JP2010129310A - 燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス透過性を維持しつつも水排出性を向上させ、フラッディングを防止する燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法を提供する。
【解決手段】燃料電池用ガス拡散層32は、導電性繊維を集合してなるガス拡散基材34と、前記ガス拡散基材34上に設けられ、多孔質導電性粒子を含有する導電性撥水層33と、を備える。導電性撥水層33は、貫通細孔分布において、1μm〜10μmの範囲に第一ピークを有し、0.05μm〜0.5μmの範囲に第二ピークを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法に関する。具体的には、本発明は、ガス透過性を維持しつつも水排出性を向上させた燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法に関する。
燃料電池は、燃料ガス(水素ガス)と酸化剤ガス(酸素ガス)とを用いた発電装置であり、低公害かつ発電効率が高いため、「ポスト原子力」、「ポスト内燃機関」として注目されている。例えば、家庭用オンサイト発電用、携帯型小型発電用又は宇宙船搭載型発電用などの一部の分野において、燃料電池は実用化されている。自動車業界においても、内燃機関に代えて作動するモータ用の電源として燃料電池を利用する気運が急速に高まっている。自動車搭載用の燃料電池は、特に小型化かつ高出力化が要求されるため、各種の燃料電池の中でも固体高分子形燃料電池の研究開発が進められている。
固体高分子形燃料電池は、発電の基本単位となる単セルを複数個積層した燃料電池スタックから構成される。単セルでは、固体高分子電解質膜の両側に燃料極と空気極を配置して膜電極接合体(MEA)を構成している。各電極は、固体高分子電解質膜側から触媒層及びガス拡散層を設け、さらに外側にセパレータを配置している。
前記固体高分子形燃料電池では、セパレータに形成したガス流路から燃料ガス及び酸化剤ガスが導入され、燃料極において式1に示す化学反応が、空気極において式2に示す化学反応が進行する。
→ 2H + 2e …(式1)
1/2O + 2H + 2e → HO + Q(反応熱) …(式2)
電池全体としては、式3に示す化学反応が進行し、起電力が生じて外部負荷に対して電気的仕事がなされる。
+ 1/2O → HO + Q(反応熱) …(式3)
式1に示すように、燃料極で発生したプロトン(水素イオン)は、固体高分子電解質膜中のプロトン交換基を伝導して空気極側に移動する。プロトン交換基は、飽和に含水させると比抵抗が小さくなり、プロトン導電性電解質として機能する。このため、通常、加湿装置等を設置して反応ガスを加湿した上で単セルに供給し、固体高分子電解質膜の含水状態を飽和に維持することにより、固体高分子形燃料電池の発電性能の低下を防いでいる。
また、式2に示すように、空気極側では酸化反応が進行すると同時に生成水が生じるが、生成水は酸化剤ガスの流れに伴い単セル内の下流側に流れる。単セル内の下流側には、生成水の他にも加湿された酸化剤ガス中に含まれる水が流れる。そのため、単セル内の下流側に流れた多量の水は過飽和となり、液滴が生じ、酸化剤ガスの流通性(ガス拡散性)が低下する恐れがあった。また、酸化剤ガスの加湿量を減らし、単セル内の下流側での液滴の発生を抑制したとしても、発電効率を高めて酸化剤ガスの利用率を高めた場合には、生成水が多量に存在し、液滴が生じる恐れが依然としてあった。さらに、酸化剤ガスの加湿量を大幅に減らし、単セル内の下流側での液滴の発生を抑制したとしても、単セル内の上流側での水分量が逆に減少して固体高分子電解質膜がドライアウトし、発電性能が大幅に低下してしまう恐れがあった。
そこで、ガス拡散層に撥水処理加工をすることにより液滴化を抑制し、ガス拡散性を高めて発電性能を向上させた固体高分子形燃料電池が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、カーボン繊維から形成したカーボンペーパやカーボンクロス等を構成材料とした基材を用いて、基材にフッ素系樹脂等の撥水剤を含浸させて、ガス拡散層を形成している。また、さらなる撥水性を付与するため、ガス拡散層上にカーボンを主成分とするカーボン層(マイクロポーラス層)を形成している。
特開2002−56851号公報
しかしながら、前記特許文献では、ガス拡散層を撥水処理しているが、カーボン層の貫通細孔径が小さいため排水性が劣り、依然としてガス拡散層及び触媒層で水滴が生じ(フラッディング)、ガス拡散性能を低下させる恐れがあった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、その目的とするところは、ガス拡散性を維持しつつも水排出性を向上させ、フラッディングを防止する燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法を提供することにある。
本発明の燃料電池用ガス拡散層は、導電性繊維を集合してなるガス拡散基材と、ガス拡散基材上に設けられ、多孔質導電性粒子を含有する導電性撥水層と、を備える。そして、導電性撥水層は、貫通細孔分布において、1μm〜10μmの範囲に第一ピークを有し、0.05μm〜0.5μmの範囲に第二ピークを有する。
本発明の他の燃料電池用ガス拡散層は、導電性繊維を集合してなるガス拡散基材と、ガス拡散基材上に設けられ、多孔質導電性粒子を含有する導電性撥水層と、を備える。そして、導電性撥水層は、導電性撥水層の厚さ方向において貫通する複数の第一貫通細孔と第二貫通細孔とを有する。さらに、第一貫通細孔の貫通細孔径は1μm〜10μmであり、第二貫通細孔の貫通細孔径は0.05μm〜0.5μmである。
本発明の燃料電池用ガス拡散層の製造方法は、一次粒子径が20nm〜100nmの多孔質導電性粒子を凝集することにより、粒子径のピークが2μm〜10μmの範囲内にあり、単峰性の粒度分布を示す多孔質導電性粒子と、溶媒とを含有したスラリを調製する工程を有する。さらに、スラリをガス拡散基材の表面に塗布し、スラリの薄膜を形成する工程と、スラリの薄膜が表面に形成されたガス拡散基材を乾燥し、焼成する工程と、を有する。
本発明の燃料電池用ガス拡散層によれは、導電性撥水層に、貫通細孔径が大きい第一貫通細孔と、貫通細孔径が小さい第二貫通細孔とを形成したことから、ガス拡散性を維持することができると共に、導電性撥水層内におけるフラッディングを防止できる。また、本発明の燃料電池用ガス拡散層の製造方法によれは、導電性撥水層に、貫通細孔径が大きい前記第一貫通細孔と、貫通細孔径が小さい前記第二貫通細孔とを容易に形成することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1では、本実施形態のガス拡散層を備えた燃料電池の単セルの構成を示す。図1に示すように、単セル1は、固体高分子電解質膜2の両側に、空気極3及び燃料極4を接合して一体化した膜電極接合体5を備える。空気極3は、空気極触媒層31及び空気極ガス拡散層32を備えた二層構造であり、空気極触媒層31は、固体高分子電解質膜2の一方の面に接触している。同様に、燃料極4は、燃料極触媒層41及び燃料極ガス拡散層42を備えた二層構造であり、燃料極触媒層41は、固体高分子電解質膜2の他方の面に接触している。空気極3及び燃料極4の外側には、空気極セパレータ6及び燃料極セパレータ7が各々設置されている。そして、空気極セパレータ6及び燃料極セパレータ7により、酸化剤ガス流路6a、燃料ガス流路7a及び図示しない冷却水流路が形成されている。
前記単セル1は、固体高分子電解質膜2の両側に空気極3及び燃料極4を配置して、通常、ホットプレス法により一体に接合して膜電極接合体5を形成し、次に膜電極接合体5の両側に空気極セパレータ6及び燃料極セパレータ7を配置して製造する。単セル1では、燃料極4側に水素を含有した燃料ガスを供給し、空気極3側に酸素を含有した空気などの酸化剤ガスを供給する。これにより、上述のように、固体高分子電解質膜2と、空気極触媒層31及び燃料極触媒層41との間の接触面において電気化学反応が起こる。
本実施形態の空気極ガス拡散層32は、導電性繊維を集合してなるガス拡散基材34と、前記ガス拡散基材34上に設けられ、多孔質導電性粒子を含有する導電性撥水層33と、を備えている。前記導電性撥水層33は空気極触媒層31に接触しており、さらにガス拡散基材34は空気極セパレータ6に接触している。そして、前記導電性撥水層33は、貫通細孔分布において、1μm〜10μmの範囲に第一ピークを有し、0.05μm〜0.5μmの範囲に第二ピークを有する。つまり、導電性撥水層33は、その厚さ方向において貫通する、貫通細孔径が1μm〜10μmの複数の第一貫通細孔と、貫通細孔径が0.05μm〜0.5μmの複数の第二貫通細孔とを有している。
前記ガス拡散基材34は、導電性繊維を集合してなる多孔質の繊維体であることから、前記酸化剤ガス流路6aを通じて供給された酸化剤ガスを分散させ、酸化剤ガスを空気極触媒層31に対して均一に供給する役割を有する。さらに、空気極触媒層31における酸化反応により生じた生成水を単セル外部に排出する役割も有する。また、前記導電性撥水層33は、前記ガス拡散基材34を通じて分散した酸化剤ガスを流通しつつ、空気極触媒層31において生じた生成水をガス拡散基材34に排出する役割を有する。そのため、前記導電性撥水層33は、水排出性とガス透過性の両方を備える必要がある。そして、本実施形態のガス拡散層は、貫通細孔径が1μm〜10μmの複数の第一貫通細孔と、貫通細孔径が0.05μm〜0.5μmの複数の第二貫通細孔とを有しており、前記第一貫通細孔が空気極触媒層31とガス拡散基材34との間において生成水の排出パスとなり、前記第二貫通細孔が酸化剤ガスの流通パスとなる。このように、本実施形態の導電性撥水層は、貫通細孔径の大きい第一貫通細孔を有しているため、フラッディングが生じやすい高加湿条件下での生成水の排出性が向上する。さらに、貫通細孔径の異なる二種のパスを有しているため、より高加湿条件において第一貫通細孔が生成水で閉塞されたとしても、第二貫通細孔が酸化剤ガスを流通させる。したがって、導電性撥水層内におけるフラッディングを防止でき、セル性能を向上させることができる。
また、従来、触媒層からの水排出性とガス拡散性(ガス流通性)を向上させる目的で、カーボン層に機械的な粗大孔や亀裂を生じさせる場合があった。しかし、カーボン層に粗大孔や亀裂を形成した場合、生成水の排出が過多となり、電解質膜における水分が減少し、ドライアウト耐性が大幅に低下する恐れがあった。しかし、本実施形態の導電性撥水層では、上述のように、貫通細孔径を制御したため、従来問題となっていたドライアウト耐性とフラッディング耐性のトレードオフ関係を克服でき、セル性能を向上させることができる。
導電性撥水層における第一貫通細孔の貫通細孔径が1μm〜10μmであり、第二貫通細孔の貫通細孔径が0.05μm〜0.5μmの場合、高加湿条件運転時に、第一貫通細孔を排水パスにし、第二貫通細孔をガスパスにするため、フラッディングを防止することができる。なお、第一貫通細孔の貫通細孔径は、2μm〜6μmであることがより好ましい。この貫通細孔径にすることにより、ガス拡散基材34に効率よく生成水を移動させることができる。なお、第一貫通細孔の貫通細孔径が1μm未満の場合には水透過圧が高くなり、排水性が悪くなる。一方、第一貫通細孔の貫通細孔径が10μmを超える場合には水透過圧はほぼなくなるが、導電性撥水層内で生成水の滞留が起こりやすくなったり、導電性撥水層内に有する0.5μm以下の前記第二貫通細孔が減少するため、ガスの流通が阻害される恐れがある。
なお、前記第一及び第二貫通細孔の貫通細孔径は、JIS K3802に規定されているバブルポイント法により求めることができる。この測定法では、貫通細孔のネック部分の細孔径を測定する。このネック部分の細孔径はガス拡散基材の細孔径よりも小さく、基材の細孔径と明確に区別できることから、ガス拡散基材上に導電性撥水層を形成した状態でバブルポイント法により求めることができる。
前記導電性撥水層は、前記多孔質導電性粒子を含有すると共に、撥水性材料を含有することが好ましい。撥水性材料を含有することにより、第一貫通細孔内における生成水の滞留と、第二貫通細孔内への生成水の浸入を防ぐことができる。また、たとえ第二貫通細孔内に生成水の浸入した場合でも、撥水性材料が存在することにより、浸入した水を速やかに排出することができる。なお、前記導電性撥水層が撥水性材料を含有した場合、生成水が導電性撥水層の表面に接触しているとき、生成水と導電性撥水層の表面とがなす角(接触角)が120°以上であることが好ましい。接触角が120°以上になる撥水性を有している場合、第一貫通細孔内での生成水の滞留と、第二貫通細孔内への生成水の浸入を防ぐことができるため、高排水性となり、フラッディング耐性を向上させることができる。なお、接触角が120°未満の場合には、十分に撥水性が発揮されず、ガスパスと水パスの区別ができにくくなる。また、細孔内の水の滞留が発生しやすくなり、ガスの流通が阻害される恐れがある。なお、撥水性材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用することが好ましい。PTFEは、撥水性及び化学的安定性(耐酸性)が高いため、ガスの透過特性及び水の排出特性が向上する。
前記導電性撥水層33の厚さtは、5μm〜50μmであることが好ましい。この厚さであることにより、耐ドライアウト性を確保したまま耐フラッディング性を得ることができる。前記導電性撥水層33の厚さが5μm未満の場合、撥水層としての効果が見込めない恐れがあり、また、50μmを超える場合、生成水の透過抵抗が大きくなり、触媒層からの排水が不十分になる恐れがある。
前記導電性撥水層33は、上述の電気化学反応で生じた電子を取り出す必要があるため、多孔質導電性粒子を含有し、全体として導電性を有している必要がある。前記多孔質導電性粒子としてはカーボンブラックが使用でき、カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等が使用できる。カーボンブラックとしては、特にアセチレンブラックが好ましい。
また、前記多孔質導電性粒子は、ストラクチャが発達したカーボンブラックであることが特に好ましい。ストラクチャが発達したカーボンブラックを用いることにより、前記第一貫通細孔と第二貫通細孔を有する導電性撥水層を容易に得ることができる。ストラクチャが発達したカーボンブラックとしては、前記カーボンブラックの二次粒子径を一次粒子径で除算して得られた形状係数(二次粒子径/一次粒子径)が25〜500であることが好ましい。さらに、この形状係数が50〜250であることがより好ましい。なお、一次粒子径及び二次粒子径は、一般に公知の方法で測定される。その測定方法に特に制限はないが、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により得られるカーボンブラックの写真像から、10〜10000個の粒子の最大径を計測し、その算術平均粒子径を算出することにより得られる。
ガス拡散層は、導電性繊維を集合してなるガス拡散基材を使用している。ガス拡散基材は、前記導電性撥水層と同様に、上述の電気化学反応で生じた電子を取り出す必要があるため、導電性繊維たるカーボン繊維を集合してなる繊維体を使用することが好ましい。具体的には、ガス拡散基材として、カーボン繊維が複雑かつ不規則に入り組んだ構造であるカーボンペーパや、配向性の高いカーボン繊維束を規則正しく織り合わせた構造であるカーボンクロスを使用することができる。
また、ガス拡散基材は、熱伝導率が0.16W/m・K以上であることが好ましい。高熱伝導率のガス拡散基材を用いることにより、触媒層における反応熱がガス拡散層及びセパレータに放散され、触媒層の温度が低下する。触媒層の温度低下により、触媒層が高加湿側となるため、ドライアウト耐性が向上する。一方、本実施形態のガス拡散層は、たとえ触媒層が高加湿側になっても、液水の排出特性が優れるため、フラッディング耐性の低下を防ぐことができ、結果として高性能な燃料電池を提供できる。ここで、ガス拡散基材の熱伝導率が0.16〜3.0W/m・Kであることが好ましく、1.2〜2.2W/m・Kであることが特に好ましい。なお、ガス拡散基材の熱伝導率は、定常法で求めることができる。
また、ガス拡散基材は、ガス透過率が1×10−12以上であることが好ましい。ガス透過率が1×10−12未満の場合には、ガス拡散性が不十分となる恐れがある。なお、ガス拡散基材のガス透過率は、公知のガス透過率測定装置で求めることができる。
本実施形態のガス拡散層を備えた燃料電池では、上述のように、まず、固体高分子電解質膜2の両側に空気極触媒層31及び燃料極触媒層41を接触させることにより、Catalyst Coated Membrane(CCM)を形成する。次に、CCMの両側に本実施形態のガス拡散層32、42を設け、膜電極接合体5を形成する。さらに膜電極接合体5の両側に空気極セパレータ6及び燃料極セパレータ7を配置する。この場合、空気極ガス拡散層32及び燃料極ガス拡散層42の両方に、前記第一及び第二貫通細孔を有した導電性撥水層並びにガス拡散基材を備えるガス拡散層を使用することができる。つまり、図1に示すように、空気極ガス拡散層32を、前記第一及び第二貫通細孔を有した導電性撥水層33とガス拡散基材34とからなる構成とし、同様に燃料極ガス拡散層42を、前記第一及び第二貫通細孔を有した導電性撥水層43とガス拡散基材44とからなる構成としても良い。
本実施形態のガス拡散層を備えた燃料電池では、燃料極ガス拡散層42におけるガス拡散基材44の熱伝導率を0.16W/m・K以下とすることが好ましい。燃料極4側に低熱伝導率のガス拡散基材44を用いることにより、燃料極触媒層41における反応熱が燃料極ガス拡散層42及び燃料極セパレータ7に放散されにくくなり、燃料極触媒層41の温度が上昇する。そして、燃料極触媒層41の温度上昇により、燃料極側におけるフラッディング耐性を向上させることができる。なお、燃料極触媒層41の温度が上昇することにより、燃料極4側におけるドライアウト耐性が低下する恐れがある。しかし、上述のように、空気極3側のガス拡散基材34の熱伝導率を0.16W/m・K以上とすることにより、空気極触媒層31が高加湿側となる。そのため、空気極側から電解質膜2に水分が供給されることから、ドライアウトを防止することができる。なお、燃料極ガス拡散層におけるガス拡散基材の熱伝導率は、0.05〜0.16W/m・Kが好ましく、0.13〜0.16W/m・Kであることが特に好ましい。なお、本明細書において、ガス拡散層と触媒層とを組み合わせた積層体をガス拡散電極ともいう。
次に、本実施形態のガス拡散層の製造方法について説明する。前記ガス拡散層は、まず、一次粒子径が20nm〜100nmの多孔質導電性粒子を凝集することにより、粒子径のピークが2μm〜10μmの範囲内にあり、単峰性の粒度分布を示す前記多孔質導電性粒子と、溶媒とを含有したスラリを調製する。そして、前記スラリをガス拡散基材の表面に塗布し、前記スラリの薄膜を形成する。その後、前記スラリの薄膜が表面に形成されたガス拡散基材を乾燥し、焼成することにより得ることができる。
前記多孔質導電性粒子としては、一次粒子径が20nm〜100nmのカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、通常、前記一次粒子径の粒子が凝集し、二次以上の凝集体として市販されている。そして、このような凝集体としての多孔質導電性粒子と、溶媒とを混合し、粉砕工程を得ることにより、スラリを調製することができる。粉砕工程としてはボールミルやホモジナイザを用いて行うことができる。このような粉砕工程を得ることにより、凝集体としての多孔質導電性粒子が粉砕される。そして、スラリ中の多孔質導電性粒子の粒度分布を測定した場合、その粒子径のピークが2μm〜10μmの範囲内にあり、さらに単峰性の粒度分布(シングルピーク)を示すことが好ましい。このような粒度分布を示す多孔質導電性粒子を含有したスラリを用いることにより、多孔質導電性粒子の一次粒子に由来する0.05μm〜0.5μmの第二貫通細孔と、二次粒子に由来する1μm〜10μmの第一貫通細孔とを容易に得ることができる。なお、スラリ中の多孔質導電性粒子の粒度分布は、レーザー回折散乱法により求めることができる。
なお、溶媒としては、水、パーフルオロベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン、さらにメタノール及びエタノール等のアルコールなどを使用することができる。また、このスラリには前記多孔質導電性粒子のほか、溶媒中での多孔質導電性粒子の分散性を高めるため、界面活性剤を添加することができる。さらに、スラリをガス拡散基材上に塗布しやすくするために増粘剤を添加し、粘度を向上させても良い。増粘剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ポリビニルアルコールなどが使用できる。さらに、上述のように、前記導電性撥水層は撥水性材料、例えばポリテトラフルオロエチレンを含有していることが好ましいため、前記スラリに撥水性材料を添加することが好ましい。
次に、前記スラリをスラリ膜厚が所定値となるように、ガス拡散基材上に塗布する。スラリ膜厚は、焼成後の導電性撥水層の厚さが5μm〜50μmとなるようにする。そして、スラリをガス拡散基材上に塗布した後、乾燥及び焼成する。これにより、溶媒が気化し、異なる貫通細孔径である第一及び第二貫通細孔を有した導電性撥水層を備えたガス拡散層を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<ガス拡散層の作成>
(カーボンペーパの準備)
カーボンペーパ(東レ株式会社製、TGP−H−060)を10cm角に切り出した後、エタノール中に浸漬し、超音波洗浄装置を用いて洗浄処理した。洗浄後、80℃の乾燥炉に投入し、約10分間乾燥した。
(撥水処理用スラリAの調製)
まず、界面活性剤(Dow Chemical Company製、Triton X−100)3gと、純水250gとを混合し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌した。さらに、前記界面活性剤分散水溶液にアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)50gを投入し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌し、スラリを調製した。次に、前記スラリをホモジナイザを用いて粉砕・分散処理を行い、カーボンの平均粒子径を2μmとした。その後、前記スラリに、ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製、Polyflon D−1E)20gを混合し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌した後、希釈用純水及び増粘剤を適量投入し、攪拌することにより、撥水処理用スラリAを調製した。
(カーボン層用スラリBの調製)
まず、界面活性剤(Dow Chemical Company製、Triton X−100)3gと、純水250gとを混合し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌した。さらに前記界面活性剤分散水溶液に、一次粒子径が約30nmであるアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)50gを投入し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌し、スラリを調製した。次に、前記スラリをホモジナイザを用いて粉砕・分散処理を行い、カーボンの平均粒子径を4μmとした。その後、前記スラリに、ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製、Polyflon D−1E) 20gを投入し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌した後、希釈用純水及び増粘剤を適量投入し、攪拌することにより、カーボン層用スラリBを調製した。
(撥水処理用スラリAの塗着)
まず、定盤上にPTFEシートを置き、その上にスラリAを厚さが50μmとなるよう塗布し、スラリ薄膜を形成した。次に、前記洗浄処理したカーボンペーパをスラリ薄膜上に接触させ、押圧することにより、カーボンペーパ内部にスラリAを浸透させた。その後、スラリAが浸透したカーボンペーパを自然乾燥させ、PTFEシートを取り除いた後、350℃、30分間焼成した。
(カーボン層用スラリBの塗着)
スラリAを付着させ、乾燥・焼成した前記カーボンペーパ上に、スラリBを厚さが60μmとなるよう塗布した後、乾燥させ、再び350℃、30分間焼成した。
(ガス拡散層の切断)
前記工程で得られたカーボン層付カーボンペーパを所定のサイズに切り出し、ガス拡散層とした。
<Catalyst Coated Membrane(CCM)の作成>
(触媒の調製)
カーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製、ケッチェンブラックEC)4gに、白金濃度1%のジニトロジアンミン白金水溶液400gを加えて1時間攪拌した。さらに、還元剤としてメタノール50gを混合し、1時間攪拌した。その後、30分で80℃まで加温し、そのまま6時間攪拌した後、1時間で室温まで降温させた。沈殿物を濾過した後、得られた固形物を減圧下85℃において12時間乾燥し、乳鉢で粉砕し、電極触媒(白金粒子の平均粒径:2.6nm、白金担持濃度:50質量%)を得た。
(触媒層の調製)
前記工程により得られた電極触媒の単位質量に対して5倍量の精製水を加え、減圧脱泡操作を5分間加えた。これに0.5倍量のn−プロピルアルコールを加え、さらにプロトン伝導性高分子電解質(DuPont株式会社製 20%Nafion)を加えた。ここで、Nafionの量は、触媒層中のカーボンに対する高分子電解質固形分の質量比が0.9となるようにした。得られた混合スラリを超音波ホモジナイザでよく分散させ、減圧脱泡操作を加えることによって、触媒スラリを作製した。これを転写用台紙たるポリテトラフルオロエチレンシートの片面にスクリーン印刷法によって、所望の厚さに応じた量の触媒スラリを印刷し、60℃で24時間乾燥させた。形成された触媒層のサイズは、5cm×5cmとした。また、ポリテトラフルオロエチレンシート上の塗布量は、白金量が0.2mg/cm、触媒層の平均厚みが6μmとなるように調整した。
(CCMの調製)
固体高分子電解質膜(DuPont株式会社製 Nafion NRE211(膜厚25μm))と、先に作製したポリテトラフルオロエチレンシート上の触媒層とを重ね合わせた。その際、アノード触媒層、固体高分子電解質膜及びカソード触媒層を、この順序で積層させた。その後、130℃、2.0MPaで10分間ホットプレスし、ポリテトラフルオロエチレンシートのみを剥がしてCCMを得た。
<単セルの評価>
前記CCMの両面に前記ガス拡散層を接合したMEAを用いて燃料電池単セルを組み立てた。そして、大気圧状態で、アノード極に水素ガスを、カソード極に空気を導入し、セル温度70℃、負荷電流密度1A/cmで12時間エージング処理を行った後、後述するように、単セルの発電性能(I−V特性)の評価を行った。
[比較例1]
比較例1の単セルは、前記実施例1に対して、以下のようにカーボン層用スラリの調製条件のみ変更し、実施例1と同様にエージング処理を行った後、発電性能を評価した。
(カーボン層用スラリCの調製)
まず、界面活性剤(Dow Chemical Company製、Triton X−100)3gと、純水250gとを混合し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌した。さらに前記界面活性剤分散水溶液にアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製)50gを投入し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌し、スラリを調製した。次に、前記スラリをホモジナイザを用いて粉砕・分散処理を行い、カーボンの平均粒子径を1.2μmとした。その後、前記スラリに、ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製、Polyflon D−1E) 20gを投入し、プロペラ攪拌装置にて150rpm、30分間攪拌した後、希釈用純水及び増粘剤を適量投入し、攪拌することにより、カーボン層用スラリCを調製した。
[実施例2]
実施例2の単セルは、前記実施例1に対して、燃料極ガス拡散層のみを変更した。実施例2の燃料極ガス拡散層は、低熱伝導率カーボンペーパ上に、比較例1で調製したカーボン層用スラリCを厚さが60μmとなるよう塗布した後、乾燥させ、350℃、30分間焼成することにより調製した。そして、実施例2の単セルを実施例1と同様にエージング処理を行った後、発電性能を評価した。なお、実施例2で使用した低熱伝導率カーボンペーパの熱伝導率を表1に示す。また、表1には、実施例1、3及び比較例1で使用したカーボンペーパの熱伝導率も示す。
[実施例3]
実施例3の単セルは、前記実施例1に対して、燃料極ガス拡散層のみを変更した。まず、比較例1で調製したカーボン層用スラリCに固形分比で30wt%相当の活性炭を均一に混合させ、カーボン層用スラリDを調製した。次に、前記実施例2と同様の低熱伝導率カーボンペーパ上に、カーボン層用スラリDを厚さが60μmとなるよう塗布した後、乾燥させ、350℃、30分間焼成することにより、実施例3で使用する燃料極ガス拡散層を得た。この燃料極ガス拡散層を用いて実施例3の単セルを作成し、実施例1と同様にエージング処理を行った後、発電性能を評価した。
[評価結果]
先ず、実施例1及び比較例1の導電性撥水層の貫通細孔分布を測定した。なお、貫通細孔分布は、JIS K3832に準拠したPorous Materials,inc.製のPerm−porometerを使用して測定した。実施例1及び比較例1の貫通細孔分布の結果を図2に示す。図2に示すように、実施例1の貫通細孔分布は、主要なピークであるP1が0.05μm〜0.5μmの範囲に存在し、さらにもう一つの主要なピークであるP2が1μm〜10μmの範囲に存在する。このように、実施例1では、貫通細孔径が1μm〜10μmの第一貫通細孔と、貫通細孔径が0.05μm〜0.5μmの第二貫通細孔が多数形成されていることが確認できた。これに比べ、比較例1の貫通細孔分布は、主要なピークであるP3が0.05μm〜0.5μmの範囲に存在し、1μm〜10μmの範囲にはピークを確認することができなかった。
また、図3には、レーザー回折散乱法に求めた実施例1及び比較例1のカーボン層用スラリの粒度分布を示す。実施例1では、粒子径のピークP4が2μm〜10μmの範囲内にあり、さらに単峰性の粒度分布を示していることが確認できた。これに対し、比較例1では、粒子径のピークP5が1μm以下にあり、さらに双峰性の粒度分布を示している。このことから、粒子径のピークが2μm〜10μmの範囲内にあり、単峰性の粒度分布を示す前記多孔質導電性粒子のカーボン層用スラリを使用することにより、1μm〜10μmの第一貫通細孔と、0.05μm〜0.5μmの第二貫通細孔とを容易に形成できることがわかる。
次に、実施例1〜3及び比較例1の単セルの電流−電圧特性(I−V特性)を測定した。なお、単セルのI−V特性は、まず、実施例及び比較例の各単セルを、セル電圧特性測定治具に組み込んだ。そして、低加湿運転条件として、セル温度:70℃、アノード/カソード相対湿度:20%の条件で、電流−電圧特性を測定した。また、高加湿運転条件として、セル温度:50℃、アノード/カソード相対湿度:100%の条件で、電流−電圧特性を測定した。低加湿運転条件の場合の、各実施例及び比較例における電流−電圧特性の測定結果を図4に、高加湿運転条件の場合の電流−電圧特性の測定結果を図5に示す。
図4に示すように、低加湿運転条件では、実施例1〜3及び比較例1で電流−電圧特性に大きな差は認められなかった。しかし、図5に示すように、高加湿運転条件では、電流密度を高くした場合、比較例1は、実施例1〜3に比べ、セル電圧の著しい低下が認められた。これは、図2に示すように、比較例1が貫通細孔径が0.2μm程度の貫通細孔のみが主として形成されているため、フラッディングが発生し、セル電圧が低下したものと考えられる。これに対し、実施例1〜3では、貫通細孔径が1μm〜10μmの第一貫通細孔と、貫通細孔径が0.05μm〜0.5μmの第二貫通細孔の両方を有しているため、フラッディングを防止でき、セル電圧の低下を抑制したものと考える。
さらに、実施例1〜3を比較すると、図5に示すように、実施例1に比べ、実施例2及び3の電圧低下が抑制されている。これは、表1に示すように、燃料極ガス拡散層におけるガス拡散基材の熱伝導率を0.16W/m・K以下とすることにより、燃料極側におけるフラッディング耐性を向上させた結果だと考えられる。
また、図6(b)には、実施例1の導電性撥水層の走査型電子顕微鏡写真と貫通細孔模式図を示す。図6(b)に示すように、実施例1の導電性撥水層33は、貫通細孔径が大きい第一貫通細孔33aと、貫通細孔径が小さい第二貫通細孔33bとを有していると推定できる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
図1は、本発明の実施形態に係るガス拡散層を用いた燃料電池単セルを示す概略図である。 図2は、実施例1及び比較例1における導電性撥水層の貫通細孔分布を示すグラフである。 図3は、実施例1及び比較例1で使用したスラリ中のアセチレンブラックの粒度分布を示すグラフである。 図4は、低加湿運転条件下における実施例及び比較例の電流−電圧特性を示す図である。 図5は、高加湿運転条件下における実施例及び比較例の電流−電圧特性を示す図である。 図6は、実施例1の燃料電池を示す図であり、(a)は燃料電池の概略図であり、(b)は空気極ガス拡散層の一部拡大写真である。
符号の説明
1 単セル
2 固体高分子電解質膜
3 空気極
4 燃料極
5 膜電極接合体
6 空気極セパレータ
7 燃料極セパレータ
31 空気極触媒層
32 空気極ガス拡散層
33 導電性撥水層
33a 第一貫通細孔
33b 第二貫通細孔
34 ガス拡散基材

Claims (9)

  1. 導電性繊維を集合してなるガス拡散基材と、
    前記ガス拡散基材上に設けられ、多孔質導電性粒子を含有する導電性撥水層と、
    を備え、
    前記導電性撥水層は、貫通細孔分布において、1μm〜10μmの範囲に第一ピークを有し、0.05μm〜0.5μmの範囲に第二ピークを有することを特徴とする燃料電池用ガス拡散層。
  2. 導電性繊維を集合してなるガス拡散基材と、
    前記ガス拡散基材上に設けられ、多孔質導電性粒子を含有する導電性撥水層と、
    を備え、
    前記導電性撥水層は、前記導電性撥水層の厚さ方向において貫通する複数の第一貫通細孔と、第二貫通細孔とを有し、
    第一貫通細孔の貫通細孔径は1μm〜10μmであり、第二貫通細孔の貫通細孔径は0.05μm〜0.5μmであることを特徴とする燃料電池用ガス拡散層。
  3. 前記導電性撥水層は、撥水性材料を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  4. 前記導電性撥水層の厚さは、5μm〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  5. 前記多孔質導電性粒子は、カーボンブラックであり、
    前記カーボンブラックの二次粒子径を一次粒子径で除算して得られた形状係数が25〜500であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  6. 前記ガス拡散基材は、0.16〜3.0W/m・Kの熱伝導率を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池用ガス拡散層と、
    前記ガス拡散層と積層される空気極触媒層と、
    を備えることを特徴とする燃料電池用ガス拡散電極。
  8. 一次粒子径が20nm〜100nmの多孔質導電性粒子を凝集することにより、粒子径のピークが2μm〜10μmの範囲内にあり、単峰性の粒度分布を示す前記多孔質導電性粒子と、溶媒とを含有したスラリを調製する工程と、
    前記スラリをガス拡散基材の表面に塗布し、前記スラリの薄膜を形成する工程と、
    前記スラリの薄膜が表面に形成されたガス拡散基材を乾燥し、焼成する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  9. 前記スラリー調製工程において、前記スラリに撥水性材料を混合することを特徴とする請求項8に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
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