JP4610815B2 - 固体高分子形燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子膜を電解質層として用い、その両側の一方に燃料電極を配置し、その他方に酸化剤電極を配置し、各電極に燃料ガスと酸化剤ガスとのそれぞれを供給して電気化学反応により電気エネルギを得る固体高分子形燃料電池に係り、特に、酸化剤電極に改良を加えた固体高分子形燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解質として、例えばプロトン伝導性を備える固体高分子電解質膜を用いる燃料電池は、形状をコンパクトにすることができ、電気出力が高出力密度であり、さらにシステムを簡素化させて運転ができるので、定置用分散電源のほかに携帯用、車両用などの電源として幅広い分野への適用が注目されている。
【0003】
このように、注目度の高い固体高分子形燃料電池は、図12に示すように、中央部に配置する固体高分子電解質膜1と、この固体高分子電解質膜1の両側のうち、一側に燃料触媒層2および燃料ガス拡散層3を備える燃料電極4と、その他側に酸化剤触媒層5および酸化剤ガス拡散層6を備える酸化剤電極7とを配置するとともに、各電極4,7の外側に燃料ガス流通溝8を備える燃料セパレータ9と、酸化剤ガス流通溝10を備える酸化剤セパレータ11とをそれぞれ配置して単電池(単セル)12を構成している。
【0004】
このような構成を備える固体高分子形燃料電池は、一つの単電池12の起電力が1V以下と低いので、図13に示すように、燃料セパレータ9および酸化剤セパレータ11を介して数十枚から数百枚の単電池12を積層して燃料電池積層体13を構成するとともに、各電極4,7の発熱反応の際、燃料電池積層体13の昇温を抑制する必要上、図12に示すように、冷却剤流通溝14を備える冷却板15を単セル毎または複数セル毎に挿通させている。
【0005】
一方、固体高分子電解質膜1は、例えばプロトン交換膜であるパーフルオロカーボンスルホン酸(例えば米国デュポン社製ナフィオン膜)が多く用いられている。この膜は、分子中に水素イオンの交換基を持ち、飽和状態に含水させることによりイオン伝導性の電解質として機能するとともに、燃料ガスと酸化剤ガスとを分離する機能も備えている。このため、高い電池特性を得るには、固体高分子電解質膜1を飽和状態あるいは飽和に近い状態に含水させることが重要とされている。
【0006】
他方、燃料電極4および酸化剤電極7は、図12に示すように、いずれも触媒活性を備える物質を含む燃料触媒層2および酸化剤触媒層5と、反応ガスの各触媒層2,5への拡散を促す燃料ガス拡散層3および酸化剤ガス拡散層6とを備えている。各拡散層3,6は、例えばカーボン繊維を含む布状あるいは板状が用いられている。板状の各拡散層3,6は、触媒層を支持する機能を持っている。また、カーボン製のガス拡散層は、導電性もよく、集電体としての機能も持っている。
【0007】
また、別の構成を備える固体高分子形燃料電池には、図14に示すように、燃料触媒層2および酸化剤触媒層5と燃料ガス拡散層3および酸化剤ガス拡散層6とのそれぞれの間に燃料ガス多孔層16および酸化剤ガス多孔層17を介装させたものもある(詳しくは米国特許USP−5620807号公報参照)。
【0008】
この実施形態では、燃料ガス拡散層3および酸化剤ガス拡散層6とは気孔率の異なる少なくとも一層からなる各多孔層16,17を備えることにより、燃料ガスの燃料電極4への移動および酸化剤ガスの酸化剤電極7への移動、あるいは電極反応の際の酸化剤電極7に生成される水の酸化剤ガス流通溝10への排出を容易にし、その結果、高電流密度域での起電力向上を意図したものである。
【0009】
また、この実施形態に改良を加えた別の発明には、例えば特開2001−93544号公報に見られるように、酸化剤ガス多孔層17にイオン交換樹脂を備える被覆層を設けたものや、例えば特開平9−245800号公報に見られるように、酸化剤ガス拡散層6を親水性とし、酸化剤ガス拡散層6に接する酸化剤触媒層5の表面に撥水性物質をコーティングしたものがあり、いずれも保水性の向上を図ったものである。
【0010】
一方、燃料セパレータ9は、燃料ガスを燃料電極4に流す燃料ガス流通溝8を、さらに、酸化剤セパレータ11は、酸化剤ガスを酸化剤電極7に流す酸化剤ガス流通溝10をそれぞれ備えており、電極反応の際、酸化剤電極7で生成する酸化剤ガス流通溝10を介して外部に排出させるようになっている。
【0011】
なお、両セパレータ9,11は、導電性、気密性、耐熱性、加工性、強度等に優れていることが求められているので、例えば耐蝕処理を行った金属板、高密度のカーボン板、あるいはカーボンと樹脂との複合板などのいずれかが用いられる。
【0012】
次に、従来の固体高分子形燃料電池の作用を説明する。
【0013】
単電池12を積層して構成する燃料電池積層体13に、燃料ガスとして、例えば炭化水素系燃料を改質して得られる水素含有ガスを燃料ガス流通溝8を介して燃料電極4に供給するとともに、酸化剤ガスとして、例えば空気を酸化剤ガス流通溝10を介して酸化剤電極7に供給し、外部回路より電流を取り出すと、両極4,7は、下記の化学反応式に基づいて反応が生じる。
【0014】
【化1】
Figure 0004610815
【0015】
このように、燃料電極4で、水素はプロトン(H)となり、水を伴って固体高分子電解質膜1中を燃料電極4側から酸化剤電極7側に向って移動し、酸化剤電極7で酸素と反応して水を生成する。このことから、固体高分子形燃料電池では、固体高分子電解質膜1を飽和状態に含水させることにより、固体高分子電解質膜1の比抵抗が小さくなり、プロトン導電性電解質として機能させている。そして、単電池12の起動電力を高めて、発電効率を高く維持させるためには、反応ガスを加湿して湿度を高めてから燃料電池に供給したり、反応ガスと一緒に液体状態の水を加えて電池内部で反応熱によって水を蒸発させたりすることで、固体高分子電解質膜1からの水の蒸発を抑え、膜の乾燥を防止している。
【0016】
他方、酸化剤電極7の酸化剤触媒層5内において、電極反応によって生成される水は、余剰の反応ガスとともに、燃料ガス流通溝8および酸化剤ガス流通溝10を流れて電池の外部に排出される。その際、酸化剤ガス中に含まれる水分量は、図15(a)に示すように、入口側で、酸化剤ガスの湿度を高めて電池内に供給すると、出口側での湿度が飽和蒸気圧を超えて過飽和になり、水が酸化剤電極7を塞ぐ。その結果、酸化剤触媒層5へのガスの拡散が阻害され、電池反応が妨げられ、起電力の低下を招く。
【0017】
このような問題点の解決手段として、図16に示すように、酸化剤セパレータ11に形成され、酸化剤ガス入口部18と酸化剤ガス出口部19とを接続させる酸化剤ガス流通溝10を蛇行状に形成するとともに、酸化剤ガス流通溝10の流路断面積を小さくし、酸化剤ガス流速を高くし、電池内に生成される過剰の水を外部に吹き飛ばす提案がなされている(米国特許USP−4988583号公報、米国特許USP−5108849号公報)。なお、符号20は燃料ガス入口部であり、符号21は燃料ガス出口部である。
【0018】
また、酸化剤ガスは、図15(b)に示すように、入口部で、酸化剤ガスの湿度を低く抑えて電池内に供給すると、入口側近くの酸化剤触媒層5が乾燥状態となり、電池反応に寄与する酸化剤触媒層5の比表面積が減少し、起電力の低下を招く。さらに、入口側近くの固体高分子電解質膜1も乾燥し、固体高分子電解質膜1の比抵抗が大きくなり、プロトン伝導性電解質としての機能も低下し、相乗的に、起電力を低下させる要因になっている。
【0019】
図15(a)に示す水の過剰や、図15(b)に示す水の過少に対する問題点を解消する他の手段として、例えば特開2000−277130号公報に記載されているように、酸化剤ガス入口部側の固体高分子電解質膜1の含水率をその出口部側のそれに較べて大きくする手法や、図17(a)に示すように、酸化剤ガス拡散層6の出口側6bのガス透過性に較べその入口側6aのガス透過性を小さくする手法(特開平11−154523号公報)や、特開2001−6698号公報に記載されているように、酸化剤ガス拡散層6の入口側6aにカーボン粒子を混入する手法(特開2001−6708号公報)や、酸化剤ガス拡散層の出口側から入口側に向って撥水剤含有量を増加させる手法(特開2001−6708号公報)や、例えば図17(b)に示すように、酸化剤ガス拡散層6の出口側6aから入口側6bに向って厚みを増加させる手法や、また、特開2001−135326号公報に記載されているように、酸化剤触媒層5と酸化剤ガス拡散層6との間にフッ素樹脂とカーボンブラックとからなる混合層を介装するなどの数多くの提案がなされている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来の固体高分子形燃料電池では、図15(a)に示す水の過剰や、図15(b)に示す水の過少の問題点に対し、上述のとおり数多くの解決手段が提案されている。
【0021】
しかし、これら数多くの解決手段が提案されていても、未だ一抹の不安がある。すなわち、水の過剰に対する図16に示した解決手段は、酸化剤ガス流通溝10を蛇行状に形成しても酸化剤電極7に溢れた水を吹き飛ばすことは難しい(米国特許USP−4988583号公報、米国特許USP−5108849号公報)。また、酸化剤ガス流通溝10が蛇行状になっていると、溝長さが長いために圧力損失が大きくなり、予め酸化剤ガスを高圧化して供給しなければならず、動力の消費につながる。また、酸化剤ガスを電池に供給する前に高い湿度に加湿するには、過剰な熱が必要であり、プラント熱効率の低下の要因にもなる。
【0022】
また、水の過剰や過少の問題点に対する特開2000−277130号公報に記載された解決手段では、含水率の低い固体高分子電解質膜1でプロトンの移動が小さく、電池内に大きな電流密度分布を誘発するおそれがある。
【0023】
また、特開平11−154523号公報、特開2001−6698号公報、特開2001−6708号公報では、酸化剤ガス拡散層6の気孔率、厚さ、撥水剤含有量に面内分布を持たせ、酸化剤ガス拡散層6のガス透過性を考慮したものではあるが、酸化剤触媒層5に酸化剤ガスを拡散させたり、生成される水を蒸発させて酸化剤ガス流通溝10に排出させたりするといった酸化剤ガス拡散層6の本来の機能が損なわれ、電池反応効率の低下につながるおそれがある。
【0024】
また、特開2001−135326号公報では、混合層を水蒸気分圧により、入口側と出口側とで厚さを変えているが、電流密度に比例して水が増加しても、混合層を挟んで水蒸気分圧差が比例的に増加することはなく、負荷変動に対応できないおそれがある。
【0025】
本発明は、このような問題点に対してなされたもので、電池面内に大きな電流密度分布を生じさせることなく、酸化剤ガスの入口側から出口側に向って固体高分子電解質膜および酸化剤触媒層が経時的に乾燥することもなく、かつ酸化剤ガスの出口側で生成される水が溢れて酸化剤ガスの酸化剤触媒層への拡散を阻害することがないようにする固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る固体高分子形燃料電池は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、中央部に配置する固体高分子電解質膜の両側のうち、一側に燃料電極を備え、他側に酸化剤電極を備えるとともに、前記酸化剤電極は、前記固体高分子電解質膜から外側の酸化剤セパレータに向って順に、酸化剤触媒層、酸化剤ガス拡散層を配置する固体高分子形燃料電池において、前記酸化剤触媒層と前記酸化剤ガス拡散層との間に水蒸発制御用多孔層を備え、前記水蒸発制御用多孔層は、カーボン材料、撥水性材料およびカーボン材料とは異なる親水性材料を含有させるとともに、前記撥水性材料の含有率を酸化剤ガスの流れ方向に沿い、かつその入口側から出口側に向って傾斜状およびステップ状のうち、いずれか一方を選択して小さく形成させ、前記親水性材料の含有率を酸化剤ガスの流れ方向に沿い、かつその入口側からその出口側に向って傾斜状およびステップ状のうち、いずれか一方を選択して大きく形成させたものである。
【0030】
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、撥水性材料は、フッ素樹脂、フッ化カーボンおよび撥水処理剤で処理したカーボンのうち、少なくとも1種類以上を含んでいるものである。
【0031】
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、親水性材料は、表面を親水処理した金属粉末のうち、少なくとも1種類以上を含んでいるものである。
【0032】
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、酸化物は、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化亜鉛のうち、少なくとも1種類以上を含んでいるものである。
【0033】
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、酸化物は、OH基、SOH基、COOH基のうち、少なくとも1種類以上を含んでいるものである。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る固体高分子形燃料電池の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0038】
図1は、本発明に係る固体高分子形燃料電池の第1実施形態を示す概念図である。
【0039】
本実施形態に係る固体高分子形燃料電池は、中央部に配置した固体高分子電解質膜22と、この固体高分子電解質膜22の両側のうち、一側に酸化剤電極23と酸化剤ガス通路溝28を備える酸化剤セパレータ24とを層状に配置するとともに、他側に、燃料電極25と燃料セパレータ26とを層状に配置し、一つの単電池(単セル)27を構成するようになっている。なお、燃料電極25および燃料セパレータ26は、本発明に係る固体高分子形燃料電池の対象となっていないので、ここではその説明を省略する。
【0040】
酸化剤電極23は、固体高分子電解質膜22からは外側の酸化剤セパレータ24に向って順に、酸化剤触媒層29、水蒸発制御用多孔層30、酸化剤ガス拡散層31を層状に配置する構成になっている。
【0041】
また、水蒸発制御用多孔層30は、酸化剤ガスの流れに沿って例えば、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34の三つに区分けして備え、固体高分子電解質膜22や酸化剤触媒層29の酸化剤ガスの流れ方向に沿って湿度がほぼ均一に分布するように、各多孔層32,33,34の撥水性材料の含有重量比率および比表面積のうち、少なくとも一方をステップ状に変化させる構成になっている。
【0042】
撥水性材料含有重量比率および比表面積は、入口側水蒸発制御用多孔層32から出口側水蒸発制御用多孔層34に向って低くなるように抑えている。
【0043】
入口側水蒸発制御用多孔層32は、撥水性材料の含有重量比率および比表面積のうち、少なくとも一方を高くしているのは次の理由に基づく。
【0044】
入口側水蒸発制御用多孔層32の流入側は、酸化剤ガスとして用いる空気が比較的乾燥状態になっている。このため、水は、反応熱を吸収して蒸発し易い状態になっている。
【0045】
本実施形態は、このような点に着目したもので、本来、水蒸発制御用多孔層30に持たせた蒸発機能を抑制させることを意図して入口側水蒸発制御用多孔層32で、撥水性材料を多く含有させ、電池反応によって酸化剤触媒層29に生成する水やプロトン(H)に伴って燃料触媒層から酸化剤触媒層29へ移動してくる水が入口側水蒸発制御用多孔層32の気孔内に浸入しないようにし、蒸発を抑制させるようにしている。
【0046】
また、出口側水蒸発制御用多孔層34は、撥水性材料の含有重量比率および比表面積のうち、少なくとも一方を低く抑えているのは次の理由に基づく。
【0047】
出口側水蒸発制御用多孔層34の吐出側は、酸化剤ガスとして用いる空気が湿った状態になっている。このため、水は、蒸発しにくい状態になっている。
【0048】
本実施形態は、このような点に着目したもので、本来、水蒸発制御用多孔層30に持たせた蒸発機能を促進させることを意図して出口側水蒸発制御用多孔層34で、撥水性材料の含有重量比率および比表面積のうち、少なくとも一方を低く抑え、親水性材料を含有させ、電池反応によって酸化剤触媒層29に生成する水やプロトン(H)に伴って燃料触媒層から酸化剤触媒層29へ移動してくる水が出口側水蒸発制御用多孔層34の気孔内に浸入し易いようにし、蒸発を促進させるようにしている。
【0049】
なお、中間部水蒸発制御用多孔層33は、入口側水蒸発制御用多孔層32と出口側水蒸発制御用多孔層34との中間的な含有重量比率の撥水性材料および比表面積のうち、少なくとも一方や親水性材料を含有させている。
【0050】
図2は、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34のそれぞれに含まれる撥水性材料、親水性材料の含有重量比率を変えた場合の水の蒸発速度を調査する蒸発速度評価試験装置を示す概念図である。
【0051】
この蒸発速度評価試験装置は、加湿器35と蒸発速度テスト装置36とを備えている。
【0052】
加湿器35は、加湿水W1を充填する水槽37に乾燥窒素配管38、加湿窒素配管39、加湿器水位計40を備えるとともに、水槽37の外側を保温材41で被覆する一方、保温材41にヒータ42を装着している。
【0053】
また、蒸発速度テスト装置36は、模擬水W2を充填する容器43に上述の加湿窒素配管39に接続する模擬酸化剤ガス流通溝44、酸化剤ガス拡散層45、上述の各多孔層32,33,34用のテスト材46、蒸発量評価水位計47を備えるとともに、容器43の外側を保温材48で被覆する一方、保温材48およびテスト材46のそれぞれにヒータ49a,49a,49bを装着している。
【0054】
このような構成を備える蒸発速度評価試験装置を用いて撥水性材料および親水性材料の含有重量比率の異なるテスト材46の蒸発速度評価試験を行うにあたり、まず、炭素繊維からなるカーボンペーパー製の酸化剤ガス拡散層45に撥水処理を行ったカーボンを準備し、フッ素樹脂の重量含有率が10%,20%,30%,40%であるフッ素樹脂とカーボン粉の混合物を、予め準備しておいた上述の酸化剤ガス拡散層45にテスト材46として被着する。
【0055】
このように、酸化剤ガス拡散層45にテスト材46を一体化し、4種類の供試体を用いて模擬水W2がどの程度の速度で蒸発するかを実験的に評価する。
【0056】
その際、テスト材46には、電池反応による発熱を模擬するためのヒータ49bが装着される。このヒータ49bは、入熱が一定になるよう制御される。例えば、電流密度0.2A/cmの状態を模擬するとき、発熱が1.7cal/min/cmとなるようにし、さらに、電流密度0.4A/cmのとき、発熱が3.2cal/min/cmとなるように制御する。
【0057】
また、水槽43には、電池反応で生成する水および固体高分子電解質膜22を通してプロトン(H)に伴って燃料触媒層から酸化剤触媒層29へ移動する水の両方を模擬する水W2がテスト材46と接するように充填される。この水W2をセル温度、例えば、80℃に維持できるように、水槽37上、下部側に装着するヒータ42,42で温度制御する。テスト材46からの水W2の蒸発量は、容器43に設けた蒸発量評価水位計47によって評価する。
【0058】
一方、テスト材46から蒸発する空気は、酸化剤ガス拡散層45の頭部側に設ける模擬酸化剤ガス流通溝44を通して大気に放出される。この模擬酸化剤ガス流通溝44には、液体窒素を気化させた乾燥窒素を水槽37で加湿した加湿窒素が供給される。
【0059】
水槽37は、加湿水W1を充填した後、テスト材46のうち、入口側水蒸発制御用多孔層32の相対湿度が、例えば30%、中間部水蒸発制御用多孔層33の相対湿度が、例えば60%、出口側水蒸発制御用多孔層34の相対湿度が、例えば90%となるようにヒータ42で制御させている。そして、具体的な計測は、蒸発速度テスト装置36の容器43に設けた蒸発量評価水位計47で読み取った水位の変化で評価している。
【0060】
また、通常、固体高分子形燃料電池は、酸化剤利用率が30〜70%の範囲で運転されるが、入口側水蒸発制御用多孔層32の湿度、中間部水蒸発制御用多孔層33の湿度および出口側水蒸発制御用多孔層34の湿度を模擬したテストは、供給窒素の流量を大きくし、テスト材46の全面をほぼ一様な温度にし、窒素の供給量は、酸化剤ガス利用率相当の10%にしている。
【0061】
図3は、図2で示した蒸発速度評価試験装置を用いて得られたテスト材46の水蒸発速度線図である。図中、黒塗りの点をプロットした線図が試験結果である。
【0062】
この場合、テスト材46に装着したヒータ49bの出力は、1.7cal/min/cmに設定し、電流密度を0.2A/cmにしている。
【0063】
試験結果は、テスト材46中のフッ素樹脂重量含有率を10%,20%,30%,40%でパラメータとしたときの加湿窒素の相対湿度に対する水の蒸発速度である。
【0064】
また、図3は、実際の運転電流密度0.2A/cm相当の電極反応によって生成する水とプロトン(H)に伴って燃料触媒層から酸化剤触媒層29へ移動する水(0.2A/cm相当の生成水+移動水)の合計が蒸発するために必要な蒸発速度の目安を破線で示している。さらに、入口側水蒸発制御用多孔層(入口部相当)32、中間部水蒸発制御用多孔層(中央部相当)33および出口側水蒸発制御用多孔層(出口部相当)34のそれぞれの相対湿度を一点鎖線で示している。
【0065】
破線と一点鎖線とが交わる点が水蒸発制御用多孔層30のうち、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34のそれぞれに適するフッ素樹脂の重量含有率としてあらわしている。
【0066】
図3から、フッ素樹脂の重量含有率を読み取ると、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34のそれぞれは、それぞれ37%,19%および10%未満になっている。
【0067】
このように、本実施形態は、入口側水蒸発制御用多孔層32に含まれる撥水性材料としてのフッ素樹脂の重量含有率を多くし、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34に対するフッ素樹脂の重量含有率を徐々に少なくしているので、酸化剤ガスの流れ方向に沿って酸化剤触媒層29および固体高分子電解質膜22のそれぞれの湿度を均一化することができる。
【0068】
但し、図3では、フッ素樹脂の重量含有率を10%とするテスト材46の撥水性材料の重量含有率を低く抑えているので、水W2がテスト材46の気孔内に浸入し易くなっており、それに伴って蒸発速度も大きくなっている。もっとも、図3で見る限り、その蒸発速度は、必要蒸発速度を示す破線と出口側水蒸発制御用多孔層(出口部相当)34の相対湿度を示す一点鎖線の交点にまで至っていない。つまり、カーボン材90%+フッ素樹脂が10%のテスト材46を用いても、酸化剤の出口における相対湿度が高いと、蒸発速度が遅くなる。
【0069】
このため、本実施形態では、テスト材46に親水性材料を含有させ、より一層模擬水W2が浸入しやすいようにし、蒸発速度を促進させた。親水性材料としては、一般に酸化物が優れているが、ここでは、酸化物の例示として酸化ジルコニウム(以下、ジルコニアと記す)を選択し、重量比率で5%,10%のものを含有させた。そして、重量比率で、カーボン材85%+フッ素樹脂10%+ジルコニア5%のテスト材46と、カーボン材80%+フッ素樹脂10%+ジルコニア10%のテスト材46との2種類を準備した。
【0070】
また、図3では、試験結果を白抜きの点としてプロットしている。この白抜き点をプロットした線図からジルコニアを多く含有させる程、蒸発速度が高くなることが認められた。詳しく考察してみると、ジルコニアが5%と10%との間の8%程度に含有重量比率を設定しておくと、出口側水蒸発制御用多孔層(出口部相当)の相対湿度が90%を示す一点鎖線と必要蒸発速度を示す破線とが交わっており、このことからジルコニア含有重量比率を8%程度にすることにより、必要蒸発速度を確保できることがわかった。
【0071】
したがって、黒塗りの点としてプロットした線図と、白抜きの点としてプロットした線図とを総合的に勘案して、入口側水蒸発制御用多孔層32の材料をカーボン材63%+フッ素樹脂37%に組成し、中間部水蒸発制御用多孔層33の材料をカーボン材81%+フッ素樹脂19%に組成するとともに、出口側水蒸発制御用多孔層34の材料をカーボン材82%+フッ素樹脂10%+ジルコニア8%に組成したものを組み合せて水蒸発制御用多孔層30を製作すると、酸化剤ガスの流れに沿って固体高分子電解質膜22および酸化剤触媒層29の湿度分布を均一化できることがわかった。
【0072】
図4は、酸化剤ガス流れ方向に沿う触媒制御用多孔層30に酸化剤ガスおよび酸化剤触媒層内の湿度の分布を対応させた湿度分布線図である。
【0073】
図4は、図3で得られたデータを基にする計算結果であるが、この計算結果によれば、酸化剤触媒層29内の湿度分布は鋸状になっているものの、高い湿度に維持されている。
【0074】
したがって、図4から、酸化剤触媒層29内は、高い湿度に維持されているので、酸化剤ガス出口側における酸化剤触媒層29内に水が溢れ、その酸化剤触媒層29内を塞ぐ現象を解消することができる。また、酸化剤ガス入口側において、固体高分子電解質膜22や酸化剤触媒層29が乾燥する現象も解消される。
【0075】
このように、本実施形態は、酸化剤触媒層29と酸化剤ガス拡散層31との間に水蒸発制御用多孔層30を介装させるとともに、水蒸発制御用多孔層30を例えば、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34等の三つの種類に分け、各多孔層32,33,34で水の吸収を制御させているので、固体高分子電解質膜22の全体に亘って比抵抗を低減させ、高いプロント伝導性を確保させ、電池の全面に亘って高い酸化剤触媒機能を維持させ、単電池を長時間に亘って高い起電力に維持させることができる。
【0076】
なお、図3に示す水蒸発制御用多孔層30の蒸発速度評価試験は、電流密度0.2A/cmにし、ヒータ49bの出力を1.7cal/min/cmに固定している。
【0077】
しかし、実機では負荷変動があり、この負荷変動により、固体高分子電解質膜22や酸化剤触媒層29の湿度分布が変動することが考えられる。
【0078】
本実施形態は、このような点を考慮し、再び図2に示した蒸発速度テスト装置36を用い、電流密度を0.2A/cm、0.4A/cmおよび0.6A/cmを考えて、それぞれの模擬反応熱を1.7cal/min/cm、3.2cal/min/cmおよび4.7cal/min/cmに設定した場合の蒸発速度評価試験を実施した。
【0079】
この場合、水蒸発制御用多孔層30のテスト材46は、図3に示した試験結果を基に、入口側水蒸発制御用多孔層32の材料をカーボン材63%+フッ素樹脂37%にし、中間部水蒸発制御用多孔層33の材料をカーボン材81%+フッ素樹脂19%にし、出口側水蒸発制御用多孔層34の材料をカーボン材82%+フッ素樹脂10%+ジルコニア8%にした。
【0080】
また、加湿窒素の相対温度は、入口側水蒸発制御用多孔層32のテスト材46を30%とし、中間部水蒸発制御用多孔層33のテスト材46を60%とし、出口側水蒸発制御用多孔層34のテスト材46を90%とした。さらに、供給窒素の流量は、酸化剤ガス利用率相当の10%とした。さらに、また、図2に示した容器43に充填した模擬水W2は80℃に設定した。
【0081】
このような設定条件の下、図5に示す試験データが得られた。
【0082】
この図5から、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34のそれぞれのテスト材46は、蒸発速度と模擬反応熱とが線形になっており、かつ傾きがほぼ同じであることがわかった。
【0083】
一般に、燃料電池は、電流密度を増加させれば、それに比例して反応熱および水も増加する。この水は、反応によって生成される水(生成水)やプロトン(H)によって随伴される水(移動水)を含んでいる。
【0084】
本実施形態は、この点に着目し、水蒸発制御用多孔層30に水の蒸発速度を制御させる機能を持たせたもので、水の蒸発速度を制御することにより負荷の大小に関係なく酸化剤ガスの流れに沿い、入口側から出口側に向って固体高分子電解質膜22や酸化剤触媒層29内の湿度分布を均一化させることができた。
【0085】
次に、本発明に係る固体高分子形燃料電池に適用する酸化剤電極の製造方法を説明する。
【0086】
酸化剤電極23は、固体高分子電解質膜22、酸化剤触媒層29、水蒸発制御用多孔層30、酸化剤ガス拡散層31、酸化剤セパレータ24を組み合せて構成したものであるが、これらのうち、本実施形態に係る酸化剤電極の製造方法は、図6に示すように、水蒸発制御用多孔層30を適用対象としている。
【0087】
この水蒸発制御用多孔層30は、上述のとおり、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34に区分けされている。このため、各多孔層32,33,34は、別々に製造した後、一体成形加工される。
【0088】
まず、入口側水蒸発制御用多孔層32を製作するにあたり、重量含有率63%のカーボン粉末として、例えば、ファーネストブラック、キャボット社製、商品名VALCAN,XC72と、重量含有率37%の撥水性材料として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、デュポン社製、商品名テフロン(以下PTFEと記す)を水に懸濁して混合する。この混合液は、酸化剤ガス拡散層(例えば、カーボンペーパー、東レ社製TGPH−120)31の全域のうち、1/3の領域にコーティングされる。
【0089】
混合液をコーティングした酸化剤ガス拡散層31は、電気炉で350℃に焼成する。
【0090】
次に、中間部水蒸発制御用多孔層33は、焼成後の酸化剤ガス拡散層31に重量含有率81%のカーボン粉末と重量含有率19%のPTPFを水に懸濁し、この混合液を酸化剤ガス拡散層31の残りのうち、1/3の部分にコーティングし、電気炉で再び350℃に焼成する。
【0091】
さらに、出口側水蒸発制御用多孔層34は、焼成後の酸化剤ガス拡散層31に重量含有率82%のカーボン粉末と重量含有率10%のPTFEおよび重量比率8%のジルコニアを水に懸濁し、この混合液を酸化剤ガス拡散層31のうち、残りの部分にコーティングし、電気炉で再び350℃に焼成する。
【0092】
このように、一つの酸化剤ガス拡散層31に被着させた入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34は、高い平坦度に維持させるため、ローラ50a,50bで表面調整が行われる。
【0093】
なお、本実施形態は、親水性に優れた酸化物としてジルコニアを選択したが、この例に限らず、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化亜鉛のうち、いずれかを選択してもよく、これらを組み合せて選択してもよい。
【0094】
また、表面だけを親水処理した無機粉末または金属粉末でもよい。例えば、ジルコニア等の無機粉末を親水性処理するには、粒径が0.1μmの程度のものを1モルの硫酸に10分間程度浸漬させた後、800〜1000℃の電気炉で熱処理すれば容易に実現することができる。
【0095】
また、親水性材料として、OH基、SOH基およびCOOH基等を持つ酸化物がある。例えば、酸化物にOH基を持たせるには、粒径が0.1〜数μmの酸化ジルコニア、酸化スズ、あるいは酸化チタンの粉末を5モルの水酸化ナトリウム水溶液に10分間程度浸漬させた後、200℃程度の電気炉で20分間程度の熱処理をすれば容易に実現することができる。
【0096】
また、本実施形態は、酸化剤ガス拡散層31に、例えば入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34を順次被着させるが、その際、撥水性材料または表面張力の大きい材料の重量含有率およ比表面積の少なくとも一方を、入口側水蒸発制御用多孔層32でより大きくし、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34に向って、ステップ状に酸化剤ガスの流れに沿って徐々に小さくさせるか、あるいは、親水性材料または表面張力の小さい材料の重量含有率およ比表面積の少なくとも一方を、出口側水蒸発制御用多孔層34でより大きくし、中間部水蒸発制御用多孔層33および入口側水蒸発制御用多孔層32に向ってステップ状に酸化剤ガス流れに逆流して徐々に小さくさせるか、あるいは、平均気孔径を入口側水蒸発制御用多孔層32でより大きくし、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34に向ってステップ状に酸化剤ガス流れに沿って徐々に小さくさせることで、酸化剤ガスの上流から下流の全域に亘って、水蒸発制御用多孔層30からの水の蒸発量を一様化し、固体高分子電解質膜22および酸化剤触媒層29の湿度分布の一様化を図っている。
【0097】
また、本実施形態は、例えば、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34を組み合せて構成する水蒸発制御用多孔層30の平均気孔径を酸化剤ガス拡散層31の平均気孔径に較べて相対的に小さくし、毛細管力を高くする手法を適宜選択しているので、水の蒸発を精度よく制御でき、これに伴って酸化剤ガスの流れに沿って固体高分子電解質膜22や酸化剤ガス拡散層31内の湿度分布を飽和蒸気圧に近い状態に均一に維持させている。
【0098】
図7は、本発明に係る固体高分子形燃料電池の参考形態を示す概念図である。
【0099】
本参考形態に係る固体高分子形燃料電池は、酸化剤電極23を構成する固体高分子電解質膜22、酸化剤触媒層29、水蒸発制御用多孔層30、酸化剤ガス拡散層31、酸化剤ガス流通溝28を備える酸化剤セパレータ24のうち、水蒸発制御用多孔層30を、酸化剤ガス流れ方向に沿い、かつ、その入口側からその出口側に向って順に、例えば入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34等の三つに区分けするとともに、これらに対応して酸化剤ガス拡散層31も、入口側酸化剤ガス拡散層51、中間部酸化剤ガス拡散層52、出口側酸化剤ガス拡散層53に区分けしたものである。
【0100】
また、本参考形態に係る固体高分子形燃料電池は、区分けした入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34のうち、入口側水蒸発制御用多孔層32の厚みを薄くし、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34の厚みを、入口側水蒸発制御用多孔層32の厚みに較べて相対的にステップ状に厚くさせ、これに伴って入口側酸化剤ガス拡散層51の厚みを厚く、中間部酸化剤ガス拡散層52および出口側酸化剤ガス拡散層53の厚みステップ状に薄くし、水蒸発制御用多孔層30と酸化剤ガス拡散層31との合計厚みを酸化剤ガス流れ方向に沿って一定厚みにしたものである。
【0101】
このように、本参考形態は、入口側水蒸発制御用多孔層32の厚みを薄くし、伝熱面積を小さくして水の蒸発速度を低く抑えるとともに、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34の厚みを、入口側水蒸発制御用多孔層32の厚みに較べて相対的にステップ状に厚くさせ、各多孔層33,34の伝熱面積を徐々に増加させ、酸化剤ガスの湿度分布があっても水の蒸発速度を一様にするので、酸化剤ガスの入口側から出口側に至る全域に亘って固体高分子電解質膜22や酸化剤触媒層29内の湿度分布を均一化させることができる。
【0102】
図8は、本発明に係る固体高分子形燃料電池の第実施形態を示す概念図である。
【0103】
本実施形態に係る固体高分子形燃料電池は、酸化剤電極23を構成する固体高分子電解質膜22、酸化剤触媒層29、水蒸発制御用多孔層30、酸化剤拡散層31、酸化剤ガス通路溝28を備える酸化剤セパレータ24のうち、水蒸発制御用多孔層30を、酸化剤ガス流れ方向に沿い、かつ、その入口側からその出口側に向って順に、上述と同様に、撥水性材料の重量含有率または比表面積、親水性材料の重量含有率または比表面積、平均気孔率および厚みのそれぞれをステップ状に異ならしめる入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34の三つに区分けするとともに、酸化剤セパレータ24の酸化剤ガス供給口54と酸化剤ガス排出口55とを互いに接続させる酸化剤ガス通路溝28を、酸化剤セパレータ24の横断方向に対し、蛇行状に形成するものである。
【0104】
このように、本実施形態は、撥水性材料の重量含有率等がそれぞれ異なる三つの入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33、出口側水蒸発制御用多孔層34を備える水蒸発制御用多孔層30と、蛇行状に形成する酸化剤ガス流通溝28とを組み合わせ、図4に示すように、鋸状ではあるが全体として相対湿度を高くしているので、酸化剤ガスの流れに沿い、その入口側からその出口側に至る全域に亘って固体高分子電解質膜22や酸化剤触媒層29内の湿度分布をほぼ均一化させることができる。
【0105】
なお、本実施形態は、酸化剤ガス流通溝28の複数本同時に、蛇行状に形成しているが、この例に限らず、例えば、第実施形態の図9に示すように、酸化剤ガス流通溝28の一本一本を蛇行状に形成してもよく、さらに、例えば、第実施形態の図10に示すように、酸化剤ガス通路溝28を、酸化剤ガス供給口54に接続する第1酸化剤ガス通路溝56と酸化剤ガス排出口55に接続する第2酸化剤ガス通路溝57とに分割させ、第1および第2酸化剤ガス通路溝56,57を酸化剤セパレータ24の途中で中断させ、この間、酸化剤ガス拡散層31の表面を利用して第1酸化剤ガス流通溝56から第2酸化剤ガス流通溝57に酸化剤ガスを流してもよい。また、図9および図10のそれぞれに示す水蒸発制御用多孔層30を区分けする、例えば入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層33および出口側水蒸発制御用多孔層34は、上述と同様に、撥水性材料の重量含有率、親水性材料の重量含有率、平均気孔率および厚みのそれぞれをステップ状に異ならしめて形成している。
【0106】
また、図1に示す第1実施形態、図7に示す参考形態、図8に示す第実施形態、図9に示す第実施形態および図10に示す第実施形態においては、水蒸発制御用多孔層は30を三つのステップに分割した場合を例に採って、説明した。
【0107】
しかし、こうしたステップの数は2以上の複数であれば、固体高分子電解質膜22や酸化剤触媒層29内の湿度分布を一様化する効果を有している。そして、ステップ数が多い程、図4で示した鋸の山数が増え、固体高分子電解質膜22や酸化剤触媒層29内の湿度分布は一層一様化されることになる。
【0108】
図11は、本発明に係る固体高分子形燃料電池の第実施形態を示すもので、酸化剤ガス流れ方向に沿う水蒸発制御用多孔層に酸化剤ガスおよび酸化剤触媒層内の湿度の分布を対応させた湿度分布線図である。
【0109】
本実施形態に係る固体高分子形燃料電池は、酸化剤電極23を構成する固体高分子電解質膜22、酸化剤触媒層29、水蒸発制御用多孔層30、酸化剤ガス流通溝28を備える酸化剤セパレータ24のうち、水蒸発制御用多孔層30を、酸化剤ガス流れ方向に沿い、かつ、その入口側からその出口側に向って順に、例えば、入口側水蒸発制御用多孔層32、中間部水蒸発制御用多孔層58,59、出口側水蒸発制御用多孔層34等の撥水性材料の重量含有率または比表面積、あるいは親水性材料の重量含有率または比表面積、あるいは材料表面張力あるいは平均気孔率、あるいは厚みの少なくとも一つを連続的かつ傾斜的に異ならしめて形成している。ここで、傾斜状とは、厚み方向に対して直線的傾斜、概略的傾斜、曲線的傾斜等を含む。
【0110】
このように、本実施形態は、水蒸発制御用多孔層30の材質、平均気孔率、あるいは厚みを連続的かつ傾斜的に異ならしめることで、図11に示すように、酸化剤ガスの流れ方向に沿い、かつ、その入口側からその出口側に向って昇り傾斜の酸化剤ガス湿度分布に対して、酸化剤触媒層29内の湿度分布を均一に維持させることができる。
【0111】
したがって、本実施形態によれば、酸化剤触媒層29内の湿度分布を酸化剤ガスの流れに沿い、かつ、その入口側からその出口側に向って均一に維持させているので、固体高分子電解質膜22の全体に亘って比抵抗を低減させ、高いプロント伝導性を確保させ、電池の全面に亘って高い酸化剤触媒機能を維持させ、単電池を長時間に亘って高い起電力に維持させることができる。
【0112】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、中央部に位置する固体高分子電解質膜の両側に備える燃料電極と酸化剤電極とのうち、酸化剤電極を、固体高分子電解質膜から外側に向って順に配置する酸化剤触媒層、水蒸発制御用多孔層、酸化剤ガス拡散層、酸化剤ガス通路溝を備える酸化剤セパレータで構成するとともに、水蒸発制御用多孔層を、例えば、入口側水蒸発制御用多孔層、中間部水蒸発制御用多孔層、出口側水蒸発制御用多孔層等の複数層部のうち、幾つかを組み合せて複数に区分けし、各多孔層の撥水性材料含有率、親水性材料含有率、平均気孔率、厚み等の分布のうち、少なくともいずれかを選択して酸化剤ガスの流れ方向に沿い、かつ、その入口側からその出口側に向って異ならしめて傾斜状、またはステップ状等に形成する一方、各多孔層の溶液の一つ一つを酸化剤ガス拡散層にコーティングし、焼成し、一体成形加工して製作するので、各多孔層を酸化剤ガス拡散層に確実に被着することができ、酸化剤ガスの流れ方向に沿って固体高分子電解質膜および酸化剤触媒層内の湿度分布を高く、かつ均一に維持させることができる。
【0113】
したがって、本発明に係る固体高分子形燃料電池によれば、酸化剤ガスの流れ方向に沿い、かつ、その入口側からその出口側に向って固体高分子電解質膜および酸化剤触媒層内の湿度分布を高く、かつ一様に維持させているので、固体高分子電解質膜の比抵抗を少なくさせ、高いプロント伝導性を確保させ、酸化剤触媒機能を充分に発揮させ、単電池を長時間に亘って高い起電力に維持させることができ、発電効率をより一層高く維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体高分子形燃料電池の第1実施形態を示す概念図。
【図2】本発明に係る固体高分子形燃料電池に適用する水蒸発制御用多孔層のテスト材を試験する蒸発速度評価試験装置の概念図。
【図3】図2で示した蒸発速度評価試験装置を用いて得られたテスト材の水蒸発速度線図。
【図4】本発明に係る固体高分子形燃料電池に適用する水蒸発制御用多孔層において、酸化剤ガス流れ方向に沿う水蒸発制御用多孔層と酸化剤ガスおよび酸化剤触媒層内の湿度の分布を対応させた湿度分布線図。
【図5】本発明に係る固体高分子形燃料電池に適用する水蒸発制御用多孔層のテスト材の実験によって得られた蒸発速度と模擬反応熱との関係を示す線図。
【図6】本発明に係る固体高分子形燃料電池に適用する酸化剤電極の製造方法を説明するために用いる概念図。
【図7】 本発明に係る固体高分子形燃料電池の参考形態を示す概念図。
【図8】 本発明に係る固体高分子形燃料電池の第実施形態を示す概念図。
【図9】 本発明に係る固体高分子形燃料電池の第実施形態を示す概念図。
【図10】 本発明に係る固体高分子形燃料電池の第実施形態を示す概念図。
【図11】 本発明に係る固体高分子形燃料電池の第実施形態を示すもので、酸化剤ガス流れ方向に沿って、水蒸発制御用多孔層と酸化剤ガスおよび酸化剤触媒層内の湿度の分布を対応させた湿度分布線図。
【図12】従来の固体高分子形燃料電池における単電池を示す概念図。
【図13】従来の固体高分子形燃料電池における燃料電池積層体を示す概念図。
【図14】従来の固体高分子形燃料電池における単電池を示す概念図。
【図15】従来の固体高分子形燃料電池における酸化剤ガスの湿度を示す湿度分布線図で、(a)は酸化剤ガス出口部で湿度が過剰な場合を示し、(b)は酸化剤ガス入口で過少な場合を示す線図。
【図16】従来の固体高分子形燃料電池における酸化剤ガスセパレータを示す平面概念図。
【図17】従来の固体高分子形燃料電池における酸化剤ガス拡散層の入口のガス透過性を調整する例を示す概念図で、(a)は入口のガス透過性を少なくさせる例を示す概念図、(b)は入口から出口に向って酸化剤ガス拡散層の厚さを徐々に薄くし、ガス透過性に分布をもたせた例を示す概念図。
【符号の説明】
1 固体高分子電解質膜
2 燃料触媒層
3 燃料ガス拡散層
4 燃料電極
5 酸化剤触媒層
6 酸化剤ガス拡散層
6a 入口側
6b 出口側
7 酸化剤電極
8 燃料ガス流通溝
9 燃料セパレータ
10 酸化剤ガス流通溝
11 酸化剤セパレータ
12 単電池
13 燃料電池積層体
14 冷却剤流通溝
15 冷却板
16 燃料ガス多孔層
17 酸化剤ガス多孔層
18 酸化剤ガス入口部
19 酸化剤ガス出口部
20 燃料ガス入口部
21 燃料ガス出口部
22 固体高分子電解質膜
23 酸化剤電極
24 酸化剤セパレータ
25 燃料電極
26 燃料セパレータ
27 単電池
28 酸化剤ガス流通溝
29 酸化剤触媒層
30 水蒸発制御用多孔層
31 酸化剤ガス拡散層
32 入口側水蒸発制御用多孔層
33 中間部水蒸発制御用多孔層
34 出口側水蒸発制御用多孔層
35 加湿器
36 蒸発速度テスト装置
37 水槽
38 乾燥窒素配管
39 加湿窒素配管
40 加湿器水位計
41 保温材
42 ヒータ
43 容器
44 模擬酸化剤ガス流通溝
45 酸化剤ガス拡散層
46 テスト材
47 蒸発量評価水位計
48 保温材
49a,49b ヒータ
50a,50b ローラ
51 入口側酸化剤ガス拡散層
52 中間部酸化剤ガス拡散層
53 出口側酸化剤ガス拡散層
54 酸化剤ガス供給口
55 酸化剤ガス排出口
56 第1酸化剤ガス流通溝
57 第2酸化剤ガス流通溝
58,59 中間部水蒸発制御用多孔層

Claims (5)

  1. 中央部に配置する固体高分子電解質膜の両側のうち、一側に燃料電極を備え、他側に酸化剤電極を備えるとともに、前記酸化剤電極は、前記固体高分子電解質膜から外側の酸化剤セパレータに向って順に、酸化剤触媒層、酸化剤ガス拡散層を配置する固体高分子形燃料電池において、前記酸化剤触媒層と前記酸化剤ガス拡散層との間に水蒸発制御用多孔層を備え
    前記水蒸発制御用多孔層は、カーボン材料、撥水性材料およびカーボン材料とは異なる親水性材料を含有させるとともに、前記撥水性材料の含有率を酸化剤ガスの流れ方向に沿い、かつその入口側から出口側に向って傾斜状およびステップ状のうち、いずれか一方を選択して小さく形成させ、前記親水性材料の含有率を酸化剤ガスの流れ方向に沿い、かつその入口側からその出口側に向って傾斜状およびステップ状のうち、いずれか一方を選択して大きく形成させることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  2. 撥水性材料は、フッ素樹脂、フッ化カーボンおよび撥水処理剤で処理したカーボンのうち、少なくとも1種類以上を含んでいることを特徴とする請求項記載の固体高分子形燃料電池。
  3. 親水性材料は、酸化物、表面を親水処理した金属粉末のうち、少なくとも1種類以上を含んでいることを特徴とする請求項記載の固体高分子形燃料電池。
  4. 酸化物は、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化亜鉛のうち、少なくとも1種類以上を含んでいることを特徴とする請求項記載の固体高分子形燃料電池。
  5. 酸化物は、OH基、SOH基、COOH基のうち、少なくとも1種類以上を含んでいることを特徴とする請求項記載の固体高分子形燃料電池。
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