JP4817622B2 - 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法に関する。
特開2003−303595号公報
燃料電池は、燃料と酸化剤を連続的に供給し、これが電気化学反応したときの化学エネルギーを電力として取り出す発電システムである。この電気化学反応による発電方式を用いた燃料電池は、高効率と優れた環境特性を有すことから小電力電池として近年脚光を浴びている。この燃料電池は、水の電気分解の逆反応、すなわち水素と酸素が結びついて電子と水が生成する仕組みを利用している。
燃料電池は、これらを用いる電解質の種類によって、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体酸化物形燃料電池、アルカリ形燃料電池、そして、固体高分子型燃料電池に分別される。
近年、特に常温で起動し、かつ起動時間が極めて短い等の利点を有する固体高分子型燃料電池が注目されている。この固体高分子型燃料電池を構成する単セルの基本構造は、固体高分子電解質膜の両側に触媒層を有するガス拡散電極を接合し、その外側の両面にセパレータを配したものである。
このような固体高分子型燃料電池では、まず、燃料極側のセパレータに供給された水素がセパレータ内のガス流路を通ってガス拡散電極面に導かれる。次いで、その水素は、ガス拡散電極にて均一に拡散された後に、燃料極側の触媒層に導かれ、白金などの触媒によって水素イオンと電子とに分離される。そして、水素イオンは電解質膜を通って電解質膜を挟んで反対側の酸素極における触媒層に導かれる。一方、燃料極側に発生した電子は、負荷を有する回路を通って、酸素極側のガス拡散層に導かれ、更には酸素側の触媒層に導かれる。これと同時に、酸素極側のセパレータから導かれた酸素は、酸素極側のガス拡散電極を通って、酸素極側の触媒層に到達する。そして、酸素、電子、水素イオンとから水を生成して発電サイクルを完結する。
なお、固体高分子型燃料電池に用いられる燃料としては、水素以外にメタノールおよびエタノール等のアルコールがあげられ、それらを直接燃料として用いることもできる。
従来、固体高分子型燃料電池のガス拡散層としては、カーボン繊維からなるカーボンペーパーやカーボンクロスが用いられている。このカーボンペーパーやカーボンクロスにおいては、燃料電池運転時の加湿水やカソードでの電極反応で生成した水によるフラッディングを防止する目的で、表面またはその空隙内部に、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性バインダーによって撥水処理を施している。しかしながら、これらのカーボンペーパーやカーボンクロスは、空孔径が非常に大きいため、十分な撥水効果が得られずに空孔中に水が滞留することがあった。
この点を改善するためのものとして、例えば特許文献1に示すように、カーボンペーパーに炭素等からなる導電性フィラーを含む有孔性樹脂を含有させたガス拡散電極が提案されている。
しかしながら、特許文献1に示されるようなガス拡散電極は、カーボンペーパー表面上に直接、炭素などからなる導電性フィラーを含む有孔性樹脂を構成成分とする塗料を塗布し、含浸・溶媒抽出・乾燥して作製するために、カーボンペーパーの多くの空隙を塞いでしまい、且つ空隙が不均一で、そのため、空隙内部のガス透過性が悪くなり、電池性能を低下させるという問題を有していた。
本発明は、以上のような問題点を改善することを目的としてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、均一な細孔を有しガス拡散性が良好な固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を容易に製造する方法を提供することにある。本発明によって製造される燃料電池用ガス拡散電極は、燃料電池運転時の加湿水や生成水によるフラッディングを防止し、また反応ガスの供給、除去を速やかに行うという撥水性、発生した電気を効率よく伝える導電性多孔質膜の形態のものである。
本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法は、二酸化チタンまたは二酸化ケイ素からなる親水性フィラーおよびフッ素樹脂を該フッ素樹脂が溶解する溶媒に添加して得たフッ素樹脂−フィラー含有スラリーと、炭素材料を前記フッ素樹脂が溶解する溶媒に分散させて得た炭素分散液とを混合して混合分散液を作製し、該混合分散液に、前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く、且つ前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒を添加して塗料を作製し、得られた塗料を基材の上に塗布し、乾燥した後、基材から剥離することを特徴とする。
本発明の他の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法は、フッ素樹脂を該フッ素樹脂が溶解する溶媒に添加して得たフッ素樹脂溶液またはスラリーと、二酸化チタンまたは二酸化ケイ素からなる親水性フィラーおよび炭素材料を前記フッ素樹脂が溶解する溶媒に分散させて得た炭素−フィラー分散液とを混合して混合分散液を作製し、該混合分散液に、前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く、且つ前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒を添加して塗料を作製し、得られた塗料を基材の上に塗布し、乾燥した後、基材から剥離することを特徴とする。
本発明の他の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法は、フッ素樹脂を該フッ素樹脂が溶解する溶媒に添加して得たフッ素樹脂溶液またはスラリーと、炭素材料を前記フッ素樹脂が溶解する溶媒に分散させて得た炭素分散液とを混合して混合分散液を作製し、該混合分散液に、二酸化チタンまたは二酸化ケイ素からなる親水性フィラーおよび前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く、且つ前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒を添加して塗料を作製し、得られた塗料を基材の上に塗布し、乾燥した後、基材から剥離することを特徴とする。
本発明において、前記基材は、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムであることが好ましい。
次に、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法について詳記する。本発明においては、まず、フッ素樹脂溶液またはスラリーと、炭素分散液を作製する。
フッ素樹脂溶液またはスラリーは、フッ素樹脂をフッ素樹脂が溶解する溶媒に添加して作製する。フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の1種以上からなるフッ素樹脂を選択することができる。それらの中でも、特に、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。何故ならば、フッ化ビニリデン樹脂を用いることにより、膜内部の加湿水およびカソードでの生成水を良好に排水することができることに加えて、精度良く多孔質を形成することが可能になるからである。また、耐熱性が高く、機械的強度が良好であるという利点もある。
フッ化ビニリデン樹脂としては、フッ化ビニリデン単独からなるホモポリマーの他、四フッ化エチレン、六フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、エチレンからなる群より選ばれる1種類以上の単量体とフッ化ビニリデンとからなる共重合体をあげることができる。また、これらを単独で、または混合して使用することも可能である。
上記フッ素樹脂の重量平均分子量は、10万〜120万であることが好ましい。重量平均分子量が10万未満の場合は、強度が低くなる場合があり、一方、120万を越えると、溶媒への溶解性が劣ることから、塗料化が困難になったり、塗料の粘度ムラが生じて最終的なガス拡散電極の厚さ精度が低下し、触媒層との密着性が不均一となったりする場合がある。
上記フッ素樹脂が溶解する溶媒としては、2−ブタノン、シクロヘキサノン、メチル−エチル−ケトン等のケトン系、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系、テトラヒドロフランなどのエーテル系などの溶媒が例示でき、これらのうち2種類以上を混合して用いてもよい。
フッ素樹脂溶液またはスラリーを得るためには、市販の撹拌機を使用することができる。撹拌機による溶解は、室温で行なってもよく、また、必要に応じて加熱して行なってもよい。フッ素樹脂溶液またはスラリーの濃度は、フッ素樹脂含有量が5〜20重量%の範囲が好ましい。
炭素分散液は、上記フッ素樹脂が溶解する溶媒に炭素材料を分散させて作製する。炭素材料としては、如何なるものでも利用することが可能であり、例えば、ファーネスブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック等に代表される、いわゆるカーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックとしては、比表面積や粒子径の大きさによらず、いずれのグレードのものでも使用可能であり、例えば、ライオンアクゾ社製:ケッチェンEC、キャボット社製:バルカンXC72R、電気化学工業社製:デンカブラック等があげられる。また、上記カーボンブラック以外では、黒鉛のほか、カーボン繊維、カーボンナノチューブ等の炭素繊維なども用いることが可能である。これらの中でも、高導電性および塗料中での分散性の点から、カーボンブラックが好適に用いられ、特にアセチレンブラックが好適に用いられる。これらの炭素材料は、平均一次粒子径として、10〜100nmの範囲のものが好ましい。
炭素材料を分散させる媒体としては、上記例示した溶媒を使用することができる。炭素材料を分散させるためには、市販の撹拌機を用いることができ、例えば特殊機化社製のホモミキサー、キーエンス社製のハイブリッドミキサー等が好適に用いられる。炭素分散液の濃度は、炭素材料含有量が5〜20重量%範囲が好ましい。
次いで、上記フッ素樹脂溶液またはスラリーと上記炭素分散液とを混合し、混合分散液を作製するが、混合は、上記したフッ素樹脂溶液またはスラリーまたは炭素分散液の作製に用いたと同様の攪拌機を用いて行うことができる。フッ素樹脂溶液またはスラリーと炭素分散液との混合割合は、フッ素樹脂と炭素材料との重量比が、フッ素樹脂1重量部に対して、炭素材料1/3重量部乃至3重量部の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、2/3重量部乃至3/2重量部の範囲である。炭素材料が1/3重量部より少ないと、形成されるガス拡散電極の導電性が低下してしまい、3重量部より多いと、ガス拡散電極を構成する多孔質膜の内部に充填され過ぎてガス拡散能力が低下する。いずれの場合においても、結果としては、燃料電池性能の低下を引き起こす。
次いで、前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く且つ前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒を混合分散液に添加し、塗料を作製する。前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く、且つ前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒としては、使用するフッ素樹脂に応じて適宜選択することができるが、例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルなどのフタル酸エステル系溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール系溶媒、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール等のアルコール系溶媒などがあげられる。
最後に、上記のようにして得られた塗料を、基材の上に塗布し、乾燥する。乾燥は、50〜200℃の条件下で行なうのが好ましい。それによって多孔質の塗膜が形成される。形成された塗膜は、基材から剥離することによって、固体高分子型ガス拡散電極として使用される。
基材としては、塗工膜を乾燥させたときに塗工膜から剥離できるものであれば如何なるものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系基材、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素樹脂系基材およびポリイミド等の基材を用いることができる。その中でも、ポリイミドフィルム、PENフィルムが好ましい。これらの基材は、必要に応じて、基材表面に離型処理、易接着処理などの表面処理を施してもよい。
塗工の方法は特に限定されるものではなく、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等を用いることができる。
本発明においては、上記塗料中に親水性フィラーを含有させるのが好ましい。そのためには、上記のフッ素樹脂溶液またはスラリー、炭素分散液、または、それらを混合した混合分散液には、親水性フィラーを添加すればよい。それにより、親水性フィラーを含有するガス拡散電極を作製することができる。
親水性フィラーを、フッ素樹脂溶液またはスラリー、炭素分散液または上記混合分散液に添加し、分散させるためには、前記例示した撹拌機または分散ミキサーを使用することができる。
親水性フィラーとしては、無機フィラーおよび有機フィラーのいずれのものも用いることが可能であるが、燃料電池中のガス拡散電極内部の環境を考慮すると、無機フィラーが好ましい。親水性無機フィラーとしては、二酸化チタン及び/または二酸化ケイ素が好ましく使用できる。何故ならば、これらは燃料電池中のガス拡散電極内部の環境に耐えられ、且つ十分な親水性を持ち合わせているからである。
親水性フィラーの粒子径としては、如何なる大きさのものでも使用可能であるが、非常に微小の場合は、塗料中での分散が困難になり、また、非常に大きい場合であると多孔質の空孔をふさいでしまうという問題が発生する。したがって、一般には、炭素材料の粒子径と同程度の粒径範囲のものが用いられる。
また、親水性フィラーの添加量は、フッ素樹脂を1重量部に対して、親水性フィラー1/10重量部乃至3重量部の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、1/5重量部乃至2重量部の範囲である。微粒子が1/10重量部より少ないと、ガス・水の排出が良好に行なわれない場合があり、3重量部より多いと、ガス拡散電極の内部に充填され過ぎてしまい、ガス拡散能力の低下および導電性の低下の原因となる。結果的には、燃料電池性能の低下を引き起こす。
上記のようにして作製された固体高分子型ガス拡散電極の厚みとしては、5μm乃至150μmであることが好ましく、より好ましくは10μm乃至100μmであり、さらに好ましくは15μm乃至75μmである。厚みが5μmより小さいと、導電性およびガス拡散能力が十分でなく、150μmより大きいと、厚すぎてガス拡散能力が低下し、電池性能低下を引き起こす。
また、ガス拡散電極の空隙率は、60%〜95%の範囲が好適であり、より好ましくは70%以上、更には80%以上が特に好ましい。空隙率が60%未満では、ガス拡散能および水の排出が不十分であり、95%を超えると、機械的強度が著しく低下し、燃料電池を組み上げるまでの工程で破損しやすい場合がある。
なお、上記の空隙率は、(ガス拡散電極のフッ素樹脂の比重)×(ガス拡散電極のフッ素樹脂の質量含有率)=a、(炭素材料の比重)×(ガス拡散電極における炭素材料の質量含有率)=b、(微粒子の比重)×(ガス拡散電極における微粒子の質量含有率)=c、およびガス拡散電極の密度を下記の式に代入することにより求めることができる。
空隙率(%)=[{(a+b+c)−ガス拡散電極の密度}/(a+b+c)]×100
また、密度は、以下に示すように、ガス拡散電極の膜厚および単位面積当たりの質量で決定でき、0.15〜0.45g/cmの範囲が上記と同様の理由で好適である。
密度(g/cm)=単位面積当たりの質量/膜厚×単位面積
また、孔径は、1μm〜10μmの範囲が好適であり、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。孔径が1μm以下であると、ガス拡散能および水の排出が不十分である。
本発明の方法によれば、フッ素樹脂溶液またはスラリーと炭素分散液とを混合し、フッ素樹脂の非溶剤を添加した塗料を単に塗布するという極めて簡単な方法で、ガス拡散性が良好な固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を製造することができる。そして本発明によって製造された燃料電池用ガス拡散電極は、燃料電池運転時の加湿水や生成水によるフラッディングを防止し、また良好な撥水性を有し、反応ガスの供給、除去を速やかに行う導電性多孔質膜の形態のものとなり、発生した電気を効率よく伝えるのものとなる。
また、本願発明において、塗料中に親水性フィラーを含有させたものを使用した場合には、形成されるガス拡散電極におけるガス・水の排出、多孔質膜の孔径および、炭素材料の分散をコントロールすることが可能である。本発明において、親水性フィラーの添加は、燃料電池性能に大きく影響を及ぼすことになる。すなわち、撥水性を有するフッ素樹脂に、親水性を有する無機フィラーが添加されることによって、撥水部と親水部が微視的に入り組むことより、および炭素材料と凝集体を形成して多孔質膜の孔径が拡大されることにより、ガス・水の排出が一層良好に行なわれる。その結果、フラッディング現象に起因する電池性能低下を防止する効果が生じる。
次に、本発明のガス拡散電極の製造方法の最良の形態を、実施例によって示す。
[参考例]
フッ化ビニリデン樹脂(重量平均分子量30万)30重量部を300重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解して、フッ素樹脂スラリーを得た。
次いで、平均一次粒子径40nmのアセチレンブラック30重量部を300重量部の1−メチル−2−ピロリドンに分散し、炭素分散液を得た。
前記フッ素樹脂スラリーと炭素分散液を混合して、混合分散液を得、さらに50重量部のジエチレングリコールを添加し、撹拌して、塗料を得た。
得られた塗料を、ポリイミド製またはPEN性基材にアプリケーターを用いて塗工して塗工膜を形成し、乾燥させて、表1に示す膜厚および空隙率を有するガス拡散電極を得た。
フッ化ビニリデン樹脂(重量平均分子量30万)30重量部を300重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解しフッ素樹脂スラリーを得た。さらに、そのフッ素樹脂スラリーに粒子径40nmの親水性フィラー(二酸化ケイ素)15重量部を分散させ、フッ素−フィラー分散液を得た。
次いで、平均一次粒子径40nmのアセチレンブラック30重量部を300重量部の1−メチル−2−ピロリドンに分散させ、炭素分散液を得た。
前記、フッ素−フィラー分散液と炭素分散液とを混合して混合分散液を得、さらに50重量部のジエチレングリコールを添加し、撹拌して、塗料を得た。
得られた最終塗料を、ポリイミド製またはPEN製の基材にアプリケーターを用いて塗工して塗工膜を得、乾燥させて、表1に示す膜厚および空隙率を有するガス拡散電極を得た。
フッ化ビニリデン樹脂(重量平均分子量30万)30重量部を300重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解しフッ素樹脂スラリーを得た。
次いで、平均一次粒子径40nmのアセチレンブラック30重量部と粒子径40nmの親水性フィラー(二酸化ケイ素)15重量部を300重量部の1−メチル−2−ピロリドンに分散させ、炭素−フィラー分散液を得た。
前記、フッ素樹脂スラリーと炭素−フィラー分散液とを混合して混合分散液を得、さらに50重量部のジエチレングリコールを添加し、撹拌して塗料を得た。
得られた塗料を、ポリイミド製またはPEN製の基材にアプリケーターを用いて塗工して塗工膜を得、乾燥させて、表1に示す膜厚および空隙率を有するガス拡散電極を得た。
フッ化ビニリデン樹脂(重量平均分子量30万)30重量部を300重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解しフッ素樹脂スラリーを得た。
次いで、平均一次粒子径40nmのアセチレンブラック30重量部を300重量部の1−メチル−2−ピロリドンに分散させ、炭素分散液を得た。
上記フッ素樹脂スラリー、上記炭素分散液および粒子径40nmの親水性フィラー(二酸化ケイ素)15重量部を混合して混合分散液を得、さらに50重量部のジエチレングリコールを添加し、撹拌して、塗料を得た。
得られた塗料を、ポリイミド製またはPEN製の基材にアプリケーターを用いて塗工して塗工膜を得、乾燥させて、表1に示す膜厚および空隙率を有するガス拡散電極を得た。
<ガス拡散電極の観察>
上記実施例1〜実施例で得られたガス拡散電極の細部構造を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、観察したところ、フッ素樹脂が多孔質膜で均一な細孔を形成しており、アセチレンブラックおよび親水性フィラーはフッ素樹脂の表面及び内部に存在していることが確認できた。
Figure 0004817622

Claims (4)

  1. 二酸化チタンまたは二酸化ケイ素からなる親水性フィラーおよびフッ素樹脂を該フッ素樹脂が溶解する溶媒に添加して得たフッ素樹脂−フィラー含有スラリーと、炭素材料を前記フッ素樹脂が溶解する溶媒に分散させて得た炭素分散液とを混合して混合分散液を作製し、該混合分散液に、前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く、且つ前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒を添加して塗料を作製し、得られた塗料を基材の上に塗布し、乾燥した後、基材から剥離することを特徴とする固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
  2. フッ素樹脂を該フッ素樹脂が溶解する溶媒に添加して得たフッ素樹脂溶液またはスラリーと、二酸化チタンまたは二酸化ケイ素からなる親水性フィラーおよび炭素材料を前記フッ素樹脂が溶解する溶媒に分散させて得た炭素−フィラー分散液とを混合して混合分散液を作製し、該混合分散液に、前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く、且つ前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒を添加して塗料を作製し、得られた塗料を基材の上に塗布し、乾燥した後、基材から剥離することを特徴とする固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
  3. フッ素樹脂を該フッ素樹脂が溶解する溶媒に添加して得たフッ素樹脂溶液またはスラリーと、炭素材料を前記フッ素樹脂が溶解する溶媒に分散させて得た炭素分散液とを混合して混合分散液を作製し、該混合分散液に、二酸化チタンまたは二酸化ケイ素からなる親水性フィラーおよび前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く、且つ前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒を添加して塗料を作製し、得られた塗料を基材の上に塗布し、乾燥した後、基材から剥離することを特徴とする固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
  4. 前記基材がポリイミドフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1乃至記載の何れか1項に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
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