。
第2多孔質層の平均孔径がPEFC単セルの分極特性におよぼす影響を調査するために、実施例6、7および比較例11のPEFC(P)〜(R)について、400mA/cmの電流密度におけるセル電圧を測定した。測定条件は、燃料に水素(ガス利用率80%)、酸化剤に空気(ガス利用率40%)を用いて、セル温度70℃とした。
ここで作製した実施例6、7および比較例11で作製したガス拡散層およびPEFCの内容および測定結果を表4にまとめた。なお、表4には、比較のため、実施例3の結果も示した。
Figure 2007048495
表4から、平均孔径が第1多孔質層よりも第2多孔質層の方が大きい、実施例2、4および5のPEFCでは、セル電圧は高くなったが、平均孔径が第1多孔質層と第2多孔質とが等しい比較例6のPEFCでは、セル電圧はかなり低くなった。この原因は、第2多孔質層の孔径が小さくなったため、反応ガスの供給と水の排出がスムーズに行われなくなったためであると考えられる。
[実施例8〜11]
[実施例8]
第2多孔質層に用いた撥水性を付与したカーボンペーパーを、加圧圧縮して空孔率を50%としたこと以外は実施例3と同様にして、実施例8のガス拡散層sおよびPEFC(S)を作製した。
[実施例9]
第2多孔質層に用いた撥水性を付与したカーボンペーパーを、加圧圧縮して空孔率を60%としたこと以外は実施例3と同様にして、実施例9のガス拡散層tおよびPEFC(T)を作製した。
[実施例10]
第2多孔質層に用いた撥水性を付与したカーボンペーパーを、加圧圧縮して空孔率を90%としたこと以外は実施例3と同様にして、実施例10のガス拡散層uおよびPEFC(U)を作製した。
[実施例11]
第2多孔質層に用いた撥水性を付与したカーボンペーパーを、加圧圧縮して空孔率を95%としたこと以外は実施例3と同様にして、実施例11のガス拡散層vおよびPEFC(V)を作製した。
第2多孔質層の空孔率がPEFC単セルの分極特性におよぼす影響を調査するために、実施例8〜11のPEFC(S)〜(V)について、400mA/cmの電流密度におけるセル電圧を測定した。測定条件は、燃料に水素(ガス利用率80%)、酸化剤に空気(ガス利用率40%)を用いて、セル温度70℃とした。
ここで作製した実施例8〜11で作製したガス拡散層およびPEFCの内容および測定結果を表5にまとめた。なお、表5には、比較のため、実施例3の結果も示した。
Figure 2007048495
表5の結果から、実施例9、3および10の、第2多孔質層の空孔率が60〜90%の範囲の場合のPEFCでは、セル電圧は高かったが、空孔率が50%の実施例8および空孔率が95%の実施例11のPEFCでは、セル電圧はやや低くなった。この原因は、第2多孔質層の空孔率が60%より小さい場合には、反応ガスの供給と水の排出がやや悪くなり、空孔率が90%を越える場合には、第2多孔質層の電気抵抗が高くなったものと考えられる。
[実施例12、13]
[実施例12]
第2多孔質層に用いるカーボンペーパーに撥水性を付与する際、PTFEの代わりにFEPを用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例12のガス拡散層wおよびPEFC(W)を作製した。
[実施例13]
第2多孔質層に用いるカーボンペーパーに撥水性を付与する際、PTFEの代わりにポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例13のガス拡散層xおよびPEFC(X)を作製した。
実施例12および13のPEFC(W)、(X)について、実施例3と同じ条件で、400mA/cmの電流密度におけるセル電圧を測定した。その結果、PEFC(W)および(X)のセル電圧は、実施例3のPEFC(C)のセル電圧とほぼ同じであった。
したがって、第2多孔質層に用いるカーボンペーパーに撥水性を付与するフッ素樹脂の種類は、セル電圧に影響しないことがわかった。
[実施例14〜16]
[実施例14]
第1多孔質層に用いるカーボンとして、VulcanXC−72の代わりにデンカブラックを用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例14のガス拡散層yおよびPEFC(Y)を作製した。
[実施例15]
第1多孔質層に用いるカーボンとして、VulcanXC−72の代わりにケッチェンブラックECを用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例15のガス拡散層zおよびPEFC(Z)を作製した。
[実施例16]
第1多孔質層に用いるカーボンとして、VulcanXC−72の代わりにブラックパール2000を用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例16のガス拡散層aaおよびPEFC(AA)を作製した。
実施例14〜16のPEFC(Y)〜(AA)について、実施例3と同じ条件で、400mA/cmの電流密度におけるセル電圧を測定した。その結果、PEFC(Y)〜(AA)のセル電圧は、実施例3のPEFC(C)のセル電圧とほぼ同じであった。
したがって、第1多孔質層に用いるカーボン粒子の種類は、セル電圧に影響しないことがわかった。
電流密度400mA/cmにおける、PEFC単セルの、第1多孔質層中のフッ素樹脂の種類および配合比率とセル電圧との関係を示す図。 電流密度300mA/cmで連続運転した場合の、第1多孔質層中のフッ素樹脂の種類および配合比率と、1000時間後のセル電圧の変化量との関係を示す図。

Claims (2)

  1. 第1多孔質層と第2多孔質層とを備え、前記第1多孔質層が触媒電極と接する固体高分子形燃料電池用ガス拡散層において、前記第2多孔質層の平均孔径は前記第1多孔質層の平均孔径よりも大きく、前記第2多孔質層は繊維状カーボンとフッ素樹脂とを備え、前記第1多孔質層はカーボン粒子とテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を含み、前記第1多孔質層におけるカーボン粒子とFEPとの合計に対するFEPの混合比率が10〜50質量%であることを特徴とする固体高分子形燃料電池用ガス拡散層。
  2. 請求項1記載の固体高分子形燃料電池用ガス拡散層を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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