JP2003137843A - 脂環式テトラカルボン酸化合物及びその製造法 - Google Patents

脂環式テトラカルボン酸化合物及びその製造法

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JP2003137843A JP2001334321A JP2001334321A JP2003137843A JP 2003137843 A JP2003137843 A JP 2003137843A JP 2001334321 A JP2001334321 A JP 2001334321A JP 2001334321 A JP2001334321 A JP 2001334321A JP 2003137843 A JP2003137843 A JP 2003137843A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来知られている無水マレイン酸とBH
CAの光付加反応とは異なる触媒反応及び熱反応によっ
て、工業的に生産性の高いTCNDA化合物の製造法の
提供を課題とする。 【解決手段】 本発明は、下記反応スキームで表され
る。BHCA化合物とDMA化合物をルテニウム触媒下
反応させることによりTNAA化合物を製造し、これを
水和しTNEAC化合物とし、後還元によりTNAC化
合物にさせ、更に加水分解しTNTC化合物を得た後脱
水閉環することを特徴とするTCNDA化合物の製造法
に関する。又、TNAA化合物、TNEAC化合物、T
NAC化合物、TNTC化合物及びTCNDA化合物
(R2:水素原子は除く)に関する。 【化1】 (式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、R
2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂環式テトラカル
ボン酸化合物およびその製造法に関する。更に詳しく
は、(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン
骨格または(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5
ノネン骨格を有するテトラカルボン酸化合物およびその
製造法に関する。
【0002】本発明のテトラカルボン酸化合物の中で、
式[12]
【0003】
【化13】
【0004】(R2は、水素原子又は炭素数1〜10の
アルキル基を表す。)で表される(置換)トリシクロ
[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テト
ラカルボン酸−3,4:7,8−二無水物(以下、TC
NDA化合物と呼ぶ)より得られるポリイミドは、優れ
た透明性、耐熱性、疎水性及び電気特性等を有し、液晶
配向膜に代表される液晶デバイス用光学材料分野等で重
要である。
【0005】
【従来の技術】従来、代表的なTCNDA化合物の合成
法としては、R2が水素原子の場合に、無水マレイン酸
と式[13]
【0006】
【化14】
【0007】で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、BH
CAと略す。)を光反応によって得る方法[米国特許
3,423,431号]が知られている。
【0008】しかし、大量の光増感剤のアセトフェノン
を存在させてもTCNDAの光効率が0.15mol%
/(kW・h)と極めて低い結果になっている。従っ
て、工業的には、生産性の低いコスト高の方法で実用的
ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記無水マレイン酸と
BHCAの光付加反応とは異なる触媒反応及び熱反応に
よって、工業的に生産性の高いTCNDA化合物及びそ
の中間体並びにそれらの製造法の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究を行い本発明を完成した。即
ち、本発明は、テトラカルボン酸化合物として、以下の
(1)〜(5)の化合物に関する。 (1) 式[1]
【0011】
【化15】
【0012】(R1は、炭素数1〜10のアルキル基を
表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル
基を表し、実線と破線の二重線は、単結合又は二重結合
を表す。)で表される(置換)トリシクロ[4.2.
1.02,5]ノナン−3,4−ビス(アルコキシカルボ
ニル)−7,8−ジカルボン酸無水物、及び(置換)ト
リシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−3−エン−3,
4−ビス(アルコキシカルボニル)−7,8−ジカルボ
ン酸無水物。 (2) 式[2]
【0013】
【化16】
【0014】(R1は、炭素数1〜10のアルキル基を
表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル
基を表し、実線と破線の二重線は、単結合又は二重結合
を表す。)で表される(置換)トリシクロ[4.2.
1.02,5]ノナン−3,4−ビス(アルコキシカルボ
ニル)−7,8−ジカルボン酸、及び(置換)トリシク
ロ[4.2.1.02,5]ノナ−3−エン−3,4−ビ
ス(アルコキシカルボニル)−7,8−ジカルボン酸。 (3) 式[3]
【0015】
【化17】
【0016】(R1及びR3は、炭素数1〜10のアルキ
ル基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜10のア
ルキル基を表し、実線と破線の二重線は、単結合又は二
重結合を表す。)で表される(置換)トリシクロ[4.
2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカル
ボン酸テトラアルキル、及び(置換)トリシクロ[4.
2.1.0 2,5]ノナ−3−エン−3,4,7,8−テ
トラカルボン酸テトラアルキルに関する。 (4) 式[4]
【0017】
【化18】
【0018】(R2は、水素原子又は炭素数1〜10の
アルキル基を表し、実線と破線の二重線は、単結合又は
二重結合を表す。)で表される(置換)トリシクロ
[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テト
ラカルボン酸、及び(置換)トリシクロ[4.2.1.
2,5]ノナ−3−エン−3,4,7,8−テトラカル
ボン酸。 (5) 式[5]
【0019】
【化19】
【0020】(R4は、炭素数1〜10のアルキル基を
表す。)で表される(置換)トリシクロ[4.2.1.
2,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸−
3,4:7,8−二無水物。
【0021】また、本発明は以下の(6)〜(8)の製
造法に関する。 (6) 式[6]
【0022】
【化20】
【0023】(R2は、水素原子又は炭素数1〜10の
アルキル基を表す。)で表される(置換)ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン
酸無水物と式[7]
【0024】
【化21】
【0025】(R1は、炭素数1〜10のアルキル基を
表す。)で表されるアセチレンジカルボン酸ジアルキル
化合物をルテニウム触媒の存在下で反応させることを特
徴とする式[8]
【0026】
【化22】
【0027】(R1及びR2は、前記と同じ意味を表
す。)で表される(置換)トリシクロ[4.2.1.0
2,5]ノナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキシカル
ボニル)−7,8−ジカルボン酸無水物の製造法。 (7) 前記の式[8] で表される(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5
ノナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキシカルボニ
ル)−7,8−ジカルボン酸無水物を水和し、式[9]
【0028】
【化23】
【0029】(R1、R2は、前記と同じ意味を表す。)
で表される(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5
ノナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキシカルボニ
ル)−7,8−ジカルボン酸を製造し、続いてこれを還
元することを特徴とする式[10]
【0030】
【化24】
【0031】(R1、R2は、前記と同じ意味を表す。)
で表される(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5
ノナン−3,4−ビス(アルコキシカルボニル)−7,
8−ジカルボン酸の製造法。 (8) 前記の式[10]で表される(置換)トリシク
ロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4−ビス(アル
コキシカルボニル)−7,8−ジカルボン酸を加水分解
によって、式[11]
【0032】
【化25】
【0033】(R2は、前記と同じ意味を表す。)で表
される(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ
ン−3,4,7,8−テトラカルボン酸を製造し、続い
てこれを脱水閉環することを特徴とする式[12]
【0034】
【化26】
【0035】(R2は、前記と同じ意味を表す。)で表
される(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ
ン−3,4,7,8−テトラカルボン酸−3,4:7,
8−二無水物の製造法。
【0036】以下、本発明を詳細に説明する。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明のTCNDA化合物の製造
法は、下記の反応スキームで表される。
【0038】
【化27】
【0039】(式中、R1及びR2は、前記と同じ意味を
表す。) 即ち、式[6]の(置換)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物(BHCA
化合物と略す)と式[7]のアセチレンジカルボン酸ジ
アルキル化合物(DMA化合物と略す)をルテニウム触
媒の存在下で反応させることにより式[8]の(置換)
トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−3−エン−
3,4−ビス(アルコキシカルボニル)−7,8−ジカ
ルボン酸無水物(TNAA化合物と略す)を製造し、こ
れを水和し式[9]の(置換)トリシクロ[4.2.
1.02,5]ノナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキ
シカルボニル)−7,8−ジカルボン酸(TNEAC化
合物と略す)とした後、還元により式[10]の(置
換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4
−ビス(アルコキシカルボニル)−7,8−ジカルボン
酸(TNAC化合物と略す)とする。更にTNAC化合
物を加水分解し式[11]の(置換)トリシクロ[4.
2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカル
ボン酸(TNTC化合物と略す)を得た後、脱水閉環す
ることを特徴とする式[12]のTCNDA化合物の製
造法に関する。以下、第1工程から順に説明する。
【0040】先ず原料であるBHCA化合物としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジ
カルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
タ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物、n−プロピルビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、i−
プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−
2,3−ジカルボン酸無水物、n−ブチルビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン
酸無水物、i−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−
5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、t−ブチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物、n−オクチルビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、n−
デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,
3−ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。
【0041】もう一方の原料であるDMA化合物として
は、種々の化合物が使用できる。例えば、具体的には、
ジメチルアセチレンジカルボキシレート、ジエチルアセ
チレンジカルボキシレート、ジプロピルアセチレンジカ
ルボキシレート、ジブチルアセチレンジカルボキシレー
ト、ジペンチルアセチレンジカルボキシレート、ジヘキ
シルアセチレンジカルボキシレート、ジシクロペンチル
アセチレンジカルボキシレート及びジシクロヘキシルア
セチレンジカルボキシレート等が挙げられる。
【0042】触媒として用いる周期律表第8族金属とし
ては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、鉄、
ニッケル及びコバルト等である。特に好ましいのはルテ
ニウムである。触媒の形態としては、金属錯体、金属
塩、金属単身、担持金属及び金属酸化物等が使用でき
る。
【0043】金属錯体としては、ヒドリドカルボニルト
リス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドテト
ラキス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドカ
ルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ハロ
ゲノヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)金属、ジハロゲノトリス(トリフェニルホスフィ
ン)金属、ジハロゲノテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)金属、ジハロゲノビスベンゾニトリル金属、トリ
ス(アセチルアセトナト)金属、ジハロゲノシクロジエ
ン金属、ホルマトジカルボニル金属、ドデカカルボニル
三金属、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)金
属及びテトラキストリフェニルホスフィン金属等が使用
できる。
【0044】金属塩としては、塩酸、硫酸、硝酸及び燐
酸等の鉱酸塩、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等の有機酸
塩が挙げられる。担持金属としては、炭素、アルミナ及
び珪藻土等の担体に担持させた金属が使用できる。
【0045】更に、具体的にはジヒドリドテトラキス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカ
ルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウム、ジブロモトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ルテニウム、ジヨウドトリス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(ト
リフェニルホスフィン)ルテニウム、トリス(アセチル
アセトナト)ルテニウム、ジクロロ(η−1,5−シク
ロオクタジエン)ルテニウム、ホルマトジカルボニルル
テニウム及びドデカカルボニル三ルテニウム、ヒドリド
カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウ
ム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カル
ボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テト
ラキストリフェニルホスフィンパラジウム、三塩化ルテ
ニウム、三臭化ルテニウム、三沃化ルテニウム、ルテニ
ウム/活性炭、ルテニウム/アルミナ、パラジウム/活
性炭、ルテニウム黒及び酸化ルテニウム等が挙げられ
る。
【0046】これらの中で特に好ましいものは、空気中
でも安定で経済的な、ジクロロトリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム、ジブロモトリス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウム、ジヨウドトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリ
フェニルホスフィン)ルテニウム、ジブロモテトラキス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びジヨウドテ
トラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等と、
実用的にはハロゲン化ルテニウムで特に安価な三塩化ル
テニウム及び三臭化ルテニウム等である。
【0047】その使用量は、原料のBHCA化合物に対
し0.1〜30モル%、特には0.5〜20モル%が好
ましい。三塩化ルテニウム及び三臭化ルテニウムは、ト
リフェニルホスフィン存在下で使用することもできる。
その際のトリフェニルホスフィンの添加量は、トリハロ
ゲン化ルテニウムに対して1〜10モル当量が好まし
く、特には3〜6モル当量が好ましい。
【0048】本反応では溶媒を使用しなくとも、反応は
進行するが、使用する事もできる。溶媒としては例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びキュメン等の芳
香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)及び
N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド類、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、12−クラウン−
4−エーテル、15−クラウン−5−エーテル、18−
クラウン−6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−
6−エーテル及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテ
ル類等が特に好ましいが、他の溶媒例えばヘキサンやヘ
プタン等の脂肪族炭化水素類でも進行する。更にこれら
の溶媒を組み合わせて使用することもできる。
【0049】その使用量は、溶媒量が多くなると反応進
行が遅くなるが、無溶媒では、反応進行に伴い高粘稠に
なることから、BHCA化合物に対し1〜20質量倍、
特には1〜5質量倍が経済的にも好ましい。また、本反
応の原料であるBHCA化合物やDMA化合物の反応中
の重合を抑制するために重合禁止剤を添加することもで
きる。
【0050】重合禁止剤としては例えば、ジフェニルピ
クリルヒドラジン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、
N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチ
リデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−t
−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジ
チオベンゾイルジスルフィド、ヒドロキノン、p−メト
キシフェノール、2,4−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール及び塩化銅(II)等が挙げられる。重合禁止
剤の添加量は、BHCA化合物やDMA化合物に対して
0.01〜1モル%が好ましい。
【0051】反応温度は、高温ほど反応が速いが重合等
の副反応を伴うので、通常50〜180℃の範囲、好ま
しくは60〜150℃の範囲である。
【0052】反応終了後は、濃縮により溶媒を留去して
からその残渣をそのままシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製するか、酢酸エチルとn−ヘプタンの
混合溶媒系から再結晶させることにより、目的のTNA
A化合物が得られる。
【0053】第2工程のTNAA化合物からTNEAC
化合物への水和反応は、水の存在下で加温するだけで容
易に目的物が得られる。その際、TNAA化合物と水を
溶解する1,4−ジオキサン、アセトニトリル、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチル
アセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン
(NMP)等の溶媒を共存させることもできる。
【0054】第3工程のTNEAC化合物からTNAC
化合物への還元反応は、二重結合を単結合に変換する種
々の一般的還元法が適用できる。
【0055】例えば、(1)金属および金属塩による還
元(2)金属水素化物による還元(3)金属水素錯化合
物による還元(4)ジボランおよび置換ボランによる還
元(5)ヒドラジンによる還元(6)ジイミド還元
(7)リン化合物による還元(8)電解還元(9)接触
還元等を挙げることができる。
【0056】これらの中で、最も実用的方法は接触還元
方法である。本発明で採用できる接触還元法は以下の通
りである。触媒金属としては、周期律表第8族のパラジ
ウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバル
ト及び鉄、又は第1族の銅等が使用できる。これらの金
属は単独で、又は、他の元素と複合させた多元系で使用
される。それらの使用形態は、各金属単身、ラネー型触
媒、ケイソウ土、アルミナ、ゼオライト、炭素及びその
他の担体に担持させた触媒及び錯体触媒等が挙げられ
る。
【0057】具体的には、パラジウム/炭素、ルテニウ
ム/炭素、ロジウム/炭素、白金/炭素、パラジウム/
アルミナ、ルテニウム/アルミナ、ロジウム/アルミ
ナ、白金/アルミナ、還元ニッケル、還元コバルト、ラ
ネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅、酸化銅、銅
クロマト、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロ
ジウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウム及びヒドリドカルボニルトリス(トリ
フェニルホスフィン)イリジウム等が挙げられる。これ
らの中で特に好ましいものはパラジウム/炭素及びルテ
ニウム/炭素等である。
【0058】触媒の使用量は、5%金属担持触媒として
基質に対し0.1〜30質量%が、特には、0.5〜2
0質量%が好ましい。溶媒は、メタノール、エタノール
及びプロパノール等に代表されるアルコール類、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等に代
表されるエーテル類及び酢酸エチル及び酢酸プロピル等
に代表されるエステル類等が使用できる。
【0059】その使用量は、原料に対し1〜50質量倍
の範囲が、特には3〜10質量倍の範囲が好ましい。水
素圧は常圧から10MPa(100kg/cm2)の範
囲が、特には常圧から3MPa(30kg/cm2)の
範囲が好ましい。反応温度は、0〜150℃の範囲が、
特には10〜100℃の範囲が好ましい。
【0060】反応は、水素吸収量によって追跡すること
ができ、理論水素量の吸収後サンプリングしガスクロマ
トグラフィーで分析し確認することができる。反応後
は、濾過により触媒を除いた後、濃縮後、再結晶又は、
カラムクロマトグラフィー法で精製することができる。
【0061】次に第4工程のTNAC化合物よりTNT
C化合物への加水分解反応条件は、通常のアルキルエス
テルを加水分解してカルボン酸にする方法が適用でき
る。塩基としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属
の水酸化物を用いるのが経済的に好ましい。具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム及び水酸化バリウム等であり、特には、水酸化ナト
リウムが最も好ましい。
【0062】その使用量は、基質に対し2〜3当量が、
特には2〜2.4当量が好ましい。溶媒としては、アル
コールと水の混合系が一般的である。アルコールの種類
としては、メタノール、エタノール及びプロパノール等
の低級アルコールが好ましい。その使用量は、基質に対
し1〜20質量倍が、特には2〜10質量倍が好まし
い。水の添加量は、基質に対し0.1〜20質量倍が、
特には1〜10質量倍が好ましい。アルコールと水の混
合比は、質量比で1対20から20対1の間で選択で
き、特には1対5から5対1の間で選択するのが好まし
い。
【0063】反応後は、アルコールを留去した後、水を
加えてから酸沈させてTNTC化合物の粗結晶が得られ
る。これを再結晶法で精製することにより、TNTC化
合物の純品が得られる。
【0064】又、酸によるTNAC化合物よりTNTC
化合物への加水分解反応条件方法は、通常のアルキルエ
ステルを加水分解してカルボン酸にする方法が適用でき
る。酸としては燐酸、塩酸及び硫酸等に代表される無機
酸類、蟻酸や酢酸等に代表される脂肪酸類、メタンスル
ホン酸やp−トルエンスルホン酸等に代表されるスルホ
ン酸類が挙げられる。これらの中で、塩酸や蟻酸を用い
る方法が簡便である。反応条件は、過剰の酸を加えて1
00℃前後で加熱攪拌することにより目的物が生成す
る。反応後は、析出した結晶を濾取し、溶媒中で再結晶
させることにより目的のTNTC化合物を精製すること
ができる。
【0065】次に、第5工程のTNTC化合物からTC
DA化合物への脱水法について述べる。脱水剤として
は、脂肪族カルボン酸無水物、1,3−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCCと略記)、2−クロロ−1,
3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド(DMCと略
記)が用いられるが、好ましくは安価な脂肪族カルボン
酸無水物、特に無水酢酸が用いられる。使用量は、TN
TC化合物に対し1〜20当量、好ましくは1〜5当量
である。
【0066】溶媒は、脱水剤自身を過剰量加えて使用す
る場合もあるが、反応に直接関与しない有機溶媒を用い
ることもできる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化
水素類、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプ
ロパン等のハロゲン化炭化水素類、更に1,4−ジオキ
サン等が挙げられる。使用量は、TNTC化合物に対し
1〜20質量倍、好ましくは1〜10質量倍である。
【0067】反応温度は、通常脱水剤又は溶媒の沸点付
近で行うのが一般的であるが、50〜200℃間で行う
ことができる。より好ましくは、60〜150℃であ
る。反応時間は、反応温度との相関になるが、実用的に
は、1〜20時間、より好ましくは2〜10時間であ
る。
【0068】反応後、脱水剤を、場合により溶媒も一緒
に留去すると高純度のTCNDA化合物が得られる。必
要に応じ、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と
酢酸エチルの混合溶媒系から再結晶法により精製するこ
ともできる。
【0069】以上述べた各工程の反応は、いずれも常圧
又は加圧で行うこともでき、又回分式又は連続式でも可
能である。
【0070】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】実施例1
【0071】
【化28】
【0072】内容積50ml三つ口反応フラスコにビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカル
ボン酸無水物(ハイミック酸:BHCA)4.92g
(30mmol)と1,4−ジオキサン10gを加え、
この溶液にトリストリフェニルホスフィンルテニウムジ
クロライド(RuCl2(PPh33)1.15g
(1.2mmol)を加えた。
【0073】この反応溶液を90〜95℃で加熱還流
し、これにジメチルアセチレンジカルボキシレート(D
MA)4.69g(33mmol)と1,4−ジオキサ
ン10gとの溶液を3時間かけて滴下した。このまま2
時間撹拌したところでさらにDMA2.56g(18m
mol)と1,4−ジオキサン5.0gとの溶液を滴下
し、3時間撹拌した。更にトリストリフェニルホスフィ
ンルテニウムジクロライド(RuCl2(PPh33
0.58g(0.6mmol)を加えた後23時間加熱
還流した。更に、DMA2.56g(18mmol)を
滴下し7時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧下
留去し、粗油状物を得た。
【0074】この粗物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶離液:酢酸エチル/ヘプタン=1/5〜1/
0)で精製すると白色結晶6.11g(19.7mmo
l;単離収率66.6%)が得られた。この物質は以下
に示す分析結果よりトリシクロ[4.2.1.02,5
ノナ−3−エン−3,4−ビス(メトキシカルボニル)
−7,8−ジカルボン酸無水物(TNAA)であること
を確認した。
【0075】MASS(FAB+,m/z(%)):307([M+H]+,100),275
(73).1 H-NMR(CDCl3,δppm):1.47(d,J=11.6Hz,1H),1.74(d,J=1
1.3Hz,1H),2.87(d,J=28.7Hz,4H),3.51(d,J=2.14Hz,2
H),3.72(d,J=1.22Hz,6H).13 C-NMR(CDCl3,δppm):34.23,37.05(2C),42.18(2C),48.
39(2C),52.05(2C),140.96(2C),160.33(2C),170.77(2
C). Mp(℃):159〜160.
【0076】実施例2 内容積100ml三つ口反応フラスコにビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水
物(ハイミック酸:BHCA)5.00g(30.6m
mol)と1,4−ジオキサン10gを加え、この溶液
にトリストリフェニルホスフィンルテニウムジクロライ
ド(RuCl2(PPh33)1.17g(1.22m
mol)を加えた。
【0077】この反応溶液を加熱還流し、これにジメチ
ルアセチレンジカルボキシレート(DMA)4.76g
(33.5mmol)と1,4−ジオキサン10gとの
溶液を3時間20分かけて滴下した。このまま24時間
撹拌したところでさらにDMA2.40g(16.9m
mol)と1,4−ジオキサン5.0gとの溶液を滴下
し、18時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去
し、粗TNAA13.4gを得た。この粗TNAAの主
成分は、ガスクロマトグラフィ(GLCと略記)の分析
で面積比74.6%であった。
【0078】実施例3 内容積1Lの三つ口反応フラスコにBHCA40.0g
(243mmol)と1,4−ジオキサン80gとの溶
液にRuCl3(PPh329.35g(9.75mm
ol)を加えた。この反応溶液を加熱還流し、これにD
MA38.1g(268mmol)と1,4−ジオキサ
ン80gとの溶液を21時間15分かけて滴下した。こ
のまま23時間30分撹拌したところでさらにDMA2
2.5g(158mmol)と1,4−ジオキサン40
gとの溶液を滴下し、22時間30分撹拌した。さらこ
こでRuCl3(PPh324.67g(4.87mm
ol)とDMA22.5g(158mmol)と1,4
−ジオキサン40gとの溶液を加え、21時間30分攪
拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去し、粗TNAA
90.0g(70.6%(GLC面積比)、反応収率8
5.4%)を得た。
【0079】実施例4 内容積100ml三つ口反応フラスコにBHCA5.0
0g(30.6mmol)と1,4−ジオキサン10g
とを加え、この溶液にRuCl3・3H2O319mg
(1.22mmol)とPPh3960mg(3.66
mol)を加えた。この反応溶液を加熱還流し、これに
DMA4.76g(33.5mmol)と1,4−ジオ
キサン10gとの溶液を2時間50分かけて滴下した。
このまま21時間30分撹拌したところで、更にDMA
4.76g(33.5mmol)と1,4−ジオキサン
5.0gとの溶液を滴下し、27時間撹拌した。反応終
了後、溶媒を減圧下留去し、粗TNAA12.0g(6
5.6%(GLC面積比)、反応収率84.0%)を得
た。
【0080】実施例5 内容積50ml三つ口反応フラスコにBHCA1.00
g(6.09mmol)と1,4−ジオキサン4.0g
を加え、この溶液にDMA0.951g,(6.70m
molとRuCl3・3H2O50.5mg(0.244
mmol)を加えた。この反応溶液を加熱還流し、8時
間攪拌したところで、さらにDMA2.07g(14.
6mmol)を加え21時間30分撹拌した。溶媒を減
圧下留去し、粗物4.5g(TNAA:17.5%、D
MA:36.6%,BHCA:25.9%(GLC面積
比))を得た。 実施例6
【0081】
【化29】
【0082】内容積200ml三つ口反応フラスコにT
NAA3.06g(10mmol)、アセトニトリル2
0ml及びH2O5mlを加え、加熱還流下1時間攪拌
した。その後、溶媒を減圧留去し、乾燥させることによ
りトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−3−エン−
3,4−ビス(メトキシカルボニル)−7,8−ジカル
ボン酸(TNEAC)3.18g(9.81mmol,
反応収率98.1%)を得た。TNEACの構造は下記
の分析結果から確認した。
【0083】MASS(FAB-,m/z):323([M-H]+,100),279(4
2),181(29),153(42),115(34).1 H-NMR(300MHz,d6-DMSO,δppm):1.32(d,J=11.00Hz,1H),
1.45(d,J=11.00Hz,1H),2.43(s,2H),3.08(s,2H),3.25(s,
2H),3.70(s,6H),12.09(br-s,2H).13 C-NMR(300MHz,d6-DMSO,δppm):30.46(1C),36.68(2C),
41.76(2C),44.82(2C),51.64(2C),140.74(2C),160.62(2
C),172.63(2C).
【0084】実施例7 内容積200ml三つ口反応フラスコにTNAA16.
0g(65.6%(GLC面積比))、アセトニトリル
20ml及びH2O5mlを加えた。加熱還流下1時間
攪拌後、この反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
を加えた。水層を分離して、これに1規定塩酸を加え
て、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩
水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、TNEAC8.4g(89.0
%(GLC面積比))を得た。 実施例8
【0085】
【化30】
【0086】内容積100ml三つ口反応フラスコにT
NEAC3.24g(10mmol)と酢酸エチル30
mlを加え、この溶液に含水(52.8%)5%Pd/
C2.26g(0.5mmol)を加えた。水素雰囲気
下40℃で18時間攪拌した。反応終了後、セライト濾
過により濾液を得た。この濾液から溶媒を減圧留去し、
更に乾燥した。得られた白色結晶は、下記の分析結果か
らトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4−
ビス(メトキシカルボニル)−7,8−ジカルボン酸
(TNAC)3.09g(9.48mmol,反応収率
94.8%)であることを確認した。
【0087】MASS(FAB-,m/z):325((M-H)+,100),305(1
6),306(16),199(14),188(16),153(50)152(32).1 H-NMR(300MHz, d6-DMSO,δppm):1.38(d,J=11.01Hz,1
H),2.10(d,J=11.01Hz,1H),2.65(s,2H),2.90(s,2H),2.98
(m,2H),3.56(s,6H),3.75(m,2H),11.93(br-s,2H).13 C-NMR(300MHz,d6-DMSO,δppm):30.58(1C),36.74(2C),
38.72(2C),40.03(2C),45.49(2C),50.95(2C),171.25(2
C),173.04(2C).
【0088】実施例9 内容積100ml三つ口反応フラスコにTNEAC1.
11g(89.0%(GLC面積比))と酢酸エチル1
5mlを加えた。この溶液に含水(52.8%)5%P
d/C1.38g(0.31mmol)を加えた。水素
雰囲気下40℃で5時間30分と室温で14時間攪拌し
た。反応終了後、セライト濾過を行い溶媒を減圧留去し
た。得られた粗生成物を酢酸エチルにより洗浄すること
により白色結晶のTNAC0.55g(1.68mmo
l,反応収率54.5%)を得た。 実施例10
【0089】
【化31】
【0090】内容積300mlナスフラスコにTNAC
7.00g(21.2mmol)、エタノール40.0
ml、1,4−ジオキサン60.0ml及びH2O1
0.0gを加えた。この溶液に0℃で水酸化ナトリウム
10.0gを加え、室温で37.5時間攪拌した。反応
終了後溶媒を減圧下留去し、得られた残査にH2O1
5.0gと濃塩酸15.0gを加えて晶析させた。濾過
後H2Oで洗浄することにより、白色結晶のトリシクロ
[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テト
ラカルボン酸(TNTC)4.56g(15.4mmo
l、収率72.7%)を得た。TNTCの構造は、下記
の分析結果から確認した。
【0091】H-NMR(300MHz,d6-DMSO,δppm):1.42(d,J
=10.55Hz,1H),1.94(d,J=10.55Hz,1H),2.29(s,2H),2.90
(s,2H),2.91(s,H),3.56(s,6H),12.01(s,4H).13 C-NMR(300MHz, d6-DMSO,δppm):33.45(1C),39.39(2
C),41.67(2C),41.82(2C),44.94(2C),173.00(2C),173.91
(2C).
【0092】実施例11
【0093】
【化32】
【0094】内容積200ml三つ口反応フラスコにT
NTC1.0g(3.35mmol)、無水酢酸65.
0g及びトルエン18gを加え、110℃で2時間攪拌
した。反応終了後、濾過を行ない得られた残査を酢酸エ
チルで洗浄することにより、白色結晶のトリシクロ
[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テト
ラカルボン酸−3,4:7,8−二無水物(TCND
A)390mg(1.49mmol、44.4%)を得
た。TCNDAの構造は、下記の分析結果から確認し
た。
【0095】MASS(FAB+,m/z):263([M+H]+,10),246(18),
185(24),154(100),137(84.5).1 H-NMR(300MHz,d6-DMSO,δppm):1.80(d,J=11.58Hz,2H),
2.05(d,J=11.58Hz,1H),2.53(br-m,2H),2.81(m,2H),3.19
(br-d,J=1.92Hz,H),3.56(dd,J1=2.20Hz,J2=3.30Hz,2H).13 C-NMR(300MHz,d6-DMSO,δppm):35.6,39.57(2C),41.06
(2C),41.59(2C),48.16(2C),172.03,173.43.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 67/347 C07C 67/347 69/757 69/757 Z C07D 307/93 C07D 307/93 493/04 101 493/04 101A Fターム(参考) 4C037 UA09 4C071 AA08 BB01 BB06 CC12 EE05 FF15 HH08 4H006 AA01 AA02 AA03 AB46 AB91 AB92 AC11 AC28 AC46 AC48 BA23 BA37 BA48 BA61 BA66 BA69 BB20 BB24 BB70 BC19 BC35 BJ30 BS20 KA31 4H039 CA40 CA65 CA66

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[1] 【化1】 (R1は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2は、
    水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、実線
    と破線の二重線は、単結合又は二重結合を表す。)で表
    される(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ
    ン−3,4−ビス(アルコキシカルボニル)−7,8−
    ジカルボン酸無水物、及び(置換)トリシクロ[4.
    2.1.02,5]ノナ−3−エン−3,4−ビス(アル
    コキシカルボニル)−7,8−ジカルボン酸無水物。
  2. 【請求項2】 式[2] 【化2】 (R1は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2は、
    水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、実線
    と破線の二重線は、単結合又は二重結合を表す。)で表
    される(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ
    ン−3,4−ビス(アルコキシカルボニル)−7,8−
    ジカルボン酸、及び(置換)トリシクロ[4.2.1.
    2,5]ノナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキシカ
    ルボニル)−7,8−ジカルボン酸。
  3. 【請求項3】 式[3] 【化3】 (R1及びR3は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、
    2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表
    し、実線と破線の二重線は、単結合又は二重結合を表
    す。)で表される(置換)トリシクロ[4.2.1.0
    2,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸テト
    ラアルキル、及び(置換)トリシクロ[4.2.1.0
    2,5]ノナ−3−エン−3,4,7,8−テトラカルボ
    ン酸テトラアルキル。
  4. 【請求項4】 式[4] 【化4】 (R2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を
    表し、実線と破線の二重線は、単結合又は二重結合を表
    す。)で表される(置換)トリシクロ[4.2.1.0
    2,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸、及
    び(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−3
    −エン−3,4,7,8−テトラカルボン酸。
  5. 【請求項5】 式[5] 【化5】 (R4は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で表
    される(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ
    ン−3,4,7,8−テトラカルボン酸−3,4:7,
    8−二無水物。
  6. 【請求項6】 式[6] 【化6】 (R2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を
    表す。)で表される(置換)ビシクロ[2.2.1]ヘ
    プタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物と式
    [7] 【化7】 (R1は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で表
    されるアセチレンジカルボン酸ジアルキル化合物をルテ
    ニウム触媒の存在下で反応させることを特徴とする式
    [8] 【化8】 (R1及びR2は、前記と同じ意味を表す。)で表される
    (置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−3−
    エン−3,4−ビス(アルコキシカルボニル)−7,8
    −ジカルボン酸無水物の製造法。
  7. 【請求項7】 前記の式[8]で表される(置換)トリ
    シクロ[4.2.1.02,5]ノナ−3−エン−3,4
    −ビス(アルコキシカルボニル)−7,8−ジカルボン
    酸無水物を水和し、式[9] 【化9】 (R1、R2は、前記と同じ意味を表す。)で表される
    (置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−3−
    エン−3,4−ビス(アルコキシカルボニル)−7,8
    −ジカルボン酸を製造し、続いてこれを還元することを
    特徴とする式[10] 【化10】 (R1、R2は、前記と同じ意味を表す。)で表される
    (置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−
    3,4−ビス(アルコキシカルボニル)−7,8−ジカ
    ルボン酸の製造法。
  8. 【請求項8】 前記の式[10]で表される(置換)ト
    リシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4−ビス
    (アルコキシカルボニル)−7,8−ジカルボン酸を加
    水分解によって、式[11] 【化11】 (R2は、前記と同じ意味を表す。)で表される(置
    換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,
    4,7,8−テトラカルボン酸を製造し、続いてこれを
    脱水閉環することを特徴とする式[12] 【化12】 (R2は、前記と同じ意味を表す。)で表される(置
    換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,
    4,7,8−テトラカルボン酸−3,4:7,8−二無
    水物の製造法。
  9. 【請求項9】 ルテニウム触媒が、ハロゲン化ルテニウ
    ムである請求項6記載の(置換)トリシクロ[4.2.
    1.02,5]ノナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキ
    シカルボニル)−7,8−ジカルボン酸無水物の製造
    法。
  10. 【請求項10】 ルテニウム触媒が、ハロゲン化ルテニ
    ウムを用いてトリフェニルホスフィンを添加する請求項
    6記載の(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノ
    ナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキシカルボニル)
    −7,8−ジカルボン酸無水物の製造法。
  11. 【請求項11】 ルテニウム触媒が、ジハロゲノトリス
    (トリフェニルホスフィン)ルテニウム、又はジハロゲ
    ノテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムで
    ある請求項6記載の(置換)トリシクロ[4.2.1.
    2,5]ノナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキシカ
    ルボニル)−7,8−ジカルボン酸無水物の製造法。
  12. 【請求項12】 加水分解触媒が塩基である請求項8記
    載の(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン
    −3,4−7,8−テトラカルボン酸−3,4:7,8
    −二無水物の製造法。
  13. 【請求項13】 加水分解触媒が酸である請求項8記載
    の(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−
    3,4−7,8−テトラカルボン酸−3,4:7,8−
    二無水物の製造法。
  14. 【請求項14】 前記の式[7]で表されるアセチレン
    ジカルボン酸ジアルキル化合物の滴下時間が1〜24時
    間である請求項6記載の(置換)トリシクロ[4.2.
    1.02,5]ノナ−3−エン−3,4−ビス(アルコキ
    シカルボニル)−7,8−ジカルボン酸無水物の製造
    法。
  15. 【請求項15】 反応溶媒が、無溶媒、N,N−ジメチ
    ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,
    4−ジオキサン及びN−メチルピロリドンであり、溶媒
    量が、反応基質に対して0〜5質量倍である請求項6記
    載の(置換)トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−
    3−エン−3,4−ビス(アルコキシカルボニル)−
    7,8−ジカルボン酸無水物の製造法。
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