JP2000277130A - 固体高分子型燃料電池及び電解質膜の作製方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池及び電解質膜の作製方法

Info

Publication number
JP2000277130A
JP2000277130A JP11079362A JP7936299A JP2000277130A JP 2000277130 A JP2000277130 A JP 2000277130A JP 11079362 A JP11079362 A JP 11079362A JP 7936299 A JP7936299 A JP 7936299A JP 2000277130 A JP2000277130 A JP 2000277130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water content
maximum water
gas
electrolyte membrane
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11079362A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Suzuki
修一 鈴木
Takahiro Isono
隆博 礒野
Yukinori Akiyama
幸徳 秋山
Yasuo Miyake
泰夫 三宅
Ikuro Yonezu
育郎 米津
Koji Nishio
晃治 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP11079362A priority Critical patent/JP2000277130A/ja
Publication of JP2000277130A publication Critical patent/JP2000277130A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解質膜の最大含水率を膜面内で変えること
によって、加湿が十分でない反応ガスが供給されたとき
でも優れたイオン伝導性を確保し、電極のフラッディン
グやガスのクロスリークを防止して、安定した電池特性
を維持できる固体高分子型燃料電池を提供する。 【解決手段】 電解質膜22の両面に電極24,26を有する
セル20に対し、一方の側に燃料ガスの供給される燃料室
30、他方の側に酸化剤ガスの供給される酸化剤室32を形
成したセルユニット40を複数積層してなる固体高分子型
燃料電池において、電解質膜22は、膜面内における最大
含水率が異なるように形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池に関するものであり、具体的には固体高分子型燃料
電池用の電解質膜の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は、図4に示すよ
うに、電解質膜(22)の一方の面にアノード電極(24)、他
方の面にカソード電極(26)を配したセル(20)に対し、ア
ノード側に燃料室(30)、カソード側に酸化剤室(32)を形
成したセルユニット(40)を複数積層して構成される。各
セルユニット(40)の燃料室(30)に純水素ガス又は水素リ
ッチガスなどの燃料ガスを供給し、酸化剤室(32)に空気
などの酸素ガスを含む酸化剤ガスを供給し、セルユニッ
ト内での電気化学反応により起電力を生ずる。
【0003】固体高分子型燃料電池では、アノードにお
ける電極反応に水が必要であることから、燃料ガスを加
湿して供給する方法が一般的に用いられている。ところ
で、電解質膜に使用されるパーフルオロカーボンスルホ
ン酸などのイオン交換膜は、乾燥状態では電気抵抗が高
く、湿潤状態ですぐれたイオン伝導性を示すため、電解
質膜のイオン伝導性を保持するには水分を供給する必要
がある。電解質膜を湿潤させるために、カソードに供給
される酸化剤ガスを加湿する場合もあるが、電解質膜の
湿潤に必要な水分は電極反応から生じる生成水で賄うこ
とができるため、酸化剤ガスは無加湿の状態で供給され
ることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】燃料ガスや酸化剤ガス
(以下必要に応じて「反応ガス」という)の加湿が十分で
ない場合や、反応ガスの温度が低く、ガス中に含まれる
加湿水の量が少ない場合等には、ガス入口近傍のアノー
ド電極やカソード電極では、乾燥したガスが流れ込むた
めに、電解質膜中の生成水が反応ガス中に蒸発しやす
く、イオン伝導に必要な水分が不足する可能性がある。
電解質膜の乾燥を防止するには、最大含水率(保水能力)
の高い電解質膜を用いればよいが、膜全面に亘って一様
に最大含水率の高い電解質膜を用いると、乾燥しやすい
ガス入口以外の部分では、必要以上に水がたまり、電極
がフラッディング(水没)してしまうことがある。また、
最大含水率の高い電解質膜ほど、ガスのクロスリーク量
が多くなるため、性能の低下を招く虞れがある。
【0005】そこで、特開平9−283153号には、
ガスの入口近傍のみ保水量が多くなるように、電極の撥
水性をガスの入口から出口に向けて強めることにより、
入口側での乾燥を防止し、出口側でのフラッディングを
防止した固体高分子型燃料電池が開示されている。しか
しながら、これは反応ガスの加湿が十分に行なわれるこ
とが前提であり、加湿不足状態の反応ガスが供給される
場合には、電解質膜の水分を制御することは困難であ
る。
【0006】本発明の目的は、電解質膜の最大含水率を
膜面内で変えることによって、加湿が十分でない反応ガ
スが供給されたときでも優れたイオン伝導性を確保し、
電極のフラッディングやガスのクロスリークを防止し
て、安定した電池特性を維持できる固体高分子型燃料電
池を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の固体高分子型燃料電池は、電解質膜(22)の
両面に電極(24)(26)を有するセル(20)に対し、一方の側
に燃料ガスの供給される燃料室(30)、他方の側に酸化剤
ガスの供給される酸化剤室(32)を形成したセルユニット
(40)を複数積層してなる固体高分子型燃料電池におい
て、電解質膜(22)は、膜面内における最大含水率が異な
るように形成したものである。
【0008】電解質膜(22)は、ガス入口側での最大含水
率が、ガス出口側での最大含水率よりも高くなるように
形成することが望ましい。
【0009】電解質膜の膜面内における最大含水率の調
整は、例えば、最大含水率の異なる材料を使用したり、
電解質膜の乾燥しやすい部分と湿潤しやすい部分で使用
するイオン交換樹脂の量を変えることによって行なうこ
とができる。
【0010】
【作用及び効果】電解質膜の膜内面における最大含水率
を変えることによって、膜内面全域に亘って適正な水分
量を維持することができる。具体的には、乾燥しやすい
部分、つまりガスの入口側での最大含水率を高くすると
共に、湿潤しやすい部分、つまりガスの出口側での最大
含水率を低くする。乾燥しやすいガスの入口側での最大
含水率を高くすることにより、加湿水の含有量が少ない
ガスが供給されたときでも、イオン伝導に必要な水を確
保することができる。また、湿潤しやすいガスの出口側
での最大含水率を入口側よりも低くすることにより、水
分がたまることを防止でき、電極のフラッディングを阻
止することができる。最大含水率の高い部分では、ガス
のクロスリークが起こるが、膜全域に最大含水率の高い
材料を用いた場合に比べて、クロスリーク量は少ないた
め、電池性能への影響は小さい。
【0011】本発明は、電解質膜以外の構成要素は、従
来のものを用いることができる利点もある。
【0012】
【発明の実施の形態】電解質膜(22)を構成するイオン交
換樹脂として、パーフルオロカーボンスルホン酸、ポリ
スチレンジビニルベンゼンスルホン酸、フェノールホル
ムアルデヒドなどを例示することができる。図1に示す
ように、膜面内で最大含水率が異なる電解質膜(22)は、
図2に示すように、最大含水率の異なる複数のイオン交
換膜を積層し、接合した後、所定厚さに切断することに
よって作製することができる。また、最大含水率の異な
るイオン交換樹脂溶液を遠心分離して作製することもで
きる。また、使用するイオン交換樹脂の量や組成を膜面
内で変えることによっても作製できる。
【0013】なお、本発明において、最大含水率は、以
下の式によって定義される。
【数1】
【0014】電解質膜(22)は、セルユニット(40)に組み
込まれたときに、最大含水率の高い部分が、電解質膜(2
2)の乾燥しやすいガス入口側に位置するように、最大含
水率を変えることが望ましく、ガス入口側での最大含水
率が、ガス出口側での最大含水率よりも5重量%以上高
くなるように形成することがより望ましい。また、電解
質膜(22)は、ガス入口側での最大含水率が20〜50重
量%となるように形成することが望ましい。
【0015】燃料ガスと酸化剤ガスの流れの向きが異な
る場合、例えば、燃料ガスと酸化剤ガスの流れの向きが
互いに直交する場合などには、図3に示すように、膜面
内での最大含水率が異なるイオン交換膜(50)(52)を2枚
準備し、一方のイオン交換膜(50)の最大含水率の高い部
分(図中斜線部)が燃料ガスの入口側に位置し、他方のイ
オン交換膜(52)の最大含水率の高い部分(図中斜線部)が
酸化剤ガスの入口側に位置するように、2枚のイオン交
換膜(50)(52)を張り合わせることが望ましい。このよう
に、燃料ガスと酸化剤ガスの入口側での乾燥しやすい部
分の最大含水率を夫々高くすることによって、より適正
な水分制御を行なうことができる。
【0016】作製された電解質膜(22)の両面にアノード
電極(24)とカソード電極(26)をホットプレスによって接
合し、セル(20)が作製される。電極(24)(26)は、例えば
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹
脂分散液を含浸し、熱処理して撥水処理したカーボンペ
ーパー上に、白金微粒子が担持された炭素粉末と、イオ
ン交換樹脂であるパーフルオロカーボンスルホン酸の分
散溶液とフッ素樹脂からなるスラリーを塗着して、乾燥
することによって得ることができる。
【0017】セル(20)を挟持するプレート(34)(36)は、
カーボン多孔体から作製され、図4に示すように、両プ
レートの内、アノード側の燃料プレート(34)には、アノ
ードに対向して燃料室(30)が形成され、カソード側の酸
化剤プレート(36)には、カソードに対向して酸化剤室(3
2)が形成される。なお、図では、燃料プレート(34)と酸
化剤プレート(36)を夫々別部材で形成しているが、燃料
室の裏面に酸化剤室を形成した所謂バイポーラプレート
(図示せず)から構成することもできる。
【0018】セルユニット(40)は、図4に示すように、
セル(20)の電極の形成されていない領域に夫々シール部
材(70)(70)を配し、アノードと燃料室、カソードと酸化
剤室(32)が対向するように、両プレート(34)(36)でセル
(20)を挟持することによって作製される。
【0019】上記構成のセルユニット(40)を多数積層す
ることによって固体高分子型燃料電池が作製され、作製
された固体高分子型燃料電池の燃料室(30)に燃料ガス、
酸化剤室(32)に酸化剤ガスを供給することによって発電
が行なわれる。最大含水率の高いガス入口部分は保水力
が大きいため、最大含水率の低い部分よりも湿潤状態に
ある。従って、水分含有量の少ない反応ガスが供給され
た場合でも、イオン伝導に必要な水分を含んでいるため
に乾燥しにくい。また、湿潤しやすいガスの出口側での
最大含水率は入口側よりも低くしているから、水分がた
まりにくく、電極のフラッディングを阻止できる。従っ
て、供給される反応ガスの加湿の度合いが変動しても、
電池性能を低下させることなく発電を行なうことができ
る。
【0020】なお、上記説明では、電解質膜(22)の膜面
内における最大含水率を変えることによって、電解質膜
(22)の湿潤状態を良好に維持するようにしたが、少なく
とも一方の電極(24)(26)に含まれるイオン交換樹脂の量
を電極面内で変えて、電極面内における最大含水率を変
えても、電解質膜(22)の湿潤状態を良好に維持すること
ができる(図8参照)。この場合も、反応ガス入口側での
最大含水率を、ガス出口側での最大含水率よりも高くす
ることが望ましい。電解質膜(22)の膜面内における最大
含水率を変えた場合、最大含水率の高い領域からガスの
クロスリークが生じることがあるが、アノード電極(24)
及び/又はカソード電極(26)の電極面内における最大含
水率を変えても、ガスクロスリークは生じない。
【0021】
【実施例】<実施例1>最大含水率の異なるイオン交換
膜を用いて、膜面内の最大含水率の異なる電解質膜を作
製した。電解質膜(22)は、以下の手順で作製した。膜厚
500μm、最大含水率が50重量%のパーフルオロス
ルホン酸系イオン交換樹脂を主成分とするイオン交換膜
(60)と、膜厚500μm、最大含水率が20重量%のパ
ーフルオロスルホン酸系イオン交換樹脂を主成分とする
イオン交換膜(62)を、夫々500枚と1500枚準備
し、図2に示すように、イオン交換膜(62)の上にイオン
交換膜(60)を順次積層し、高温、高圧下で融着により接
合させた。作製されたイオン交換膜のブロックを積層方
向に対して垂直に切断して厚さ150μmとし、図1に
示すように、全体の4分の1が最大含水率50重量%、
残りの部分が最大含水率20重量%の電解質膜(22)を得
た。得られた電解質膜の両面に白金を担持した炭素粉を
主成分とする電極を接合し、セルを作製した。得られた
セル(20)について、電解質膜の最大含水率の高い部分が
酸化剤ガスの入口側となるように、セルの一方の電極側
に酸化剤室、他方の電極側に燃料室を形成してセルユニ
ットとし、該セルユニットを30枚積層して燃料電池を
作製した(発明例)。なお、酸化剤ガスの入口側での最大
含水率を高くしたのは、以下の試験において、酸化剤ガ
スを無加湿の状態で供給するためである。
【0022】比較のために、最大含水率が膜全域に亘っ
て均一に50重量%である電解質膜を用いて燃料電池を
作製した(比較例1)。同様に最大含水率が膜全域に亘っ
て均一に20重量%である電解質膜を用いて燃料電池を
作製した(比較例2)。
【0023】発明例、比較例1及び比較例2の各燃料電
池について、燃料ガスを80℃で加湿して供給し、酸化
剤ガスとして空気を無加湿の状態で供給し、0.4A/cm
2で発電させた時の電圧変化を測定した。結果を図5に
示す。図5を参照すると、発明例は、比較例1及び比較
例2に比べて、時間経過に伴う電圧の低下が小さいこと
がわかる。これは、電解質膜の最大含水率をガスの入口
側と出口側で変えたことにより、電解質膜面内で適正な
湿潤状態を維持できたためである。一方、比較例1は、
電解質膜の最大含水率が膜全域に亘って高いため、イオ
ン伝導性が高く、ガスのクロスリーク量が多くなったた
めに電圧が低くなっている。また、比較例2は、電解質
膜の最大含水率が膜全域に亘って低いため、無加湿の酸
化剤ガスを供給した結果、電解質膜が乾燥し、イオン伝
導性が低下して電圧が低くなったものと考えられる。
【0024】上記結果より、反応ガスの入口側での電解
質膜の最大含水率を高く設定し、出口側での最大含水率
をそれよりも低くすることによって、乾燥状態の反応ガ
スを供給した場合でも、電池性能の低下を抑制できるこ
とがわかる。
【0025】<実施例2>酸化剤ガス入口側での最大含
水率を表1に示すように23〜50重量%まで変化させ
た電解質膜を用いて燃料電池(発明例A乃至F)を作製
し、発電時の電圧変化を測定した。なお、酸化剤ガス入
口側での最大含水率が異なる以外は、実施例1と同じで
あるため説明を省略する。表1中、最大含水率の傾斜と
は、ガス入口側での最大含水率とガス出口側での最大含
水率との差を示している。
【0026】
【表1】
【0027】結果を図6に示す。なお、比較のため、実
施例1の比較例2のデータも合わせて示している。図6
を参照すると、ガス入口側での最大含水率を高くするこ
とによって、発電時間の経過に伴う電池電圧の低下が抑
制されていることがわかる。特に、最大含水率の傾斜が
5重量%以上のときに高い効果が現れているため、最大
含水率の傾斜は5重量%以上とすることが望ましいこと
がわかる。
【0028】<実施例3>表2に示すように、ガス入口
側での最大含水率を15〜60重量%まで変化させ、ガ
ス出口側での最大含水率は、入口側での最大含水率との
差(傾斜)が5重量%となるように適宜設定した電解質膜
を用いて燃料電池(発明例G乃至L)を作製し、運転開始
から100時間経過後の電池電圧を測定した。なお、電
解質膜の最大含水率が異なる以外は、実施例1と同じ条
件である。
【0029】
【表2】
【0030】電池電圧の測定結果を図7に示す。図7を
参照すると、ガス入口側での最大含水率が20〜50重
量%である発明例H乃至Kの燃料電池は、100時間経
過後も高い電池電圧を維持している。これは、ガス入口
側での電解質膜の最大含水率が20重量%よりも小さい
と、電解質膜が乾燥してしまうためであり、逆にガス入
口側での最大含水率が50重量%よりも大きくなると、
イオン伝導性は向上するが、ガスのクロスリーク量が多
くなって、電池性能が低下したためと考えられる。上記
結果より、ガス入口側での電解質膜の最大含水率は、2
0〜50重量%の範囲で設定することが望ましい。
【0031】<実施例4>電解質膜(22)の最大含水率は
膜面内で均一とし、電極(24)(26)の電極面内における最
大含水率を変えて燃料電池を作製した。電解質膜(22)
は、最大含水率が20重量%であるイオン交換樹脂膜を
使用した。セル(20)は、図8に示すように、夫々最大含
水率が50重量%であるイオン交換樹脂と、最大含水率
が20重量%であるイオン交換樹脂を用いて作製された
2種類の電極材(28)(29)を作製し、得られた電極材(28)
(29)を適当な大きさに切断して、電解質膜(20)に対し
て、ガス入口側から4分の1の部分に最大含水率が50
重量%である電極材(28)を配置し、残りの4分の3の部
分に最大含水率が20重量%である電極材(29)を配置
し、ホットプレスによって接合することにより作製し
た。なお、その他作製条件は同じである。比較のため
に、最大含水率が50重量%であるイオン交換樹脂を用
いて作製された電極を用いた燃料電池(比較例3)と、最
大含水率が20重量%であるイオン交換樹脂を用いて作
製された電極を用いた燃料電池(比較例4)を作製した。
【0032】作製された燃料電池(発明例、比較例3及
び比較例4)について、実施例1と同じ条件で発電を行
ない、電圧変化を測定した。測定結果を図9に示す。図
9を参照すると、発明例は、比較例3及び比較例4に比
べて、時間経過に伴う電圧の低下が小さいことがわか
る。これは、電極(24)(26)の最大含水率をガスの入口側
と出口側で変えたことにより、電解質膜面内で適正な湿
潤状態を維持できたためである。一方、比較例3は、電
極(24)(26)の最大含水率が電極全域に亘って高いため、
電極(24)(26)に水がたまってフラッディングが起こり、
電圧が低くなっている。また、比較例4は、電極(24)(2
6)の最大含水率が膜全域に亘って低いため、無加湿の酸
化剤ガスを供給した結果、電極(24)(26)の保水力が低下
して電解質膜が乾燥し、イオン伝導性が低下して電圧が
低くなったものと考えられる。
【0033】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解質膜の正面図である。
【図2】本発明の電解質膜の作製方法を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の電解質膜を2枚張り合わせる工程を示
す説明図である。
【図4】セルユニットの断面図である。
【図5】実施例1の結果を示すグラフである。
【図6】実施例2の結果を示すグラフである。
【図7】実施例3の結果を示すグラフである。
【図8】電極面内における最大含水率を変えたセルの作
製方法を示す説明図である。
【図9】実施例4の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
(20) セル (22) 電解質膜 (40) セルユニット (50) イオン交換膜 (52) イオン交換膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 幸徳 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 三宅 泰夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB00 BB06 CX05 HH05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質膜(22)の両面に電極(24)(26)を有
    するセル(20)に対し、一方の側に燃料ガスの供給される
    燃料室(30)、他方の側に酸化剤ガスの供給される酸化剤
    室(32)を形成したセルユニット(40)を複数積層してなる
    固体高分子型燃料電池において、 電解質膜(22)は、膜面内における最大含水率が異なるよ
    うに形成されていることを特徴とする固体高分子型燃料
    電池。
  2. 【請求項2】 電解質膜(22)は、ガス入口側での最大含
    水率が、ガス出口側での最大含水率よりも高くなるよう
    に形成されている請求項1に記載の固体高分子型燃料電
    池。
  3. 【請求項3】 電解質膜(22)は、ガス入口側での最大含
    水率が、ガス出口側での最大含水率よりも5重量%以上
    高くなるように形成されている請求項2に記載の固体高
    分子型燃料電池。
  4. 【請求項4】 電解質膜(22)は、ガス入口側での最大含
    水率が20〜50重量%となるように形成されている請
    求項1乃至請求項3の何れかに記載の固体高分子型燃料
    電池。
  5. 【請求項5】 電解質膜(22)は、膜面内での最大含水率
    が異なるイオン交換膜(50)(52)を2枚張り合わせて形成
    されたものである請求項2乃至請求項4の何れかに記載
    の固体高分子型燃料電池。
  6. 【請求項6】 燃料ガスと酸化剤ガスは、流れの向きが
    互いに直交するように燃料室(30)と酸化剤室(32)へ供給
    され、電解質膜(22)は、燃料室(30)のガス入口側での最
    大含水率が、ガス出口側での最大含水率よりも高くなる
    ように形成されたイオン交換膜(50)と、酸化剤室(32)の
    ガス入口側での最大含水率が、ガス出口側での最大含水
    率よりも高くなるように形成されたイオン交換膜(52)を
    張り合わせて形成されたものである請求項5に記載の固
    体高分子型燃料電池。
  7. 【請求項7】 固体高分子型燃料電池に用いられる電解
    質膜の作製方法であって、最大含水率の異なるイオン交
    換膜(60)(62)を多数積層し、接合した後、積層方向に対
    して垂直な向きに所定厚さ毎に切断することによって作
    製されることを特徴とする電解質膜の作製方法。
  8. 【請求項8】 電解質膜(22)の両面に電極(24)(26)を有
    するセル(20)に対し、一方の側に燃料ガスの供給される
    燃料室(30)、他方の側に酸化剤ガスの供給される酸化剤
    室(32)を形成したセルユニット(40)を複数積層してなる
    固体高分子型燃料電池において、 少なくとも一方の電極(24)(26)は、電極面内における最
    大含水率が異なるように形成されていることを特徴とす
    る固体高分子型燃料電池。
  9. 【請求項9】 少なくとも一方の電極(24)(26)は、ガス
    入口側での最大含水率が、ガス出口側での最大含水率よ
    りも高くなるように形成されている請求項8に記載の固
    体高分子型燃料電池。
JP11079362A 1999-03-24 1999-03-24 固体高分子型燃料電池及び電解質膜の作製方法 Withdrawn JP2000277130A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11079362A JP2000277130A (ja) 1999-03-24 1999-03-24 固体高分子型燃料電池及び電解質膜の作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11079362A JP2000277130A (ja) 1999-03-24 1999-03-24 固体高分子型燃料電池及び電解質膜の作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000277130A true JP2000277130A (ja) 2000-10-06

Family

ID=13687786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11079362A Withdrawn JP2000277130A (ja) 1999-03-24 1999-03-24 固体高分子型燃料電池及び電解質膜の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000277130A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002025582A (ja) * 2000-07-06 2002-01-25 Toyota Central Res & Dev Lab Inc パターン化電解質膜
JP2003168443A (ja) * 2001-11-30 2003-06-13 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子型燃料電池
JP2006107756A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Honda Motor Co Ltd 燃料電池
JP2007018911A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Toyota Motor Corp 電解質膜とその製造方法
JP2012099336A (ja) * 2010-11-02 2012-05-24 Hitachi Ltd 高分子電解質膜並びにこれを用いた膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002025582A (ja) * 2000-07-06 2002-01-25 Toyota Central Res & Dev Lab Inc パターン化電解質膜
JP2003168443A (ja) * 2001-11-30 2003-06-13 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子型燃料電池
JP2006107756A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Honda Motor Co Ltd 燃料電池
JP4627426B2 (ja) * 2004-09-30 2011-02-09 本田技研工業株式会社 燃料電池
JP2007018911A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Toyota Motor Corp 電解質膜とその製造方法
US20090130516A1 (en) * 2005-07-08 2009-05-21 Hiroshi Suzuki Electrolyte Membrane and Process for Producing the Same
US9208921B2 (en) 2005-07-08 2015-12-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Electrolyte membrane and process for producing the same
JP2012099336A (ja) * 2010-11-02 2012-05-24 Hitachi Ltd 高分子電解質膜並びにこれを用いた膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100513183B1 (ko) 연료 전지
JP3352716B2 (ja) 固体高分子電解質型燃料電池装置
JP4233208B2 (ja) 燃料電池
JP4979243B2 (ja) ポリマー電解質膜とその製造方法および燃料電池
JP5109311B2 (ja) 膜電極接合体、および、これを用いた燃料電池
WO2001017047A9 (fr) Cellule electrochimique de type a electrolyte polymerique
JP4956870B2 (ja) 燃料電池および燃料電池の製造方法
JP4528386B2 (ja) 固体高分子型燃料電池およびその製造方法
JP2002289230A (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP3459615B2 (ja) 燃料電池用電極及び燃料電池
JPWO2002047190A1 (ja) 高分子電解質型燃料電池と、その運転方法
JP2001006708A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP5079195B2 (ja) 燃料電池用ガス拡散電極およびその製造法
JP2001006698A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池と同燃料電池用拡散層の製造方法
JP3813406B2 (ja) 燃料電池
JP3425405B2 (ja) イオン導電性膜、その製造方法及びそれを用いた燃料電池
JP2002164057A (ja) 固体高分子型燃料電池とその製造方法
WO2002091503A1 (fr) Electrode pour pile a combustible et procede de fabrication de l'electrode
JP4880131B2 (ja) ガス拡散電極およびこれを用いた燃料電池
JP2000277130A (ja) 固体高分子型燃料電池及び電解質膜の作製方法
JP2000251901A (ja) 燃料電池用セル及びこれを用いた燃料電池
JP2009043688A (ja) 燃料電池
JP2002319421A (ja) 固体高分子型燃料電池の起動方法及び製造方法
JPH05190193A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JP6546951B2 (ja) 電解質膜・電極構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606