JP2003136645A - 印刷適性を有するガスバリアコートフィルム及びその製造方法 - Google Patents

印刷適性を有するガスバリアコートフィルム及びその製造方法

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JP2003136645A
JP2003136645A JP2001332047A JP2001332047A JP2003136645A JP 2003136645 A JP2003136645 A JP 2003136645A JP 2001332047 A JP2001332047 A JP 2001332047A JP 2001332047 A JP2001332047 A JP 2001332047A JP 2003136645 A JP2003136645 A JP 2003136645A
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gas barrier
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coat film
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Osamu Tokinoya
修 時野谷
Takeshi Takahara
健 高原
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バリアコート層面が平滑性に優れ、その面の印
刷画像にピンホール等の発生がなく印刷適性を有するガ
スバリアコートフィルムとその製造方法の提供にある。 【解決手段】基材フィルム10の片面に、モンモリロナ
イトの無機層状化合物とポリビニルアルコールの水溶性
高分子化合物とを混合したバリアコート剤のバリアコー
ト層20が塗布されてなるガスバリアコートフィルム1
において、前記バリアコート剤は、レーザー回折式粒度
分析計による測定での粒度で、98%以上がメジアン径
1.8μm以下に、及び/又は遠心沈降式粒度分析計に
よる測定での粒度で、メジアン径0.20μm以下に調
整されている印刷適性を有するガスバリアコートフィル
ムとその製造方法とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医薬品、電
子部材、電子機器等が酸素や水蒸気により劣化すること
を防止するための包装に用いるガスバリアフィルムに関
するものであり、特にガスバリア剤が塗布されているコ
ート層面が印刷適性を有するガスバリアコートフィルム
とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品や医薬品、電子部材、電子機器等の
包装に用いられる包装材には、これら内容物が外気の酸
素や水蒸気により劣化したり変質したりすることを防止
するためのガスバリア性が求められていて、従来、基材
フィルムの裏面にポリ塩化ビニリデン系樹脂でなるコー
ト剤が塗布されたガスバリアコートフィルムが一般的に
用いられていた。
【0003】しかし、近年、このポリ塩化ビニリデン系
樹脂が塗布されたガスバリアコートフィルムは、廃棄処
理での焼却に際しダイオキシン等有害ガスが発生すると
いう問題から、この問題点を解決するガスバリアコート
フィルムとして、例えば特開平11−165369号公
報に提案されているように、基材の少なくとも片面にポ
リビニルアルコール系樹脂とモンモリロナイトなどでな
る無機層状化合物との混合体を塗布したガスバリアコー
トフィルムがある。
【0004】上記のようなガスバリアコートフィルムを
用いて食品や医薬品、電子部品等を包装する包装材とす
るには、上記混合体の塗布層面に絵柄や文字等の印刷を
施し、その印刷面上にシーラント層を施して包装材と
し、この包装材のシーラント層同志をシールして意匠性
とガスバリア性を有する包装袋としているのが一般的で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなガスバリアコートフィルムでは、混合体の塗布層
面への絵柄や文字等の印刷に際し、この混合体の塗布層
面が無機層状化合物の粒径等に起因すると思われる平滑
性に欠けるため、その印刷画像、特に網点で階調を再現
している印刷画像にピンホールやムラ等が発生し、印刷
適性に欠けるという問題点があった。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するものであり、その課題とするところは、基材フィル
ムの裏面に無機層状化合物と水溶性高分子化合物との混
合体の塗布でなる環境に配慮された(廃棄に際し有害ガ
スの発生のない)ガスバリアコートフィルムにおいて、
その混合体の塗布層面が平滑性に優れ、その塗布層面の
印刷画像にピンホール等の発生がなく印刷適性を有する
ガスバリアコートフィルムとその製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、基材フィ
ルムの片面に、無機層状化合物と水溶性高分子化合物と
を混合したバリアコート剤が塗布されてなるガスバリア
コートフィルムにおいて、前記バリアコート剤は、レー
ザー回折式粒度分析計による測定での粒度で、98%以
上がメジアン径1.8μm以下に、および/または遠心
沈降式粒度分析計による測定での粒度で、メジアン径
0.20μm以下に調整されていることを特徴とする印
刷適性を有するガスバリアコートフィルムとしたもので
ある。
【0008】上記請求項1の発明によれば、レーザー回
折式粒度分析計による測定での粒度で、98%以上がメ
ジアン径1.8μm以下に、および/または遠心沈降式
粒度分析計による測定での粒度で、メジアン径0.20
μm以下に調整されているバリアコート剤を基材フィル
ムの裏面に塗布されたガスバリアコートフィルムとする
ことによって、この平滑な塗布層面とすることができ、
その面への印刷画像にピンホールやムラの発生のない印
刷適性を有するガスバリアコートフィルムとすることが
できる。
【0009】また、請求項2の発明では、前記無機層状
化合物が、モンモリロナイトである請求項1記載のガス
バリアコートフィルムとしたものである。
【0010】上記請求項2の発明によれば、無機層状化
合物をモンモリロナイトとすることによって、適度な層
間を有し、その層間に水溶性高分子化合物が入り込み易
くしてガスバリア性をより高め、さらに水溶性高分子化
合物の溶液中での分散性に安定でより塗布適性のあるバ
リアコート剤とすることができる。
【0011】また、請求項3の発明では、前記水溶性高
分子化合物が、ポリビニルアルコール、もしくはエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体である請求項1または2
記載のガスバリアコートフィルムとしたものである。
【0012】上記請求項3の発明によれば、水溶性高分
子化合物を、ポリビニルアルコール、もしくはエチレン
−ビニルアルコール共重合体とすることによって、ガス
バリア性に優れ、かつ無機層状化合物であるモンモリロ
ナイトの層間に入り易いのでよりガスバリア性のある印
刷適性を有するガスバリアコートフィルムとすることが
できる。
【0013】さらにまた、請求項4の発明では、基材フ
ィルムの片面に、無機層状化合物と水溶性高分子化合物
とを混合したバリアコート剤を塗布するガスバリアコー
トフィルムの製造方法において、前記無機層状化合物を
水溶性高分子化合物の溶液に分散させ、所定時間加温混
練し、レーザー回折式粒度分析計による測定での粒度
を、98%以上がメジアン径1.8μm以下に、および
/または遠心沈降式粒度分析計による測定での粒度を、
メジアン径0.20μm以下に調整してバリアコート剤
とすることを特徴とする印刷適性を有するガスバリアコ
ートフィルムの製造方法としたものである。
【0014】上記請求項4の発明によれば、無機層状化
合物を水溶性高分子化合物の溶液に分散させ、所定時間
加温しながら混練し、レーザー回折式粒度分析計による
測定での粒度を、98%以上がメジアン径1.8μm以
下に、および/または遠心沈降式粒度分析計による測定
での粒度を、メジアン径0.20μm以下に調整し管理
されたバリアコート剤を用いて、基材フィルムの裏面へ
塗布することによって、平滑な塗布層面の形成を、塗布
事前に管理することを可能にし、よって表面が粗く、印
刷適性に欠けるガスバリアコートフィルムの製造を事前
に防止できる印刷適性を有するガスバリアコートフィル
ムの製造方法とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。本発明の印刷適性を有するガスバリアコートフィル
ムは、図1の側断面図に示すように、例えば基材フィル
ム(10)の裏面に、アンカーコート層(12)を介し
て、無機層状化合物としてのモンモリロナイトと水溶性
高分子化合物としてのポリビニルアルコールとを混合
し、水と低級アルコールに溶融・分散させたバリアコー
ト剤でバリアコート層(20)を形成したガスバリアコ
ートフィルム(1)であり、このバリアコート剤が、レ
ーザー回折式粒度分析計による測定での粒度で、98%
以上がメジアン径1.8μm以下に、および/または遠
心沈降式粒度分析計による測定での粒度で、メジアン径
0.20μm以下に調整されていて、前記バリアコート
層(20)面が平滑性に優れた印刷適性を有するガスバ
リアコートフィルム(1)とするものである。
【0016】上記で得られた印刷適性を有するガスバリ
アコートフィルム(1)のバリアコート層(20)面に
絵柄や文字等の印刷層(30)を形成し、さらに接着剤
層(32)を介してシーラントフィルム(34)を積層
して、酸素や水蒸気のバリア性と意匠性とを有する包装
材(2)とし、食品や医薬品あるいは電子部品等が酸素
や水蒸気により劣化したり変質したりすることを防ぐた
めの包装に使用されるものである。
【0017】上記で使用するバリアコート剤の粒度が、
レーザー式粒度分析計による測定で98%以上がメジア
ン径1.8μm以下に、または遠心沈降式粒度分析計に
よる測定で、メジアン径0.20μm以下に調整されて
いればよく、あるいは両者での粒度が前記の範囲内に調
整されていればより好適である。しかし、レーザー回折
式粒度分析計による測定で98%未満がメディアン(中
央値)径1.8μm以下に、および遠心沈降式粒度分析
計による測定でメディアン径0.20μmを越えたバリ
アコート剤とすると、即ち両者での粒度が上記範囲外で
のバリアコート剤を用いて得られるバリアコート層(2
0)の面が、平滑性に欠け、この面への印刷画像にピン
ホールやムラが発生する危惧があるので好ましくない。
【0018】上記発明の印刷適性を有するガスバリアコ
ートフィルム(1)を構成する基材フィルム(10)と
しては、例えば厚さ12〜25μmの二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸
延伸ポリアミドフィルム等が挙げられ、用途等に応じて
適宜選定することができる。
【0019】また、バリアコート層(20)を基材フィ
ルム(10)に強力に密着させるために設けられるアン
カーコート層(12)としては、例えばポリウレタン系
樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂を主成分とした
コート剤か、あるいはこのアンカーコート層(12)に
代え、コロナ放電処理、プラズマ処理などで基材フィル
ム(10)の表面改質を行い、密着性の向上を図っても
よい。
【0020】また、バリアコート層(20)を形成する
無機層状化合物と水溶性高分子化合物との混合でなるバ
リアコート剤として、その無機層状化合物としては、例
えばモンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト等が
挙げられ、その中でも、溶液中の安定性や塗工性等の点
からモンモリロナイトが好適なものとして挙げることが
できる。
【0021】また、水溶性高分子化合物としては、上記
の無機層状化合物と容易に混合してその無機層状化合物
の層間に入り込み易いものが好ましく、例えばポリビニ
ルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹
脂が挙げられ、これらのうちで特にガスバリア性に優れ
ている点から、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体が好適なものとして挙げられる。
【0022】以上のような無機層状化合物と水溶性高分
子化合物とを用い、例えば水と少々の低級アルコール
(プロピルアルコール等)でなる溶媒に溶解した水溶性
高分子化合物に、粒状の無機層状化合物を分散させ、ボ
ールミル、あるいはサンドミル等で混練してバリアコー
ト剤としたものをグラビアコート法やロールコート法に
より塗布量0.1〜1g/m2 (ドライ)のバリアコー
ト層(20)とするものである。
【0023】また、本発明では、前記無機層状化合物と
水溶性高分子化合物とを所定時間加熱混練し、レーザー
回折式粒度分析計による測定での粒度を、98%以上が
メジアン径1.8μm以下に、および/または遠心沈降
式粒度分析計による測定での粒度を、メジアン径0.2
0μm以下に調整してバリアコート剤とし、このバリア
コート剤を、例えば図1に示すようにアンカーコート層
(12)を介して基材フィルム(10)の裏面に塗布し
てバリアコート層(20)とする印刷適性を有するガス
バリアコートフィルム(1)の製造方法としたものであ
る。
【0024】ここで使用される上記粒度のバリアコート
剤の製造は、例えば粉末状のポリビニルアルコール樹脂
と粒状のモンモリロナイトとの重量比を99:1〜1
0:90の範囲で混合するもので、水とイソピルアルコ
ールを溶媒として粉末状のポリビニルアルコール樹脂溶
液に上記重量比の粒状のモンモリロナイトを分散させ、
ボールミル、サンドミル等で加温しながら充分に混練り
し、さらに水を加えてコート法(グラビアコート、ロー
ルコート)に応じた粘度に調整してバリアコート剤の塗
布液とする。この時の加熱温度や混練りの時間は、無機
層状無機層状化合物と水溶性高分子化合物の比率、ミル
の種類やサイズ、あるいは添加する分散剤等によって異
なるので、それぞれの条件に基づいて設定しておき、上
記粒度のバリアコート剤とするものである。
【0025】このように事前に塗布液の粒度を測定し、
塗布液の管理と選定をすることによって、バリアコート
層の表面が粗く、印刷適性に欠けるガスバリアコートフ
ィルムの製造を事前に防止でき、製造コストの低減に寄
与する印刷適性を有するガスバリアコートフィルムの製
造方法とすることができる。
【0026】
【実施例】次に実施例により、本発明を具体的に説明す
る。 〈実施例1〉粉末状のポリビニルアルコール樹脂と粒状
のモンモリロナイトを重量比で50:50で混合し、水
とプロピルアルコールの混合溶液に分散させ、ボールミ
ルで加温しながら1時間混練りしてバリアコート剤を得
た。このバリアコート剤の粒度を、レーザー回折式粒度
分析計と遠心沈降式粒度分析計で測定した結果を表1に
示した。
【0027】図1に示すように、厚さ20μmの二軸延
伸ポリプロピレンフィルムを基材フィルム(10)と
し、その裏面に、ポリウレタン系のアンカーコート剤:
バイロン50AS(東洋紡績社製)/コロネートL(日
本ポリウレタン工業社製)でなるアンカーコート層(1
2)を介して、水で粘度を調整した上記で得られたバリ
アコート剤をドライで0.5g/m2 になるようにグラ
ビアコート方式で塗布しバリアコート層(20)を形成
してガスバリアコートフィルム(1)とした。
【0028】続いて上記で得られたガスバリアコートフ
ィルム(1)のバリアコート層(20)面に、網点で5
%から100%までの階調を有するカラー画像(黄
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、墨(B)の4
色)をグラビア印刷方式で印刷層(30)を形成し、さ
らにポリウレタン系のドライラミネーション用接着剤:
A−969v/A−5(武田薬品工業社製)でなる接着
剤層(32)を介して厚さ30μmの無延伸ポリプロピ
レンでシーラント層(34)を積層して包装材(2)を
得た。
【0029】上記で得られた包装材(2)の印刷層(3
0)のピンホール等の有無の程度をY、M、C、Bの4
色につき目視で評価し、さらに酸素透過度をMOCON
法で30℃70%RHの条件下で測定してガスバリア性
を評価し、表1に示した。
【0030】〈実施例2〉ボールミルによる混練時間を
2時間とした以外は、実施例1と同様にしてバリアコー
ト剤、バリアコートフィルムおよび包装材を得た。この
時使用したバリアコート剤の粒度とバリアコートフィル
ムの印刷適性、包装材のガスバリア性の評価結果を表1
に示した。
【0031】〈実施例3〉ボールミルによる混練時間を
4時間とした以外は、実施例1と同様にしてバリアコー
ト剤、バリアコートフィルムおよび包装材を得た。この
時使用したバリアコート剤の粒度とバリアコートフィル
ムの印刷適性、包装材のガスバリア性の評価結果を表1
に示した。
【0032】〈比較例1〉常温でボールミルによる混練
時間を4時間とした以外は、実施例1と同様にしてバリ
アコート剤、バリアコートフィルムおよび包装材を得
た。この時使用したバリアコート剤の粒度とバリアコー
トフィルムの印刷適性、包装材のガスバリア性の評価結
果を表1に示した。
【0033】〈比較例2〉基材フィルム(10)を厚さ
20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムとし、その
裏面に直接印刷層を形成し、アンカーコート層(12)
とバリアコート層(20)を除外した以外は、実施例1
と同様にして包装材を得た。この時使用した基材フィル
ム(10)の裏面の印刷適性、包装材のガスバリア性の
評価結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】上記表1より、実施例1〜3のように、1
時間〜4時間ボールミルで混練され、粒度がレーザー回
折式粒度分析計による測定で、98%以上がメジアン径
1.8μm以下、かつ遠心沈降式粒度分析計による測定
で、メジアン径0.20μm以下に調整されてバリアコ
ート剤を用いたガスバリアコートフィルムでは、その印
刷層のY、M、C、Bともピンホールやムラがほとんど
なく、良好な印刷適性を示すもので、包装材としても充
分なガスバリア性を有するものであった。このことは、
ポリビニルアルコール樹脂とモンモリロナイトの重量比
やミルの種類等上記の条件下では、混練時間が1時間で
充分な印刷適性を有するガスバリアコートフィルムとす
ることができた。それに対し、比較例1のように常温で
混練時間を20分としたものでは、その粒度が、レーザ
ー回折式粒度分析計による測定で、98%未満がメジア
ン径1.8μm以下に、かつ遠心沈降式粒度分析計によ
る測定で、メジアン径0.20μmを越えているバリア
コート剤では、各4色に、特に網点が5%〜20%のラ
イト部にピンホールが数多く見られ、包装材としてのガ
スバリア性は良好であったが、印刷適性には欠けるもの
であった。また、比較例2のように基材フィルムの裏面
にバリアコート層がなく平滑なので、ピンホール等がな
く良好な印刷適性を示すが、ガスバリア性に欠けるもの
であった。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、基材フィルムの片面に、無
機層状化合物と水溶性高分子化合物とを混合したバリア
コート剤が塗布されてなるガスバリアコートフィルムに
おいて、レーザー回折式粒度分析計による測定での粒度
で、98%以上がメジアン径1.8μm以下に、および
/または遠心沈降式粒度分析計による測定での粒度で、
メジアン径0.20μm以下に調整されているバリアコ
ート剤を用いたガスバリアコートフィルムとすることに
よって、平滑な塗布層面とすることができ、その面への
印刷画像にピンホールやムラの発生のない印刷適性を有
するガスバリアコートフィルムとすることができる。
【0037】また、無機層状化合物をモンモリロナイト
とすることによって、適度な層間を有し、その層間に水
溶性高分子化合物が入り込み易くしてガスバリア性をよ
り高め、さらに水溶性高分子化合物の溶液中での分散性
に安定なため、より塗布適性のあるバリアコート剤とす
ることができる。
【0038】また、水溶性高分子化合物を、ポリビニル
アルコール、もしくはエチレン−ビニルアルコール共重
合体とすることによって、ガスバリア性に優れ、かつ無
機層状化合物であるモンモリロナイトの層間に入り易い
のでよりガスバリア性のある印刷適性を有するガスバリ
アコートフィルムとすることができる。
【0039】さらにまた、無機層状化合物を水溶性高分
子化合物の溶液に分散させ、所定時間加温しながら混練
し、レーザー回折式粒度分析計による測定での粒度を、
98%以上がメジアン径1.8μm以下に、および/ま
たは遠心沈降式粒度分析計による測定での粒度を、メジ
アン径0.20μm以下に調整し管理されたバリアコー
ト剤を用いて、基材フィルムの裏面へ塗布することによ
って、平滑な塗布層面の形成を、塗布事前に管理するこ
とを可能にし、よって表面が粗く、印刷適性に欠けるガ
スバリアコートフィルムの製造を事前に防止できる印刷
適性を有するガスバリアコートフィルムの製造方法とす
ることができる。
【0040】従って本発明は、食品、医薬品、電子部
材、電子機器等が酸素や水蒸気により劣化することを防
止するための包装に用いるガスバリアフィルムで、特に
ガスバリア剤が塗布されているコート層面が印刷適性を
有するガスバリアコートフィルムとその製造方法とし
て、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷適性を有するガスバリアコートフ
ィルムを用いた包装材の一実施の形態を側断面で表した
説明図である。
【符号の説明】
1‥‥印刷適性を有するガスバリアコートフィルム 2‥‥包装材 10‥‥基材フィルム 12‥‥アンカーコート層 20‥‥バリアコート層 30‥‥印刷層 32‥‥接着剤層 34‥‥シーラント層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/06 C08L 51/06 // C08L 23:10 23:10 Fターム(参考) 4F006 AA12 AB20 AB54 AB72 BA01 BA05 CA07 DA04 4F100 AC03B AK01B AK03 AK21B AK51 AK69B AT00A BA02 BA07 EH46 EJ38 GB15 GB23 JB09B JK15 4J002 BB101 CF001 CL001 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムの片面に、無機層状化合物と
    水溶性高分子化合物とを混合したバリアコート剤が塗布
    されてなるガスバリアコートフィルムにおいて、前記バ
    リアコート剤は、レーザー回折式粒度分析計による測定
    での粒度で、98%以上がメジアン径1.8μm以下
    に、および/または遠心沈降式粒度分析計による測定で
    の粒度で、メジアン径0.20μm以下に調整されてい
    ることを特徴とする印刷適性を有するガスバリアコート
    フィルム。
  2. 【請求項2】前記無機層状化合物が、モンモリロナイト
    である請求項1記載の印刷適性を有するガスバリアコー
    トフィルム。
  3. 【請求項3】前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルア
    ルコールもしくはエチレン−ビニルアルコール共重合体
    である請求項1または2記載の印刷適性を有するガスバ
    リアコートフィルム。
  4. 【請求項4】基材フィルムの片面に、無機層状化合物と
    水溶性高分子化合物とを混合したバリアコート剤を塗布
    するガスバリアコートフィルムの製造方法において、前
    記無機層状化合物を水溶性高分子化合物の溶液に分散さ
    せ、所定時間加熱混練し、レーザー回折式粒度分析計に
    よる測定での粒度を、98%以上がメジアン径1.8μ
    m以下に、および/または遠心沈降式粒度分析計による
    測定での粒度を、メジアン径0.20μm以下に調整し
    てバリアコート剤とすることを特徴とする印刷適性を有
    するガスバリアコートフィルムの製造方法。
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Cited By (13)

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