JP2007149454A - ガス拡散層、ガス拡散電極、膜電極接合体及び高分子電解質形燃料電池 - Google Patents

ガス拡散層、ガス拡散電極、膜電極接合体及び高分子電解質形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒層の周辺部付近における高分子電解質膜の劣化や損傷を十分に抑制し、かつ耐久性に優れる長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を実現し得るガス拡散層の提供。
【解決手段】触媒層2A、2Bとガス拡散層11A、11Bとを少なくとも有するガス拡散電極に用いられるガス拡散層において、触媒層を設けたときに触媒層の周辺部Q2が触媒層の中央部Q1に比べてより深く侵入するように形成される埋没部15A、15Bを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜電極接合体及び高分子電解質形燃料電池に関する。
高分子電解質形燃料電池は、陽イオン(水素イオン)を選択的に輸送する水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜を用い、水素などの燃料ガス及び空気などの酸化剤ガス(反応ガス)を、電極触媒(例えば白金など)を含む触媒層を有するガス拡散電極で電気化学的に反応させ、電気と熱を同時に発生させるものである。このような高分子電解質形燃料電池の一般的な構成を図9に示す。
この高分子電解質形燃料電池200において、高分子電解質膜101の両面には、電極触媒(例えば白金金属)を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層102A、102Bが密着して配置され、さらに触媒層102A、102Bの外面には、ガス拡散基材104A、104Bと撥水カーボン層(被覆層)103A、103Bとで構成された一対のガス拡散層111A、111Bが密着して配置されている。撥水カーボン層103A、103Bは集電作用、ガス透過性及び撥水性を有し、触媒層102A、102B及びガス拡散層111A、111Bが、ガス拡散電極(アノード又はカソード)を構成する。また、高分子電解質膜101、触媒層102A、102B、及びガス拡散層111A、111Bが、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)105を構成する。
この膜電極接合体105を機械的に接合するとともに、隣接する膜電極接合体105同士を互いに電気的に直列に接続するために、導電性を有する板状のセパレータ106A、106Bが膜電極接合体105間に挿入される。セパレータ106A、106Bは、一方の面に、アノード側及びカソード側の触媒層102A、102Bに、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するガス流路107A、107Bを有し、他方の面に、膜電極接合体105を冷却するための冷却流体(冷却水)用の流路108を有する。また、反応ガスが外部に漏れることを防ぐためにシール材109が配置されている。
このようにして膜電極接合体105と一組のセパレータ106A、106Bとが単電池を構成し、単電池が複数個積層されて電池積層体(スタック)が構成される。この電池積層体は、燃料ガスや酸化剤ガスがリークしないように、また電池積層体内の接触抵抗を減らすために、締結ボルト110によって所定の締結圧で積層方向に締結される。従って、膜電極接合体105とセパレータ106A、106Bとは所定の圧力のもとで面接触している。
一般に、単電池やスタックの組立て公差等に起因して、シール材109と膜電極接合体105との間には隙間109A、109Bが形成されるため、系外から供給される燃料ガスや酸化剤ガスは、比較的触媒層102A、102Bの周辺部に拡散し易い。そのため、触媒層102A、102Bの周辺部では中央部に比べ、発電反応が起こり易い。そうすると、発電反応に伴って発生する熱量も大きくなり、上記周辺部からの熱(温度上昇)によって高分子電解質膜101の劣化や損傷(穴あき)が起こり易い。高分子電解質膜101が損傷すると、電池性能の低下や発電停止を招くおそれがある。
特に、上記のように高分子電解質膜の主面の面積が触媒層の主面の面積よりも大きく、かつ発電部位と未発電部位が比較的明確な従来の高分子電解質形燃料電池においては、熱ひずみによって、発電部位と未発電部位との界面に過剰な応力がかかり易く、高分子電解質膜101のうちの上記触媒層の周辺部に隣接する部分の劣化が進行し易い。そのため、2000時間以内に運転が停止する場合がほとんどであった。
上記のような問題を防ぐ従来技術として、触媒層の周辺部での熱発生を抑制することを意図し、上記周辺部に触媒を含まない耐火層を設ける技術が提案されている(特許文献1)。また、高分子電解質膜を保護することを意図して、触媒層の周辺部にフィルム状の樹脂膜を設ける技術も提案されている(特許文献2及び特許文献3)。さらに、電極反応部でのプロトン伝導性を維持したまま、高分子電解質膜の周辺部での損傷を防止することを意図して、高分子電解質膜のうちの中央部に比べてその周辺部を厚くする技術も提案されている(特許文献4)。
特開平7-201346号公報 特開平5-174845号公報 特開平8-185872号公報 特開平8-185881号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、触媒を持たない耐火層において電気化学反応がほとんど進行しないため、未反応ガスが多くなり、この未反応ガスが触媒層の端部付近で燃焼反応を起こし、触媒層と耐火層の境界部に局所的な温度上昇が生じ、高分子電解質膜の損傷が生じ易くなるため改善の余地があった。
また、上記特許文献2及び特許文献3の構成では、膜電極接合体の作製時に厚さ数十μmの樹脂膜と触媒層とを隙間なく接するように配置するのが困難であり、両者の位置がずれて、樹脂膜と触媒層との間に隙間が生じることがある。このような場合には、当該隙間に隣接する触媒層の端部付近において高分子電解質膜の損傷が生じてしまい、樹脂膜の効果が得られにくくなるため改善の余地があった。
さらに、上記特許文献4の構成を得ようとしても、高分子電解質膜を作製する時点で中央部の厚さ及び周辺部の厚さにムラが生じ易いという問題があった。このようなムラが生じると、薄いはずの中心部に厚い部分が島状に生じたりしてしまい、イオン伝導性が低下してしまうため改善の余地があった。これと同様に、厚い触媒層の周辺部にも部分的に薄い部分が生じてしまい、発熱によって当該薄い部分の付近において高分子電解質膜の損傷が大きくなるため改善の余地があった。また、高分子電解質膜の周辺部が厚いため、中心部の触媒層で十分な締結圧が得られず、接触抵抗が高くなる場合もあった。
以上のような従来の問題点に鑑み、本発明は、触媒層の周辺部付近における高分子電解質膜の劣化や損傷を十分に抑制し、かつ耐久性に優れる長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を実現し得るガス拡散層、ガス拡散電極及び膜電極接合体を提供することを目的とする。また、本発明は、上記本発明のガス拡散層、本発明のガス拡散電極及び本発明の膜電極接合体を備えており、耐久性に優れ長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、
触媒層とガス拡散層とを少なくとも有するガス拡散電極に用いられるガス拡散層であって、
上記触媒層を設けたときに該触媒層の周辺部が該触媒層の中央部に比べてより深く侵入するように形成される埋没部を有していること、
を特徴とするガス拡散層を提供する。
このような埋没部を有する構成によれば、上記ガス拡散層に触媒層を形成してガス拡散電極を作製した際に、当該触媒層の周辺部が中央部に比べてガス拡散層側に埋没する。そうすると、当該ガス拡散電極の触媒層側に、上記触媒層の主面よりも大きな主面を有する高分子電解質膜を配置して膜電極接合体を作製した場合、触媒層の周辺部は高分子電解質膜に接しにくくなる。そのため、触媒層の中央部に比較して、触媒層の周辺部は選択的に反応性が下がり、高分子電解質膜との接触抵抗が上がる(良好な電極特性や電池特性を維持できる程度に上がる)。そのため、高分子電解質膜のうちの上記触媒層の周辺部に隣接する部分の劣化や損傷を十分に抑制することができ、かつ耐久性に優れる長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を実現し得るガス拡散層を得ることができる。
なお、本発明のガス拡散層において、「埋没部」はガス拡散層上に触媒層を設けたときに該触媒層の周辺部が該触媒層の中央部に比べてより深く侵入するように形成されるものであればよい。例えば、埋没部はガス拡散層上に触媒層を設ける際に触媒層の周辺部に押されてガス拡散層の周辺部が形状変形するように形成されているものであってもよく、埋没部はガス拡散層上に触媒層を設ける以前に、触媒層の周辺部を収容可能な空間を確保した状態でガス拡散層の周辺部に予め形成されているものであってもよい。但し、触媒層とガス拡散層とをより強固に一体化する観点からは、埋没部はガス拡散層上に触媒層を設ける際に触媒層の周辺部に押されてガス拡散層の周辺部が形状変形するように形成されている方が好ましい。
ここで、「触媒層の周辺部」とは、燃料電池の構成とした場合にセパレータのガス流路からガス拡散層を通過せずに電極周辺を廻りこんでくる反応ガスの進入をうける触媒層の周辺の部分をいい、埋没部を設けていないと当該触媒層の周辺部に接触する高分子電解質膜の劣化や損傷が進行する部分をいう。この周辺部は、燃料電池の諸条件(ガス拡散電極、セパレータ及び高分子電解質膜の大きさ、膜電極接合体とセパレータとを締結するときの圧力、触媒層の組成と厚さ、ガス拡散層の組成と厚さ、高分子電解質膜の組成と厚さ、セパレータの組成と厚さ、反応ガスの供給圧力、及び、セパレータにおけるガス流路の形成される領域の大きさなど)により理論的又は実験的に設定することができる。
また、「触媒層の周辺部」とは、当該触媒層の主面の法線方向から当該触媒層をみた場合に、当該触媒層の全周にわたる周辺部のうちの少なくとも一部(即ち、全周にわたる周辺部のうちの、不連続に存在する一部の領域)であってもよい。但し、本発明の効果をより確実に得るという観点からは触媒層の周辺部は、全周にわたって連続して存在する部分であるのが好ましい。上記周辺部の幅などの具体的な寸法については、本発明の効果を得ることができる範囲であれば、適宜選択することが可能である。
一方、本発明における「触媒層の中央部」とは、当該触媒層の主面の法線方向から当該触媒層をみた場合に、当該触媒層の全周にわたる周辺部を除く部分のことをいう。従って、上記周辺部が不連続に存在する場合であっても、全周にわたって連続していると仮定した周辺部を除く部分が、上記「触媒層の中央部」に相当する。
なお、本発明は、「ガス拡散層」が、「ガス拡散基材」で構成される場合と、「ガス拡散基材」と「撥水カーボン層」とで構成される場合と、を含む。
したがって、本発明は、「ガス拡散層」の有する、触媒層を設けたときに該触媒層の周辺部が該触媒層の中央部に比べてより深く侵入するように形成される「埋没部」が、「ガス拡散材」に設けられる場合と、「撥水カーボン層」に設けられる場合と、「ガス拡散材」および「撥水カーボン層」の両方に設けられる場合と、を含むものである。
また、本発明は、
上述の本発明のガス拡散層と、
前記ガス拡散層の上方に配置される触媒層と、
を有していること、
を特徴とするガス拡散電極を提供する。
本発明のガス拡散電極によれば、先に述べたガス拡散層を用いていることから、触媒層の周辺部は高分子電解質膜に接しにくくなる。そのため、触媒層の中央部に比較して、触媒層の周辺部は選択的に反応性が下がり、高分子電解質膜との接触抵抗が上がる(良好な電極特性や電池特性を維持できる程度に上がる)。そのため、高分子電解質膜のうちの上記触媒層の周辺部に隣接する部分の劣化や損傷を十分に抑制することができ、かつ耐久性に優れる長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を実現し得るガス拡散電極を得ることができる。
さらに本発明は、
一対のガス拡散電極と、前記一対のガス拡散電極に挟持されており水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、を有し、
一対のガス拡散電極のうちの少なくとも一方は上述の本発明のガス拡散電極であること、
を特徴とする膜電極接合体を提供する。
本発明の膜電極接合体によれば、先に述べたガス拡散電極を用いていることから、そのため、触媒層の中央部に比較して、触媒層の周辺部は選択的に反応性が下がり、高分子電解質膜との接触抵抗が上がる(良好な電極特性や電池特性を維持できる程度に上がる)。そのため、高分子電解質膜のうちの上記触媒層の周辺部に隣接する部分の劣化や損傷を十分に抑制することができ、かつ耐久性に優れる長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を実現し得る膜電極接合体を得ることができる。
さらに、本発明は、
上述の本発明の膜電極接合体と、
膜電極接合体の両面に配置されており、ガス流路を有する一対の導電性セパレータと、を有すること、
を特徴とする高分子電解質形燃料電池を提供する。
本発明の高分子電解質形燃料電池によれば、先に述べた膜電極接合体を用いていることから、そのため、触媒層の中央部に比較して、触媒層の周辺部は選択的に反応性が下がり、高分子電解質膜との接触抵抗が上がる(良好な電極特性や電池特性を維持できる程度に上がる)。そのため、高分子電解質膜のうちの上記触媒層の周辺部に隣接する部分の劣化や損傷を十分に抑制することができ、かつ耐久性に優れる長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を実現することができる。
本発明によれば、触媒層の周辺部付近における高分子電解質膜の劣化や損傷を十分に抑制し、かつ耐久性に優れる長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を実現し得るガス拡散層、ガス拡散電極及び膜電極接合体を得ることができる。また、本発明によれば、上記本発明のガス拡散層、本発明のガス拡散電極及び本発明の膜電極接合体を備えており、耐久性に優れ長期運転が可能な高分子電解質形燃料電池を得ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
[第一実施形態]
図1は、本発明の高分子電解質形燃料電池の一実施形態の構成を示す概略断面図である。
図1に示す、高分子電解質形燃料電池100は、主として、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質膜1と、高分子電解質膜1の両面に密着して配置された触媒層2A、2Bと、触媒層2A、2Bの外面に配置された一対のガス拡散層11A、11Bと、導電性を有する板状のセパレータ6A、6Bと、から構成されている。以下各構成要素について説明する。
高分子電解質膜1の両面に密着して配置されている触媒層2A、2Bは、電極触媒(例えば白金金属)を担持したカーボン粉末を主成分とする。
触媒層2A、2Bの外面に配置された一対のガス拡散層11A、11Bは、撥水カーボン層(被覆層)3A、3Bと、ガス拡散基材4A、4Bとで構成されている。
撥水カーボン層3A、3Bは集電作用、ガス透過性及び撥水性を有し、ガス拡散層からの排水効果を高めるために設けられている。このように撥水カーボン層を設ける場合には、触媒層とガス拡散層との、接着性が向上する、電気的な接触抵抗が低減できる、及び、ガス拡散層の構成材料の繊維が触媒層に貫入するのをより確実に防止できる、といった効果を得ることができる。
ガス拡散基材4A、4Bは、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどの導電性多孔質基材で構成されている。これら導電性多孔質機材は、黒鉛化処理が行われているのが好ましい。
そして、触媒層2A、2B及びガス拡散層11A、11Bが、ガス拡散電極(アノード又はカソード)を構成し、また、高分子電解質膜1、触媒層2A、2B、及びガス拡散層11A、11Bが、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)5を構成する。
セパレータ6A、6Bは、樹脂を含浸した黒鉛板や金属板などで構成されており、膜電極接合体5を機械的に接合するとともに、隣接する膜電極接合体5同士を互いに電気的に直列に接続するために、膜電極接合体5間に挿入されている。また、セパレータ6A、6Bは、一方の面に、アノード側及びカソード側の触媒層2A、2Bに、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するガス流路7A、7Bを有し、他方の面に、膜電極接合体5を冷却するための冷却流体(冷却水)用の流路8を有する。さらに、反応ガスが外部に漏れることを防ぐためにシール材9が配置されている。
そして膜電極接合体5と一組のセパレータ6A、6Bとが単電池を構成し、単電池が複数個積層されて電池積層体(スタック)が構成される。従って、本発明の高分子電解質形燃料電池は、単電池1つで構成されていてもよく、また、上記スタック(即ち複数個の単電池)で構成されていてもよい。図1に示す本実施形態の高分子電解質形燃料電池100は、燃料ガスや酸化剤ガスがリークしないように、また電池積層体内の接触抵抗を減らすために、上記電池積層体を締結ボルト10によって所定の締結圧で積層方向に締結することにより構成されている。
ここで、従来の高分子電解質形燃料電池の膜電極接合体105と同様に、膜電極接合体5においては、単電池やスタックの組立て公差等に起因して、シール材9と膜電極接合体5との間に隙間9A、9Bが形成されるため、系外から供給される燃料ガスや酸化剤ガス(反応ガス)は、比較的触媒層2A、2Bの周辺部に拡散し易い。そのため、触媒層2A、2Bの周辺部では中央部に比べ、発電反応が起こり易い。そうすると、発電反応に伴って発生する熱量も大きくなり、上記周辺部からの熱(温度上昇)によって高分子電解質膜1の劣化や損傷(穴あき)が起こり易い。高分子電解質膜101が損傷すると、電池性能の低下や発電停止を招くおそれがある。
そこで、本実施形態の高分子電解質形燃料電池100においては、上記ガス拡散層11A、11Bとして、触媒層とガス拡散層とを少なくとも有するガス拡散電極に用いられるガス拡散層であって、触媒層を設けたときに触媒層の周辺部が触媒層の中央部に比べてより深く侵入するように形成される埋没部を有していること、を特徴とするガス拡散層を用いる。
以下に、図2及び図3を参照しながら、本実施形態のガス拡散層及び該ガス拡散層を含む膜電極接合体の構成についてより詳細に説明する。図2は、図1における膜電極接合体5の要部を拡大した図であり、図3は、図2におけるガス拡散基材4A、4Bの構成を概念的に示す模式図である。但し、図3中ガス拡散基材は符号4で示す。
図2に示すように、本実施形態の高分子電解質形燃料電池100の膜電極接合体5は、高分子電解質膜1、触媒層2A、2B及び後述するガス拡散基材4A、4Bを用いたガス拡散層11A、11Bを含む。膜電極接合体5の組み立て時の作業性を良くするために、高分子電解質膜1の主面の面積は、ガス拡散層11A、11Bの主面の面積及び触媒層2A、2Bの主面の面積よりも大きくし、高分子電解質膜1の中央部P1に、ガス拡散層11A、11B及び触媒層2A、2Bを配置させ、高分子電解質膜1の周辺部P2がガス拡散層11A、11B及び触媒層2A、2Bの主面より外側に位置するように構成されている。また、触媒層2A、2Bの主面の面積と、撥水カーボン層3A、3Bの主面の面積は略同一であり、ガス拡散層11A、11Bの主面の面積は触媒層2A、2Bの主面の面積及び撥水カーボン層3A、3Bの主面の面積よりも大きく構成されている。
但し、本発明の効果が得られれば、ガス拡散層11A、11Bの主面の面積が撥水カーボン層3A、3Bの主面の面積と略同一であり、かつ触媒層2A、2Bの主面の面積がガス拡散層11A、11Bの主面の面積及び撥水カーボン層3A、3Bの主面の面積よりも小さくてもよい。また、ガス拡散層11A、11Bの主面の面積と、撥水カーボン層3A、3Bの主面の面積と、触媒層2A、2Bの主面の面積と、が略同一であってもよい。
なお、「高分子電解質膜の中央部」とは、高分子電解質膜の主面の法線方向から当該「高分子電解質膜の中央部」を投影してみた場合(等倍に投影してみた場合)に、触媒層2A、2Bと、撥水カーボン層3A、3B及びガス拡散基材4A、4Bで構成されるガス拡散層11A、11Bと、を含む「ガス拡散電極」を示す図形(投影された結果、当該「ガス拡散電極」を示すものとしてみえる図形)と同一の大きさ及び形状となる領域、即ち、「ガス拡散電極」を示す図形に一致した状態で重なる領域をいう(図2のP1参照)。従って、高分子電解質膜の「高分子電解質膜の中央部」以外の部分は「高分子電解質膜の周辺部」に相当する(図2のP2参照)。
そして、ガス拡散層11A、11Bは、ガス拡散基材4A、4Bと撥水カーボン層3A、3Bとで構成されており、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bの周辺部(図2においてQ2で示される部分)が、それぞれ触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bの中央部(図2においてQ1で示される部分)に比べてより深くガス拡散基材4A、4Bに侵入する埋没部15A、15Bが設けられている。
本実施形態においては、ガス拡散基材4A、4Bの周辺部(即ち、図2においてQ2で示される部分であって、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bの周辺部に対応する部分)の撥水材の単位面積あたりの含有量を、ガス拡散基材4A、4Bの中央部(即ち、図2においてQ1で示される部分であって、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bの中央部に対応する部分)の撥水材の単位面積あたりの含有量よりも少なく調整することにより、設けられた触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bの上記周辺部を、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bの上記中央部に比べて、より深くガス拡散基材4A、4Bに侵入させることができる。
なお、「撥水カーボン層の周辺部」とは、「触媒層の周辺部に対応する部分」をいい、「触媒層の周辺部に対応する部分」とは、高分子電解質膜の主面の法線方向から当該「触媒層の周辺部に対応する部分」を投影してみた場合(等倍に投影してみた場合)に、「触媒層の周辺部」を示す図形(投影された結果、当該「触媒層の周辺部」を示すものとしてみえる図形)と同一の大きさ及び形状となる領域、即ち、「触媒層の周辺部」を示す図形に一致した状態で重なる領域をいう(図2のQ2参照)。従って、「撥水カーボン層の周辺部」以外の部分は「撥水カーボン層の中央部」に相当する(図2のQ1参照)。
また、「ガス拡散基材の周辺部」とは、「触媒層の周辺部及び撥水カーボン層の周辺部に対応する部分」をいい、「触媒層の周辺部及び撥水カーボン層の周辺部に対応する部分」とは、高分子電解質膜の主面の法線方向から当該「触媒層の周辺部及び撥水カーボン層の周辺部に対応する部分」を投影してみた場合(等倍に投影してみた場合)に、「触媒層の周辺部及び撥水カーボン層の周辺部」を示す図形(投影された結果、当該「触媒層の周辺部及び撥水カーボン層の周辺部」を示すものとしてみえる図形)と同一の大きさ及び形状となる領域を含む部分、即ち、「触媒層の周辺部及び撥水カーボン層の周辺部」を示す図形に一致した状態で重なる領域を含む部分をいう(図2のQ2参照)。従って、「撥水カーボン層の周辺部」以外の部分は「ガス拡散基材の中央部」に相当する(図2のQ1参照)。
本実施形態におけるガス拡散基材の構成を概念的に示した模式図を図3に示す。図3に示すように、本実施形態におけるガス拡散基材4は、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bの周辺部に対応する周辺部(図3においてR2で示される部分)の撥水材の単位面積あたりの含有量が、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bの中央部に対応する中央部(図3においてR1で示される部分)の撥水材の単位面積あたりの含有量よりも少なくなるように構成されている。
かかる本実施形態におけるガス拡散基材4A、4Bには、上述のように、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどのうちから適宜選択することが可能であるが、本実施形態において用いるカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどは、その主面の法線方向(即ち厚さ方向)及び主面に略平行な方向(即ち面方向)において、多孔度(密度)、撥水性及び親水性等が略均一であることが好ましい。
そして、ガス拡散基材4A、4Bに含ませる撥水材としては、種々のものを用いることができるが、化学的安定性の観点からフッ素樹脂を用いるのが好ましい。フッ素樹脂のなかでも、特に、耐久性、耐熱性及び耐候性に優れたポリテトラフロオロエチレン(PTFE)又は四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)を用いるのがさらに好ましい。市販のものとしては、例えばダイキン工業(株)製のD−1などを好適に用いることができる。
次に、本実施形態の高分子電解質形燃料電池100の製造方法について説明する。
まず、ガス拡散層11を得るために、ガス拡散基材4に撥水処理を施す。このとき、ガス拡散基材4において中央部R1(図3参照)の撥水材含有量を周辺部R2(図3参照)の撥水材含有量より減らすために、例えば、(1)上記撥水材を含む撥水処理液中にガス拡散基材4全体を一度、浸漬した後、周辺部R2のみを純水中に浸漬し、撥水材を適量除去し、焼成する方法や、(2)周辺部R2のみ両面から例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のマスクを配置し、撥水処理液中に浸漬し、その後マスクを取り外して、焼成する方法などを行う。なお、撥水処理液に含まれる界面活性剤などをこの焼成によって飛ばすことが可能であるが、必ずしも行わなくてもよい。
上記のようにして撥水処理を施した後のガス拡散基材に撥水カーボン層を形成して、ガス拡散基材4A及び撥水カーボン層3Aを含むガス拡散層11A、並びにガス拡散基材4B及び撥水カーボン層3Bを含むガス拡散層11Bを得る(図1及び図2参照)。
撥水カーボン層は、例えば、バルカンXC−72、アセチレンブラック又はケッチェンブラックなどの市販のカーボンブラックと、水と、上記撥水材(ポリテトラフルオロエチレン又は四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体等)と、必要に応じて界面活性剤(Triton-Xなど)と、を混合して得られる撥水カーボン層用インクを用いて形成する。
上記撥水カーボン層形成用インクを、例えばコーター、印刷又はドクターブレードなどで、ガス拡散基材4A、4B上に塗布して乾燥し、ついで焼成することにより、撥水カーボン層3A、3Bを得ることができる。
このようにして得られた撥水カーボン層3A、3Bは、図3を用いて先に述べたようにガス拡散基材4において周辺部Q2の撥水材含有量が中央部Q1の撥水材含有量よりも少ないため(即ち密度が低いため)、図2に示すように、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部がガス拡散基材4A、4Bに侵入することになる。
撥水カーボン層3A、3Bを形成した後、その上に触媒層2A、2Bを形成する。触媒層2A、2Bは、従来公知の方法によって形成することができ、あらかじめ作製した触媒層形成用インクを用いて形成する。触媒層形成用インクは、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質と、分散媒と、を含む分散液で構成される。触媒層形成用インクの塗布方法としては、インクの性状により、例えばコーター、スクリーン印刷及びスプレーなどから適宜選択することが可能である。また、塗布後には焼成を行う。
なお、「高分子電解質を含む分散液」は、高分子電解質が分散された状態の液の他に、高分子電解質が一部溶解し、他の一部が溶解せずに分散されている状態の液も含む。また、「分散媒」とは、使用される高分子電解質を分散可能な液体であってもよく、高分子電解質を溶解可能な液体であってもよく、高分子電解質を一部溶解可能で、他の一部は分散可能な液体であってもよい。
このようにして撥水カーボン層3A、3Bの上に触媒層2A、2Bを形成すると、上述した撥水カーボン層3A、3Bの周辺部がガス拡散基材4A、4Bに侵入しているため、触媒層2A、2Bの周辺部も、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部に追従して、同様にガス拡散基材4A、4Bに侵入することとなり、図2に示すように埋没部15A、15Bが形成される。
以上のように本実施形態の膜電極接合体5を作製する際には、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部及び触媒層2A、2Bの周辺部がそれぞれガス拡散基材4A、4Bに侵入し、図2に示すような埋没部15A、15Bを形成する。即ち、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bを設ける前のガス拡散基材4A、4Bはへこんでいないが、それぞれ撥水カーボン層3A、3B及び触媒層2A、2Bを設けたときにはじめて、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部及び触媒層2A、2Bの周辺部がガス拡散基材4A、4Bに侵入する。
そのため、図2に示す膜電極接合体5を作製した場合には、触媒層2A、2Bの中央部に対して触媒層2A、2Bの周辺部の反応に関与する有効な触媒量が減少する。
これにより、触媒層2の周辺部における触媒反応を抑制することができ、生じる熱量を減少され、高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。また、発電部分と未発電部分との界面が比較的なだらかな形状を有することにより、熱ひずみによる応力が分散され、この点からも高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。
なお、膜電極接合体5を一組のセパレータ6A、6Bで、ガス流路7A、7bが膜電極接合体5のうちのガス拡散層4A、4Bに面するようにして重ね合わせ、単電池を得る。そして、当該単電池を複数個積層されて電池積層体(スタック)とし、燃料ガスや酸化剤ガスがリークしないように、また電池積層体内の接触抵抗を減らすために、上記電池積層体を締結ボルト10によって所定の締結圧で積層方向に締結することにより、図1に示すような高分子電解質形燃料電池100を得ることができる。
このようにして得られる本実施形態の高分子電解質形燃料電池は、上記のような本実施形態のガス拡散層、本実施形態のガス拡散電極及び本実施形態の膜電極接合体を備えているため、耐久性に優れ長期運転が可能である。
[第二実施形態]
次に、本発明の高分子電解質形燃料電池の第二実施形態について説明する。この第二実施形態の高分子電解質形燃料電池(図示せず)は、図1に示した第一実施形態の高分子電解質形燃料電池100におけるガス拡散基材4A、4Bを異なる構成に代えたものであり、ガス拡散基材4A、4B以外の構成は第一実施形態の高分子電解質形燃料電池100と同様である。
以下、第二実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられるガス拡散基材について説明する。
本発明の第二実施形態におけるガス拡散基材においては、上記触媒層の上記周辺部に対応する部分の多孔度が、上記触媒層の上記中央部に対応する部分の多孔度よりも高いことを特徴とする。
このような構成によれば、ガス拡散基材において周辺部の密度が中央部の密度よりも低いため、撥水カーボン層及び触媒層を形成した際には、撥水カーボン層の周辺部及び触媒層の周辺部がガス拡散基材に侵入し、上記第一実施形態と同様に図2に示すような埋没部が形成される。
ここで、図4は、本発明の第二実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられるガス拡散基材の一例の概略正面図である。図4に示すガス拡散基材31は、周辺部32の単位面積あたりの縦糸及び横糸の打ち込み本数NAと、中央部33の単位面積あたりの縦糸及び横糸の打ち込み本数NBとが、関係式(1):NA<NBで示される関係を有するカーボンクロスで構成されている。
このガス拡散基材31は、周辺部32の単位面積あたりの縦糸及び横糸の打ち込み本数が、中央部33に比べて少ないため、周辺部32の多孔度が中央部33の多孔度に比べて低い構造(即ち密度が低く疎な構造)となる。この構造により、撥水カーボン層3及び触媒層2を形成した場合に、撥水カーボン層3の周辺部及び触媒層2の周辺部をガス拡散基材4に侵入させることが可能となる。
なお、上記関係式(1)において、NA及びNBの値は、それぞれの単位が同一となるようにそろえた値を使用する。単位面積あたりの縦糸及び横糸の打ち込み本数の単位としては、たとえば[本/cm2]を用いることができる。
上記ガス拡散基材31は、第一実施形態におけるガス拡散基材と同様の材料及び方法を用いて作製することができる。但し、膜電極接合体を構成したときに、ガス拡散基材の中央部33の経緯密度(単位面積あたりの縦糸及び横糸の本数)は、例えば100〜500本/10cm2、なかでも150〜300本/10cm2が好ましい。また、周辺部32の経緯密度は、例えば中央部33よりも10〜200本/10cm2小さくして作製すればよい。
ここで、上記のガス拡散基材31は焼成処理を施すのが好ましい。例えば、窒素雰囲気中、900℃で加熱して炭化処理したのち、アルゴン雰囲気中で2000℃に加熱して黒鉛化処理を行う。このようにして、中央部43より周辺部42の多孔度が高いガス拡散基材31を作製することができる。
また、第二実施形態におけるガス拡散基材は、先に述べたカーボンクロスの他に、カーボンペーパーを用いて作製することも可能である。図5は、本実施形態におけるガス拡散基材の他の一例の概略断面図である。図5に示すガス拡散基材41は、周辺部42の単位面積あたりの繊維の打ち込み本数NAと、中央部43の単位面積あたりの繊維の打ち込み本数NBとが、関係式(1):NA<NBで示される関係を有するカーボンぺーパーで構成されている。
図5に示すガス拡散基材41であるカーボンペーパーを構成する繊維としては、例えばポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、セルロース系、ポリノジック系、その他公知の任意の炭素繊維などを用いることができる。なかでも、機械的強度が高いことや不純物が少ないことから、ポリアクリロニトリル系を用いるのが好ましい。
カーボンペーパーは上記の炭素繊維の短繊維を常法によって結合させて作製することができる。この場合、炭素繊維の短繊維の繊維径は2〜25μmであるのが好ましく、特に4〜15μmとすることが、ガス拡散基材の強度を高くするためにより好ましい。短繊維の長さは2〜30mm程度とすることが好ましく、5〜20mm程度とするのが製造の容易さ及びガス拡散基材の強度を高くするためにさらに好ましい。
上記のような短繊維を、二次元ランダムな方向に、多量に分散させて結合させカーボンペーパーを作製する。例えば、液体の媒体中に炭素短繊維を分散させて抄造する湿式法(抄紙法)や、空気中で炭素短繊維を分散させて降り積もらせて、圧延プレスを行う乾式法などを適用することができる。
但し、このようにして作製されたカーボンペーパーは1枚の単体では薄く強度が不足しがちであるため、本実施形態においてはカーボンペーパー複数枚を貼り合わせて得られる積層体をガス拡散基材41として用いる。図5に示すように、上記触媒層の主面と同じ面積を有するカーボンペーパー44の両面を、さらに大きな面積を有する2枚のカーボンペーパー45で挟み、得られる積層体をガス拡散基材41として用いる。
カーボンペーパー44とカーボンペーパー45とは、例えばポリビニルアルコール、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、ピッチなどの熱硬化性樹脂で接着すればよい。
上記のように接着を行った後に焼成を行う。例えば、窒素雰囲気中、900℃で加熱して炭化処理したのち、アルゴン雰囲気中で2000℃に加熱して黒鉛化処理を行う。このようにして、中央部43より周辺部42の多孔度が高いガス拡散基材41を作製することができる。
以上のように本実施形態の膜電極接合体5を作製する際には、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部及び触媒層2A、2Bの周辺部がそれぞれガス拡散基材4A、4Bに侵入し、図2に示すような埋没部15A、15Bを形成する。即ち、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bを設ける前のガス拡散基材4A、4Bはへこんでいないが、それぞれ撥水カーボン層3A、3B及び触媒層2A、2Bを設けたときにはじめて、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部及び触媒層2A、2Bの周辺部がガス拡散基材4A、4Bに侵入する。
そのため、図2に示す構造を有する膜電極接合体5を作製した場合には、触媒層2A、2Bの中央部に対して触媒層2A、2Bの周辺部の反応に関与する有効な触媒量が減少する。
これにより、触媒層2A、2Bの周辺部における触媒反応を抑制することができ、生じる熱量を減少され、高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。また、発電部分と未発電部分との界面が比較的なだらかな形状を有することにより、熱ひずみによる応力が分散され、この点からも高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。
[第三実施形態]
次に、本発明の高分子電解質形燃料電池の第三実施形態について説明する。この第三実施形態の高分子電解質形燃料電池(図示せず)は、図1に示した第一実施形態の高分子電解質形燃料電池100におけるガス拡散基材4A、4Bを異なる構成に代えたものであり、ガス拡散基材4A、4B以外の構成は第一実施形態の高分子電解質形燃料電池100と同様である。
以下、第三実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられるガス拡散基材について説明する。
本発明の第三実施形態におけるガス拡散基材においては、上記触媒層の上記周辺部に対応する部分の親水性が、上記触媒層の中央部に対応する部分の親水性よりも高いことを特徴とする。
このような構成によれば、ガス拡散基材において周辺部の親水性が中央部の親水性よりも高いため、撥水カーボン層及び触媒層を形成した際には、撥水カーボン層の周辺部及び触媒層の周辺部がガス拡散基材の周辺部により馴染み易く、撥水カーボン層の周辺部及び触媒層の周辺部がガス拡散基材の周辺部に侵入し、上記第一実施形態と同様に図2に示すような埋没部が形成される。
ここで、図6は、本発明の第三実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられるガス拡散基材の一例の概略正面図である。図6に示すガス拡散基材51は、周辺部52の親水性が中央部53の親水性よりも高くなるように構成されている。このガス拡散基材51は、周辺部52の親水性が、中央部53に比べて高く構成されている。
本実施形態におけるガス拡散基材4には、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどのうちから適宜選択することが可能である。但し、本実施形態において用いるカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどは、その主面の法線方向(即ち厚さ方向)及び主面に略平行な方向(即ち面方向)において、多孔度(密度)、撥水性及び親水性等が略均一であることが好ましい。
上記ガス拡散基材4の周辺部の親水性を高める方法としては、例えば、ポリビニルアルコール粉末をエタノール水溶液に分散して親水処理液を調製し、触媒層の周辺部が配置されるべき領域にのみ当該親水処理液を浸漬し、乾燥する方法が挙げられる。ポリビニルアルコール以外にも、例えばポリビニルピロリドン、ポリベンズイミダゾール、コロイダルシリカ、酸化チタン及びゼオライトなどを用いることも可能である。
また、ガス拡散基材4の周辺部の親水性を高める方法としては、例えば、ガス拡散基材4の中央部のみ例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のマスクなどで覆い、周辺部にのみプラズマ処理、オゾン処理、紫外線照射処理、コロナ処理又はEB照射処理など施す方法を用いることもできる。なお、これらの場合、照射時間や強度を調整することによって、付与し得る親水性の程度を適宜調節することができる。
以上のように本実施形態の膜電極接合体5を作製する際には、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部及び触媒層2A、2Bの周辺部がそれぞれガス拡散基材4A、4Bに侵入し、図2に示すような埋没部15A、15Bを形成する。即ち、触媒層2A、2B及び撥水カーボン層3A、3Bを設ける前のガス拡散基材4A、4Bはへこんでいないが、それぞれ撥水カーボン層3A、3B及び触媒層2A、2Bを設けたときにはじめて、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部及び触媒層2A、2Bの周辺部がガス拡散基材4A、4Bに侵入する。
そのため、図2に示す構造を有する膜電極接合体5を作製した場合には、触媒層2A、2Bの中央部に対して触媒層2A、2Bの周辺部の反応に関与する有効な触媒量が減少する。
これにより、触媒層2A、2Bの周辺部における触媒反応を抑制することができ、生じる熱量を減少され、高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。また、発電部分と未発電部分との界面が比較的なだらかな形状を有することにより、熱ひずみによる応力が分散され、この点からも高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。
[第四実施形態]
次に、本発明の高分子電解質形燃料電池の第四実施形態について説明する。この第四実施形態の高分子電解質形燃料電池(図示せず)は、図1に示した第一実施形態の高分子電解質形燃料電池100における膜電極接合体5を異なる構成に代えたものであり、膜電極接合体5以外の構成は第一実施形態の高分子電解質形燃料電池100と同様である。
以下、第四実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられる膜電極接合体について説明する。
本発明の第四実施形態における膜電極接合体は図7に示すような構造を有する。図7は、本発明の第四実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられる膜電極接合体の概略断面図である。
図7に示すように、本実施形態の高分子電解質形燃料電池の膜電極接合体55は、高分子電解質膜1、触媒層2A、2B、並びに、撥水カーボン層3A、3B及びガス拡散基材4A、4Bを用いたガス拡散層11A、11Bを含んでいる。そして、触媒層2A、2Bの周辺部(図7においてQ2で示される部分)が、触媒層2A、2Bの中央部(図7においてQ1で示される部分)に比べて、より深く撥水カーボン層3A、3Bに侵入している埋没部15A、15Bが設けられている。
ここで、本実施形態におけるガス拡散基材4A、4Bには、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどのうちから適宜選択することが可能である。但し、本実施形態において用いるカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどは、その主面の法線方向(即ち厚さ方向)及び主面に略平行な方向(即ち面方向)において、多孔度(密度)、撥水性及び親水性等が略均一であることが好ましい。
撥水カーボン層3A、3Bのうちの、触媒層2A、2Bの上記周辺部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量を、触媒層2A、2Bの上記中央部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量よりも少なく調整することにより、設けられた触媒層2A、2Bの上記周辺部を、触媒層2A、2Bの上記中央部に比べて、より深く撥水カーボン層3A、3Bに侵入させることができる。
撥水カーボン層3A、3Bは、上記第一実施形態で述べたように、例えばカーボンブラック、水、撥水材及び界面活性剤を含む撥水カーボン層形成用インクを用いて形成することができる。本実施形態においては、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部(図7においてQ2で示される部分)の撥水材含有量が、撥水カーボン層3A、3Bの中央部(図7においてQ1で示される部分)の撥水材含有量に比べて低くなるように、例えば上記周辺部と中央部に異なる撥水材含有量の撥水カーボン層形成用インクを用い、全体として略均一な厚さの撥水カーボン層3A、3Bを形成することにより作製可能である。
例えば、撥水材濃度の異なる2種の撥水カーボン層形成用インクを調製し、これらを用いて撥水カーボン層の周辺部及び中央部を形成すればよい。なお、ガス拡散基材4そのものを撥水処理を施す場合には、そのその主面の法線方向(即ち厚さ方向)及び主面に略平行な方向(即ち面方向)において、撥水材の量、多孔度及び親水性が略均一となるように撥水処理を施すのが好ましい。
このようにして得られた撥水カーボン層3A、3Bにおいては、上述したように周辺部Q2の撥水材含有量が中央部Q1の撥水材含有量よりも少ないため(即ち密度が低いため)、図7に示すように、触媒層2A、2Bの周辺部が撥水カーボン層3A、3Bの周辺部に侵入して埋没部15A、15Bが形成されることになる。
以上のように本実施形態の膜電極接合体55を作製する際には、触媒層2A、2Bの周辺部がガス拡散基材4A、4Bに侵入し、図7に示すような埋没部15A、15Bを形成する。即ち、触媒層2A、2Bを設ける前の撥水カーボン層3A、3B及びガス拡散基材4A、4Bはへこんでいないが、触媒層2A、2Bを設けたときにはじめて、触媒層2A、2Bの周辺部が撥水カーボン層3A、3Bに侵入する。
そのため、図7に示す構造を有する膜電極接合体55を作製した場合には、触媒層2A、2Bの中央部に対して触媒層2A、2Bの周辺部の反応に関与する有効な触媒量が減少する。
これにより、触媒層2A、2Bの周辺部における触媒反応を抑制することができ、生じる熱量を減少され、高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。また、発電部分と未発電部分との界面が比較的なだらかな形状を有することにより、熱ひずみによる応力が分散され、この点からも高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。
なお、触媒層2A、2Bが撥水カーボン層3A、3Bに侵入して埋没部15A、15Bが形成されている本実施形態においては、触媒層2A、2Bが撥水カーボン層3A、3Bを越えてガス拡散基材4A、4Bにまで侵入して埋没部を形成していても、本発明の効果を奏することができる。
この場合、上記第一実施形態において述べたように、ガス拡散基材4A、4Bとしては、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどの、その主面の法線方向(即ち厚さ方向)及び主面に略平行な方向(即ち面方向)において多孔度(密度)、撥水性及び親水性等が略均一なもの、即ち埋没部を形成するようには構成されていないガス拡散基材を用いてもよい。
また、上記第一実施形態〜第三実施形態において述べたような、触媒層の周辺部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量が触媒層の中央部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量よりも少ないガス拡散基材、触媒層の周辺部に対応する部分の多孔度が触媒層の中央部に対応する部分の多孔度よりも高いガス拡散基材、又は触媒層の周辺部に対応する部分の親水性が触媒層の中央部に対応する部分の親水性よりも高いガス拡散基材を用いてもよい。
即ち、上記第一実施形態〜第三実施形態において述べたような、埋没部を形成するように構成されたガス拡散基材を用いることができ、これらを用いると、撥水カーボン層だけでなくガス拡散基材にまで触媒層をより確実に侵入させることができ、好ましい。
[第五実施形態]
次に、本発明の高分子電解質形燃料電池の第五実施形態について説明する。この第五実施形態の高分子電解質形燃料電池(図示せず)における撥水カーボン層3A、3Bを異なる構成に代えたものであり、撥水カーボン層3A、3B以外の構成は第五実施形態の高分子電解質形燃料電池と同様である。
以下、第五実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられる撥水カーボン層3A、3Bについて説明する。
本実施形態の高分子電解質形燃料電池の膜電極接合体は、上記第四実施形態と同様に、高分子電解質膜1、触媒層2A、2B、並びに、撥水カーボン層3A、3B及びガス拡散基材4A、4Bを用いたガス拡散層11A、11Bを含んでいる。そして、触媒層2A、2Bの周辺部(図7においてQ2で示される部分)が、触媒層2A、2Bの中央部(図7においてQ1で示される部分)に比べて、より深く撥水カーボン層3A、3Bに侵入している埋没部15A、15Bが設けられている。
ここで、本実施形態にいては、撥水カーボン層3A、3Bのうちの、触媒層2A、2Bの上記周辺部に対応する部分の親水性を、触媒層2A、2Bの上記中央部に対応する部分の撥水材の親水性よりも大きく調整することにより、設けられた触媒層2A、2Bの上記周辺部を、触媒層2A、2Bの上記中央部に比べて、より深く撥水カーボン層3A、3Bに侵入させることができる。
撥水カーボン層3A、3Bは、上記第一実施形態で述べたように、例えばカーボンブラック、水、撥水材及び界面活性剤を含む撥水カーボン層形成用インクを用いて形成することができるが、本実施形態においては、まず、撥水材の含有量が撥水カーボン層3A、3Bの主面の法線方向(即ち厚さ方向)及び主面に略平行な方向(即ち面方向)において多孔度(即ち密度)が略均一となるように、略均一な厚さの撥水カーボン層3A、3Bを形成する。
ついで、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部(図7においてQ2で示される部分)の親水性が、撥水カーボン層3A、3Bの中央部(図7においてQ1で示される部分)の親水性に比べて高くなるように、撥水カーボン層3A、3Bの周辺部を、例えば、ガス拡散基材4の中央部のみ例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のマスクなどで覆い、プラズマ処理、オゾン処理、紫外線照射処理、コロナ処理又はEB照射処理などを施す。なお、これらの場合、照射時間や強度を調整することによって、付与し得る親水性の程度を適宜調節することができる。
このようにして得られた撥水カーボン層3A、3Bにおいては、上述したように周辺部Q2の親水性が中央部Q1の親水性よりも高いため、触媒層2A、2Bの周辺部がよりなじみ易く撥水カーボン層3A、3Bに侵入して埋没部15A、15Bが形成されることになる。即ち、本実施形態においては、触媒層2A、2Bの周辺部が撥水カーボン層3A、3Bに侵入し、図7に示す埋没部15A、15Bと同様の埋没部が形成される。
以上のように本実施形態の膜電極接合体55を作製する際には、触媒層2A、2Bの周辺部がガス拡散基材4A、4Bに侵入し、図7に示すような埋没部15A、15Bを形成する。即ち、触媒層2A、2Bを設ける前の撥水カーボン層3A、3B及びガス拡散基材4A、4Bはへこんでいないが、触媒層2A、2Bを設けたときにはじめて、触媒層2A、2Bの周辺部が撥水カーボン層3A、3Bに侵入する。
そのため、図7に示す構造を有する膜電極接合体55を作製した場合には、触媒層2A、2Bの中央部に対して触媒層2A、2Bの周辺部の反応に関与する有効な触媒量が減少する。
これにより、触媒層2A、2Bの周辺部における触媒反応を抑制することができ、生じる熱量を減少され、高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。また、発電部分と未発電部分との界面が比較的なだらかな形状を有することにより、熱ひずみによる応力が分散され、この点からも高分子電解質膜1の劣化や損傷を抑制することが可能となる。
なお、触媒層2A、2Bが撥水カーボン層3A、3Bに侵入して埋没部15A、15Bが形成されている本実施形態においては、触媒層2A、2Bが撥水カーボン層3A、3Bを越えてガス拡散基材4A、4Bにまで侵入して埋没部を形成していても、本発明の効果を奏することができる。
この場合、上記第一実施形態において述べたように、ガス拡散基材4A、4Bとしては、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー及びカーボンフェルトなどの、その主面の法線方向(即ち厚さ方向)及び主面に略平行な方向(即ち面方向)において多孔度(密度)、撥水性及び親水性等が略均一なもの、即ち埋没部を形成するようには構成されていないガス拡散基材を用いてもよい。
また、上記第一実施形態〜第三実施形態において述べたような、触媒層の周辺部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量が触媒層の中央部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量よりも少ないガス拡散基材、触媒層の周辺部に対応する部分の多孔度が触媒層の中央部に対応する部分の多孔度よりも高いガス拡散基材、又は触媒層の周辺部に対応する部分の親水性が触媒層の中央部に対応する部分の親水性よりも高いガス拡散基材を用いてもよい。
即ち、上記第一実施形態〜第三実施形態において述べたような、埋没部を形成するように構成されたガス拡散基材を用いることができ、これらを用いると、撥水カーボン層だけでなくガス拡散基材にまで触媒層をより確実に侵入させることができ、好ましい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、アノード側及びカソード側の両方において、触媒層とガス拡散層とを少なくとも有するガス拡散電極に用いられるガス拡散層であって、触媒層を設けたときに触媒層の周辺部が触媒層の中央部に比べてより深く侵入するように形成される埋没部を有していること、を特徴とするガス拡散層、を用いた場合について説明したが、アノード側及びカソード側のいずれか一方において上記本発明のガス拡散層を用いても、本発明の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、ガス拡散層がガス拡散基材及び撥水カーボン層を有する場合について説明したが、上記第一実施形態〜第二実施形態におけるガス拡散基材を用いれば、撥水カーボン層はなくても本発明の効果を得ることができる。
ここで、本発明において撥水カーボン層を形成しない膜電極接合体の一例(上記第一実施形態の変形態様)を図8に示す。図8は、上記第一実施形態の膜電極接合体の変形態様の概略断面図である。
図8に示す膜電極接合体65においては、ガス拡散基材4A、4Bの周辺部の撥水材含有量が中央部の撥水材含有量よりも少ないが、撥水カーボン層がないため、ガス拡散基材4A、4Bがそのままガス拡散層に相当し、触媒層2A、2Bの周辺部が直接ガス拡散基材4A、4Bの周辺部に侵入しており、埋没部15A、15Bを形成している。これによっても上記第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
従って、当該変形態様においては、ガス拡散基材4A、4Bとして上記第二実施形態及び第三実施形態において述べたような、触媒層の周辺部に対応する部分の多孔度が触媒層の中央部に対応する部分の多孔度よりも高いガス拡散基材、又は触媒層の周辺部に対応する部分の親水性が触媒層の中央部に対応する部分の親水性よりも高いガス拡散基材を用いても、本発明の効果を得ることができる。
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
《実施例1》
本実施例においては、本発明の第一実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。ガス拡散基材として市販のカーボンクロス(日本カーボン(株)製のGF-20-31E)を用いた。当該ガス拡散基材の両面の周辺部に、ポリテトラフルオロエチレン製のマスクを配置した後、撥水処理を行った。
撥水処理には、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のD−1)と水とを、前記ディスパージョンと水との体積比が1:10となるように混合して調製した撥水処理液を用いた。上記ガス拡散基材全体を、この撥水処理液中に、室温、大気中で1分間浸漬させた。1分間の浸漬の後、上記ガス拡散基材を取り出してマスクを取り外し、300℃で2時間焼成を行い、水分及び界面活性剤などを取り除いて撥水処理を完了した。
ここで、JIS K6768規格に基づく濡れ性試験法により、撥水処理後のガス拡散基材の表面の親水性を測定した。市販の濡れ性標準試薬(和光純薬工業(株)製)を上記ガス拡散基材の表面に滴下し、当該試薬を用いて濡れ指数を求めた。このとき、撥水することなくベッタリ濡れる試薬番号の最小値をもって、親水性を評価した。結果を他の実施例及び比較例の場合の結果とともに、後述の表1に示す。濡れ指数が40dyne/cm以上の場合を1、30dyne/cm未満の場合を3、30dyne/cm以上40dyne/cm未満の場合を2で表す。数値が大きいほど、親水性が向上していることを表す。
次に、アセチレンブラック、水、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び界面活性剤(Triton X-100)を15:80:4:1の質量比で混合して得た撥水カーボン層形成用インクを調製し、上記のようにして準備したガス拡散基材に、ドクターブレードを用いて塗布し、300℃で2時間焼成することにより撥水カーボン層を形成し、ガス拡散層を得た。なお、後述する評価試験の後、膜電極接合体のSEM写真により撥水カーボン層の周辺部がガス拡散基材の周辺部に侵入していることを確認した。
次に、市販の白金担持カーボン触媒(田中貴金属工業(株)製のTEC10E50E)と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質(米国Du Pont社製のNafionSE5112)と、エタノールと、水とを混合して、触媒層形成用インクを調製し、上記のようにして作製したガス拡散層のうち撥水カーボン層の上に、バーコーターを用いて塗布して触媒層を形成し、ガス拡散電極を得た。
なお、後述する評価試験の後、膜電極接合体のSEM写真により撥水カーボン層の周辺部及び触媒層の周辺部がともにガス拡散基材の周辺部に侵入しており、埋没部が形成されていることを確認した。
上記のようにして得たガス拡散電極2枚を、高分子電解質膜(ジャパンゴアテックス社製のゴアセレクト膜、膜厚:30μm)の両面に、触媒層が高分子電解質膜に面するように接合し、膜電極接合体を作製した。なお、膜電極接合体のガス拡散電極に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるように調整した。
上記膜電極接合体のうちのガス拡散電極の周囲にシリコーン製ガスケットを配置し、ガス拡散電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生した水や余剰のガスを運び去るためのガス流路を有する導電性を有する板状のセパレータを上記膜電極接合体の両側に配置し、全体を15kgf/cm2の圧力で締結して単電池を作製した。
以上により実施例1の単電池1を得た。
《実施例2》
単繊維直径7μmのPAN系の炭素繊維(東レ(株)製のトレカT300)を用いて周辺部の多孔度が高いガス拡散層基材(カーボンクロス)を作製し、本発明の第二実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。
ガス拡散層基材に用いる糸を得るために、まず単繊維を300本撚り合わせて単糸を作製した。ついでこの単糸を2本縒り合わせて双糸とし、当該双糸及び通常の織機を用い、平織りにてカーボンクロスを作製した。具体的には、中央部と周辺部で縦糸及び横糸の打ち込み本数を変えて、中央部の多孔度が周辺部の多孔度よりも低いカーボンクロスを作製した。このとき、カーボンクロスの中央部(ガス拡散基材が触媒層と接する部位)の経緯密度は200本/10cm2とし、周辺部の経緯密度は、120本/10cm2とした。
ついで上記カーボンクロスを、窒素雰囲気中、900℃で加熱して炭化処理したのち、アルゴン雰囲気中で2000℃に加熱して黒鉛化処理を行い、ガス拡散基材を得た。このガス拡散基材を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この実施例2の単電池におけるガス拡散基材の濡れ性試験は先に述べた実施例1と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
《実施例3》
繊維径7μmのPAN系の炭素繊維(東レ(株)製のトレカT300)を用いて周辺部の多孔度が高いガス拡散層基材(カーボンペーパー)を作製し、本発明の第二実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。
まず、上記炭素繊維を切断して長さ20mmの短繊維を得た。この短繊維を用いて抄紙法により薄いカーボンペーパー(厚さ60μm)を3枚、作製した。一枚を触媒層より一回り小さく切断し、残り2枚を触媒層と同じ大きさに切断した。フェノール樹脂をシート間に塗布し、室温で30kg/cm2の圧力でプレス機によりプレスして接着して積層体を得た。
この積層体を、窒素雰囲気中、900℃で加熱して炭化処理した後、アルゴン雰囲気中2000℃に加熱して黒鉛化処理を行い、ガス拡散基材を得た。ついで、このガス拡散基材を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この実施例3の単電池におけるガス拡散基材の濡れ性試験は先に述べた実施例1と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
《実施例4》
本実施例においては、本発明の第三実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。ガス拡散基材として市販のカーボンペーパー(東レ(株)製のTGP-H-060)を用いた。当該カーボンペーパーの周辺部を強く親水化するため、中央部にポリテトラフルオロエチレン製の不透明なマスクを配置し、オゾン発生器(日本オゾン(株)製のON−1−2型)から紫外線により40mg/リットルの濃度のオゾンを発生させ、30分間オゾン処理を行い、ガス拡散基材を得た。
このガス拡散基材を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この実施例2の単電池におけるガス拡散基材の濡れ性試験は先に述べた実施例1と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
《実施例5》
本実施例においては、本発明の第四実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。まず、アセチレンブラック、水、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び界面活性剤(TritonX-100)を15:80:4:1及び15:70:14:1の質量比で混合して、撥水材含有量が異なる2種類の撥水カーボン層形成用インクを調製した。
ついで、ドクターブレード及びマスクを用い、カーボンペーパー(東レ(株)製のTGP-H-060)の中央部及び周辺部に、それぞれ撥水材含有量の多い撥水カーボン層形成用インク及び撥水材含有量の少ない撥水カーボン層形成用インクを塗布し、300℃で2時間焼成し、ガス拡散基材を得た。
このガス拡散基材を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この実施例2の単電池におけるガス拡散基材の濡れ性試験は先に述べた実施例1と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
《実施例6》
本実施例においては、本発明の第五実施形態の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。ガス拡散基材として市販のカーボンペーパー(東レ(株)製のTGP-H-060)を用い、均一な撥水カーボン層を形成した後、実施例4と同じ条件でオゾン発生器を用い、撥水カーボン層の周辺部に親水処理を施し、ガス拡散層を得た。
このガス拡散層を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。また、ガス拡散層の撥水カーボン層の周辺部及び中央部の濡れ性試験を実施例1と同様にして行った。結果を後述の表1に示す。
《実施例7》
市販の撥水カーボン層付ガス拡散層(ジャパンゴアテックス社製のCFP)のカーボン層側に、実施例4と同様の方法で親水処理を行って、ガス拡散層を得た以外は、実施例6と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この実施例7の単電池におけるガス拡散層の濡れ性試験は先に述べた実施例6と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
《実施例8》
市販の撥水カーボン層付ガス拡散層(ジャパンゴアテックス社製のCARBEL-CL)のカーボン層側に、実施例4と同様の方法で親水処理を行って、ガス拡散層を得た以外は、実施例6と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この実施例8の単電池におけるガス拡散層の濡れ性試験は先に述べた実施例1と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
《比較例1》
市販の撥水カーボン層付ガス拡散層(ジャパンゴアテックス社製のCARBEL-CL)に親水化処理を行うことなく、触媒層を形成した以外は、実施例1と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この比較例1の単電池におけるガス拡散層の濡れ性試験は先に述べた実施例6と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
《比較例2》
市販の撥水カーボン層付ガス拡散層(ジャパンゴアテックス社製のCARBEL-CL)に中央部にマスクを置かず、全面に実施例4の方法でオゾン処理を行って(全面親水化)、ガス拡散層を得た以外は、実施例6と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この比較例2の単電池におけるガス拡散層の濡れ性試験は先に述べた実施例6と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
《比較例3》
市販の撥水カーボン層付ガス拡散層(ジャパンゴアテックス社製のCFP)に親水化処理を行うことなく、触媒層を形成した以外は、実施例1と同様にして、本発明の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池を作製した。なお、この比較例3の単電池におけるガス拡散層の濡れ性試験は先に述べた実施例6と同様にして行った。その結果を後述の表1に示す。
[評価試験]
実施例1〜8及び比較例1〜3の単電池を用い、以下の運転条件で連続運転試験を行った。アノード側に水素を、カソード側に空気を流し、電池温度は80℃に保持した。また、水素ガスは75℃の露点を有するように加湿して供給し、空気は85℃の露点を有するように加湿して供給した。そして、上記単電池を、燃料利用率80%、空気利用率60%、及び電流密度0.35A/cm2で運転した。結果を後述の表1に示す。
表1において、2000時間経過後も電圧が低下することなく発電が継続した場合は1、20000時間以内に発電停止に至った場合は2で示す。なお、ガス拡散基材に市販のカーボンペーパー(東レ(株)製のTGP-H-060)を用いた場合も同様の効果があることを確認した。
Figure 2007149454
本発明のガス拡散層は、高分子電解質形燃料電池用ガス拡散層として有用である。また、本発明のガス拡散層は、液体燃料電池、燐酸型燃料電池など各種燃料電池用ガス拡散層等としても有用である。また、本発明の高分子電解質膜と電極との接合体は、酸素、オゾン、水素などのガス発生機やガス精製機及び酸素センサ、アルコールセンサなどの各種ガスセンサ等としても適用が可能である。
本発明の高分子電解質形燃料電池の一実施形態の構成を示す概略断面図である。 図1における膜電極接合体5の要部を拡大した図である。 図2におけるガス拡散基材4の構成を概念的に示す模式図である。 本発明の第二実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられるガス拡散基材の一例の概略正面図である。 本発明の第二実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられるガス拡散基材の他の一例の概略断面図である。 本発明の第三実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられるガス拡散基材の一例の概略正面図である。 本発明の第四実施形態の高分子電解質形燃料電池に備えられる膜電極接合体の概略断面図である。 本発明の第一実施形態の膜電極接合体の変形例の概略断面図である。 従来の高分子電解質形燃料電池の構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1、101・・・高分子電解質膜、2A、102A、2B、102B・・・触媒層、3A、103A、3B、103B・・・撥水カーボン層、4A、104A、4B、104B・・・ガス拡散基材、5、55、65、105・・・膜電極接合体、6A、106A、6B、106B・・・セパレータ、7A、107A、7B、107B・・・ガス流路、8、108・・・冷却水の流路、9、109・・・シール材、10、110・・・ボルト


Claims (11)

  1. 触媒層とガス拡散層とを少なくとも有するガス拡散電極に用いられるガス拡散層であって、
    前記触媒層を設けたときに該触媒層の周辺部が該触媒層の中央部に比べてより深く侵入するように形成される埋没部を有していること、
    を特徴とするガス拡散層。
  2. ガス拡散基材を有しており、
    前記埋没部は、前記ガス拡散基材のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分に設けられており、
    前記触媒層の前記周辺部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量が、前記触媒層の前記中央部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量よりも少ないこと、
    を特徴とする請求項1に記載のガス拡散層。
  3. ガス拡散基材を有しており、
    前記埋没部は、前記ガス拡散基材のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分に設けられており、
    前記触媒層の前記周辺部に対応する部分の多孔度が、前記触媒層の前記中央部に対応する部分の多孔度よりも高いこと、
    を特徴とする請求項1に記載のガス拡散層。
  4. ガス拡散基材を有しており、
    前記埋没部は、前記ガス拡散基材のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分に設けられており、
    前記触媒層の前記周辺部に対応する部分の親水性が、前記触媒層の前記中央部に対応する部分の親水性よりも高いこと、
    を特徴とする請求項1に記載のガス拡散層。
  5. 前記ガス拡散基材と、
    前記ガス拡散基材の前記触媒層が設けられるべき側の面上に設けられており、撥水材料と電子伝導性のカーボン粒子とを含む撥水カーボン層と、
    を有しており、
    前記埋没部は、前記撥水カーボン層のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分にも更に設けられており、
    前記撥水カーボン層のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量が、前記触媒層の前記中央部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量よりも少ないこと、
    を特徴とする請求項2〜4のうちの何れか1項に記載のガス拡散層。
  6. 前記ガス拡散基材と、
    前記ガス拡散基材の前記触媒層が設けられるべき側の面上に設けられており、撥水材料と電子伝導性のカーボン粒子とを含む撥水カーボン層と、
    を有しており、
    前記埋没部は、前記撥水カーボン層のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分にも更に設けられており、
    前記撥水カーボン層のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分の親水性が、前記触媒層の前記中央部に対応する部分の親水性よりも高いこと、
    を特徴とする請求項2〜4のうちの何れか1項に記載のガス拡散層。
  7. ガス拡散基材と、
    前記ガス拡散基材の前記触媒層が設けられるべき側の面上に設けられており、撥水材料と電子伝導性のカーボン粒子とを含む撥水カーボン層と、
    を有しており、
    前記埋没部は、前記撥水カーボン層のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分に設けられており、
    前記撥水カーボン層のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量が、前記触媒層の前記中央部に対応する部分の撥水材の単位面積あたりの含有量よりも少ないこと、
    を特徴とする請求項1に記載のガス拡散層。
  8. ガス拡散基材と、
    前記ガス拡散基材の前記触媒層が設けられるべき側の面上に設けられており、撥水材料と電子伝導性のカーボン粒子とを含む撥水カーボン層と、
    を有しており、
    前記埋没部は、前記撥水カーボン層のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分に設けられており、
    前記撥水カーボン層のうちの、前記触媒層の前記周辺部に対応する部分の親水性が、前記触媒層の前記中央部に対応する部分の親水性よりも高いこと、
    を特徴とする請求項1に記載のガス拡散層。
  9. 請求項1〜8のうちの何れか1項に記載のガス拡散層と、
    前記ガス拡散層の上方に配置される触媒層と、
    を有していること、
    を特徴とするガス拡散電極。
  10. 一対のガス拡散電極と、前記一対のガス拡散電極に挟持されており水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、を有し、
    前記一対のガス拡散電極のうちの少なくとも一方が請求項9に記載のガス拡散電極であること、
    を特徴とする膜電極接合体。
  11. 請求項10に記載の膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の両面に配置されており、ガス流路を有する一対の導電性セパレータと、
    を有すること、
    を特徴とする高分子電解質形燃料電池。


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