JP3843838B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池に関し、特に、プロトン伝導性固体高分子膜を狭持した一対の電極触媒層と、さらにその電極触媒層を外側から挟んだ一対のガス拡散層とで燃料の流路を形成する流路形成部材を備えた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロトン伝導性固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池では、プロトン伝導性固体高分子膜を挟んで一対の電極(酸素極と燃料極)に、水素を含有する燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとをそれぞれ供給することにより、次式で示される化学反応が生じ、電気エネルギーが取出される。
【0003】
カソード反応(酸素極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O
アノード反応(燃料極):H2→2H++2e-
この電気化学反応を行うためには、酸素極側で、反応により生成する水を速やかに排出して酸素極側に酸化ガスを連続的に供給することが必要である。また、プロトン伝導性固体高分子膜が、高いプロトン伝導性を発現するためには、膜が十分に加湿されていることが必要であり、そのため、酸化ガス、燃料ガスは十分に加湿されて供給される。これらの加湿されたガスを燃料極、酸素極側ともにガス流路側から、プロトン伝導性固体高分子膜にまで、むらなく拡散させる必要がある。このように、燃料電池の電極においては、加湿されたガスをプロトン伝導性固体高分子膜にむらなく均一に供給することと、生成された水をガス流路側に効率よく、排出させるという異なる特性を両立することが要求される。
【0004】
従来、この特性を両立する方法として、特開平9−245800号公報、特開2000−251904号公報に示されているように、電極層の部分がプロトン伝導性固体高分子膜側とガス流路側に撥水部を設け、その間を親水部とすることにより、燃料電池での電気化学反応により生じた生成水の一部を撥水部により弾いてプロトン伝導性固体高分子膜に押し戻すことにより、プロトン伝導性固体高分子膜が乾燥することを防止したり、流路形成部材の流路形成部分にかかわる部分とそれ以外の部分とで電極層を形成するガス拡散層のガス透過率を変更させることにより、電極層を形成し燃料電池反応を生ぜしめる触媒層への反応ガスの拡散性を均一化させて高い発電効率を得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−245800号公報は、電極層の部分がプロトン伝導性固体高分子膜側とガス流路側に撥水部を設け、その間を親水部とし燃料電池反応により生じた生成水の一部を撥水部から弾いてプロトン伝導性固体高分子膜に押し戻すことにより、プロトン伝導性固体高分子膜が乾燥することを防止する方法であり、加湿されたガスが流れる流路部分とそれ以外の部分について同様な処理を行っている。このため、ガスに含まれる加湿の水分や燃料電池反応により生成された生成水は電極部分の平面方向で均一にならずに、ガス流路部分にのみ多くなってしまい、プロトン伝導性固体高分子膜に水分が均一に供されない。
【0006】
また、特開2000−251904号公報においては、流路形成部材の流路形成部分にかかわる部分とそれ以外の部分とで電極層を形成するガス拡散層のガス透過率を変更させることにより、電極層を形成し燃料電池反応を生じせしめる触媒層への反応ガスの拡散性を均一化をはかっている。しかしながら、ガス透過率は変更させているが親水処理ないしは撥水処理については特に差を設けていない。このため、加湿されているガスがガス拡散層部分を通過する途中においてガス拡散層の表面に水分が付着してしまい十分にプロトン伝導性固体高分子膜に水分が供給されないという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、加湿されたガス中の加湿水や電気化学反応により生成する水を電極層中に均一に分布させることが行える燃料電池を提案する。
【0008】
第1の発明は、プロトン伝導性の固体高分子膜と、この固体高分子膜を狭持する電極と、この電極と接する面に凹状のガス流路を形成したセパレータとを備え、前記ガス流路に燃料ガスまたは酸化剤ガスを流通させて発電を行う燃料電池において、前記電極は、前記固体高分子膜側に形成された電極触媒層と、セパレータ側に形成されたガス拡散層とからなり、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対する領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対する領域は、撥水性を備え、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対しない領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対しない領域は、親水性を備える。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記ガス拡散層は、積層構造を有し、セパレータ側の層は、撥水性を備えた前記ガス流路と相対する領域と親水性を備えた他の領域とからなり、固体高分子膜側の層は、すべての領域が親水性を備えた領域からなる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、前記電極触媒層とガス拡散層の少なくとも一方は、積層構造を有し、セパレータ側の層は、撥水性を備えた前記ガス流路と相対する領域と親水性を備えた他の領域とからなり、固体高分子膜側の層は、すべての領域が親水性を備えた領域からなる。
【0012】
第4の発明は、これら電極触媒層とガス拡散層の前記ガス流路と相対する領域は、前記ガス流路の入口側ほど撥水性が強く、出口側ほど親水性が強くなるように前記電極を形成する。
【0013】
【発明の効果】
第1の発明は、燃料電池の電極は、固体高分子膜側に形成された電極触媒層と、セパレータ側に形成されたガス拡散層とからなり、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対する領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対する領域は、撥水性を備え、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対しない領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対しない領域は、親水性を備えるように形成した。
【0014】
このような構成を有する燃料電池においては、プロトン伝導性高分子膜と電極触媒層との界面で電気化学反応により生成した水あるいはガス流路を流れるガスに含まれる加湿水は、電極部分へ移動する。移動した生成水あるいは加湿水は撥水部分でははじかれ、親水部分に選択的に移動していく。本発明においては、ガス流路に相対する電極の領域を撥水性を有するように処理し、それ以外の部分は親水性を有する処理を行っている。このため、ガス流路から流入した加湿水あるいは電気化学反応で生じた生成水は撥水処理を行った部分で弾かれ、ガス流路に相対する部分以外の親水領域に移動していく。このため、電極においては平面状での水分の分布が均一となり固体高分子膜への水分供給および、ガス流路への水の排出も均一化され、発電性能の向上あるいは信頼性を向上させることができる。
【0015】
第2の発明においては、電極触媒層とガス拡散層の少なくとも一方は、積層構造を有し、セパレータ側の層は、撥水性を備えた前記ガス流路と相対する領域と親水性を備えた他の領域とからなり、固体高分子膜側の層は、すべての領域が親水性を備えた領域からなるため、ガスの流路から流入する加湿水は、電極部分の全体が親水性となっている部分により拡散し、速やかに電極部分での水分分布の均一化をはかることができる。
【0017】
第4の発明では、電極触媒層とガス拡散層のガス流路と相対する領域は、前記ガス流路の入口側ほど撥水性が強く、出口側ほど親水性が強くなるように前記電極を形成する。これにより、加湿されたガスはガス流路の入口部分では、より撥水性の高い電極部分と接触し、より親水性の高いガス出口方向へと加湿水が移動する。このため、ガス流路の入口と出口部分での電極部分の水分分布が均一化され、プロトン伝導性高分子膜への水分供給も均一に行われ電性能の向上あるいは信頼性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す燃料電池の発電部の構成を示す断面図である。プロトン伝導性固体高分子電解質膜(以下、高分子膜という)1を挟んで、その両側に電極触媒層3が、配置されている。さらにこの電極触媒層3の両外側にガス拡散層4を配置する。電極触媒層3とガス拡散層4とが燃料電池の電極5を形成する。さらにその外側に燃料ガスまたは酸化ガスが流通するガス流路6を形成したセパレータ板7を配置している。図2は、同様な燃料電池用電極5の平面を高分子膜側より見た構成を示す図である。ガス流路形成部材であるセパレータ板7には、溝8が構成され、燃料ガス及び酸化ガスを形成された溝8に沿って流通可能としている。そのガス流路6を覆う形で電極5が配置されている。
【0019】
次に、高分子膜1の両側に配した電極触媒層3の調製方法について、説明する。粒径が数ミクロン以下のカーボンブラック粒子に塩化白金酸溶液を用いて、白金を含浸担持させる。この時に、白金を還元した状態とするため、還元処理を行う。この時の白金の担持量は、例えば調整後に50重量%となるように調製した。調製した白金担持カーボンブラック粉末を用いて、高分子電解質、アルコール溶液、水とを用いて親水性のカーボンブラックスラリーと、フッ素樹脂粉末の水性ディスバージョン、高分子電解質、アルコール溶液、水とを用いて撥水性のカーボンブラックスラリーを調製した。この調製した親水性カーボンブラックと撥水性カーボンブラックを用いて、高分子膜1の表面に飛沫状にして、塗布を行い、電極触媒層3を形成する。この時に、セパレータ板7の燃料ガス等のガスが流通するガス流路6と対面する撥水部分(以下、撥水領域3aという。図1において斜線部で示す。以下、他の図面においても斜線部は撥水領域を示す。)には撥水性カーボンブラックスラリーを塗布し、それ以外の領域(親水領域)3bについては親水性カーボンブラックスラリーを塗布するようにする。
【0020】
次にガス拡散層4の撥水処理について説明する。厚さ400ミクロンのカーボン不織布の電極触媒層3側に、撥水処理を施したいセパレータ板7のガス流路6に面する部分を切り欠いたパターンをかぶせ、電極触媒層3側からフッ素樹脂粉末の水性ディスバージョンを飛沫状にして塗布する。この時に、フッ素樹脂粉末の水性ディスバージョンを塗布するのと同時に、ガス流路6側から真空ポンプにより空気を吸い込んでカーボン不織布の断面方向へのフッ素樹脂粉末の拡散させて、断面方向について撥水剤が均一に行き渡るようにしてもよい。このようにしてフッ素樹脂粉末を付着させた、カーボン不織布を乾燥後、400℃で熱処理してガス拡散層4を形成する。
【0021】
このようにして調製した、ガス拡散層4を、高分子膜1にカーボンブラックを塗布して形成された電極触媒層3にのせ、温度140℃、圧力100kgf/cm2で90秒間ホットプレスして、接合一体化をはかる。電極触媒層3とガス拡散層4とを接合一体化した燃料電池用の電極5を用い、その両側からガス流路6を有するセパレータ板7で挟み、燃料電池の単電池を得た。
【0022】
このようにして形成された単電池の特性評価を行った。特性評価は、電流密度を0から1.2A/cm2まで流し、その時の電圧変化を測定して、図3に示す燃料電池単セルのI−V特性を得た。電極触媒層のカーボンブラックスラリーとして、撥水性のカーボンブラックスラリーのみを用いたもの(図3中の比較例1)と比較すると、電流密度が高くなるほど本発明の単セルの出力電圧(実施例1で示す)が比較例1より向上していることが明らかである。
【0023】
次に作用について説明する。
【0024】
高分子膜1と電極触媒層3との界面で電気化学反応により生成した水あるいはガス流路6を流れるガス(燃料ガスまたは酸化ガス)に含まれる加湿水は、電極9内へ移動する。移動した生成水あるいは加湿水は電極触媒層3あるいはガス拡散層4の撥水領域3aで弾かれ、親水領域3bに選択的に移動、拡散していく。
【0025】
本発明においては、セパレータ板7のガス流路6に対面する領域3aに撥水性を有するように処理し、それ以外の領域3bは親水性を有する処理を行っている。したがって、ガス流路6から流入した加湿水あるいは電気化学反応により生成した生成水は、撥水処理を施した領域3aで弾かれ、ガス流路6に対面する部分以外の親水領域3bに移動していく。このため、電極部分においては平面状での水分の分布が均一となり高分子膜1への水分供給および、ガス流路6への水の排出も均一化され、燃料電池の発電性能の向上あるいは信頼性を向上させることができる。
【0026】
図4は第2の実施形態を示す構成図であり、図1に示す第1の実施形態の構成に対して、ガス拡散層4を2層構造にし、ガス流路6側のガス拡散層4Aは第1の実施形態のガス拡散層4と同様の構成としつつ、高分子膜1側のガス拡散層4Bは、その全面を親水性カーボン不織布を用いて親水性とした構成を有するようにしたものである。
【0027】
したがって、ガス流路6側の電極部分に対峙して撥水性、それ以外で親水性を有するガス拡散層4Aを形成させ、さらにその高分子膜1側に全面を親水性としたガス拡散層4Bを設けているため、ガス流路6から流入する加湿水は、電極部分の全体が親水性となっているガス拡散層4Bにより拡散し、速やかに電極部分での水分分布の均一化をはかることができる。
【0028】
図5は第3の実施形態の構成を示す図であり、本実施形態は、第2の実施形態に対して、電極触媒層3を2層とした点が異なる。すなわち、2層の電極触媒層のうち、ガス拡散層4側の電極触媒層3Aの構成は、第2の実施形態の電極触媒層3と同様であり、高分子膜1側の電極触媒層3Bは、その全面を親水性カーボンブラックを塗布して親水性として形成されている。
【0029】
したがって、第2の実施形態に比して、より一層速やかに電極部分での水分分布の均一化をはかることができる。
【0030】
図6は、第4の実施形態の構成を説明する図であり、本実施形態は、第2の実施形態に対して、電極触媒層3の構成を変更したものである。すなわち、電極触媒層3を撥水性カーボンスラリーによってのみ形成したものである。
【0031】
前記のガス拡散層の2層構造に加えて、高分子膜1側に全面が撥水性となる電極触媒層3を設けることにより、高分子膜1において生成した生成水も撥水性の領域から親水性の領域に移動し、より電極部分での水分布の均一化をはかることが可能となる。
【0032】
図7は、第1から第4の実施形態の構成を用いて、燃料電池内のガス流路6に対面する電極触媒層3とガス拡散層4の撥水性を有する領域と親水性を有する領域の比率をガスの入口側ほど、撥水性を有する領域の割合を高く(例えば、発生性領域7:親水性領域3)、下流側ほど親水性を有する領域の割合を高くするように(図7では中央部で5:5、下流部で3:7)構成したものを説明する図である(第5の実施形態)。電極触媒層3での撥水性と親水性の割合の調整は、撥水性カーボンブラックスラリーと親水性カーボンブラックスラリーとの高分子膜1への塗布量を制御することで可能であり、一方、ガス拡散層4での撥水性と親水性の割合の調整は、撥水剤であるフッ素樹脂粉末の水性ディスパージョンの塗布量を制御することで可能である。
【0033】
したがって、ガス流路6の入口方向から出口方向に向けて電極部分でガス流路6に対面する部分での撥水性/親水性の比率を減少させることにより、加湿されたガスは、ガス流路6の入口部分では、より撥水性の高い電極部分と接触し、より親水性の高いガス出口方向へと加湿水が移動する。このため、ガス流路の入口と出口部分での電極部分の水分分布が均一化され、高分子膜1への水分供給も均一に行われ発電性能の向上あるいは信頼性を向上させることができる。
【0034】
なお、これまでの実施形態において、ガス拡散層4を形成するためにカーボン不織布を用いたが、これに限られず、例えば、カーボンペーパ(第6の実施形態)やカーボン繊維(第7の実施形態)を用いて調製することも可能である。
【0035】
カーボン繊維からカーボン不織布を調製する場合には、撥水性のカーボン繊維としてのフッ素樹脂粉末の水性ディスパージョンを付着させたカーボン繊維と、親水性のカーボン繊維としてフッ素樹脂粉末の水性ディスパージョンを付着させないカーボン樹脂とを、それぞれ二次平面内で無作為に配向させてカーボン不織布を形成する。
【0036】
二次平面内で無作為に配向させる方法としては、液体の媒体中にカーボン繊維を分散させて製造する湿式法や、空気中でカーボン繊維を分散させて降り積もらせる乾式法を用いることができる。そして、撥水領域と親水領域との割合は、撥水性のカーボン繊維と親水性のカーボン繊維との比率を調整することで制御可能である。このようにして、電気化学反応で生成された水やガス中の加湿水の燃料電池内での分布を均一にすることができ、発電効率を向上することができる。
【0037】
これまで説明してきた実施形態毎の出力特性を測定した結果を表1に示す。この結果の評価条件は、電極の面積が25cm2である単セルを用いてセル温度80℃、水素ガスおよび酸化ガスとして空気を用いた。加湿条件は、水素ガス、空気ガス側とも100%とした。
【0038】
【表1】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す燃料電池の発電部の構成を示す断面図である。
【図2】燃料電池用電極の平面を高分子膜側より見た構成を示す図である。
【図3】燃料電池単セルのI−V特性図である。
【図4】第2の実施形態の図1に対応する部分を示す構成図である。
【図5】第3の実施形態の図1に対応する部分を示す構成図である。
【図6】第4の実施形態の図1に対応する部分を示す構成図である。
【図7】第5の実施形態の図2に対応する部分を示す構成図である。
【符号の説明】
1 高分子膜
3 電極触媒層
4 ガス拡散層
5 電極
6 ガス流路
7 セパレータ板
8 溝
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池に関し、特に、プロトン伝導性固体高分子膜を狭持した一対の電極触媒層と、さらにその電極触媒層を外側から挟んだ一対のガス拡散層とで燃料の流路を形成する流路形成部材を備えた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロトン伝導性固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池では、プロトン伝導性固体高分子膜を挟んで一対の電極(酸素極と燃料極)に、水素を含有する燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとをそれぞれ供給することにより、次式で示される化学反応が生じ、電気エネルギーが取出される。
【0003】
カソード反応(酸素極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O
アノード反応(燃料極):H2→2H++2e-
この電気化学反応を行うためには、酸素極側で、反応により生成する水を速やかに排出して酸素極側に酸化ガスを連続的に供給することが必要である。また、プロトン伝導性固体高分子膜が、高いプロトン伝導性を発現するためには、膜が十分に加湿されていることが必要であり、そのため、酸化ガス、燃料ガスは十分に加湿されて供給される。これらの加湿されたガスを燃料極、酸素極側ともにガス流路側から、プロトン伝導性固体高分子膜にまで、むらなく拡散させる必要がある。このように、燃料電池の電極においては、加湿されたガスをプロトン伝導性固体高分子膜にむらなく均一に供給することと、生成された水をガス流路側に効率よく、排出させるという異なる特性を両立することが要求される。
【0004】
従来、この特性を両立する方法として、特開平9−245800号公報、特開2000−251904号公報に示されているように、電極層の部分がプロトン伝導性固体高分子膜側とガス流路側に撥水部を設け、その間を親水部とすることにより、燃料電池での電気化学反応により生じた生成水の一部を撥水部により弾いてプロトン伝導性固体高分子膜に押し戻すことにより、プロトン伝導性固体高分子膜が乾燥することを防止したり、流路形成部材の流路形成部分にかかわる部分とそれ以外の部分とで電極層を形成するガス拡散層のガス透過率を変更させることにより、電極層を形成し燃料電池反応を生ぜしめる触媒層への反応ガスの拡散性を均一化させて高い発電効率を得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−245800号公報は、電極層の部分がプロトン伝導性固体高分子膜側とガス流路側に撥水部を設け、その間を親水部とし燃料電池反応により生じた生成水の一部を撥水部から弾いてプロトン伝導性固体高分子膜に押し戻すことにより、プロトン伝導性固体高分子膜が乾燥することを防止する方法であり、加湿されたガスが流れる流路部分とそれ以外の部分について同様な処理を行っている。このため、ガスに含まれる加湿の水分や燃料電池反応により生成された生成水は電極部分の平面方向で均一にならずに、ガス流路部分にのみ多くなってしまい、プロトン伝導性固体高分子膜に水分が均一に供されない。
【0006】
また、特開2000−251904号公報においては、流路形成部材の流路形成部分にかかわる部分とそれ以外の部分とで電極層を形成するガス拡散層のガス透過率を変更させることにより、電極層を形成し燃料電池反応を生じせしめる触媒層への反応ガスの拡散性を均一化をはかっている。しかしながら、ガス透過率は変更させているが親水処理ないしは撥水処理については特に差を設けていない。このため、加湿されているガスがガス拡散層部分を通過する途中においてガス拡散層の表面に水分が付着してしまい十分にプロトン伝導性固体高分子膜に水分が供給されないという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、加湿されたガス中の加湿水や電気化学反応により生成する水を電極層中に均一に分布させることが行える燃料電池を提案する。
【0008】
第1の発明は、プロトン伝導性の固体高分子膜と、この固体高分子膜を狭持する電極と、この電極と接する面に凹状のガス流路を形成したセパレータとを備え、前記ガス流路に燃料ガスまたは酸化剤ガスを流通させて発電を行う燃料電池において、前記電極は、前記固体高分子膜側に形成された電極触媒層と、セパレータ側に形成されたガス拡散層とからなり、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対する領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対する領域は、撥水性を備え、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対しない領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対しない領域は、親水性を備える。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記ガス拡散層は、積層構造を有し、セパレータ側の層は、撥水性を備えた前記ガス流路と相対する領域と親水性を備えた他の領域とからなり、固体高分子膜側の層は、すべての領域が親水性を備えた領域からなる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、前記電極触媒層とガス拡散層の少なくとも一方は、積層構造を有し、セパレータ側の層は、撥水性を備えた前記ガス流路と相対する領域と親水性を備えた他の領域とからなり、固体高分子膜側の層は、すべての領域が親水性を備えた領域からなる。
【0012】
第4の発明は、これら電極触媒層とガス拡散層の前記ガス流路と相対する領域は、前記ガス流路の入口側ほど撥水性が強く、出口側ほど親水性が強くなるように前記電極を形成する。
【0013】
【発明の効果】
第1の発明は、燃料電池の電極は、固体高分子膜側に形成された電極触媒層と、セパレータ側に形成されたガス拡散層とからなり、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対する領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対する領域は、撥水性を備え、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対しない領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対しない領域は、親水性を備えるように形成した。
【0014】
このような構成を有する燃料電池においては、プロトン伝導性高分子膜と電極触媒層との界面で電気化学反応により生成した水あるいはガス流路を流れるガスに含まれる加湿水は、電極部分へ移動する。移動した生成水あるいは加湿水は撥水部分でははじかれ、親水部分に選択的に移動していく。本発明においては、ガス流路に相対する電極の領域を撥水性を有するように処理し、それ以外の部分は親水性を有する処理を行っている。このため、ガス流路から流入した加湿水あるいは電気化学反応で生じた生成水は撥水処理を行った部分で弾かれ、ガス流路に相対する部分以外の親水領域に移動していく。このため、電極においては平面状での水分の分布が均一となり固体高分子膜への水分供給および、ガス流路への水の排出も均一化され、発電性能の向上あるいは信頼性を向上させることができる。
【0015】
第2の発明においては、電極触媒層とガス拡散層の少なくとも一方は、積層構造を有し、セパレータ側の層は、撥水性を備えた前記ガス流路と相対する領域と親水性を備えた他の領域とからなり、固体高分子膜側の層は、すべての領域が親水性を備えた領域からなるため、ガスの流路から流入する加湿水は、電極部分の全体が親水性となっている部分により拡散し、速やかに電極部分での水分分布の均一化をはかることができる。
【0017】
第4の発明では、電極触媒層とガス拡散層のガス流路と相対する領域は、前記ガス流路の入口側ほど撥水性が強く、出口側ほど親水性が強くなるように前記電極を形成する。これにより、加湿されたガスはガス流路の入口部分では、より撥水性の高い電極部分と接触し、より親水性の高いガス出口方向へと加湿水が移動する。このため、ガス流路の入口と出口部分での電極部分の水分分布が均一化され、プロトン伝導性高分子膜への水分供給も均一に行われ電性能の向上あるいは信頼性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す燃料電池の発電部の構成を示す断面図である。プロトン伝導性固体高分子電解質膜(以下、高分子膜という)1を挟んで、その両側に電極触媒層3が、配置されている。さらにこの電極触媒層3の両外側にガス拡散層4を配置する。電極触媒層3とガス拡散層4とが燃料電池の電極5を形成する。さらにその外側に燃料ガスまたは酸化ガスが流通するガス流路6を形成したセパレータ板7を配置している。図2は、同様な燃料電池用電極5の平面を高分子膜側より見た構成を示す図である。ガス流路形成部材であるセパレータ板7には、溝8が構成され、燃料ガス及び酸化ガスを形成された溝8に沿って流通可能としている。そのガス流路6を覆う形で電極5が配置されている。
【0019】
次に、高分子膜1の両側に配した電極触媒層3の調製方法について、説明する。粒径が数ミクロン以下のカーボンブラック粒子に塩化白金酸溶液を用いて、白金を含浸担持させる。この時に、白金を還元した状態とするため、還元処理を行う。この時の白金の担持量は、例えば調整後に50重量%となるように調製した。調製した白金担持カーボンブラック粉末を用いて、高分子電解質、アルコール溶液、水とを用いて親水性のカーボンブラックスラリーと、フッ素樹脂粉末の水性ディスバージョン、高分子電解質、アルコール溶液、水とを用いて撥水性のカーボンブラックスラリーを調製した。この調製した親水性カーボンブラックと撥水性カーボンブラックを用いて、高分子膜1の表面に飛沫状にして、塗布を行い、電極触媒層3を形成する。この時に、セパレータ板7の燃料ガス等のガスが流通するガス流路6と対面する撥水部分(以下、撥水領域3aという。図1において斜線部で示す。以下、他の図面においても斜線部は撥水領域を示す。)には撥水性カーボンブラックスラリーを塗布し、それ以外の領域(親水領域)3bについては親水性カーボンブラックスラリーを塗布するようにする。
【0020】
次にガス拡散層4の撥水処理について説明する。厚さ400ミクロンのカーボン不織布の電極触媒層3側に、撥水処理を施したいセパレータ板7のガス流路6に面する部分を切り欠いたパターンをかぶせ、電極触媒層3側からフッ素樹脂粉末の水性ディスバージョンを飛沫状にして塗布する。この時に、フッ素樹脂粉末の水性ディスバージョンを塗布するのと同時に、ガス流路6側から真空ポンプにより空気を吸い込んでカーボン不織布の断面方向へのフッ素樹脂粉末の拡散させて、断面方向について撥水剤が均一に行き渡るようにしてもよい。このようにしてフッ素樹脂粉末を付着させた、カーボン不織布を乾燥後、400℃で熱処理してガス拡散層4を形成する。
【0021】
このようにして調製した、ガス拡散層4を、高分子膜1にカーボンブラックを塗布して形成された電極触媒層3にのせ、温度140℃、圧力100kgf/cm2で90秒間ホットプレスして、接合一体化をはかる。電極触媒層3とガス拡散層4とを接合一体化した燃料電池用の電極5を用い、その両側からガス流路6を有するセパレータ板7で挟み、燃料電池の単電池を得た。
【0022】
このようにして形成された単電池の特性評価を行った。特性評価は、電流密度を0から1.2A/cm2まで流し、その時の電圧変化を測定して、図3に示す燃料電池単セルのI−V特性を得た。電極触媒層のカーボンブラックスラリーとして、撥水性のカーボンブラックスラリーのみを用いたもの(図3中の比較例1)と比較すると、電流密度が高くなるほど本発明の単セルの出力電圧(実施例1で示す)が比較例1より向上していることが明らかである。
【0023】
次に作用について説明する。
【0024】
高分子膜1と電極触媒層3との界面で電気化学反応により生成した水あるいはガス流路6を流れるガス(燃料ガスまたは酸化ガス)に含まれる加湿水は、電極9内へ移動する。移動した生成水あるいは加湿水は電極触媒層3あるいはガス拡散層4の撥水領域3aで弾かれ、親水領域3bに選択的に移動、拡散していく。
【0025】
本発明においては、セパレータ板7のガス流路6に対面する領域3aに撥水性を有するように処理し、それ以外の領域3bは親水性を有する処理を行っている。したがって、ガス流路6から流入した加湿水あるいは電気化学反応により生成した生成水は、撥水処理を施した領域3aで弾かれ、ガス流路6に対面する部分以外の親水領域3bに移動していく。このため、電極部分においては平面状での水分の分布が均一となり高分子膜1への水分供給および、ガス流路6への水の排出も均一化され、燃料電池の発電性能の向上あるいは信頼性を向上させることができる。
【0026】
図4は第2の実施形態を示す構成図であり、図1に示す第1の実施形態の構成に対して、ガス拡散層4を2層構造にし、ガス流路6側のガス拡散層4Aは第1の実施形態のガス拡散層4と同様の構成としつつ、高分子膜1側のガス拡散層4Bは、その全面を親水性カーボン不織布を用いて親水性とした構成を有するようにしたものである。
【0027】
したがって、ガス流路6側の電極部分に対峙して撥水性、それ以外で親水性を有するガス拡散層4Aを形成させ、さらにその高分子膜1側に全面を親水性としたガス拡散層4Bを設けているため、ガス流路6から流入する加湿水は、電極部分の全体が親水性となっているガス拡散層4Bにより拡散し、速やかに電極部分での水分分布の均一化をはかることができる。
【0028】
図5は第3の実施形態の構成を示す図であり、本実施形態は、第2の実施形態に対して、電極触媒層3を2層とした点が異なる。すなわち、2層の電極触媒層のうち、ガス拡散層4側の電極触媒層3Aの構成は、第2の実施形態の電極触媒層3と同様であり、高分子膜1側の電極触媒層3Bは、その全面を親水性カーボンブラックを塗布して親水性として形成されている。
【0029】
したがって、第2の実施形態に比して、より一層速やかに電極部分での水分分布の均一化をはかることができる。
【0030】
図6は、第4の実施形態の構成を説明する図であり、本実施形態は、第2の実施形態に対して、電極触媒層3の構成を変更したものである。すなわち、電極触媒層3を撥水性カーボンスラリーによってのみ形成したものである。
【0031】
前記のガス拡散層の2層構造に加えて、高分子膜1側に全面が撥水性となる電極触媒層3を設けることにより、高分子膜1において生成した生成水も撥水性の領域から親水性の領域に移動し、より電極部分での水分布の均一化をはかることが可能となる。
【0032】
図7は、第1から第4の実施形態の構成を用いて、燃料電池内のガス流路6に対面する電極触媒層3とガス拡散層4の撥水性を有する領域と親水性を有する領域の比率をガスの入口側ほど、撥水性を有する領域の割合を高く(例えば、発生性領域7:親水性領域3)、下流側ほど親水性を有する領域の割合を高くするように(図7では中央部で5:5、下流部で3:7)構成したものを説明する図である(第5の実施形態)。電極触媒層3での撥水性と親水性の割合の調整は、撥水性カーボンブラックスラリーと親水性カーボンブラックスラリーとの高分子膜1への塗布量を制御することで可能であり、一方、ガス拡散層4での撥水性と親水性の割合の調整は、撥水剤であるフッ素樹脂粉末の水性ディスパージョンの塗布量を制御することで可能である。
【0033】
したがって、ガス流路6の入口方向から出口方向に向けて電極部分でガス流路6に対面する部分での撥水性/親水性の比率を減少させることにより、加湿されたガスは、ガス流路6の入口部分では、より撥水性の高い電極部分と接触し、より親水性の高いガス出口方向へと加湿水が移動する。このため、ガス流路の入口と出口部分での電極部分の水分分布が均一化され、高分子膜1への水分供給も均一に行われ発電性能の向上あるいは信頼性を向上させることができる。
【0034】
なお、これまでの実施形態において、ガス拡散層4を形成するためにカーボン不織布を用いたが、これに限られず、例えば、カーボンペーパ(第6の実施形態)やカーボン繊維(第7の実施形態)を用いて調製することも可能である。
【0035】
カーボン繊維からカーボン不織布を調製する場合には、撥水性のカーボン繊維としてのフッ素樹脂粉末の水性ディスパージョンを付着させたカーボン繊維と、親水性のカーボン繊維としてフッ素樹脂粉末の水性ディスパージョンを付着させないカーボン樹脂とを、それぞれ二次平面内で無作為に配向させてカーボン不織布を形成する。
【0036】
二次平面内で無作為に配向させる方法としては、液体の媒体中にカーボン繊維を分散させて製造する湿式法や、空気中でカーボン繊維を分散させて降り積もらせる乾式法を用いることができる。そして、撥水領域と親水領域との割合は、撥水性のカーボン繊維と親水性のカーボン繊維との比率を調整することで制御可能である。このようにして、電気化学反応で生成された水やガス中の加湿水の燃料電池内での分布を均一にすることができ、発電効率を向上することができる。
【0037】
これまで説明してきた実施形態毎の出力特性を測定した結果を表1に示す。この結果の評価条件は、電極の面積が25cm2である単セルを用いてセル温度80℃、水素ガスおよび酸化ガスとして空気を用いた。加湿条件は、水素ガス、空気ガス側とも100%とした。
【0038】
【表1】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す燃料電池の発電部の構成を示す断面図である。
【図2】燃料電池用電極の平面を高分子膜側より見た構成を示す図である。
【図3】燃料電池単セルのI−V特性図である。
【図4】第2の実施形態の図1に対応する部分を示す構成図である。
【図5】第3の実施形態の図1に対応する部分を示す構成図である。
【図6】第4の実施形態の図1に対応する部分を示す構成図である。
【図7】第5の実施形態の図2に対応する部分を示す構成図である。
【符号の説明】
1 高分子膜
3 電極触媒層
4 ガス拡散層
5 電極
6 ガス流路
7 セパレータ板
8 溝
Claims (4)
- プロトン伝導性の固体高分子膜と、
この固体高分子膜を狭持する電極と、
この電極と接する面に凹状のガス流路を形成したセパレータとを備え、
前記ガス流路に燃料ガスまたは酸化剤ガスを流通させて発電を行う燃料電池において、
前記電極は、前記固体高分子膜側に形成された電極触媒層と、セパレータ側に形成されたガス拡散層とからなり、
前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対する領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対する領域は、撥水性を備え、前記電極触媒層の、触媒を担持し、かつ、前記ガス流路と相対しない領域と、前記ガス拡散層の前記ガス流路と相対しない領域は、親水性を備えることを特徴とする燃料電池。 - 前記ガス拡散層は、積層構造を有し、セパレータ側の層は、撥水性を備えた前記ガス流路と相対する領域と親水性を備えた他の領域とからなり、固体高分子膜側の層は、すべての領域が親水性を備えた領域からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 前記電極触媒層とガス拡散層の少なくとも一方は、積層構造を有し、セパレータ側の層は、撥水性を備えた前記ガス流路と相対する領域と親水性を備えた他の領域とからなり、固体高分子膜側の層は、すべての領域が親水性を備えた領域からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 電極触媒層とガス拡散層の前記ガス流路と相対する領域は、前記ガス流路の入口側ほど撥水性が強く、出口側ほど親水性が強くなるように前記電極を形成する請求項1に記載の燃料電池。
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