JP2008146928A - 燃料電池用ガス拡散電極およびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用ガス拡散電極およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス拡散層基材中に生じた凝縮水が触媒層に浸入して、触媒層の細孔が閉塞し、触媒層への反応ガス供給が減少することを防止する。
【解決手段】固体分子型燃料電池の単セル1は、高分子電解質膜2の両面に酸化剤極(カソード)3と燃料極(アノード)4とを備え、これら高分子電解質膜2と酸化剤極3と燃料極4とで膜電極接合体(MEA)5を構成している。酸化剤極3は、高分子電解質膜2の一方の表面に形成された触媒層6と、触媒層6の表面及び端面を全て覆う撥水性かつ導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質層7と、ガス拡散層9とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池のガス拡散電極およびその製造方法に関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから移動体用の電源として注目されている。
固体高分子型燃料電池は、水素イオン伝導性の固体高分子電解質膜の両面にそれぞれ白金等を含有する触媒層を設け、その上に電子伝導性および通気性を有するガス拡散層を設ける。触媒層およびガス拡散層が燃料極(アノードまたは負極)と酸化剤極(カソードまたは正極)となる(例えば、特許文献1)。そして、燃料極、酸化剤極へセパレータに設けたガス供給溝から水素を含む燃料ガス、酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給して、以下の電気化学反応により発電を行っている。
[燃料極反応]: H2 → 2H+ + 2e- …(化1)
[酸化剤極反応]: 2H+ + 2e- + 1/2O2 → H2O …(化2)
燃料電池の発電反応中、セパレータ流路から供給された燃料ガス/酸化剤ガス、および加湿された水蒸気や反応により生成された水(水蒸気)、反応に寄与しなかった残燃料ガス/残酸化剤ガスは、セパレータと高分子電解質膜との間のシールされた空間内で分散・流通している。
ところが燃料電池の運転条件等によっては、上記シールされた空間内の一部において水蒸気が凝縮し、液水となって存在している。この液水によりガス拡散層や触媒層の細孔空間が満たされると反応ガスの流通ができなくなり発電性能が低下するフラッディング現象が発生することが知られている。通常ガス拡散層は、基材と、基材と触媒層との間に設けられた撥水性のカーボン層を備えている。ガス拡散層基材中で発生した凝縮水は、撥水性カーボン層により遮られて触媒層に到達しない。
特開2005−216834号公報(第4頁、図1)
しかしながら、従来の燃料電池構造では、部品寸法や組付時のばらつき等により、カーボン層とシールとの間に隙間が生じることがある。このため、この隙間を通じてガス拡散層基材中に生じた凝縮水が触媒層に浸入して、触媒層の細孔が閉塞し、触媒層への反応ガス供給が減少して著しい発電性能の低下を招くという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するために、高分子膜電解質の表面に形成された少なくともカソード側の触媒層の表面および端面を覆う撥水性を付与した導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質体を備えたことを要旨とする燃料電池用ガス拡散電極である。
また、本発明は、上記問題点を解決するために、表面に触媒層が形成された高分子電解質膜に、前記撥水導電性多孔質体を重ね合わせて、加熱接合により一体化したことを要旨とする燃料電池用ガス拡散電極の製造方法である。
本発明によれば、燃料電池用ガス拡散電極において、高分子膜電解質の表面に形成された少なくともカソード側の触媒層の表面および端面を覆う撥水性を付与した導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質体を備えたことにより、燃料電池内で発生する凝縮水が触媒層に浸入することを防止し、触媒層へのガス供給に支障が生じて発電性能が低下することのない燃料電池を提供することができるという効果がある。
また、本発明によれば、燃料電池用ガス拡散電極の製造方法において、表面に触媒層が形成された高分子電解質膜に、少なくともカソード側の触媒層の表面および端面を覆う撥水性を付与した導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質体を重ね合わせて、加熱接合により一体化したことにより、触媒層表面の凹凸及び触媒層端部の段差に撥水導電性多孔質体を追従させ密着性を向上させることができるという効果がある。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池用ガス拡散電極の実施例1を用いた固体高分子型燃料電池の模式的な断面図である。同図において、固体分子型燃料電池の単セル1は、高分子電解質膜2の両面に酸化剤極(カソード)3と燃料極(アノード)4とを備え、これら高分子電解質膜2と酸化剤極3と燃料極4とで膜電極接合体(MEA)5を構成している。
酸化剤極3は、高分子電解質膜2の一方の表面に形成された触媒層6と、触媒層6の表面及び端面を全て覆う撥水性かつ導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質層7と、ガス拡散層9とを有している。同様に、燃料極4は、高分子電解質膜2の他方の表面に形成された触媒層10と、触媒層10の表面及び端面を全て覆う撥水性かつ導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質層11と、ガス拡散層13とを有している。
酸化剤極3のガス拡散層9の背面には、酸化剤極側セパレータ14が配設されている。また、燃料極4のガス拡散層13の背面には、燃料極側セパレータ16が配設されている。酸化剤極側セパレータ14には酸化剤ガス流路15が設けられている。また、燃料極側セパレータ16には燃料ガス流路17が設けられている。
高分子電解質膜2は、パーフルオロスルホン酸基ポリマーや芳香族炭化水素系ポリマー等の水素イオン導電性高分子膜が用いられる。触媒層6,10は、白金微粒子をカーボン粒子に担持した触媒とアイオノマー(パーフルオロスルホン酸基ポリマーでもよい)とで形成される。
本発明に特徴的な撥水導電性多孔質層7,11は、撥水材料としての多孔質構造のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜の空隙に、導電性物質としてカーボン粒子を含有させたものである。これにより撥水性と導電性を同時に実現している。この撥水導電性多孔質層7,11は、高分子電解質膜2の表裏にそれぞれ形成された触媒層6,10の表面及び端面を全て覆うように配置される。言い換えれば、触媒層6とガス拡散層9との間、及び触媒層10とガス拡散層13との間を遮断するように配置されている。
ガス拡散層9,13は、カーボンペーパーやカーボンクロスが用いられる。セパレータ14,16には、カーボンや耐食処理を施した金属板が用いられる。
この固体分子型燃料電池の単セル1において、触媒層6,10には、反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)を通過させるための透気性と導通経路を形成するため電気伝導性を有することが求められる。特に、酸化剤極側では、上記(化2)の反応により生じた水(水蒸気)が、図示しない冷却水流路により冷却されている酸化剤極側セパレータ付近で凝縮して液水となりやすい。そして、この液水が酸化剤極側の触媒層6に浸入すると、触媒層の細孔が閉塞し、触媒層への反応ガス供給が減少して著しい発電性能の低下を招く虞がある。しかしながら、本発明においては、触媒層6、10の表面及び端面を全て覆う撥水性かつ導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質層7、11を設けているので、この凝縮水の触媒層6への浸入を防止することができる。
尚、本実施例では、酸化剤極側及び燃料極側に、撥水導電性多孔質層7、11を設けているが、酸化剤極側のみに撥水導電性多孔質層7を設けるだけでも効果がある。
次に、撥水導電性多孔質層7、11となる撥水導電性多孔質体(膜)の製法を説明する。分子に含まれるフッ素に由来した撥水性を有するPTFE多孔質膜に、導電性材料としてのカーボン粒子を含有させることにより、撥水性と導電性とを備える撥水導電性多孔質膜を実現する。
この製法の概略は、(1)三次元に連通した微細孔を有するPTFE多孔質膜を親水化処理する親水化処理工程、(2)親水化処理したPTFE多孔質膜にカーボンインクを浸透させて付着するカーボンインク塗布工程、(3)カーボンインクを乾燥させる乾燥工程、(4)熱処理によりカーボン粒子をPTFE多孔質膜の固定する焼成工程からなる。
ここで、材料のPTFE多孔質膜は、例えば、一軸伸延、または二軸伸延における伸延条件を制御することにより、種々の厚さ及び空隙率(全体積に対する細孔または空隙の割合)に調整した製品が提供されている(例えば、商品名:ポアフロンメンブレン、住友電工ファインポリマー社製)。本発明における撥水導電性多孔質層7、11の材料に用いるPTFE多孔質膜は、厚さが2〜50[μm]、孔径が1〜30[μm]、空隙率が70%以上のものが好ましい。
カーボンインク(塗着用スラリー)は、界面活性剤と、純水と、カーボン粒子と主成分とする。カーボンインクの調製には、界面活性剤として非イオン系界面活性剤(商品名:トリトンTriton X-100、ダウケミカル社製)3gと純水200gとを予め混合攪拌した溶液に、カーボンブラック(デンカ社製アセチレンブラック AB−6)をジェットミルで平均粒径1[μm]程度まで粉砕したカーボン粒子20gを投入して攪拌する。更に必須ではないが、撥水導電性多孔質層の撥水性を高めるために、PTFE分散液として、ダイキン工業社製ポリフロンPolyflon D−1E(固形分64%)を3g投入混合し、攪拌してカーボンインクとした。
また、PTFE多孔質膜に対するカーボンインクの付着性を向上させるために、親水化処理溶液として、上記界面活性剤(トリトンTriton X-100)4gをエタノール200gと混合したものを準備する。
(1)親水化処理工程
PTFE多孔質膜を親水化処理溶液に浸漬して、PTFE多孔質膜を親水化する。
(2)カーボンインク塗布工程
親水化したPTFE多孔質膜を治具の上に水平に固定し、PTFE多孔質膜の上からカーボンインクを接触させ、PTFE多孔質膜の下から減圧吸引する。これにより、PTFE多孔質膜内の親水化処理溶液がPTFE多孔質膜の内部から吸い出されると共に、カーボンインクがPTFE多孔質膜内に浸透する。
(3)乾燥工程
カーボンインクを塗布したPTFE多孔質膜を乾燥炉に入れ、温度50〜120[℃]、時間5〜20[min]の乾燥条件でインク中の水分を蒸発乾燥させる。
(4)焼成工程
カーボンインクが乾燥したPTFE多孔質膜を焼成炉に入れ、温度250〜350[℃]、時間5〜20[min]の焼成条件により焼成を行って、界面活性剤を除去するとともに、カーボン粒子をPTFE多孔質膜に固定することにより、撥水導電性多孔質膜を得る。
この後、撥水導電性多孔質膜の外周を所定の寸法にトリミングして、撥水導電性多孔質膜の製造を完了する。以上の製造工程により製造された撥水導電性多孔質膜は、細孔量の80%以上が直径0.1[μm]以下の微細孔となり、良好なガス透過性と良好な撥水性と良好な導電性を示すものとなる。
また、撥水導電性多孔質膜の仕上がり厚さは、2[μm]以上、50[μm]以下が望ましい。厚さが2[μm]未満であると、触媒層6,10の表面の粗さに追従できず、接触抵抗が増大することがある。逆に、厚さが50[μm]をガス透過性が低下し、燃料電池の発電性能が低下する虞がある。
次に図3を参照して、触媒層が形成された高分子電解質膜に、撥水導電性多孔質膜を重ね合わせて、加熱接合により一体化する燃料電池用ガス拡散電極の製造方法について説明する。
先ずステンレス板21aの上に、ポロテトラフルオロエチレンシート等を用いた緩衝材22aを重ねる。次いで、緩衝材22aの上に撥水導電性多孔質層となる撥水導電性多孔質膜11を重ねる。次いで、撥水導電性多孔質膜11の上に、両面に触媒層6、10(10は図示せず)が形成された高分子電解質膜2を重ねる。ここで、撥水導電性多孔質膜11の縦横寸法は、高分子電解質膜2の外形寸法より小さく、且つ触媒層10の縦横寸法より大きく、触媒層10の周囲に撥水導電性多孔質膜11がはみ出すように位置合わせをする。次いで、高分子電解質膜2の上に、撥水導電性多孔質層となる撥水導電性多孔質膜7を重ねる。ここで、撥水導電性多孔質膜7の縦横寸法は、高分子電解質膜2の外形寸法より小さく、且つ触媒層6の縦横寸法より大きく、触媒層6の周囲に撥水導電性多孔質膜7がはみ出すように位置合わせをする。次いで、撥水導電性多孔質膜7の上に、ポロテトラフルオロエチレンシート等を用いた緩衝材22bを重ねる。次いで、緩衝材22bの上に、ステンレス板21bを重ねて積層体25とする(図3(a))。
こうして形成された積層体25を図3(b)に示すように、ホットプレス機にセットして、温度50〜150[℃]、圧力0.5〜4[MPa]、時間0.5〜10[min]のプレス条件で加熱圧着する。冷却後にホットプレス機から積層体を取り出して、ステンレス板21a,21b、緩衝材22a,22bを外す。こうして、高分子電解質膜の表面に形成された触媒層の表面及び端面を全て覆う撥水性かつ導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質体と、触媒層が形成された高分子電解質膜とを重ね合わせて加熱接合により一体化した燃料電池用ガス拡散電極が得られる(図3(c))。
図4は、本発明に係る燃料電池用ガス拡散電極の実施例2を用いた固体高分子型燃料電池の模式的な断面図である。同図において、本実施例の固体分子型燃料電池の単セル1は、高分子電解質膜2の両面に酸化剤極(カソード)3aと燃料極(アノード)4aとを備え、これら高分子電解質膜2と酸化剤極3と燃料極4とで膜電極接合体(MEA)5を構成している。
酸化剤極3aは、高分子電解質膜2の一方の表面に形成された触媒層6と、触媒層6の表面及び端面を全て覆う撥水性かつ導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質層7と、撥水導電性多孔質層7とガス拡散層9との間に配置され、撥水導電性多孔質層7よりも空隙率が高い多孔質である導電性多孔質層8と、ガス拡散層9とを有している。
同様に、燃料極4aは、高分子電解質膜2の他方の表面に形成された触媒層10と、触媒層10の表面及び端面を全て覆う撥水性かつ導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質層11と、撥水導電性多孔質層11とガス拡散層13との間に配置され、撥水導電性多孔質層11よりも空隙率が高い多孔質である導電性多孔質層12と、ガス拡散層13とを有している。
図1で説明した実施例1と本実施例との相違は、実施例1の構成に、導電性多孔質層8、12が追加されていることである。その他の構成は実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して重複する説明を省略し、導電性多孔質層8,12を中心に説明する。
導電性多孔質層8,12は、撥水導電性多孔質層7,11よりも空隙率の高い導電性多孔質体であるので、カーボンペーパやカーボンクロスからなるガス拡散層9,13の凹凸形状を導電性多孔質層8、12で吸収して密着性をより向上させ、ガス拡散層9,13と、撥水導電性多孔質層7,11との間の電気抵抗を減少させる効果がある。
導電性多孔質層8,12の製造方法は、撥水導電性多孔質層7,11とほぼ同様であるが、撥水導電性多孔質層7,11よりも空隙率を高めるために、導電性多孔質層8,12の材料となるPTFE多孔質膜に、撥水導電性多孔質層7,11の材料となるPTFE多孔質膜よりも空隙率の高いものを用いる。例えば、撥水導電性多孔質層7,11の材料としてのPTFE多孔質膜の空隙率を70%とすると、導電性多孔質層8,12の材料としてのPTFE多孔質膜の空隙率は、75%以上が好ましい。
次に、導電性多孔質層8,12の材料としてのPTFE多孔質膜に、導電性物質として、カーボン粒子を付着させる方法は、実施例1で説明した撥水導電性多孔質層7,11の製造方法と同様であるので、詳細は省略する。
また、本実施例の導電性多孔質層8,12と、撥水導電性多孔質層7,11とを含む燃料電池用ガス拡散電極の製造方法は、図3を参照して説明した実施例1の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法とほぼ同様の加熱接合法により行う。実施例1との相違は、各部材を重ねて積層体を形成する場合に、緩衝材22aと撥水導電性多孔質膜11との間に、導電性多孔質層となる導電性多孔質膜12を重ねること、及び撥水導電性多孔質膜7と緩衝材22bとの間に、導電性多孔質層となる導電性多孔質膜8を重ねることである。積層体をホットプレス機にセットして、加熱圧着する条件は、実施例1と同様である。
こうして、表面に触媒層が形成された高分子電解質膜に、撥水導電性多孔質体と導電性多孔質体とを順次重ね合わせて、加熱接合により一体化することにより、実施例2の燃料電池用ガス拡散電極を製造することができる。
図5は、撥水導電性多孔質層7及び導電性多孔質層8の詳細を説明する模式断面図である。同図において、触媒層6の上に、撥水導電性多孔質層7及び導電性多孔質層8が形成され、導電性多孔質層8に上部にガス拡散層9が接している。
撥水導電性多孔質層7は、PTFE粒子31と、PTFE粒子31間を接続するPTFE繊維32と、PTFE粒子31及びPTFE繊維32に付着したカーボン粒子33からなる。導電性多孔質層8は、PTFE粒子34と、PTFE粒子34間を接続するPTFE繊維35と、PTFE粒子34及びPTFE繊維35に付着したカーボン粒子36からなる。
撥水導電性多孔質層7の厚さは、2〜50[μm]であり、導電性多孔質層8の厚さは、15〜100[μm]である。導電性多孔質層8は、撥水導電性多孔質層7より空隙率が高いので、撥水導電性多孔質層7よりも弾性に富み、カーボンペーパやカーボンクロス等を用いたガス拡散層9の凹凸を吸収して、これによく密着することができる。
本発明に係る燃料電池用ガス拡散電極の実施例1の構造を説明する模式断面図である。 本発明に係る燃料電池用ガス拡散電極を構成する撥水導電性多孔質体の製造方法を説明する製造工程図である。 本発明に係る燃料電池用ガス拡散電極の製造方法を説明する図である。 本発明に係る燃料電池用ガス拡散電極の実施例2の構造を説明する模式断面図である。 実施例2のさらに拡大した模式断面図である。
符号の説明
1 単セル
2 高分子電解質膜
3 酸化剤極
4 燃料極
5 MEA(膜電極接合体)
6,10 触媒層
7,11 撥水導電性多孔質膜
9,13 ガス拡散層
14,16 セパレータ
15 酸化剤ガス流路
17 燃料ガス流路
18 シール部材

Claims (9)

  1. 高分子膜電解質の表面に形成された少なくともカソード側の触媒層の表面および端面を覆う撥水性かつ導電性の多孔質体である撥水導電性多孔質体を備えたことを特徴とする燃料電池用ガス拡散電極。
  2. 前記撥水導電性多孔質体は、カーボン粒子と撥水材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散電極。
  3. ガス拡散層基材と前記撥水導電性多孔質体との間に、前記撥水導電性多孔質体より空隙率の高い導電性多孔質体を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池用ガス拡散電極。
  4. 前記導電性多孔質体は、多孔質構造のポリテトラフルオロエチレンの空隙に、導電性物質の粉末を含有させた三次元連続微細構造体としたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用ガス拡散電極。
  5. 前記撥水導電性多孔質体の細孔は、細孔量の80%以上が直径0.1[μm]以下の微細孔からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス拡散電極。
  6. 前記撥水導電性多孔質体の厚さを2〜50[μm]としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の燃料電池用ガス拡散電極。
  7. 前記導電性多孔質体の厚さを15〜100[μm]としたことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用ガス拡散電極。
  8. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法であって、
    表面に触媒層が形成された高分子電解質膜に、前記撥水導電性多孔質体を重ね合わせて、加熱接合により一体化したことを特徴とする燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
  9. 請求項3または請求項4に記載の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法であって、
    表面に触媒層が形成された高分子電解質膜に、前記撥水導電性多孔質体と前記導電性多孔質体とを順次重ね合わせて、加熱接合により一体化したことを特徴とする燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
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