JP6782596B2 - 2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩 - Google Patents

2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩 Download PDF

Info

Publication number
JP6782596B2
JP6782596B2 JP2016190107A JP2016190107A JP6782596B2 JP 6782596 B2 JP6782596 B2 JP 6782596B2 JP 2016190107 A JP2016190107 A JP 2016190107A JP 2016190107 A JP2016190107 A JP 2016190107A JP 6782596 B2 JP6782596 B2 JP 6782596B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethyl
hydroxyhexanophenone
represented
formula
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016190107A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018052852A (ja
Inventor
正基 濱口
正基 濱口
久野 貴矢
貴矢 久野
奈苗 前川
奈苗 前川
邦代 柳川瀬
邦代 柳川瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Original Assignee
Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ueno Fine Chemicals Industry Ltd filed Critical Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Priority to JP2016190107A priority Critical patent/JP6782596B2/ja
Publication of JP2018052852A publication Critical patent/JP2018052852A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6782596B2 publication Critical patent/JP6782596B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、樹脂の可塑剤や末端封止剤、油性インク材料、紫外線吸収剤および各種合成原料として有用な2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩に関する。
フェノール骨格および分岐アルキル鎖を有するヒドロキシ芳香族誘導体は、ポリアミド等の各種樹脂のガラス転移点を低下させ、柔軟性を付与することが可能なため、可塑剤として広く使用されている(特許文献1、特許文献2)。また可塑剤以外にも、油性インク材料(特許文献3)や紫外線吸収剤(特許文献4)、末端封止剤(特許文献5)としての使用も提案されており、今後さらに幅広い分野への応用が期待されている。
このようなヒドロキシ芳香族誘導体としては、4−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシルや2−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシルのような、主にエステル結合を有する化合物が知られているが、ケトン体である2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩については未だ知られていない。
特開平8−188712号公報 国際公開第2010/047315号 特開平2−276871号公報 特表2007−518757号公報 特開2016−045479号公報
本発明の目的は、樹脂の可塑剤や末端封止剤、油性インク材料、紫外線吸収剤および各種合成原料として有用な、2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩を提供することにある。
本発明は、一般式(1)で表される2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩に関する。
Figure 0006782596
本発明の2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩は、樹脂用の可塑剤や末端封止剤、油性インク材料、紫外線吸収剤および各種合成原料として使用できる。また、エステル結合を有さないため、耐加水分解性に優れ、その物性を長期間保持することが可能である。
実施例1で得た式(2)で表される2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンのH−NMRスペクトルを示す図である。 実施例1で得た式(3)で表される2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンのH−NMRスペクトルを示す図である。 実施例1で得た式(2)で表される2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンのFT−IRスペクトルを示す図である。 実施例1で得た式(3)で表される2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンのFT−IRスペクトルを示す図である。
本発明は、一般式(1)で表される2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩である。
Figure 0006782596
本発明の好ましい一つの態様として、式(2)で表される2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩が挙げられる。
Figure 0006782596
本発明の好ましい一つの態様として、式(3)で表される2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩が挙げられる。
Figure 0006782596
本発明の好ましい一つの態様として、式(4)で表される2−エチル−3’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩が挙げられる。
Figure 0006782596
一般式(1)で表される2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンの塩としては、特に限定されないが、例えばLi、Na、K等のアルカリ金属塩、Ca、Mg等のアルカリ土類金属塩、第一級アミン、第二級アミンまたは第三級アミンのアミン塩等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンの製造方法としては、式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルのFries転位反応による製造方法が挙げられる。
Figure 0006782596
式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルとしては、市販のものや、当業者に知られた方法で製造したものを用いることができる。
本発明の一般式(1)で表される2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンの製造方法は、式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルをFries転位反応させる工程を含む製造方法である。
Figure 0006782596
Figure 0006782596
式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルのFries転位反応は、通常、ルイス酸および/またはプロトン酸の存在下、溶媒中で行われる。
Fries転位反応に用いられるルイス酸としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化鉄、塩化亜鉛、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、塩化スズ、塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、ビスマストリフラートおよびゼオライトからなる群から選択される一種以上が挙げられ、入手容易性および反応性に優れる点で塩化アルミニウムが好ましい。
Fries転位反応に用いられるプロトン酸としては、ポリリン酸、塩酸、硫酸、ギ酸、フッ化水素およびメタンスルホン酸からなる群から選択される一種以上が挙げられる。
Fries転位反応に用いられるルイス酸および/またはプロトン酸の使用量は、通常、原料である2−エチルヘキサン酸フェニル1モル当量に対して0.2〜3モル当量である。
Fries転位反応に用いられる溶媒としては、クロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、ニトロメタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、ニトロメタン、アセトニトリルおよび軽油からなる群から選択される一種以上が挙げられ、反応性に優れる点でクロロベンゼンが好ましい。
Fries転位反応は、ルイス酸および/またはプロトン酸の代わりに紫外線を照射することによって行ってもよい。
Fries転位反応における反応温度は触媒や溶媒などによって異なるため、特に限定されないが、通常80〜150℃で行われ、好ましくは用いる溶媒の沸点近傍温度で還流しながら反応を実施するのがよい。
Fries転位反応における反応時間は触媒や溶媒などによって異なるため、特に限定されないが、通常2〜15時間行われる。
式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルのFries転位反応によって、式(2)で表される2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンおよび式(3)で表される2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンは通常、これらを含む混合物として得られる。それぞれの化合物は、精製することによって単離することができる。
精製は、濃縮、抽出、蒸留、カラムクロマト分離等の一般的な精製操作を経て分離され、適宜目的とする純度まで精製することができる。
このようにして得られた2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンは樹脂の可塑剤や末端封止剤、油性インク材料、紫外線吸収剤および各種合成原料として有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
各化合物は以下の分析方法によって分析した。
H−NMRスペクトル>
サンプル20mgを重水素化クロロホルムで溶解し、Bruker Biospin AV400M(Bruker社製)を用いて、溶液状態でのH−NMRスペクトルを測定した。
<FT−IRスペクトル>
Spectrum One(PerkinElmer社製)を用いてFT−IRスペクトルを測定した。
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)>
装置: Waters アライアンス 2690/2996
カラム型番: L−Column
液量: 1.0mL/分
溶媒比: HO(pH2.3)/CHOH=65/35(10分)→3分→35/65(13分)→1分→25/75(30分)→1分→10/90(12分)、グラジエント分析
波長: 220nm
カラム温度: 40℃
尚、各化合物の純度は、HPLCによる定量分析により求めた。
実施例1
撹拌機、温度センサーおよび還流管を備えた100mLの4口フラスコに2−エチルヘキサン酸フェニル10g、クロロベンゼン30gおよび塩化アルミニウム(AlCl)6.1g(2−エチルヘキサン酸フェニル1モル当量に対して1モル当量)を加え、窒素気流下、室温で撹拌した後、150℃まで昇温し、同温度で4時間還流した。反応液を室温まで冷却し、1Nの塩酸50gをゆっくり滴下した後、10分静置させて有機層を抽出し、水30gで洗浄した後、有機層を20mmHgおよび60℃で溶媒を留去した。残渣をヘキサンと酢酸エチルの展開溶媒によりシリカゲルカラムで精製し、溶媒を減圧で留去することで、2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノン5.67g(収率56.6mol%、純度99.6%)、2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノン2.78g(収率27.8mol%、純度99.1%)を得た。2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンの沸点は199℃であり、2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンの沸点は253℃であった。
得られた2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンおよび2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンについて、H−NMRスペクトル、FT−IRスペクトルを測定した。2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンのH−NMRスペクトルを図1に、2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンのH−NMRスペクトルを図2に示す。2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンのFT−IRスペクトルを図3に、2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンのFT−IRスペクトルを図4に示す。
本発明の好ましい態様は以下を包含する。
〔1〕一般式(1)で表される2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩。
Figure 0006782596
〔2〕式(2)で表される2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩。
Figure 0006782596
〔3〕式(3)で表される2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩。
Figure 0006782596
〔4〕〔1〕に記載の一般式(1)で表される2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩の製造方法であって、式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルをFries転位反応させる工程を含む、製造方法。
Figure 0006782596
〔5〕前記工程において、式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルを、ルイス酸および/またはプロトン酸の存在下、溶媒中でFries転位反応させる、〔4〕に記載の製造方法。

Claims (4)

  1. 式(2)で表される2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩。
    Figure 0006782596
  2. 式(3)で表される2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩。
    Figure 0006782596
  3. 式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルをFries転位反応させる工程を含む、請求項1に記載の式(2)で表される2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩、もしくは、請求項2に記載の式(3)で表される2−エチル−2’−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩の製造方法。
    Figure 0006782596
  4. 前記工程において、式(5)で表される2−エチルヘキサン酸フェニルを、ルイス酸および/またはプロトン酸の存在下、溶媒中でFries転位反応させる、請求項に記載の製造方法。
JP2016190107A 2016-09-28 2016-09-28 2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩 Active JP6782596B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016190107A JP6782596B2 (ja) 2016-09-28 2016-09-28 2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016190107A JP6782596B2 (ja) 2016-09-28 2016-09-28 2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018052852A JP2018052852A (ja) 2018-04-05
JP6782596B2 true JP6782596B2 (ja) 2020-11-11

Family

ID=61833589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016190107A Active JP6782596B2 (ja) 2016-09-28 2016-09-28 2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6782596B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018052852A (ja) 2018-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111094223B (zh) 联萘化合物
JP2014201545A (ja) 2−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボン酸ジアルキルエステルの製造方法
US9018398B2 (en) Intermediate for acenedichalcogenophene derivative and method for synthesizing same
JP6782596B2 (ja) 2−エチル−ヒドロキシヘキサノフェノンまたはその塩
JP6782597B2 (ja) 2−エチル−4’−ヒドロキシヘキサノフェノンの製造方法
JP2007001888A (ja) 1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン類の製造方法
KR20170070038A (ko) 1-(3,5-디클로로페닐)-2,2,2-트리플루오로에타논 및 그의 유도체의 제조 방법
JP6920917B2 (ja) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルケニルエステルおよびその製造方法
KR102656753B1 (ko) 디올의 제조 방법
JP5403485B2 (ja) 1,4−ジヒドロアントラセン−9,10−ジエーテル化合物及びその製造法
JP6552912B2 (ja) 新規フルオレン化合物及びその製造方法
KR20170070037A (ko) 할로-치환된 트리플루오로아세토페논의 제조 방법
JP5071795B2 (ja) ベンゾオキサチイン化合物の製造方法
JP6920916B2 (ja) 2−ナフタレンカルボン酸アミド化合物およびその製造方法
JP6853086B2 (ja) 芳香族化合物およびその製造方法
JP7007999B2 (ja) ジエステル化合物およびその製造方法
JP6853709B2 (ja) 芳香族化合物およびその製造方法
KR20070052639A (ko) 아다만테인 유도체 및 그의 제조방법
JP6812315B2 (ja) 6−(2−オキシラニルメトキシ)−2−ナフトエ酸アルケニルエステルおよびその製造方法
JP2010126499A (ja) ナフタロシアニン化合物及びその製造方法
CN109265311B (zh) 一种苯基芴衍生物及其制备方法与应用
CN105801328A (zh) 一种晕苯的制备方法
CN114478332A (zh) 一种烃基三氟甲基硫醚的合成方法
KR100570279B1 (ko) 코엔자임 Qn의 중간체 및 그 중간체의 제조방법
JP6633537B2 (ja) デカリン誘導体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170817

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201020

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6782596

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250