JP4110642B2 - (メタ)アクリル酸エステルならびにその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルならびにその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な(メタ)アクリル酸エステルならびに該(メタ)アクリル酸エステルの製造法に関する。
本発明の新規な(メタ)アクリル酸エステルは、各種のポリマーの原料として、あるいは熱硬化性樹脂や感光性樹脂等の硬化性成分として有用であつて、例えばインキ、塗料、封止剤、レンズ、光ディスク等の各種用途に活用が期待される。
【0002】
【従来技術】
従来、光学材料に適した透明性の熱可塑性樹脂として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリスチレン樹脂などが知られ、汎用用途に用いられてきた。
また、耐熱性を高めた透明樹脂としてポリカーボナート(PC)樹脂が知られている。特にポリメチルメタクリレート樹脂は良好な光学特性を有し、軽量であり、かつ成型が容易であることから多方面に使用されている。しかし耐熱性が低い点や吸水性が大きいといった問題がある。
【0003】
この問題を解決する試みとしては、例えば特開平2−67248や特開平5−140231等には多環構造を有するアクリル酸エステル類が提案されている。しかし、これら多環構造を有するアクリル酸エステル類を使用して得られる樹脂は、耐熱性は向上するものの接着性、密着性等に劣る。
【0004】
また、特開平1−100145や特開平8−333304では、耐熱性、吸水性に加えて接着性、密着性、低収縮性を付与した極性基を有する多環構造を有するアクリル酸エステル誘導体が提案されている。しかしなから、この多環構造を有するアクリル酸エステル誘導体も、得られる樹脂は接着性および密着性は向上したものの、耐熱性の点で劣るものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、光学特性、耐熱性、耐水性および密着性が共に優れた樹脂の原料モノマーとして有用な新規な(メタ)アクリル酸エステルならびにその製造法の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、前記課題を解決する手段として、下記一般式(I)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル
【化5】
Figure 0004110642
(式中、Rは水素またはメチル基、Rは−OCOOR、−OCONR、または−CONRを表わす。前記R〜Rは水素または同一または相異なっていても良い炭素数1〜10の炭化水素基を表わす。mは0または1を表わす。)
を提供したことにある。
【0007】
本発明の第2は、下記一般式(II)で表わされる化合物
【化6】
Figure 0004110642
(式中、 は−OCOOR 、−OCONR 、または−CONR を表わす。前記R 〜R は水素または同一または相異なっていても良い炭素数1〜10の炭化水素基を表わす。mは0または1を表わす。)
と下記一般式(III)
【化7】
Figure 0004110642
(式中、R水素またはメチル基を表わす。)
で示されるアクリル酸もしくはメタクリル酸とを反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表わされる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供したことにある。
【化8】
Figure 0004110642
(式中、R は水素またはメチル基、R は−OCOOR 、−OCONR 、または−CONR を表わす。前記R 〜R は水素または同一または相異なっていても良い炭素数1〜10の炭化水素基を表わす。mは0または1を表わす。)
【0008】
前記R〜Rが炭素数1〜10の炭化水素基を表わす場合には、該炭化水素基としては、直鎖または分岐状脂肪族炭化水素基、単環または多環芳香族炭化水素基あるいは単環または多環脂肪族炭化水素基が挙げられる。
【0009】
本発明で言う前記一般式(I)の(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸は、アクリル酸およびメタクリル酸を意味する。
上記一般式(I)のRがOCOORである場合の化合物の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
5−メトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−エトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−プロポキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−イソブトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−シクロペンチルオキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−フェノキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、8−メトキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル−3または4−(メタ)アクリレート、8−エトキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル−3または4−(メタ)アクリレート、8−フェノキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル−3または4−(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0010】
また、上記一般式(I)のRがOCONRである場合の化合物の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
5−メチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−エチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−プロピルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−イソブチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−シクロペンチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−シクロヘキシルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−フェニルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、8−エチルカルバモイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル−3または4−(メタ)アクリレート、8−プロピルカルバモイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル−3または4−(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0011】
また、RがCONRである場合の化合物の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
5−N,N−ジメチルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−N,N−ジエチルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−N,N−ジプロピルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート、5−N,N−ジイソブチルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2または3−(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
本発明の前記一般式(I)で表わされるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの製造方法は、特に制限はないが、特に以下に示す方法により好適に製造することができる。
【0013】
(A)RがOCOORの場合における前記一般式(I)の化合物の製造法一般式(I)の化合物の製造法の一例として、第一工程で脱塩酸剤の存在下で、ヒドロキシル基含有多環式オレフィン〔一般式(II)のRがOH基のもの〕とクロロギ酸エステルとを反応させて一般式(IV)で表される多環式オレフィンを得、第二工程で、酸触媒の存在下、前記一般式(IV)で表される多環式オレフィンを(メタ)アクリル酸と反応させる方法が、工程が少ないので好適である。ただし、一般式(I)の化合物の製造法は、前記のものに限定されるものではない。
【0014】
前記第一工程の反応で用いるクロロギ酸エステルとしては、例えばクロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸シクロペンチル、クロロギ酸シクロヘキシル、クロロギ酸フェニル等が挙げられる。
これらクロロギ酸エステルは、通常、原料アルコールの1〜2.0当量、好ましくは1.1〜1.5当量の割合で使用される。
【0015】
脱塩酸剤としては、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の第3級アミン;水酸化ナトリウム等の無機塩類等を使用することができ、これらは、通常、クロロギ酸エステルの1〜2.0当量、好ましくは1.1〜1.5当量の割合で使用される。
【0016】
前記第1工程で用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;等が挙げられる。これらの溶媒は、反応原料の100〜500重量%、好ましくは100〜300重量%の割合で使用される。
【0017】
前記第1工程の反応は、室温〜200℃、好ましくは60〜130℃の温度で、常圧下で行うことが望ましい。本反応はこのような条件下で、通常2〜20時間程度で終了させることができる。反応終了後水洗し、水層を分離し、残存する溶媒を留去し、減圧蒸留等によって下記一般式(IV)で表される多環式オレフィンを得る。
【化9】
Figure 0004110642
(式中、Rおよびmは前記に同じ。)
【0018】
前記のようにして得られた一般式(IV)の化合物と(メタ)アクリル酸とを酸触媒下で反応させるが、化合物(IV)1モルに対して(メタ)アクリル酸を1〜5モルの割合で使用することが好ましい。
【0019】
この反応における酸触媒としては、例えば硫酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のブレンステッド酸;トリフルオロボランジエチルエーテル錯体等のルイス酸;強酸性のイオン交換樹脂;タングステン酸等のヘテロポリ酸;等を使用することができ、これらは通常、一般式(IV)の化合物の0.1〜200モル%の割合で使用される。
【0020】
この反応において、溶媒は使用しなくても良いが、使用する場合の例としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、1,2一ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これら溶媒の使用量は、反応原料の100〜500重量%、好ましくは100〜300重量%の割合で使用される。
この反応は、室温〜200℃、好ましくは60〜130℃、常圧下で行うことが望ましい。反応はこのような条件下で、通常、0.5〜20時間程度で終了させることができる。反応終了後、水洗した後、水層を分離し、残存する溶媒を留去した後、減圧蒸留等により前記一般式(I)の(メタ)アクリル酸エステル(ただし、RはOCOORである。)を得る。
【0021】
また、反応中の原料および生成物の重合を防止するために、重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ターシャリーブチルハイドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン、カテコール、銅化合物等を使用することができる。
重合禁止剤の使用量はアクリル酸またはメタクリル酸に対し20〜1000ppmが好ましい。
【0022】
(B)RがOCONRの場合の場合における前記一般式(I)の化合物の製造法
第一工程で、ヒドロキシル基含有多環式オレフィンとイソシアナート化合物とを反応させて下記一般式(V)で示される多環式オレフィンを得た後、第二工程で、酸触媒の存在下で、この多環式オレフィンをアクリル酸またはメタクリル酸と反応させる方法が挙げられる。
【化10】
Figure 0004110642
(式中、R4、およびmは前記に同じ。)
【0023】
第一工程の反応で用いるイソシアナート化合物としては、メチルイソシアナート、エチルイソシアナート、プロピルイソシアナート、シクロヘキシルイソシアナート、フェニルイソシアナート等が挙げられる。これらは、通常、ヒドロキシル基含有多環式オレフィンの1〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量の割合で使用される。
【0024】
この第一工程の反応においては、アミン類を添加するのが好ましい。アミンとしては、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等を使用することかでき、これらは、通常、イソシアナート化合物の1〜50モル%、好ましくは、1〜25モル%の割合で使用される。
【0025】
溶媒は使用しても使用しなくても構わないが、使用する場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
これらの溶媒は、反応原料の100〜500重量%、好ましくは100〜300重量%の割合で使用される。
【0026】
反応は室温〜200℃、好ましくは60〜130℃で、常圧下で行うことが望ましい。反応はこのような条件下で、通常、2〜20時間程度で終了させることができる。反応終了後、減圧蒸留により前記一般式(V)で表される多環式オレフィンを得る。
【0027】
このようにして得られた前記一般式(V)の多環式オレフィンと(メタ)アクリル酸とを酸触媒下で反応させる。
前記一般式(V)の多環式オレフィン1モルに対して、アクリル酸またはメタクリル酸を1〜5モルの割合で使用することが好ましい。
【0028】
この場合の酸触媒としては、例えば硫酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のブレンステッド酸;トリフルオロボランジエチルエーテル錯体等のルイス酸;強酸性のイオン交換樹脂;タングステン酸等のヘテロポリ酸;等を使用することができ、これら触媒は、通常一般式(V)の多環式オレフィンの0.1〜300モル%の割合の量で使用される。
【0029】
この反応において溶媒は使用しなくても良いが、使用する場合の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、1,2一ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これら溶媒の使用量は、反応原料の100〜500重量%、好ましくは100〜300重量%の割合で使用される。
【0030】
反応は室温〜200℃、好ましくは60〜130℃で、常圧下で行うことが望ましい。反応は、このような条件下で、通常、0.5〜20時間程度で終了させることができる。反応終了後、水洗した後、水層を分離し、残存する溶媒を留去した後、減圧蒸留により前記一般式(I)の(メタ)アクリル酸エステル(ただし、Rは、OCONRである。)を得る。
【0031】
また、反応中の原料および生成物の重合を防止するために、重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては例えはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ターシャリーブチルハイドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン、カテコール、銅化合物等を使用することができる。
重合禁止剤の使用量はアクリル酸またはメタクリル酸に対し20〜1000ppmが好ましい。
【0032】
(C)RがCONRの場合における前記一般式(I)の化合物の製造法
第一工程で、アルコキシカルボニル基含有多環式オレフィンと第2級アミンを反応させて下記一般式(VI)で示される多環式オレフィンとした後、第二工程で、これを酸触媒の存在下で(メタ)アクリル酸と反応させる方法を挙げることができる。
【化11】
Figure 0004110642
(式中、R6、およびmは前記に同じ。)
【0033】
第一工程の反応で用いるアルコキシカルボニル基含有多環式オレフィンのアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。これらアルコキシカルボニル基含有多環式オレフィンはどのような方法で合成しても構わない。
【0034】
本反応で使用する第2級アミンにおいて、2つの炭化水素基は同一でも異なっていても構わない。その具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。これらアミンは、通常、アルコキシカルボニル基含有多環式オレフィンの1〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量の割合で使用される。
【0035】
また本反応においては、反応を温和な条件で行うために、第2級アミンをアルカリアミドに変換してから反応させるのが好ましく、この場合、アルカリアミドへの変換には強アルカリを用いるのが好ましい。その具体例としては、n−ブチルリチウム、水素化ナトリウム等を挙げることができる。強アルカリは、通常、第2級アミンの1〜2.0当量、好ましくは1〜1.25当量で使用される。
【0036】
使用する溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒトロフラン等のエーテル類等が挙げられる。これら溶媒の使用量は、反応に供される原料の100〜500重量%、好ましくは100〜300重量%である。
【0037】
反応は、室温〜200℃、好ましくは室温〜130℃で常圧下で行うことが望ましい。反応はこのような条件下で、通常2〜20時間程度で終了させることができる。反応終了後、塩酸水溶液で処理した後、減圧蒸留により前記一般式(VI)で示される多環式オレフィンを得る。
【0038】
このようにして得られた前記一般式(VI)の多環式オレフィンと(メタ)アクリル酸とを酸触媒下で反応させるが、多環式オレフィン1モルに対して、(メタ)アクリル酸を1〜5モルの割合で使用することが好ましい。
【0039】
この反応における酸触媒としては、例えば硫酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のブレンステッド酸;トリフルオロボランジエチルエーテル錯体等のルイス酸;強酸性のイオン交換樹脂;タングステン酸等のヘテロポリ酸;等を使用することができ、これらは通常一般式(VI)の化合物の0.1〜200モル%の割合で使用される。
【0040】
この反応において、溶媒は使用しなくても良いが、使用する場合の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチレン、1,2一ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これら溶媒の使用量は、反応原料の100〜500重量%、好ましくは100〜300重量%の割合で使用される。
【0041】
この反応は室温〜200℃、好ましくは60〜130℃で、常圧下で行うことが望ましい。反応はこのような条件下で、通常、0.5〜20時間程度で終了させることができる。反応終了後、水洗した後、水層を分離し、残存する溶媒を留去した後、減圧蒸留等により、一般式(I)の(メタ)アクリル酸エステル(ただし、RはCONRである。)を得る。
【0042】
また、反応中の原料および生成物の重合を防止するために、重合禁止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、例えはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ターシャリーブチルハイドロキノン、ブチルヒトロキシトルエン、カテコール、銅化合物等を使用することができる。
重合禁止剤の使用量はアクリル酸またはメタクリル酸に対し20〜1000ppmが好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものてはない。
【0044】
合成例1
5−エトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンの合成
500ml三つロフラスコに窒素気流下、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン22.4g(0.2モル)、1,2−ジクロロエタン160m1、4−ジメチルアミノピリジン36.7g(0.3モル)を仕込み、室温で攪拌しながらクロロギ酸エチル23ml(0.24モル)を滴下する。滴下終了後、徐々に加熱し、還流下に3時間反応させた。反応液を冷却した後、水で数回洗浄した。油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留により、1,2−ジクロロエタンを留去した後、減圧蒸留によって、沸点118〜121℃/2mmHgの5−エトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン32.3gを得た。
【0045】
実施例1
5−エトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−または−3−アクリレートの合成
300mlフラスコに窒素気流下、合成例1で得られた5−エトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン18.2g(0.1モル)、1,2−ジクロロエタン100ml、アクリル酸14ml(0.2モル)、ハイドロキノン0.11gを仕込みよく攪拌する。トリフルオロボランジエチルエーテル錯体15mlを加えた後、昇温し60℃、15時間反応させる。反応終了後反応液に氷冷下、トリエチルアミン17mlをゆっくり滴下する。滴下終了後さらに30分室温で攪拌した後、水で数回洗浄後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、過剰のアクリル酸を除去した。油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留により、1,2−ジクロロエタンを留去した後、沸点128〜130℃/1mmHgで5−エトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−または−3−アクリレート13.3gを得た。IRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルデータを表1に示した。
【0046】
合成例2
5−エチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンの合成
100mlフラスコに窒素気流下、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン22.4g(0.2モル)、エチルイソシアナート16ml(2モル)、ピリジン1.6ml(10モル%)を仕込み、60℃で6時間反応させた。反応混合物を減圧蒸留することにより、沸点119−120℃/4mmHgで5−エチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンを得た。
【0047】
実施例2
5−エチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−または−3−アクリレートの合成
100mlフラスコに窒素気流下、合成例2で得られた5−エチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン5.2g(29ミリモル)、1,2−ジクロロエタン30ml、アクリル酸2ml(29ミリモル)、ハイドロキノン0.03gを仕込み、よく攪拌する。トリフルオロボランジエチルエーテル錯体9.2mlを加えた後、昇温し還流下、3時間反応させる。反応終了後、反応液に氷冷下、トリエチルアミン10mlをゆっくり滴下する。滴下終了後、さらに30分間室温で攪拌した後、水で数回洗浄後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、過剰のアクリル酸とルイス酸を除去した。油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留により1,2−ジクロロエタンを留去した後、沸点149〜152℃/1.5mmHgで5−エチルカルバモイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−または−3−アクリレート27gを得た。IRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルデータを表1に示した。
【0048】
合成例3
5−N,N−ジエチルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンの合成
500ml三つ口フラスコに窒素気流下、テトラヒドロフラン200ml、ジエチルアミン21ml(0.2モル)を仕込み、室温で攪拌しながら、nブチルリチウム―ヘキサン溶液130ml(0.2モル)を滴下する。滴下終了後暫く室温で攪拌した後、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプテン30.4g(0.2モル)を室温で滴下する。3時間攪拌した後、反応混合物を10%塩酸水溶液に氷冷下、滴下する。有機層を分離した後、水層を酢酸エチルで抽出し、先の有機層とあわせて、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧蒸留により沸点110〜113℃/6mmHgの5−N,N−ジエチルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン8.5gを得た。
【0049】
実施例3
5−ジエチルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−または−3−アクリレートの合成
5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンを5−ジエチルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンに代えた以外は実施例1と同様の操作を行って、5−ジエチルアミノカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプチル−2−または−3−アクリレートを得た。IRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルデータを表1に示した。
【0050】
実施例4
8−メトキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル3−または4−アクリレート
5−エトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンを8−メトキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに代えた以外は実施例1と同様の操作を行って、8−メトキシカルボニルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドテシル3−または4−アクリレートを得た。IRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルデータを表1に示した。
【0051】
実施例5
8−エチルカルバモイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデシル3−または4−アクリレート
5−エトキシカルボニルオキシビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンを8−エチルカルバモイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドテセンに代えた以外は実施例1と同様の操作を行って8−エチルカルバモイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル3−または4−アクリレートを得た。IRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルデータを表1に示した。
【表1】
Figure 0004110642
【0052】
【発明の効果】
本発明によると、各種の基材に対する密着性がよく、しかも耐熱性のよい硬化物を与える新規な(メタ)アクリレートを提供することができる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル。
    Figure 0004110642
    (式中、Rは水素またはメチル基、Rは−OCOOR、−OCONR、または−CONRを表わす。前記R〜Rは水素または同一または相異なっていても良い炭素数1〜10の炭化水素基を表わす。mは0または1を表わす。)
  2. 下記一般式(II)で表わされる化合物
    Figure 0004110642
    (式中、 は−OCOOR 、−OCONR 、または−CONR を表わす。前記R 〜R は水素または同一または相異なっていても良い炭素数1〜10の炭化水素基を表わす。mは0または1を表わす。)
    と下記一般式(III)
    Figure 0004110642
    (式中、R水素またはメチル基を表わす。)
    で示されるアクリル酸もしくはメタクリル酸とを反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表わされる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
    Figure 0004110642
    (式中、R は水素またはメチル基、R は−OCOOR 、−OCONR 、または−CONR を表わす。前記R 〜R は水素または同一または相異なっていても良い炭素数1〜10の炭化水素基を表わす。mは0または1を表わす。)
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