JP2004026718A - 新規なヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレートとその製造方法 - Google Patents

新規なヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレートとその製造方法 Download PDF

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JP2004026718A
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Sachiko Miyagi
宮城 佐知子
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Abstract

【課題】種々の重合体の改質用の反応性モノマー、フォトレジスト等の放射線硬化性材料の原料として有用性が期待される新規なヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレートとその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、一般式(I)
【化1】
Figure 2004026718

(式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、R2 は水素原子又はメチル基を示し、nは0、1又は2の整数であり、(メタ)アクリロイル基は炭素原子a又はbに結合している。)
で表されるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレートが提供される。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)
アクリレートと、これを入手容易な架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルア
ルコールを出発原料として、工業的に容易に収率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する架橋環式炭化水素化合物、
即ち、架橋環式炭化水素(メタ)アクリレートが幾つかが既に知られている。
例えば、特開平10−307400号公報にはトリシクロデカンジオールモノ
メタクリレートやトリシクロデカンジメタノールモノアクリレートが記載され
ており、また、特開昭63−280043号公報にはノルボルナンジオールジ
アクリレートが記載されている。
【0003】
これらの化合物は、近年、種々の重合体の改質用の反応性モノマーやフォト
レジスト等の放射線硬化性材料の原料等として注目されており、それに伴って
、要求性能も益々多様化、高度化し、更に、新規な架橋環式炭化水素(メタ)
アクリレートの開発が求められている。
【0004】
なかでも、ノルボルナン骨格に(メタ)アクリロイル基とヒドロキシアルキ
ル基とを併せ有するヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)
アクリレートは、高い耐候性、耐熱性と共に、高い機能性を有すると期待され
、特に、放射線レジスト原料としてすぐれていると期待されるが、しかし、従
来、そのようなヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アク
リレートは知られておらず、勿論、その工業的製造方法も知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上述したように、種々の重合体の改質用の反応性モノマ
ー、フォトレジスト等の放射線硬化性材料の原料として有用性が期待される新
規なヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレートを
提供することを目的とする。更に、本発明は、そのような新規なヒドロキシア
ルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレートの高純度品を工業的
に容易に収率よく製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、一般式(I)
【0007】
【化3】
Figure 2004026718
【0008】
(式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、R2 は水素原子又は
メチル基を示し、nは0、1又は2の整数であり、(メタ)アクリロイル基は
炭素原子a又はbに結合している。)
で表されるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレ
ートが提供される。
【0009】
更に、本発明によれば、一般式(II)
【0010】
【化4】
Figure 2004026718
【0011】
(式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、nは0、1又は2の
整数である。)
で表される架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールに蟻酸を反応さ
せ、次いで、(メタ)アクリル酸を反応させた後、部分アルカリ加水分解する
ことを特徴とする請求項1に記載のヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水
素モノ(メタ)アクリレートの製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による新規なヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ
)アクリレートは、一般式(I)
【0013】
【化5】
Figure 2004026718
【0014】
(式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、R2 は水素原子又は
メチル基を示し、nは0、1又は2の整数であり、(メタ)アクリロイル基は
炭素原子a又はbに結合している。)
で表される。
【0015】
上記一般式(I)で表されるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モ
ノ(メタ)アクリレートにおいて、R1 は炭素原子数1〜8のアルキレン基で
あり、好ましくは、炭素原子数1〜4のアルキレン基である。従って、このア
ルキレン基を含むヒドロキシアルキル基の具体例として、例えば、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ−n−プロピル基、ヒドロキシ−
1−メチルエチル基、ヒドロキシ−2−メチルエチル基、ヒドロキシ−n−ブ
チル基、ヒドロキシ−1−メチルプロピル基、ヒドロキシ−2−メチルプロピ
ル基、ヒドロキシ−3−メチルプロピル基等を挙げることができる。
【0016】
また、上記一般式(I)で表されるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化
水素モノ(メタ)アクリレートにおいて、R2 は水素原子又はメチル基を示し
、nは0、1又は2の整数であり、(メタ)アクリロイル基は炭素原子a又は
bに結合している。
【0017】
本発明によるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アク
リレートは、後述するようにして製造され、従って、次式(Ia)で表される
化合物と(Ib)で表される化合物との混合物として得られる。
【0018】
【化6】
Figure 2004026718
【0019】
このようなヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリ
レートは、そのような混合物として、例えば、前述したように、種々の重合体
の改質用の反応性モノマーやフォトレジスト等の放射線硬化性材料の原料等と
して用いられる。
【0020】
従って、上記一般式(I)で表される本発明によるヒドロキシアルキル基置
換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレートの具体例の第1の群は、一般式
(Ic)
【0021】
【化7】
Figure 2004026718
【0022】
(R1 とR2 は前記と同じであり、(メタ)アクリロイル基は炭素原子a又は
bに結合している。)
で表されるものであって、このような化合物として、例えば、
2−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−(又は6−)イル
アクリレート、
2−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−(又は6−)イル
メタクリレート、
2−ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−(又は6−)イル
アクリレート
等を挙げることができる。
【0023】
また、本発明によるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ
)アクリレートの第2の群は、一般式(Id)
【0024】
【化8】
Figure 2004026718
【0025】
(R1 とR2 は前記と同じであり、(メタ)アクリロイル基は炭素原子a又は
bに結合している。)
で表されるものであって、このような化合物として、例えば、
3−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−
8−(又は9−)イルアクリレート、
3−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−
8−(又は9−)イルメタクリレート、
3−ヒドロキシエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−
8−(又は9−)イルアクリレート、
等を挙げることができる。
【0026】
更に、本発明によるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ
)アクリレートの具体例の第3の群は、一般式(Ie)
【0027】
【化9】
Figure 2004026718
【0028】
(R1 とR2 は前記と同じであり、(メタ)アクリロイル基は炭素原子a又は
bに結合している。)
で表されるものであって、このような化合物として、例えば、
4−ヒドロキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7
.09,14.]ヘプタデカ−4−イルアクリレート、
4−ヒドロキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7
.09,14.]ヘプタデカ−4−イルメタクリレート、
4−ヒドロキエメチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7
.09,14.]ヘプタデカ−4−イルアクリレート、
等を挙げることができる。
【0029】
前記一般式(I)で表される本発明によるヒドロキシアルキル基置換架橋環
式炭化水素モノ(メタ)アクリレートは、一般式(II)
【0030】
【化10】
Figure 2004026718
【0031】
(式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、nは0、1又は2の
整数である。)
で表される架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールに蟻酸を反応さ
せて、そのヒドロキシル基を蟻酸エステル基として保護した後、この架橋環式
不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールの二重結合部に(メタ)アクリル酸
を付加させ、この後、上記蟻酸エステル基をアルカリ加水分解(本発明におい
て、このアルカリ加水分解を部分アルカリ加水分解という。)して、ヒドロキ
シル基を復元させることによって得ることができる。
【0032】
本発明によれば、下のスキームに示すように、一般式(II)で表される架橋
環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールのヒドロキシル基を蟻酸にて選
択的に保護することによって、その架橋環式不飽和炭化水素骨格中の二重結合
に(メタ)アクリル酸を高い選択率にて付加させることができる。
【0033】
【化11】
Figure 2004026718
【0034】
本発明の方法によれば、出発物質として、前記一般式(II)で表される架橋
環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールが用いられる。この架橋環式不
飽和炭化水素基置換アルキルアルコールにおいて、R1 は前記と同じである。
従って、上記架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールの具体例とし
て、例えば、
ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−メタノール、
ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−エタノール、
ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−プロパノール、
ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−(1−メチルプロパノール)、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−メタノール、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−エタノール、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−プロパノール、
ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−11−ヘ
プタデセン−4−メタノール、
ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14.]−11−
ヘプタデセン−4−エタノール
等を挙げることができる。
【0035】
このような架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールのヒドロキシ
ル基の蟻酸によるエステル化反応は、上記アルキルアルコールと蟻酸を、好ま
しくは有機溶媒中、酸触媒の存在下に、常圧下又は加圧下に、通常、温度10
〜80℃の範囲、好ましくは、30℃〜60℃の範囲において、通常、1〜6
時間程度反応させることによって行われる。この反応に際して、蟻酸は、不飽
和架橋環式アルカノール1モル部に対して、通常、0.1〜5.0モル部、好
ましくは、0.5〜2.0モル部の範囲で用いられる。
【0036】
上記酸触媒としては、従来よりエステル化触媒として知られているものが適
宜に用いられるが、なかでも、有機スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸等が好ましく用いられる。このような酸触媒は、架橋環式不飽和炭化水素基
置換アルキルアルコール100重量部に対して 通常、1〜20重量部、好ま
しくは、2〜10重量部の範囲で用いられる。
【0037】
上記エステル化反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。この有機溶媒は
、エステル化反応に不活性であれば、特に、限定されるものではないが、例え
ば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が好ましく用いられる。このよう
な有機溶媒は、出発物質である架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコ
ール100重量部に対して、通常、50〜500重量部、好ましくは、100
〜300重量部の範囲で用いられる。
【0038】
上記エステル化反応は、バッチ式、連続式のいずれによっても行うことがで
きる。バッチ式の場合は、例えば、架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルア
ルコールと酸触媒、必要に応じて、有機溶媒を反応容器に仕込み、大気圧下に
加温し、これに蟻酸を滴下、攪拌して、エステル化反応を行う。
【0039】
反応終了後、得られた反応混合物をトリエチルアミン等のアルカリで中和す
れば、前記スキームに示すように、架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルア
ルコールの蟻酸エステル(1)(以下、「蟻酸エステル」という。)を得る。
このようにして得られる中和後の反応混合物は、次工程の(メタ)アクリル酸
との反応において、そのまま原料として用いてもよいが、しかし、反応生成物
である蟻酸エステルを精製した後、次工程の原料として用いることが収率の向
上等の点から好ましい。
【0040】
上記蟻酸エステルは、例えば、反応混合物をトリエチルアミン等のアルカリ
で中和し、水洗した後、目的物を含む油層を分離し、かくして、得られた油層
を必要に応じて更に水洗した後、減圧蒸留等によって有機溶媒を留去すれば、
通常、純度90%程度以上の蟻酸エステルを得ることができる。
【0041】
次に、このようにして得られた蟻酸エステルに(メタ)アクリル酸を反応さ
せ、即ち、(メタ)アクリル酸を蟻酸エステルの二重結合に付加させて、前記
スキームに示すように、架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールの
蟻酸エステルのモノ(メタ)アクリレート(2)(以下、「蟻酸エステモノ(
メタ)アクリレートという。)を得る。
【0042】
蟻酸エステルと(メタ)アクリル酸の反応は、好ましくは、有機溶媒中、酸
触媒の存在下、常圧又は加圧下に、通常、温度20〜100℃の範囲、好まし
くは、40〜80℃において、通常、1〜12時間程度反応させることにより
行う。この蟻酸エステルと(メタ)アクリル酸との反応において、(メタ)ア
クリル酸は、蟻酸エステル1モル部に対して、通常、0.1〜5.0モル部、
好ましくは、0.5〜2.0モル部の範囲で用いられる。
【0043】
酸触媒としては、硫酸、ナフィオン(デュポン社登録商標)、トリフルオロ
酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が用いられるが、好ましくは、トリフ
ルオロメタンスルホン酸が用いられる。このような酸触媒は、出発物質である
蟻酸エステル100重量部に対して、通常、1〜20重量部、好ましくは、2
〜10重量部の範囲で用いられる。
【0044】
蟻酸エステルと(メタ)アクリル酸との反応は、有機溶媒中で行うことが好
ましい。この有機溶媒としては、(メタ)アクリル酸の付加反応に不活性であ
れば、特に、限定されるものではないが、好ましくは、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素溶媒が用いられる。
【0045】
反応は、バッチ式、連続式のいずれによっても行うことができる。バッチ式
の場合は、例えば、(メタ)アクリル酸、酸触媒、必要に応じて、トルエン等
の有機溶媒を反応容器中に仕込み、大気圧下に加温し、これに蟻酸エステルを
滴下、攪拌して、反応を行う。反応終了後、得られた反応混合物を水酸化ナト
リウム水溶液等のアルカリで中和して、蟻酸エステルモノ(メタ)アクリレー
トを得る。
【0046】
このようにして得られた中和後の反応混合物をそのまま、次工程の蟻酸エス
テル基の加水分解反応において原料として用いてもよいが、しかし、得られた
蟻酸エステルモノ(メタ)アクリレートを精製した後、次工程の原料として用
いることが収率の向上等の点から好ましい。即ち、例えば、得られた反応混合
物を水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリで中和し、水洗した後、目的物を含
む油層を分離し、得られた油層を必要に応じて更に水洗した後、減圧蒸留等に
より有機溶媒を留去することによって、通常、純度90%程度以上の蟻酸エス
テルモノ(メタ)アクリレートを得ることができる。
【0047】
次に、このようにして得られた蟻酸エステルモノ(メタ)アクリレートの蟻
酸エステル基をアルカリ加水分解(即ち、部分アルカリ加水分解)して、本発
明によるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレー
ト(I)を得る。この蟻酸エステルモノ(メタ)アクリレートの加水分解は、
好ましくは、反応溶媒中、蟻酸エステルモノ(メタ)アクリレートにアンモニ
ア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液を加え、加温、
攪拌することにより行われる。上記アルカリは、用いる蟻酸エステルモノ(メ
タ)アクリレート1モル部に対して、1モル部以上、好ましくは、1〜2モル
部の範囲で用いられる。
【0048】
上記反応溶媒としては、例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、イソプ
ロパノール等が用いられるが、これらのなかでは、特に、メタノールやテトラ
ヒドロフラン等が好ましい。
【0049】
加水分解の反応温度は、通常、−10〜80℃、好ましくは、−10〜40
℃の範囲である。このような反応条件の下で、反応は、通常、1〜12時間程
度で終了する。
【0050】
加水分解反応の終了後、得られた反応生成物は、必要に応じて、精製される
。例えば、得られた反応混合物にトルエン等の有機溶媒を加えて攪拌した後、
水層を分離除去し、目的物を含む油層を得、これに塩酸等の酸を加え、中和し
た後、更に、必要に応じて、水洗した後、減圧濃縮等により有機溶媒を除去す
れば、通常、純度80%以上のヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モ
ノ(メタ)アクリレートを得ることができる。出発物質である架橋環式不飽和
炭化水素基置換アルキルアルコールに対する収率は、通常、70%以上である

【0051】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何
ら限定されるものではない。
【0052】
実施例1
(3−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ
−8−(及び9−)イルアクリルレートの製造)
温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた2L容量四つ口フラスコ
にテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−メタノ
ール76g(0.4モル)、p−トルエンスルホン酸一水和物2.3g及びトル
エン152gを仕込み、反応容器を窒素置換した後、常圧下、温度40℃に加
温した。次いで、上記原料溶液中に温度40℃に保ちながら、蟻酸36.8g
(0.8モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同じ温度で更に3時間
、攪拌下に反応を行った。
【0053】
反応終了後、得られた反応混合物にトリエチルアミン45gを加えて攪拌し
、pH5〜7に中和した。この後、これに水150gを加え、攪拌した後、水
層を分液除去した。得られた油層に更に水を加えて、攪拌し、水層を分液除去
した。次いで、この油層を減圧蒸留し、蒸留残留物として、テトラシクロ[4
.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセン−3−メタノール蟻酸エステル8
5gを得た。純度は98.5%(ガスクロマトグラフィー分析法)であった。
【0054】
次に、上記と同様の四つ口フラスコにアクリル酸57.6g(0.8モル)
、トリフルオロメタンスルホン酸0.8g及びトルエン173gを仕込み、反
応容器内を窒素置換した後、常圧下、温度53℃に加温した。次いで、上記ア
クリル酸溶液中に上記テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ド
デセン−3−メタノール蟻酸エステル85g(0.39モル)を、温度53℃
に保ちながら、3時間かけて滴下した。滴下終了後、同じ温度で更に3時間、
攪拌下に反応を行った。
【0055】
反応終了後、得られた反応混合物に8%水酸化ナトリウム水溶液220gを
加え、攪拌し、pH5〜7に中和した。これより水層を分液除去した後、得ら
れた油層に更に水を加えて、攪拌し、水層を分液除去した。次いで、この油層
を減圧蒸留し、蒸留残留物として、8−(及び9−)アクリロイルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−メタノール蟻酸エステル9
9.8gを得た。純度は95.0%(ガスクロマトグラフィー分析)であった

【0056】
次いで、上記の生成物残留フラスコ中にメタノール250gを加え、攪拌、
溶解させた後、これに氷冷下に5%アンモニア水163gを1時間かけて滴下
した。滴下終了後、同様に氷冷下で4時間、攪拌下に反応を行った。反応終了
後、得られた反応混合物にトルエン250gと水250gを加え、攪拌した後
、水層を分液除去した。得られた油層に4.4重量%塩酸を加えて、攪拌し、
水層を分液除去し、再度、水を加えて、水層を分液除去した後、得られた油層
を減圧蒸留し、蒸留残留物として、3−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−(及び9−)イルアクリルレート77
.2gを黄色液体として得た、純度は90.3%(ガスクロマトグラフィー分
析)であり、原料テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−8−ドデセ
ン−3−メタノールに対する収率は73.3%であった。
【0057】
得られた3−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]ドデカ−8−(及び9−)イルアクリルレートのプロトンNMRスペクトル
データを表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 2004026718

Claims (2)

  1. 一般式(I)
    Figure 2004026718
    (式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、R2 は水素原子又は
    メチル基を示し、nは0、1又は2の整数であり、(メタ)アクリロイル基は
    炭素原子a又はbに結合している。)
    で表されるヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレ
    ート。
  2. 一般式(II)
    Figure 2004026718
    (式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキレン基を示し、nは0、1又は2の
    整数である。)
    で表される架橋環式不飽和炭化水素基置換アルキルアルコールに蟻酸を反応さ
    せ、次いで、(メタ)アクリル酸を反応させた後、部分アルカリ加水分解する
    ことを特徴とする請求項1に記載のヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水
    素モノ(メタ)アクリレートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101533222A (zh) * 2007-09-25 2009-09-16 富士胶片株式会社 光固化性涂敷组合物、罩印物及其制造方法

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