JP2006128014A - 繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法 - Google Patents

繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚が厚くなる場合にも表面の割れを抑制し得る繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法を提供する。
【解決手段】無機繊維シートと高分子電解質シートとが積層され、その高分子電解質のガラス転移点よりも高い180(℃)の加熱下で加圧されることから、加熱により軟化させられた高分子電解質が無機繊維相互間に容易に侵入すると共に、その無機繊維シートに密着させられる。そのため、無機繊維シートと高分子電解質とが強固に接合させられることから、膜厚が厚くなる場合にも表面割れが生じ難い固体電解質膜が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、繊維強化した高分子電解質膜の製造方法の改良に関するものである。
例えば、移動用電源や定置型電源に用いる燃料電池として、直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)の開発が進められている。DMFCはメタノールを燃料極に直接供給して作動させるため、メタノールから水素を生成するための改質器が無用である。そのため、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)における改質器設置に起因する重量増加、負荷変動への対応困難性、改質器が高温で作動するため頻繁な停止および起動の繰返しができない等の問題が生じない利点がある。しかも、DMFCでは水素(H2)の内部改質も可能であることから高純度の水素を燃料として用いる必要が無いため、小型且つ高性能のPEFCとして使用することもできる。このようなDMFCは、電動カートや電動車椅子の小型移動用電源、レジャー用若しくは災害対策用の小型定置型電源、ノートパソコンやデジタルカメラ等の携帯機器のポータブル用小型電源として期待されている。
一般に、燃料電池は、燃料室側に配置される負極(すなわち燃料極)と、酸化剤ガス室側に配置される正極(すなわち空気極)と、これらに挟まれた電解質膜とを基本的な構成要素とする。DMFCやPEFCでは、この電解質としてプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜が用いられる。例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)やダウケミカル社製のダウ膜等のパーフルオロスルホン酸系樹脂がその一例である。固体高分子電解質(イオン伝導性高分子ともいう)は、固体状態でありながら高いイオン伝導性を有し、しかも、α-AgIやβ-アルミナ等の無機材料から成る固体電解質に比較して軽量で成形性に富む利点がある。
ところで、上記DMFCやPEFCでは、燃料極にメタノール或いは水素が供給されるが、上記のような固体高分子電解質膜ではこれらメタノールや水素が透過(すなわちクロスオーバー)して空気極で直接酸化されることから、電池の起電力が低くなる問題があった。また、電解質膜はメタノールや水が接すると膨潤させられるので、これが変形や劣化の原因になる問題もあった。これに対して、本願出願人は、多数の無機繊維が交絡させられることによりシート状に構成された無機繊維シートと高分子電解質とを複合化させた固体高分子電解質膜を提案した(例えば特許文献1を参照。)。これによれば、無機繊維シートが燃料の透過を妨げると共に、固体電解質の膨潤を抑制することから、起電力低下や劣化が抑制される。
なお、本願において「無機繊維シート」は、多数の無機繊維が互いに交絡させられたシート状の構造体を意味するものであり、繊維自体の絡み合いや接着剤等によってシート状に保たれているものであれば足りる。例えば織布、不織布、編み物等が含まれる。また、「複合化させた固体高分子電解質膜」には、高分子電解質内に無機繊維シートが層状に備えられた態様の他、高分子電解質中に無機繊維が分散した態様等、高分子電解質と無機繊維とが結合させられた種々の態様が含まれる。
特開2004−103299号公報
ところで、上記特許文献1に記載された固体高分子電解質膜は、例えば、高分子電解質またはその前駆体を溶媒に溶解或いは分散させた電解質溶液を無機繊維シートに含浸させ、例えば減圧下で乾燥処理を施すことにより、含浸された溶液から溶媒を除去して製造される。また、他の製造方法として、高分子電解質の組成に対応したモノマーを含む混合物溶液を無機繊維シートに含浸させ、その含浸状態でモノマーを重合させる方法も挙げられている。
しかしながら、上記のような含浸或いは重合および乾燥による製造方法では、電解質膜の厚さ寸法が厚くなるに従って、表面と内部との乾燥状態や重合状態の相違等に起因してその表面に割れが発生し易くなる。そのため、メタノールや水素等の透過抑制機能が損なわれ、起電力が低下することから、例えば厚さ寸法が50(μm)以上の固体高分子電解質膜を得ることが困難であった。因みに、高濃度メタノール下で使用するためには、メタノールクロスオーバーを更に抑制する必要がある。クロスオーバー抑止力は膜厚が厚くなるほど高くなるため、例えば50(μm)以上の膜厚の固体高分子電解質膜が望まれているのである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、膜厚が厚くなる場合にも表面の割れを抑制し得る繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法を提供することにある。
斯かる目的を達成するため、第1発明の要旨とするところは、無機繊維と高分子電解質とが複合化されることによりその高分子電解質が強化された繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法であって、(a)前記無機繊維とシート状の前記高分子電解質とを積層し、その高分子電解質のガラス転移点よりも高く且つその分解温度よりも低い所定温度でその積層体を加熱しつつ、所定圧力で加圧してそれら高分子電解質と無機繊維とを複合化させる加熱圧着工程を含むことにある。
また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、無機繊維と高分子電解質とが複合化されることによりその高分子電解質が強化された繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法であって、(a)前記無機繊維と前記高分子電解質とが複合化された固体電解質膜をその高分子電解質を溶解し得る成分を有する蒸気を用いてその高分子電解質の分解温度よりも低い所定温度下で加圧する蒸気加圧工程を含むことにある。
前記第1発明によれば、無機繊維と予めシート状に成形された高分子電解質とが積層され、その高分子電解質のガラス転移点よりも高温下で加圧されることから、加熱により軟化させられた高分子電解質が無機繊維相互間に容易に侵入すると共に、その無機繊維に密着させられる。そのため、無機繊維と高分子電解質とが強固に接合させられることから、膜厚が厚くなる場合にも表面割れが生じ難い繊維強化型固体高分子電解質膜が得られる。なお、上記のような作用を得るためには、高分子電解質の流動性が十分に高められることが必要であることから、少なくともそのガラス転移点よりも高温にすることが必要である。また、電解質としての性能を維持するためには、分解温度よりも低温に保つ必要がある。
また、上記第1発明によれば、前記特許文献1に記載されていた製造方法に比較して固体電解質膜を容易に製造できる利点もある。すなわち、上記製造方法では、シート状高分子電解質に無機繊維を積層して加熱圧着するだけで足りるが、特許文献1では、その0034等に記載されているように、(1)ポリマー溶液を減圧乾燥、(2)無機繊維シートを載置、(3)ポリマー溶液を加える、(4)超音波加振、(5)減圧乾燥、(6)加湿しつつ乾燥、といった多段階の工程が必要であるため、製造が煩雑であった。
また、前記第2発明によれば、無機繊維と高分子電解質とが複合化された固体電解質膜が、その高分子電解質を溶解し得る成分を有する蒸気で加圧されることから、固体電解質膜の表面がその蒸気で溶解させられることによってその流動性が高められた状態で、その蒸気によって加圧される。そのため、表面に割れが生じていたとしてもこれが修復されると共に、無機繊維と高分子電解質との密着性が高められ延いてはそれらが強固に接合される。したがって、膜厚が厚くなる場合にも表面割れが生じ難い繊維強化型固体高分子電解質膜が得られる。
また、上記第2発明によれば、同時に、固体電解質膜の表面の平滑性が高められるので、燃料電池に用いられる場合には、膜−電極複合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を構成するために電解質膜表面に固着される触媒とその電解質膜との密着性が高められる。そのため、一層高い起電力を得ることができる。因みに、表面の凹凸により密着性が低下させられると、触媒の反応性が低下すると共にプロトンの導電抵抗が増大するので、起電力が低下するのである。
また、上記第1発明および第2発明の何れにおいても、無機繊維で高分子電解質が強化されていることから、膨潤が好適に抑制され延いては形状安定性が高められると共に、それらの密着性が高められていることから、膨潤および乾燥の繰返しによる無機繊維と高分子電解質との剥がれが生じ難い利点がある。
ここで、好適には、前記第2発明において、前記固体電解質膜は、前記第1発明の加熱圧着工程により製造されたものである。このようにすれば、加熱圧着により無機繊維と高分子電解質との密着性が高められた固体電解質膜が蒸気で加圧されることによって、それらの密着性が一層高められ延いては接合状態が一層強固になると共に、表面の平滑性が高められる。すなわち、前記第2発明においては、例えば、前記特許文献1に記載されているようなキャスティング法で高分子電解質と無機繊維とを複合化させた固体電解質膜を用いることもできるが、前記第1発明の加熱圧着工程により製造された固体電解質膜を用いることが特に好ましい。
また、好適には、前記加熱圧着工程は、前記無機繊維と少なくとも2枚の前記シート状の高分子電解質とを交互に積層して圧着するものである。このようにすれば、シート状の高分子電解質で無機繊維が挟まれた状態で加圧されることから、積層方向の中間部に無機繊維層が備えられた固体電解質膜が得られる。そのため、加熱しつつ加圧されることにより高分子電解質がそれにより挟まれた無機繊維層内に容易に押し込まれて一体化させられると共に、無機繊維が表面に露出することが抑制されるので表面の平滑性が高められる。
また、好適には、前記無機繊維は、多数の無機繊維が交絡させられることによりシート状に構成された無機繊維シートの形態で前記高分子電解質と複合化されるものである。無機繊維は、シート状のものに限られず個々に独立した多数の繊維を用い、これを高分子電解質シートに積層し、或いは、高分子電解質溶液中に分散させて複合化を行うことができる。しかしながら、上記のようにすれば、前記加熱圧着工程を実施するために無機繊維とシート状の高分子電解質とを積層することが容易になるので、前記第1発明やこれに第2発明を組み合わせた態様を容易に実施することができる。また、前記第2発明において無機繊維に高分子電解質溶液を含浸させて固体電解質膜を用意する場合にも、これを容易に製造できる利点がある。
なお、上記無機繊維シートとしては、織布、不織布、編み物などが好適である。織布としては、例えば、平織り、斜文織り、朱子織り、からみ織り等が挙げられる。また、不織布としては、接着剤を使用した湿式不織布、ケミカルボンド、ジェット水流で繊維を交絡させたスパンレース等が挙げられる。無機繊維シートは、10〜500(μm)の範囲内、好適には20〜300(μm)の範囲内の目開きのものが好ましい。
また、無機繊維は、ガラスファイバー、カーボンファイバー、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、シリカ繊維等のセラミック繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等が挙げられる。また、無機繊維は、単繊維であっても、複数本が束ねられたものであってもよい。
また、好適には、前記無機繊維は、0.01〜300(μm)の範囲内の繊維径を備えたものである。また、無機繊維シートが用いられる場合においては、その厚さ寸法は、好適には、0.01〜300(μm)の範囲内である。但し、これらの値は、製造しようとする高分子電解質膜の厚さ寸法に応じて適宜定められ、例えば、その1.5倍以下が好ましく、好適には1倍以下、更に好適には0.8倍以下である。また、厚さ寸法の下限値は、製造しようとする電解質膜の0.1倍以上が好ましく、好適には0.2倍以上、更に好適には0.3倍以上である。
また、好適には、前記繊維強化型固体高分子電解質膜は、20〜30(μm)の範囲内の膜厚を備えたものである。第1発明および第2発明を適用して製造される電解質膜の厚さ寸法は特に限定されないが、上記のような厚さ寸法の範囲のものに好適に適用される。
また、好適には、前記繊維強化型固体高分子電解質膜は、PEFCまたはDMFC等の燃料電池の電解質に用いるものである。本発明の製造方法は、このような用途の電解質膜の製造に好適に適用される。
また、前記加熱圧着工程には、所望とする圧力や温度等の処理条件を満足するものであれば適宜のものを用い得るが、例えば、熱板で挟んで加熱しつつ加圧するホットプレス装置やラミネータ等が好適である。
また、好適には、前記加熱圧着工程における前記所定圧力は、0.1〜100(MPa)の範囲内の値である。このようにすれば、シート状電解質相互或いはシート状電解質と無機繊維との密着性が一層高められる。なお、0.1(MPa)未満では密着性の確保が困難になり、100(MPa)を超えると無機繊維の形状維持が困難になる。一層好適には、前記所定圧力は、0.2〜50(MPa)の範囲内、更に好適には、0.5〜10(MPa)の範囲内の値である。
また、好適には、前記加熱圧着工程における処理温度は、60〜300(℃)の範囲内の値である。このようにすれば、圧着時における電解質の劣化を十分に抑制しつつ十分な密着性が得られる。処理温度は、一層好適には、100〜200(℃)の範囲内の値である。
また、好適には、前記加熱圧着工程における加圧状態の保持時間は、0.1〜100分間程度である。このようにすれば、シート状電解質相互或いはシート状電解質と無機繊維との密着性が一層確実に確保される。保持時間は、一層好適には、0.5〜60分間の範囲内である。
また、前記蒸気加圧工程には、所望とする圧力、温度や雰囲気等の処理条件を満足するものであれば適宜の装置を用い得るが、例えば、オートクレーブと称される耐圧容器が好適である。
また、好適には、前記蒸気加圧工程における圧力は、0.1〜100(MPa)の範囲内の値である。このようにすれば、シート状電解質相互或いはシート状電解質と無機繊維との密着性が一層高められる。なお、0.1(MPa)未満では密着性の確保が困難になり、100(MPa)を超えると、無機繊維の形状維持が困難になる。一層好適には、前記所定圧力は、0.2〜50(MPa)の範囲内、更に好適には、0.5〜10(MPa)の範囲内の値である。
また、好適には、前記蒸気加圧工程における処理温度は、60〜300(℃)の範囲内の値である。このようにすれば、電解質の劣化を抑制しつつ表面状態を十分に改善できる。処理温度は、一層好適には、100〜200(℃)の範囲内の値である。
また、好適には、前記蒸気加圧工程における加圧状態の保持時間は、0.1〜100分間程度である。このようにすれば、シート状電解質相互或いはシート状電解質と無機繊維との密着性が一層高められる。保持時間は、一層好適には、0.5〜60分間の範囲内である。
また、前記蒸気加圧工程における処理雰囲気を形成するための蒸気の構成成分は、前記高分子電解質を溶解し得るものから適宜選択されるが、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等のアルコール溶媒、水、トルエン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル溶媒等が挙げられる。
また、好適には、前記繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法は、前記無機繊維の略全体を前記高分子電解質で覆うものである。このようにすれば、固体電解質膜の表面に無機繊維が殆ど露出しないことからその表面にその無機繊維に起因して凹凸が生じることが抑制される。そのため、その表面の平滑性や平坦性が高められる。この結果、燃料電池用途においては、MEAを構成する場合における電極等との密着性が高められるので、触媒の反応性やプロトン伝導性が高められる利点がある。
また、無機繊維は、高分子電解質膜の全面に亘って複合化されていることが好ましいが、一部、例えば中央部のみに無機繊維が含まれるように複合化しても本発明の効果を享受できる。
また、前記高分子電解質としては、従来からPEFCに用いられているようなプロトン伝導性を有する適宜の高分子材料を用いることができる。例えば、イオン交換基(-SO3H基等)を有するモノマーの単独重合体または共重合体、イオン交換基を有するモノマーとそのモノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体、加水分解等の後処理によりイオン交換基に転換し得る官能基(すなわちイオン交換基の前駆的官能基)を有するモノマーの単独重合体、または共重合体(プロトン伝導性高分子前駆体)に同様な後処理を施したもの等のプロトン伝導性を有する各種高分子を用い得る。或いは、イオン交換基やその前駆的官能基をもたない高分子を用いて高分子層を形成した後にイオン交換基を導入することによってプロトン導電性を付与した材料であってもよい。
上記高分子電解質の具体例としては、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂等のパーフルオロ型のプロトン伝導性高分子、パーフルオロカーボンカルボン酸樹脂膜、スルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)共重合体膜、スルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFE共重合体膜、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)スルホン酸膜等が例示される。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の製造方法により製造された固体電解質膜10を示す斜視図である。この固体電解質膜10は、例えばDMFCの固体電解質膜として用いられるものであって、無機繊維シート12と高分子電解質14とが複合化されたものであり(後述する図5も参照)、例えば50(mm)×50(mm)×厚さ70〜75(μm)程度の大きさを備えている。無機繊維シート12は、例えばSiO2系ガラス繊維が平織りされた例えば厚さ寸法が30(μm)程度のガラスクロスであり、例えば目開きが200(μm)程度、繊維幅が100(μm)程度で、ガラス繊維の本数が縦横とも75(本/mm)程度に構成されている。この無機繊維シート12の大きさは、例えば固体電解質膜10の大きさに略一致する。また、上記高分子電解質14は、例えばパーフルオロスルホン酸系樹脂(例えばデュポン社製Nafion(登録商標))等から成るものである。高分子電解質14は、無機繊維シート12の繊維相互間にも入り込み、これらは一体化させられている。
上記の固体電解質膜10は、例えば、図2に工程の要部を示す製造方法により製造されたものである。すなわち、先ず、積層工程P1において、1枚の無機繊維シート12と、前記Nafion等の高分子電解質14がシート状に成形された2枚の電解質シートとを積層する。このとき、無機繊維シート12と2枚の電解質シートとを交互に積層することにより、それら電解質シート間に無機繊維シート12を挟んだ状態とする。電解質シートは、例えば、厚さ寸法が25(μm)程度のものが用いられる。
次いで、加熱圧着工程P2においては、例えばラミネータの熱板間に積層体を配置し、加熱しつつ加圧する。加熱温度(すなわち熱板の温度)は例えば180(℃)程度であり、加圧力は例えば5(MPa)程度である。また、加圧時間は10(min)程度とした。これにより、電解質シートが軟化させられるので、流動状態となった高分子電解質が無機繊維シート12に向かって加圧されることにより、その無機繊維シート12内に一部または略全部が侵入させられる。Nafionのガラス転移点は130〜160(℃)程度、分解温度は190〜250(℃)程度であるから、上記加熱温度は、ガラス転移点よりも十分に高く且つ分解温度よりも十分に低い温度である。また、加圧力は、電解質の流動性に応じて、無機繊維シート12の厚み方向の全体に電解質が行き渡るように定められている。これにより、厚さ寸法が例えば70〜75(μm)程度の固体電解質膜中間体が得られる。図3に中間体の表面のSEM写真を示す。
次いで、蒸気加圧工程P3では、上記の固体電解質膜中間体を例えばエタノール(液体)と共に、そのエタノールに接触しない状態でオートクレーブ内に入れ、オートクレーブを加熱する。これにより、オートクレーブ内がエタノールの蒸気で満たされ、固体電解質膜中間体がその蒸気圧で均一に加圧されつつ加熱される。加熱温度は例えば180(℃)程度、すなわちNafionのガラス転移点よりも高く且つ分解温度よりも低い温度である。また、圧力は例えば2(MPa)程度であり、加圧時間は10(min)程度とした。これにより、エタノール蒸気で高分子電解質14が溶融させられ、且つその蒸気圧で加圧されることから、固体電解質膜中間体の表面平滑性が高められて前記の固体電解質膜10が得られる。図4に固体電解質膜10のSEM写真を示す。固体電解質膜10には無機繊維シート12の繊維による凹凸が存在するが、全体として滑らかで略平坦な表面を備えていることが判る。また、前記図3と対比すると、加熱圧着工程P2後の中間体には、表面に微細な凹凸が生じており、固体電解質膜10とは膜表面の状態が異なることが判る。但し、何れの表面にも割れなどは全く認められない。
図5は、上記固体電解質膜10を用いて作製したMEA16を示す断面図である。MEA16は、その表面および裏面に電極18,20がそれぞれ固着されると共に、それら電極18,20の外周縁に沿ってシール材22によってシールされている。
これら電極18,20は、それぞれ例えば厚さ寸法が380(μm)程度のカーボンペーパーに図示しない触媒層を設けたものである。このカーボンペーパーは、例えば東レ(株)から燃料電池用として市販されているものを用いた。また、触媒層は、カソード(すなわち空気極)側である電極18にPt担持カーボンブラック(例えば何れも田中貴金属(株)製)を、アノード(すなわち燃料極)側である電極20にPt-Ru担持カーボンブラック(例えば何れも田中貴金属工業(株)製)をそれぞれ用いた。これらを例えば高分子電解質14と同一の高分子電解質を例えばアルコールに溶解した溶液中に分散させ、カーボンペーパーにバーコーターを用いて塗布することにより、触媒層を形成した。
また、上記シール材22は、例えば300(μm)程度の厚さ寸法のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等から成るものである。このシール材22は、電極18,20の周縁部および固体電解質膜10の外周縁を囲むように設けられ、且つ内周縁がそれら電極18,20の外周縁に被さるように形成されることにより、電極18,20と固体電解質膜10との境界部およびその固体電解質10をシールしている。
MEA16を製造するに際しては、このように構成された電極18,20で固体電解質膜10を挟み、シール材22で外周縁を囲んだ状態で、加熱しつつ両面から加圧する。これにより、前記図5に示されるMEA16が得られる。なお、電極18,20の形成方法や固着方法は、例えば前記特許文献1等にも記載されているように周知のものであり、本実施例を理解するために必要ではないので詳細は省略する。
図6は、上記のMEA16を用いた燃料電池の構成例を模式的に示す図である。この燃料電池を作動させるに際しては、先ず、MEA16を加湿することにより、固体電解質膜10の高分子電解質14を含水させ、イオン伝導性を発現させる。
次いで、燃料供給源24から燃料として例えばメタノールが加湿槽26を経由してアノード側電極20に供給される。メタノールおよび水が供給されると電極20上で下記(1)式の酸化反応が生じ、プロトンH+と電子e-が発生する。プロトンは固体電解質膜10内を通ってカソード側電極18に向かって流れ、電子は電極20に接続された図示しない端子から取り出され、外部回路を経由して負荷28に流れる。負荷28に供給された電子は、更に外部回路を経由して電極18側に向かう。そして、電極18上において、プロトンおよび電子が、酸素供給源30から加湿槽32を経由して供給された酸素および水との間で下記(2)式の還元反応を発生させる。なお、メタノールに代えて水素を供給してもよく、その場合の酸化反応は(3)式の通りである。
CH3OH + H2O → 6H+ + CO2 + 6e- ・・・(1)
3/2O2 + 6H+ + 6e- → 3H2O ・・・(2)
3H2 → 6H+ + 6e- ・・・(3)
図7および図8は、上記単セルの燃料電池の出力特性を評価した結果を他のサンプルの評価結果と合わせて示す図である。図7が電流密度と端子電圧との関係を、図8が電流密度と出力密度との関係を表している。評価に用いたサンプルは、下記に示すように固体電解質膜の製造方法のみが異なり、他は同一条件とした。
[サンプル製造条件]
sample1:電解質シート2枚と無機繊維シート1枚を交互に積層して熱圧着工程および蒸気加圧工程を施したもの。膜厚は70〜75(μm)程度。
sample2:電解質シート2枚と無機繊維シート1枚を交互に積層して熱圧着工程を施したもの。膜厚は70〜75(μm)程度。
sample3:電解質シート6枚と無機繊維シート5枚を交互に積層して熱圧着工程および蒸気加圧工程を施したもの。膜厚は220〜225(μm)程度。
sample4:電解質シート2枚と無機繊維シート1枚を交互に積層して熱圧着工程を施したもの。膜厚は220〜225(μm)程度。
sample5:無機繊維シート1枚に電解質溶液を含浸させ、超音波加振および減圧乾燥を施し、更に蒸気加圧工程を施したもの。膜厚は55〜60(μm)程度。
sample6:無機繊維シート1枚に電解質溶液を含浸させ、超音波加振および減圧乾燥を施したもの。膜厚は55〜60(μm)程度。
すなわち、sample1およびsample3は、前記図2に示される製造工程によって製造したものであり、積層枚数のみが相違する。また、sample2およびsample4は、前記図2に示される製造工程のうち蒸気加圧工程P3を施さないもの(すなわち中間体)を用いたものである。すなわち、以下に説明するように、この中間体も固体電解質膜として用い得る。また、sample5が前記特許文献1に示される従来のキャスティング法で作製した固体電解質膜に蒸気加圧工程P3を施した固体電解質膜を用いたもの、sample6がそのsample5において蒸気加圧工程P3を施していないもの、すなわち従来のキャスティング法で作製した固体電解質膜をそのまま用いたものである。
出力特性の評価は、上記のうち同程度の膜厚を備えたsample1、sample2、sample5、sample6について、例えば東陽テクニカ製燃料電池測定システムを用い、MEA16の温度、配管温度、加湿槽26,32の温度を何れも95(℃)に保持し、4(mol/l)の濃度のCH3OHを3.5(ml/min)の流量で、O2を2(l/min)の流量で供給して、負荷例えば可変抵抗器の抵抗値を調節することにより電流を変化させつつ、端子電圧を測定することにより行った。固体電解質膜10(sample1)によれば、開放電圧で0.65(V)程度が得られ、電流密度の増大に伴って端子電圧は低下するが、500(mA/cm2)において0.38(V)程度、1(A/cm2)において0.2(V)程度の比較的高い値に端子電圧が維持されることが判る。これに対して、sample2では、開放電圧は同程度得られるものの、500(mA/cm2)において0.33(V)程度まで低下する。また、sample5では、開放電圧で0.58(V)程度に留まり、500(mA/cm2)において0.33(V)程度まで低下し、更に、800(mA/cm2)において0.2(V)まで低下する。また、sample6は、開放電圧で0.54(V)程度、500(mA/cm2)において0.29(V)程度まで低下し、更に、その後急激に低下して、650(mA/cm2)程度において0.2(V)まで低下する。
また、図8は、上記の測定結果を、縦軸に電圧に代えて出力密度をとって表したものである。固体電解質膜10(sample1)によれば最大で240(mW/cm2)程度もの出力密度が得られ、150(mW/cm2)程度に留まる従来のもの(sample6)に比較して1.6倍もの出力密度が得られることが判る。また、sample2においては170(mW/cm2)程度、sample5においては180(mW/cm2)程度と、何れも従来製法によるsample6に比べて高い出力が得られることが明らかとなった。
また、上記各サンプルのSEM写真を図9〜図12に示す。図9がsample3、図10がsample4、図11がsample5、図12がsample6である。sample3は、積層枚数のみがsample1と相違することから、前記図4と同様に平滑な表面状態が得られており、また、積層枚数が多くされることによって、無機繊維シート12の繊維も目立たなくなっている。また、sample4は、積層枚数のみがsample2と相違するものであり、図3と同様に微細な凹凸が表面に見られる。なお、sample2およびsample4において、加熱圧着時間を例えば30分間程度に長くしたものを試作したが、凹凸の状況は殆ど変化しなかった。これらsample1〜sample4には、表面の割れは認められない。また、sample5は、図4すなわちsample1と略同様な略平滑で僅かに繊維の凹凸が現れた外観を備えているが、表面の一部に微細な割れが存在することが判る。また、sample6は、表面に多数の割れが存在する。
また、写真は示さないが、固体電解質膜の断面を観察したところ、蒸気加圧を施したsample1、sample3、およびsamle5では、無機繊維シート12と高分子電解質14とが強固に密着させられていたが、sample2およびsample4では、無機繊維シート12と高分子電解質14との間に間隙が存在することが確かめられた。
前記図7、図8の測定結果は、上記のような外観の相違が影響したものと考えられる。すなわち、sample1に比較してsample2が劣るのは、表面の平滑性の相違に基づくものである。表面の平滑性が劣るsample2は、開放電圧ではsample1と同等の値が得られるものの、上記のような間隙に起因して、電流密度が増大するに従ってその表面の凹凸によるプロトンの移動抵抗が無視できないほど大きくなる。そのため、端子電圧の低下が大きく、出力密度が得られないのである。
また、sample1に比較してsample5が劣るのは、その表面に割れが存在することから、一部のメタノールが空気極18側に透過するためと考えられる。そのため、電圧の低下傾向はsample1に近いが、開放電圧が低くなる。
また、sample6は、表面に大きな割れが存在することから、sample5に比較して更に多量のメタノールの透過があることから、これよりも低い特性に留まるものと考えられる。
なお、上記各サンプルについて、1(mol/l)の濃度のCH3OHに15分間浸漬し、処理前後の面積変化率を測定して形状安定性を評価した。その結果、上記各サンプルは何れも面積変化率が略0であった。これに対して、無機繊維シート12を用いておらず、高分子電解質14のみで構成される固体電解質膜は、面積変化率が例えば20(%)程度であった。
また、上記各サンプルについて、膨潤および乾燥の繰り返し試験を実施した。すなわち、50(℃)に保持した1,10,20(mol/l)の各濃度のCH3OHに10分間浸漬後、50(℃)で15分間乾燥する工程を20サイクル実施し、無機繊維シート12と高分子電解質14との密着性を評価した。その結果、当初の密着性が良好であったsample1,3,5については何らの変化が認められず、十分な耐久性があることが判明した。
要するに、加熱圧着工程P2および蒸気加圧工程P3を施したsample1およびsample3によれば、従来のキャスティング法で作製したsample6に比較して、簡単な工程で著しく高い特性を得ることができる。また、加熱圧着工程P2のみを施したsample2およびsample4においても、一層工程を簡単にしながら、従来以上の特性を得ることができる。しかも、何れにおいても、従来のキャスティング法では困難であった50(μm)以上の膜厚のものを容易に得ることができる利点がある。更に、従来のキャスティング法で作製した固体電解質膜であっても、蒸気加圧工程P3を施すことによって特性が著しく改善されることが判る。
すなわち、本実施例においては、無機繊維シート12と高分子電解質シートとが積層され、その高分子電解質のガラス転移点よりも高い180(℃)の加熱下で加圧されることから、加熱により軟化させられた高分子電解質が無機繊維相互間に容易に侵入すると共に、その無機繊維シート12に密着させられる。そのため、無機繊維シート12と高分子電解質14とが強固に接合させられることから、膜厚が厚くなる場合にも表面割れが生じ難い固体電解質膜10が得られるのである。
また、本実施例によれば、図2に示されるように、実質的に加熱圧着工程P2および蒸気加圧工程P3のみで固体電解質膜10を製造できるため、従来のキャスティング法に比較して製造工程が簡単になる利点もある。
また、本実施例によれば、無機繊維シート12と高分子電解質14とが複合化された固体電解質膜中間体が、その高分子電解質14を溶解し得るエタノールを含む蒸気で加圧されることから、固体電解質膜中間体の表面がそのエタノール蒸気で溶解させられることによってその流動性が高められた状態で、そのエタノール蒸気によって加圧される。そのため、表面に割れが生じていたとしてもこれが修復されると共に、無機繊維シート12と高分子電解質14との密着性が高められ延いてはそれらが強固に接合される。したがって、膜厚が厚くなる場合にも表面割れが生じ難い固体電解質膜10が得られる。
また、本実施例によれば、蒸気加圧工程P3を施すことによって固体電解質膜10の表面の平滑性が高められるので、DMFCのMEAを構成した場合に触媒(すなわち電極18,20)とその固体電解質膜10との密着性が高められる。そのため、一層高い起電力を得ることができる。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
本発明の一実施例の製造方法により製造した固体電解質膜を示す斜視図である。 図1の固体電解質膜の製造方法の要部を説明する工程図である。 図2の加熱圧着工程後の固体電解質膜中間体の表面を拡大して示す顕微鏡写真である。 図2の蒸気加圧工程後の固体電解質膜すなわち図1の固体電解質膜の表面を拡大して示す顕微鏡写真である。 図1の固体電解質膜を用いた膜−電極接合体(MEA)の断面構造を示す模式図である。 図5のMEAが適用された燃料電池の作動を説明する模式図である。 図6の燃料電池の電流密度と出力電圧との関係を種々のサンプルで測定した結果を示す図である。 図6の燃料電池の電流密度と出力密度との関係を種々のサンプルで測定した結果を示す図である。 本発明の他の実施例の製造方法により製造された固体電解質膜(sample3)の表面を拡大して示す顕微鏡写真である。 更に他の実施例の製造方法により製造された固体電解質膜(sample4)の表面を拡大して示す顕微鏡写真である。 更に他の実施例の製造方法により製造された固体電解質膜(sample5)の表面を拡大して示す顕微鏡写真である。 比較例の製造方法により製造された固体電解質膜(sample6)の表面を拡大して示す顕微鏡写真である。
符号の説明
10:固体電解質膜、12:無機繊維シート、14:高分子電解質

Claims (5)

  1. 無機繊維と高分子電解質とが複合化されることによりその高分子電解質が強化された繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法であって、
    前記無機繊維とシート状の前記高分子電解質とを積層し、その高分子電解質のガラス転移点よりも高く且つその分解温度よりも低い所定温度でその積層体を加熱しつつ、所定圧力で加圧してそれら高分子電解質と無機繊維とを複合化させる加熱圧着工程を含むことを特徴とする繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法。
  2. 無機繊維と高分子電解質とが複合化されることによりその高分子電解質が強化された繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法であって、
    前記無機繊維と前記高分子電解質とが複合化された固体電解質膜をその高分子電解質を溶解し得る成分を有する蒸気を用いてその高分子電解質の分解温度よりも低い所定温度下で加圧する蒸気加圧工程を含むことを特徴とする繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法。
  3. 前記固体電解質膜は、前記請求項1の加熱圧着工程により製造されたものである前記請求項2の繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法。
  4. 前記無機繊維は、多数の無機繊維が交絡させられることによりシート状に構成された無機繊維シートの形態で前記高分子電解質と複合化されるものである請求項1乃至請求項3の何れかの繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法。
  5. 前記燃料電池の電解質に用いるものである請求項1乃至請求項4の何れかの繊維強化型固体高分子電解質膜の製造方法。
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