JP2013171775A - 燃料電池、ガス拡散層、ガス拡散層の製造方法 - Google Patents

燃料電池、ガス拡散層、ガス拡散層の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス拡散層の撥水性や、撥水の耐久性を向上させる。
【解決手段】 燃料電池10であって、電解質膜121と、前記電解質膜の両面に形成された触媒層122、123と、前記触媒層の前記電解質膜の反対側に面に配置された拡散層132、133と、を備え、前記拡散層132は、 基材132aと、前記基材にコートされた撥水性物質と、を有し、前記撥水性物質は、粒子状の撥水性物質が多層に分かれて形成されている。
【選択図】図5

Description

この発明は、燃料電池に関し、特に、燃料電池のガス拡散層に関する。
燃料電池用のガス拡散層を製造するときに、撥水層形成用ペーストを導電性多孔質基材表面に塗工した後、大気中にて200〜400℃で乾燥する技術が知られている(特許文献1)。
特開2010−129451号公報
しかし、この方法で形成されたガス拡散層は、撥水性や、撥水性物質の耐久性が不十分であるという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、ガス拡散層の撥水性や、撥水性物質の耐久性を向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池であって、電解質膜と、前記電解質膜の両面に形成された触媒層と、前記拡散層の前記電解質膜の反対側に面に配置されたガス拡散層と、を備え、前記ガス拡散層は、 基材と、前記基材にコートされた撥水性物質と、を有し、前記撥水性物質は、粒子状の撥水性物質が、多層に分かれて形成されている、燃料電池。
この適用例によれば、撥水性物質は、粒子状で、多層に形成されているので、撥水性が高く、撥水性物質の耐久性を向上させることができる。
[適用例2]
適用例1に記載の燃料電池において、前記撥水性物質は、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体からなる群から選ばれた一以上の撥水性物質を含む、燃料電池。
[適用例3]
適用例1または2に記載の燃料電池において、前記撥水性物質の粒子は、前記基材に近いほど粘着力が強い、燃料電池。
撥水性物質が剥がれる場合、表面から粒子毎に剥がれるので、一部の撥水性物質の粒子が剥がれても、撥水性を維持できる。
[適用例4]
燃料電池用のガス拡散層であって、基材と、前記基材にコートされた撥水性物質と、を有し、前記撥水性物質は、粒子状の撥水性物質が、多層に分かれて形成されている、ガス拡散層。
この適用例によれば、撥水性物質は、粒子状で、多層に形成されているので、撥水性が高く、撥水性物質の耐久性を向上させることができる。
[適用例5]
燃料電池用のガス拡散層の製造方法であって、(a)拡散層の基材に粒子状の撥水性物質を塗布する工程と、(b)前記基材を焼結又は乾燥させる工程と、を備え、前記工程(b)において、焼結又は乾燥させるときの温度は、前記撥水性物質の融点以下である、ガス拡散層の製造方法。
この適用例によれば、撥水性物質の粒子状態を維持したまま、多層に形成することができるので、撥水性が高く、撥水性物質の耐久性が高いガス拡散層を製造できる。
[適用例6]
適用例5に記載のガス拡散層の製造方法において、前記工程(b)の焼結又は乾燥させるときの温度は、(前記撥水性物質の融点−50℃)以上である、ガス拡散層の製造方法。
この適用例によれば、撥水性物質の表面を溶かして粒子形状を維持したまま撥水性物質の粒子を接着できるので、粒子同士の粘着力を強くすることができる。
[適用例7]
適用例5または6に記載のガス拡散層の製造方法において、前記工程(b)において、さらに、電磁波、マイクロ波、赤外線、遠赤外線の少なくとも一つを用いて、前記撥水性物質を前記基材側から加熱する、ガス拡散層の製造方法。
この適用例によれば、基材を加熱し、基材側から撥水性物質を加熱するので、基材に近い撥水性物質の粒子ほど粘着力を強くすることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池の他、燃料電池用のガス拡散層、ガス拡散層の製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての燃料電池の構成を示す説明図である。 発電ユニットの構成を模式的に示す説明図である。 ガス拡散層製造装置を示す説明図である。 ガス拡散層の基材へのBLペースト、MPLペーストの塗工工程のフローチャートである。 本実施例のガス拡散層の電子顕微鏡写真である。 比較例のガス拡散層の電子顕微鏡写真である。
A.実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての燃料電池の構成を示す説明図である。燃料電池10は、燃料電池スタック100と、集電板200、201と、絶縁板210、211と、押圧プレート220と、エンドプレート230、231と、テンションロッド240と、ナット250と、押圧バネ260と、を備える。
燃料電池スタック100は、複数の発電ユニット110を備えている。各発電ユニット110は、それぞれが1個の単電池である。発電ユニット110は、積層されて直列に接続されており、燃料電池スタック100として高電圧を発生させる。集電板200、201は、燃料電池スタック100の両側にそれぞれ配置されており、燃料電池スタック100が発生した電圧、電流を外部に取り出すために用いられる。絶縁板210、211は、それぞれ集電板200、201のさらに外側に配置されており、集電板200、201と、他の部材、例えばエンドプレート230、231やテンションロッド240と、の間に電流が流れないように、絶縁する。エンドプレート230と押圧プレート220は、それぞれ絶縁板210、211のさらに外側に配置されている。押圧プレート220のさらに外側には、押圧バネ260が配置され、押圧バネ260のさらに外側にエンドプレート231が配置されている。エンドプレート231は、テンションロッド240とナット250により、エンドプレート230から所定の間隔となるように配置される。この場合、押圧バネ260により、押圧プレート220は、絶縁板211方向に押圧され、発電ユニット110に所定の締結力を与える。なお、燃料電池10は、押圧バネ260や押圧プレート220を備えない構成であってもよい。
図2は、発電ユニット110の構成を模式的に示す説明図である。発電ユニット110は、膜電極接合体120と、ガス拡散層132、133と、多孔体ガス流路142、143と、セパレータプレート152、153と、シールガスケット160と、を備える。膜電極接合体120は、電解質膜121と、触媒層122、123を備える。
本実施形態では、電解質膜121として、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマなどのフッ素系樹脂や炭化水素系樹脂からなるプロトン伝導性のイオン交換膜を用いている。触媒層122、123は、電解質膜121の各面にそれぞれ形成されている。本実施形態では、触媒層122、123は、例えば、白金触媒、あるいは白金と他の金属とからなる白金合金触媒を担持した触媒担持粒子(例えばカーボン粒子)によって形成されている。
ガス拡散層132、133は、それぞれ触媒層122、123の外面に配置されている。本実施形態では、ガス拡散層132、133として、カーボン不織布を用いたカーボンクロスやカーボンペーパーを用いることが可能である。多孔体ガス流路142、143は、それぞれガス拡散層132、133の外面に配置されている。セパレータプレート152、153は、それぞれ多孔体ガス流路142、143の外面に配置されている。セパレータプレート152と、隣の発電ユニット110のセパレータプレート153との間には、冷却水流路155が形成されている。シールガスケット160は、膜電極接合体120、ガス拡散層132、133、多孔体ガス流路142、143の外縁を囲うように形成されている。シールガスケット160は、たとえば射出成形により、膜電極接合体120と一体に成形される。その後、膜電極接合体120の両面に、ガス拡散層132、133、多孔体ガス流路142、143が順次配置される。
図3は、ガス拡散層製造装置を示す説明図である。ガス拡散層製造装置30は、繰出部31と、巻取部33と、焼結・乾燥部35と、を備える。繰出部31は、ガス拡散層132の基材132aに撥水性物質のペーストを塗布して次の焼結・乾燥部35に送る。焼結・乾燥部35は、基材132aに撥水性物質のペーストを焼結又は乾燥させる。巻取部33は、焼結又は乾燥した撥水性物質で形成された撥水層を含むガス拡散層132を巻き取る。
繰出部31は、繰出ローラー311と、保護膜巻取ローラー313と、搬送ローラー315、317と、集塵機319と、撥水ペースト塗工部321と、マイクロポーラスレイヤー塗工部323(以下「MPL塗工部323」と呼ぶ。)と、プレ乾燥炉325と、膜厚計327と、を備える。繰出ローラー311は、保護膜400が挟まれたガス拡散層132の基材132aをロール状に巻き付けている。保護膜巻取ローラー313は、保護膜400を巻き取る。集塵機319は、保護膜400が剥がされたガス拡散層132の基材132aから塵や埃を除去する。撥水ペースト塗工部321は、ガス拡散層132の基材132aに第1の撥水材ペースト(以下「BLペースト」と呼ぶ。)を塗布する。ここで、BLペーストは、粒子状の撥水性物質(例えばポリテトラフルオロエチレン)を含んだものを使用可能である。MPL塗工部323は、BLペーストの上にカーボンブラック及び酸化セリウムを含む第2の撥水材ペースト(以下「MPLペースト」と呼ぶ。)を塗布する。MPLペーストも粒子状の撥水性物質を含んでいる。MPLペースト中のカーボンブラックは、ガス拡散層132に導電性を与え、酸化セリウムは、電解質膜121(図2)を劣化させるラジカルの生成を抑制する。プレ乾燥炉325は、次工程の焼結又は乾燥工程の処理温度よりも低い温度で予備的にガス拡散層132を乾燥する。プレ乾燥炉325は、BLペースト塗工工程及びMPL塗工工程の処理温度(室温)と、次工程の焼結又は乾燥工程の処理温度との温度差による影響を緩和すること、BLペースト中及びMPLペースト中の溶媒を蒸発させること、及びセリウムのマイグレーションを抑制すること、等のために行われる。膜厚計327は、ガス拡散層132の膜厚を測定し、膜厚が規定の範囲内であるか否かを判断する。
焼結・乾燥部35は、プレ乾燥炉325の長さの約4倍の長さを有しており、バックアップロール351と、温風発生装置353と、温風吹出ノズル355と、遠赤外線放射装置357と、温度計359と、を備える。バックアップロール351は、搬送されるガス拡散層132を下から支える。温風発生装置353は、温風を発生させて、温風吹出ノズル355に送る。温風吹出ノズル355は複数あり、ガス拡散層132の搬送方向に沿ってガス拡散層132の上側と下側に交互に設けられている。遠赤外線放射装置357は、温風吹出ノズル355と対になり、ガス拡散層132を挟んで温風吹出ノズル355と反対側に設けられている。すなわち、遠赤外線放射装置357は、温風吹出ノズル355と反対側からガス拡散層132を遠赤外線で加熱する。遠赤外線効果により、基材132aは遠赤外線を吸収しやすいので、ガス拡散層132は基材132aから加熱される。そのため、BLペースト及びMPLペーストは、基材132a側ほど温度が高くなるので、粘着力が強くなる。温度計359は、ガス拡散層132の表面温度を測定する。温風発生装置353、温風吹出ノズル355、及び遠赤外線放射装置357は、ガス拡散層132の温度が所定の温度範囲に収まるように、制御される。例えば、ガス拡散層132は、BLペースト及びMPLペースト中の樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)の融点(327℃)以下で、融点に十分近い温度範囲(例えば融点との差が50℃以下)に収まるように、制御される。
巻取部33は、巻取ローラー331と、保護膜繰出ローラー333と、搬送ローラー335と、膜厚計337と、スジ検査装置339と、を備える。巻取ローラー331は、ガス拡散層132を巻き取る。保護膜繰出ローラー333は、保護膜400を丸めて収納しており、巻取ローラー331のガス拡散層の巻き取りに合わせて、保護膜400を巻取ローラー331に繰り出す。保護膜400は、巻取ローラー331がガス拡散層132を巻き取るときに、重なった所が接着しないように、ガス拡散層132を巻き取った巻取ローラー331の最外層と、未だ巻き取られていないガス拡散層132と、の間に挟まれるように配置される。膜厚計337は、ガス拡散層132の膜厚を測定する。スジ検査装置339は、ガス拡散層132にスジやシワが出来ているか否かを検査する。
図4は、ガス拡散層の基材へのBLペースト、MPLペーストの塗工工程のフローチャートである。ステップS100では、BLペースト(第1の撥水材ペースト)を作製する。BLペーストは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(以下「PTEF」と呼ぶ。)を溶媒(例えばエタノールと水)に溶かすことにより作製される。ステップS110では、MPLペースト(第2の撥水材ペースト)を作製する。MPLペーストは、PTFEと、カーボンブラックと、酸化セリウムと、を溶媒(例えばエタノールと水)に溶かすことにより作製される。なお、カーボンブラックと、酸化セリウムとは、水溶性でないので、MPLペーストは、懸濁液となる。
ステップS120では、ガス拡散層132の基材132aにBLペーストが塗工される。この塗工は、スプレーにより、あるいはダイコーターにより、実行することができる。ステップS130では、BLペーストの上にMPLペーストが塗工される。MPLペーストは、不溶性のカーボンブラックや酸化セリウムを含んでいるので、この塗工は、ダイコーターにより、実行することができる。
ステップS140では、プレ乾燥炉325(図3)において、ガス拡散層132が、乾燥される。ステップS150では、ガス拡散層132が、焼結又は乾燥される。なお、ステップS150の焼結又は乾燥の温度は、PTEFの融点(327℃)に近い温度範囲にあり、ステップS140のプレ乾燥温度は、ステップS150の温度よりも低い温度(例えば150℃)である。焼結又は乾燥の温度がPTEFの融点よりも高いと、PTFEが溶けて粒子状で無くなってしまう。一方、PTEFの融点よりも過度に低いと、PTFEの粒子の表面が溶けず、互いに接着しないので、PTFEが剥がれやすくなる。したがって、ステップS150の焼結又は乾燥の温度は、PTEFの融点に十分近い温度(例えば、融点との差が50℃以下)とすることが好ましい。ステップS160では、ガス拡散層132の膜厚及びスジが検査される。
B.実施例と比較例:
ガス拡散層132の基材132aとして、東レ(株)のCP−EXP161PCを用いた。BLペーストに用いるPTFEとして、旭硝子(株)のAD911Eを用いた。旭硝子(株)のAD911Eは、粒子径が約0.3ミクロンの微細粒子形状を有している。これを溶媒(エタノールと水の混合溶媒)に溶かし、スプレー法により基材132aに塗工した。BLペーストの目付量は、ガス拡散層1cm2あたり(0.35±0.25)mgとした。
MPLペーストの材料として、以下の材料を用いた
PTFE:旭硝子(株)のAD911E
カーボンブラック:電気化学工業(株)のデンカブラック(登録商標)
酸化セリウム:太陽鉱工(株)の太陽S
MPLペースト中のPTFEと、カーボンブラックと、酸化セリウムの質量パーセント比は、2:8:1とした。この混合物を溶媒(エタノールと水の混合溶媒)に懸濁させた後、ダイコーターを用いてガス拡散層132の撥水ペーストの上に塗工した。MPLペーストの目付量は、ガス拡散層1cm2あたり(4.2−0.7)mg〜(4.2+0.3)mgとした。
プレ乾燥炉325では、150℃で約2分間加熱した。次いで、焼結・乾燥部35で、ガス拡散層132の表面の最高温度を327℃として約8分間焼結又は乾燥した。ここで327℃は、PTFEの融点である。比較例は、焼結・乾燥部35におけるガス拡散層132の表面の最高温度を400℃とした以外は、実施例と同じである。
図5は、本実施例のガス拡散層の電子顕微鏡写真である。図6は、比較例のガス拡散層の電子顕微鏡写真である。両者を比較すれば明らかなように、本実施例では、PTFEの粒子性が維持されたまま基材132aの繊維に付着している。また、PTFE粒子による層は、複数の層L1とL2に分かれた多層構造を有している。これに対し、比較例では、PTFEの粒子が完全に溶け粒子が連なった状態で、基材132aに付着している。
本実施例では、PTFEが粒子状のため、比較例よりも疎水性基の表面積が大きく、比較例より撥水性が高い。また、ガス拡散層132を燃料電池に使用した場合、本実施例のガス拡散層では、経時変化により表層に近いPTFEが剥がれる場合にも、その一部の粒子が剥がれるだけであり、大部分のPTFE粒子は、剥がれることなく付着している。そのため、一部のPTFE粒子が剥がれた後であっても、新鮮なPTFEの粒子が表面に現れるため、撥水性の低下が起こりにくい。一方、比較例のガス拡散層では、PTFEが剥がれる場合、PTFEのほぼ全部が連なって剥がれるため、新鮮なPTFEが表面に現れにくく、撥水性が低下する場合がある。このように、本実施例は、比較例と比較して、撥水性が高く、撥水性の耐久性も高い。
このような、PTFEの粒子状の構造は、PTFEを焼結又は乾燥する工程で、PTFEの粒子が過度に溶けないように、PTFEの融点以下の温度で焼結又は乾燥することにより得ることができる。なお、焼結又は乾燥の差異のガス拡散層132の表面の温度は、PTFEの融点以下で、なるべく融点に近い高温であることが好ましい。低すぎると、PTFEの粒子が互いに接着しない。また、焼結又は乾燥工程で遠赤外線を用いて、基材132aを加熱し、その熱でBLペーストの層やMPLペーストの層を加熱することが好ましい。なお、遠赤外線の他、電磁波、マイクロ波、赤外線を用いて加熱してもよい。これにより、BLペーストとMPLペーストから形成される撥水層のうち基材132a側に近い部分ほど温度を高くして粘着力を強くすることができる。なお、図5において、PTFEが複数の異なる層に分かれているが、これらの層のうち、より基材132の繊維に近い層ほどPTFE粒子同士が強固の接着されている。
本実施例では、BLペースト、MPLペーストを作製するときに撥水性物質としてPTFEを用いたが、PTFEの他、パーフルオロエチレン−プロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体(FPA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体(TFE/PDD)などの他の撥水性物質を用いても良い。
本実施例では、BLペーストとMPLペーストの2つの撥水材ペーストを用い、これらを分けて塗工したが、これらを分けずに一方の撥水材ペースト(MPLペーストが好ましい)を1回で塗工してもよい。
本実施例では、一方のガス拡散層132を用いて説明したが、他方のガス拡散層133についても同様である。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…燃料電池
30…ガス拡散層製造装置
31…繰出部
33…巻取部
35…乾燥部
100…燃料電池スタック
110…発電ユニット
120…膜電極接合体
121…電解質膜
122、123…触媒層
132、133…ガス拡散層
132a…基材
142、143…多孔体ガス流路
152、153…セパレータプレート
155…冷却水流路
160…シールガスケット
200…集電板
210…絶縁板
220…押圧プレート
230、231…エンドプレート
240…テンションロッド
250…ナット
260…押圧バネ
311…繰出ローラー
313…保護膜巻取ローラー
315、317…搬送ローラー
319…集塵機
321…撥水ペースト塗工部
323…マイクロポーラスレイヤー塗工部
325…プレ乾燥炉
327…膜厚計
331…巻取ローラー
333…保護紙繰出ローラー
335…搬送ローラー
337…膜厚計
339…スジ検査装置
351…バックアップロール
353…温風発生装置
355…温風吹出ノズル
357…遠赤外線放射装置
359…温度計
400…保護膜

Claims (7)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜と、
    前記電解質膜の両面に形成された触媒層と、
    前記拡散層の前記電解質膜の反対側に面に配置されたガス拡散層と、
    を備え、
    前記ガス拡散層は、
    基材と、
    前記基材にコートされた撥水性物質と、
    を有し、
    前記撥水性物質は、粒子状の撥水性物質が、多層に分かれて形成されている、
    燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記撥水性物質は、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体からなる群から選ばれた一以上の撥水性物質を含む、燃料電池。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池において、
    前記撥水性物質の粒子は、前記基材に近いほど粘着力が強い、燃料電池。
  4. 燃料電池用のガス拡散層であって、
    基材と、
    前記基材にコートされた撥水性物質と、
    を有し、
    前記撥水性物質は、粒子状の撥水性物質が、多層に分かれて形成されている、ガス拡散層。
  5. 燃料電池用のガス拡散層の製造方法であって、
    (a)拡散層の基材に粒子状の撥水性物質を塗布する工程と、
    (b)前記基材を焼結又は乾燥させる工程と、
    を備え、
    前記工程(b)において、焼結又は乾燥させるときの温度は、前記撥水性物質の融点以下である、ガス拡散層の製造方法。
  6. 請求項5に記載のガス拡散層の製造方法において、
    前記工程(b)の焼結又は乾燥させるときの温度は、(前記撥水性物質の融点−50℃)以上である、ガス拡散層の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載のガス拡散層の製造方法において、
    前記工程(b)において、さらに、電磁波、マイクロ波、赤外線、遠赤外線の少なくとも一つを用いて、前記撥水性物質を前記基材側から加熱する、ガス拡散層の製造方法。
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