JP5193478B2 - ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 - Google Patents
ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5193478B2 JP5193478B2 JP2007048319A JP2007048319A JP5193478B2 JP 5193478 B2 JP5193478 B2 JP 5193478B2 JP 2007048319 A JP2007048319 A JP 2007048319A JP 2007048319 A JP2007048319 A JP 2007048319A JP 5193478 B2 JP5193478 B2 JP 5193478B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas diffusion
- diffusion electrode
- polymer electrolyte
- carbon material
- catalyst layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Description
(2)前記フッ素樹脂がフッ化オレフィン系樹脂であることを特徴とする前記(1)記載のガス拡散電極。
(3)前記炭素材料が粒子状炭素材料であることを特徴とする前記(1)記載のガス拡散電極。
(4)前記炭素材料が繊維状炭素材料であることを特徴とする前記(1)記載のガス拡散電極。
(5)前記炭素材料が粒子状炭素材料と繊維状炭素材料からなることを特徴とする前記(1)記載のガス拡散電極。
(6)前記粒子状炭素材料がカーボンブラックであることを特徴とする前記(3)または(5)記載のガス拡散電極。
(7)前記カーボンブラックがアセチレンブラックであることを特徴とする前記(6)記載のガス拡散電極。
(8)前記不織布層にシート状導電性多孔質体が積層されてなることを特徴とする前記(1)記載のガス拡散電極。
(9)前記(1)ないし(8)のいずれか記載のガス拡散電極が、高分子電解質膜の両面に触媒層を介して積層されてなることを特徴とする膜−電極接合体。
(10)炭素材料を分散してなるフッ素樹脂溶液をポリアリレートからなる不織布に含浸させ、乾燥させることによって不織布層を形成した後、該不織布層上に触媒層を形成し、触媒層付きガス拡散電極を得る第1工程と、該触媒層付きガス拡散電極の触媒層面を、高分子電解質膜の両面にそれぞれ配し、熱プレスにて、触媒層付きガス拡散電極と高分子電解質膜とを接合する第2工程を有することを特徴とする膜−電極接合体の製造方法。
(11)高分子電解質膜の両面に触媒層を形成して、触媒層付き高分子電解質膜を得る第1工程と、炭素材料を分散してなるフッ素樹脂溶液をポリアリレートからなる不織布に含浸させ、乾燥させて形成した不織布層を有するガス拡散電極を、該不織布層が上記触媒層付き高分子電解質膜の各触媒層面に接触するように配し、熱プレスにて触媒層付き高分子電解質膜とガス拡散電極を接合する第2工程とを有することを特徴とする膜−電極接合体の製造方法。
(12)固体高分子電解質膜の両面に、触媒層を介して前記(1)ないし(8)のいずれか記載のガス拡散電極を設け、その外側にセパレータを配したことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
本発明のガス拡散電極は、フッ素樹脂を主成分とする不織布層を有するガス拡散電極であって、前記不織布層に、少なくとも炭素材料が分散されてなることを特徴とする。
本発明の不織布には、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル,ビニロン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)など、また、前述の混合体やPETと麻の混合体などを用いることができる。
特に、高温時や高圧力下で分解をせず変形がごくわずかなポリアリレートが好ましい。
厚さは5〜200μmが好ましく、特に10〜150μmが好ましい。
本発明において、上記フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等があげられ、これらの1種以上からなるフッ素樹脂を選択して用いることができる。これらの中でも、フッ化オレフィン系樹脂は、耐熱性が高く、機械的強度が良好であるので、特に好ましい。フッ化オレフィン系樹脂は、精度良く多孔質膜を形成することが可能であり、多孔質膜内部の加湿水およびカソードでの生成水を良好に排水することができるという利点を有している。本発明でいうフッ化オレフィン系樹脂とは、フッ化ビニリデンのホモポリマーの他、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、エチレンからなる群より選ばれる1種類以上のモノマーとフッ化ビニリデンとからなるコポリマーおよび3元以上の多元重合体を包含する。また、これらの樹脂を単独で用いる場合に加えて、2種以上の樹脂を混合して使用することも本発明に包含される。
質量平均分子量が10万未満の場合は、強度が低くなる場合があり、一方、120万を越えると、溶媒への溶解性が劣ることから、塗料化が困難になったり、塗料の粘度ムラが生じて、最終的なガス拡散電極の厚さ精度が低下し、触媒層との密着性が不均一となる場合がある。
本発明の炭素材料としては、粒子状炭素材料、繊維状炭素材料、および粒子状炭素材料と繊維状炭素材料を混在させた炭素材料のいずれも用いることができる。
粒子状炭素材料は、如何なるものでも利用することが可能であり、例えば、ファーネスブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック等に代表される、いわゆるカーボンブラックを用いることができる。また、これらの中でも、高導電性および塗液中での分散性の点から、特にアセチレンブラックが好適に用いられる。カーボンブラックは、比表面積や粒子径の大きさによらず、いずれのグレードのものでも使用可能であり、例えば、ライオンアクゾ社製:ケッチェンEC、キャボット社製:バルカンXC72R、電気化学工業社製:デンカブラック等があげられる。本発明において、これらの粒子状炭素材料は、平均一次粒子径が10〜100nmの範囲のものが好ましい。
炭素材料として粒子状炭素材料のみを用いる場合、粒子状炭素材料は、フッ素樹脂1重量部に対して0.1〜3重量部の範囲で用いることが好ましい。さらに好ましくは、フッ素樹脂1重量部に対して0.3〜1.5重量部の範囲である。粒子状炭素材料が少ないとガス拡散層の導電性の低下が見られ、粒子状炭素材料が多いとガス拡散能力が低下する。いずれの場合においても、結果としては、燃料電池性能の低下を引き起こす。
本発明において、これらの繊維状炭素材料は、繊維径の平均が10〜300nm、アスペクト比(繊維の断面の直径と繊維の長さ(曲がっていれば曲がったなりの長さ))5〜1000のものが好ましい.この範囲の繊維状炭素材料は、グラファイト化が進んだ高い導電性をもつので、燃料電池性能の向上に効果がある。
繊維状炭素材料のみを用いる場合、繊維状炭素材料は、フッ素樹脂1重量部に対して繊維状炭素材料0.1〜368重量部の範囲で用いることが好ましい。繊維状炭素材料が少ないとガス拡散層の導電性の低下が見られ、繊維状炭素材料が多いとフッ素樹脂への分散が悪くなり、ガス拡散電極の表面に凹凸が生じて隣接層(例えば触媒層)との間にわずかな隙間が生じ、ガス拡散能力が低下する。いずれの場合においても、結果としては、燃料電池性能の低下を引き起こす。
本発明においては、不織布層に炭素材料以外のフィラーが含まれてもよい。
このフィラーの添加によって、ガス・水の排出、多孔質膜の孔径および、炭素材料の分散をコントロールすることが可能になり、燃料電池性能に影響を及ぼすことができる。
フィラーとしては、無機微粒子または有機微粒子のいずれのものも用いることが可能であるが、親水性を有するものが好ましく、燃料電池中のガス拡散電極内部の環境を考慮すると、無機微粒子の方が好ましい。
親水性のフィラーとしては、二酸化チタン及び二酸化ケイ素等の無機酸化物微粒子が好ましい。これらは、燃料電池中のガス拡散電極内部の環境に耐え、且つ、十分な親水性を持ち合わせているからである。
上記フィラーの粒子径としては、いずれの大きさのものでも使用可能であるが、非常に微小の場合は、塗料中での分散が困難になり、また、非常に大きい場合は、不織布層の空孔を塞いでしまうという問題が発生する。したがって、10〜100nmの範囲のものが好ましく用いられる。
撥水性を有するフッ素樹脂に、親水性のフィラーが添加されることによって、撥水部と親水部が微視的に入り組むことになり、また、フィラーが炭素材料と凝集体を形成して不織布層の孔径が拡大されることになる。その結果、ガス・水の排出が良好に行われ、フラッディング現象に起因する電池性能低下を防止することが可能となる。
また、本発明においては、極度の撥水性が求められる場合、フィラーとしてPTFEの粒子を添加することがある。このとき、不織布層は超撥水膜として働く。
本発明において、不織布層の厚みとしては、5〜300μmであることが好ましく、より好ましくは10〜150μmであり、さらに好ましくは15〜70μmである。厚みが5μmより薄いと保水効果が十分でなく、300μmより厚いとガス拡散能力、排水能力が低下し、いずれの場合も電池性能低下を引き起こす。
図1および図2を用いて説明する。
図1は本発明のガス拡散電極に用いる不織布の断面図であり、図2は本発明のガス拡散電極の断面図である。
10は不織布、11は炭素材料を分散してなるフッ素樹脂、20は本発明のガス拡散電極(不織布層)、Aはガス拡散電極の表面、Bはガス拡散電極の中層である。
図1に示す不織布10は、Bの厚さを有している。
図2に示すように、本発明のガス拡散電極(不織布層)20は、フッ素樹脂11内に不織布10が没入しており、Aの厚さが増している。
表面Aには不織布は存在せず、炭素材料を分散してなるフッ素樹脂11のみが存在しており、凹凸がなく滑らかな面を有する。
このように構成したガス拡散電極は加熱プレス時に触媒層への密着がよく、境界に隙間ができることがない。
表面Aの厚さは1〜25μmが好ましい。
多孔質膜の構造を測る尺度としては、密度、空隙率、孔径がある。
本発明のガス拡散電極において、空隙率は60%〜95%の範囲が好適であり、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上の範囲である。空隙率が60%未満では、ガス拡散能および水の排出が不十分であり、95%を超えると、機械的強度が著しく低下し、燃料電池を組み上げるまでの工程で破損しやすくなる。
密度
(g/cm3)=単位面積当たりの質量/(膜厚×単位面積)
空隙率(%)=[{(a+b+c+d+e)−ガス拡散電極の密度}/(a+b+c+d+e)]×100
導電性多孔質体が積層されたガス拡散電極は、不織布層と導電性多孔質体とが積層構造を有するので、前記特許文献1に記載の燃料電池用ガス拡散電極とは異なり、不織布層を構成する樹脂及び炭素材料などによって導電性多孔質体の空隙が塞がれることがない。
このようなガス拡散電極は、空隙内部のガス透過性が良好であり、電池性能の向上を図ることができる。
本発明のガス拡散電極は、次のようにして製造することができる。
まず、フッ素樹脂を溶媒に溶解させ、炭素材料、さらに、場合によっては炭素材料以外のフィラーを分散させて溶媒混合物を作製する。
次いで、前記フッ素樹脂が溶解する溶媒よりも沸点が高く、かつ、前記フッ素樹脂を溶解しない溶媒を混合し、フッ素樹脂溶液を作製する。フッ素樹脂が溶解する溶媒としては、例えば、1−メチル−2−ピロリドンがあげられる。
また、フッ素樹脂を溶解しない溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールがあげられる。
フッ素樹脂溶液の溶解・分散・混合は、市販の撹拌機、分散機を用いることができる。
得られたフッ素樹脂溶液を不織布に塗布することで含浸させ、乾燥させることによって導電性の多孔質である本発明のガス拡散電極(不織布層)を得ることができる。
また、塗布以外の方法としてフッ素樹脂溶液に不織布を浸漬することでフッ素樹脂溶液を含浸させ、適当な間隔をあけたロールなどにより余分なフッ素樹脂溶液をすりきった後に乾燥させることもできる。
さらに別な方法として、適当な基体に得られたフッ素樹脂溶液を塗布した後、不織布に転写して、乾燥させることもできる。
このときの基体は乾燥後に剥離するか、後述の膜−電極接合体を作製するときに除去する。
基体として、例えばポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)などが好適に使用される。
本発明の膜−電極接合体は、上記のようにして作製されたガス拡散電極が、高分子電解質膜の両面に触媒層を介して積層された構造を有するものである。
図3を用いて説明する。
図3は本発明の膜−電極接合体の断面図である。
15は高分子電解質膜、16は触媒層、50は膜−電極接合体である。
高分子電解質膜15の両面に触媒層16を介してガス拡散電極20が配置されている。
なお、ガス拡散電極20は表面Aで触媒層16と接触している。
この膜−電極接合体は、以下の第1の製造方法および第2の製造方法のいずれかにより製造することができる。
第1の製造方法は、まず、前述のようにしてガス拡散電極を作製し、その上に触媒層形成用の塗料を塗布して触媒層付きガス拡散電極を作製する第1工程と、次いで得られた2つの触媒層付きガス拡散電極を、それらの触媒層が高分子電解質膜の両面に接するように載置し、熱プレスによって、触媒付きガス拡散電極と高分子電解質膜とを接合させる第2工程によって、膜−電極接合体を作製することができる。
本発明の固体高分子型燃料電池は、この膜−電極接合体の両面にカーボンペーパーやクロスを配し、その外側にセパレータを配したセルよりなる。
また、カーボンペーパーやクロス無しの構成でもよい。
なお、セパレータとしては、固体高分子型燃料電池において使用される公知のものならば如何なるものでも使用することができる。
本発明の固体高分子型燃料電池は、前述のガス拡散電極を備えるので撥水性とともにガス拡散性を良好に保つことができる。
以下のようにガス拡散電極を作製し、続いて該ガス拡散電極を燃料極側および酸素極側に配備した固体高分子型燃料電池を作製し評価した。
<実施例1〜12>
フッ化ビニリデン樹脂30重量部を600重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解し、平均一次粒子径40nmのアセチレンブラックを表1記載の重量部を分散し、溶媒混合物を得た。次いで、45重量部のジエチレングリコールを混合・撹拌してフッ素樹脂溶液を得た。
得られたフッ素樹脂溶液を、厚さ22〜65μmのポリアリレート不織布にアプリケーターを用いて塗布することで含浸させ、乾燥させて、実施例1〜12の熱プレス前のガス拡散電極を得た。
また、乾燥時にはポリアリレート不織布の両面ともに何の基体も存在させなかった。
フッ化ビニリデン樹脂30重量部を600重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解し、平均一次粒子径40nmのアセチレンブラックとアスペクト比10〜500の繊維状炭素材料を表1記載の重量部分散させ、溶媒混合物を得た。次いで、45重量部のジエチレングリコールを混合・撹拌してフッ素樹脂溶液を得た。
得られたフッ素樹脂溶液を、厚さ341μmのポリアリレート不織布にアプリケーターを用いて塗布することで含浸させ、乾燥させて、実施例13の熱プレス前のガス拡散電極を得た。
なお、乾燥時にはポリアリレート不織布の両面ともに何の基体も存在させなかった。
フッ化ビニリデン樹脂30重量部を600重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解し、アスペクト比10〜500の繊維状炭素材料を表1記載の重量部分散させ、溶媒混合物を得た。次いで、45重量部のジエチレングリコールを混合・撹拌してフッ素樹脂溶液を得た。
得られたフッ素樹脂溶液を、厚さ41μmのポリアリレート不織布にアプリケーターを用いて塗布することで含浸させ、乾燥させて、実施例14の熱プレス前のガス拡散電極を得た。
なお、乾燥時にはポリアリレート不織布の両面ともに何の基体も存在させなかった。
また、実施例1〜4、5〜8、9〜12、13〜14は互いに不織布のロットが異なっており、ガス拡散電極の密度、空隙率に影響している。
比較例では不織布を用いず、図4に示すように、フッ素樹脂11のみでガス拡散電極を構成した。図4は比較例のガス拡散電極の断面図である。
具体的には以下のようにした。
フッ化ビニリデン樹脂30重量部を600重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解し、平均一次粒子径40nmのアセチレンブラックを表1記載の重量部分散させ、溶媒混合物を得た。次いで、45重量部のジエチレングリコールを混合・撹拌してフッ素樹脂溶液を得た。
得られたフッ素樹脂溶液を、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)にアプリケーターを用いて塗布し、乾燥させて、比較例1〜4の熱プレス前のガス拡散電極を得た。
なお、片面にポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)をつけたまま乾燥した。
実施例および比較例のガス拡散電極の単位面積当たりの質量を測定した。
測定した質量から密度を算出し、さらに密度から前述の空隙率を算出した。
次に、実施例および比較例のガス拡散電極の熱プレス前の膜厚を測定し、熱プレスによる空隙潰れの程度を確認するため、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)に熱プレス(120℃、10MPa、10分)して、熱プレス後の膜厚を測定した。
そして、次式により膜厚変化率(%)を求めた。
膜厚変化率(%)={(熱プレス前の膜厚−熱プレス後の膜厚)/熱プレス前の膜厚}×100
測定、算出の結果を表1に示した。
(1)固体高分子型燃料電池の作製1
以下のように第1の製造方法により膜−電極接合体を製造し、さらに固体高分子型燃料電池を得た。
まず、実施例および比較例について、50mm角に切断したガス拡散電極を2枚ずつ用意した。
白金触媒を担持させたカーボンとイオン伝導性樹脂および水とエタノールの混合溶媒からなる触媒層形成用の塗料を2枚のガス拡散電極の表面にそれぞれ塗布、乾燥させて触媒層を形成し、触媒層付きガス拡散電極を得た。
それぞれの白金触媒の量は、0.3mg/cm2であった。
次いで、触媒層付きガス拡散電極を、触媒層面が高分子電解質膜(デュポン社製、商品名:ナフィオン117)と接するように配し、熱プレス(120℃、10MPa、10分)にて触媒層付きガス拡散電極と高分子電解質膜とを接合し、(比較例ではガス拡散電極製造時に用いた基材であるPENフィルムを剥離除去して)、膜−電極接合体を得た。
得られた膜−電極接合体の両側にカーボンペーパーを配し、その外側に黒鉛製セパレータを配し、単セルに組み込んで実施例1−1、2−1、3−1、・・・、14−1、比較例1−1、2−1、3−1、4−1の固体高分子型燃料電池を得た。
以下のように第2の製造方法により膜−電極接合体を製造し、さらに固体高分子型燃料電池を得た。
まず、実施例および比較例について、50mm角に切断したガス拡散電極を2枚ずつ用意した。
高分子電解質膜(デュポン社製、商品名:ナフィオン117)の両面に、白金触媒を担持させたカーボンとイオン伝導性樹脂および溶媒からなる触媒層形成用の塗料を塗布、乾燥させて触媒層を形成し、触媒層付き高分子電解質膜を得た。
それぞれの白金触媒の量は、0.3mg/cm2であった。
次いで、実施例および比較例のガス拡散電極を、触媒層に接するように配し、熱プレス(120℃、10MPa、10分)にて触媒層付き高分子電解質膜とガス拡散電極とを接合し、(比較例はガス拡散電極製造時に用いた基材であるPENフィルムを剥離除去して)、膜−電極接合体を得た。
得られた膜−電極接合体の両面にカーボンペーパーを配し、その外側に黒鉛製セパレータを配し、単セルに組み込んで実施例1−2、2−2、3−2、・・・、14−2、比較例1−2、2−2、3−2、4−2の固体高分子型燃料電池を得た。
上記、実施例および比較例の固体高分子型燃料電池の発電特性を下記の要領で評価した。
固体高分子型燃料電池の供給ガスとして、燃料極側に水素ガスおよび酸素極側に酸素ガスを用いた。水素ガスは85℃の加湿温度で500mL/min、0.1MPaとなるように供給し、酸素ガスは70℃の加湿温度で1000mL/min、0.1MPaとなるように供給した。この条件下で、電流密度1A/cm2での電圧を測定した。
なお、当該電圧が0.65V以上であれば実用上問題ない。
その結果を表2に示す。
これは、本発明のガス拡散電極を用いることにより、撥水性とともにガス拡散性を良好に保ち、さらに、十分な強度を有して空隙潰れも生じにくくすることで、優れた電池特性を保てることによるものと考えられる。
また、本発明のガス拡散電極の表面は、不織布が現れず滑らかな状態なので、触媒層や固体高分子電解質膜を傷つけることが無く、触媒層との密着がよいので隙間に水が溜まらないからだと考えられる。
また、実施例13−1〜実施例14−1、実施例13−2〜実施例14−2の固体高分子型燃料電池は、電圧が0.73V以上となり特に発電性能が優れている。
これは、繊維状炭素材料の効果と考えられる。
これに対し、比較例1−1〜比較例4−1、比較例1−2〜比較例4−2の固体高分子型燃料電池は電圧が0.65未満となり実用上問題がある。
これは、ガス拡散電極の強度が十分でなく、熱プレス時に空隙潰れが生じたことによるものと考えられる。
10 不織布
11 炭素材料を分散してなるフッ素樹脂
15 高分子電解質膜
16 触媒層
20 本発明のガス拡散電極(不織布層)
50 膜−電極接合体
A ガス拡散電極の表面
B ガス拡散電極の中層
Claims (12)
- フッ素樹脂を主成分とする不織布層を有するガス拡散電極であって、前記不織布層に、少なくとも炭素材料が分散されてなり、前記不織布層がポリアリレートからなる不織布を内在し、該不織布単体よりも厚いことを特徴とするガス拡散電極。
- 前記フッ素樹脂がフッ化オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極。
- 前記炭素材料が粒子状炭素材料であることを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極。
- 前記炭素材料が繊維状炭素材料であることを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極。
- 前記炭素材料が粒子状炭素材料と繊維状炭素材料からなることを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極。
- 前記粒子状炭素材料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項3または5記載のガス拡散電極。
- 前記カーボンブラックがアセチレンブラックであることを特徴とする請求項6記載のガス拡散電極。
- 前記不織布層にシート状導電性多孔質体が積層されてなることを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極。
- 請求項1ないし8のいずれか記載のガス拡散電極が、高分子電解質膜の両面に触媒層を介して積層されてなることを特徴とする膜−電極接合体。
- 炭素材料を分散してなるフッ素樹脂溶液をポリアリレートからなる不織布に含浸させ、乾燥させることによって不織布層を形成した後、該不織布層上に触媒層を形成し、触媒層付きガス拡散電極を得る第1工程と、該触媒層付きガス拡散電極の触媒層面を、高分子電解質膜の両面にそれぞれ配し、熱プレスにて、触媒層付きガス拡散電極と高分子電解質膜とを接合する第2工程を有することを特徴とする膜−電極接合体の製造方法。
- 高分子電解質膜の両面に触媒層を形成して、触媒層付き高分子電解質膜を得る第1工程と、炭素材料を分散してなるフッ素樹脂溶液をポリアリレートからなる不織布に含浸させ、乾燥させて形成した不織布層を有するガス拡散電極を、該不織布層が上記触媒層付き高分子電解質膜の各触媒層面に接触するように配し、熱プレスにて触媒層付き高分子電解質膜とガス拡散電極を接合する第2工程とを有することを特徴とする膜−電極接合体の製造方法。
- 固体高分子電解質膜の両面に、触媒層を介して請求項1ないし8のいずれか記載のガス拡散電極を設け、その外側にセパレータを配したことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007048319A JP5193478B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 |
US12/528,505 US20100098991A1 (en) | 2007-02-28 | 2008-02-22 | Gas Diffusion Electrode For Polymer Electrolyte Fuel Cell, Membrane-Electrode Assembly For Polymer Electrolyte Fuel Cell, Production Method Therefor, And Polymer Electrolyte Fuel Cell |
KR1020097013380A KR101180172B1 (ko) | 2007-02-28 | 2008-02-22 | 고체 고분자형 연료 전지용 가스 확산 전극, 고체 고분자형 연료 전지용 막-전극 접합체와 그 제조 방법, 및 고체 고분자형 연료 전지 |
PCT/JP2008/053044 WO2008105337A1 (ja) | 2007-02-28 | 2008-02-22 | 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、固体高分子型燃料電池用膜-電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 |
EP08711818A EP2124276A4 (en) | 2007-02-28 | 2008-02-22 | GAS DIFFUSION ELECTRODE FOR A FESTPOLYMER FUEL CELL, MEMBRANE ELECTRODE ASSEMBLY FOR A FESTPOLYMER FUEL CELL AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF AND FESTPOLYMER FUEL CELL |
TW097106565A TW200843169A (en) | 2007-02-28 | 2008-02-26 | Gas diffusion electrode for solid polymer fuel cell, film-electrode assembly and method for producing the same, and solid polymer fuel cell |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007048319A JP5193478B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008210725A JP2008210725A (ja) | 2008-09-11 |
JP5193478B2 true JP5193478B2 (ja) | 2013-05-08 |
Family
ID=39786841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007048319A Expired - Fee Related JP5193478B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5193478B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2254181B1 (en) | 2008-03-21 | 2012-10-24 | Asahi Glass Company, Limited | Membrane electrode assembly for solid polymer fuel cell, and solid polymer fuel cell comprising the same |
CN103081194B (zh) | 2010-08-27 | 2015-07-29 | 东邦泰纳克丝株式会社 | 导电片材及其制造方法 |
JP5443413B2 (ja) * | 2011-03-09 | 2014-03-19 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 固体高分子形燃料電池のガス拡散層、そのガス拡散層を含む固体高分子形燃料電池の膜−電極接合体、および、そのガス拡散層の製造に用いるスラリー |
JP6209515B2 (ja) * | 2012-07-13 | 2017-10-04 | 日本バイリーン株式会社 | ガス拡散電極用基材、ガス拡散電極、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 |
JP2015099716A (ja) * | 2013-11-20 | 2015-05-28 | 日本バイリーン株式会社 | ガス拡散電極用基材、ガス拡散電極、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 |
WO2016129678A1 (ja) * | 2015-02-12 | 2016-08-18 | 積水化学工業株式会社 | 積層体及び水処理システム |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2890513B2 (ja) * | 1989-08-22 | 1999-05-17 | 松下電器産業株式会社 | ガス拡散電極とそれを用いた液体燃料電池 |
JP2002313359A (ja) * | 2001-04-17 | 2002-10-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 固体高分子型燃料電池 |
JP2002352807A (ja) * | 2001-05-30 | 2002-12-06 | Toray Ind Inc | ガス拡散体及びその製造方法 |
AU2003297783A1 (en) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Foamex L.P. | Gas diffusion layer containing inherently conductive polymer for fuel cells |
JP4824298B2 (ja) * | 2003-12-04 | 2011-11-30 | パナソニック株式会社 | 燃料電池用ガス拡散層、電極及び膜電極接合体及びその製造方法 |
US7629071B2 (en) * | 2004-09-29 | 2009-12-08 | Giner Electrochemical Systems, Llc | Gas diffusion electrode and method of making the same |
JP4530892B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2010-08-25 | 三洋電機株式会社 | 固体高分子形燃料電池 |
-
2007
- 2007-02-28 JP JP2007048319A patent/JP5193478B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008210725A (ja) | 2008-09-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6121007B2 (ja) | 水分管理シート、ガス拡散シート、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 | |
JP5107050B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 | |
KR101180172B1 (ko) | 고체 고분자형 연료 전지용 가스 확산 전극, 고체 고분자형 연료 전지용 막-전극 접합체와 그 제조 방법, 및 고체 고분자형 연료 전지 | |
KR20140006718A (ko) | 기체확산층용 탄소기재, 이를 이용한 기체확산층, 및 이를 포함하는 연료전지용 전극 | |
JP2007128671A (ja) | ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 | |
WO2009151013A1 (ja) | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 | |
JP5193478B2 (ja) | ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 | |
JP2008311180A (ja) | 膜電極接合体、その製造方法及び該膜電極接合体を用いた燃料電池 | |
JP2007012424A (ja) | ガス拡散電極、膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 | |
KR20160009584A (ko) | 가스 확산 전극용 기재 | |
JP2007179870A (ja) | ガス拡散電極、膜−電極接合体、固体高分子型燃料電池およびそれらの製造方法 | |
JP2009087614A (ja) | 燃料電池用拡散層、燃料電池用拡散層の製造方法、燃料電池 | |
JP5875957B2 (ja) | 水分管理シート、ガス拡散シート、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 | |
JP2009037933A (ja) | 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、固体高分子型燃料電池用膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 | |
JP4828864B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、固体高分子型燃料電池用膜−電極接合体とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 | |
JP2011233274A (ja) | 水分管理シート、ガス拡散シート、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 | |
JP2008311181A (ja) | 膜電極接合体、その製造方法及び該膜電極接合体を用いた燃料電池 | |
JP4817622B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法 | |
JP5222501B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極およびその製造方法 | |
JP4872202B2 (ja) | 燃料電池及び燃料電池の製造方法 | |
JP2006318790A (ja) | 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極とその製造方法、および固体高分子型燃料電池 | |
JP2006019174A (ja) | ガス拡散電極、膜−電極接合体、その製造方法および固体高分子型燃料電池 | |
JP6356436B2 (ja) | 電解質膜・電極構造体 | |
JP5426830B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、それを用いた膜−電極接合体およびその製造方法、ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池 | |
JP6412995B2 (ja) | 電解質膜・電極構造体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090724 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120626 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120821 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121120 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121226 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130204 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5193478 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160208 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160208 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |