JP2001057218A - 固体高分子型燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池およびその製造方法

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JP2001057218A JP11231792A JP23179299A JP2001057218A JP 2001057218 A JP2001057218 A JP 2001057218A JP 11231792 A JP11231792 A JP 11231792A JP 23179299 A JP23179299 A JP 23179299A JP 2001057218 A JP2001057218 A JP 2001057218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】含水量分布の不均一化を是正することにより、
経時的に安定した電圧を得ること。 【解決手段】固体高分子電解質膜3と、この固体高分子
電解質膜3の両面に配置したアノード触媒層2aおよび
カソード触媒層2bと、これら触媒層2a,2bの固体
高分子電解質膜3と接する面の反対の面にそれぞれ配置
されたアノードガス拡散層1aおよびカソードガス拡散
層1bとを備え、アノードガス拡散層1aを形成する少
なくとも一つの多孔質層の平均気孔径は、カソードガス
拡散層1bを形成する多孔質層の平均気孔径よりも小さ
くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス拡散層の気孔
径を最適化した固体高分子型燃料電池およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料電池は、水素などの燃料と
空気などの酸化剤を電気化学的に反応させることによ
り、上記燃料の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに
直接変換する装置である。また、燃料電池は、電解質の
違いなどにより様々なタイプのものに分類され、その一
つとして電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分
子型燃料電池が知られている。
【0003】図13は従来の固体高分子型燃料電池の構
成を示す断面図である。図13に示すように、従来の固
体高分子型燃料電池は、アノードガス拡散層1aおよび
カソードガス拡散層1bにそれぞれPtなどからなる触
媒層2a、2bを介し、イオン導電性およびガス分離機
能を有する固体高分子電解質膜3を挟持させた単電池4
と、電極であるアノードガス拡散層1aおよびカソード
ガス拡散層1bのそれぞれに反応ガスを供給するための
溝を有するガス不透過性のセパレータ5とを具備して構
成される。
【0004】そして、アノードガス拡散層1aに水素な
どの燃料を、カソードガス拡散層1bに空気などの酸化
剤をそれぞれ供給すると、電気化学反応により単電池4
で起電力が生じる。この単電池4の起電力は高々1V程
度と低いため、通常複数の単電池4を積層した電池スタ
ックとして使用される。この電気化学反応は発熱反応で
あるので、余剰な熱を除去するため、単電池4をセパレ
ータ5を介して複数積層した単電池積層体6ごとに冷媒
を流通させる冷却板7が介挿されている。
【0005】また、系外へのガスリークは、ガス利用率
の低下や水素などの可燃ガスによる爆発の危険性がある
ため、固体高分子電解質膜3とセパレータ5との間はシ
ール剤8を介してガスシールされている。
【0006】固体高分子電解質膜3には、例えばフッ素
系イオン交換膜であるパーフルオロスルホン酸膜が用い
られており、これらの固体高分子電解質膜3は、分子中
に水素イオンの交換基を持ち、含水することにより電解
質として機能する。しかし、電池の含水量が少ないと、
固体高分子電解質膜3のイオン導電性が悪化し、電解質
としての機能が著しく低下するため、電池性能が低下す
る。一方、逆に電池の含水量が過剰になると、電池反応
部で水が凝縮し、電池反応部へのガスの供給が阻害され
るため、同様に電池性能が低下する。
【0007】ところで、カソードガス拡散層1bでは、
電極反応に伴って水が生成されるので、アノードガス拡
散層1aよりも含水量が多く、反応ガスの相対湿度も高
い。また、カソードガス拡散層1bで生成した水は、一
部アノードガス拡散層1aにも移動し、これらの水分は
反応ガスによって一部持ち出されるので、反応ガスの下
流の方が上流と比較して相対湿度が高い。
【0008】すなわち、アノードガス拡散層1aとカソ
ードガス拡散層1b、あるいは反応ガスの上流と下流と
では、反応ガスの相対湿度に分布が生じている。このよ
うに電池平面内に生じている反応ガスの相対湿度の面内
分布によって、電池平面内において触媒層や電解質膜と
いった電極反応部の含水量に面内分布が発生する。
【0009】その結果、含水量の過剰な部分では水の凝
縮によってガス拡散性が悪化する一方、含水量の少ない
部分では電解質機能の低下に伴って反応表面積が低下す
るので、電流密度の面内不均一化が生じ、電池性能が低
下する。
【0010】したがって、電池性能の低下を防ぐために
は、反応ガスの上流および下流における相対湿度の分布
が触媒層や電解質膜の含水量の面内分布を引き起こさな
いようにする必要がある。その一例として、通常ガス拡
散層に用いられている気孔径が大きいカーボン多孔質体
の触媒層と接する面に、カーボン多孔質体よりも気孔径
の小さい気孔の割合が多い層を設けることで、反応ガス
の相対湿度の分布によって電極反応が行われる触媒層や
電解質膜の含水量に分布を生じさせないような緩衝材と
しての働きを持たせたものが案出されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例において、長時間発電を行っていると、アノー
ドガス拡散層1aとカソードガス拡散層1bとの相対湿
度の違い、あるいは反応ガスの上流と下流における相対
湿度の違いに起因する反応ガスの相対湿度の面内分布に
よって、徐々に電極反応部でも電池面内における含水量
に分布が生じる。この電極反応部における含水量の電池
面内分布によって、水の凝縮によるガス拡散性の低下お
よび乾燥による電解質性能の低下に伴う反応面積の低下
が生じて、電流密度の不均一化が発生するため、電池電
圧が低下するという課題がある。
【0012】一方、燃料電池スタックでは、端部に位置
するセルの方が放熱量が多いため、中央部に位置するセ
ルよりも電池温度が低く相対湿度が高い。したがって、
端部に位置するセルは、水の凝縮によるガス拡散機能の
低下により、中央部のセルよりも電池電圧が低いという
課題もある。
【0013】そこで、本発明は上記事情を考慮してなさ
れたもので、固体高分子型燃料電池用のガス拡散層の気
孔径を最適化することで、従来課題となっていた反応ガ
スの相対湿度の分布によって生じ、かつ電池反応部の経
時的に生じる含水量分布の不均一化を是正することによ
り、経時的に安定した電圧が得られる高性能な固体高分
子型燃料電池およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するため、請求項1記載の固体高分子型燃料電池は、固
体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜の両面に
配置したアノード触媒層およびカソード触媒層と、これ
ら触媒層の前記固体高分子電解質膜と接する面の反対の
面にそれぞれ配置されかつ多孔質層で形成されるアノー
ドガス拡散層およびカソードガス拡散層とを備えた固体
高分子型燃料電池において、前記アノードガス拡散層を
形成する少なくとも一つの多孔質層の平均気孔径は、前
記カソードガス拡散層を形成する多孔質層の平均気孔径
よりも小さいことを特徴とする。
【0015】請求項1記載の固体高分子型燃料電池の構
成により、相対的に含水量の少ないアノードの電極反応
部からガス拡散層を介して反応ガスとともに排出される
水分の量は減少し、相対的に含水量の多いカソードの電
極反応部からガス拡散層を介して反応ガスとともに排出
される水分の量は増加するので、電極反応部の含水量の
面内分布が抑制される。
【0016】請求項2記載の固体高分子型燃料電池は、
固体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜の両面
に配置した一対の触媒層と、これら触媒層の前記固体高
分子電解質膜と接する面の反対の面に配置されかつ多孔
質層で形成される一対のガス拡散層とを備えた固体高分
子型燃料電池において、前記ガス拡散層の反応ガス下流
部に位置する部分の平均気孔径は、反応ガス上流部に位
置する部分の平均気孔径よりも大きいことを特徴とす
る。
【0017】請求項2記載の固体高分子型燃料電池の構
成により、相対的に含水量の少ない反応ガス上流部では
電極反応部からガス拡散層を介して反応ガスとともに排
出される水分の量は減少し、相対的に含水量の多い反応
ガス下流部では電極反応部からガス拡散層を介して反応
ガスとともに排出される水分の量は増加するので、電極
反応部の含水量の面内分布が抑制される。
【0018】請求項3記載の固体高分子型燃料電池は、
固体高分子電解質膜と、この固体高分子電解質膜の両面
に配置した一対の触媒層と、前記固体高分子電解質膜と
接する面の反対の面に配置されかつ多孔質層で形成され
る一対のガス拡散層とを有する単電池を、反応ガス供給
機能を有するガス不透過性セパレータを介して複数積層
した積層体として構成される固体高分子型燃料電池にお
いて、前記積層体の端部に位置する少なくとも1セルの
ガス拡散層を形成する多孔質層の平均気孔径は、前記積
層体の中央部のセルのガス拡散層を形成する多孔質層の
平均気孔径よりも大きいことを特徴とする。
【0019】積層体端部のセルでは放熱により、中央部
に位置するセルと比べて温度が低く、相対湿度が高くな
る。よって、端部のセルでは水の凝縮により、ガス拡散
性が低下する。請求項3記載の固体高分子型燃料電池の
構成により、積層体端部のセルでは、電極反応部からガ
ス拡散層を介して反応ガスとともに排出される水分の量
が増加するため、ガス拡散性が向上する。
【0020】請求項4記載の固体高分子型燃料電池は、
請求項1ないし3のいずれかに記載の触媒層と接する多
孔質層の気孔の90%以上が10μm以下の気孔径で構
成されることを特徴とする。
【0021】請求項4記載の固体高分子型燃料電池の構
成により、反応ガスと電極反応部の間で水分の移動量が
減少するので、反応ガスの相対湿度が低い領域では、電
極反応部からガス拡散層を介して反応ガスとともに排出
される水分の量が減少し、反応ガスの相対湿度が高い領
域では、電極反応部に供給される水分の量が減少するの
で、反応ガスの相対湿度の面内分布により生じる電極反
応部の含水量の面内分布が緩和される。
【0022】請求項5記載の固体高分子型燃料電池は、
請求項1ないし4のいずれかに記載の触媒層と接する多
孔質層の気孔率を70%以上にすることを特徴とする。
【0023】請求項5記載の固体高分子型燃料電池によ
れば、ガス拡散層のガス拡散機能の低下を防ぐことがで
きる。
【0024】請求項6記載の固体高分子型燃料電池の製
造方法は、固体高分子電解質膜の両面にアノード触媒層
およびカソード触媒層を接合し、これら触媒層の前記固
体高分子電解質膜と接する面の反対の面にそれぞれ多孔
質層で形成されるアノードガス拡散層およびカソードガ
ス拡散層を接合する固体高分子型燃料電池の製造方法に
おいて、前記アノードガス拡散層は、カーボン多孔質体
に少なくともカーボン粒子とフッ素樹脂分散体とからな
るインクを塗布面が触媒層と接するように塗布した後、
フッ素樹脂のガラス転移温度以上で熱処理して形成する
一方、前記カソードガス拡散層は、カーボン多孔質体に
少なくともカーボン粒子とフッ素樹脂粒子とからなる粉
体を塗布面が触媒層と接するように塗布した後、フッ素
樹脂のガラス転移温度以上で熱処理して形成することを
特徴とする。
【0025】請求項6記載の固体高分子型燃料電池の製
造方法によれば、アノードガス拡散層のうち触媒層と接
する多孔質層は、カソード拡散層のうち触媒層と接する
多孔質層よりも平均気孔径が小さくなる。
【0026】請求項7記載の固体高分子型燃料電池の製
造方法は、請求項6記載のフッ素樹脂固形分の重量割合
をカーボン粒子とフッ素樹脂固形分の合計重量に対して
65%以下にすることを特徴とする。
【0027】請求項7記載の固体高分子型燃料電池の製
造方法によれば、ガス拡散層の気孔率が70%以上にな
る。
【0028】請求項8記載の固体高分子型燃料電池の製
造方法は、固体高分子電解質膜の両面に一対の触媒層を
接合し、これら触媒層の前記固体高分子電解質膜と接す
る面の反対の面に、多孔質層で形成される一対のガス拡
散層を接合する固体高分子型燃料電池の製造方法におい
て、前記ガス拡散層の反応ガス上流部に位置する部分に
は、カーボン多孔質体に少なくともカーボン粒子とフッ
素樹脂分散体とからなるインクを塗布面が触媒層に接す
るように塗布した後、フッ素樹脂のガラス転移温度以上
で熱処理して形成する一方、反応ガス下流部に位置する
部分には、カーボン多孔質体に少なくともカーボン粒子
とフッ素樹脂とからなる粉体を塗布面が触媒層に接する
ように塗布した後、フッ素樹脂のガラス転移温度以上で
熱処理して形成したことを特徴とする。
【0029】請求項8記載の固体高分子型燃料電池の製
造方法によれば、ガス拡散層のうち触媒層と接する多孔
質層の反応ガス下流部に位置する部分は、反応ガス上流
部に位置する部分よりも平均気孔径が大きくなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して具体的に説明する。なお、従来の構成と同一ま
たは対応する部分には図13と同一の符号を用いて説明
する。
【0031】[第1実施形態]図1は本発明に係る固体
高分子型燃料電池の第1実施形態を示す断面図である。
【0032】図1に示すように、固体高分子型燃料電池
は、固体高分子電解質膜3と、この固体高分子電解質膜
3の両面に配置したアノード触媒層2aおよびカソード
触媒層2bと、これら触媒層2a,2bの固体高分子電
解質膜3と接する面の反対の面にそれぞれ配置されかつ
多孔質層で形成されるアノードガス拡散層1aおよびカ
ソードガス拡散層1bとで単電池4が構成されている。
なお、本実施形態の固体高分子型燃料電池の他の構成
は、図13と同様であるので、その説明を省略する。
【0033】アノードガス拡散層1aは、カーボンペー
パー1c(厚さ270μm)とカーボン層1dの2層の
多孔質層で構成される。このアノードカーボン層1d
は、カーボン粒子(VulcanXC−72R)、ポリ
テトラフルオロエチレンディスパージョン(分散体)
(TFE30)、界面活性剤および純水を混合したイン
クをスクリーンプリンターを用いてカーボンペーパー1
c上に塗布した後、350℃で15分間熱処理を行い形
成した。
【0034】一方、カソードガス拡散層1bは、カーボ
ンペーパー1cとカソードカーボン層1eの2層の多孔
質層で構成される。このカソードカーボン層1eは、カ
ーボン粒子(VulcanXC−72R)およびポリテ
トラフルオロエチレン粉末(TFE60)を混合した粉
体をカーボンペーパー1c上に塗布した後、350℃で
15分間熱処理を行い形成した。
【0035】図2はポリテトラフルオロエチレンの含有
量を35%としたときの、アノードカーボン層1dおよ
びカソードカーボン層1eの気孔径分布を示したもので
ある。アノードカーボン層1dよりもカソードカーボン
層1eの方が気孔径が大きいものの割合が多く、平均気
孔径が大きくなっている。ここで、アノードカーボン層
1dおよびカソードカーボン層1eは、いずれも90%
以上が10μm以下の気孔で構成されており、気孔率が
約80%となるものが得られた。
【0036】次に、アノードカーボン層1dの上にアノ
ード触媒層2aを、カソードカーボン層1e上にカソー
ド触媒層2bをそれぞれ形成し、固体高分子電解質膜3
を挟持させて接合し、上記のように単電池4を作成し
た。
【0037】このように本実施形態の固体高分子型燃料
電池では、アノードガス拡散層1aを形成する少なくと
も一つの多孔質層の平均気孔径を、カソードガス拡散層
1bを形成する多孔質層の平均気孔径よりも小さくして
ある。
【0038】以上のように、本実施形態の固体高分子型
燃料電池の製造方法では、アノードガス拡散層1aは、
カーボン多孔質体に少なくともカーボン粒子とフッ素樹
脂分散体とからなるインクを塗布面が触媒層と接するよ
うに塗布した後、フッ素樹脂のガラス転移温度以上で熱
処理して形成する一方、カソードガス拡散層1bは、カ
ーボン多孔質体に少なくともカーボン粒子とフッ素樹脂
粒子とからなる粉体を塗布面が触媒層と接するように塗
布した後、フッ素樹脂のガラス転移温度以上で熱処理し
て形成している。
【0039】次に、本実施形態の作用および効果につい
て説明する。
【0040】本実施形態の固体高分子型燃料電池では、
アノードカーボン層1dの平均気孔径はカソードカーボ
ン層1eの平均気孔径と比べて小さいので、含水量の少
ないアノードの電極反応部からガス拡散層を介して反応
ガスとともに排出される水分の量は減少し、相対的に含
水量の多いカソードの電極反応部からガス拡散層を介し
て反応ガスとともに排出される水分の量は増加するの
で、電極反応部の含水量の面内分布が緩和される。
【0041】本実施形態の固体高分子型燃料電池につい
て、運転温度80℃、運転圧力0.1MPa、電流密度
400mA/cm、アノード加湿温度70℃、カソー
ド加湿温度70℃、水素ガス利用率70%、空気ガス利
用率40%で発電試験を行った。ここで、本実施形態の
電池と比較するため、カーボン層の仕様のみを変更した
電池を作成し、同様な条件で発電試験を行った。以下に
比較例1,2として示す。
【0042】比較例1の電池は、アノードカーボン層お
よびカソードカーボン層として、本実施形態におけるカ
ソードカーボン層と同様の仕様のものを用いた電池であ
る。すなわち、比較例1の電池はアノードおよびカソー
ドの気孔径分布が等しくなるようにした電池である。
【0043】比較例2の電池は、アノードカーボン層と
して、本実施形態のカソードカーボン層と同様な仕様の
もの、カソードカーボン層として、本実施形態のアノー
ドカーボン層と同様な仕様のものをそれぞれ用いた電池
である。すなわち、比較例2の電池はアノードカーボン
層の方がカソードカーボン層の平均気孔径よりも大きく
なるようにした電池である。
【0044】図3はセル電圧の経時変化を示したもので
ある。この図から明らかなように、本実施形態の電池は
比較例1,2の電池よりも電圧の経時特性が優れている
ことが判る。
【0045】このように本実施形態の固体高分子型燃料
電池によれば、アノードガス拡散層1aを形成する少な
くとも一つの多孔質層の平均気孔径を、カソードガス拡
散層1bを形成する多孔質層の平均気孔径よりも小さく
したことにより、相対的に含水量の少ないアノードの電
極反応部からガス拡散層を介して反応ガスとともに排出
される水分の量は減少し、相対的に含水量の多いカソー
ドの電極反応部からガス拡散層を介して反応ガスととも
に排出される水分の量は増加する。
【0046】したがって、経時的に生じていた電極反応
部の含水量の電池面内分布が緩和されるので、電池反応
部で局所的に発生する水の凝縮による拡散性の低下およ
び乾燥による電解質性能の低下に伴う反応面積の低下に
よって生じる電流密度の不均一化を防ぐことができ、電
池電圧の経時安定性が向上する。
【0047】また、本実施形態の固体高分子型燃料電池
の製造方法によれば、アノードガス拡散層1aのうち触
媒層と接する多孔質層は、カソードガス拡散層1bのう
ち触媒層と接する多孔質層よりも平均気孔径が小さくな
る。
【0048】[第2実施形態]第2実施形態は、前記第
1実施形態の固体高分子型燃料電池の構成と同様であっ
て、アノードカーボン層1dおよびカソードカーボン層
1eの気孔の90%以上が10μm以下の気孔で構成さ
れている。すなわち、触媒層と接する多孔質層の気孔の
90%以上が10μm以下の気孔径で構成されている。
【0049】次に、本実施形態の作用および効果につい
て説明する。
【0050】本実施形態の電池について、運転温度80
℃、運転圧力0.1MPa、電流密度400mA/cm
、アノード加湿温度70℃、カソード加湿温度70
℃、水素ガス利用率70%、空気ガス利用率40%で発
電試験を行った。ここで、本実施形態の電池と比較する
ため、カーボン層の仕様のみを変更した電池を作成し、
同様な条件で発電試験を行った。以下比較例として示
す。
【0051】比較例の電池として、カソードカーボン層
を形成する際に用いるカーボン粉の粒子径を系統的に変
えたものを作成した。カソードカーボン層以外の仕様は
全て統一した。カーボン粉末の粒子径を増加させること
で、10μ以下の気孔が占める割合は徐々に低下したカ
ーボン層を得ることができた。
【0052】図4に10μm以下の気孔が占める割合
と、1000時間後のセル電圧の低下量との関係を示
す。この図から明らかなように、本実施形態の燃料電池
は、経時特性が比較例の電池よりも良好であることが判
る。
【0053】このように本実施形態によれば、アノード
カーボン層1dおよびカソードカーボン層1eは、いず
れも90%以上が10μm以下の気孔で構成したので、
反応ガスの相対湿度が低い領域では、電極反応部からガ
ス拡散層を介して反応ガスとともに排出される水分の量
が減少し、反応ガスの相対湿度が高い領域では、電極反
応部に供給される水分の量が減少するので、反応ガスの
相対湿度の面内分布により生じる電極反応部の含水量の
面内分布が緩和される。
【0054】よって、電池反応部で局所的に発生する水
の凝縮による拡散性の低下および乾燥による電解質性能
の低下に伴う反応面積の低下によって生じる電流密度の
不均一化を防ぐことができ、電池電圧の経時安定性が向
上する。
【0055】[第3実施形態]第3実施形態は、前記第
1実施形態の固体高分子型燃料電池と同様な構成であっ
て、ガス拡散層の気孔率が70%以上である。つまり、
アノードカーボン層1dおよびカソードカーボン層1e
の気孔率を70%以上としたものである。
【0056】第1実施形態におけるカーボン層に含有さ
せるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の割合は
カーボンとの合計重量に対して35%としたが、図5に
示すように65%以下では、第1実施形態と同様に気孔
率が70%以上となるカーボン層が得られる。
【0057】次に、本実施形態の作用および効果につい
て説明する。
【0058】アノードカーボン層1dおよびカソードカ
ーボン層1eの気孔率を70%以上にすることで、ガス
拡散層のガス拡散機能の低下を防ぐことができる。
【0059】本実施形態の電池について、運転温度80
℃、運転圧力0.1MPa、電流密度400mA/cm
、アノード加湿温度70℃、カソード加湿温度70
℃、水素ガス利用率70%、空気ガス利用率40%で発
電試験を行った。ここで、本実施形態の電池と比較する
ため、カーボン層の仕様のみを変更した電池を作成し、
同様な条件で発電試験を行った。以下比較例として示
す。
【0060】比較例の電池として、カソードカーボン層
中に含まれるポリテトラフルオロエチレンの含有量を7
0%にすることで、気孔率を70%より低下させた電池
を作成した。ここで、カソードカーボン層以外の電池の
仕様は全て統一した。
【0061】図6に気孔率とセル電圧との関係を示す。
この図から明らかなように、本実施形態の電池では、気
孔率が70%を下回る比較例の電池と比較してセル電圧
が高い。
【0062】このように本実施形態によれば、ガス拡散
層のガス拡散機能を防ぐことができるので、セル特性が
向上する。
【0063】[第4実施形態]図7は本発明に係る固体
高分子型燃料電池の第4実施形態を示す断面図、図8は
第4実施形態による固体高分子型燃料電池を構成するガ
ス拡散層を示す斜視図である。なお、図中の矢印は反応
ガスの流れの向きを表したものである。
【0064】図7に示すように、アノードガス拡散層1
aおよびカソードガス拡散層1bは、カーボンペーパー
1c(厚さ270μm)とカーボン層1fの2層の多孔
質層で構成される。
【0065】このカーボン層1fは、図8に示すように
反応ガス上流側の半分の面に形成した相対的に平均気孔
径の小さいカーボン層1gと、反応ガス下流側の半分の
面に形成した相対的に平均気孔径が大きいカーボン層1
hとで構成される。平均気孔径の小さいカーボン層1g
は、前記第1実施形態のアノードカーボン層1dと同様
な仕様で形成される一方、平均気孔径の大きい多孔質層
1hは、前記第1実施形態のカソードカーボン層1eと
同様な仕様で形成されている。
【0066】このように本実施形態では、ガス拡散層の
反応ガス下流部に位置する部分の平均気孔径を、反応ガ
ス上流部に位置する部分の平均気孔径よりも大きくして
ある。
【0067】また、本実施形態の固体高分子型燃料電池
の製造方法では、固体高分子電解質膜3の両面に一対の
触媒層2a,2bを接合し、これら触媒層2a,2bの
固体高分子電解質膜3と接する面の反対の面に、多孔質
層で形成される一対のガス拡散層1a,1bを接合する
固体高分子型燃料電池の製造方法において、ガス拡散層
1a,1bの反応ガス上流部に位置する部分には、カー
ボン多孔質体に少なくともカーボン粒子とフッ素樹脂分
散体とからなるインクを塗布面が触媒層に接するように
塗布した後、フッ素樹脂のガラス転移温度以上で熱処理
して形成する一方、反応ガス下流部に位置する部分に
は、カーボン多孔質体に少なくともカーボン粒子とフッ
素樹脂とからなる粉体を塗布面が触媒層に接するように
塗布した後、フッ素樹脂のガラス転移温度以上で熱処理
して形成してある。
【0068】次に、本実施形態の作用および効果につい
て説明する。
【0069】本実施形態の固体高分子型燃料電池では、
反応ガス上流部は下流部と比較して、触媒層と接するカ
ーボン層の気孔径が相対的に小さいので、相対的に相対
湿度の低い反応ガス上流部に位置する電極反応部からガ
ス拡散層を介して反応ガスとともに排出される水分の量
は減少し、相対的に相対湿度の高い反応ガス下流部に位
置する電極反応部からガス拡散層を介して反応ガスとと
もに排出される水分の量は増加するので、電極反応部の
含水量の面内分布が抑制される。
【0070】本実施形態の燃料電池について、運転温度
80℃、運転圧力0.1MPa、電流密度400mA/
cm、アノード加湿温度70℃、カソード加湿温度7
0℃、水素ガス利用率70%、空気ガス利用率40%で
発電試験を行った。ここで、本実施形態の電池と比較す
るため、カーボン層の仕様のみを変更した電池を作成
し、同様な条件で発電試験を行った。以下比較例1,2
として示す。
【0071】比較例1の電池は、アノードおよびカソー
ドのカーボン層として、前記第1実施形態におけるアノ
ードカーボン層と同様の仕様のものを用いた電池であ
る。すなわち比較例1の電池は本実施形態の電池の反応
ガス上流側の半分の面に形成したカーボン層が全面に亘
って形成されたものである。
【0072】比較例2の電池は、アノードおよびカソー
ドのカーボン層として、前記第1実施形態におけるカソ
ードカーボン層と同様な仕様のものを用いた電池であ
る。すなわち、比較例2の電池は本実施形態の電池の反
応ガス下流側の半分の面に形成したカーボン層が全面に
わたって形成されたものである。
【0073】図9にはセル電圧の経時変化を示したもの
である。この図から明らかなように、本実施形態の電池
は比較例の電池よりも電圧の経時特性が優れていること
が判る。
【0074】このように本実施形態によれば、相対的に
相対湿度の低い反応ガス上流部に位置する電極反応部か
らガス拡散層を介して反応ガスとともに排出される水分
の量は減少し、相対的に相対湿度の高い反応ガス下流部
に位置する電極反応部からガス拡散層を介して反応ガス
とともに排出される水分の量は増加するので、反応ガス
の相対湿度の面内分布により生じる電極反応部の含水量
の面内分布が緩和される。
【0075】よって、電池反応部で局所的に発生する水
の凝縮による拡散性の低下および乾燥による電解質性能
の低下に伴う反応面積の低下によって生じる電流密度の
不均一化を防ぐことができ、電池電圧の経時安定性が向
上する。
【0076】[第5実施形態]図10は本発明に係る固
体高分子型燃料電池の第5実施形態における単電池積層
体を示す斜視図、図11(a),(b)は、それぞれ単
電池積層体を構成する中央部および両端部の単電池を示
す断面図である。
【0077】図10および図11(a),(b)に示す
ように、本実施形態の固体高分子型燃料電池は、ガス拡
散層1a、1bを触媒層2a、2bを介して固体高分子
電解質膜3を挟持させた単電池4a、4bを反応ガスを
供給するセパレータ5を介して積層した単電池積層体6
と、この単電池積層体6の両端に配置した集電板9とで
構成される。
【0078】中央部に位置する単電池4aは、前記第1
実施形態のものと同様な方法で作成した。一方、単電池
積層体6の端部に位置する集電板9に最も近傍の単電池
4bは、カソードカーボン層1jを前記第1実施形態で
説明したカソードカーボン層を形成する際に用いるカー
ボン粒子の平均粒子径が約5倍のものを使用して形成す
ることで、カソードカーボン層1jの平均気孔径が増加
した。
【0079】なお、端部に位置する電池4bは、カソー
ドカーボン層1j以外は全て前記第1実施形態と同様に
構成されている。
【0080】このように本実施形態では、単電池積層体
6の端部に位置する少なくとも1セルのガス拡散層を形
成する多孔質層の平均気孔径は、単電池積層体6の中央
部のセルのガス拡散層を形成する多孔質層の平均気孔径
よりも大きくしてある。
【0081】次に、本実施形態の作用および効果につい
て説明する。
【0082】単電池積層体6の端部のセルでは、放熱に
より中央部に位置するセルと比べて温度が低く、相対湿
度が高くなる。したがって、端部のセルでは水の凝縮に
よりガス拡散性が低下する。本実施形態の構成によれ
ば、単電池積層体6の端部のセルでは、電極反応部から
ガス拡散層を介して反応ガスとともに排出される水分の
量が増加するため、ガス拡散性が向上する。
【0083】本実施形態の固体高分子型燃料電池につい
て発電試験を行い、積層体を構成している単電池のセル
電圧を測定した。比較のため、本実施形態の固体高分子
型燃料電池の積層体端部に位置する単電池のカソードカ
ーボン層を、中央部のものと同一仕様にしたものについ
ても同様な試験を行った。
【0084】図12は本実施形態を構成する単電池電圧
の分布を示したものである。なお、セル番号の小さいも
のから順に積層している。この図から明らかなように、
従来端部の電池でみられたガス拡散性の低下による電池
電圧の低下が改善されるので、セル電圧がほぼ等しくな
った。
【0085】このように本実施形態によれば、積層体の
端部のセルでは電極反応部からガス拡散層を介して反応
ガスとともに排出される水分の量が増加するため、ガス
拡散性の低下による電池電圧の低下を防止することがで
きる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固体高分子型燃料電池のガス拡散層の気孔径を最適に設
定することにより、従来課題となっていた反応ガスの相
対湿度の面内分布によって発生する電池反応部の含水量
分布の不均一化を是正することができ、経時的に安定し
た電圧が得られる高性能な固体高分子型燃料電池を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体高分子型燃料電池の第1実施
形態を示す断面図。
【図2】第1実施形態においてアノードカーボン層およ
びカソードカーボン層の気孔径分布を示す図。
【図3】第1実施形態においてセル電圧の経時変化を示
す図。
【図4】本発明の第2実施形態において10μm以下の
気孔が占める割合とセル電圧の低下量との関係を示す
図。
【図5】本発明の第3実施形態においてPTFEと気孔
率との関係を示す図。
【図6】本発明の第3実施形態において気孔率とセル電
圧との関係を示す図。
【図7】本発明に係る固体高分子型燃料電池の第4実施
形態を示す断面図。
【図8】第4実施形態による固体高分子型燃料電池を構
成するガス拡散層を示す斜視図。
【図9】本発明の第4実施形態においてセル電圧の経時
変化を示す図。
【図10】本発明に係る固体高分子型燃料電池の第5実
施形態における単電池積層体を示す斜視図。
【図11】(a),(b)は、それぞれ単電池積層体を
構成する中央部および両端部の単電池を示す断面図。
【図12】本発明の第4実施形態を構成する単電池電圧
の分布を示す図。
【図13】従来の固体高分子型燃料電池積層体の構成を
示す断面図。
【符号の説明】
1a アノードガス拡散層 1b カソードガス拡散層 1c カーボンペーパー 1d アノードカーボン層 1e カソードカーボン層 1f カーボン層 1g 平均気孔径の小さいカーボン層 1h 平均気孔径の大きいカーボン層 1i 中央部に位置する単電池のカソードカーボン層 1j 端部に位置する単電池のカソードカーボン層 2a アノード触媒層 2b カソード触媒層 3 固体高分子電解質膜 4 単電池 4a 積層体中央部に位置する単電池 4b 積層体端部に位置する単電池 5 セパレータ 6 単電池積層体 7 冷却板 8 シール材 9 集電板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 努 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS02 AS03 BB01 BB08 EE05 EE18 HH04 HH05 HH08 5H026 AA06 BB00 BB01 BB04 EE05 EE19 HH04 HH05 HH08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜と、この固体高分子
    電解質膜の両面に配置したアノード触媒層およびカソー
    ド触媒層と、これら触媒層の前記固体高分子電解質膜と
    接する面の反対の面にそれぞれ配置されかつ多孔質層で
    形成されるアノードガス拡散層およびカソードガス拡散
    層とを備えた固体高分子型燃料電池において、前記アノ
    ードガス拡散層を形成する少なくとも一つの多孔質層の
    平均気孔径は、前記カソードガス拡散層を形成する多孔
    質層の平均気孔径よりも小さいことを特徴とする固体高
    分子型燃料電池。
  2. 【請求項2】 固体高分子電解質膜と、この固体高分子
    電解質膜の両面に配置した一対の触媒層と、これら触媒
    層の前記固体高分子電解質膜と接する面の反対の面に配
    置されかつ多孔質層で形成される一対のガス拡散層とを
    備えた固体高分子型燃料電池において、前記ガス拡散層
    の反応ガス下流部に位置する部分の平均気孔径は、反応
    ガス上流部に位置する部分の平均気孔径よりも大きいこ
    とを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  3. 【請求項3】 固体高分子電解質膜と、この固体高分子
    電解質膜の両面に配置した一対の触媒層と、前記固体高
    分子電解質膜と接する面の反対の面に配置されかつ多孔
    質層で形成される一対のガス拡散層とを有する単電池
    を、反応ガス供給機能を有するガス不透過性セパレータ
    を介して複数積層した積層体として構成される固体高分
    子型燃料電池において、前記積層体の端部に位置する少
    なくとも1セルのガス拡散層を形成する多孔質層の平均
    気孔径は、前記積層体の中央部のセルのガス拡散層を形
    成する多孔質層の平均気孔径よりも大きいことを特徴と
    する固体高分子型燃料電池。
  4. 【請求項4】 触媒層と接する多孔質層の気孔の90%
    以上が10μm以下の気孔径で構成されることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の固体高分子型
    燃料電池。
  5. 【請求項5】 触媒層と接する多孔質層の気孔率を70
    %以上にすることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の固体高分子型燃料電池。
  6. 【請求項6】 固体高分子電解質膜の両面にアノード触
    媒層およびカソード触媒層を接合し、これら触媒層の前
    記固体高分子電解質膜と接する面の反対の面にそれぞれ
    多孔質層で形成されるアノードガス拡散層およびカソー
    ドガス拡散層を接合する固体高分子型燃料電池の製造方
    法において、前記アノードガス拡散層は、カーボン多孔
    質体に少なくともカーボン粒子とフッ素樹脂分散体とか
    らなるインクを塗布面が触媒層と接するように塗布した
    後、フッ素樹脂のガラス転移温度以上で熱処理して形成
    する一方、前記カソードガス拡散層は、カーボン多孔質
    体に少なくともカーボン粒子とフッ素樹脂粒子とからな
    る粉体を塗布面が触媒層と接するように塗布した後、フ
    ッ素樹脂のガラス転移温度以上で熱処理して形成するこ
    とを特徴とする固体高分子型燃料電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 フッ素樹脂固形分の重量割合をカーボン
    粒子とフッ素樹脂固形分の合計重量に対して65%以下
    にすることを特徴とする請求項6記載の固体高分子型燃
    料電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 固体高分子電解質膜の両面に一対の触媒
    層を接合し、これら触媒層の前記固体高分子電解質膜と
    接する面の反対の面に、多孔質層で形成される一対のガ
    ス拡散層を接合する固体高分子型燃料電池の製造方法に
    おいて、前記ガス拡散層の反応ガス上流部に位置する部
    分には、カーボン多孔質体に少なくともカーボン粒子と
    フッ素樹脂分散体とからなるインクを塗布面が触媒層に
    接するように塗布した後、フッ素樹脂のガラス転移温度
    以上で熱処理して形成する一方、反応ガス下流部に位置
    する部分には、カーボン多孔質体に少なくともカーボン
    粒子とフッ素樹脂とからなる粉体を塗布面が触媒層に接
    するように塗布した後、フッ素樹脂のガラス転移温度以
    上で熱処理して形成したことを特徴とする固体高分子型
    燃料電池の製造方法。
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