JP2002145829A - 脂環式t−ブチルエステル化合物及びその製造法 - Google Patents

脂環式t−ブチルエステル化合物及びその製造法

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JP2002145829A
JP2002145829A JP2000340145A JP2000340145A JP2002145829A JP 2002145829 A JP2002145829 A JP 2002145829A JP 2000340145 A JP2000340145 A JP 2000340145A JP 2000340145 A JP2000340145 A JP 2000340145A JP 2002145829 A JP2002145829 A JP 2002145829A
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trans
butoxycarbonyl
bis
tricyclo
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JP2000340145A
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Hideo Suzuki
秀雄 鈴木
Keisuke Oodoi
啓祐 大土井
Kiyotomo Seto
浄智 瀬戸
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 経済的にコストが安価で、溶解禁止剤として
の性能が高く(コントラストが明確になる)、かつ基板
との密着性の良好な脂環式溶解禁止化合物を提供する。 【解決手段】 一般式2の8,9−ジカルボキシトリシ
クロ[5.2.1.02,6]デセ−3(4)−エン化合
物、又はトランス8,9−ジカルボキシトリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン化合物を酸触媒の存在
下、イソブテンと反応させる、一般式1のトランス8,
9−ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.
2.1.02,6]デセ−3(4)−エン化合物、又はト
ランス8,9−ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシ
クロ[5.2.1.02,6]デカン化合物及びその製造
法。 (破線は単結合又は二重結合、nは0〜3の整数を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式[1]
【0002】
【化4】
【0003】(式中、破線は単結合又は二重結合を表
し、nは0〜3の整数を表す。)で表されるトランス
8,9−ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン化合物及びトランス8,
9−ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.
2.1.02,6]デセ−3(4)−エン化合物の脂環式
エステル化合物及びその製造法に関する。
【0004】本発明の化合物は、半導体製造プロセスに
おけるフォトリソグラフィー工程に関し、紫外線、遠紫
外線、電子線、イオンビーム及びX線などの活性光線を
用いたリソグラフィに好適なパターン形式材料分野のア
ルカリ溶液への溶解禁止剤としての添加物に関する。
【0005】
【従来の技術】これまで知られている脂環式溶解禁止剤
としては、前記コリン酸t-ブチルエステルの記載があ
る(特開平11−84663号公報)。しかし、原料の
コリン酸はコスト的に高価であった。
【0006】また、シストリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸及びその
水素化物であるシストリシクロ[5.2.1.02,6
デカン−8,9−ジカルボン酸からは、対応するビスt
−ブチルエステル体を得る事は困難であった。その理由
は、シス体の場合は、それらのカルボン酸無水物に成り
易いためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】経済的にコストが安価
で、溶解禁止剤としての性能が高く(コントラストが明
確になる)、かつ基板との密着性の良好な脂環式溶解禁
止化合物を提供することを課題とする。
【0008】本発明者らは、安価な原料から脂環式t−
ブチルエステル化合物を得る方法を鋭意検討した。その
結果、シクロペンタジエンの2〜5量体とアルコール中
の一酸化炭素挿入反応によって得られるシストリシクロ
[5.2.1.02,6]デセ−3−エン−8,9−ジカ
ルボン酸エステル化合物、又はその水素化物であるシス
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジ
カルボン酸エステル化合物を、異性化した後、加水分解
し、更に酸触媒下イソブテンと反応させることにより、
目的のトランス8,9−ビス(t−ブトキシカルボニ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3(4)
−エン化合物又は、トランス8,9−ビス(t−ブトキ
シカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ
ン化合物が得られることを見出し本発明を完成させた。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、式
[1]
【0010】
【化5】
【0011】(式中、破線は単結合又は二重結合を表
し、nは0〜3の整数を表す。)で表されるトランス
8,9−ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン化合物及びトランス8,
9−ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.
2.1.02,6]デセ−3(4)−エン化合物に関す
る。また、本発明は、式[2]
【0012】
【化6】
【0013】(式中、破線及びnは前記と同じ意味を表
す。)で表されるトランス8,9−ジカルボキシトリシ
クロ[5.2.1.02,6]デカン化合物、又はトラン
ス8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,
6]デセ−3(4)−エン化合物を酸触媒の存在下、イ
ソブテンと反応させることを特徴とする式[1]
【0014】
【化7】
【0015】(式中、破線及びnは前記と同じ意味を表
す。)で表されるトランス8,9−ビス(t−ブトキシ
カルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
化合物、又はトランス8,9−ビス(t−ブトキシカル
ボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3
(4)−エン化合物の製造法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
前記式[2]で表される原料のトランス8,9−ジカル
ボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合
物、又はトタンス8,9−ジカルボキシトリシクロ
[5.2.1.02,6]デセ−3(4)−エン化合物に
おいて、nの数は0〜3、原料の入手しやすさから、好
ましくは0〜1、より好ましくは0である。nが0の場
合、即ちトランス8,9−ジカルボキシトリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、又はトランス8,9−
ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.
1.02,6]デセ−3(4)−エンは、次の反応スキー
ムで製造される。nの数が1〜3でも反応は同じであ
る。
【0017】
【化8】
【0018】(Rは炭素数1〜10のアルキル基を表
し、破線は単結合又は二重結合を表す。) ジシクロペンタジエン(DCPD)、アルコール類およ
び一酸化炭素から、塩化銅存在下パラジウム触媒により
シストリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン
−8,9−ジカルボン酸エステル(cisTCDE)が得
られる(特公平4−60100号公報)。
【0019】TCDEを接触還元などの方法で還元する
ことによりシストリシクロ[5.2.1.02,6]デカ
ン−8,9−ジカルボン酸エステル(cisDH−TCD
E)が得られる(特開平7−53453号公報)。
【0020】得られたcisTCDE又はcisDH−TCD
Eを、ナトリウムメトキサイド等の塩基で異性化するこ
とにより、それらのトランス体であるtrasTCDE又は
transDH−TCDEを得る。更に、これらを加水分解
することにより原料のトランストリシクロ[5.2.
1.02,6]デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸(t
ransTCDC)又はトランストリシクロ[5.2.1.
2,6]デカン−8,9−ジカルボン酸(transDCT
C)が得られる(特開平9−157222号公報)。
【0021】次に、トランスジカルボン酸(transTC
DC又はtransDCTC)とイソブテンの反応について
述べる。
【0022】反応は、下記のスキームで表される。
【0023】
【化9】
【0024】(式中、破線は前記と同じ意味を表す。) 即ち、前記transTCDC又はtransDCTCを酸触媒の
存在下、イソブテンと反応させて、目的のトランス8,
9−ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.
2.1.02,6]デセ−3(4)−エン(transBBT
E)又はトランス8,9−ビス(t−ブトキシカルボニ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(transB
BTD)を製造することができる。
【0025】原料のジカルボン酸(transTCDC又はt
ransDCTC)は、前記異性化反応物を精製して、また
シス体を含む粗物から誘導されて得られたものもそのま
ま使用できる。
【0026】イソブテンは、ジカルボン酸に対し1〜2
0モル倍、経済的には1〜5モル倍使用することが好ま
しい。イソブテンは、原料のジカルボン酸と溶媒を仕込
んだ耐圧反応器(−10℃以下に冷却)に、気体又は液
体で常圧下仕込むことができる。
【0027】本反応は、酸触媒により促進される。酸触
媒としては、一例を挙げれば、硫酸、塩酸及び燐酸等の
無機鉱酸類、ギ酸、酢酸及びトリフルオロ酢酸等の脂肪
族カルボン酸類、メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸等の有機スル
ホン酸類、リンタングステン酸、シリカタングステン酸
及びリンモリブデン酸等のヘテロポリ酸類及びスカンジ
ウムトリフルオロメタンスルホネート、イットリウムト
リフルオロメタンスルホネート及びイッテルビウムトリ
フルオロメタンスルホネート等のトリフルオロメタンス
ルホン酸希土類金属塩に代表されるルイス酸類等が使用
することができる。
【0028】これらの中で、特には経済的な硫酸及びp
−トルエンスルホン酸が好ましく、更には硫酸が好まし
い。その使用量は、基質に対し0.1〜50モル%(ヘ
テロポリ酸類の場合は1〜50重量%)が好ましく、特
には0.5〜10モル%(ヘテロポリ酸類の場合は5〜
20重量%)が好ましい。
【0029】イソブテンによるエステル化反応は、溶媒
を使用することが好ましい。その種類としては、例え
ば、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン(EDC)
及び1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素類、トルエン、キシレン及びジクロロベンゼンなど
の芳香族化合物類、アセトニトリル及びプロピオニトリ
ル等の脂肪族ニトリル類、ジオキサン、1,2−ジメト
キシエタン及びジグライム(ジエチレングリコールジメ
チルエーテル)等のエーテル化合物類等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、EDCである。
【0030】t−ブタノールによるエステル化反応で
は、前記溶媒類を使用することもできるが、t−ブタノ
ールを過剰量用いて、余剰量を回収するのが好ましい。
使用量は、基質に対し1〜50重量倍が好ましく、特に
は1〜10重量倍が好ましい。
【0031】反応温度は、−10〜150℃で可能であ
るが、好ましくは、10〜100℃が、特には、30〜
80℃が反応が速くかつ高収率で目的物が得られる。更
に、本反応は、回分式または連続式で行なうことができ
る。
【0032】反応終了後、余剰イソブテンを留去し、続
いて水洗後濃縮して得られた反応粗物を蒸留、カラムク
ロマトグラフィー又は再結晶で精製することにより、目
的のジエステル化合物(transBBTE、transBBT
D)が得られる。
【0033】以下実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0034】
【実施例】実施例1
【0035】
【化10】
【0036】50ml耐圧ガラス反応器にトランス8,
9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン(transDCTC)2.22g(10mmol)、
95%硫酸0.10g(10mol%)及び1,2−ジ
クロロエタン(EDC)22gを仕込み、−10℃に冷
却してからイソブテン3.36g(60mmmol)を
吹き込んだ後密閉した。30℃でマグネチックスターラ
ーにより20時間撹拌した。終了後、水20ml、飽和
重曹水20ml更に水20mlで2回の順に洗浄した
後、EDC溶液を濃縮した。得られ油状物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開液:ヘプタン/酢酸エ
チル=9/1)で精製した。その結果室温で油状物質
2.89g(8.6mmol;収率86.1%)が得ら
れた。
【0037】この物質の分析結果を以下に示す。 MASS(FAB+1,m/e(%));337(M+1,22),266(48),225(86),2
07(100),179(44).1 H-NMR(CDCl3,δppm);1.33(d,J=7.33Hz,1H),1.37(t,J=
1.83Hz,18H),1.39(d,J=2.23Hz,1H),1.44(d,J=9.78Hz,2
H),1.47-1.48(m,2H),1.60(d,J=8.55Hz,1H),1.66(t,J=6.
42Hz,1H),2.27(d,J=3.66Hz,1H),2.32-2.39(m,2H),2.56
(s,1H),2.77(d,J=6.72Hz,1H),3.04(dd,J1=3.67Hz,J2=6.
72Hz,1H).13 C-NMR(CDCl3,δppm);24.63,26.23,26.95,27.08,27.1
2,28.50,41.09,42.26,42.39,44.15,45.40,45.41,48.27,
78.92,79.17,171.97,173.94. 以上の結果より本化合物は、トランス8,9−ビス(t
−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン(transBBTD)であることを確認した。 実施例2
【0038】
【化11】
【0039】(1)メタノール10gの氷冷撹拌下ナト
リウムメチラート0.11g(2mmol)を添加し
た。続いて、その混合液中に、シスジメチルトリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボキシ
レート(cis−DH−TCDME)2.52g(10m
mol)をメタノール5gに溶解した溶液を滴下した。
その後メタノールの還流温度まで昇温し、64℃で2時
間撹拌を行なった。反応終了後、濃縮し溶媒を留去し
た。この残渣に水と1,2−ジクロロエタン(EDC)
を加えてから硫酸で中和した。このEDC層を分液後水
洗し濃縮するとtransDH−TCDME/cisDH−TC
DME(GC面積%65/35)の油状混合物2.50
gが得られた。
【0040】(2)水酸化ナトリウム8.38g(30
mmol)を水35gに溶解した溶液に、氷冷撹拌下、
エタノール20gを加えたの後、続いて、(1)の方法
で得られたtransDH−TCDME/cisDH−TCDM
E(GC面積%65/35)22.0g(87mmo
l)を滴下した。その後、浴温を100℃に昇温し2時
間撹拌を行なった。スラリー濃度が高くなったので、水
40mlとエタノール20gを加えてから、更に浴温を
110℃に昇温し1時間撹拌を行ない反応終了させた。
溶媒を留去してから、この粗結晶に水60gと35%塩
酸24gを加えて酸性にしてから、酢酸エチルを加えて
抽出・分液後、有機層を水洗を繰り返してから濃縮し
て、粗結晶19.6g(得率100%)を得た。この粗
結晶にトルエン40gを加えて、60℃に加熱した後、
25℃で一夜静置した後、濾過し乾燥すると、8,9−
ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
(DCTC)の結晶(トランス/シス混合物)17.0
g(収率86.9%)が得られた。
【0041】(3)50ml耐圧ガラス反応器に(2)
で得られたDCTC(トランス/シス混合物)4.48
g(20mmol)、95%硫酸0.20g(20mo
l%)及び1,2−ジクロロエタン(EDC)32gを
仕込み、−20℃に冷却してからイソブテン5.6g
(100mmmol)を吹き込んだ後密閉した。40℃
でマグネチックスターラーにより10時間撹拌した。終
了後、水20ml、飽和重曹水10ml、更に水20m
lの順に洗浄した後、EDC溶液を濃縮し油状物5.3
2gを得た。
【0042】この油状物にヘプタンを加え加熱溶解した
後、氷冷し、晶析後濾過した。得られた結晶を乾燥する
とシス8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.
2, 6]デカン(cisDCTC)1.40g(回収率89
%)を得た。また、濾液を濃縮するとトランス8,9−
ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン(transBBTD)純度92%の油状
物質の3.98g(10.9mmol;収率84%)が
得られた。 実施例3
【0043】
【化12】
【0044】(1)メタノール40gの氷冷撹拌下ナト
リウムメチラート1.08g(20mmol)を添加した。
続いて、その混合液中に、シスジメチルトリシクロ
[5.2.1.02,6]デセ−3−エン−8,9−ジカ
ルボキシレート(cisTCDME)25g(100mmol)をメ
タノール10gに溶解した溶液を滴下した。その後メタ
ノールの還流温度まで昇温し、63℃で4時間撹拌を行
なった。更にナトリウムメチラート1.08g(20mmol)
を追加し、64℃で24時間還流撹拌を行った。trans
TCDME/cisTCDMEは、GC面積%で65/35
であった。
【0045】反応終了後、濃縮し溶媒を留去した。この
残渣に水と酢酸エチルを加えてから、有機層を分液後水
洗し濃縮するとtransTCDME/cisTCDME(GC
面積%77/22)の油状混合物20gが得られた。
【0046】(2)水酸化ナトリウム7.68g(192m
mol)を水61gに溶解した溶液氷冷撹拌下、エタノール
20gを加えたの後、続いて、transTCDME/cisT
CDME(GC面積%77/22)20.0g(80mmol)を
滴下した。その後、浴温を110℃に昇温し4時間撹拌
を行ない反応を終了させた。エタノールを留去してか
ら、残査に35%塩酸21gを加えて酸性にしてから、
析出した結晶を濾過・水洗・乾燥することにより、粗結
晶17.8g(得率94%)を得た。
【0047】この粗結晶にトルエン40gを加えて、6
0℃に加熱した後、氷冷ししてから、濾過・乾燥する
と、8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセ−3−エン(TCDC)の結晶(トランス/
シス混合物)14.6g(純度76%)(収率62%)
が得られた。
【0048】(3)50ml耐圧ガラス反応器に(2)
で得られたTCDC(トランス/シス混合物)4.44
g(純度76%)(15mmol)、95%硫酸0.2
0g(20mol%)及び1,2−ジクロロエタン(E
DC)32gを仕込み、−20℃に冷却してからイソブ
テン6.4g(114mmmol)を吹き込んだ後密閉
した。40℃でマグネチックスターラーにより16時間
撹拌した。終了後、水20ml、飽和重曹水10ml、
更に水20mlの順に洗浄した後、EDC溶液を濃縮し
油状物5.1gを得た。
【0049】この油状物にヘプタンを加え加熱溶解した
後、氷冷し、晶析後濾過した。得られた結晶を乾燥する
とシス8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.
2, 6]デセ−3−エン(cisTCDC)1.10gを得
た。また、濾液を濃縮すると純度77%の油状物質の
4.14g(9.6mmol;収率63%)が得られ
た。この油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製すると、ガスクロマトグラフィーで単一ピーク
の結晶2.7gが得られた。
【0050】この物質の分析結果を以下に示す。 MASS(FAB+1,m/e(%));335(M+1,37),279(66),223(100),
205(100),187(58),177(57),131(61).1 H-NMR(CDCl3,δppm);1.40(S,9H),1.42(S,9H),1.62(t,
J=11.3Hz,1H),2.29-2.33(m,2H),2.37(d,J=4.27Hz,1H),
2.58-2.68(m,3H),2.80(s,1H),2.98((dd,J1=4.27Hz,J2=
7.33Hz,1H),3.03-3.08(m,1H),5.55-5.56(m,1H),5.58-5.
62(m,1H).13 C-NMR(CDCl3,δppm);27.96,28.03,31.85,40.18,41.8
9,42.54,42.78,46.57,49.63,51.77,79.83,131.46,132.6
0,172.45,174.89. mp;81〜82℃. 以上の結果より本化合物は、トランス8,9−ビス(t
−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセ−3−エン(transBBTE)であることを確
認した。
【0051】
【発明の効果】t−ブトキシカルボニル基を2つ導入し
た本発明の脂環式t−ブチルエステル化合物は、従来の
一つの場合よりも溶解禁止剤としての効果が大きくなる
ことが期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA02 AA14 AB16 AC01 AC04 AC05 AC06 AC07 AD03 BE00 BE10 BG00 CC20 FA17 4H006 AA01 AA02 AB46 AB76 AC48 BA08 BA14 BA28 BA33 BA35 BA36 BA37 BA50 BA52 BA66 BA75 KA11 4H039 CA66 CF10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[1] 【化1】 (式中、破線は単結合又は二重結合を表し、nは0〜3
    の整数を表す。)で表されるトランス8,9−ビス(t
    −ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.0
    2,6]デカン化合物又はトランス8,9−ビス(t−ブ
    トキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6
    デセ−3(4)−エン化合物。
  2. 【請求項2】 式[2] 【化2】 (式中、破線は単結合又は二重結合を表し、nは0〜3
    の整数を表す。)で表されるトランス8,9−ジカルボ
    キシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物及
    びトランス8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.
    1.02,6]デセ−3(4)−エン化合物を酸触媒の存
    在下、イソブテンと反応させることを特徴とする式
    [1] 【化3】 (式中、破線及びnは前記と同じ意味を表す。)で表さ
    れるトランス8,9−ビス(t−ブトキシカルボニル)
    トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物又はト
    ランス8,9−ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシ
    クロ[5.2.1.02,6]デセ−3(4)−エン化合
    物の製造法。
  3. 【請求項3】酸触媒が鉱酸、有機スルホン酸、ヘテロポ
    リ酸及びトリフルオロメタンスルホン酸希土類金属塩で
    あることを特徴とする請求項2記載のトランス8,9−
    ビス(t−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.
    1.02,6]デカン化合物又はトランス8,9−ビス
    (t−ブトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.
    2,6]デセ−3(4)−エン化合物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007153839A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Honshu Chem Ind Co Ltd テトラシクロドデセンカルボン酸t−ブチルエステル類の製造方法

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