JPH1129525A - 新規なシクロペンチルアクリレート化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規なシクロペンチルアクリレート化合物及びその製造方法

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JPH1129525A
JPH1129525A JP20213597A JP20213597A JPH1129525A JP H1129525 A JPH1129525 A JP H1129525A JP 20213597 A JP20213597 A JP 20213597A JP 20213597 A JP20213597 A JP 20213597A JP H1129525 A JPH1129525 A JP H1129525A
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meth
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acrylate
compound
group
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JP20213597A
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Shinichiro Tawara
伸一郎 田原
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応性希釈剤、UVコーティング剤、塗料、接
着剤、プラスチック等の改質剤等に有用な、新規なシク
ロペンチル(メタ)アクリレート化合物及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】なし

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なシクロペンチル
(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、(メタ)アクリレート系モノマー
は単独又は共重合され、得られる樹脂は、接着剤、塗料
等に多用されてきた。最近では、従来よりも高性能、高
品質の樹脂が要求されてきており、例えば、コーティン
グに関しては、UV硬化塗料、水性塗料、ハイソリッド
塗料、等に対応できるモノマー、樹脂が求められてい
る。また、反応性希釈剤やUV硬化などのコーティング
剤、プラスチック改質剤等の用途で使用量も増加してい
る。しかしながら、一般に、(メタ)アクリレート系モ
ノマーは、独特の臭気を有し、粘膜への刺激や催涙性、
さらには皮膚のかぶれを起こすなど人体への影響があ
り、取扱には問題点がないとはいえなかった。このた
め、低臭気、低毒性の(メタ)アクリル系モノマーが求
められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記課
題を達成すべく鋭意研究の結果、構造中に2つのシクロ
ペンチルユニットを有するシクロペンチル(メタ)アク
リレート化合物が上記問題点のないモノマーであること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到っ
た。すなわち、本発明の主な目的は、第1に下記式
(1)で表わされるシクロペンチル(メタ)アクリレー
ト化合物を提供し、
【化4】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。) 第2に、上記一般式(1)で表わされるシクロペンチル
(メタ)アクリレート化合物の製造方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、一般式(1)
【化5】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。)で
表わされるシクロペンチル(メタ)アクリレート化合物
(請求項1)を提供する。
【0005】また、この出願の発明は、一般式(2)
【化6】 で表わされるアルコール化合物と、一般式(3)
【化7】 (式中、R2は水素原子またはメチル基を表わし、X
は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R3−O−基を表
わす。ただし、R3は、2−シクロペンチルシクロペン
チル基または2−シクロペンチリデンシクロペンチル基
以外の炭化水素基である。)で表わされる(メタ)アク
リロイル化合物を反応させることを特徴とする、請求項
1記載のシクロペンチル(メタ)アクリレート化合物の
製造方法(請求項2)も提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】シクロペンチル(メタ)アクリレート化合物 発明のシクロペンチル(メタ)アクリレート化合物は、
一般式(1)で表わされる。
【化8】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。) 式中、2つの5員環の間を結ぶ実線と点線は、2つの5
員環の間の結合が、炭素炭素単結合または炭素炭素二重
結合のいずれかであることを表す。つまり、シクロペン
チル(メタ)アクリレート化合物のエステル残基は、2
−シクロペンチルシクロペンチル基または2−シクロペ
ンチリデンシクロペンチル基のいずれかであり、具体的
には、2−シクロペンチルシクロペンチルアクリレー
ト、2−シクロペンチルシクロペンチルメタアクリレー
ト、2−シクロペンチリデンシクロペンチルアクリレー
ト、2−シクロペンチリデンシクロペンチルメタアクリ
レートのいずれかである。
【0007】シクロペンチル(メタ)アクリレート化合
物の製造方法 次に、前記一般式(1)で表わされるシクロペンチル
(メタ)アクリレート化合物の製造方法について説明す
る。前記一般式(1)で表わされるシクロペンチル(メ
タ)アクリレート化合物は、一般式(2)
【化9】 で表されるアルコール化合物と、一般式(3)
【化10】 (式中、R2は水素原子またはメチル基を表わし、X
は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R3−O−基を表
わす。ただし、R3は、2−シクロペンチルシクロペン
チル基または2−シクロペンチリデンシクロペンチル基
以外の炭化水素基である。)で表わされる(メタ)アク
リロイル化合物を反応させることによって製造すること
ができる。
【0008】アルコール化合物 アルコール化合物は、前記一般式(2)で表される。式
中、2つの5員環の間を結ぶ実線と点線については、シ
クロペンチル(メタ)アクリレート化合物と同様であ
る。つまり、本アルコール化合物は、2−シクロペンチ
ルシクロペンチル基または2−シクロペンチリデンシク
ロペンチル基のいずれかを有し、具体的には、2−シク
ロペンチルシクロペンタノール又は2−シクロペンチリ
デンシクロペンタノールのいずれかである。
【0009】一般式(2)のアルコール化合物の製造法
は、例えば、次のような合成例を挙げることができる。
すなわち、Organic Synthesis,I,
78(1941)に記載されているように、シクロペン
タノンをアルドール型縮合反応させ、2−シクロペンチ
リデンシクロペンタノンを得る。次に、前記2−シクロ
ペンチリデンシクロペンタノンを、例えば、Journ
al OrganicChemistry,24,18
55(1959)記載の方法により水素添加すると、一
般式(2)のアルコール化合物である2−シクロペンチ
ルシクロペンタノールを得ることができる。また、2−
シクロペンチリデンシクロペンタノンを、例えば、Ch
emical Abstract,41,109(19
47)やJournal Organic Chemi
stry,,55,1432−1438(1990)記
載の方法により水素添加すると、一般式(2)のアルコ
ール化合物である2−シクロペンチリデンシクロペンタ
ノールを得ることができる。
【0010】(メタ)アクリロイル化合物 前記一般式(3)で表される(メタ)アクリロイル化合
物は、具体的には、(メタ)アクリル酸;(メタ)アク
リル酸ハライド;2−シクロペンチルシクロペンタンあ
るいは2−シクロペンチリデンシクロペンタン以外の炭
化水素基の(メタ)アクリレート;である。上記の(メ
タ)アクリロイル化合物として、例えば、アクリル酸;
メタクリル酸;(メタ)アクリル酸クロライド、(メ
タ)アクリル酸ブロマイド、(メタ)アクリル酸アイオ
ダイドなどの(メタ)アクリル酸ハライド;(メタ)ア
クリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエ
ステル、(メタ)アクリル酸n−プロピルエステル、
(メタ)アクリル酸2−プロピルエステルなどのアルキ
ル(メタ)アクリレート; (メタ)アクリル酸アリー
ルエステル;などがある。
【0011】前記一般式(2)のアルコール化合物と一
般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物を反応させる
に際しては、一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合
物のXが、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、R3−O−
基の場合で、それぞれ反応様式が異なる。
【0012】一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合
物のXがヒドロキシル基の場合 一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物のXが、ヒ
ドロキシル基である場合は、例えば、Journal
American Chemical Societ
y,70,3135(1948)記載の方法にしたがっ
て、前記一般式(2)のアルコール化合物とXがヒドロ
キシル基の一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物
とを脱水反応させ、一般式(1)に示すシクロペンチル
(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。
【0013】Xがヒドロキシル基の一般式(3)の(メ
タ)アクリロイル化合物は、一般式(2)のアルコール
化合物1モルに対して、1〜5モルの割合が好ましい。
該反応の触媒は、例えば、硫酸、p−トルエンスルホン
酸等のプロトン酸;酸性イオン交換樹脂;等の酸が使用
できる。これらの触媒は、単独で使用しても良く、2種
類以上を組み合わせて使用しても良い。該触媒の使用量
は、通常、一般式(2)のアルコール化合物の約1〜3
0重量%の割合で使用される。
【0014】該反応の溶媒としては、反応を阻害しない
ものであれば特に制限はないが、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化
水素系の溶媒が好ましい。これらの溶媒は、単独で使用
しても良く、2種類以上を組み合わせて使用しても良
い。これらの溶媒は、一般式(2)のアルコール化合物
及び一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物を含む
総重量に対し、通常、0〜100重量%、好ましくは1
0〜80重量%、さらに好ましくは20〜60重量%の
割合で使用される。
【0015】また、反応中に原料である一般式(3)で
表される(メタ)アクリロイル化合物及び生成物である
シクロペンチル(メタ)アクリレート化合物の重合を防
止するために重合禁止剤を使用することが好ましい。
【0016】重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキ
ノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−
ブチルハイドロキノン、フェノチアジン、メチレンブル
ー、銅化合物等を使用することができる。また、これら
の重合禁止剤と分子状酸素との併用も好ましい。分子状
酸素は、空気として使用することが好ましい。重合禁止
剤の使用量は、一般式(3)の(メタ)アクリロイル化
合物に対し、通常、20〜1000ppmを使用する。
【0017】反応温度は、通常、60〜130℃であれ
ば良く、常圧または減圧下で行っても良い。反応中、副
生する水は前述の溶媒との共沸物として系外へ留出除去
しながら反応を行うことが、反応の促進上有利である。
【0018】反応はこのような条件下で、通常2〜20
時間程度で終了させることができる。反応終了後、反応
液を冷却し、アルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム
水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等で中和し、水で洗浄し
た後、水層を分離し、残存する溶媒及び残留原料等を留
去することにより、一般式(1)で示される(メタ)ア
クリレート化合物が得られる。
【0019】一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合
物のXがハロゲン原子の場合 一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物のXが、ハ
ロゲン原子である場合は、例えば、Journal A
merican Chemical Society,
65,986(1943)記載の方法により、前記一般
式(2)のアルコール化合物とXがハロゲン原子である
一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物とを脱ハロ
ゲン化水素反応させて、一般式(1)で表される(メ
タ)アクリレート化合物を得ることができる。
【0020】Xがハロゲン原子である一般式(3)の
(メタ)アクリロイル化合物は、一般式(2)のアルコ
ール化合物1モルに対して、1〜3モルの割合が好まし
い。また、本反応では、発生するハロゲン化水素に対し
塩基を使用して塩基のハロゲン化水素塩とし、これを反
応系から除去することが好ましい。この場合の塩基とし
ては、例えば、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ト
リエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチ
ルアニリン等の3級アミン、テトラメチル尿素などが好
ましい。これらの塩基は、単独でも、2種類以上組み合
わせて使用しても良い。該塩基の使用量は、一般式
(3)の(メタ)アクリロイル化合物1モルに対して1
〜3モルの割合が好ましい。
【0021】反応溶媒としては、反応を阻害しないもの
であれば特に制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;ジクロロ
メタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル;な
どが使用でき、一般式(2)のアルコール化合物の溶解
性などから、ハロゲン化炭化水素あるいはエーテルが好
ましい。これらの反応溶媒は、単独で使用しても良く、
2種類以上組み合わせて使用することもできる。該反応
溶媒の使用量は、一般式(2)のアルコール化合物及び
一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物を含む総重
量に対し、通常、0〜100重量%であれば良く、好ま
しくは10〜80重量%、更に好ましくは20〜60重
量%の割合で使用される。
【0022】また、本反応には重合禁止剤を使用するこ
とが好ましく、該重合禁止剤としては、例えば、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等を使用
することができる。重合禁止剤の使用量は、一般式
(3)の(メタ)アクリロイル化合物に対して、20〜
1000ppmが好ましい。
【0023】反応温度は、通常、−70〜80℃であれ
ばよく、好ましくは−50〜60℃であり、より好まし
くは−30〜40℃である。反応圧力は、常圧又は減圧
下であればよい。反応は、このような条件下で通常1〜
10時間程度で終了させることができる。反応終了後、
反応液を水洗した後、水層を分離し、残存する溶媒を留
去することにより、一般式(1)で示される(メタ)ア
クリレート化合物が得られる。
【0024】一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合
物のXがR3−O−基の場合 一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物のXが、R
3−O−基(ただし、R3は、2−シクロペンチルシクロ
ペンチル基または2−シクロペンチリデンシクロペンチ
ル基以外の炭化水素基である。)である場合は、例え
ば、Org.Synth.,III,605(195
5)記載の方法により、XがR3−O−基である一般式
(3)の(メタ)アクリロイル化合物と一般式(2)の
アルコール化合物とエステル交換反応させ、一般式
(1)に示す(メタ)アクリレート化合物を得ることが
できる。
【0025】この場合、R3−O−基としては、R3が、
2−シクロペンチルシクロペンチル基または2−シクロ
ペンチリデンシクロペンチル基以外の炭化水素基であれ
ば、特に制限されないが、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、2−プロポキシ基等のアルコ
キシ基;フェノキシ基、クロロフェノキシ基、ニトロフ
ェノキシ基等のアリールオキシ基;などが挙げられる。
好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。XがR3
−O−基である一般式(3)の(メタ)アクリロイル化
合物の使用量は、一般式(2)のアルコール化合物1モ
ルに対して、1〜10モルの割合で使用することが好ま
しい。
【0026】本反応の触媒としては、通常のエステル交
換反応に使用される触媒であれば特に制限されないが、
例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等の水酸化物
やアルコキシドなどの塩基性触媒;硫酸、p−トルエン
スルホン酸などの酸性触媒;チタンアルコキシド、アル
ミニウムアルコキシド、スズ化合物、鉛化合物などの金
属触媒;などが使用できる。これらの触媒は、単独で使
用しても良く、2種類以上組み合わせて使用しても良
い。該触媒の使用量は、一般式(2)のアルコール化合
物の0.1〜20重量%程度である。
【0027】また、反応に際して特に溶媒を使用する必
要はないが、場合によってはベンゼン、トルエン、ヘキ
サン、シクロヘキサン等の炭化水素系などの溶媒を使用
することもできる。
【0028】また、原料である一般式(3)で表される
(メタ)アクリロイル化合物及び生成物であるシクロペ
ンチル(メタ)アクリレート化合物は、反応中に重合す
ることを防止するために、反応系内に重合禁止剤を使用
することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハ
イドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t
ert.−ブチルハイドロキノン、カテコール、ter
t.−ブチルカテコール、フェノチアジン、メチレンブ
ルー、銅化合物、ジフェニルアミン等を使用することが
できる。これらの触媒は、単独で使用しても、2種類以
上組み合わせて使用することもできる。重合禁止剤の使
用量は、一般式(3)の(メタ)アクリロイル化合物に
対して、20〜1000ppmが好ましい。これらの重
合禁止剤と分子状酸素との併用も好ましい。分子状酸素
は、空気として使用することが好ましい。
【0029】反応温度は、通常、60〜130℃であれ
ば良く、常圧または減圧下で行うことができる。反応中
副生するメタノール、エタノール等原料に由来するアル
コールは、反応系外へ留去しながら反応を行うことが有
利である。反応終了後、触媒をろ過、洗浄、加水分解後
ろ過等の手段によって除去し、残存する過剰の一般式
(3)の(メタ)アクリロイル化合物を留去することに
よって、一般式(1)で示されるシクロペンチル(メ
タ)アクリレート化合物が得られる。蒸留精製可能なシ
クロペンチル(メタ)アクリレート化合物については、
蒸留精製を行うことによりさらに純度を高めることがで
きる。
【0030】以上の方法によって製造された本発明のシ
クロペンチル(メタ)アクリレート化合物は、それぞれ
単独で重合させることができ、また、これらの2種類以
上を組み合わせて共重合させることもできる。さらに、
これらを単独でまたは2種類以上併用し、これらと重合
可能な他の不飽和単量体とを共重合させることができ
る。重合体を製造する方法としては、ラジカル重合やイ
オン重合等の公知の方法を用いて重合することができ
る。例えば、重合開始剤の存在下で、塊状重合法、溶液
重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法で製造でき
る。
【0031】以下に、実施例によって本発明について具
体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0032】(参考例1) 2−シクロペンチリデンシ
クロペンタノンの合成 攪拌機、温度計、還流冷却管を備え付けた1リットル三
つ口フラスコに水酸化ナトリウム10g入れ、水190
ミリリットルを加えて溶解した。その後シクロペンタノ
ン238gを加え、130℃のオイルバスにて加熱還流
を行った。反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、
7時間で反応を停止し、反応液を室温まで冷却した。反
応液中にトルエン150ミリリットルを加え、攪拌した
後、トルエン層を分離した。このトルエン層を1重量%
の塩酸35ミリリットル、5重量%炭酸水素ナトリウム
水溶液30ミリリットルの順で洗浄した。その後トルエ
ンを減圧下留去し、得られた液状物を蒸留して2−シク
ロペンチリデンシクロペンタノン(収量182g、シク
ロペンタノンに対する収率85%、沸点110℃/7m
mHg )を得た。
【0033】(参考例2) 2−シクロペンチルシクロ
ペンタノールの合成 300ミリリットルオートクレーブに2−シクロペンチ
リデンシクロペンタノン58.2g及びルテニウムカー
ボン5.8gを入れ、オートクレーブ内がゲージ圧で1
0kg/cm2になるように水素を導入した。その後、
反応系を55℃に加熱し、水素添加を続けた。9時間
後、水素導入を停止し、室温まで冷却した。オートクレ
ーブ内を窒素置換した後、反応混合物をろ過、メタノー
ルで洗浄し、メタノール溶液を減圧蒸留して2−シクロ
ペンチルシクロペンタノール(収量55.7g、2−シ
クロペンチリデンシクロペンタノンに対する収率93
%、沸点75℃/0.4mmHg )を得た。
【0034】(参考例3) 2−シクロペンチリデンシ
クロペンタノールの合成 攪拌機、温度計を備え付けた1リットル三つ口フラスコ
に2−シクロペンチリデンシクロペンタノン15g、メ
タノール250ミリリットルを加えた。その後、塩化セ
リウム6水和物35.5gを添加し、室温下で塩化セリ
ウム6水和物を溶解させた。その後、反応液を−20℃
まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム3.8gを添加し
た。−20℃で1時間反応させた後、反応液を0℃まで
加温し、1重量%塩酸を加えて反応液を中性にした。そ
の後メタノールを留去し、残差にクロロホルム200ミ
リリットルを加え、水洗を行い、クロロホルム層を分離
した後、クロロホルムを留去し、残差をn−ヘキサンで
再結晶し、2−シクロペンチリデンシクロペンタノール
(収量12.2g、2−シクロペンチリデンシクロペン
タノンに対する収率80%、沸点107℃/7.5mm
Hg、融点52〜54℃)を得た。
【0035】
【実施例1】(2−シクロペンチルシクロペンチルメタ
クリレートの合成) 攪拌機、温度計及び滴下ロートを備え付けた1リットル
三つ口フラスコに、2−シクロペンチルシクロペンタノ
ール15.4gとジクロロメタン300ミリリットルを
加え、2−シクロペンチルシクロペンタノールを溶解し
た。その後、反応液を0℃に冷却し、トリエチルアミン
12.1gを加えた。滴下ロートに塩化メタクリロイル
10.5gをジクロロメタン60mlに溶解したものを入
れ、30分かけて滴下した。反応液を0℃に保ち、ガス
クロマトグラフィーで分析しながら更に反応を行わせ
た。5時間反応を行わせた後、反応液を1重量%塩酸、
5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順に洗浄し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行い、
2−シクロペンチルシクロペンチルメタクリレート(収
量20.0g、2−シクロペンチルシクロペンタノール
に対する収率90%)を得た。 2−シクロペンチルシクロペンチルメタクリレートの1
H−NMR(500MHz)(単位:ppm):δ(C
DCl3、TMS基準) 5.54(s、1H) 6.
08(s、1H) 1.93(s、3H) 5.22〜
4.95(m、1H) 1.85(m、2H) 1.7
6〜1.50(m、14H) 2−シクロペンチルシクロペンチルメタクリレートのI
R(Neet,NaCl)(単位:cm-1) 1720
(アクリル酸エステルのC=O) 1300,1170
(アクリル酸エステルのC−C(=O)−O) 288
0,2830(シクロペンタン環のC−H)
【0036】
【実施例2】(2−シクロペンチルシクロペンチルアク
リレートの合成) 塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイル9.1
gをジクロロメタン60ミリリットルに溶解させたもの
を用いる他は、実施例1と同様にして2−シクロペンチ
ルシロペンチルシクロペンタノールに対する収率85
%)を得た。2−シクロペンチルシクロペンチルアクリ
レートの1H−NMR(90MHz)(単位:pp
m):δ(CDCl3、TMS基準) 5.84(d、
1H) 6.31(d、1H) 6.12(t、1H)
5.27〜5.03(m、1H) 1.72(m、1
6H) 2−シクロペンチルシクロペンチルアクリレートのIR
(Neet,NaCl)(単位:cm-1) 1720
(アクリル酸エステルのC=O) 1300,1200
(アクリル酸エステルのC−C(=O)−O) 295
0,2850(シクロペンタン環のC−H)
【0037】
【実施例3】(2−シクロペンチリデンシクロペンチル
アクリレートの合成) 2−シクロペンチルシクロペン
タノールの代わりに2−シクロペンチリデンシクロペン
タノール15.2g、塩化メタクリロイルの代わりに塩
化アクリロイル9.1gを用いるほかは、実施例1と同
様にして2−シクロペンチリデンシクロペンチルアクリ
レート(収量17.5g、2−シクロペンチリデンシク
ロペンタノールに対する収率85%)を得た。 2−シクロペンチリデンシクロペンチルアクリレートの
1H−NMR(90MHz)(単位:ppm):δ(C
DCl3、TMS基準) 5.84(d、1H) 6.
34(d、1H) 6.13(t、1H) 5.65
(m、1H) 2.30(m、6H) 1.75(m、
8H) 2−シクロペンチルシクロペンチルアクリレートのIR
(Neet,NaCl)(単位:cm-1) 1720
(アクリル酸エステルのC=O) 1300,1200
(アクリル酸エステルのC−C(=O)−O) 295
0,2850(シクロペンタン環のC−H) 1630
(シクロペンチリデンのC=C)
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、新規なシクロペンチル
(メタ)アクリレート化合物を製造することができる。
また、シクロペンチル(メタ)アクリレート化合物は、
(共)重合させることができ、その(共)重合体は、U
Vコーティング剤や電子線コーティング剤等のコーティ
ング剤、インキ、塗料、接着剤、写真用材料、顔料分散
剤、光硬化性樹脂、光学用材料、繊維処理剤、光ファイ
バー保護剤、離型剤、成形材料、ゴム改質剤、プラスチ
ック改質剤、反応性希釈剤、選択性透過膜等として有用
である。さらに、本発明のシクロペンチル(メタ)アク
リレート化合物は、臭気が少なく、取り扱いやすい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わす。)で
    表されるシクロペンチル(メタ)アクリレート化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 で表されるアルコール化合物と、一般式(3) 【化3】 (式中、R2は水素原子またはメチル基を表わし、X
    は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子またはR3−O−基
    のいずれかを表わす。ただし、R3は、2−シクロペン
    チルシクロペンチル基または2−シクロペンチリデンシ
    クロペンチル基以外の炭化水素基である。)で表わされ
    る(メタ)アクリロイル化合物を反応させることを特徴
    とする、請求項1記載のシクロペンチル(メタ)アクリ
    レート化合物の製造方法。
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