JP6812315B2 - 6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルおよびその製造方法 - Google Patents

6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルおよびその製造方法に関する。
分子内にエポキシ基とアルケニル基を有する化合物は、各種樹脂の相溶化剤、塗料、接着剤、繊維改質剤、分散剤、レジスト材料等の幅広い用途への使用が提案されている(特許文献1〜5)。
このような化合物としては、アクリル酸グリシジルやメタクリル酸グリシジルが知られている。
特開2016−135831号公報 特開2001−226624号公報 特開2004−2514号公報 特開2001−123381号公報 特表2015−501954号公報
本発明の目的は、各種樹脂の相溶化剤、塗料、接着剤、繊維改質剤、分散剤、レジスト材料等として有用な、新規なエポキシ基とアルケニル基を有する芳香族化合物を提供することにある。また、本発明の他の目的は新規な6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルの製造方法を提供することにある。
本発明は、式(1)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルに関する。
Figure 0006812315
(式中、nは0〜3の整数を示し、mは0〜3の整数を示す。)
また、本発明は式(2)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルとエピハロヒドリンを反応させる工程を含む6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルの製造方法に関する。
Figure 0006812315
Figure 0006812315
(式中、nは0〜3の整数を示し、mは0〜3の整数を示す。)
本発明の6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルは、各種樹脂の相溶化剤、塗料、接着剤、繊維改質剤、分散剤、レジスト材料等として使用できる。
参考例1で得られた式(4)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルのH−NMRスペクトルを示す図である。 参考例1で得られた式(4)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルのFT−IRスペクトルを示す図である。 参考例1で得られた式(4)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルのMSスペクトルを示す図である。 実施例1で得られた式(3)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸メタリルエステルのH−NMRスペクトルを示す図である。 実施例1で得られた式(3)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸メタリルエステルのFT−IRスペクトルを示す図である。 実施例1で得られた式(3)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸メタリルエステルのMSスペクトルを示す図である。
本発明は、式(1)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルに関する。
Figure 0006812315
(式中、nは0〜3の整数を示し、mは0〜3の整数を示す。)
式(1)において、nとmの合計は好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、さらに好ましくは2である。
本発明の好ましい態様において、式(1)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルとしては、nが1であり、かつ、mが1である、すなわち、式(3)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸メタリルエステルである。
Figure 0006812315
本発明の式(1)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルの製造方法は、例えば式(2)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルとエピハロヒドリンを反応させる工程を含む製造方法である。
Figure 0006812315
(式中、nは0〜3の整数を示し、mは0〜3の整数を示す。)
式(2)において、nとmの合計は好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、さらに好ましくは2である。
式(2)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルとしては、nが1であり、かつ、mが1である、すなわち式(4)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルが挙げられる。
Figure 0006812315
式(2)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルの製造方法は、例えば式(5)で表されるアセトキシナフタレンカルボン酸ハライドと式(6)で表されるアルケニルアルコールを反応させる工程を含む製造方法であってよい。
Figure 0006812315
(式中、Acはアセチル基を示し、Xは塩素原子または臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
Figure 0006812315
(式中、nは0〜3の整数を示し、mは0〜3の整数を示す。)
式(6)で表されるアルケニルアルコールとしては、ビニルアルコール(エテノール)、アリルアルコール(2−プロペン−1−オール)、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、1−メチル−2−エテン−1−オール、2−メチル−2−プロペン−1−オール(β−メタリルアルコール)、3−メチル−3−ブテン−1−オール、4−メチル−4−ペンテン−1−オール、1−エチル−2−エテン−1−オール、2−エチル−2−プロペン−1−オール、3−エチル−3−ブテン−1−オール、4−エチル−4−ペンテン−1−オール、1−プロピル−2−エテン−1−オール、2−プロピル−2−プロペン−1−オール、3−プロピル−3−ブテン−1−オールおよび4−プロピル−4−ペンテン−1−オールからなる群から選択される一種以上が挙げられる。これらの中で、入手容易性および安全性に優れる点で2−メチル−2−プロペン−1−オール(β−メタリルアルコール)が好ましい。
式(5)で表されるアセトキシナフタレンカルボン酸ハライドおよび式(6)で表されるアルケニルアルコールとしては、市販のものや、当業者に知られた方法で製造したものを用いることができる。
エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンおよびエピヨードヒドリンからなる群から選択される1種以上が挙げられ、入手容易性および安全性に優れる点で、エピクロロヒドリンが好ましい。
本発明の式(1)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルの製造方法は、例えば四級アンモニウム塩の存在下、式(2)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量とエピハロヒドリン1.5〜8.0モル当量とを反応させる第一工程、次いで、塩基性化合物を添加する第二工程、を含む製造方法である。
本発明において使用されるエピハロヒドリンは、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量に対し、好ましくは3.0〜7.0モル当量、より好ましくは4.0〜6.0モル当量反応させるのがよい。6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量に対し、エピハロヒドリンの量が1.5モル当量未満である場合、反応物が固化し、撹拌不良を引き起こす。また、エピハロヒドリンの量が8.0モル当量を超える場合、反応効率が低下する。
本発明において、例えば6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量とエピハロヒドリン6.0モル当量とを反応させることは、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量に対しエピハロヒドリンが6.0モル当量となるような量で存在させて反応させることを意味する。
本発明で使用される四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミドおよびベンジルトリメチルアンモニウムアセテートからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中でも、反応性および入手容易性の観点から、テトラメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。
四級アンモニウム塩の使用量は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量に対し0.01〜0.75モル当量が好ましく、0.03〜0.20モル当量がより好ましい。
四級アンモニウム塩の使用量が6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量に対し0.01モル当量を下回る場合、反応が進行し難くなる傾向があり、0.75モル当量を上回る場合、副反応を引き起こす傾向がある。
四級アンモニウム塩は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルとエピハロヒドリンとの混合物中に四級アンモニウム塩水溶液として滴下するのがよく、その場合の水溶液の濃度は特に限定されないが、通常30〜70重量%であるのがよい。
四級アンモニウム塩水溶液の滴下時間は、特に限定されないが、通常30分以上が好ましい。
本発明で使用される塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムからなる群から選択される1種以上が挙げられ、反応性および入手容易性から、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
塩基性化合物の使用量は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量に対し0.5〜3.0モル当量が好ましく、0.8〜2.0モル当量がより好ましい。
塩基性化合物は、急激な反応による発熱を抑えるために水溶液として滴下して加えるのがよく、その場合の水溶液の濃度は特に限定されないが、通常30〜70重量%であるのがよい。
塩基性化合物の水溶液の滴下時間は、特に限定されないが、通常1〜2時間である。
第一工程および第二工程における反応温度はエピハロヒドリンの種類によって異なるため特に限定されないが、70〜100℃が好ましい。反応温度が70℃未満である場合、反応が進行し難くなる傾向があり、100℃を超える場合、エピハロヒドリンの突沸や分解を引き起こす傾向がある。
第一工程および第二工程におけるそれぞれの反応時間は、反応温度や触媒の滴下時間などの条件によって変動するため特に限定されないが、0.5〜20時間、好ましくは1〜14時間、より好ましくは2〜8時間の間で適宜選択される。
本発明において、第一工程および第二工程は、不活性ガス気流下またはバブリング下で行うのが好ましい。このような条件下で反応させることによって、酸素による反応阻害や触媒失活を回避し、反応を円滑に進行させることが可能となる。
不活性ガスとしては、第一工程および第二工程の反応を阻害しないガスであればよく、具体的には、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンおよびクリプトンからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中で、入手容易性および経済性に優れる点で、窒素が好ましい。
不活性ガスは、原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルおよびエピハロヒドリンを収容する反応容器の反応液上部の空間部に吹き込んでもよく、あるいは、反応液中に直接吹き付けてもよい。
このようにして、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルとエピハロヒドリンとを反応させる工程によって得られる粗組成物を精製することにより、高純度の6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルを取得することができる。
粗組成物とは、6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルの他に、未反応の反応原料(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルおよびエピハロヒドリン)や触媒を含む組成物を意味する。
精製は、例えば、過剰量のエピハロヒドリンの留去後、芳香族系有機溶媒による抽出、洗浄および溶媒の除去等によって行われる。
過剰量のエピハロヒドリンの留去は、加熱および/または減圧によって容易に留去される。加熱および減圧は、それぞれ単独で行ってもよく、また、併用して行ってもよい。加熱温度は、留去されるエピハロヒドリンの種類や量によって異なるため特に限定されないが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは70〜120℃である。
また、減圧によってエピハロヒドリンを留去する場合、減圧時の圧力は、留去されるエピハロヒドリンの種類や量によって異なるため特に限定されないが、通常1〜100Torrで行うのがよい。
芳香族系有機溶媒としては、トルエン、キシレンおよびベンゼンからなる群から選択される一種以上が挙げられ、副生成物の除去効率に優れる点で、トルエンが特に好ましい。
芳香族系有機溶媒の添加量は特に限定されないが、通常、原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル100重量部に対して400〜800重量部である。抽出した有機層は、エポキシ化を促進するためさらに塩基性化合物を加えてもよい。
塩基性化合物としては、前の反応で用いたものと同じものを使用することが好ましく、ここでの塩基性化合物の使用量は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル1モル当量に対し0.1〜0.5モル当量が好ましい。
塩基性化合物は、急激な反応による発熱を抑えるために水溶液として滴下して加えるのがよく、その場合の水溶液の濃度は特に限定されないが、通常30〜70重量%であるのがよい。
抽出した有機層は、さらに原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルや触媒を除去するために、洗浄するのがよい。
洗浄は、有機層に水を添加し、5〜10分撹拌した後15〜45分静置し、分液した後、水層を除去することにより行われる。
分液性向上のために、別途、飽和塩化ナトリウム水溶液を添加してもよい。
洗浄に際し、原料や触媒の除去効率を向上させる目的で、水にリン酸や塩酸、硫酸等の添加剤を含有していてもよく、通常それらの添加剤の含有量は、水100重量部に対して1〜10重量部であるのがよい。
洗浄は、精製効果を高めるために複数回繰返して行ってもよい。
洗浄で使用される水の量は、原料である6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル100重量部に対して100重量部以上であるのが好ましい。6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステル100重量部に対して100重量部を下回る場合、原料の6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルや触媒が残存する傾向がある。
洗浄後の有機層は、芳香族系有機溶媒を留去するのがよい。
芳香族系有機溶媒の留去は、有機層を加熱および/または減圧することによって行われる。加熱および減圧は、それぞれ単独で行ってもよく、また、併用して行ってもよい。
加熱温度は、留去される溶媒の種類や量によって異なるため特に限定されないが、好ましくは50〜180℃、より好ましくは70〜150℃である。
また、減圧によって溶媒を留去する場合、減圧時の圧力は、留去される溶媒の種類や量によって異なるため特に限定されないが、通常1〜100Torrで行うのがよい。
このようにして得られた6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルは、耐熱性や耐候性、ガスバリア性に優れるため、各種樹脂の相溶化剤、塗料、接着剤、繊維改質剤、分散剤、レジスト材料として有用である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
各化合物は以下の分析方法によって分析した。
H−NMRスペクトル>
サンプル10mgを重クロロホルム2mLで溶解し、Bruker Biospin AV400M(Bruker社製)を用いて、溶液状態でのH−NMRスペクトルを測定した。
<FT−IRスペクトル>
Spectrum One(PerkinElmer社製)を用いてFT−IRスペクトルを測定した。
<MSスペクトル>
Waters 2690/2996 Alliance−TQ Detectorを用いてMSスペクトルを測定した。
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)>
装置: Waters アライアンス 2690/2996
カラム型番: L−Column
液量: 1.0mL/分
溶媒比:HO(pH2.3)/CHOH=50/50(4分)→25/75(20分)→10/90(14分)、グラジエント分析
波長: 229nm
カラム温度: 40℃
尚、6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸メタリルエステルおよび6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルの純度は、HPLCチャートの面積%から算出した。
参考例1(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルの合成)
撹拌機、温度センサーおよび還流管を備えた2Lの4口フラスコに、6−アセトキシ−2−ナフトエ酸230.2g(1.0mol)、塩化チオニル130.9g(1.1mol)およびテトラヒドロフラン690.6gを加え、窒素気流下、撹拌しながら還流するまで昇温し、同温度で2.5時間撹拌した。次いで、18℃まで冷却した後、減圧によって溶媒を留去し、6−アセトキシ−2−ナフタレンカルボン酸クロリドの固体を得た。
続いて、そこへテトラヒドロフラン575gを加え、窒素気流下、撹拌しながらさらにβ−メタリルアルコール75.7g(1.05mol)およびピリジン83.1g(1.05mol)を加えた後、還流するまで昇温し、同温度で2時間撹拌した。その後、反応液を60℃まで冷却し、同温度で析出固体を濾別し、反応液を得た。
得られた反応液の溶媒を減圧により留去し、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルを含む粗組成物を得た。そこへ、酢酸エチル460gおよび水230gを加え、撹拌後、静置し、有機層を抽出した。抽出した有機層の溶媒を減圧により留去し、6−アセトキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステル310.9gを得た。
撹拌機、温度センサーおよび還流管を備えた2Lの4口フラスコに、得られた6−アセトキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステル310.9gを加え、さらにメタノール310.9g、水310.9gおよび炭酸水素ナトリウム126.0gを加え、窒素気流下、撹拌しながら60℃まで昇温し、同温度で7時間撹拌した。次いで、反応液を18℃まで冷却した後、析出固体を濾別し、固形物356.6gを得た。
撹拌機、温度センサーおよび還流管を備えた2Lの4口フラスコに、得られた固形物356.6gおよびメタノール360gを加えた後、窒素気流下、撹拌しながら60℃まで昇温し、同温度で析出固体を濾別し、反応液を得た。得られた反応液を別の4口フラスコに加え、60℃に保持したまま、さらに水212gを加えた。その後、反応液を18℃まで冷却した後、析出固体を濾別し、固形物を得た。得られた固形物を50%メタノール水240gで洗浄し、減圧乾燥することで6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルの結晶213.4g(純度96.6%、収率88.1%)を得た。
得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステルの結晶についてH−NMRスペクトル、FT−IRスペクトルおよびMSスペクトルを測定した。H−NMRスペクトルを図1に、FT−IRスペクトルを図2に、MSスペクトルを図3に示す。
実施例1(6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸メタリルエステルの合成)
撹拌機、温度センサーおよび還流管を備えた1Lの4口フラスコに参考例1で得た6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メタリルエステル121.1gとエピクロロヒドリン231.3g加え、窒素気流下、撹拌しながら80℃に昇温した。次いで、テトラメチルアンモニウムクロリドの50%水溶液5.5gを80℃で2時間かけて滴下し、同温度で1時間撹拌した。さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液44.8gを80℃で3時間かけて滴下し、同温度で30分撹拌した後、エピクロロヒドリンを加熱および減圧により留去した。残渣にトルエン727gを加えて10分撹拌した後、水303gで洗浄し、有機層を80℃に昇温した。有機層に48%NaOH水溶液10.4gをさらに滴下し、80℃で1時間撹拌した。その後、60℃まで冷却し、水303gで洗浄した後、5%硫酸水溶液303gで洗浄し、再び水303gで2回洗浄した。有機層を濾過し、得られた有機層から溶媒を加熱および減圧により留去し、6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸メタリルエステル143g(純度97.3%、収率95.8%)を得た。
得られた6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸メタリルエステルの結晶についてH−NMRスペクトル、FT−IRスペクトルおよびMSスペクトルを測定した。H−NMRスペクトルを図4に、FT−IRスペクトルを図5に、MSスペクトルを図6に示す。

Claims (4)

  1. 式(1)で表される6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステル。
    Figure 0006812315
    (式中、nは0〜3の整数を示し、mは0〜3の整数を示す。)
  2. 式(1)において、nが1であり、かつ、mが1である、請求項1に記載の6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステル。
  3. 式(2)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルとエピハロヒドリンを反応させる工程を含む、請求項1に記載の6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルの製造方法。
    Figure 0006812315
    (式中、nは0〜3の整数を示し、mは0〜3の整数を示す。)
  4. 式(2)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルとエピハロヒドリンを反応させる工程を含む、請求項2に記載の6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルの製造方法。
    Figure 0006812315
    (式中、nが1であり、かつ、mが1である。)
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