JP2001261615A - 脂環式エステル化合物及びその製造法 - Google Patents

脂環式エステル化合物及びその製造法

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JP2001261615A
JP2001261615A JP2000075557A JP2000075557A JP2001261615A JP 2001261615 A JP2001261615 A JP 2001261615A JP 2000075557 A JP2000075557 A JP 2000075557A JP 2000075557 A JP2000075557 A JP 2000075557A JP 2001261615 A JP2001261615 A JP 2001261615A
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ene
carboxytricyclo
dec
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JP2000075557A
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Hideo Suzuki
秀雄 鈴木
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Nissan Chemical Corp
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Nissan Chemical Corp
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 製造コストが安価で、パターン形式材料
用の溶解抑止剤として、性能の高い脂環式溶解抑剤を提
供する。 【解決手段】 下式(1)で表される脂環式化合物のジ
エステル、及び(2)で表される脂環式モノカルボン酸
モノエステルを酸触媒の存在下でエステル化する化合物
(1)の製造方法。また、式(3)で表される脂環式ジ
カルボン酸をエステル化して得られる式(2)の化合物
とその製造方法、更に式(4)で表される脂環式酸無水
物をエステル化して得られる化合物(2)の製造方法。 [式中、Rはアルキル基、を表し、波線は単結合または
二重結合を表す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式[1]
【0002】
【化8】
【0003】(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜10
のアルキル基(但し、カルボニルオキシ基に結合する炭
素は少なくとも1つの水素原子を有する。)又は炭素数
3〜6のシクロアルキル基を表す。)で表される8−ア
ルコ(ヒドロ)キシカルボニル−9−t−ブトキシカル
ボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン又は8
(9)−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−9(8)−
t−ブトキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,
6]デセ−3−エン等の脂環式エステル化合物及びその
製造法に関する。
【0004】本発明の脂環式エステル化合物は、半導体
製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程に関
し、紫外線、遠紫外線、電子線、イオンビーム及びX線
などの活性光線を用いたリソグラフィに好適なパターン
形式材料のアルカリ溶液への溶解抑止剤等として用いら
れる。
【0005】
【従来の技術】これまで知られている脂環式化合物の溶
解抑止剤としては、下記構造式で表されるコリン酸t−
ブチルエステルの記載がある(特開平11−84663
号公報)。
【0006】
【化9】
【0007】しかし、原料のコリン酸はコスト的に高価
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は経済的
に製造コストが安価で、パターン形式材料用の溶解抑止
剤としての性能が高く(コントラストが明確になる)、
かつ基板との密着性の良好な脂環式溶解抑止化合物を提
供することにある。
【0009】本発明者らは、安価な原料から脂環式t−
ブチルエステルを得る方法を鋭意検討した結果、ジシク
ロペンタジエンと3級アルコール中の一酸化炭素挿入反
応によって得られるトリシクロ[5.2.1.02,6
デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無水物およびそ
の水素化物であるトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン−3,4−ジカルボン酸無水物を、アルコール(又
は水)と反応させモノアルコキシエステル(又はジカル
ボン酸)とした後、t−ブチルエステル化することによ
り目的の8−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−9−t
−ブトキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.
2,6]デカン又は8(9)−アルコ(ヒドロ)キシカ
ルボニル−9(8)−t−ブトキシカルボニルトリシク
ロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エンが得られるこ
とを見出し本発明を完成させた。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、式
[1]
【0011】
【化10】
【0012】(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜1
0のアルキル基(但し、カルボニルオキシ基に結合する
炭素は少なくとも1つの水素原子を有する。)又は炭素
数3〜6のシクロアルキル基を表し、破線は単結合又は
二重結合を表す。)で表される8−アルコ(ヒドロ)キ
シカルボニル−9−t−ブトキシカルボニルトリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン又は8(9)−アルコ
(ヒドロ)キシカルボニル−9(8)−t−ブトキシカ
ルボニルトリシクロ[5.2.1.02, 6]デセ−3−
エンに関する。また、本発明は、式[2]
【0013】
【化11】
【0014】(式中、R及び破線は前記と同じ意味を表
す。)で表される8−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル
−9−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン又は8(9)−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−
9(8)−カルボキシトリシクロ[5.2.1.
2,6]デセ−3−エンを酸触媒の存在下、イソブテン
又はt−ブタノールと反応させることを特徴とする式
[1]
【0015】
【化12】
【0016】(式中、R及び破線は前記と同じ意味を表
す。)で表される8−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル
−9−t−ブトキシカルボニルトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン又は8(9)−アルコ(ヒドロ)キ
シカルボニル−9(8)−t−ブトキシカルボニルトリ
シクロ[5.2.1.02, 6]デセ−3−エンの製造法
に関する。
【0017】又、本発明は、トリシクロ[5.2.1.
26]デカン−8,9−ジカルボン酸又はトリシクロ
[5.2.1.026]デセ−3−エン−8,9−ジカ
ルボン酸を1,1−カルボニルジイミダゾール及びt−
ブトキシ金属の存在下、t−ブタノールと反応させるこ
とを特徴とする8(9)−t−ブトキシ−9(8)−カ
ルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−
エン又は8−t−ブトキシ−9−カルボキシトリシクロ
[5.2.1.02,6]デカンの製造法に関する。
【0018】更にまた、本発明は、式[3]
【0019】
【化13】
【0020】(式中、R’は炭素数1〜10のアルキル
基(但し、カルボニルオキシ基に結合する炭素は少なく
とも1つの水素原子を有する。)又は炭素数3〜6のシ
クロアルキル基を表し、破線は単結合又は二重結合を表
す。)で表される8-アルコキシカルボニル-9-カルボ
キシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン又は8
(9)−アルコキシカルボニル−9(8)−カルボキシ
トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エンに関
する。更に本発明は、式[3]の化合物の製造法に関す
る。即ち、式[4]
【0021】
【化14】
【0022】(式中、破線は単結合又は二重結合を表
す。)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
セ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無水物(TCD
A)又はTCDAを還元して得られるトリシクロ[5.
2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物
(DH−TCDA)と式[5]
【0023】
【化15】
【0024】(式中、R’は炭素数1〜10のアルキル
基(但し、ヒドロオキシ基に結合する炭素は少なくとも
1つの水素原子を有する。)又は炭素数3〜6のシクロ
アルキル基を表す。)で表されるアルコールとを反応さ
せることを特徴とする式[3]
【0025】
【化16】
【0026】(式中、R’は前記と同じ、破線は単結合
又は二重結合を表す。)で表される8−アルコキシカル
ボニル−9−カルボキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン又は8(9)−アルコキシカルボニル−9
(8)−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6
デセ−3−エンの製造法に関する。
【0027】
【発明の実施態様】以下、本発明を詳細に説明する。原
料のトリシクロデカン誘導体は、次の反応スキームで製
造される(特公平5−2674号公報、特開平7−53
453号公報参照)。
【0028】
【化17】
【0029】ジシクロペンタジエン、t−ブタノールな
どの3級アルコール,アリルアルコール更にエチレング
リコール等のアルコール類および一酸化炭素から、塩化
銅存在下パラジウム触媒によりトリシクロ[5.2.
1.02,6]デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無
水物(TCDA)が得られる。
【0030】TCDAを接触還元などの方法で還元する
ことによりトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−
8,9−ジカルボン酸無水物(DH−TCDA)が得ら
れる。
【0031】次に、モノエステル化(又は水和)は下記
のスキームで表される。
【0032】
【化18】
【0033】(式中、R及び破線は前記と同じ意味を表
す。) 即ち、TCDA又はDH−TCDAとアルコール(又は
水)を混合し、加熱することにより容易にそのモノエス
テル体又はジカルボン酸である8−アルコ(ヒドロ)キ
シカルボニル−9−カルボキシトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン(ACD)又は8(9)−アルコ
(ヒドロ)キシカルボニル−9(8)−カルボキシトリ
シクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン(AC
E)が得られる。
【0034】アルコールとしては、炭素数1〜10のア
ルコール又は炭素数3〜6の脂環式アルコールであり、
具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、i−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノー
ル、n−アミルアルコール、s−アミルアルコール、n
−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノー
ル、n−ノナノール、n−デカノール、シクロブタノー
ル、シクロペンタノール及びシクロヘキサノール等であ
り、特には、メタノール、エタノール及びn−プロパノ
ールが好ましい。尚、t−ブタノールなど3級アルコー
ルは、混合加熱だけでは、反応しない。アルコール又は
水の使用量は、基質に対し1〜50モル倍であり、好ま
しくは、2〜10モル倍である。反応温度は、通常アル
コール又は水の沸点で行ない、60〜150℃間で行な
うのが好ましい。
【0035】反応後、余剰アルコール又は水を留去した
後、高純度のモノエステル又はジカルボン酸(ACE、
ACD)が得られる。場合によりカラムクロマトグラフ
ィ−等で精製することもできる。
【0036】次に、モノエステル又はジカルボン酸(A
CE、ACD)とイソブテン又はt−ブタノールとの反
応について述べる。反応は、下記のスキームで表され
る。
【0037】
【化19】
【0038】(式中、R及び破線は前記と同じ意味を表
す。) 即ち、前記8−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−9−
カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
(ACD)又は8(9)−アルコ(ヒドロ)キシカルボ
ニル−9(8)−カルボキシトリシクロ[5.2.1.
2,6]デセ−3−エン(ACE)を酸触媒の存在下、
イソブテン又はt−ブタノールと反応させて、8−アル
コ(ヒドロ)キシカルボニル−9−t−ブトキシカルボ
ニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(AB
D)又は8(9)−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−
9(8)−t−ブトキシカルボニルトリシクロ[5.
2.1.02,6]デセ−3−エン(ABE)を製造法す
ることができる。
【0039】原料のモノエステル及びジカルボン酸(A
CE、ACD)は、前記反応粗物をそのまま用いること
ができる。
【0040】イソブテン又はt−ブタノールはモノエス
テル又はジカルボン酸に対し1−20モル倍、経済的に
は1〜5モル倍使用することが好ましい。イソブテン
は、先に溶媒に溶かしたモノエステルを仕込んだ耐圧反
応器を−10℃以下に冷却したところに、気体又は液体
で常圧下仕込むことができる。
【0041】本反応は、酸触媒により促進される。酸触
媒としては、一例を挙げれば、硫酸、塩酸及び燐酸等の
無機鉱酸、ギ酸、酢酸及びトリフルオロ酢酸等の脂肪族
カルボン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸及びp−トルエンスルホン酸等の有機スルホン
酸、リンタングステン酸、シリカタングステン酸及びリ
ンモリブデン酸等のヘテロポリ酸及びスカンジウムトリ
フルオロメタンスルホネートスカンジウム、トリフルオ
ロメタンスルホネート及びイッテルビウムトリフルオロ
メタンスルホネート等の希土類金属トリフラートに代表
されるルイス酸等が使用することができる。
【0042】これらの中で、特には経済的な硫酸及びp
−トルエンスルホン酸が好ましく、更には硫酸が好まし
い。
【0043】その使用量は、基質に対し0.1〜50モ
ル%(ヘテロポリ酸類の場合は1〜50重量%)が好ま
しく、特には0.5〜10モル%(ヘテロポリ酸類の場
合は5〜20重量%)が好ましい。
【0044】イソブテンによるエステル化反応は、溶媒
を使用することが好ましい。その種類としては、例え
ば、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン(EDC)
及び1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素類、トルエン、キシレン及びジクロロベンゼンなど
の芳香族化合物類、アセトニトリル及びプロピオニトリ
ル等の脂肪族ニトリル類、ジオキサン、1,2−ジメト
キシエタン及びジグライム(ジエチレングリコールジメ
チルエーテル)等のエーテル化合物類等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、EDCである。
【0045】t−ブタノールによるエステル化反応で
は、前記溶媒類を使用することもできるが、t−ブタノ
ールを過剰量用いて、余剰量を回収するのが好ましい。
使用量は、基質に対し1〜50重量倍が好ましく、特に
は1〜10重量倍が好ましい。反応温度は、−10〜1
50℃で可能であるが、好ましくは、10〜100℃
が、特には、30〜80℃が反応が速くかつ高収率で目
的物が得られる。t−ブタノールによるエステル化反応
では、副生する水を過剰量のt−ブタノールと一緒に留
出させながら、またトルエンなどを加えて共沸させなが
ら、常圧又は減圧下で反応を進行させることができる。
更に、本反応は、回分式または連続式で行なうことがで
きる。
【0046】反応終了後、余剰イソブテン又はt−ブタ
ノール及び溶媒を留去し、得られた反応粗物を蒸留、カ
ラムクロマトグラフィー又は再結晶で精製することによ
り、目的のジエステル化合物(ABE又はABD)が得
られる。
【0047】次に、t−ブチルエステル化の別法につい
て述べる。その反応方法は、下記の反応スキームで表さ
れる。
【0048】
【化20】
【0049】(上記式中、Mはアルカリ金属塩及びアル
カリ土金属塩を表す。) 本反応は、8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.
1.026]デカン(トリシクロ[5.2.1.
26]デカン−8,9−ジカルボン酸)又は8,9−
ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.026]デセ−
3−エン(トリシクロ[5.2.1.026]デセ−3
−エン−8,9−ジカルボン酸)を1,1−カルボニル
ジイミダゾール及びt−ブトキシ金属存在下、t−ブタ
ノールと反応させることを特徴とする8(9)−t−ブ
トキシ−9(8)−カルボキシトリシクロ[5.2.
1.02,6]デセ−3−エン又は8−t−ブトキシ−9
−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
を得る製造法である。
【0050】1,1−カルボニルジイミダゾールの使用
量は、ジカルボン酸の基質に対し0.5−5モル倍、好
ましくは1〜3モル倍が適当である。
【0051】t−ブトキシ金属としては、t−ブトキシ
リチウム、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリ
ウム、t−ブトキシマグネシウム及びt−ブトキシカル
シウム等のアルカリ金属塩及びアルカリ土金属塩が使用
できる。これらの中で、t−ブトキシナトリウム及びt
−ブトキシカリウムが好ましい。その使用量は、ジカル
ボン酸の基質に対し0.01〜2モル倍、好ましくは
0.1〜1モル倍が適当である。
【0052】更に、t−ブタノールの使用量は、ジカル
ボン酸の基質に対し1〜50モル倍、好ましくは2〜1
0モル倍が適当である。反応温度は、0〜150℃間で
可能であるが、特には20〜120℃が好ましい。
【0053】反応終了後、濃縮してから、その残渣を
1,2−ジクロロエタン(EDC)と水で抽出した後、
EDC層を濃縮しその残渣をカラムクロマトグラフィー
又は再結晶等で精製することにより、目的の8(9)−
t−ブトキシ−9(8)−カルボキシトリシクロ[5.
2.1.02,6]デセ−3−エン又は8−t−ブトキシ
−9−カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カンが得られる。以下実施例により本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらにより限定されるもので
はない。
【0054】
【実施例】実施例1
【0055】
【化21】
【0056】50mlガラス反応器にトリシクロ[5.
2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物
(DH−TCDA)6.18g(30mmol)とメタ
ノール18.6gを仕込み、70℃でマグネチックスタ
ーラーにより1時間撹拌した。終了後濃縮し油状物質
7.4g(収率100%)が得られた。この物質の分析
結果を以下に示す。1 H-NMR(CDCl3,δppm):1.53(brs,6H),1.70(s,1H),2.18
(d,9.75Hz,1H),2.47(d,20.8Hz,2H),2.94(dd,J1=9.8Hz,J
2=9.8Hz,2H),3.61(s,3H),9.81(brs,1H).13 C-NMR(CDCl3,δppm):26.55,26.60,28.81,40.65,44.3
9,44.56,45.05,45.18,45.32,51.97,174.3,179.8. MASS(FAB+,m/e(%)):239(M+1,100),221(85),207(95),13
3(39),97(15),76(19),75(18). 以上の結果より本化合物は、8−カルボキシ−9−メト
キシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ
ン(CMD)であることを確認した。 実施例2
【0057】
【化22】
【0058】50ml耐圧ガラス反応器に8−カルボキ
シ−9−メトキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.
2,6]デカン(CMD)7.14g(30mmo
l)、95%硫酸0.20g(6.5mol%)及び
1,2−ジクロロエタン(EDC)22gを仕込み、−
10℃に冷却してからイソブテン5.5gを吹き込んだ
後密閉した。22℃でマグネチックスターラーにより2
0時間撹拌した。終了後、水20ml、飽和重曹水20
ml更に水20ml2回の順に洗浄した後、EDC溶液
を濃縮した。得られ油状物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開液:ヘプタン/酢酸エチル=9/1〜
5/1)で精製した。
【0059】その結果室温で油状物質5.24g(1
7.8mmol;収率59.3%)が得られた。この物
質の分析結果を以下に示す。 MASS(FAB+,m/e(%)):295(M+1,56),239(100),221(85),20
7(95),133(22),89(30).1 H-NMR(CDCl3,δppm):1.41(s,9H),1.50-1.54(m,6H),1.
69(brs,1H),2.23(dd,J1=1.22Hz,J2=9.77Hz,1H),2.39(d,
J=34.2Hz,2H),2.46(brs,2H),2.85(s,2H),3.62(d,J=18.3
Hz,3H).13 C-NMR(CDCl3,δppm):26.65,28.02,28.90,40.59,43.9
5,44.41,45.25,45.59,80.31,172.94,174.20. 以上の結果より本化合物は、8−t−ブトキシカルボニ
ル−9−メトキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.
2,6]デカン(BMD)であることを確認した。更
に、後留としてDH−TCDA1.41g(収率22.
8%)が得られた。
【0060】実施例3 実施例2に於て、95%硫酸0.15g(5.0mol
%)及び反応温度を40℃にし、反応時間を6時間にし
た他は同様に反応・精製させた後、得られたBMDは、
6.07g(20.6mmol;収率68.6%)であ
った。更に、後留としてDH−TCDA1.03g(収
率16.7%)が得られた。実施例4
【0061】
【化23】
【0062】50ml四つ口ガラス製反応フラスコにテ
トラヒドロフラン(THF)23g、t−ブトキシナト
リウム0.48g(5mmol)、1,1,−カルボニ
ルジイミダゾール3.89g(24mmol)、t−ブ
タノール5.9g及びトリシクロ[5.2.1.
26]デカン−8,9−ジカルボン酸(DH−TCD
C)2.24g(10mmol)を仕込み、70℃で7
時間撹拌した。終了後、濃縮してから残渣に水20ml
と1,2−ジクロロエタン(EDC)30gを加え抽出
した後、EDC溶液を水洗した後、EDC溶液を濃縮し
油状物(室温固化)1.9g(6.78mmol)(収
率67.8%)を得た。
【0063】得られ固形物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開液:ヘプタン/酢酸エチル=9/1〜
5/1)で精製し結晶1.4gを得た。 MASS(FAB+,m/e(%)):280(M+1,30),225(82),207(100),20
7(95).1 H-NMR(CDCl3,δppm):1.40(s,9H),1.50-1.54(m,6H),1.
68(brs,1H),2.22(dd,J1=1.83Hz,J2=8.55Hz,1H),2.41(d,
J=1.84Hz,2H),2.46(d,J=2.44Hz,2H),2.86(dd,J1=9.77H
z,J2=23.53Hz,2H).13 C-NMR(CDCl3,δppm):26.43,27.83,28.73,40.51,44.2
3,44.52,44.74,45.18,45.20,45.43,76.66,76.91,77.16,
80.58,172.42,180.14. Mp.(℃):143〜144 この分析値から本化合物は、8−t−ブトキシ−9−カ
ルボキシトリシクロ[5.2.1.026]デカン(B
CD)を確認した。実施例5
【0064】
【化24】
【0065】50ml四つ口ガラス製反応フラスコにト
リシクロ[5.2.1.026]デカン−8,9−ジカ
ルボン酸(DH−TCDC)1.12g(5mmo
l)、t−ブタノール15g及び95%硫酸0.05g
を仕込み、85℃で10時間撹拌した。この反応液をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、BCD収率1
9.8%で未反応DH−TCDCが80.2%であっ
た。
【0066】実施例6 実施例5に於て、酸触媒をリンタングステン酸30水塩
0.224gに変えて、100℃で10時間撹拌した他
は、同様に反応を行なった。この反応液をガスクロマト
グラフィーで分析した結果、BCD収率17.6%で未
反応DH−TCDC82.4%であった。
【0067】実施例7 実施例5に於て、酸触媒をトリフルオロメタンスルホン
酸スカンジウム[Sc(OTf)3]0.074gに変
えて、100℃で10時間撹拌した他は、同様に反応を
行なった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析
した結果、BCD収率15.8%で未反応DH−TCD
C84.2%であった。
【0068】
【発明の効果】ジシクロペンタジエンを原料として得ら
れるトリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン
−8,9−ジカルボン酸無水物(TCDA)又はTCD
Aを還元して得られるトリシクロ[5.2.1.
2,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物(DH−
TCDA)用いて、パターン形成材料用の溶解抑止剤と
して優れた性能を有する脂環式エステル化合物及びその
製法を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/753 C07C 69/753 C // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[1] 【化1】 (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基
    (但し、カルボニルオキシ基に結合する炭素は少なくと
    も1つの水素原子を有する。)又は炭素数3〜6のシク
    ロアルキル基を表し、破線は単結合又は二重結合を表
    す。)で表される8-アルコ(ヒドロ)キシカルボニル
    −9−t−ブトキシカルボニルトリシクロ[5.2.
    1.02,6]デカン又は8(9)−アルコ(ヒドロ)キ
    シカルボニル−9(8)−t−ブトキシカルボニルトリ
    シクロ[5.2.1.02, 6]デセ−3−エン。
  2. 【請求項2】 式[2] 【化2】 (式中、R及び破線は前記と同じ意味を表す。)で表さ
    れる8−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−9−カルボ
    キシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン又は8
    (9)−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−9(8)−
    カルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3
    −エンを酸触媒の存在下、イソブテン又はt−ブタノー
    ルと反応させることを特徴とする式[1] 【化3】 (式中、R及び破線は前記と同じ意味を表す。)で表さ
    れる8−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−9−t−ブ
    トキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
    カン又は8(9)−アルコ(ヒドロ)キシカルボニル−
    9(8)−t−ブトキシカルボニルトリシクロ[5.
    2.1.026]デセ−3−エンの製造法。
  3. 【請求項3】 酸触媒が鉱酸、ヘテロポリ酸及びトリフ
    ルオロメタンスルホン酸希土類金属塩であることを特徴
    とする請求項2記載の8−アルコ(ヒドロ)キシカルボ
    ニル−9−t−ブトキシカルボニルトリシクロ[5.
    2.1.02,6]デカン又は8(9)−アルコ(ヒド
    ロ)キシカルボニル−9(8)−t−ブトキシカルボニ
    ルトリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エンの
    製造法。
  4. 【請求項4】 トリシクロ[5.2.1.026]デカ
    ン−8,9−ジカルボン酸又はトリシクロ[5.2.
    1.026]デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸を
    1,1−カルボニルジイミダゾール及びt−ブトキシ金
    属の存在下、t−ブタノールと反応させることを特徴と
    する8(9)−t−ブトキシ−9(8)−カルボキシト
    リシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン又は8
    −t−ブトキシ−9−カルボキシトリシクロ[5.2.
    1.02,6]デカンの製造法。
  5. 【請求項5】 式[3] 【化4】 (式中、R’は炭素数1〜10のアルキル基(但し、カ
    ルボニルオキシ基に結合する炭素は少なくとも1つの水
    素原子を有する。)又は炭素数3〜6のシクロアルキル
    基を表し、破線は単結合又は二重結合を表す。)で表さ
    れる8-アルコキシカルボニル-9-カルボキシトリシク
    ロ[5.2.1.02,6]デカン又は8(9)−アルコ
    キシカルボニル−9(8)−カルボキシトリシクロ
    [5.2.1.02,6]デセ−3−エン。
  6. 【請求項6】 式[4] 【化5】 (式中、破線は単結合又は二重結合を表す。)で表され
    るトリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン−
    8,9−ジカルボン酸無水物(TCDA)又はTCDA
    を還元して得られるトリシクロ[5.2.1.02,6
    デカン−8,9−ジカルボン酸無水物(DH−TCD
    A)と式[5] 【化6】 (式中、R’は炭素数1〜10のアルキル基(但し、ヒ
    ドロオキシ基に結合する炭素は少なくとも1つの水素原
    子を有する。)又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を
    表す。)で表されるアルコールとを反応させることを特
    徴とする式[3] 【化7】 (式中、R’は炭素数1〜10のアルキル基(但し、カ
    ルボニルオキシ基に結合する炭素は少なくとも1つの水
    素原子を有する。)又は炭素数3〜6のシクロアルキル
    基を表し、破線は単結合又は二重結合を表す。)で表さ
    れる8−アルコキシカルボニル−9−カルボキシトリシ
    クロ[5.2.1.02,6]デカン又は8(9)−アル
    コキシカルボニル−9(8)−カルボキシトリシクロ
    [5.2.1.02,6]デセ−3−エンの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5083909B2 (ja) * 2006-02-14 2012-11-28 独立行政法人産業技術総合研究所 カルボン酸エステルおよびエーテル化合物の製造方法

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