JP2001131138A - アダマンタン誘導体及びその製造法 - Google Patents

アダマンタン誘導体及びその製造法

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JP2001131138A
JP2001131138A JP31753799A JP31753799A JP2001131138A JP 2001131138 A JP2001131138 A JP 2001131138A JP 31753799 A JP31753799 A JP 31753799A JP 31753799 A JP31753799 A JP 31753799A JP 2001131138 A JP2001131138 A JP 2001131138A
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JP31753799A
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Keizo Inoue
慶三 井上
Shinya Nagano
慎哉 長野
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯科用材料の原料等として有用な新規なアダ
マンタン誘導体を得る。 【解決手段】 アダマンタン誘導体は、下記式(1) 【化1】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又
はメチル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、
水素原子又はメチル基を示し、A1及びA2は、同一又は
異なって、下記式 −A3−O−C(=O)− (式中、A3は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のア
ルキレン基を示す。上記式において、右側をアダマンタ
ン環側とする)で表される基を示し、Xは炭素数1〜1
2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示し、m及び
nはそれぞれ0又は1を示す]で表される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科材料若しくは
その原料、レンズなどの光学材料の原料等として有用な
新規なアダマンタン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】アダマンタン誘導体は非芳香族性で且つ
リジッドであるという特殊な環構造により種々の機能を
有するため、様々な分野で注目されている。例えば、イ
ンレーやクラウンなどの歯冠用材料を窩洞や支台歯に装
着するために用いる合着材、歯又は修復物と接着して修
復物の保持に用いる接着材、歯の欠損部に填める充填
材、表面滑沢剤などの歯科用の材料として、アダマンタ
ン骨格を有する重合性単量体やその重合体を用いること
が提案されている。
【0003】特開昭63−233906号公報には、ア
ダマンタン骨格を有するアルコールの(メタ)アクリル
酸エステルを単量体とするアクリル系ポリマーを含む歯
科用材料が開示されている。また、特開昭63−233
907号公報には、アダマンタンのウレタン誘導体を含
む歯科用材料が開示されている。特開平4−80223
号公報及び特開平4−360809号公報には、アダマ
ンタン骨格を有する重合性ウレタン化合物と揮発性化合
物と重合開始剤とを含有する歯科用表面滑沢剤が開示さ
れている。しかし、これらの歯科用材料は、未だ耐水
性、安定性、光沢などの点で必ずしも充分満足できるも
のではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、歯科用材料の原料等として有用な新規なアダマンタ
ン誘導体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、(メタ)アクリロイ
ルオキシ基が直接又は連結基を介して結合した2つのア
ダマンタン環がアルキレン基及び2つのウレタン結合を
介して結合している新規なアダマンタン誘導体を見出
し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、下記式(1)
【化4】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又
はメチル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、
水素原子又はメチル基を示し、A1及びA2は、同一又は
異なって、下記式 −A3−O−C(=O)− (式中、A3は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のア
ルキレン基を示す。上記式において、右側をアダマンタ
ン環側とする)で表される基を示し、Xは炭素数1〜1
2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示し、m及び
nはそれぞれ0又は1を示す]で表されるアダマンタン
誘導体を提供する。
【0007】本発明は、また、下記式(2a)及び(2b)
【化5】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又
はメチル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、
水素原子又はメチル基を示し、A1及びA2は、同一又は
異なって、下記式 −A3−O−C(=O)− (式中、A3は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のア
ルキレン基を示す。上記式において、右側をアダマンタ
ン環側とする)で表される基を示し、m及びnはそれぞ
れ0又は1を示す]で表されるアダマンタノール誘導体
と、下記式(3) OCN−X−NCO (3) (式中、Xは炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のア
ルキレン基を示す)で表されるジイソシアネート化合物
とを反応させて、前記式(1)で表されるアダマンタン
誘導体を生成させるアダマンタン誘導体の製造法を提供
する。なお、本明細書では、「アクリル」と「メタクリ
ル」とを「(メタ)アクリル」、「アクリロイル」と
「メタクリロイル」とを「(メタ)アクリロイル」と総
称する場合がある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の前記式(1)で表される
アダマンタン誘導体において、A1及びA2は、同一又は
異なって、下記式 −A3−O−C(=O)− (式中、A3は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のア
ルキレン基を示す。上記式において、右側をアダマンタ
ン環側とする)で表される基を示す。上記A3における
炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基とし
ては、例えば、メチレン、エチレン、メチルエチレン、
トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルト
リメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基などが挙げ
られる。これらの中でも、炭素数2〜6程度の直鎖状又
は分岐鎖状のアルキレン基、特に炭素数2〜4程度の直
鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。
【0009】前記式(1)中、Xにおける炭素数1〜1
2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基として、例え
ば、メチレン、エチレン、メチルエチレン、トリメチレ
ン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレ
ン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン、
ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オ
クタメチレン、ノナメチレン、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレン、デカメチレン、ドデカメチレン基など
が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜10程度の
直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、特に炭素数4〜1
0程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好まし
い。
【0010】前記式(1)で表される化合物のうち、m
及びnが共に0である化合物の代表的な例として、下記
式(1-1)〜(1-12)で表される化合物が挙げられる。
【化6】
【化7】
【化8】
【0011】また、前記式(1)で表される化合物のう
ち、m及びnが共に1である化合物の代表的な例とし
て、下記式(1-13)〜(1-20)で表される化合物が挙げ
られる。
【化9】
【化10】
【0012】本発明のアダマンタン誘導体は、(メタ)
アクリロイル基を有するため、例えば慣用のラジカル重
合により単独重合体又は共重合可能な他の単量体との共
重合体に誘導できる。こうして得られるポリマーは、非
芳香族性で且つリジッドなアダマンタン環を含んでいる
ため、透明性、光沢、硬度、耐水性などに優れる。その
ため、本発明のアダマンタン誘導体は、歯牙窩洞の充填
修復材、歯科用複合充填材料、義歯床用材料、歯冠用材
料、合着用材料、歯列矯正用接着剤、窩洞塗布用接着
剤、歯牙裂講封鎖材、歯科用表面滑沢剤などの歯科材料
の原料;レンズなどの光学材料の原料等として利用でき
る。
【0013】前記式(1)で表されるアダマンタン誘導
体は、2つのウレタン結合(カルバミン酸エステル結
合)を有しており、これらのウレタン結合を慣用のウレ
タン結合生成反応を利用して形成することにより製造で
きる。2つのウレタン結合は同時に形成してもよく、段
階的に形成してもよい。
【0014】例えば、前記本発明の製造法において、前
記式(2a)で表されるアダマンタノール誘導体と式(2
b)で表されるアダマンタノール誘導体とが同一の化合
物である場合には、該アダマンタノール誘導体と前記式
(3)で表されるジイソシアネート化合物とを反応させ
ることによりワンステップで、対応する式(1)で表さ
れるアダマンタン誘導体を得ることができる。
【0015】また、前記式(2a)で表されるアダマンタ
ノール誘導体と式(2b)で表されるアダマンタノール誘
導体とが異なる化合物である場合には、これらの化合物
のうち何れか一方の化合物と前記式(3)で表されるジ
イソシアネート化合物とを反応させ、前記ジイソシアネ
ート化合物の2つのイソシアネート基のうち一方をウレ
タン基とし、次いでこの反応生成物(モノイソシアネー
ト化合物)と前記2つの化合物のうち他方の化合物とを
反応させることにより、対応する式(1)で表されるア
ダマンタン誘導体を得ることができる。
【0016】前記式(2a)、(2b)で表されるアダマン
タノール誘導体と式(3)で表されるジイソシアネート
化合物との反応は、反応に不活性な溶媒中で又は無溶媒
下で行われる。前記溶媒として、例えば、ヘキサン、オ
クタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水
素;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素;酢酸エチルなどのエステル;ジオキサ
ンなどのエーテル;N,N−ジメチルホルムアミドなど
の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。溶媒は単独
で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0017】反応を促進させるために、反応系に塩化第
1銅などの金属塩を添加したり、酸や塩基を触媒として
添加してもよい。塩基としては、例えば、ピリジンなど
の塩基性含窒素複素環化合物、トリエチルアミンなどの
第3級アミンなどが挙げられる。また、反応系には、ハ
イドロキノンなどの慣用乃至公知の重合禁止剤や重合抑
制剤を存在させてもよい。
【0018】反応温度は、反応成分の反応性に応じて適
宜選択できるが、一般には0〜150℃程度、好ましく
は10〜120℃程度である。
【0019】反応生成物は、慣用の分離精製手段、例え
ば、濃縮、抽出、晶析、再結晶、蒸留、カラムクロマト
グラフィーなど、又はこれらの組み合わせにより分離精
製することができる。
【0020】なお、前記式(2a)及び(2b)で表される
化合物のうち、m及びnが0である化合物は、対応する
アダマンタンジオール化合物と(メタ)アクリル酸又は
その反応性誘導体とを反応させることにより得ることが
できる。
【0021】この反応において原料として用いるアダマ
ンタンジオール化合物は、ヒドロキシル基を有しない又
はヒドロキシル基を1個有する対応するアダマンタン類
を、N−ヒドロキシフタルイミドなどのN−ヒドロキシ
イミド系触媒と、必要に応じて、バナジウム化合物(例
えば、バナジウムアセチルアセトナト、バナジルアセチ
ルアセトナトなど)、コバルト化合物(例えば、酢酸コ
バルト、コバルトアセチルアセトナトなど)等の金属化
合物助触媒の存在下、酸素で酸化して、アダマンタン環
の橋頭位にヒドロキシル基を導入することにより得るこ
とができる。この方法において、N−ヒドロキシイミド
系触媒の使用量は、アダマンタン類1モルに対して、例
えば0.001〜0.5モル、好ましくは0.01〜
0.3モル程度である。また、金属化合物助触媒の使用
量は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.00
01〜0.5モル、好ましくは0.0005〜0.1モ
ル程度である。酸化反応は、例えば、酢酸などの有機
酸、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル
類、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素等の有機溶媒中、常圧又は加圧下[例えば5〜40
atm(0.505〜4.04MPa)程度]、例えば
40〜150℃、好ましくは60〜120℃程度の温度
で行われる。
【0022】前記(メタ)アクリル酸の反応性誘導体と
しては、アルコールと反応して対応するエステルを生成
可能な誘導体、例えば、(メタ)アクリル酸クロリドな
どの(メタ)アクリル酸ハライド;無水(メタ)アクリ
ル酸などの酸無水物;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ビニル、
(メタ)アクリル酸2−プロペニルなどの(メタ)アク
リル酸エステル(例えば、アルキルエステル、アルケニ
ルエステルなど)などが挙げられる。
【0023】前記アダマンタンジオール化合物と(メ
タ)アクリル酸との反応(エステル化)は、通常、反応
に不活性な溶媒中で行われる。前記溶媒として、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンな
どの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂
環式炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−
ジクロロエタン、クロロベンゼン、トリフルオロメチル
ベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル;ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソールなどのエ
ーテル;及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。溶媒
としては、副生する水と共沸し且つ水と分液可能な溶媒
(共沸脱水可能な溶媒)、例えばトルエンなどが好まし
い。
【0024】エステル化反応に用いる触媒としては、例
えば、硫酸、塩酸、リン酸、ヘテロポリ酸などの無機
酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、スルホン酸系強
酸性イオン交換樹脂などのスルホン酸類などが挙げられ
る。また、前記触媒としてルイス酸を用いることもでき
る。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0025】上記アダマンタンジオール化合物と(メ
タ)アクリル酸とのエステル化反応は、常圧又は減圧
下、例えば50〜150℃程度の温度で行われる。(メ
タ)アクリル酸の使用量は、アダマンタンジオール化合
物1モルに対して、通常1モル以上、好ましくは1.5
モル以上(例えば1.5〜10モル、特に2.5〜6モ
ル程度)である。
【0026】一方、前記アダマンタンジオール化合物と
(メタ)アクリル酸の反応性誘導体との反応は、該反応
性誘導体の種類に応じて、塩基やエステル交換触媒の存
在下で行うことができる。例えば、(メタ)アクリル酸
の反応性誘導体として(メタ)アクリル酸ハライドや酸
無水物を用いる場合には、トリエチルアミン、ピリジン
などの塩基(酸捕捉剤)の存在下、例えば前記溶媒中、
−78℃〜150℃程度の温度下で反応が行われる。ま
た、(メタ)アクリル酸の反応性誘導体として(メタ)
アクリル酸エステルを用いる場合には、慣用のエステル
交換触媒、又は該反応性誘導体として(メタ)アクリル
酸アルケニルを使用する場合には、特に周期表第3族元
素化合物触媒(例えば、酢酸サマリウム、トリフルオロ
メタンスルホン酸サマリウム、サマリウム錯体などのサ
マリウム化合物等)の存在下、例えば前記溶媒中、0〜
150℃程度の温度下で反応が行われる。
【0027】また、前記式(2a)及び(2b)で表される
化合物のうち、m及びnが1である化合物は、対応する
カルボキシアダマンタンモノオール化合物若しくは該化
合物のヒドロキシル基を慣用の保護基(例えば、メトキ
シエトキシメチル基など)で保護した化合物又はそれら
の化合物の反応性誘導体と、対応する(メタ)アクリル
酸ヒドロキシC1-6アルキルエステルとをエステル化反
応に付し、必要により前記ヒドロキシル基の保護基を脱
離することにより得ることができる。
【0028】この反応において原料として用いるカルボ
キシアダマンタンモノオール化合物は、対応するアダマ
ンタンモノオール化合物のアダマンタン環の橋頭位にカ
ルボキシル基を導入することにより得られる。より具体
的には、アダマンタンモノオール化合物をN−ヒドロキ
シフタルイミドなどのN−ヒドロキシイミド系触媒と、
必要に応じて、コバルト化合物(例えば、酢酸コバル
ト、コバルトアセチルアセトナト、バナジウムアセチル
アセトナト、バナジルアセチルアセトナト等)などの金
属系助触媒の存在下、一酸化炭素及び酸素と接触させる
ことにより、アダマンタンモノオール化合物のアダマン
タン環にカルボキシル基を導入できる。このカルボキシ
ル化反応において、N−ヒドロキシイミド系触媒の使用
量は、アダマンタン化合物1モルに対して、例えば0.
0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モル
程度である。また、金属系助触媒の使用量は、アダマン
タン化合物1モルに対して、例えば0.0001〜0.
7モル、好ましくは0.001〜0.5モル程度であ
る。一酸化炭素及び酸素の使用量は、例えば、アダマン
タン化合物1モルに対して、それぞれ1モル以上及び
0.5モル以上である。一酸化炭素と酸素の割合は、例
えば、前者/後者(モル比)=1/99〜99/1程
度、好ましくは50/50〜95/5程度である。カル
ボキシル化反応は、例えば、酢酸などの有機酸、アセト
ニトリルなどのニトリル類、ジクロロエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素などの溶媒中、常圧又は加圧下、0〜2
00℃程度、好ましくは10〜150℃程度の温度で行
われる。
【0029】こうして得られるカルボキシアダマンタン
モノオール化合物若しくはそのヒドロキシル基の保護体
又はそれらの化合物の反応性誘導体と、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシC1-6アルキルエステルとのエステル化
反応は、前記アダマンタンジオール化合物と(メタ)ア
クリル酸又はその反応性誘導体との反応に準じて行うこ
とができる。ヒドロキシル基への保護基の導入及び導入
した保護基の脱離は、有機合成の分野において慣用の方
法を適用して行うことができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、光沢、硬度、
耐水性などに優れたポリマーを得る上で有用な新規なア
ダマンタン誘導体が提供される。この化合物は、歯科用
材料若しくはその原料、レンズなどの光学材料の原料等
として有用である。
【0031】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0032】参考例1 攪拌機、冷却管、温度計を備えた1Lの丸底フラスコ
に、1,3−アダマンタンジオール59.2g、メタク
リル酸121.1g、p−トルエンスルホン酸6.75
g、硫酸0.35g、メトキノン1.18g及びトルエ
ン510gを入れ、液中に空気を300ml/分の流量
で供給した。液の温度を110℃まで昇温し、反応で副
生する水をトルエンとの共沸により留去し、トルエンの
み反応器に戻しながら、約5時間反応を行った。反応混
合液を、水、10重量%炭酸ナトリウム水溶液、及び1
0重量%塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した後、濃縮
し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付すことにより、3−メタクリロイルオキシ−1
−アダマンタノールを67.5g得た(収率81.0
%)。
【0033】参考例2 1,3−アダマンタンジオールに代えて1,3−ジメチ
ル−5,7−アダマンタンジオールを100.0g用い
た以外は、参考例1と同様の操作を行い、1,3−ジメ
チル−7−メタクリロイルオキシ−5−アダマンタノー
ルを121.5g得た(収率90.2%)。
【0034】実施例1 [ビス(3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−
イル)ヘキサメチレンジウレタンの製造]
【化11】 攪拌機、冷却管、温度計を備えた300mlの丸底フラ
スコに、3−メタクリロイルオキシ−1−アダマンタノ
ール19.94g(84.381ミリモル)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート6.45g(38.355ミリ
モル)、トリエチルアミン854mg(8.438ミリ
モル)、ハイドロキノン20mg、及びトルエン100
mlを入れ、加熱して還流させながら、40時間攪拌し
た。室温まで冷却した後、反応混合液から減圧下に溶媒
を留去し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=3/1)にて精製
することにより、標記化合物5.39g(8.411ミ
リモル)を白色固体として得た。収率は21.9%(ヘ
キサメチレンジイソシアネート基準)であった。[標記
化合物のスペクトルデータ]1H−NMR(CDCl3
δ:1.32(m,4H),1.48(m,4H),1.58(m,4H),1.88(br.s,6
H),2.00-2.22(m,16H),2.35(m,4H),2.50(m,4H),3.10(m,
4H),4.68(br.s,2H),5.50(br.s,2H),6.01(br.s,2H)
【0035】実施例2 [ビス(1,3−ジメチル−5−メタクリロイルオキシ
アダマンタン−7−イル)2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジウレタンの製造]
【化12】 攪拌機、冷却管、温度計を備えた200mlの丸底フラ
スコに、1,3−ジメチル−7−メタクリロイルオキシ
−5−アダマンタノール10.0g(37.826ミリ
モル)、ハイドロキノン10mg(0.09ミリモ
ル)、塩化銅(I)3.58g(36.107ミリモ
ル)、及びN,N−ジメチルホルムアミド100mlを
入れ、攪拌しながら、室温で、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート3.61g(17.1
94ミリモル)を滴下した。これを室温でさらに3時間
攪拌した後、酢酸エチル400mlを加えて希釈し、蒸
留水(200ml×2)、飽和食塩水(200ml×
1)にて洗浄し、さらに適量の硫酸ナトリウムにて乾燥
した。乾燥剤を濾去し、減圧下で溶媒を留去し、得られ
た濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル/ヘキサン=5/1)にて精製することにより、
標記化合物5.66g(7.653ミリモル)を白色固
体として得た。収率は20.2%(2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート基準)であった。 [標記化合物のスペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3) δ:0.85-1.90(m,52H),2.38(m,
4H),2.76-3.18(m,4H),4.48-4.80(m,2H),5.47(br.s,2H),
5.99(br.s,2H)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 6/02 A61K 6/02 C08F 299/06 C08F 299/06 Fターム(参考) 4C089 AA10 BD02 BD05 BE07 4H006 AA01 AA02 AB46 AC56 RA18 RA54 RB28 4J027 AG14 AG24 AG27 AG33 AJ02 BA01 CD04 CD07 4J034 BA02 CA04 CB03 CC15 CC23 CC26 CC45 CC54 CC62 CC65 FA02 FB04 FC01 FD01 HA01 HA07 HA11 HC03 JA21 KA01 KB01 RA02 RA13 RA19 4J100 AL66P BA15P BA38P BC09P CA01 JA33 JA52

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又
    はメチル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、
    水素原子又はメチル基を示し、A1及びA2は、同一又は
    異なって、下記式 −A3−O−C(=O)− (式中、A3は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のア
    ルキレン基を示す。上記式において、右側をアダマンタ
    ン環側とする)で表される基を示し、Xは炭素数1〜1
    2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示し、m及び
    nはそれぞれ0又は1を示す]で表されるアダマンタン
    誘導体。
  2. 【請求項2】 下記式(2a)及び(2b) 【化2】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又
    はメチル基を示し、R3及びR4は、同一又は異なって、
    水素原子又はメチル基を示し、A1及びA2は、同一又は
    異なって、下記式 −A3−O−C(=O)− (式中、A3は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のア
    ルキレン基を示す。上記式において、右側をアダマンタ
    ン環側とする)で表される基を示し、m及びnはそれぞ
    れ0又は1を示す]で表されるアダマンタノール誘導体
    と、下記式(3) OCN−X−NCO (3) (式中、Xは炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のア
    ルキレン基を示す)で表されるジイソシアネート化合物
    とを反応させて、下記式(1) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、A1、A2、X、m、nは
    前記に同じ)で表されるアダマンタン誘導体を生成させ
    るアダマンタン誘導体の製造法。
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