JP5743762B2 - 電解質膜・電極接合体及びその製造方法 - Google Patents

電解質膜・電極接合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子膜からなる高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟持して構成される電解質膜・電極接合体及びその製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、プロトン伝導体である固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持した電解質膜・電極接合体を備える。この電解質膜・電極接合体が1対のセパレータで挟持されることにより、単位セルが構成される。一般的には、固体高分子形燃料電池は、上記の単位セルが複数個積層されることで、スタックとして構成される。
アノード電極及びカソード電極は、ガス拡散層と、該ガス拡散層と電解質膜との間に介在する電極触媒層から構成される。ガス拡散層は、例えば、カーボンペーパー又はカーボンクロスからなり、また、電極触媒層は、例えば、白金等の触媒を担持した触媒担体(カーボンブラック等)がイオン導伝性バインダを介して結合一体化されることにより形成される。
固体高分子形燃料電池を発電させるに際しては、前記1対のセパレータ中の一方に形成された流路からアノード電極のガス拡散層を介して電極触媒層に水素、メタノール等の燃料ガスを供給するとともに、残余の一方のセパレータに形成された流路からカソード電極のガス拡散層を介して電極触媒層に空気、酸素等の酸化剤ガスを供給する。これにより、アノード電極では、前記電極触媒層に含まれる触媒の作用下に、前記燃料ガスからプロトン及び電子が生成する。従って、導線を介して外部負荷をアノード電極とカソード電極に電気的に接続すると、この外部負荷を経由してアノード電極からカソード電極に向かって電子が移動する(換言すれば、カソード電極からアノード電極に向かって電流が流れる)。これにより、前記外部負荷を付勢することが可能となる。
一方、アノード電極で生成したプロトンは、前記電解質膜を介してカソード電極の電極触媒層に移動する。プロトンは、さらに、カソード電極の電極触媒層において、該電極触媒層に含まれる触媒の作用下に、前記酸化剤ガスと反応して水を生成する。
ところで、電解質膜である固体高分子膜は、湿潤状態であるときに優れたプロトン伝導性を示す。このため、供給される燃料ガス及び酸化剤ガスは加湿され、これにより、電解質膜が湿潤状態に維持される。
その一方で、カソード電極には、上記したように反応によって水が生成する。この水がカソード電極や、セパレータに形成された流路に滞留すると、酸化剤ガスの流通抵抗が増加する、いわゆるフラッディングが惹起される。従って、フラッディングが起こることを回避し得る程度に水を排出しなければならない。しかしながら、水を過度に排出しようとすると、電解質膜を湿潤状態に保つことが困難となる。
以上のように、固体高分子形燃料電池の電解質膜・電極接合体では、電解質膜を湿潤状態に維持し得、且つフラッディングが惹起されないように、水分の保持と排出のバランスを図る必要がある。
この観点から、特許文献1には、多孔質炭素電極基材(ガス拡散層)の平均細孔径を5〜40μmとすることが提案され、また、特許文献2には、第1の多孔質炭素電極基材と第2の多孔質炭素電極基材を重畳して一体化する場合の前記第2の多孔質炭素電極基材の平均細孔径を15〜100μmとすることが提案されている。
さらに、特許文献3には、電極を構成するガス拡散層の平均細孔径を15〜45μm、比表面積を0.25〜0.5m/g、嵩密度を0.35〜0.55g/cmに設定することが提案され、特許文献4には、直接メタノール型燃料電池において、ガス拡散層を構成する多孔質シート状支持体の平均細孔径を10〜100μmに設定することで、メタノールや水のクロスオーバーが起こることを抑制し得るとの報告がなされている。
特開2003−183994号公報 特開2004−235134号公報 特開2007−234359号公報 特開2009−199988号公報
燃料電池には、高温低湿状態や低温高湿状態であっても十分な発電性能を示すことが期待されるが、上述の通り、前者の場合には電解質膜の湿分が低下するためにプロトン伝導性が低下し易くなり、一方、後者の場合にはフラッディングが惹起されて反応ガス(特に、酸化剤ガス)が供給され難くなる。いずれの場合も、発電性能が低下する一因となる。
このため、上記したような従来技術に比して電解質膜の湿分が低下し難く、且つフラッディングが起こり難い電解質膜・電極接合体が要請されている。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、水分を適度に保持しながらも適度に排出し得、このために高温低湿状態及び低温高湿状態の双方において優れた発電性能を示す燃料電池を得ることが可能な電解質膜・電極接合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体であって、
前記アノード電極又は前記カソード電極の少なくともいずれか一方は、前記電解質膜に近接する側から、電極触媒層と、電子伝導性物質及び撥水性樹脂を含む中間層と、ガス拡散層とを有し、
前記中間層及び前記ガス拡散層の透水圧と、前記電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量との積が、25〜60kPa・μeq/cmの範囲内であることを特徴とする。
前記積を所定の範囲内とするようにしたため、電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量、ひいてはプロトン伝導性が大きいときには、ガス拡散層及び中間層からなる積層体の透水圧、ひいては水分を保持する傾向が小さくなる。電解質膜のプロトン伝導性が大きい場合、イオン交換に関与する官能基の数が多いため、含水量が増す傾向を示すが、上記したように積層体の水分を保持する傾向が小さいため、水が容易に排出される。従って、フラッディングが起こることを回避することができる。
これとは逆に、電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量が小さいときには、前記積層体の透水圧が大きくなり、水分を保持する傾向が大きくなる。電解質膜のプロトン伝導性が小さい場合、含水量が比較的少なくなるが、このときには上記したように積層体が水分を保持する傾向が大きい。従って、電解質膜に適切な湿分を付与することができるので、電解質膜のプロトン伝導性が低下する懸念が払拭される。
以上から諒解されるように、前記積を所定の範囲内とすることで、電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量に応じて、アノード電極又はカソード電極において、水分の保持又は排出のいずれかが優先的となる。このため、電解質膜・電極接合体における水分の生成量(及び供給量)と、排出量とのバランスが良好となり、電解質膜が乾燥することを回避しながら、フラッディングが発生することを回避することができる。
その結果、電解質膜のプロトン伝導性が維持されるとともに、燃料ガス及び酸化剤ガスが電極触媒層に到達することが容易となる。これにより、高温低湿状態及び低温高湿状態の双方において優れた発電性能を示す固体高分子形燃料電池が得られる。
なお、固体高分子形燃料電池では、カソード電極にて水が生成するので、この生成水の保持と排出のバランスを図ることが好ましい。従って、カソード電極を、前記積が25〜60kPa・μeq/cmの範囲内である電極とすることが好適である。
いずれにおいても、前記積が35〜45kPa・μeq/cmであると、固体高分子形燃料電池の発電性能が一層優れたものとなる。従って、前記積をこの範囲内とすることが一層好ましい。
また、本発明は、固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体の製造方法であって、
前記電解質膜の両端面に、電極触媒層を設ける工程と、
前記電極触媒層の少なくともいずれか一方に、電子伝導性物質及び撥水性樹脂を含む中間層と、ガス拡散層との積層体を、前記電極触媒層に近接する側からこの順序となるように接合する工程と、
を有し、
前記電解質膜と前記積層体として、前記電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量と前記積層体の透水圧との積が、25〜60kPa・μeq/cmとなる組み合わせを選定することを特徴とする。
この組み合わせに関しては、例えば、単位面積当たりのイオン交換容量が所定の値である電解質膜を選定した後、積層体として、その透水圧を前記電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量と乗じたときの積が25〜60kPa・μeq/cmとなるものを選定するようにすればよい。
又は、その逆に、透水圧が所定の値である積層体を選定した後、電解質膜として、その単位面積当たりのイオン交換容量を前記積層体の透水圧と乗じたときの積が25〜60kPa・μeq/cmとなるものを選定するようにしてもよいことは勿論である。
以上の過程を経ることにより、水分の生成量(及び供給量)と、排出量とのバランスが良好であり、電解質膜が乾燥することや、フラッディングが発生することを回避することが可能な電解質膜・電極接合体を得ることができる。
上記したような理由から、そのような積層体を含む電極はカソード電極として得ることが好ましく、また、前記積が35〜45kPa・μeq/cmの範囲内であることが一層好ましい。
本発明によれば、ガス拡散層及び中間層からなる積層体の透水圧と、固体高分子膜からなる電解質膜のイオン交換容量との積が所定範囲となるように、前記積層体と前記電解質膜を組み合せるようにしているので、電解質膜・電極接合体における水分の保持と排出のバランスを良好なものとすることができる。その結果、電解質膜が乾燥することを回避しつつ、フラッディングが発生することを回避することもできる。従って、電解質膜のプロトン伝導性が維持されるとともに、燃料ガス及び酸化剤ガスが電極触媒層まで容易に到達することができるようになるので、固体高分子形燃料電池に優れた発電性能が発現する。
本発明の実施の形態に係る電解質膜・電極接合体を具備する固体高分子形燃料電池(単位セル)の概略説明断面図である。 実施例1〜16及び比較例1〜7の各電解質膜・電極接合体における諸物性値と、それを含んで構成された燃料電池の発電性能を示す図表である。 ガス拡散層及び中間層の積層体の透水圧と、固体高分子膜からなる電解質膜のイオン交換容量との積を横軸とし、セル電圧を縦軸とするグラフである。
以下、本発明に係る電解質膜・電極接合体及びその製造方法につき好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る電解質膜・電極接合体を組み込んだ固体高分子形燃料電池(以下、単に燃料電池とも表記する)の単位セルの概略説明断面図を図1に示す。この単位セル10は、電解質膜・電極接合体12と、この電解質膜・電極接合体12を挟持する第1及び第2セパレータ14、16とを備える。
電解質膜・電極接合体12は、電解質膜18がアノード電極20とカソード電極22の間に介装されることで構成される。この中の電解質膜18は、例えば、陽イオン交換樹脂に属し、且つプロトン伝導性を示す固体高分子がフィルム状に形成されたものからなる。
このような固体高分子の具体例としては、ポリスチレンスルホン酸等のビニル系ポリマーのスルホン化物が挙げられる。又は、パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカルボン酸ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーであってもよいし、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分とし、これにスルホン酸基を導入したポリマー等であってもよい。
アノード電極20は、上記したような固体高分子からなる電解質膜18の一端面に設けられる。該アノード電極20は、電解質膜18に対して最も離間する側から近接する側に向かって、ガス拡散層24と、中間層26と、電極触媒層28とをこの順序で有する。
一方、電解質膜18の他端面には、前記カソード電極22が設けられる。カソード電極22は、アノード電極20と同様に、電解質膜18に対して最も離間する側から近接する側に向かって、ガス拡散層30と、中間層32と、電極触媒層34とをこの順序で有する。
この場合、ガス拡散層24、30としては、電子伝導性を有し且つ多孔質材であるカーボンペーパーやカーボンクロス等からなる基材に、撥水性樹脂を含浸させたもの等を用いることができる。また、多孔質金属プレートを用いてもよい。
なお、撥水性樹脂の好適な例としては、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、クロロトリフルオロエチレンエチレン共重合体(ECTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の結晶性フッ素樹脂が挙げられる。又は、旭硝子社から「ルミフロン」又は「サイトップ」の商品名で市販されている非晶質フッ素樹脂を用いてもよいし、シリコーン樹脂を用いてもよい。勿論、これらの中の2種以上を併用するようにしてもよい。
中間層26、32は、カーボン粉末等の電子伝導性物質と、撥水性樹脂とを含んで構成される。
電子伝導性物質としては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラッシーカーボンの粉砕品、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、これらを黒鉛化処理した粉末の群から選択される1種又は2種以上を併せて用いることができる。また、撥水性樹脂としては、例えば、上記したガス拡散層24、30に用いた撥水性樹脂と同様のものを用いればよい。
ここで、ガス拡散層24と中間層26のみ、ガス拡散層30と中間層32のみの各積層体の透水圧は、該透水圧と、前記電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量との積が、25〜60kPa・μeq/cmの範囲内となるように設定されている。なお、透水圧は、周知の通り、測定対象物(本実施の形態では前記積層体)に水が浸入を開始する圧力のことを指称し、パームポロメータによって測定することが可能である。
具体的には、乾燥状態にある積層体の一端面に水(例えば、純水)を滴下し、厚み数mmの水膜を形成する。積層体を構成するガス拡散層24、30と中間層26、32には、いずれも撥水性樹脂が含まれているため、水膜は、当初は積層体から弾かれる。これに対し、水膜に対して圧力を付加すると、ある程度圧力が上昇したときに水膜が積層体に浸入するようになる。この浸入が始まる圧力が、透水圧として定義される。
このことから諒解されるように、透水圧が大きい積層体ほど水分が通過し難い。換言すれば、水分を保持する傾向が大きく、排出する傾向が小さい。逆に、浸透圧が小さい積層体は、水分を保持する傾向が小さく、排出する傾向が大きい。
一方、電解質膜18のイオン交換容量は、例えば、電解質膜18に対して水溶液中でナトリウム置換を行うことでプロトンを遊離させ、該プロトンを含む水溶液につき中和滴定を行うことによって求めることができる。
イオン交換容量は、周知のように、イオン交換に関与する官能基の単位樹脂量当たりの個数である。すなわち、イオン交換容量が大きいほどイオン交換に関与する官能基の個数が多いことを表す。電解質膜18のプロトン伝導性は、電解質膜18をなす固体高分子の官能基と、電解質膜18に湿分を付与する水分中のプロトンとの交換が逐次的に行われることで発現するので、イオン交換容量が大きいことは、含水量が大きいことを意味する。そのため、プロトン伝導性が大きい電解質膜18では、含水量が多くなる結果、フラッディングが起こり易い環境となる。
以上のことから、本実施の形態では、積層体と電解質膜18の組み合わせとして、積層体の透水圧と、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量との積を、25〜60kPa・μeq/cmの範囲内となるものを選定するようにしている。このためには、例えば、固体高分子形燃料電池に一般的に使用される固体高分子を電解質膜18とし、この電解質膜18のイオン交換容量を測定して、そのイオン交換容量との積が25〜60kPa・μeq/cmの範囲内となる透水圧を示す積層体を選定すればよい。
後述するように、前記積がこの範囲内である電解質膜・電極接合体12を含む燃料電池では、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量に応じて、アノード電極20及びカソード電極22において、水分の保持又は排出のいずれかが優先的となる。このため、電解質膜18が乾燥することや、フラッディングが起こることを回避することができる。従って、該燃料電池は優れた発電性能を示す。なお、前記積の範囲が35〜45kPa・μeq/cmであることが一層好ましい。
積層体の透水圧は、ガス拡散層24、30や中間層26、32の厚み、細孔径、撥水性等に応じて相違する。従って、ガス拡散層24、30を作製する際に厚みや細孔径が相違する基材を用いたり、撥水性が相違する撥水性樹脂を用いたり、撥水性樹脂の含浸量を相違させたりすることで、所望の透水圧を示す積層体を得るようにすればよい。勿論、中間層26、32の厚みを相違させたり、該中間層26、32に含まれる撥水性樹脂の量を相違させたりするようにしてもよい。
電極触媒層28、34は、電解質膜18に接合するようにして設けられる。この電極触媒層28、34には、触媒粒子と、イオン伝導性高分子からなるバインダとを含む。触媒粒子の好適な例としては、カーボンブラック等の触媒担体に白金等の触媒金属が担持されたものが挙げられるが、白金黒等を、触媒担体に担持することなく単独で用いるようにしてもよい。
以上のように構成された電解質膜・電極接合体12を挟持する第1及び第2セパレータ14、16は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板等の金属板からなる。これらの金属板の表面に、防食処理が施されたものであってもよい。又は、カーボン板からなるものであってもよい。
これら第1及び第2セパレータ14、16の電極触媒層28、34に臨む面には、燃料ガス流路40、酸化剤ガス流路42を形成するための流通溝が形成される。
単位セル10は、一般的には、複数個が互いに積層されたスタックとして構成される。その際、各単位セル10の第1及び第2セパレータ14、16は、それぞれ、別個の集電板(図示せず)に電気的に接続される。各集電板には、導線44を介して外部負荷50が電気的に接続される。なお、図1では、集電板に外部負荷50を電気的に接続した状態と電気回路としては等価であるため、第1及び第2セパレータ14、16を外部負荷50に電気的に接続した状態を示している。
本実施の形態に係る電解質膜・電極接合体12を具備する単位セル10(燃料電池)は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果について説明する。
燃料電池による発電を行うに際しては、第1セパレータ14の燃料ガス流路40に水素を含有する燃料ガスを供給するとともに、第2セパレータ16の酸化剤ガス流路42に酸素を含有する酸化剤ガスを導入する。燃料ガス、酸化剤ガスの各々の好適な例としては、水素、空気が挙げられる。なお、燃料ガス及び酸化剤ガスは、電解質膜18が乾燥することを防止するべく加湿されている。
燃料ガスは、アノード電極20のガス拡散層24から中間層26を介して電極触媒層28に到達する。燃料ガスに含まれる水素は、該電極触媒層28に含まれる触媒の作用下に電離し、これによりプロトン及び電子が生成する。プロトンは、プロトン伝導体である電解質膜18を伝導することで、カソード電極22の電極触媒層34に移動する。一方、電子は、導線44から取り出され、外部負荷50を付勢する電気エネルギとして機能した後、導線44を経由してカソード電極22に移動する。
一方、酸化剤ガスは、カソード電極22のガス拡散層30から中間層32を介して電極触媒層34に到達する。上記したように、この電極触媒層34には、プロトン及び電子が存在する。このため、酸化剤ガス中の酸素は、電極触媒層34に含まれる触媒の作用下に、プロトン及び電子と反応して水を生成する。
上記したように、本実施の形態では、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量と、ガス拡散層24、30及び中間層26、32からなる積層体の透水圧との積が25〜60kPa・μeq/cmの範囲内、一層好ましくは35〜45kPa・μeq/cmの範囲内である。このため、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量、ひいてはプロトン伝導性が大きいときには、ガス拡散層24、30及び中間層26、32の透水圧、ひいては水分を保持する傾向が小さい。従って、電解質膜18のプロトン伝導性が大きく、含水量が多くなり易い場合においても、水が容易に排出される。従って、フラッディングが起こることを回避することができる。
これとは逆に、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量(プロトン伝導性)が小さいときには、ガス拡散層24、30及び中間層26、32の透水圧が大きくなり、水分を保持する傾向が大きくなる。すなわち、電解質膜18のプロトン伝導性が小さいために含水量が少なくなる場合には、カソード電極22において水が保持されるので、電解質膜18が乾燥することが回避される。従って、電解質膜18のプロトン伝導性が低下する懸念が払拭される。
以上のように、本実施の形態によれば、前記積を所定の範囲内とすることで、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量に応じて、アノード電極20、カソード電極22において、水分の保持又は排出のいずれかが優先的となる。このため、電解質膜・電極接合体12における水分の生成量(及び供給量)と、排出量とのバランスが良好となる。すなわち、電解質膜18が乾燥することを回避しながら、フラッディングが発生することを回避することができる。
その結果、電解質膜18のプロトン伝導性が維持されるとともに、燃料ガス及び酸化剤ガスが電極触媒層28、34の各々に到達することが容易となる。これにより、高温低湿状態及び低温高湿状態の双方において、単位セル10(燃料電池)に優れた発電性能が発現する。
本実施の形態に係る電解質膜・電極接合体12は、以下のようにして製造することができる。
はじめに、電解質膜18の両端面に電極触媒層28、34を設ける。なお、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量は、予め測定しておく。
具体的には、触媒粒子と、イオン伝導性高分子バインダとなるポリマー溶液とを混合することによって、触媒層ペーストを調製する。この触媒層ペーストを、ポリテトラフルオロエチレン等のフィルム上に、触媒が所定量となるように塗布した後、熱処理を施す。これにより、前記フィルム上に電極触媒層28を形成する。
この電極触媒層28を、例えば、デカール法によって電解質膜18に転写する。すなわち、電解質膜18上に電極触媒層28を接触させた後、前記フィルム上から熱圧着を施す。その後、前記フィルムを電極触媒層28から剥離すれば、電極触媒層28が電解質膜18に残留する。
電極触媒層34は、上記と同様にして電解質膜18の残余の他端面に設けることができる。なお、電極触媒層34の触媒量は、電極触媒層28と同一であってもよいし、相違していてもよい。
このようにして電解質膜18の両端面に電極触媒層28、34を設ける一方で、ガス拡散層24と中間層26の積層体、及びガス拡散層30と中間層32との積層体を作製する。
ガス拡散層24、30は、カーボンペーパーやカーボンクロス等の多孔質材からなる基材に撥水性樹脂を含浸させた後、乾燥させることにより得られる。
一方、中間層26、32を得るべく、電子伝導性物質及び撥水性樹脂を溶媒に添加し、中間層ペーストを調製する。この中間層ペーストを、例えば、スクリーン印刷によってガス拡散層24、30の各々の一端面に個別に塗布する。
その後、熱処理を施せば、ガス拡散層24と中間層26とが一体化した積層体、及びガス拡散層30と中間層32とが一体化した積層体が得られる。
なお、中間層ペーストは、中間層26と中間層32とで相違する電子伝導性物質又は撥水性樹脂を用いて調製するようにしてもよいし、それらの配合量を相違させて調製するようにしてもよい。例えば、中間層26の電子伝導性物質としてカーボンブラックを用いる一方で、中間層32の電子伝導性物質として気相成長炭素繊維を用いるようにしてもよい。
ここで、前記積層体は、その透水圧と、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量との積が25〜60kPa・μeq/cm、一層好ましくは35〜45kPa・μeq/cmの範囲内であるものとして作製される。例えば、電解質膜18のイオン交換容量が5μeq/cmである場合、前記積層体の透水圧は5〜12kPa、一層好ましくは7〜9kPaである。
積層体の透水圧は、上記したように、ガス拡散層24、30の細孔径や厚み、撥水性、中間層26、32の厚みや撥水性に応じて相違する。従って、透水圧が上記した範囲内となるように、基材の厚みや細孔径、撥水性樹脂の含浸量、さらには、中間層26、32の厚みや撥水性樹脂の含有量を調整する。
このようにして得た積層体の中間層26を電極触媒層28に接触させるとともに、中間層32を電極触媒層34に接触させ、さらに、熱圧着を施す。これにより、電極触媒層28、34の各々に対して中間層26、32が接合一体化され、電解質膜・電極接合体12が得られるに至る。
なお、上記した実施の形態では、電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量に基づいて、透水圧が所定の範囲内である積層体を作製するようにしているが、これとは逆に、積層体の透水圧に基づいて、単位面積当たりのイオン交換容量が所定の範囲内である電解質膜18を選定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、アノード電極20の中間層26及びガス拡散層24と、カソード電極22の中間層32及びガス拡散層30の双方を、各々の透水圧と電解質膜18の単位面積当たりのイオン交換容量との積が上記した範囲内となるようにしているが、双方とも当該範囲内となるものとする必要は特になく、アノード電極20の中間層26及びガス拡散層24、又はカソード電極22の中間層32及びガス拡散層30のいずれか一方のみが当該範囲内となるものであればよい。特に、電極反応によって水が生成するカソード電極22の中間層32及びガス拡散層30が、当該範囲内となるものであることが好ましい。
[実施例1]
電解質膜として、いわゆるフッ素系樹脂を選定した。この電解質膜の厚みは、24μmであった。また、1cm×1cmの試験片を切り出し、該試験片を1mol/リットルの塩化ナトリウム水溶液に10分間侵漬することで、酸性基中のプロトンをナトリウムに置換した。このナトリウム置換によって遊離したプロトンを含む塩化ナトリウム水溶液に対し、0.05mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定を行い、電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量を求めたところ、5.43μeq/cmであった。
次に、電極触媒層を形成するべく、独国バスフ社製の白金触媒LSA(商品名)と、米国デュポン社製のイオン伝導性ポリマー溶液DE2020CS(商品名)とを、DE2020CS/LSAが重量比で0.1となるように秤量した後、ボールミルで撹拌して混合することにより、触媒ペーストを調製した。
次に、PTFEシート上に、白金の重量が0.4mg/cmとなるように前記触媒ペーストを塗布した。その後、120℃で60分間の熱処理を行うことにより、アノード電極となる第1電極触媒層を作製した。
その一方で、PTFEシート上に、白金の重量が0.7mg/cmとなるように上記触媒ペーストを塗布した。その後、120℃で60分間の熱処理を行うことにより、カソード電極となる第2電極触媒層を作製した。
以上のようにして得た第1及び第2電極触媒層を、前記電解質膜の各端面に接触させた後、熱圧着によって電解質膜の各端面に接合した。その後、第1及び第2電極触媒層からPTFEシートを剥離させた。これにより、両端面に第1及び第2電極触媒層が転写された電解質膜を得た。
また、アノード電極又はカソード電極となるガス拡散層と中間層の積層体を作製した。
先ず、嵩密度が0.31g/cm、厚みが190μmであるカーボンペーパーに、三井・デュポンフロロケミカル社製のFEP 120−JRB Dispersion(FEPの分散液の商品名、固形分濃度54%)を含浸させた後、120℃で30分間乾燥させてガス拡散層を複数個得た。乾燥後のガス拡散層におけるFEPの重量は、カーボンペーパーに対して2.4重量%であった。
なお、ガス拡散層の厚みはカーボンペーパーの厚みに略近似し得るため、以降においては、便宜上、カーボンペーパーの厚みをガス拡散層の厚みとする。
その一方で、米国キャボット社製のバルカンXC72R(カーボンブラックの商品名)を12g秤量し、20gのFEP 120−JRB Dispersion、155gのエチレングリコールとともにボールミルで撹拌して混合することにより、第1の中間層ペーストを調製した。
この第1の中間層ペーストを、前記複数個のガス拡散層中の1個に、スクリーン印刷により塗布した。その後、380℃で30分間の熱処理を行うことにより、前記ガス拡散層上に、1.2mg/cmの第1中間層を形成した。これにより、アノード電極を構成するガス拡散層と第1中間層との第1積層体を得た。
また、電子伝導性と造孔性を兼ね備えたものとして周知の昭和電工社製の気相成長炭素繊維であるVGCFを12g秤量し、20gのFEP 120−JRB Dispersion(商品名)、200gのエチレングリコールとともにボールミルで撹拌して混合することにより、第2の中間層ペーストを調製した。
この第2の中間層ペーストを、前記複数個のガス拡散層中の別の1個に、スクリーン印刷により塗布した。その後、380℃で30分間の熱処理を行うことにより、前記ガス拡散層上に、1.2mg/cmの第2中間層を形成した。これにより、カソード電極を構成するガス拡散層と第2中間層との第2積層体を得た。
この第2積層体から直径25.4mmの円形状試験片を打ち抜き、該試験片を用いて、米国ポーラスマテリアル社製のパームポロメータにて透水圧を測定した。すなわち、試験片を、ガス拡散層を下面、第2中間層を上面にして試料台にセットし、上面である第2中間層に水を滴下した後、コンプレッション圧を250kPa、バブル・フローを2cc/分に設定して自動測定を行った。第2積層体の透水圧は、4.9kPaであった。
すなわち、この場合、電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量と、カソード電極となる第2積層体の透水圧との積は、下記の式(1)の通り、26.6kPa・μeq/cmである。
4.9×5.43=26.6 …(1)
次に、電解質膜に転写された第1電極触媒層に対して第1中間層を接触させるとともに、第2電極触媒層に対して第2中間層を接触させ、120℃、面圧30kgf/cmで熱圧着した。これにより、ガス拡散層、第1中間層及び第1電極触媒層からなるアノード電極と、ガス拡散層、第2中間層及び第2電極触媒層からなるカソード電極とを具備する電解質膜・電極接合体を得た。これを実施例1とする。
[実施例2〜9、比較例1、2]
嵩密度及び厚みが種々相違するカーボンペーパーを用いてガス拡散層を得たことを除いては実施例1と同様にして、積層体の透水圧が相違する電解質膜・電極接合体を得た。透水圧と、電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量との積が25kPa・μeq/cmを下回るものを比較例1、25〜60kPa・μeq/cmの範囲内であるものを実施例2〜9、60kPa・μeq/cmを上回るものを比較例2とする。
[実施例10〜13、比較例3、4]
電解質膜として、厚みが36μmである炭化水素系ポリマーからなるものを選定した。この電解質膜のイオン交換容量を上記と同様にして測定したところ、10.42μeq/cmであった。
この電解質膜を用いたことを除いては実施例1〜9及び比較例1、2と同様にして、積層体の透水圧と電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量との積が種々相違する電解質膜・電極接合体を構成した。積層体の透水圧は、密度及び厚みが種々相違するカーボンペーパーをガス拡散層の基材とすることで調節した。
前記積が25kPa・μeq/cmを下回るものを比較例3、25〜60kPa・μeq/cmの範囲内であるものを実施例10〜13、60kPa・μeq/cmを上回るものを比較例4とする。
[実施例14〜16、比較例5〜7]
電解質膜として、厚みが36μmである炭化水素系ポリマーからなるものを選定した。この電解質膜のイオン交換容量を上記と同様にして測定したところ、13.37μeq/cmであった。
この電解質膜を用いたことを除いては実施例1〜13及び比較例1〜4と同様にして、積層体の透水圧と電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量との積が種々相違する電解質膜・電極接合体を作製した。前記積が25kPa・μeq/cmを下回るものを比較例5、25〜60kPa・μeq/cmの範囲内であるものを実施例14〜16、60kPa・μeq/cmを上回るものを比較例6、7とする。
以上の実施例1〜16及び比較例1〜7の電解質膜・電極接合体における電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量、ガス拡散層の厚み及び嵩密度、積層体の透水圧、前記積の値を纏めて図2に示す。なお、図2では、電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量が同じもの同士に区分するとともに、各区分では、前記積が小さいものから大きいものの順で表記している。
以上の実施例1〜16及び比較例1〜7の電解質膜・電極接合体から図1に示す単位セル10を構成し、54.3cmの第2電極触媒層(カソード電極の触媒層)に対して15kgf/cmの面圧が付与されるようにした。
この単位セルを70℃に昇温するとともに、アノード電極に対し、ストイキ比(供給流量/消費流量)が1.4となるように相対湿度50%の水素を供給し、且つカソード電極に対し、ストイキ比が1.8となるように相対湿度73%の空気を供給して、電流密度を1.25A/cmとしたときのアノード電極とカソード電極との間のセル電圧を測定した。結果を、図2に併せて示すとともに、図3に、前記積を横軸、セル電圧を縦軸とするグラフとして示す。
これら図2及び図3から、前記積が25〜60kPa・μeq/cmの範囲内である実施例1〜16で、その範囲外である比較例1〜7よりも高いセル電圧が得られていることが明らかである。このことから、実施例1〜16において、電解質膜・電極接合体における水分の保持と排出のバランスが良好となり、これにより、電解質膜が乾燥することや、フラッディングが発生することが回避されていると判断される。
図2及び図3からは、前記積が35〜45kPa・μeq/cmの範囲内である実施例3〜6、12、13、15、16において、一層高いセル電圧が得られていることが諒解される。すなわち、前記積を35〜45kPa・μeq/cmの範囲内とすることにより、一層優れた発電性能を示す燃料電池を得ることができる。
10…単位セル 12…電解質膜・電極接合体
14、16…セパレータ 18…電解質膜
20…アノード電極 22…カソード電極
24、30…ガス拡散層 26、32…中間層
28、34…電極触媒層 40…燃料ガス流路
42…酸化剤ガス流路 44…導線
50…外部負荷

Claims (6)

  1. 固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体であって、
    前記アノード電極及び前記カソード電極は、前記電解質膜に近接する側から、電極触媒層と、電子伝導性物質及び撥水性樹脂を含む中間層と、ガス拡散層とを有し、
    前記カソード電極の前記中間層及び前記ガス拡散層の透水圧と、前記電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量との積が、25〜60kPa・μeq/cm2の範囲内であることを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  2. 請求項1記載の電解質膜・電極接合体において、前記カソード電極の前記中間層及び前記ガス拡散層の透水圧と、前記電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量との積が、35〜45kPa・μeq/cm2の範囲内であることを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  3. 固体高分子膜からなる電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持して構成される電解質膜・電極接合体の製造方法であって、
    前記電解質膜の両端面に、電極触媒層を設ける工程と、
    前記電極触媒層の各々に、電子伝導性物質及び撥水性樹脂を含む中間層と、ガス拡散層との積層体を、前記電極触媒層に近接する側からこの順序となるように接合する工程と、
    を有し、
    前記電解質膜と、前記カソード電極の前記積層体として、前記電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量と前記積層体の透水圧との積が、25〜60kPa・μeq/cm2となる組み合わせを選定することを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  4. 請求項記載の製造方法において、前記電解質膜を選定した後、前記カソード電極の前記積層体として、その透水圧を前記電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量と乗じたときの積が25〜60kPa・μeq/cm2となるものを選定することを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  5. 請求項記載の製造方法において、前記カソード電極の前記積層体を選定した後、前記電解質膜として、その単位面積当たりのイオン交換容量を前記積層体の透水圧と乗じたときの積が25〜60kPa・μeq/cm2となるものを選定することを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
  6. 請求項のいずれか1項に記載の製造方法において、前記電解質膜と、前記カソード電極の前記積層体として、前記電解質膜の単位面積当たりのイオン交換容量と前記積層体の透水圧との積が、35〜45kPa・μeq/cm2となる組み合わせを選定することを特徴とする電解質膜・電極接合体の製造方法。
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