JP2001302652A - 分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物の製造方法 - Google Patents
分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物の製造方法Info
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Abstract
合物を一段階で簡便に収率よく合成可能な製造方法を提
供する。 【解決手段】 非フェノール性水酸基またはメルカプト
基を有するオキセタン類(A)の水酸基またはメルカプ
ト基とオキシラン類(B)を反応させる分子中にオキセ
タニル基と水酸基を有する化合物(C)の製造方法。
Description
加反応などに有用な、オキセタニル基と水酸基を有する
化合物に関するものであり、該オキセタニル基と水酸基
を有する化合物を用いた硬化物は、優れた機械的性質
(引張強さなど)、電気的性質(電気絶縁性、低誘電率
など)、接着性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性などを示す
ものであり、エポキシ樹脂の代替品として、例えば、接
着剤組成物、塗料組成物、加熱により硬化する熱硬化型
組成物、または紫外線の照射により硬化する紫外線硬化
型組成物などへ応用することができる。
セタンは、炭素−酸素間の結合が分極していることから
高い反応性を示し、ルイス酸などを反応開始剤に用いた
オキセタンの開環重合(S.Inoue and T.
Aida,“Ring Opening Polyme
rization” ,K.J.Ivin and
T.Saegusa,Eds.,Elsevier,L
ondon,1984,Vol.1,pp.185〜2
98など参照)や、トリアルキルアルミニウム−水反応
生成物を触媒として用いたオキセタニルメチル トリメ
チルシリル エーテルの開環重合(特開平2−2942
9号公報参照)などが報告されている。
シリル エーテルの合成原料となるヒドロキシメチルオ
キセタンは、トリメチロールアルカンとジエチルカーボ
ナートを水酸化カリウム存在下で反応させ、得られた炭
酸エステルを脱炭酸させることによって得られる(J.
Am.Chem.Soc.,79,3455(195
7)参照)。
高い反応性を利用し、光酸発生剤存在下での光カチオン
重合が報告されている(J.Polym.Sci.,
A:Polym.Chem.,33,1807(199
5)参照)。
30766号公報に一般式(2)で示される、分子中に
オキセタニル基と水酸基を有している化合物が報告され
ている。該化合物を用いた活性エネルギー線硬化型組成
物は、短時間の光照射により、重合度が高くかつ密着性
に優れた硬化物を与える。
4は水素原子、ハロゲン原子、メチル基、フェニル基又
はトリハロゲノメチル基を示す。)
合物の光カチオン重合において、アルコール類を添加す
ると、光硬化反応がより高速に進行する結果が相次いで
報告されている(例えば、J.V.Crivello
他,J.Radiat.Curing,13,3(19
86)、特開平11−228610号公報参照)。アル
コール類の水酸基が連鎖移動反応に関与しているため、
このような現象が起こると説明されている(Chemi
stry&Technology of UV&EB
Formulation for Coatings,
Inks&Pigments,Ed.by K.Die
tliker,SITA Technology Lt
d,London,1991,pp.352−358参
照)。
オキセタニル基と水酸基を有しているため、光酸発生剤
存在下でオキセタン化合物の光カチオン重合が高速で進
行したものと考えられる。
下記一般式(3)で表される[{(オキセタン−3−イ
ル)メトキシ}メチル]オキシランのオキシラン環を、
下記一般式(4)で表されるビスフェノール化合物のフ
ェノール性水酸基で開環させることによって得られる。
基、フェニル基又はトリハロゲノメチル基を示す。)
には、一般式(4)に示されるようなフェノール類以外
のアルコール類を用いて、分子中にオキセタニル基と水
酸基を有する化合物を得る方法の記載はなく、芳香環を
持たない分子中にオキセタニル基と水酸基を有している
化合物を合成することは困難であった。
ヒドリンとヒドロキシメチルオキセタンを反応させて合
成している。したがって、ヒドロキシメチルオキセタン
を出発原料とすると、一般式(2)の化合物を合成する
までには2回以上の反応が必要であり、操作が煩雑にな
るとともに総収率が低下するという問題点があった。本
発明は、分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合
物を一段階で簡便に収率よく合成可能な製造方法を提供
するものである。
した結果、非フェノール性水酸基またはメルカプト基を
有するオキセタン誘導体の水酸基またはメルカプト基
と、入手容易なオキシラン類を反応させることによっ
て、様々な骨格を有する分子中に水酸基とオキセタニル
基を有する化合物が容易に得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。請求項1に記載の発明は、非フ
ェノール性水酸基またはメルカプト基を有するオキセタ
ン類(A)の水酸基またはメルカプト基とオキシラン類
(B)を反応させることを特徴とする、分子中にオキセ
タニル基と水酸基を有する化合物(C)の製造方法であ
る。速い硬化性と密着性に優れた、芳香環をはじめ、脂
肪族基や脂環式基等の様々な骨格を有する、分子中にオ
キセタニル基と水酸基を有する化合物を合成する製造方
法を提供するものである。請求項2に記載の発明は、オ
キセタン類(A)として、下記一般式(1)で表される
オキセタン類を用いることを特徴とする請求項1に記載
の分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物
(C)の製造方法である。
子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のパーフ
ルオルアルキル基、アリル基を示し、nは0〜6の整数
を示す。)速い硬化性と密着性に優れた、分子中にオキ
セタニル基と水酸基を有する化合物をヒドロキシメチル
オキセタンから一段階で簡便に収率よく合成可能な製造
方法を提供するものである。請求項3に記載の発明は、
塩基の存在下で反応させることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載の分子中にオキセタニル基と水酸基
を有する化合物(C)の製造方法である。塩基の存在下
で、様々な骨格を持つ分子中にオキセタニル基と水酸基
を有する化合物を収率よく合成する製造方法を提供する
ものである。請求項4に記載の発明は、オキシラン類
(B)として分子中に1〜4個のオキシラン環を有する
オキシラン類を用いることを特徴とする請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載の分子中にオキセタニル基と
水酸基を有する化合物(C)の製造方法である。請求項
1〜3記載の発明に加えて、適度な架橋密度を持つ硬化
物を与える、分子中にオキセタニル基と水酸基を有する
化合物を簡便に収率よく合成する製造方法を提供するも
のである。請求項5に記載の発明は、オキシラン類
(B)として、エポキシ当量が43から1000のオキ
シラン化合物を用いることを特徴とする請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載の分子中にオキセタニル基と
水酸基を有する化合物(C)の製造方法である。請求項
1〜4記載の発明に加えて、保存安定性の高い組成物お
よび硬化物を与える、分子中にオキセタニル基と水酸基
を有する化合物を簡便に収率よく合成する製造方法を提
供するものである。請求項6に記載の発明は、反応温度
が100℃以下であることを特徴とする請求項1ないし
請求項5のいずれかに記載の分子中にオキセタニル基と
水酸基を有する化合物(C)の製造方法である。副反応
を抑制し、水での加熱を可能にし、危険が少なく、汎用
の設備で合成でき、エネルギー消費量が低減できる分子
中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物を簡便に収
率よく合成する製造方法を提供するものである。
(A)は分子中にオキセタニル基と非フェノール性水酸
基またはメルカプト基を有していれば、いかなる化合物
でもかまわない。
しては、具体的には一般式(1)で示される化合物であ
る。式(1)中Qは酸素または硫黄原子を示すが、合成
の容易さから酸素原子が好ましい。また、一般式(1)
中nは0〜6までの整数を示すが、入手の容易さからn
=1が好ましい。
る。具体的には水素原子、未置換または脂肪族系または
脂環系または芳香族系有機基で置換されたメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、シクロ
ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素
数1から6までのアルキル基、トリフルオロメチル基、
ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パ
ーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、2
−(パーフルオロブチル)エチル基、パーフルオロヘキ
シル基などの炭素数1から6までのパーフルオロアルキ
ル基、フェニル基、アリル基、ビニル基などが挙げられ
る。これらの中で、R1として水素原子、メチル基、エ
チル基のものはオキセタン含有率が高く、好ましい。
は、その分子中にオキシラン環を有していれば特に制限
はなく使用しうる。このようなオキシラン類のうち、1
分子中に1つのオキシラン環を有する化合物としては、
以下に示す化合物が挙げられる(MeOはメトキシ基を
示す)。
(B)のうち、1分子中に2つのオキシラン環を有する
化合物としては、以下に示す化合物が挙げられる(Me
はメチル基を示す)。
(B)のうち、1分子中に三つのオキシラン環を有する
化合物としては、以下に示す化合物が挙げられる(Me
はメチル基、Etはエチル基を示す)。
(B)のうち、1分子中に四つのオキシラン環を有する
化合物としては、以下に示す化合物が挙げられる
して、一般式(6)で表される化合物も用いることがで
きる。
他、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子、また
は一価の基が挙げられる。一価の基として、例えば、ア
ミノ基、カルボメトキシ基等のエステル基、カルボアミ
ノメチル基等のアミド基、アミノカルボキシメチル基等
のカルバミノ基、置換もしくは未置換のメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基
などのアルキル基もしくは置換または未置換のフェニル
基、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基など
のアルケニル基、シリル基などが挙げられる。
なかで、分子内にオキシラン環を1〜4個含むものが、
重合物が適度な架橋密度を持つため好ましい。オキシラ
ン環が5個を超えた場合、重合物の架橋密度が高すぎる
ため取り扱いにくく、また分子内反応も併発する傾向が
ある。
として、エポキシ当量43から1000のオキシラン類
を用いることが好ましい。エポキシ当量が43以下では
オキシラン化合物を形成できず、また1000を超えて
大きい場合は反応速度が低下する傾向がある。また、こ
の際単一分子だけでなく、以下に示すような、繰り返し
単位数(z)に分布を持つオリゴマーを用いると、組成
物の結晶性が低下し、保存安定性に優れる。したがっ
て、0<zが好ましく、0.5≦zがさらに好ましく、
1≦zが最も好ましい。
キシ当量はJIS K 7236−1986、ASTM
D 1652−73またはISO 3001−197
8に示す方法に従って測定できる。
酸基1モル当量に対して、オキシラン環0.1モル当量
から2.0モル当量のオキシラン類(B)を用いること
ができるが、望ましくは0.5モル当量から1.5モル
当量の範囲で使用される。
いが、塩基を加えると反応が促進される。本発明で用い
られる塩基としては、塩基として働く化合物であればい
かなる化合物も用いることができる。本発明で用いられ
る塩基として具体的には、ピリジン、ジアルキルアミ
ン、トリアルキルアミン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ−7−エン、アンモニア等のア
ミン系塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩、苛性カリ、
苛性ソーダ等の金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、リチウム
ジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミ
ド、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム等の金属水素化物、メチルリチウム、ブチルリチウ
ム、フェニルリチウム、臭化メチルマグネシウム、臭化
エチルマグネシウム等の有機金属化合物が挙げられる。
このうち、反応性が優れている点や副生成物が反応不活
性である金属水素化物、有機リチウム化合物、リチウム
ジイソプロピルアミド、グリニアル反応剤がより好まし
く、副生成物が水素ガスとして容易に反応系外へ放出さ
れる点で金属水素化物がさらに好ましい。これらの塩基
は単独で、または2種類以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
モル当量に対して0.01モル当量から10モル当量用
いることが好ましく、0.1モル当量から1.2モル当
量用いることがより好ましい。塩基の量が、オキセタン
類1モル当量に対して0.01モル当量未満の場合は反
応時間が長くなり、生産性が低下する傾向があり、10
モルを超えると副反応が進行する傾向がある。
ともできるが、反応液の流動性を保つために、溶媒を用
いて行うこともできる。溶媒を用いる場合、反応を阻害
したり、副反応を進行させたりする溶媒以外ならば、い
かなる溶媒を用いることができる。例えば、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、ト
ルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ムなどが好ましい。これらの溶媒は単独で、又は2種類
以上を組み合わせて使用することができる。
添加量は原料オキセタン類(A)100重量部に対し
て、5〜10000重量部とすることが好ましく、20
〜10000重量部とすることがより好ましく、50〜
5000重量部とすることが最も好ましい。この配合量
が5重量部未満では、実質的な溶媒の添加効果が観察さ
れない傾向があり、10000重量部を超えると反応速
度が遅くなり、生産性が低下する傾向がある。
(A)、オキシラン類(B)、塩基、溶媒はいかなる順
序で加えてもよいが、塩基性の強い塩基を用いた場合、
オキセタン類、塩基、溶媒の混合物にオキシラン類を加
えると、副生成物が生じにくい傾向がある。
いずれの圧力下でも行うことができるが、操作の簡便性
から、大気圧雰囲気下で行うことが望ましい。また、乾
燥気流下で行うと水分由来の副反応が抑えられより好ま
しく、乾燥窒素、乾燥アルゴン下で行うことが最も好ま
しい。また、本発明の反応は必要に応じてかく拌混合す
ることによって進行する。
流温度または200℃の範囲で行えるが、好ましくは−
30℃から150℃の範囲であり、0℃から100℃が
特に好ましい。この反応温度が−100℃未満では反応
速度が遅くなり、生産性が低下する傾向がある。また、
200℃以上では副生成物が生じ、オキセタニル基と水
酸基を有する化合物(C)の収率が低下する傾向があ
る。反応温度が0℃から100℃の範囲であれば水での
加熱または冷却が可能であり、危険が少なく、汎用の設
備で合成でき、エネルギー消費量が低減できる。
ことが好ましく、1時間から24時間がより好ましく、
1時間から12時間がさらに好ましい。この反応時間
が、5分未満であると反応は十分には進行せず、オキセ
タニル基と水酸基を有する化合物(C)の収率が低下す
る傾向がある。また、72時間を超えてもオキセタニル
基と水酸基を有する化合物(C)の収率はあまり向上し
ない傾向がある。
終点は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグ
ラフィー、薄相クロマトグラフィー、核磁気共鳴スペク
トル、および赤外吸収スペクトル等によって確認でき
る。本発明の反応の反応率は10〜100%が好まし
い。オキシラン類(B)の反応率が10%以上、100
%未満の場合、分子中にオキセタニル基と水酸基、およ
び未反応のオキシランを有する混合物が得られるが、該
混合物中のオキシラン残基も反応性モノマーとして用い
ることができる。
すことにより、目的の分子中にオキセタニル基と水酸基
を有する化合物(C)が得られる。さらに、反応終了
後、反応液を蒸留、再結晶し、反応に用いた塩基と溶媒
を除去すると、目的の分子中にオキセタニル基と水酸基
を有する化合物(C)が純度よく得られ好ましい。また
は、反応液を水中に分散させ、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、酢酸
エチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、ブタノール等の有機溶媒で抽出し、抽出液は硫酸ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等で乾燥
した後、濃縮して反応に用いた塩基と溶媒を除去する
と、目的の分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化
合物(C)が純度よく得られ好ましい。
中に、副生するオリゴマーなどが含まれている場合があ
るが、硬化特性に大きな影響はなく、特に分離精製する
必要はない。しかし、必要に応じて、蒸留、再結晶、再
沈殿、カラムクロマトグラフィー等、生成物の物性に合
わせた方法を用いて精製してもよい。
吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル(NM
R)、質量スペクトル(MS)などの手段により確認す
ることができる。
と水酸基を有する化合物(C)を簡便に、効率よく製造
することができる。
基と水酸基を有する化合物は、熱硬化性組成物あるいは
光硬化性組成物を構成する反応性化合物として応用する
ことができる。また、塗料、接着剤、電気・電子材料、
半導体材料、光学材料、光ファイバー、光導波路、単層
および多層配線板材料、レジスト、ドライフィルムレジ
スト等、多種多様な用途に応用することができる。
る。 (実施例1) 1−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}
−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロパン(I)の合
成
ナトリウム(60%油性)8.0g(0.2mol)お
よびN,N−ジメチルホルムアミド300mlを加え、
この溶液を10℃に冷却した。そこへ、3−エチル−3
−(ヒドロキシメチル)オキセタン23g(0.2mo
l)のN,N−ジメチルホルムアミド100ml溶液を
ゆっくりと加えた後、反応混合物を10℃で30分間か
く拌した。その後、フェニルグリシジルエーテル30g
(0.2mol)のN,N−ジメチルホルムアミド10
0ml溶液を滴下し、反応液を30℃に昇温しながら乾
燥窒素気流下4時間撹拌した。反応液を水中に投じ、ク
ロロホルムで抽出した。抽出液は無水硫酸ナトリウム上
で乾燥し、濃縮した。残渣を蒸留することによって、1
−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}−
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロパン(I)(沸点
180℃/1.3×102Pa)48gを得た(収率9
1%)。
ン)−7,14−ジヒドロキシ−5,9,12,16−
テトラオキサイコサン(II)の合成
水素化ナトリウム(60%油性)0.88g(22mm
ol)、N,N−ジメチルホルムアミド100mlを加
え、この懸濁液を10℃に冷却した。そこへ、3−エチ
ル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン2.6g(2
2mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド50ml
溶液をゆっくりと加えた後、反応混合物を10℃で30
分間かく拌した。その後、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル1.7g(10mmol)のN,N−ジメ
チルホルムアミド50ml溶液を滴下し、反応液を40
℃に昇温しながら乾燥窒素気流下4時間撹拌した。反応
液を水中に投じ、クロロホルムで抽出した。抽出液は無
水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、3,
3,18,18−ビス(3−オキサシクロブチリデン)
−7,14−ジヒドロキシ−5,9,12,16−テト
ラオキサイコサン(II)2.8gを得た(収率70
%)。得られた化合物の赤外線吸収スペクトルを図1
に、NMRスペクトルを図2に、13CNMRスペクトル
を図3にそれぞれ示した。図1の(a)で示す部分にO
H伸縮振動に基づく吸収、(b)で示す部分にオキセタ
ン環のC−O−C変角振動に基づく吸収が観察された。
また、図2、3に示したNMRスペクトルにおいて、図
中に示す化合物の位置に対応した位置にスペクトルが見
られ、上記の化合物であると同定される。
ル)メトキシ}−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
パン(I)は、下記式(3)で表される[{(オキセタ
ン−3−イル)メトキシ}メチル]オキシランと、フェ
ノールを反応させることによっても得られる(特開平1
0−204072号公報参照)。この報告には化合物
(I)が収率87%で得られると記載されている。しか
し、この報告の方法では、予め式(3)に示される
[{(オキセタン−3−イル)メトキシ}メチル]オキ
シランを調製する必要があり、本発明の合成法と比較し
て、工程数が一段多いため操作が煩雑になり、また、総
収率も低くなる。また、反応温度も本発明の製造方法を
用いれば、低く抑えることができる。
性に優れた、様々な骨格を持つ分子中にオキセタニル基
と水酸基を有する化合物を合成する製造方法を提供する
ものである。請求項2記載の発明は、速い硬化性と密着
性に優れた、分子中にオキセタニル基と水酸基を有する
化合物を簡便に収率よく合成する製造方法を提供するも
のである。請求項3記載の発明は、塩基の存在下で、様
々な骨格を持つ分子中にオキセタニル基と水酸基を有す
る化合物を収率よく合成する製造方法を提供するもので
ある。請求項4記載の発明は、請求項1〜3記載の発明
に加えて、適度な架橋密度を持つ硬化物を与える、分子
中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物を簡便に収
率よく合成する製造方法を提供するものである。請求項
5記載の発明は、請求項1〜4記載の発明に加えて、保
存安定性の高い組成物および硬化物を与える、分子中に
オキセタニル基と水酸基を有する化合物を簡便に収率よ
く合成する製造方法を提供するものである。請求項6記
載の発明は副反応を抑制し、水での加熱を可能にし、危
険が少なく、汎用の設備で合成でき、エネルギー消費量
が低減できる分子中にオキセタニル基と水酸基を有する
化合物を簡便に収率よく合成する製造方法を提供するも
のである。
クトル。
ル。
クトル。
Claims (6)
- 【請求項1】 非フェノール性水酸基またはメルカプト
基を有するオキセタン類(A)の水酸基またはメルカプ
ト基とオキシラン類(B)を反応させることを特徴とす
る分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物
(C)の製造方法。 - 【請求項2】 オキセタン類(A)として、下記一般式
(1)で表されるオキセタン類を用いることを特徴とす
る請求項1に記載の分子中にオキセタニル基と水酸基を
有する化合物(C)の製造方法。 【化1】 (式中Qは、酸素または硫黄原子を示し、R1は水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のパーフ
ルオルアルキル基、アリル基を示し、nは0〜6の整数
を示す。) - 【請求項3】 塩基の存在下で反応させることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の分子中にオキセタ
ニル基と水酸基を有する化合物(C)の製造方法。 - 【請求項4】 オキシラン類(B)として分子中に1〜
4個のオキシラン環を有するオキシラン類を用いること
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
の分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物
(C)の製造方法。 - 【請求項5】 オキシラン類(B)として、エポキシ当
量が43から1000のオキシラン化合物を用いること
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
の分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物
(C)の製造方法。 - 【請求項6】 反応温度が100℃以下であることを特
徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の分
子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物(C)の
製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000132881A JP4655173B2 (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | 分子中にオキセタニル基と水酸基を有する化合物の製造方法 |
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