JP4234944B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯機器などの電源として利用可能な小型の燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯機器の電源として利用可能な小型の燃料電池が各所で研究開発されており、この種の燃料電池としては、固体高分子型燃料電池(PEFC)や、メタノールを燃料電池セルに供給する直接メタノール型燃料電池(DMFC)などが提案されている。
【0003】
ここにおいて、固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池システムでは、メタノールを水素に改質する燃料改質器が必要なのに対して、直接メタノール型燃料電池を用いた燃料電池システムでは燃料改質器が不要なのでシステムの小型化の点で有利である。しかしながら、メタノール濃度が高いとメタノールが燃料電池の固体電解質膜を通り抜けて燃料電池の電圧が低下してしまうので、メタノールを希釈して供給することも考えられている。また、直接メタノール型燃料電池では、燃料極において二酸化炭素が発生するので二酸化炭素を取り除くための二酸化炭素除去手段を設ける必要がある。
【0004】
また、これらの燃料電池システムにおいては、燃料電池セルへ燃料を供給する燃料供給装置が燃料供給路を介して燃料電池セルと接続されており、燃料供給路を通る燃料の供給量を制御するバルブが燃料供給路上に配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来構成の燃料電池システムは、それぞれ個別部品である燃料供給装置、燃料供給路、バルブ、燃料電池セル、二酸化炭素除去手段などを組み合わせて構成されており、部品点数が多く、燃料電池システムの小型化が難しいという問題があった。また、燃料電池セルへ微量(例えば、数μl/min)の液体燃料を供給する場合に、燃料供給路のデッドボリュームによって燃料電池セルへ液体燃料を安定して供給することができないことがあった。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、燃料電池システムの小型化を図れる燃料電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、少なくとも、燃料電池セルと、燃料電池セルへの燃料供給路と、燃料供給路を通る液体燃料の供給量を調節するマイクロバルブとが同一基体に集積化されてなることを特徴とするものであり、燃料電池システムの小型化および軽量化を図ることができ、また、燃料供給路を短くできるので、デッドボリュームを少なくできて微量な液体燃料を燃料電池セルへ安定して供給することができる。また、燃料電池セルと燃料供給路とを接合する作業が不要になるという利点がある。また、請求項1の発明は、水素イオンの伝導性を有するイオン伝導膜を厚み方向の両側に設けた一対の触媒電極で挟んだ複数の燃料電池セルが2次元アレイ状に配列された燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールの一面側に気液分離膜を介して配設された燃料極側基板と、燃料電池モジュールの他面側に配設された空気極側基板とを備え、燃料電池モジュールが、前記複数の燃料電池セルと、前記複数の燃料電池セルを保持する保持体と、保持体の厚み方向の両面に跨って保持体に一体に設けられ燃料電池セル間を直列に接続するセル間接続端子とを備え、保持体と気液分離膜と燃料極側基板と空気極側基板とで基体を構成していることを特徴とするものであり、基体が複数種類の材料により形成されているので、各構成要素それぞれの特性や製造時の加工性に適した材料を用いることで製造が容易になる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記燃料供給路が、複数種類の液体燃料を個別に導入する個別燃料導入部と各個別燃料導入部を通して導入される複数種類の液体燃料を混合させ前記燃料電池セルへ供給する混合液体燃料を得る混合部とを有し、前記マイクロバルブが前記個別燃料導入部ごとに設けられているので、燃料電池システムの小型化を図りながらも燃料電池セルの燃料として複数種類の液体燃料を混合した混合液体燃料を用いることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記混合液体燃料の濃度を検出する濃度センサが前記基体に集積化されているので、前記濃度センサの出力に応じて前記マイクロバルブを制御するようにした燃料電池システムの構築が可能となり、しかも、前記混合液体燃料の濃度を検出する濃度センサを設けながらも燃料電池システムの大型化を防止することができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記濃度センサの出力が規定範囲内の規定値に近づくように前記各マイクロバルブを制御する制御手段を備えるので、前記混合液体燃料の濃度が規定値にほぼ等しくなるように調節することができ、前記燃料電池セルの出力を安定化することが可能になる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記燃料電池セルの出力が所望範囲内の目標値に近づくように前記マイクロバルブを制御する制御手段を備えるので、負荷変動に応じて前記燃料電池セルの出力を所望の目標値に調節することができる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明において、前記制御手段が前記基体に集積化されているので、前記制御手段を前記基体とは別途に設ける場合に比べて燃料電池システムの小型化を図ることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記燃料電池セルへ供給される液体燃料が液体有機燃料を含み、前記燃料電池セルで発生した二酸化炭素を外部へ排出する排出部が前記基体に形成されているので、前記燃料電池セルで発生した二酸化炭素を前記基体に形成された放出部を通して外部へ排出することができ、前記燃料電池セルの出力低下を防ぐことができる。しかも、二酸化炭素を外部へ排出する排出部が前記基体に一体化されているので、前記燃料電池セルにおいて二酸化炭素が発生する部位と排出部とを近づけることができ、ポンプなどを用いることなしに、二酸化炭素の排出を効率良く行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本実施形態の燃料電池は、例えば携帯機器の電源として利用可能な小型燃料電池であって、図1(a),(b)に示すように、4つの燃料電池セル10が2次元アレイ状に配列された燃料電池モジュール1を備えている。すなわち、燃料電池セル10は、図1(a)における上下方向および左右方向に2つずつ配列されている。なお、各燃料電池セル10は、メタノール水溶液を燃料とする直接メタノール形燃料電池セルである。
【0016】
燃料電池モジュール1は、図2に示すように、全体としての外形が正方形状に形成されており、それぞれ外形が正方形状に形成された4つの燃料電池セル10と、4つの燃料電池セル10を保持する格子枠状の保持体16とを備えている。ここに、保持体16は絶縁性および弾性を有する合成樹脂により形成されている。
【0017】
各燃料電池セル10は、水素イオンの伝導性の高い固体高分子膜からなるイオン伝導膜11を厚み方向の両側に設けた一対の触媒電極12,13で挟んだ構成になっており、図1(b)においてイオン伝導膜11の上側に形成された触媒電極12が燃料極を構成し、イオン伝導膜11の下側に形成された触媒電極13が空気極を構成している。なお、各触媒電極12,13の外形は正方形状に形成されている。
【0018】
ところで、燃料電池モジュール1は、アルミニウムのような導電性の高い材料により形成したテープ状の2つのリード端子14およびアルミニウムのような導電性の高い材料により形成した3つのセル間接続端子15が保持体16に一体に設けられており、3つのセル間接続端子15を利用して4つの燃料電池セル10を直列に接続し、一方のリード端子14(図2(a)における右側のリード端子14)の一端部が4つの燃料電池セル10の直列回路の負極側に接続され、他方のリード端子14(図2(a)における左側のリード端子14)の一端部が4つの燃料電池セル10の直列回路の正極側に接続されるようになっている。ここにおいて、2つのリード端子14の各他端部は保持体6の外部に引き出されている。また、セル間接続端子15は、断面コ字状に形成され、保持体16の厚み方向の両面に跨って形成されている。
【0019】
上述の燃料電池モジュール1には、図1(b)における上面側に撥水性を有する多孔質膜からなる気液分離膜2を介してガラス基板からなる燃料極側基板3が配設されており、図1(b)における下面側にガラス基板からなる空気極側基板4が配設されている。気液分離膜2の機能については後述する。
【0020】
気液分離膜2は、図1および図3に示すように、燃料電池モジュール1と対向する側の面において各燃料極12に対応する部位それぞれに導電性材料からなる集電電極22が形成されている。すなわち、気液分離膜2における燃料電池モジュール1との対向面には、4つの集電電極22が2次元アレイ状に配列されている。ここに、集電電極22には、孔22aが厚み方向に貫設されている。また、各集電電極22は気液分離膜2の厚み方向において対向する燃料極12と電気的に接続される。さらに、各集電電極22は、上述のリード端子14ないしセル間接続端子15と電気的に接続される接続端子22bが連続一体に延設されている。なお、集電電極22および接続端子22は、めっき法により形成してもよいし、あるいは金属基板をエッチングして形成し気液分離膜2へ貼着するようにしてもよい。
【0021】
これに対して、空気極側基板4は、図1および図5に示すように、燃料電池モジュール1と対向する側の面において各空気極13に対応する部位それぞれに導電性材料からなる集電電極42が形成されている。すなわち、空気極側基板4における燃料電池モジュール1との対向面には、4つの集電電極42が2次元アレイ状に配列されている。ここに、各集電電極42は空気極側基板4の厚み方向において対向する空気極13と電気的に接続される。また、各集電電極42は、上述のリード端子14ないしセル間接続端子15と電気的に接続される接続端子42bが連続一体に延設されている。なお、集電電極42および接続端子42bはスパッタ法により形成している。
【0022】
上述の各接続端子22b,42bを設けることにより、本実施形態の燃料電池は、図1(a)における右上の燃料電池セル10の燃料極12が図1(a)における右側のリード端子14と、燃料極12−集電電極22−接続端子22b−図1(a)における右側のリード端子14の経路で接続され、右上の燃料電池セル10の空気極13が右下の燃料電池セル10の燃料極12と、空気極13−集電電極42−接続端子42b−図2(a)における右側のセル間接続端子15−接続端子22b−集電電極22−燃料極12の経路で接続されている。同様に、右下の燃料電池セル10の空気極13が左下の燃料電池セル10の燃料極12と、空気極13−集電電極42−接続端子42b−図2(a)における中央下のセル間接続端子15−接続端子22b−集電電極22−燃料極12の経路で接続されている。また、同様に、左下の燃料電池セル10の空気極13が左上の燃料電池セル10の燃料極12と、空気極13−集電電極42−接続端子42b−図2(a)における左側のセル間接続端子15−接続端子22b−集電電極22−燃料極12の経路で接続されている。また、左上の燃料電池セル10の空気極13は図1(a)における左側のリード端子14と、空気極13−集電電極42−接続端子42b−図1(a)における左側のリード端子14の経路で接続されている。したがって、リード端子14,14間に接続する外部回路は4つの燃料電池セル10の直列回路の両端電圧が印加されることになるのである。
【0023】
ところで、上述の燃料極側基板3には、図1および図4に示すように、各燃料電池セル10へ燃料を供給する燃料供給路が形成されている。ここにおいて、燃料供給路は、2種類の液体燃料(例えば、メタノールのような液体有機燃料と当該液体有機燃料を希釈する水)を個別に導入する2つの個別燃料導入部3a,3bと、個別燃料導入部3a,3bを通して導入される2種類の液体燃料を混合させ燃料電池セル10へ供給する混合液体燃料を得る混合路3cと、混合路3cで得た混合液体燃料を各燃料電池セル10へ供給する混合燃料供給部3dとを有している。これに対して、上述の集電電極42が設けられた空気極側基板4には、各燃料電池セル10の空気極13へ空気を供給する多数の通気孔4aが形成されている。また、上述の気液分離膜2には、H字状の混合燃料供給部3dを、気液分離膜2と各燃料極12との間の空間に連通させる4つの微小な連通孔2aが形成されている。
【0024】
したがって、各燃料電池セル10は、個別燃料導入部3aを通して供給される液体有機燃料であるメタノールと個別燃料導入部3bを通して供給される液体燃料である水との混合液(例えば、数wt%のメタノール水溶液)が混合液体燃料として燃料極12へ供給され、酸化剤としての空気が通気孔4aを通して空気極13へ供給されて、発電することになり、燃料極12では二酸化炭素が発生し、空気極13では水が発生する(燃料極12で1molの水が消費されると空気極13では3molの水が発生する)。
【0025】
ところで、本実施形態の燃料電池では、燃料極12で発生した二酸化炭素を排出するために上述の気液分離膜2を設け、さらに燃料極側基板3に、気液分離膜2を透過した二酸化炭素を排出する多数の排気孔31を形成してある。なお、本実施形態では、気液分離膜2と排気孔31とで、燃料電池セル10の燃料極12で発生した二酸化炭素を排出する排出部を構成している。したがって、燃料電池セル10で発生した二酸化炭素を排出部を通して外部へ排出することができ、燃料電池セル10の出力低下を防ぐことができる。しかも、二酸化炭素を外部へ排出する排出部が燃料電池に一体化されているので、燃料電池セル10において二酸化炭素が発生する部位と排出部とを近づけることができ、ポンプなどを用いることなしに、二酸化炭素の排出を効率良く行うことができる。
【0026】
ここに、本実施形態の燃料電池では、燃料極12で発生した二酸化炭素を、メタノール水溶液を循環させるためのポンプなどを用いず、個別燃料導入部3aを通してメタノールを供給する燃料タンク(図示せず)内の圧力と個別燃料導入部3bを通して水を供給する燃料タンク(図示せず)内の圧力と二酸化炭素の拡散のみを利用して排出するために、燃料極12と気液分離膜2とを近接配置してある。
【0027】
なお、水の表面張力は0.073N/m程度であるが、水にメタノールを数%の割合で混合すると、混合液の表面張力はメタノールの表面張力とほとんど等しい値(0.020N/m程度)まで下がるので、気液分離膜2がメタノール水溶液を透過させないようにするためには(つまり、混合液体燃料が気液分離膜2を通して外部へ漏れないようにするためには)、非常に高い撥水性を必要とする。そこで、気液分離膜2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの耐薬品性および撥水性に優れた合成樹脂材料を用い、表面にパーフロロ基を有するポリマーをコーティングする撥水処理を行ったり、表面をフッ素プラズマに曝す撥水処理を行うことが好ましい。撥水処理を行ってもメタノール水溶液が透過するようであれば、ポア径をさらに小さくする必要がある。また、気液分離膜2の撥水処理は気液分離膜2を燃料極側基板3に接着してから行うが、気液分離膜2の材料によっては燃料極側基板3に接着剤で接着できないことがあり、このような材料を選択した場合には接着する前に接着させる部位をプラズマなどによって粗面化処理すればよい。
【0028】
また、燃料極側基板3には、上記各個別燃料導入部3a,3bを通る各液体燃料の流量(つまり、各液体燃料の供給量)をそれぞれ調節する2つのノーマリクローズ型のマイクロバルブ5a,5bが接合されている。ここに、各マイクロバルブ5a,5bは燃料極側基板3に直に接合されているので、所謂デッドボリュームを少なくすることができる。
【0029】
なお、本実施形態では、燃料電池モジュール1の保持体16と気液分離膜2と燃料極側基板3と空気極側基板4とで基体を構成している。つまり、基体は、複数種類の材料により形成されているので、本実施形態の燃料電池の各構成要素それぞれの特性や製造時の加工性に適した材料を用いることで製造が容易になる。
【0030】
しかして、本実施形態の燃料電池では、複数(4つ)の燃料電池セル10と、燃料電池セル10への燃料供給路と、燃料供給路の個別燃料導入部3a,3bを通る液体燃料の供給量を調節するマイクロバルブ5a,5bなどが同一基体に集積化されているので、燃料電池システムの小型化および軽量化を図ることができる。また、燃料供給路に別部品を用いる場合に比べて燃料供給路を短くできるので、デッドボリュームを少なくできて微量(例えば、数μl/min)な燃料を燃料電池セル10へ安定して供給することができる。なお、本実施形態では、2種類の液体燃料を混合して燃料電池セル10へ供給するようにしているが、3種類以上の液体燃料を混合して燃料電池セル10へ供給するように構成してもよいし、1種類の液体燃料(例えば、あらかじめ希釈してある液体燃料)を燃料電池セル10へ供給するようにしてもよいことは勿論である。
【0031】
上述の燃料電池の設計例の一例を挙げれば、出力電圧を3V、出力電流を80mA、出力電力を240mWとし、全体の外形寸法を57mm角、燃料電池セル10の外形寸法を20mm角に設定すればよい。
【0032】
ところで、本実施形態では、上記各基板3,4としてガラス基板を用いているが、ガラス基板に限らず、例えばシリコン基板を用いるようにしてもよい。また、液体有機燃料はメタノールに限らず、例えば、ジメチルエーテル、エタノールなどの液体有機燃料などを採用することができ、ジメチルエーテル、エタノールなどを採用すればメタノールを採用する場合に比べて燃料の安全性を高めることができるとともに燃料の取り扱いが容易になる。
【0033】
また、上述の混合液体燃料の濃度を検出する濃度センサを上記基体に集積化すれば、濃度センサの出力に応じてマイクロバルブ5a,5bを制御するようにした燃料電池システムの構築が可能となり、しかも、混合液体燃料の濃度を検出する濃度センサを設けながらも燃料電池システムの大型化を防止することができる。なお、濃度センサを上記基体に集積化する場合には、上記基体の一部を構成する燃料極側基板3に濃度センサを設ければよい。
【0034】
また、濃度センサの出力が規定範囲内の規定値に近づくように各マイクロバルブ5a,5bを制御する制御手段を設けることで、混合液体燃料の濃度が規定値にほぼ等しくなるように調節することができ、燃料電池セル10の出力を安定化することが可能になる。なお、制御手段は、濃度センサの出力が規定値にほぼ等しくなるように、単位時間あたりのマイクロバルブ5a,5bそれぞれの開閉回数を制御するようにしてもよいし、濃度センサの出力に応じて各マイクロバルブ5a,5bの開量を調節するようにしてもよい。ここに、制御手段を上記基体に集積化すれば、制御手段を上記基体とは別途に設ける場合に比べて燃料電池システムの小型化を図ることができる。
【0035】
また、リード端子14,14間の出力(つまり、燃料電池セル10の直列回路の出力)が所望範囲内の目標値に近づくようにマイクロバルブ5a,5bを制御する制御手段を設けることで、外部回路の負荷変動に応じてリード端子14,14間の出力を所望の目標値に調節することができる。ここに、制御手段を上記基体に集積化すれば、制御手段を上記基体とは別途に設ける場合に比べて燃料電池システムの小型化を図ることができる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1の発明は、少なくとも、燃料電池セルと、燃料電池セルへの燃料供給路と、燃料供給路を通る液体燃料の供給量を調節するマイクロバルブとが同一基体に集積化されてなることを特徴とするものであり、燃料電池システムの小型化および軽量化を図ることができ、また、燃料供給路を短くできるので、デッドボリュームを少なくできて微量な液体燃料を燃料電池セルへ安定して供給することができるという効果がある。また、燃料電池セルと燃料供給路とを接合する作業が不要になるという利点がある。また、請求項1の発明は、水素イオンの伝導性を有するイオン伝導膜を厚み方向の両側に設けた一対の触媒電極で挟んだ複数の燃料電池セルが2次元アレイ状に配列された燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールの一面側に気液分離膜を介して配設された燃料極側基板と、燃料電池モジュールの他面側に配設された空気極側基板とを備え、燃料電池モジュールが、前記複数の燃料電池セルと、前記複数の燃料電池セルを保持する保持体と、保持体の厚み方向の両面に跨って保持体に一体に設けられ燃料電池セル間を直列に接続するセル間接続端子とを備え、保持体と気液分離膜と燃料極側基板と空気極側基板とで基体を構成しているものであり、基体が複数種類の材料により形成されているので、各構成要素それぞれの特性や製造時の加工性に適した材料を用いることで製造が容易になるという効果がある。
【0037】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記燃料供給路が、複数種類の液体燃料を個別に導入する個別燃料導入部と各個別燃料導入部を通して導入される複数種類の液体燃料を混合させ前記燃料電池セルへ供給する混合液体燃料を得る混合部とを有し、前記マイクロバルブが前記個別燃料導入部ごとに設けられているので、燃料電池システムの小型化を図りながらも燃料電池セルの燃料として複数種類の液体燃料を混合した混合液体燃料を用いることができるという効果がある。
【0038】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記混合液体燃料の濃度を検出する濃度センサが前記基体に集積化されているので、前記濃度センサの出力に応じて前記マイクロバルブを制御するようにした燃料電池システムの構築が可能となるという効果があり、しかも、前記混合液体燃料の濃度を検出する濃度センサを設けながらも燃料電池システムの大型化を防止することができるという効果がある。
【0039】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記濃度センサの出力が規定範囲内の規定値に近づくように前記各マイクロバルブを制御する制御手段を備えるので、前記混合液体燃料の濃度が規定値にほぼ等しくなるように調節することができ、前記燃料電池セルの出力を安定化することが可能になるという効果がある。
【0040】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記燃料電池セルの出力が所望範囲内の目標値に近づくように前記マイクロバルブを制御する制御手段を備えるので、負荷変動に応じて前記燃料電池セルの出力を所望の目標値に調節することができるという効果がある。
【0041】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明において、前記制御手段が前記基体に集積化されているので、前記制御手段を前記基体とは別途に設ける場合に比べて燃料電池システムの小型化を図ることができるという効果がある。
【0043】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記燃料電池セルへ供給される液体燃料が液体有機燃料を含み、前記燃料電池セルで発生した二酸化炭素を外部へ排出する排出部が前記基体に形成されているので、前記燃料電池セルで発生した二酸化炭素を前記基体に形成された放出部を通して外部へ排出することができ、前記燃料電池セルの出力低下を防ぐことができる。しかも、二酸化炭素を外部へ排出する排出部が前記基体に一体化されているので、前記燃料電池セルにおいて二酸化炭素が発生する部位と排出部とを近づけることができ、ポンプなどを用いることなしに、二酸化炭素の排出を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図2】同上に用いる燃料電池モジュールを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図3】同上に用いる気液分離膜を示し、(a)は下面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図4】同上に用いる燃料極側基板を示し、(a)は下面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図5】同上に用いる空気極側基板を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【符号の説明】
1 燃料電池モジュール
2 気液分離膜
2a 連通孔
3 燃料極側基板
3a,3b 個別燃料導入部
3c 混合部
3d 混合燃料供給部
4 空気極側基板
4a 通気孔
5a,5b マイクロバルブ
10 燃料電池セル
11 イオン伝導膜
12 触媒電極(燃料極)
13 触媒電極(空気極)
16 保持体
31 排気孔
Claims (7)
- 少なくとも、燃料電池セルと、燃料電池セルへの燃料供給路と、燃料供給路を通る液体燃料の供給量を調節するマイクロバルブとが同一基体に集積化されてなる燃料電池であって、水素イオンの伝導性を有するイオン伝導膜を厚み方向の両側に設けた一対の触媒電極で挟んだ複数の燃料電池セルが2次元アレイ状に配列された燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールの一面側に気液分離膜を介して配設された燃料極側基板と、燃料電池モジュールの他面側に配設された空気極側基板とを備え、燃料電池モジュールが、前記複数の燃料電池セルと、前記複数の燃料電池セルを保持する保持体と、保持体の厚み方向の両面に跨って保持体に一体に設けられ燃料電池セル間を直列に接続するセル間接続端子とを備え、保持体と気液分離膜と燃料極側基板と空気極側基板とで基体を構成していることを特徴とする燃料電池。
- 前記燃料供給路が、複数種類の液体燃料を個別に導入する個別燃料導入部と各個別燃料導入部を通して導入される複数種類の液体燃料を混合させ前記燃料電池セルへ供給する混合液体燃料を得る混合部とを有し、前記マイクロバルブが前記個別燃料導入部ごとに設けられてなることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記混合液体燃料の濃度を検出する濃度センサが前記基体に集積化されてなることを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
- 前記濃度センサの出力が規定範囲内の規定値に近づくように前記各マイクロバルブを制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
- 前記燃料電池セルの出力が所望範囲内の目標値に近づくように前記マイクロバルブを制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記制御手段が前記基体に集積化されてなることを特徴とする請求項4または請求項5記載の燃料電池。
- 前記燃料電池セルへ供給される液体燃料が液体有機燃料を含み、前記燃料電池セルで発生した二酸化炭素を外部へ排出する排出部が前記基体に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料電池。
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JP2002121430A JP4234944B2 (ja) | 2002-04-23 | 2002-04-23 | 燃料電池 |
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