JP2008098066A - ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents

ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2008098066A
JP2008098066A JP2006280517A JP2006280517A JP2008098066A JP 2008098066 A JP2008098066 A JP 2008098066A JP 2006280517 A JP2006280517 A JP 2006280517A JP 2006280517 A JP2006280517 A JP 2006280517A JP 2008098066 A JP2008098066 A JP 2008098066A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas diffusion
gas
water
base material
permeability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006280517A
Other languages
English (en)
Inventor
Norihisa Waki
憲尚 脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2006280517A priority Critical patent/JP2008098066A/ja
Publication of JP2008098066A publication Critical patent/JP2008098066A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】フラッディングを抑制ないし防止し得るガス拡散基材、その製造方法、このガス拡散基材を用いたガス拡散層及び固体高分子形燃料電池を提供すること。
【解決手段】ガス拡散基材は、ガスの通気度と水の通水度がほぼ同じであり、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層に用いられる。ガス拡散基材の製造方法は、ガスの通気度と水の通水度がほぼ同じとなるように未処理ガス拡散基材を親水化処理する。ガス拡散層は、ガスの通気度と水の通水度がほぼ同じであるガス拡散基材と、ガス拡散基材に配設されるカーボン層とを備え、固体高分子形燃料電池に用いられる。固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質膜、カソード触媒層、アノード触媒層及びガス拡散層を備え、ガス拡散層のうち少なくともカソード触媒層の側に配設されるガス拡散層が、ガスの通気度と水の通水度がほぼ同じであるガス拡散基材を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池に係り、更に詳細には、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層に用いられ、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであるガス拡散基材、その製造方法、このガス拡散基材を用いたガス拡散層及び固体高分子形燃料電池に関する。
燃料極(アノード)に水素、空気極(カソード)に空気又は酸素を供給して利用する固体高分子形燃料電池においては、カソード側で水が生成する。
そして、液水の生成し易い高加湿及び高電流密度運転においては、カソード側での生成水がカソード触媒層にたまり、その生成水に阻害されて、反応物がカソード触媒層に十分に供給されず、電池出力が低下するフラッディングが起こることが知られている。
そのため、燃料電池の高出力化のためには、カソード側からの生成水の排出が必要となる。
そこで、従来の固体高分子形燃料電池用のガス拡散層では、ガス拡散層を形成する際に、粒子径の分布中心の異なる大小2種類の炭素粒子(大径炭素粒子と小径炭素粒子)を混合することにより、気孔径の分布に関して、少なくとも2つの分布中心を有するガス拡散層を形成させ、大径炭素粒子に撥水性を持たせることにより、気孔径の大きい方の気孔に撥水性を具備させることが提案されている(特許文献1参照。)。
特開2001−57215号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のガス拡散層では、ガス拡散基材中の排水性が不十分であり、ガス拡散基材中に液水が滞留する。そして、結果的にカソード触媒層中まで液水が滞留することになり、フラッディングが生じていた。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フラッディングを抑制ないし防止し得るガス拡散基材、その製造方法、このガス拡散基材を用いたガス拡散層及び固体高分子形燃料電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねたところ、ガス拡散基材において、ガスの通気度と水の通水度とをほぼ同じにすることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のガス拡散基材は、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層に用いられ、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであることを特徴とする。
また、本発明のガス拡散基材の製造方法は、上記本発明のガス拡散基材の製造方法であって、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じとなるように未処理ガス拡散基材を親水化処理することを特徴とする。
更に、本発明のガス拡散層は、固体高分子形燃料電池に用いられ、ガス拡散基材と、該ガス拡散基材に配設されるカーボン層とを備え、該ガス拡散基材は、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであることを特徴とする。
更にまた、本発明の固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜の一方の面に配設されるカソード触媒層と、他方の面に配設されるアノード触媒層と、これらカソード触媒層及びアノード触媒層の互いに反する側にそれぞれ配設されるガス拡散層とを備え、該ガス拡散層のうち少なくともカソード触媒層の側に配設されるガス拡散層は、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであるガス拡散基材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ガス拡散基材において、ガスの通気度と水の通水度とをほぼ同じにすることなどとしたため、フラッディングを抑制ないし防止し得るガス拡散基材、その製造方法、このガス拡散基材を用いたガス拡散層及び固体高分子形燃料電池を提供することができる。
以下、本発明のガス拡散基材について詳細に説明する。
上述の如く、本発明のガス拡散基材は、固体高分子形燃料電池用ガス拡散層に用いられ、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであるものであり、固体高分子形燃料電池のカソード側のガス拡散層に好適に用いられるものである。
ガスの通気度と水の通水度とをほぼ同じにすること、換言すれば、ガスの通気度に対する水の通水度の比(水の通水度/ガスの通気度)を1程度とすることにより、ガス拡散基材のほぼ全ての気孔に液水が浸入できるようになり、高加湿及び高電流密度運転において生じる大量の生成水を基材全体を使って排出することができ、カソード触媒層での液水の滞留を抑制し、フラッディングを抑制ないし防止することができる。
ここで、ガスの通気度とは、次式(1)
Q=Kg×A×1/L×1/μ×ΔP…(1)
[式(1)中において、Qはガスの流量[m/s]、Aは透過面積[m]、Lは透過距離[m]、μはガスの粘性係数[Pa・s]、ΔPは差圧[Pa]、Kgはガス透過係数(通気度)[m]を示す。]で表されるダルシーの透過係数Kgを意味する。
なお、本実施形態においては、ガスとして空気を用いたが、これに限定されるものではない。即ち、ガスとして例えば酸素や窒素、ヘリウム、アルゴンなどを用いてもよい。
(1)式は、ガス拡散基材の形状(断面積及び厚さ)を一定とした場合であって、ガス拡散基材に差圧を付与したときに、ガス拡散基材にガスがどれだけ流れるかを表現しており、通気度Kgが大きいほど、ガスが流れ易い構造体であることを表わす。
これに対して、水の通水度とは、次式(2)
Q=Kw×A×1/L×1/μ×ΔP…(2)
[式(2)中において、Qは水の流量[m/s]、Aは透過面積[m]、Lは透過距離[m]、μは水の粘性係数[Pa・s]、ΔPは差圧[Pa]、Kwは水の透過係数(通水度)[m]を示す。]で表される水の透過係数Kwを意味する。
そして、例えば空気のように構造体(ガス拡散基材)と殆ど相互作用しないガスを用いる場合には、ガス拡散基材中のほぼ全ての気孔をガスが通過することができる一方、例えば水のように構造体(ガス拡散基材)と相互作用する液体を用いる場合には、ガス拡散基材中の全ての気孔を液体が通過することができるわけではない。なお、ここでいう「相互作用」とは、撥水、親水等の表面性状に依存する毛細管力のことである。
一般に、微細孔中に液体が存在すると、細孔径や接触角に依存して、毛細管力が働く。つまり、構造体(ガス拡散基材)中に細孔径や接触角が異なる部位が存在すると、その孔には液水が侵入し難くなり、液体が気孔の全てを通過することができなくなる。そのような状態になった場合には、透過面積が減る等の要因により、ガスの通気度Kgに比して、水の通水度Kwは小さくなる。
そこで、本発明においては、ガスの通気度Kgと水の通水度Kwとをほぼ同じにすることにより、換言すれば、ガスの通気度Kgに対する水の通水度Kwの比(Kw/Kg)を1程度にすることにより、全ての気孔を水が通過できるようになり、基材全体を使って排出することができ、カソード触媒層やカーボン撥水層などでの液水の滞留を抑制し、フラッディングを抑制ないし防止することができる。
図1(a)は、比較のためのガス拡散基材の一例の断面における様子を示す模式的説明図であり、同図(b)は、本発明のガス拡散基材の一例の断面における様子を示す模式的説明図である。
同図(a)に示すように、ガス拡散層10は、ガス拡散基材12と撥水性のカーボン層14とを備える。そして、ガス拡散基材12において、全体的にガスの通気度Kgに比して、水の通水度Kwは小さく、空気導入方向に対する下流側において、空気導入方向に対する上流側より水の通水度が大きくなっている。
このとき、空気導入方向に対して、下流側の通水度は上流側よりは大きいが、生成水が図示しないカソード触媒層の全面で発生するのに対して、液水Wが容易に通過できるパスを減らしてしまうことで、高電流密度運転で発生する大量の生成水は、ガス拡散基材12を通過できず、カーボン層14と、ガス拡散基材12との間に溜まってしまい、最終的に液水Wはカソード触媒層中に溢れ出し、反応物である酸素がカソード触媒層に到達できなくなる。
一方、同図(b)に示すように、本実施形態においては、ガス拡散層10は、ガス拡散基材12と撥水性のカーボン層14とを同様に備えるが、ガス拡散基材12において、上述したようにガスの通気度と水の通水度とをほぼ同じにし、ガス拡散基材12のほぼ全ての気孔を液水が通過できる構造となっており、高電流密度運転で発生する大量の生成水を排出することができる。なお、液水で満たされた気孔は、ガス拡散性が低下するが、完全に満たされているわけではないので、反応物である酸素がカソード触媒層に到達できる。
更に、上述したようにKw/Kgが1程度であることが好ましいが、具体的にはKw/Kgを0.6〜1であることが好ましく、より好ましくは0.7〜1、更に好ましくは0.8〜1であることにより、より確実にフラッディングを抑制ないし防止することができる。
Kw/Kgが0.6未満の場合には、液水の透過できる面積が減ることにより、高電流密度での生成水を透過しきれないことがある一方、Kw/Kgが1を超えることは、原理的にありえない。
また、本発明においては、例えば水との接触角が90[°]程度であることが好ましく、具体的には、80〜100[°]であることが好ましく、85〜95[°]であることがより好ましく、88〜92[°]であることが更に好ましい。
80[°]未満であると、親水性が大きくなり、細孔内から液水が抜け難くなり、100[°]を超えると、撥水性が大きくなり、液水の透過できる面積が減る。
更に、本発明においては、例えば水の通気度が7×10−13[m]以上であることが好ましく、1×10−12[m]以上であることがより好ましく、2×10−12[m]以上であることが更に好ましい。
7×10−13[m]未満の場合には、これを備えた固体高分子形燃料電池を、自動車等の車両に搭載して運転する場合に、流れる電流に相当する生成水が排出し難くなることがある。
一方、保湿性の観点からは、ガスの通気度が4×10−12[m]を超えると、水蒸気が拡散し易くなり、低加湿運転での膜のドライアウトが顕著になるために、ガスの通気度と水の通水度の比が1であることを考慮すると、水の通水度が4×10−12[m]以下であることが好ましい。
また、本発明においては、当該ガス拡散基材が、次式(A)
×ε/ξ≧2×10−11[m]…(A)
[式(A)中において、dは気孔径[m]、εは気孔率[−]、ξは屈曲度[‐]を示す。]で表される関係を満足することが好ましく、d×ε/ξで表される値が4×10−11[m]以上であることがより好ましく、7×10−11[m]以上であることが更に好ましい。
(A)式で表される関係を満足しない場合には、上述したような水の通水度及びガスの通気度を確保できないことがある。
一方、保湿性の観点からは、ガスの通気度が4×10−12[m]を超えると、水蒸気が拡散し易くなり、低加湿運転での膜のドライアウトが顕著になるために、ガスの通気度と水の通水度の比が1であることを考慮すると、水の通水度が4×10−12[m]以下であることが好ましい。したがって、d×ε/ξで表される値が1.4×10−10[m]以下であることが好ましい。
ここで、気孔径とは、代表径であり、一般的に水銀圧入法によって測定される。また、気孔率とは、ガス拡散基材の見かけの容積に対する気孔の容積であり、これも一般的に水銀圧入法によって測定される。更に、屈曲度とは、ガスの透過方向において空孔がどれだけ屈曲しているかを表わすものであり、水銀圧入法で得られた空孔分布とガスの通気度とから算出される。
ここで、図面を用いて、ガス拡散基材の屈曲度の概念を説明する。
図2は、ガス拡散基材の断面における屈曲度を説明する図である。同図(a)及び(b)に示すように、ガス拡散基材12は空孔12pを有しており、ガス透過方向のガス拡散基材12の厚さをLで表わし、実際のガス透過距離をLで表わすと、屈曲度はL/Lで表される。
そして、同図(a)においては、LとLとがほぼ同等であり、屈曲度は約1となる。
一方、同図(b)においては、ガス透過方向において、実際のガス透過距離Lが、ガス拡散基材の厚さLより長くなっており、屈曲度は1よりも大きくなる。
また、図3は、d×ε/ξとガスの通気度との関係を示すグラフである。同図に示すように、d×ε/ξとガスの通気度とは相関関係があり、例えばガスの通気度を7×10−13[m]以上とするためには、図3からd×ε/ξの値を2×10−11[m]以上とすればよいことが分かる。
更に、本発明においては、酸化物を含有することが好ましい。酸化物は、親水剤として機能することが可能であり、水との接触角を低下させるために含有させることが好ましい。
このような酸化物としては、例えばSiOやTiO、SnOなどを好適に用いることができる。これらの含有量を適宜調整することにより、効果的にガス拡散基材を親水化することができる。
次に、本発明のガス拡散基材の製造方法について詳細に説明する。
上述の如く、本発明のガス拡散基材の製造方法は、上記本発明のガス拡散基材の製造方法の一例であって、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じとなるように未処理ガス拡散基材を親水化処理して、所望のガス拡散基材を得る方法である。
このように、未処理ガス拡散基材を親水化処理することにより、ガスの通気度Kgに比して、水の通水度Kwは小さい傾向を有する通常の未処理ガス拡散基材について、ガスの通気度と水の通水度とをほぼ同じにすることができる。
ここで、上記の未処理ガス拡散基材としては、例えばカーボンペーパやカーボンクロスなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。即ち、例えばカーボン不織布などを用いることもできる。
また、本発明においては、上述の親水化処理をするに際し、例えば親水剤として酸化物を用い、これを未処理ガス拡散基材に塗布や含浸させて親水化処理することができるが、これに限定されるものではない。即ち、親水化することができれば、スルホン酸系フッ素樹脂等の電解質に用いる樹脂などを適用することもできる。
更に、酸化物の含有量を適宜調整することにより、効果的にガス拡散基材を親水化処理することができる。
次に、本発明のガス拡散層について詳細に説明する。
上述の如く、本発明のガス拡散層は、ガス拡散基材と、そのガス拡散基材に配設されるカーボン層とを備え、そのガス拡散基材は、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであるものである。
これを用いた固体高分子形燃料電池は、例えば高加湿及び高電流密度運転された場合に、大量の生成水をガス拡散基材全体を使って排出することができ、カソード触媒層への液水の滞留を抑制し、フラッディングを抑制ないし防止することができる。
また、ガス拡散基材としては、上述したように材質や構成を適宜調整したものも用いることができる。
更に、上記カーボン層としては、カーボンを含有し、導電性多孔質であれば特に限定されるものではなく、例えばカーボン(アセチレンブラックやカーボンブラックなど。)にポリテトラフルオロエチレンなどの撥水剤を混入して形成したものを用いることができる。
そして、後述する固体高分子形燃料電池に要求される性能、更には水透過性、含水量などに応じて、カーボン層の撥水性や親水性を調整すればよい。
次に、本発明の固体高分子形燃料電池について詳細に説明する。
上述の如く、本発明の固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜の一方の面に配設されるカソード触媒層と、他方の面に配設されるアノード触媒層と、これらカソード触媒層及びアノード触媒層の互いに反する側にそれぞれ配設されるガス拡散層とを備え、ガス拡散層のうち少なくともカソード触媒層の側に配設されるガス拡散層は、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであるガス拡散基材を備えるものである。
このようなガス拡散基材を備えた固体高分子形燃料電池は、高加湿及び高電流密度運転において生じる大量の生成水をガス拡散基材全体を使って排出することができ、カソード触媒層への液水の滞留を抑制し、フラッディングを抑制ないし防止することができる。
また、ガス拡散基材としては、上述したように材質や構成を適宜調整したものも用いることができる。
更に、固体高分子電解質膜としては、一般的に使用されているイオン伝導性を有する固体高分子電解質膜を使用することができ、例えばパーフルオロスルホン酸系電解質膜や炭化水素系電解質膜などを用いることができる。
そして、固体高分子形燃料電池に要求される性能に応じて、電解質膜の厚さや水透過性、含水量などを適宜調整すればよい。
更にまた、カソード触媒層及びアノード触媒層としては、電池反応を促進するものであれば特に限定されるものではなく、例えばカーボン(カーボンブラックやケッチェンブラックなどや、それらをグラファイト化したものでもよい。)に白金を担持したものに、パーフルオロスルホン酸系電解質溶液(又は炭化水素系電解質溶液)を混入して形成したものなどを用いることができる。また、必要に応じて撥水剤としてポリテトラフルオロエチレンやフッ化カーボンを更に混入して形成したものも用いることができる。
そして、固体高分子形燃料電池に要求される性能、更には電解質膜の厚さ、水透過性、含水量などに応じて、触媒層の撥水性や親水性を調整すればよい。
図4は、本発明の固体高分子形燃料電池の構成の一例を示す説明図である。
同図に示すように、この固体高分子形燃料電池1は、イオン伝導性を持つ固体高分子電解質膜30と、この固体高分子電解質膜30の一方の側(図示下側)に積層して配設されるカソード触媒層22と、固体高分子電解質膜30の他方の側(図示上側)に積層して配設されるアノード触媒層24と、これらカソード触媒層22及びアノード触媒層24の互いに反する側にそれぞれ配設されるガス拡散層10とを備える。
そして、ガス拡散層10のうち少なくともカソード触媒層22側に配設されるガス拡散層10は、そのガス拡散層10のカソード触媒層22の側に配置されるカーボン層14と、そのガス拡散層10のカソード触媒層22の反対側に配置され、ガスの通気度と水の通水度がほぼ同じであるガス拡散基材12とを備える。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
具体的には、以下の各例に記載したような操作を行い、図4に示したような固体高分子形燃料電池を作製し、その性能を評価した。
(実施例1)
[ガス拡散基材の作製]
未処理ガス拡散基材の一例であるカーボンペーパ(東レ社製、TGP−H−060)を親水剤の一例であるSiOを含有する分散液(フジシリシア社製、SiO分散液)に浸漬し、次いで、80℃で1時間乾燥し、水分を取り除いて(親水化処理)、ガス拡散基材を得た(カーボンペーパとSiOとは重量比で90:10となるようにした。)。
また、得られたガス拡散基材のガスの通気度に対する水の通水度の比Kw/Kgは0.94であった。
[ガス拡散層の作製]
次に、カーボン粉末(電気化学工業社製、アセチレンブラック)と撥水剤(ダイキン工業社製、ポリテトラフルオロエチレン分散液)とを(重量比)60:40の割合で混合し、スラリーを作製した。
得られたガス拡散基材に、得られたスラリーをスプレーコータ装置を用いて塗布し、焼成炉を用いて、空気雰囲気中、350℃で30分間焼成し、カーボン層を形成して、ガス拡散層を得た。これをカソード側ガス拡散層として用いる。
なお、カーボン層の厚みは50μmであった。
[固体高分子形燃料電池の作製]
次に、固体高分子電解質膜として、パーフルオロスルホン酸系電解質膜を用意し、カソード触媒層形成用スラリー及びアノード触媒層形成用スラリーとして、白金担持カーボン含有分散液を用意し、アノード側ガス拡散層として、未処理ガス拡散基材の一例であるカーボンペーパ(東レ社製、TGP−H−060)に、スラリーをスプレーコータ装置を用いて塗布し、焼成炉を用いて、空気雰囲気中、350℃で30分間焼成し、カーボン層を形成したものを用いた。なお、カーボン層の厚みは50μmであった。
ここで、スラリーは、カーボン粉末(電気化学工業社製、アセチレンブラック)と撥水剤(ダイキン工業社製、ポリテトラフルオロエチレン分散液)とを(重量比)60:40の割合で混合して作製した。
また、用いたガス拡散基材のガスの通気度に対する水の通水度の比Kw/Kgは0.51であった。
次に、カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層のカーボン層に、カソード触媒層及びアノード触媒層をスプレー塗装して形成したものをそれぞれ用意し、これらを固体高分子電解質膜にホットプレスで接合して、本例の固体高分子形燃料電池を作製した。
(比較例1)
[ガス拡散基材の作製]
ガス拡散基材として、未処理ガス拡散基材であるカーボンペーパ(東レ社製、TGP−H−060)に対して親水化処理を施さないものを用いた。
また、用いた未処理ガス拡散基材のガスの通気度に対する水の通水度の比Kw/Kgは0.51であった。
[ガス拡散層の作製]
未処理ガス拡散基材を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、ガス拡散層を得た。これをカソード側ガス拡散層として用いた。
[固体高分子形燃料電池の作製]
得られたカソード側ガス拡散層を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の固体高分子形燃料電池を得た。
(比較例2)
[ガス拡散基材の作製]
未処理ガス拡散基材の一例であるカーボンペーパ(東レ社製、TGP−H−060)を發水剤の一例であるポリテトラフルオロエチレンを含有する溶液(ダイキン社製、ポリテトラフルオロエチレン分散液)に浸漬し、次いで、80℃で1時間乾燥し、水分を取り除いて(發水化処理)、ガス拡散基材を得た(カーボンペーパとポリテトラフルオロエチレンとは重量比で90:10となるようにした。)。
また、得られたガス拡散基材のガスの通気度に対する水の通水度の比Kw/Kgは0.37であった。
[ガス拡散層の作製]
得られたガス拡散基材を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、ガス拡散層を得た。
[固体高分子形燃料電池の作製]
得られたカソード側ガス拡散層を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の固体高分子形燃料電池を得た。
[性能評価]
上記各例の固体高分子形燃料電池を用いて、下記条件において、その性能を評価した。
<評価条件>
・ガス成分 :水素(アノード側)/空気(カソード側)
・S.R. :1.5/2.5
・セル温度 :70℃
・R.H.(相対湿度) :100%/30%、100%/100%
図5及び図6に得られた結果を示す。図5は各例のR.H.=100%/30%における電流密度に相当する生成水量と拡散分極との関係を示すグラフであり、図6は各例のR.H.=100%/100%における電流密度に相当する生成水量と拡散分極との関係を示すグラフである。
図5より、生成水が液水として存在し難い低加湿条件においては、実施例1、比較例1及び比較例2の全ての固体高分子形燃料電池において、拡散分極の差は殆どない。
一方、図6より、生成水が液水として存在し易い高加湿条件においては、比較例1及び比較例2は、生成水量が増えるほど、拡散分極の増加が大きい。特に、ガスの通気度Kgに対する水の通水度Kwの比(Kw/Kg)が小さい比較例2はこの傾向が顕著である。これに対して、実施例1は、生成水量が増加しても、拡散分極の増加は小さく、液水を効率良く排出し、フラッディングを抑制していることが分かる。
なお、上記実施形態及び実施例においては、固体高分子電解質としてパーフルオロスルホン酸系電解質膜を適用したものについて説明したが、本発明は、イオン液体を電解質として用いた燃料電池にも適用することができる。
比較のためのガス拡散基材の一例及び本発明のガス拡散基材の一例の断面における様子を示す模式的説明図(a)及び(b)である。 ガス拡散基材の断面における屈曲度を説明する図である。 ×ε/ξとガスの通気度との関係を示すグラフである。 本発明の固体高分子形燃料電池の構成の一例を示す説明図である。 各例のR.H.=100%/30%における電流密度に相当する生成水量と拡散分極との関係を示すグラフである。 各例のR.H.=100%/100%における電流密度に相当する生成水量と拡散分極との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 固体高分子形燃料電池
10 ガス拡散層
12 ガス拡散基材
12p 気孔
14 カーボン層
22 カソード触媒層
24 アノード触媒層
30 固体高分子電解質膜

Claims (9)

  1. 固体高分子形燃料電池用ガス拡散層に用いられ、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであることを特徴とするガス拡散基材。
  2. 水との接触角が90[°]程度であることを特徴とする請求項1に記載のガス拡散基材。
  3. 水の通水度が7×10−13[m]以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス拡散基材。
  4. 当該ガス拡散基材は、次式(A)
    ×ε/ξ≧2×10−11[m]…(A)
    [式(A)中のdは気孔径[m]、εは気孔率[−]、ξは屈曲度[‐]を示す。]で表される関係を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のガス拡散基材。
  5. 酸化物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のガス拡散基材。
  6. 固体高分子形燃料電池用ガス拡散層に用いられ、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであるガス拡散基材の製造方法であって、
    ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じとなるように未処理ガス拡散基材を親水化処理することを特徴とするガス拡散基材の製造方法。
  7. 上記親水化処理をするに際し、親水剤として酸化物を用いることを特徴とする請求項6に記載のガス拡散基材の製造方法。
  8. 固体高分子形燃料電池に用いられ、ガス拡散基材と、該ガス拡散基材に配設されるカーボン層と、を備えるガス拡散層であって、
    上記ガス拡散基材は、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであることを特徴とするガス拡散層。
  9. 固体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜の一方の面に配設されるカソード触媒層と、他方の面に配設されるアノード触媒層と、これらカソード触媒層及びアノード触媒層の互いに反する側にそれぞれ配設されるガス拡散層と、を備える固体高分子形燃料電池であって、
    上記ガス拡散層のうち少なくともカソード触媒層の側に配設されるガス拡散層は、ガスの通気度と水の通水度とがほぼ同じであるガス拡散基材を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
JP2006280517A 2006-10-13 2006-10-13 ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池 Pending JP2008098066A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006280517A JP2008098066A (ja) 2006-10-13 2006-10-13 ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006280517A JP2008098066A (ja) 2006-10-13 2006-10-13 ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008098066A true JP2008098066A (ja) 2008-04-24

Family

ID=39380689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006280517A Pending JP2008098066A (ja) 2006-10-13 2006-10-13 ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008098066A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008147145A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Toyota Motor Corp 燃料電池及びこの燃料電池の製造方法
WO2010150871A1 (ja) * 2009-06-26 2010-12-29 日産自動車株式会社 ガス拡散電極およびその製造方法、ならびに膜電極接合体およびその製造方法
JP2013206717A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Honda Motor Co Ltd 燃料電池の拡散層構造
JP2015527706A (ja) * 2012-07-19 2015-09-17 バラード パワー システムズ インコーポレイテッド 親水性添加物を有する微細孔層
JP2022052794A (ja) * 2020-09-24 2022-04-05 トヨタ自動車株式会社 ガス拡散層の設計方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008147145A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Toyota Motor Corp 燃料電池及びこの燃料電池の製造方法
WO2010150871A1 (ja) * 2009-06-26 2010-12-29 日産自動車株式会社 ガス拡散電極およびその製造方法、ならびに膜電極接合体およびその製造方法
JP2011029171A (ja) * 2009-06-26 2011-02-10 Nissan Motor Co Ltd ガス拡散電極およびその製造方法、ならびに膜電極接合体およびその製造方法
US9029045B2 (en) 2009-06-26 2015-05-12 Nissan Motor Co., Ltd. Gas diffusion electrode and production method for same; membrane electrode assembly and production method for same
JP2013206717A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Honda Motor Co Ltd 燃料電池の拡散層構造
JP2015527706A (ja) * 2012-07-19 2015-09-17 バラード パワー システムズ インコーポレイテッド 親水性添加物を有する微細孔層
US11264621B2 (en) 2012-07-19 2022-03-01 Audi Ag Microporous layer with hydrophilic additives
JP2022052794A (ja) * 2020-09-24 2022-04-05 トヨタ自動車株式会社 ガス拡散層の設計方法
JP7444748B2 (ja) 2020-09-24 2024-03-06 トヨタ自動車株式会社 ガス拡散層の設計方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8945790B2 (en) Microporous layer structures and gas diffusion layer assemblies in proton exchange membrane fuel cells
JP5034172B2 (ja) 燃料電池用ガス拡散層、および、これを用いた燃料電池
EP1519433A1 (en) Diffusion electrode for fuel cell
JP2011519134A (ja) 陽子交換膜燃料電池の触媒層のポリマコーティング
JP3331703B2 (ja) 燃料電池
JP2007005017A (ja) 固体高分子型燃料電池およびその製造方法
JP2006324104A (ja) 燃料電池用ガス拡散層、および、これを用いた燃料電池
JP2007128671A (ja) ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池
JP2007012325A (ja) 固体高分子型燃料電池用電極及びこれを用いた固体高分子型燃料電池
JP5151217B2 (ja) 燃料電池
JP2008098066A (ja) ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池
JP5153159B2 (ja) 燃料電池
JP2007317435A (ja) 固体高分子型燃料電池およびその製造方法
JP2008210725A (ja) ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池
JP5430486B2 (ja) 水分管理シート、ガス拡散シート、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池
JP2007323874A (ja) 導電性多孔質支持体、これを用いたガス拡散層及びガス拡散層付き膜電極接合体
JP4686992B2 (ja) 固体高分子型燃料電池およびその発電方法
EP3719897A1 (en) Micro-porous layer and manufacturing method therefor, gas diffusion electrode substrate, and fuel battery
JP2009277370A (ja) 膜電極接合体
JP2008147145A (ja) 燃料電池及びこの燃料電池の製造方法
JP2009037933A (ja) 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、固体高分子型燃料電池用膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池
JP4736936B2 (ja) 燃料電池用接合体
JP4817622B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法
JP2007323939A (ja) 燃料電池
JP2007149454A (ja) ガス拡散層、ガス拡散電極、膜電極接合体及び高分子電解質形燃料電池