JP2009070675A - 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体高分子電解質膜が起動停止によって薄膜化しにくい固体高分子形燃料電池を得ることができる固体高分子形燃料電池を提供する。
【解決手段】固体高分子電解質膜10と、固体高分子電解質膜10の一方の面に接合されたアノード触媒層16及びアノード触媒層16の更に外側に接合されたガス拡散層17からなるアノード電極18と、固体高分子電解質膜10の他方の面に接合されたカソード触媒層13及びカソード触媒層13の更に外側に接合されたガス拡散層14からなるカソード電極15とを備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、固体高分子電解質膜10として、補強材を含むイオン交換樹脂からなるカソード側電解質膜11と、補強材を含まないか、又は前記カソード側電解質膜よりも補強材の含有量が少ないアノード側電解質膜12とを接合して構成されたものを用いる。
【選択図】図1
【解決手段】固体高分子電解質膜10と、固体高分子電解質膜10の一方の面に接合されたアノード触媒層16及びアノード触媒層16の更に外側に接合されたガス拡散層17からなるアノード電極18と、固体高分子電解質膜10の他方の面に接合されたカソード触媒層13及びカソード触媒層13の更に外側に接合されたガス拡散層14からなるカソード電極15とを備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、固体高分子電解質膜10として、補強材を含むイオン交換樹脂からなるカソード側電解質膜11と、補強材を含まないか、又は前記カソード側電解質膜よりも補強材の含有量が少ないアノード側電解質膜12とを接合して構成されたものを用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、機械強度及び寸法安定性が良好な固体高分子形燃料電池を得ることができる、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体に関する。
固体高分子形燃料電池は、電解質膜として固体高分子電解質膜を使用する燃料電池であって、出力密度が高い、運転温度が低く起動停止が容易であるといった特徴を有している。
図3は、固体高分子形燃料電池の単セルの概略構造の一例を示す断面図である。電解質にあたるプロトン導電性を有するイオン交換膜である固体高分子電解質膜1の両側に、アノード電極2と、カソード電極3とが密着して配置され、電解質膜とアノード電極とカソード電極とが一体化した膜電極接合体4が形成されている。アノード電極2及びカソード電極3は、それぞれ触媒層2a、3aと、ガス拡散層2b、3bとで構成されている。そして、膜電極接合体4の外側を、セパレータ5a、5bで挟持して、電池単セルが構成されている。
固体高分子形燃料電池の基本構成単位である電池単セルで発生する電圧は、1V以下である。このため、実質的な電圧を得るためには、電池単セルを複数積層したスタックが用いられている。
ところで、固体高分子形燃料電池は、長期の運転に伴い、固体高分子電解質膜の薄膜化による劣化が問題となっている。この現象は、燃料電池発電装置の起動停止等により、電池内部が乾燥状態と湿潤状態を繰り返すことで固体高分子電解質膜が膨潤伸縮し、その際に、電池単セルの触媒層端部の固体高分子電解質膜に応力が集中する機械的なストレスがその一因であると言われている。
上記の問題に対して、特許文献1には、固体高分子電解質膜の周囲に補強フィルムを設置し、電池単セルの触媒層端部を補強することが開示されている。
また、特許文献2には、ポリテトラフルオロエチレンフィルムに、パーフロロ系イオン交換樹脂を含浸一体化した膜を用いることが開示されている。
また、特許文献3には、貫通孔に基づく開口率が60〜80%である多孔シートの貫通孔に、強化フィラーを含むイオン交換樹脂を充填し、イオン交換樹脂のみからなる樹脂層を最表層に形成した固体高分子電解質膜を用いることが開示されている。
特許第3052536号公報
特公平5−75835号公報
特開2006−120368号公報
上記特許文献1〜3に開示されているような方法であっても、固体高分子電解質膜の薄膜化を十分抑制することはできなかった。
したがって、本発明の目的は、燃料電池の起動停止を繰り返しても、固体高分子電解質膜が薄膜化しにくい固体高分子形燃料電池を得ることができる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層及び該アノード触媒層の更に外側に接合されたガス拡散層からなるアノード電極と、前記固体高分子電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層及び該カソード触媒層の更に外側に接合されたガス拡散層からなるカソード電極とを備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、前記固体高分子電解質膜は、前記カソード電極側に配置されたカソード側電解質膜と、前記アノード電極側に配置されたアノード側電解質膜とを接合して構成されており、前記カソード側電解質膜は、補強材を含むイオン交換樹脂であり、前記アノード側電解質膜は、補強材を含まないか、又は前記カソード側電解質膜よりも補強材の含有量が少ないイオン交換樹脂であることを特徴とする。
本発明によれば、カソード電極側では、発電によって水が生成するので、起動停止の際に、乾燥湿潤状態になり易いが、カソード電極側に配置されるカソード側電解質膜を、補強材を含むイオン交換樹脂で構成することで、起動停止の際における膨張伸縮に対する機械的強度を付与することができる。また、アノード電極側に配置されるアノード側電解質膜を、補強材を含まないか、又はカソード側電解質膜よりも補強材の含有量が少ないイオン交換樹脂で構成することで、膜内の含水率を高めて、高いプロトン導電率を維持できるので、優れた発電効率が発揮される。そして、上記カソード側電解質膜は、補強材を含むので、湿潤時の膨張よりも乾燥時の収縮が大きくなり、また、上記アノード側電解質膜は、補強材の含有量が少ないので、乾燥時の収縮よりも湿潤時の膨張の方が大きくなることから、カソード側電解質膜とアノード側電解質膜とを接合してなる固体高分子電解質を用いた、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、乾燥湿潤によって膜が伸長伸縮するストレスを緩和でき、固体高分子電解質膜の薄膜化による劣化を防止できる。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の前記補強材は、織布、不織布、多孔質材料、繊維から選ばれた1種以上であることが好ましい。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、前記アノード側電解質膜のイオン交換基当量が、前記カソード側電解質膜のイオン交換基当量よりも高いことが好ましい。プロトンは、水と共にカソード電極側に移動するため、アノード側電解質膜のイオン交換当量を、カソード側電解質膜のイオン交換当量よりも高くすることで、アノード側電解質膜の含水率を増加させることができ、発電効率が向上する。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、前記アノード側電解質膜と、前記カソード側電解質膜との間に、両電解質膜の外周縁よりも内側に内周縁を有する枠状の補強用フィルムが配設され、熱圧着によって前記アノード側電解質膜と、前記カソード側電解質膜とが接合されていることが好ましい。この態様によれば、両電解質膜の熱圧着時において、補強用フィルムの厚み分だけ荷重を増加できるので、両電解質膜をより強固に熱圧着することができ、更には、熱圧着する際において、触媒層端部の膜の突き破りも防ぐことができる。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、固体高分子電解質膜が乾燥湿潤にさらされることで伸長伸縮する際に生じるストレスを緩和できるので、固体高分子電解質膜の薄膜化を防止できる。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の第1の実施形態の断面図である。
この固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、固体高分子電解質膜10として、カソード側電解質膜11と、アノード側電解質膜12とが接合した複合膜が配置されている。固体高分子電解質膜10のカソード側電解質膜11側の面には、カソード触媒層13及び該カソード触媒層13の更に外側に接合されたガス拡散層14からなるカソード電極15が接合されており、固体高分子電解質膜10のアノード側電解質膜12側の面には、アノード触媒層16及び該アノード触媒層16の更に外側に接合されたガス拡散層17からなるアノード電極18が接合されている。
次に、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体に用いる固体高分子電解質膜10について説明する。
固体高分子電解質膜10は、カソード側電解質膜11と、アノード側電解質膜12とが接合されて、一体となっている。
上記カソード側電解質膜11は、補強材を含むイオン交換樹脂で構成されている。このカソード側電解質膜11は、補強材に、溶媒で溶かしたイオン交換樹脂を含浸した後、溶媒分を除去することで製造することができる。
カソード側電解質膜11を構成するイオン交換樹脂としては、特に限定はなく、パーフルオロスルホン酸系ポリマー、スルホン酸系ポリスチレン−グラフト−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、高分子鎖中に炭素原子を含まないポリシロキサンやポリフォスファゼンなどにスルホン酸基やカルボン酸基等を導入した高分子電解質等が挙げられる。
カソード側電解質膜11を構成する補強材としては、特に限定はなく、フッ素樹脂織布やカーボン織布などの織布、フッ素樹脂不織布やカーボン不織布などの不織布、フッ素樹脂繊維やカーボン繊維などの繊維、セラミック粒子などの多孔質材料が好ましく挙げられる。なかでも、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)不織布が特に好ましい。また、補強材として繊維系材料を用いた場合、補強材の繊維径は、1μm以下が好ましい。
カソード側電解質膜11中における補強材の含有量は、5〜50体積%が好ましく、10〜30体積%がより好ましい。補強材の含有量が50体積%を超えると、プロトン導電性が低下して、発電効率が損なわれることがある。一方、5体積%未満であると、補強効果が十分得られないことがある。
カソード側電解質膜11の膜厚は、アノード側電解質膜12の膜厚と同等か、もしくは、それ以上であることが好ましい。カソード側電解質膜11の膜厚をこのようにすることで、膨潤による膜の伸びを抑制する効果が得られる。
上記アノード側電解質膜12は、補強材を含まないか、あるいは、カソード側電解質膜11よりも補強材の含有量が少ないイオン交換樹脂で構成されている。
アノード側電解質膜12を構成するイオン交換樹脂及び補強材は、カソード側電解質膜11で用いたものと同様のものを使用できる。なかでも、アノード側電解質膜12のイオン交換当量が、カソード側電解質膜11のイオン交換当量よりも高くなるように、イオン交換樹脂及び補強材を選択することが好ましく、アノード側電解質膜12のイオン交換当量が、カソード側電解質膜11のイオン交換当量よりも1.1〜3.0倍高くなるように、イオン交換樹脂及び補強材を選択することがより好ましい。プロトンは、水と共にカソード電極15側に移動するため、アノード側電解質膜12のイオン交換当量を、カソード側電解質膜11のイオン交換当量よりも高くすることで、アノード側電解質膜12の含水率を増加させることができ、発電効率が向上する。
また、アノード側電解質膜12中における補強材の含有量は、30体積%以下が好ましく、含有しないことがより好ましい。補強材の含有量が30体積%を超えると、プロトン導電性が低下して、発電効率が損なわれることがある。
次に、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法について説明する。
カーボンペーパーなどで構成されたガス拡散層14上に、触媒ペースト(金属触媒を担持したカーボンと、イオン交換樹脂とを主要固形成分として溶媒中に分散した液)を塗布し、ガス拡散層14上にカソード触媒層13を形成して、カソード電極15を形成する。同様にして、ガス拡散層17上に触媒ペーストを塗布して、ガス拡散層17上にアノード触媒層16を形成して、アノード電極18を形成する。
次に、アノード電極18のアノード触媒層16上に、アノード側電解質膜12、カソード側電解質膜11の順に積層する。そして、カソード側電解質膜11と、カソード触媒層13とが対向するようにカソード電極15をカソード側電解質膜11上に積層した後、ホットプレス法、コールドプレス法などの方法で圧着して接合することで、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体が得られる。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、カソード電極15側に配置されるカソード側電解質膜11を、補強材を含むイオン交換樹脂で構成するので、膨張伸縮に対する機械的強度を有し、また、アノード電極18側に配置されるアノード側電解質膜12を、補強材を含まないか、又はカソード側電解質膜11よりも補強材の含有量が少ないイオン交換樹脂で構成するので、膜内の含水率を高めて、高いプロトン導電率を維持でき、優れた発電効率が得られる。
そして、カソード側電解質膜11は、補強材を含むので、湿潤時の膨張よりも乾燥時の収縮が大きくなり、アノード側電解質膜12は、補強材の含有量が少ないので、乾燥時の収縮よりも湿潤時の膨張の方が大きくなるため、カソード側電解質膜11とアノード側電解質膜12とを接合してなる固体高分子電解質膜10を用いた、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、乾燥湿潤によって膜が伸長伸縮するストレスを緩和でき、燃料電池の起動停止に伴う、固体高分子電解質膜の薄膜化を効果的に防止でき、長期にわたって優れた発電効率が得られる。
図2は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の第2の実施形態の断面図である。第1の実施形態と同一箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
第1の実施形態との相違点は、カソード側電解質膜11と、アノード側電解質膜12との間に、両電解質膜の外周縁よりも内側に内周縁を有する枠状の補強用フィルム19が配設され、熱圧着によって、カソード側電解質膜11と、アノード側電解質膜12とが接合されている点である。
この実施形態によれば、両電解質膜の熱圧着して、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を製造するに際し、補強用フィルム19の厚み分だけ荷重を増加できるので、両電解質膜をより強固に熱圧着することができ、更には、熱圧着する際において、補強用フィルム19による補強効果によって、カソード触媒層13及びアノード触媒層16の端部の膜の突き破りも防ぐことができる。
補強用フィルム19の材質としては、特に限定はなく、フッ素系フィルム(ポリテトラフルオロエチレン(PTEF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)など)、エンジニアリングプラッスチックフィルム(ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)など)が挙げられる。
補強用フィルム19の膜厚としては、特に限定はなく、カソード側電解質膜11と同程度であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて説明する。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
120mm×120mmのサイズに切り出したカーボンペーパー上に、スプレーコート法によって触媒層面積が100mm×100mmとなるように触媒ペースト(50wt%白金担持カーボン触媒とパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液の混合ペースト)を塗布した後、80℃乾燥炉において12h乾燥させて、アノード電極(カソード電極)を調製した。
次に、このアノード電極のアノード触媒層上に、補強材のないパーフルオロスルホンサンポリマー膜(膜厚25μm)を配置し、その上に両電解質膜の外周縁よりも内側に内周縁を有する枠状の補強用フィルム(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム)、PTFE織布補強材の入りのパーフルオロスルホン酸ポリマー膜(膜厚30μm)の順に重ね、更にその上に、カソード触媒層が下面になるようにカソード電極を乗せて、ホットプレス法によって熱圧着して、実施例1の膜電極接合体を得た。
120mm×120mmのサイズに切り出したカーボンペーパー上に、スプレーコート法によって触媒層面積が100mm×100mmとなるように触媒ペースト(50wt%白金担持カーボン触媒とパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液の混合ペースト)を塗布した後、80℃乾燥炉において12h乾燥させて、アノード電極(カソード電極)を調製した。
次に、このアノード電極のアノード触媒層上に、補強材のないパーフルオロスルホンサンポリマー膜(膜厚25μm)を配置し、その上に両電解質膜の外周縁よりも内側に内周縁を有する枠状の補強用フィルム(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム)、PTFE織布補強材の入りのパーフルオロスルホン酸ポリマー膜(膜厚30μm)の順に重ね、更にその上に、カソード触媒層が下面になるようにカソード電極を乗せて、ホットプレス法によって熱圧着して、実施例1の膜電極接合体を得た。
(比較例1)
実施例1において、アノード電極のアノード触媒層上に、補強材のないパーフルオロスルホンサンポリマー膜(膜厚25μm)を配置し、更にその上に、カソード触媒層が下面になるようにカソード電極を乗せ、ホットプレス法によって熱圧着して、比較例1の膜電極接合体を得た。
実施例1において、アノード電極のアノード触媒層上に、補強材のないパーフルオロスルホンサンポリマー膜(膜厚25μm)を配置し、更にその上に、カソード触媒層が下面になるようにカソード電極を乗せ、ホットプレス法によって熱圧着して、比較例1の膜電極接合体を得た。
(比較例2)
実施例1において、アノード電極のアノード触媒層上に、PTFE織布補強材の入りのパーフルオロスルホン酸ポリマー膜(膜厚30μm)を配置し、更にその上に、カソード触媒層が下面になるようにカソード電極を乗せて、ホットプレス法によって熱圧着して、比較例2の膜電極接合体を得た。
実施例1において、アノード電極のアノード触媒層上に、PTFE織布補強材の入りのパーフルオロスルホン酸ポリマー膜(膜厚30μm)を配置し、更にその上に、カソード触媒層が下面になるようにカソード電極を乗せて、ホットプレス法によって熱圧着して、比較例2の膜電極接合体を得た。
(試験例)
実施例1、比較例1,2の膜電極接合体を、ガス流路付きセパレータで挟持して、電池単セルを得て、電池単セルを10セル積層して、電池セルスタックを得た。
そして、電池セルスタックのアノード電極側に燃料ガスを供給し、カソード電極側に酸化剤ガスを供給して、以下の(1)条件で運転した後、(2)の条件乾燥を行う操作を4サイクル行い、電解質膜の残存率(%)を下式(A)より算出した。結果を表1に記す。
実施例1、比較例1,2の膜電極接合体を、ガス流路付きセパレータで挟持して、電池単セルを得て、電池単セルを10セル積層して、電池セルスタックを得た。
そして、電池セルスタックのアノード電極側に燃料ガスを供給し、カソード電極側に酸化剤ガスを供給して、以下の(1)条件で運転した後、(2)の条件乾燥を行う操作を4サイクル行い、電解質膜の残存率(%)を下式(A)より算出した。結果を表1に記す。
電解質膜の残存率(%)=(試験後の膜厚/初期の膜厚)×100・・・(A)
[運転条件]
(1)湿潤運転条件
・セル温度=80℃、
・燃料加湿露点=85℃
・空気加湿露点=85℃
・ガス種:燃料ガス・・・・H2=76%、CO2=24%の混合ガス
酸化剤ガス・・・空気
・ガス利用率:燃料ガス利用率・・・・75%
酸化剤ガス利用率・・・55%
・電流密度:0.2A/cm2
・発電時間:24時間
(2)乾燥条件
・セル温度=80℃
・アノード電極とカソード電極に乾燥窒素ガスを10日間流通した後、1日間放冷
[運転条件]
(1)湿潤運転条件
・セル温度=80℃、
・燃料加湿露点=85℃
・空気加湿露点=85℃
・ガス種:燃料ガス・・・・H2=76%、CO2=24%の混合ガス
酸化剤ガス・・・空気
・ガス利用率:燃料ガス利用率・・・・75%
酸化剤ガス利用率・・・55%
・電流密度:0.2A/cm2
・発電時間:24時間
(2)乾燥条件
・セル温度=80℃
・アノード電極とカソード電極に乾燥窒素ガスを10日間流通した後、1日間放冷
表1の結果から明らかなように、本発明の膜電極接合体を用いた実施例1は、乾燥湿潤が繰り返された場合であっても、薄膜化しにくいものであった。
1:固体高分子電解質膜
2:アノード電極
2a,3a:触媒層
2b,3b:ガス拡散層
3:カソード電極
4:膜電極接合体
5a:セパレータ
10:固体高分子電解質膜
11:カソード側電解質膜
12:アノード側電解質膜
13:カソード触媒層
14:ガス拡散層
15:カソード電極
16:アノード触媒層
17:ガス拡散層
18:アノード電極
19:補強用フィルム
2:アノード電極
2a,3a:触媒層
2b,3b:ガス拡散層
3:カソード電極
4:膜電極接合体
5a:セパレータ
10:固体高分子電解質膜
11:カソード側電解質膜
12:アノード側電解質膜
13:カソード触媒層
14:ガス拡散層
15:カソード電極
16:アノード触媒層
17:ガス拡散層
18:アノード電極
19:補強用フィルム
Claims (4)
- 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層及び該アノード触媒層の更に外側に接合されたガス拡散層からなるアノード電極と、前記固体高分子電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層及び該カソード触媒層の更に外側に接合されたガス拡散層からなるカソード電極とを備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、
前記固体高分子電解質膜は、前記カソード電極側に配置されたカソード側電解質膜と、前記アノード電極側に配置されたアノード側電解質膜とを接合して構成されており、
前記カソード側電解質膜は、補強材を含むイオン交換樹脂であり、
前記アノード側電解質膜は、補強材を含まないか、又は前記カソード側電解質膜よりも補強材の含有量が少ないイオン交換樹脂であることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。 - 前記補強材は、織布、不織布、多孔質材料、繊維から選ばれた1種以上である、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記アノード側電解質膜のイオン交換基当量が、前記カソード側電解質膜のイオン交換基当量よりも高い、請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記アノード側電解質膜と、前記カソード側電解質膜との間に、両電解質膜の外周縁よりも内側に内周縁を有する枠状の補強用フィルムが配設され、熱圧着によって前記アノード側電解質膜と、前記カソード側電解質膜とが接合されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
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