JP2013206717A - 燃料電池の拡散層構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い温度範囲で、加湿状態によらずに安定して高い発電性能が得られる燃料電池の拡散層構造を提供すること。
【解決手段】固体高分子電解質膜21の両側に電極が設けられた膜電極構造体20に配置された固体高分子型燃料電池1の拡散層構造10であって、拡散層11と、電解質膜21側の拡散層11上に形成され且つ主としてカーボン及びフッ素樹脂からなる微多孔層12と、を備え、透過面積1.86cmの前記拡散層11に対して流量2L/分の空気が透過するときに生じる圧力損失の実測値をP1とし、前記圧力損失の理論値をP2(=厚み×10−7×(1−空孔率)/(平均流量細孔径×空孔率)としたときに、P2に対するP1の比P1/P2が2〜15であり、微多孔層12の透水圧が5〜180kPaである。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の拡散層構造に関する。より詳しくは、固体高分子型燃料電池の拡散層構造に関する。
近年、自動車の新たな動力源等として、反応ガスを電気化学反応させて発電する燃料電池が注目されている。燃料電池は、電気化学反応により直接的に電気を得るため、発電効率が高い点で好ましいとされている。また燃料電池は、発電時に無害な水しか生成しないため、環境への影響の点からも好ましいとされている。
例えば固体高分子型燃料電池は、数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造を有する。各セルは、膜電極構造体(MEA)を、導電性の一対のセパレータで挟持して構成される。膜電極構造体は、アノード電極(陰極)及びカソード電極(陽極)と、これらの電極に挟持されたスルホン酸系樹脂からなる電解質膜とで構成される。両電極は、電解質膜に接する白金系の金属触媒を含む電極触媒層と、この電極触媒層に接し且つ反応ガスの供給及び生成水の排出を行う導電性の拡散層と、を備える。セパレータには、その一方の面に燃料ガス流路が形成され、他方の面に酸化剤ガス流路が形成される。
上記のような構成を備える固体高分子型燃料電池では、燃料ガス流路を介して、アノード電極に燃料ガスとしての水素を供給する。また、酸化剤ガス流路を介して、カソード電極に酸化剤ガスとしての空気を供給する。すると、アノード電極に供給された水素が電極触媒層上でプロトン化され、生成したプロトンが電解質膜を介してカソード電極へと移動する。このとき、プロトンとともに生成した電子が外部回路に取り出され、電気エネルギーとして利用される。
ところで、電解質膜は、水分を失うと導電性が著しく低下するため、通常、燃料ガス及び酸化剤ガスは予め加湿されてセル内に供給される。その際には、拡散層により、燃料ガス及び酸化剤ガスを効率良く供給するとともに、生成水の排出を円滑に行うことが重要である。そのため、拡散層の細孔径や密度(空孔率)、撥水性等について、様々な検討が行われている。
例えば、ガス拡散基材上に導電性撥水層を設け、この導電性撥水層の細孔径を所定範囲内に規定した燃料電池用拡散層が開示されている(特許文献1参照)。また、炭素繊維を樹脂炭化物で結着することにより形成され、細孔径及び炭素繊維径を所定範囲内に規定した拡散層としての多孔質炭素シートが開示されている(特許文献2参照)。
特開2010−129310号公報 国際公開第2007/037084号
ところで、従来の燃料電池では、運転状態が定常状態の場合には、加湿ガスの流量や負荷電流値を一定の範囲内で制御することで、安定した発電性能を示す。しかしながら、運転状態が刻々と変わる自動車用途では、安定した発電性能が得られていないのが現状であり、運転状態によらずに高い発電性能が得られる燃料電池が求められている。特に、常温からの始動を考慮して、常温〜80℃以上の広い温度範囲において、加湿状態によらずに安定して高い発電性能が得られる燃料電池が求められる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、広い温度範囲で、加湿状態によらずに安定して高い発電性能が得られる燃料電池の拡散層構造を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、電解質膜(例えば、後述の高分子電解質膜21)の両側に電極が設けられた膜電極構造体(例えば、後述の膜電極構造体20)に配置された燃料電池(例えば、固体高分子型燃料電池1)の拡散層構造(例えば、後述の拡散層構造10)であって、拡散層(例えば、後述の拡散層11)と、上記電解質膜側の上記拡散層上に形成され且つ主としてカーボン及びフッ素樹脂からなる微多孔層(例えば、後述の微多孔層12)と、を備え、透過面積1.86cmの上記拡散層に対して流量2L/分の空気が透過するときに生じる圧力損失の実測値をP1とし、下記式(1)で定義される上記圧力損失の理論値をP2としたときに、上記P2に対する上記P1の比P1/P2が、2〜15であり、上記微多孔層の透水圧が、5〜180kPaであることを特徴とする燃料電池の拡散層構造を提供する。
Figure 2013206717
[式(1)中、厚みは上記拡散層の厚み(μm)を表し、空孔率は上記拡散層の空孔率(%)を表し、平均流量細孔径は上記拡散層の平均流量細孔径(μm)を表す。]
本発明では、電解質膜側の拡散層上に、主としてカーボン及びフッ素樹脂からなる微多孔層を設ける。また、上記式(1)で表される拡散層の圧力損失の理論値P2に対する実測値P1の比P1/P2を、2〜15の範囲内に設定する。
ここで、拡散層の圧力損失の理論値P2に対する実測値P1の比P1/P2は、拡散層内の細孔の屈曲性と相関のあるパラメータである。即ち、P1/P2の値が大きいほど拡散層内の細孔の屈曲性が高く、細孔が曲がりくねっていることを意味する。従って、P1/P2の値を2〜15の範囲内に制限することにより、細孔の屈曲性を抑制できるため、拡散層の圧力損失が抑制され、電極で生じた水蒸気が効率良く排出される。そのため、電極近傍の酸素分圧を高めることができ、発電性能を向上できる。また、水蒸気が効率良く排出されることで、低温時における水蒸気の凝縮が抑制され、フラッティングの発生を抑制できる。従って、本発明によれば、低温域から高温域まで幅広い温度範囲で、高い発電性能が得られる。特に、低温高加湿時において、高い発電性能が得られる。
また、本発明では、上記P1/P2を上記範囲内に設定するとともに、微多孔層の透水圧を、5〜180kPaの範囲内に設定する。これにより、電極で生じた生成水が微多孔層を透過して排出されるのを抑制でき、生成水を電極側で保持できる。そのため、膜電極構造体を保湿でき、加湿状態によらずに高い発電性能が得られる。特に、高温低加湿時において、高い発電性能が得られる。
本発明によれば、広い温度範囲で、加湿状態によらずに安定して高い発電性能が得られる燃料電池の拡散層構造を提供できる。
本発明の一実施形態に係る固体高分子型燃料電池の拡散層構造を模式的に示す図である。 圧力損失測定装置の構成を示す図であり、(A)が全体構成を示す図であり、(B)が圧力損失測定装置の通気リングの平面図である。 パームポロメーターを用いたバブルポイント法により測定される圧力と流量との関係を示す図である。 P1/P2と端子電圧との関係を示す図である。 微多孔層の透水圧と端子電圧との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る固体高分子型燃料電池1の拡散層構造10を模式的に示す図である。図1は、固体高分子型燃料電池1のカソード側の構成を示しており、本実施形態に係る拡散層構造10は、固体高分子型燃料電池1のカソード側の拡散層にのみ適用されている。
固体高分子型燃料電池1は、図示しない数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造を有する。各セルは、膜電極構造体(MEA)20を、導電性の一対のセパレータで挟持して構成される。図1に示すように、カソード側のセパレータ30には、酸化剤ガス流路31が形成される。
膜電極構造体20は、固体高分子電解質膜21と、この固体高分子電解質膜21の両側に配置されたカソード電極触媒層22及びアノード電極触媒層を備える。
固体高分子電解質膜21は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水を含浸させることで形成される。カソード電極触媒層22及びアノード電極触媒層は、白金等が表面に担持された多孔質カーボン粒子を含んで構成される。膜電極構造体20のカソード側には、本実施形態に係る拡散層構造10が配置されている。
本実施形態に係る拡散層構造10は、拡散層11と、微多孔層12と、を備える。拡散層11は、セパレータ30に接して配置されている。微多孔層12は、拡散層11上に形成されて、カソード電極触媒層22に接して配置されている。
拡散層11は、酸化剤ガスとしての酸素を拡散させて、カソード電極触媒層の全体に効率良く酸素を供給する機能を有する。拡散層11としては、カーボンファイバーと炭化樹脂(バインダー樹脂)を含むカーボンペーパーを、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂で撥水処理したものが用いられる。
ところで、拡散層を、カソード電極触媒層に直接接触させて配置すると、カソード電極触媒層で生じた生成水が拡散層に浸透し、フラッディング現象が発生する。フラッティング現象が発生すると、固体高分子電解質膜に対する酸素の供給が阻害され、発電性能が低下する。また、拡散層内に生成水が一旦溜まると、溜まった生成水を除去することは容易ではない。
そのため本実施形態では、カソード電極触媒層22と拡散層11との間に、微多孔層12が配置されている。図1に示すように、微多孔層12は、水蒸気や酸素は透過するが、液水は透過しない特性を有する。このような特性を有する微多孔層12をカソード電極触媒層22と拡散層11との間に配置することで、拡散層11におけるフラッディング現象の発生が抑制される。
微多孔層12は、主としてカーボン及びフッ素樹脂から構成される。カーボンとしては、例えば気層法炭素繊維が用いられる。フッ素樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)が用いられる。
微多孔層12は、カーボン及びフッ素樹脂を含むペーストを調製し、かかるペーストを、上記の拡散層11上に塗布して熱処理することで形成される。あるいは、上記ペーストを用いて、拡散層11とは別に、シート状に形成したものを用いてもよい。
本実施形態では、拡散層11を空気が透過するときに生じる圧力損失の実測値をP1とし、上記式(1)で定義される拡散層11の圧力損失の理論値をP2としたときに、P2に対するP1の比P1/P2が、2〜15の範囲内に設定されている。P1/P2の値がこの範囲内であれば、広い温度範囲で、加湿状態によらずに安定して高い発電性能が得られる。
なお、P1/P2の値を2〜15の範囲内に調整する方法としては、例えば、拡散層11を構成するカーボンペーパー中のカーボンファイバーと炭化樹脂(バインダー樹脂)の含有比率を変更する手法が挙げられる。
ここで、拡散層11を空気が透過するときに生じる圧力損失の実測値P1の測定方法について、詳しく説明する。
図2は、圧力損失測定装置50の構成を示す図であり、(A)が全体構成を示す図であり、(B)が圧力損失測定装置50の通気リング510の平面図である。
図2(A)に示すように、圧力損失測定装置50は、基部51と、測定試料S(拡散層11)を固定して保持するホルダ部52と、流量を制御して空気を供給するマスフローコントローラ53と、測定試料Sに対して厚み方向に荷重を付加するロードセル54と、空気が導入されるエア導入部56と、測定試料Sを透過した空気を排出するために大気開放されたエア排出部57と、エア導入部56とエア排出部57との差圧を計測する差圧計55と、を備える。
図2に示すように、ホルダ部52は、略水平で互いに対向する上板部521及び下板部522と、これら上板部521及び下板部522にそれぞれ設けられ、測定試料Sを介して互いに対向する位置に設けられた通気リング510,510を備える。
図2(B)に示すように、通気リング510は、円筒形状であり、その内部には環状の溝部512が形成されている。溝部512は、測定試料S側に開口して形成される。また、通気リング510,510の上板部521又は下板部522との接続面513,513には、それぞれ、エア導入部56又はエア排出部57に開口する2つの孔部511,511が設けられている。これにより、エア導入部56から孔部511,511を介して、下板部522に設けられた通気リング510の溝部512内に空気が導入される。また、測定試料Sを透過した空気が、上板部521に設けられた通気リング510の溝部512内に空気が導入され、孔部511,511を介してエア排出部57に排出される。
圧力損失測定装置50による拡散層11の圧力損失の測定手順は、次の通りである。
先ず、測定試料S(拡散層11)を、通気リング510,510を介して、ホルダ部52にセットする。次いで、ロードセル54により、測定試料Sに対して下方に所定の荷重を付加する。次いで、マスフローコントローラ53から空気の供給を開始する。すると、エア導入部56から孔部511,511を介して、下板部522に設けられた通気リング510の溝部512内に空気が導入される。通気リング510の溝部512に供給された空気は、測定試料Sを透過して、上板部521に対向して配設されている通気リング510の溝部512内に導入される。そして、孔部511,511を介して、エア排出部57に排出される。このとき、エア導入部56とエア排出部57との差圧を、差圧計55により計測する。これにより、測定試料S(拡散層11)の圧力損失(透過圧損)の実測値P1が測定される。
なお、圧力損失測定装置50の測定条件としては、測定試料S(拡散層11)の透過面積が1.86cmであり、供給する空気の流量が2L/分であればよい。また、ガス圧(エア導入部56への投入圧)としては100kPaG、測定面圧としては15kgf/cmとしてよい。
次に、拡散層11の圧力損失の理論値P2について、詳しく説明する。
拡散層11の圧力損失の理論値P2は、下記式(1)で定義される。
Figure 2013206717
[式(1)中、厚みは上記拡散層の厚み(μm)を表し、空孔率は上記拡散層の空孔率(%)を表し、平均流量細孔径は上記拡散層の平均流量細孔径(μm)を表す。]
ここで、固定充填層における単一流体の圧力損失(透過圧損)を表現する式として、コゼニーカルマンの式が知られている。この式は、層内における流路を均一系の毛細管の集合と見なし、ポアズイユの式を適用することで得られる。従って、拡散層11における空気の圧力損失をΔPとすると、ΔPは下記式(2)で表される。
Figure 2013206717
上記式(2)において、細孔長さとしては、拡散層11の厚み(μm)を用いることができる。細孔径としては、平均流量細孔径(μm)を用いることができる。そして、αは定数であることから、上記式(2)に基づいて、拡散層11の圧力損失の理論値P2を、上記式(1)のように定義できることが分かる。
なお、平均流量細孔径については、パームポロメーター(例えば、PMI社製パームポロメーター)を用いて、バブルポイント法により測定される。
ここで、バブルポイント法とは、表面張力と毛管現象により、細孔中に満たされた液体を押し出すのに必要な圧力を測定することで、試料の最大細孔径や最小細孔径を求める手法である。
図3は、パームポロメーターを用いたバブルポイント法により測定される圧力と流量との関係を示す図である。図3に示すように、バブルポイント法では、試料を濡らした状態と乾燥させた状態のそれぞれについて測定を実施することで、濡れ流量曲線を得るとともに、乾き曲線を得る。このとき、濡れ曲線において流量が検出され始める点が最大細孔径(バブルポイント)を表し、濡れ曲線と乾き曲線との交点が最小細孔径を表している。そして、乾き曲線の流量を1/2とした1/2乾き流量曲線(ハーフドライ曲線)を求め、求めた1/2乾き流量曲線と濡れ流量曲線との交点が、平均流量細孔径を表している。
従って、本実施形態では、パームポロメーターにより測定される平均流量細孔径を用い、上記式(1)に従って、拡散層11の圧力損失の理論値P2を算出する。
また、本実施形態では、微多孔層12の透水圧が、5〜180kPaの範囲内に設定されている。ここで、透水圧とは、水が浸入し始める圧力を意味する。本実施形態では、微多孔層12の透水圧は、次のようにして測定される。
先ず、カーボンペーパー上に微多孔層を形成し、これを測定試料とする。次いで、測定試料の微多孔層上に、純水を2ml滴下して水膜を形成する。測定装置として、パームポロメーター(例えば、PMI社製パームポロメーター)を用いて、上記の水膜に徐々に空気圧を付加していき、純水が測定試料の細孔を透過するのに必要な最低圧力を計測する。計測された最低圧力を、微多孔層の透水圧とする。
なお、微多孔層12の透水圧を5〜180kPaの範囲内に調整する手法としては、例えば、微多孔層12中のカーボンの含有量を変更する手法が挙げられる。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、固体高分子電解質膜21側の拡散層11上に、主としてカーボン及びフッ素樹脂からなる微多孔層12を設けた。また、上記式(1)で表される拡散層11の圧力損失の理論値P2に対する実測値P1の比P1/P2を、2〜15の範囲内に設定した。ここで、拡散層11の圧力損失の理論値P2に対する実測値P1の比P1/P2は、拡散層11内の細孔の屈曲性と相関のあるパラメータである。即ち、P1/P2の値が大きいほど拡散層11内の細孔の屈曲性が高く、細孔が曲がりくねっていることを意味する。従って、P1/P2の値を2〜15の範囲内に制限することにより、細孔の屈曲性を抑制できるため、拡散層11の圧力損失が抑制され、カソード電極触媒層22で生じた水蒸気が効率良く排出される。そのため、カソード電極触媒層22近傍の酸素分圧を高めることができ、発電性能を向上できる。また、水蒸気が効率良く排出されることで、低温時における水蒸気の凝縮が抑制され、フラッティング現象の発生を抑制できる。従って、本実施形態によれば、低温域から高温域まで幅広い温度範囲で、高い発電性能が得られる。特に、低温高加湿時において、高い発電性能が得られる。
また、本実施形態では、上記P1/P2を上記範囲内に設定するとともに、微多孔層12の透水圧を、5〜180kPaの範囲内に設定した。これにより、カソード電極触媒層22で生成した生成水が微多孔層12を透過して排出されるのを抑制でき、生成水をカソード電極触媒層22側で保持して膜電極構造体20を保湿できるため、加湿状態によらずに高い発電性能が得られる、特に、高温低加湿時において、高い発電性能が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記実施形態では、微多孔層12を、カソード電極触媒層22に直接接するように配置したが、これに限定されない。微多孔層12とカソード電極触媒層22との間に、例えば電解質やカーボン等を含む保水層を設けてもよい。このような保水層を設けることで、加湿条件の変化による発電性能の変動をより抑制できる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製
カソード側拡散層及びアノード側拡散層として、同一の拡散層を作製した。具体的には、平均流量細孔径27μm、かさ密度0.34g/m、厚み193μm、目付け66.5g/m及び空孔率0.80%のカーボンペーパーに対して、三井・デュポンフロロケミカル社製テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体FEP分散液「FEP 120−JRB」(固形分濃度54%)を含浸させた後、120℃×30分間の熱処理を実施した。含浸は、熱処理後のFEPの重量%が2.4重量%となるようにして実施した。これにより、カーボンペーパー上に撥水処理が施されたカソード側拡散層及びアノード側拡散層を得た。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.2kPaであった。なお、実測値P1の測定条件としては、拡散層の透過面積を1.86cm、供給する空気の流量を2L/分、ガス圧(エア導入部56への投入圧)を100kPaG、測定面圧を15kgf/cmとした(実施例2〜6及び比較例1〜6についても同様である)。
また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、6.5であった。カーボンペーパーの平均流量細孔径は、PMI社製のパームポロメーターを用いて測定した(以下、同様)。
(2)カソード側微多孔層混合ペーストの調製
電子伝導性と造孔性を兼ね備えた昭和電工社製の気相成長カーボン「VGCF」12g、三井・デュポンフロロケミカル社製テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体FEP分散液「FEP 120−JRB」(固形分濃度54%)20g、エチレングリコール200gをそれぞれ秤量した後、混合してボールミルにより撹拌した。これにより、カソード側微多孔層混合ペーストを調製した。
(3)アノード側微多孔層混合ペーストの調製
キャボット社製カーボン「Vulcan XC72R」12g、三井・デュポンフロロケミカル社製テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体FEP分散液「FEP 120−JRB」(固形分濃度54%)20g、エチレングリコール155gをそれぞれ秤量した後、混合してボールミルにより撹拌した。これにより、アノード側微多孔層混合ペーストを調製した。
(4)カソード側微多孔層の作製
上記(2)で調製したカソード側微多孔層混合ペーストを、上記(1)で作製したカソード側拡散層上にスクリーン印刷した後、380℃×30分間の熱処理を実施した。これにより、カソード側微多孔層を作製した。なお、スクリーン印刷は、カーボンペーパー単位面積あたりのカソード側微多孔層の重量が1.2mg/cm、細孔容積が0.25μL/cmとなるようにして実施した。得られたカソード側微多孔層の細孔径は、PMI社製のパームポロメーターを用いて測定したところ1.1μmであった。また、厚みは35μmであり、上述の測定方法に従って測定した透水圧は6.0kPaであった。
(5)アノード側微多孔層の作製
上記(3)で調製したアノード側微多孔層混合ペーストを、上記(1)で作製したアノード側拡散層上にスクリーン印刷した後、380℃×30分間の熱処理を実施した。これにより、アノード側微多孔層を作製した。なお、スクリーン印刷は、カーボンペーパー単位面積あたりのアノード側微多孔層の重量が1.2mg/cm、細孔容積が0.09μL/cmとなるようにして実施した。
(6)触媒ペーストの調製
BASF社製の白金触媒「LSA」に対する、デュポン社製イオン導電性ポリマー溶液「DE2020CS」の重量比「DE2020CS」/「LSA」が0.1となるように秤量した後、ボールミルで撹拌することで、触媒ペーストを調製した。
(7)電極触媒シートの作製
上記(6)で調製した触媒ペーストを、PTFE製シート上に白金重量が0.7mg/cmとなるように塗布した後、120℃×60分間の熱処理を実施した。これにより、カソード側電極触媒シートを作製した。
また、上記(6)で調製した触媒ペーストを、PTFE製シート上に白金重量が0.4mg/cmとなるように塗布した後、120℃×60分間の熱処理を実施した。これにより、アノード側電極触媒シートを作製した。
(8)高分子電解質膜への転写
上記(7)で作製したカソード側電極触媒シートを、デカール法により、ジャパンゴアテックス社製の高分子電解質膜「ゴアセレクト」(厚み20μm)の一方の面に転写するとともに、上記(7)で作製したアノード側電極触媒シートを、デカール法により、上記高分子電解質膜の他方の面に転写した。これにより、高分子電解質膜の一方の面にカソード電極触媒層を形成し、他方の面にアノード電極触媒層を形成した。
ここで、デカール法による転写とは、電極触媒シートの電極触媒層側を高分子電解質膜に熱圧着した後に、PTFEシートを剥離することにより、電極触媒層を高分子電解質膜の表面に転写する手法である。
(9)膜電極構造体の作製
上記(4)でカソード側微多孔層が形成されたカソード側拡散層と、上記(5)でアノード側微多孔層が形成されたアノード側拡散層とにより、上記(8)で電極触媒層が転写された高分子電解質膜を挟持し、熱圧着することで、膜電極構造体を作製した。熱圧着は、カソード側微多孔層がカソード側電極触媒層と接し、アノード側微多孔層がアノード側電極触媒層と接するようにして、120℃で面圧30kgf/cmの条件で実施した。
(10)発電性能の評価
上記(9)で作製した膜電極構造体を、金属製の一対のセパレータで挟持した後、アノード側に燃料ガスとしての水素を供給するとともに、カソード側に酸化剤ガスとしてのエアを供給し、発電性能の評価を実施した。発電条件としては、セル温度、アノードガス入口相対湿度、カソードガス入口相対湿度、アノードストイキ及びカソードストイキを表1に示す通りとした。なお、膜電極構造体の電極部の面圧は15kgf/cmとし、膜電極構造体の電極部の面積は54.3cmとした。評価結果を表2に示した。
Figure 2013206717
<実施例2>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径21μm、かさ密度0.34g/m、厚み195μm、目付け67g/m及び空孔率0.80%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.2kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、11.2であった。評価結果を表2に示した。
<実施例3>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径27μm、かさ密度0.31g/m、厚み195μm、目付け60.2g/m及び空孔率0.82%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.3kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、5.2であった。評価結果を表2に示した。
<実施例4>
実施例1の(2)カソード側微多孔層混合ペーストの調製において、昭和電工社製の気相成長カーボン「VGCF」12g、三井・デュポンフロロケミカル社製テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体FEP分散液「FEP 120−JRB」(固形分濃度54%)10g、エチレングリコール200gをそれぞれ秤量して混合したこと以外は、実施例1と同様の操作を実施した。得られたカソード側微多孔層の細孔径は、PMI社製のパームポロメーターを用いて測定したところ0.9μmであった。また、厚みは35μmであり、上述の測定方法に従って測定した透水圧(以下、同様)は14.8kPaであった。評価結果を表2に示した。
<実施例5>
実施例1の(4)で作製したカソード側微多孔層の代わりに、樹脂及びカーボンを含む導電性多孔質シート(細孔径0.6μm、厚み38μm、透水圧45.1kPa)を用い、実施例1の(9)の膜電極構造体の作製において、カーボンペーパー上に上記導電性多孔質シートをしわが無いように置き、120℃で面圧30kgf/cmで電極と接合したこと以外は、実施例1と同様の操作を実施した。評価結果を表2に示した。
<実施例6>
実施例1の(4)で作製したカソード側微多孔層の代わりに、樹脂及びカーボンを含む導電性多孔質シート(細孔径0.4μm、厚み41μm、透水圧134.4kPa)を用い、実施例1の(9)の膜電極構造体の作製において、カーボンペーパー上に上記導電性多孔質シートをしわが無いように置き、120℃で面圧30kgf/cmで電極と接合したこと以外は、実施例1と同様の操作を実施した。評価結果を表2に示した。
<比較例1>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径22μm、かさ密度0.47g/m、厚み188μm、目付け88g/m及び空孔率0.73%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、0.9kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、19.4であった。評価結果を表3に示した。
<比較例2>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径14μm、かさ密度0.35g/m、厚み204μm、目付け71g/m及び空孔率0.80%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.3kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、25.7であった。評価結果を表3に示した。
<比較例3>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径25μm、かさ密度0.27g/m、厚み185μm、目付け50g/m及び空孔率0.84%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、0.4kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、1.6であった。評価結果を表3に示した。
<比較例4>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径12μm、かさ密度0.33g/m、厚み208μm、目付け68g/m及び空孔率0.81%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.79kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、44.5であった。評価結果を表3に示した。
<比較例5>
実施例5のカソード側微多孔層としての導電性多孔質シートの代わりに、細孔径が0.1μm、厚みが48μm及び透水圧が202.5kPaの導電性多孔質シートを用いた以外は、実施例5と同様の操作を実施した。評価結果を表3に示した。
<比較例6>
実施例1の(2)カソード側微多孔層混合ペーストの調製において、キャボット社製カーボン「Vulcan XC72R」12g、三井・デュポンフロロケミカル社製テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体FEP分散液「FEP 120−JRB」(固形分濃度54%)20g、エチレングリコール155gを秤量して混合したこと以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側微多孔層の細孔径は、PMI社製のパームポロメーターを用いて測定したところ12.1μmであった。また、厚みは39μmであり、上述の測定方法に従って測定した透水圧は3.2kPaであった。評価結果を表3に示した。
Figure 2013206717
Figure 2013206717
図4は、表2及び表3の結果に基づいて、P1/P2と端子電圧(1.25A/cm)との関係を示す図である。図4に示すように、P1/P2が2〜15の範囲内である実施例1〜3は、P1/P2が2〜15の範囲外である比較例1〜4と比べて、50℃及び70℃いずれの温度条件下でも高い発電性能を示していることが分かる。この結果から、P1/P2を2〜15の範囲内に設定する本願発明によれば、広い温度範囲で安定して高い発電性能が得られることが確認された。
図5は、表2及び表3の結果に基づいて、微多孔層の透水圧と端子電圧(1.25A/cm)との関係を示す図である。図5に示すように、微多孔層の透水圧が5〜180kPaの範囲内である実施例1及び4〜6は、微多孔層の透水圧が5〜180kPaの範囲外である比較例5及び6と比べて、カソードガス入口相対湿度が25%及び73%のいずれの加湿条件下でも高い発電性能を示していることが分かった。この結果から、微多孔層の透水圧を5〜180kPaの範囲内に設定する本願発明によれば、加湿状態によらずに安定して高い発電性能が得られることが確認された。
以上より、P1/P2を2〜15の範囲内に設定するとともに、微多孔層の透水圧を5〜180kPaの範囲内に設定する本願発明によれば、広い温度範囲で、加湿状態によらず安定して高い発電性能が得られることが確認された。
1…固体高分子型燃料電池(燃料電池)
10…拡散層構造
11…拡散層
12…微多孔層
20…膜電極構造体
21…固体高分子電解質膜(電解質膜)
22…カソード電極触媒層
30…セパレータ
31…酸化剤ガス流路
<実施例1>
(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製
カソード側拡散層及びアノード側拡散層として、同一の拡散層を作製した。具体的には、平均流量細孔径27μm、かさ密度0.34g/ 、厚み193μm、目付け66.5g/m及び空孔率0.80%のカーボンペーパーに対して、三井・デュポンフロロケミカル社製テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体FEP分散液「FEP 120−JRB」(固形分濃度54%)を含浸させた後、120℃×30分間の熱処理を実施した。含浸は、熱処理後のFEPの重量%が2.4重量%となるようにして実施した。これにより、カーボンペーパー上に撥水処理が施されたカソード側拡散層及びアノード側拡散層を得た。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.2kPaであった。なお、実測値P1の測定条件としては、拡散層の透過面積を1.86cm、供給する空気の流量を2L/分、ガス圧(エア導入部56への投入圧)を100kPaG、測定面圧を15kgf/cmとした(実施例2〜6及び比較例1〜6についても同様である)。
また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、6.5であった。カーボンペーパーの平均流量細孔径は、PMI社製のパームポロメーターを用いて測定した(以下、同様)。
<実施例2>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径21μm、かさ密度0.34g/ 、厚み195μm、目付け67g/m及び空孔率0.80%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.2kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、11.2であった。評価結果を表2に示した。
<実施例3>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径27μm、かさ密度0.31g/ 、厚み195μm、目付け60.2g/m及び空孔率0.82%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.3kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、5.2であった。評価結果を表2に示した。
<比較例1>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径22μm、かさ密度0.47g/ 、厚み188μm、目付け88g/m及び空孔率0.73%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、0.9kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、19.4であった。評価結果を表3に示した。
<比較例2>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径14μm、かさ密度0.35g/ 、厚み204μm、目付け71g/m及び空孔率0.80%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.3kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、25.7であった。評価結果を表3に示した。
<比較例3>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径25μm、かさ密度0.27g/ 、厚み185μm、目付け50g/m及び空孔率0.84%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、0.4kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、1.6であった。評価結果を表3に示した。
<比較例4>
実施例1の(1)カソード側拡散層及びアノード側拡散層の作製において、平均流量細孔径12μm、かさ密度0.33g/ 、厚み208μm、目付け68g/m及び空孔率0.81%のカーボンペーパーを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカソード側拡散層について、上述の圧力損失測定装置50を用いて拡散層の圧力損失の実測値P1を測定した結果、1.79kPaであった。また、上述の式(1)に従って圧力損失の理論値P2を求め、P1/P2を算出した結果、44.5であった。評価結果を表3に示した。
Figure 2013206717
Figure 2013206717

Claims (1)

  1. 電解質膜の両側に電極が設けられた膜電極構造体に配置された燃料電池の拡散層構造であって、
    拡散層と、前記電解質膜側の前記拡散層上に形成され且つ主としてカーボン及びフッ素樹脂からなる微多孔層と、を備え、
    透過面積1.86cmの前記拡散層に対して流量2L/分の空気が透過するときに生じる圧力損失の実測値をP1とし、下記式(1)で定義される前記圧力損失の理論値をP2としたときに、前記P2に対する前記P1の比P1/P2が、2〜15であり、
    前記微多孔層の透水圧が、5〜180kPaであることを特徴とする燃料電池の拡散層構造。
    Figure 2013206717
    [式(1)中、厚みは前記拡散層の厚み(μm)を表し、空孔率は前記拡散層の空孔率(%)を表し、平均流量細孔径は前記拡散層の平均流量細孔径(μm)を表す。]
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