JP4237276B2 - 記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷物の校正刷りあるいはディスプレイ材料の作製に有用な記録材料に係わり、特に、隠蔽性を有する所定のパターンを簡易に得ることができる記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印刷物を作製するに際してイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の4色の表示物を重ね合わせた校正刷りを行うのが一般的であり、このような4種類の表示物の背景部に白色紙等を置き、画像部とのコントラストを出すようにして、最終印刷物のデザインや色合い等の出来映えを確認している。
【0003】
その一方で、近年、コンピューター産業は急速な発展を遂げ、その出力機器の方式、種類等も急増しており、中でもフルカラー記録できる機器が増加しているのが現状である。かかるフルカラー記録を行う方法としては、静電記録方式、インクジェット方式、感熱転写方式、電子写真方式等が挙げられ、特にインクジェット方式は、非接触印字であり騒音が少ないこと、高繊細な記録が可能であること、高速印字が可能であること、ランニングコストが低いこと、等多くのメリットがあり、有用性は高い。
【0004】
そこで、かかるフルカラー記録可能な出力機器を用いて出力することで、即ち、CRT上でフルカラーのデザインを作製して出力することで校正刷りを得れば、従来のようにわざわざ4種の表示物を作製する必要がなく、校正作業が向上することになる。
【0005】
かかる出力に用いられる記録材料としては、紙やプラスチックフィルムからなる基材1上に、記録層3を直接形成したものが挙げられる(図4参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、印刷物の種類いかんによっては、この方法及び記録材料では十分な校正刷りが得られない場合がある。例えば、中味が見える包装材料や画像部の背景に模様等の装飾部分を有する場合等である。これは、例えばインクジェット方式による場合、インクが十分な隠蔽性を有しないことから、記録部に装飾部分が裏移りをし、記録部と背景の装飾部分との正当な評価が行えないことによる。
【0007】
そこで、記録部に対応させて白色等の隠蔽部分を設けることが必要になるが、記録材料の基材に紙や白色プラスチックフィルムを使用した場合、記録部の隠蔽性は確保できるが、上述のような透明部を必要とする特殊印刷物の校正刷りには使用できない。
【0008】
一方、基材に透明プラスチックフィルムを使用した場合、透明部を確保できるが、記録前若しくは記録後に白色紙や白色フィルムを所定のパターンに形成して貼り付けたり、基材の一部分に白色塗料等を塗布したり等して、別途、隠蔽部分を形成する必要があり、その作業が煩雑になる。
【0009】
また、出力機器による記録によって隠蔽部分を得ることも考えられるが、いずれの記録方式においても白色記録することが困難であるばかりでなく、他の色の場合でもトナーやインクをいたずらに消費し、また記録ムラも生じ得るため望ましくない。
【0010】
そこで、本発明は、このような従来の欠点を解消し、インクジェット記録用インクのように隠蔽性のない記録インクを用いた記録方式によっても、隠蔽性のある記録部分を得ることができ、かつ特殊印刷物(中味が見える包装材料、画像部の背景に模様等の装飾部分を有するもの等)の校正を正当に評価することのできる校正刷りを得るための記録材料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の記録材料は、基材上に隠蔽層及び記録層を順次積層したものであって、該隠蔽層が剥離性を有することを特徴とする。
【0012】
本記録材料を使用すると、記録前あるいは後に、必要に応じて記録層及び隠蔽層を任意にカッティングして不必要部分を剥離するだけで、記録部の背景に所定パターンの隠蔽部分を手軽に得ることができる。
【0013】
本発明の好ましい態様として、誤って隠蔽層の必要部分を剥離した場合のことを考慮して、隠蔽層が再接着可能となるようにする。
【0014】
別の好ましい態様としては、記録層がインクジェット記録適性あるいは静電記録適性を有するようにすることである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の記録材料は、透明基材1上に隠蔽層2及び記録層3を順次積層した構成であり、該隠蔽層2が剥離性を有するものである(図1参照)。
【0016】
基材1は、後述の隠蔽層2及び記録層3を保持する機能を有し、また各種記録機器に搬送可能な程度の可撓性を有する必要がある。
【0017】
材質は、透明部を設けるために透明な、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン等からなるプラスチックフィルムが挙げられる。しかし、これに限定する趣旨ではなく、前記性能を有するのであればガラス板等の板状体であっても良く、また着色されたものであってもよい。また、基材自体の地色を使うディスプレイ材料として使用する場合は、上記材質からなる不透明のものであってもよい。このような基材1上に、以下の隠蔽層2を設ける。
【0018】
隠蔽層2は、任意パターンの隠蔽部分20を形成するための層であり(図3参照)、剥離可能であることを要する。剥離可能とすることにより、記録前あるいは後に必要に応じて後述の記録層3及び隠蔽層2をカッティング後に剥離するだけで、記録部4のパターンに応じて隠蔽部分20を簡易に得ることができる。
【0019】
このような隠蔽層2は主として樹脂に着色剤を配合し、塗膜状に塗布・乾燥させたものである。
【0020】
樹脂としては、ビニル系、酢酸ビニル系、ポリウレタン系、ゴム系、ポリエステル系、アルキッド系、ポリオレフィン系、シリコーン系、セルロース系等の天然や合成高分子の単体または共重合物を1種または2種以上混合したものが好ましく使用される。
【0021】
着色剤としては、一般の染料や有機顔料、無機顔料等を、用途に応じて使い分けることができる。特に、隠蔽層2を隠蔽性を有する白色にする場合は、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪素酸化物、カオリン、クレーを使用するのが好ましく、既存の記録機器では記録困難な白色部を簡易に得ることができる。
【0022】
その他隠蔽層2には必要に応じて可塑剤、界面活性剤、PH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電剤等を添加することができ、その性能を維持する限りにおいて後述の記録適性を予め付与しておくことも有効である。また、マスキングフィルムの応用として特開昭63−298247号に挙げられているが如き、蛍光物質を隠蔽層2あるいは後述の記録層3に添加することもできる。蛍光物質を添加すると、添加しない場合に比べてカット後のカットラインが目立つ結果不要部分が剥離しやすくなり、更にディスプレイ材料として使用する際の視覚的効果が得られるので有用である。
【0023】
なお、隠蔽層2を既存の紙、布、フィルム等を剥離できるように貼り合わせて設けてもよい。
【0024】
隠蔽層2の厚みは下限として1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは20μm以上である。厚みが1μm以上あれば剥離可能だが、5μm未満だと剥離する際に層が破れやすく剥がれにくい。また、20μm以上だと隠蔽性を出しやすく、剥離もしやすい。上限としては250μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。250μmを超えるとPPC、インクジェットプリンター、静電プロッター等の一般の記録機器を使用する際の搬送性や記録性の面で障害をきたすおそれがある。また、100μmを超えると隠蔽層2をカッティングしにくく、特にカッティング用の機械を用いる場合は50μm以下だとカッティング性がよく、刃の摩耗も少ない。
【0025】
なお、隠蔽層2を構成する樹脂として基材と再接着可能なもの、例えば天然もしくは合成ゴム等のゴム系樹脂、塩ビ/酢ビ共重合体等のビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等から選ばれる樹脂を単独又は2種以上混合して使用すれば、一旦隠蔽層2を剥離した場合でも再接着できるので有効である。
【0026】
また、基材1と隠蔽層2との間に前記樹脂からなる再接着可能な層(図示せず)を別途設ける構成であっても良い。この場合、隠蔽層2を剥離する際に、当該再接着可能な層が当該隠蔽層2と同時に剥離される構成であっても、基材上に残るような構成であっても良い。
【0027】
再接着可能な層には、前記樹脂の他、ワックス、可塑剤、粘着増強剤を添加し接着性をコントロールするようにしてもよい。更に接着剤としての性能を損なわない程度に界面活性剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤等や前記隠蔽層2に含まれる着色剤を添加することもできる。この層の厚みは特に限定はないが、下限として0.1μm以上、好ましくは1μm以上、上限として50μm以下、好ましくは10μm以下である。材料にもよるが0.1μm以上あれば良好な接着性が得やすく、50μm以上だとカッティングし難く、接着剤が切り口からはみ出しやすいので好ましくない。
【0028】
更に、隠蔽層2と基材1、または再接着可能な層と基材1との間に接着力をコントロールするために剥離調整層(図示せず)を設けることも有用である。
【0029】
隠蔽層2は、上記樹脂100重量部に対して着色剤5〜200重量部を適当な溶媒に溶解または分散し、必要に応じて添加剤を添加して塗布液を作製し、これを基材などの上にロールコーター、メイヤーバーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター法などで塗布乾燥することにより、形成することができる。
【0030】
記録層3は、例えば静電記録方式、インクジェット記録方式、電子写真方式、LBP方式、LED方式、熱溶融転写方式、熱昇華転写方式、イオンフロー方式等の種々の記録方式により記録が可能な層であり、その限定は特に必要ない。即ち、種々の記録方式に応じた記録層3を構成するようにする。
【0031】
例えば、静電記録方式に対する記録層3としては、導電層および誘電層を前記隠蔽層2上にこの順に形成することにより得ることができる。
【0032】
導電層は、ある程度の透明性があれば金属または金属化合物の蒸着膜などでもよいが、通常、導電剤単独あるいは合成樹脂に導電剤を含有させたものを適当な溶媒に溶解または分散した塗布液を作製し、これを隠蔽層2上にロールコーター、メイヤーバーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター法などで塗布乾燥することにより、形成することができる。
【0033】
導電剤としては、ポリビニルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルトリメチルアンモニウムクロライド、スチレンアクリル酸トリエチルアンモニウムクロライドなどのカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリビニルホスフェートなどのアニオン性高分子電解質などの公知のものが使用可能である。さらに、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどに、酸化アンチモン、酸化アンモニウム、酸化スズなどをドープした電子伝導性微粉末も導電剤として好適に使用できる。
【0034】
導電層に使用できる合成樹脂としては、通常の静電記録材料の導電層に用いられる各種の樹脂を使用することができる。たとえば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアミドなどが挙げられる。
【0035】
その他、導電層には必要に応じて、顔料、分散剤、蛍光染料、PH調整剤、消泡剤、湿潤剤、防腐剤、酸化防止剤、界面活性剤などの各種の添加剤を塗膜性能を損なわない範囲で添加できる。導電層の厚みは、材料の違いにより一概にいえないが、合成樹脂を塗布した層では通常0.5〜5μmの範囲である。
【0036】
なお、前記隠蔽層2が導電性である場合には特に導電層を設けることは要しない。
【0037】
誘電層は、合成樹脂100重量部に対して顔料5〜200重量部含有させたものを適当な溶媒に溶解または分散した塗布液を作製し、これを導電層上にロールコーター、メイヤーバーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター法などで塗布乾燥することにより、形成することができる。
【0038】
誘電層に使用できる合成樹脂としては、絶縁性樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル(メタクリル)酸エステル、ポリスチレン、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリビニルアセタール等の1種あるいは2種以上が使用できる。
【0039】
さらに、誘電層と記録電極のギャップを持たせるために、シリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、合成ゼオライト、スメクタイト、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの顔料を合成樹脂に混合、分散させることが好ましい。
【0040】
その他、誘電層には必要に応じて、顔料、分散剤、蛍光染料、PH調整剤、消泡剤、湿潤剤、防腐剤、酸化防止剤、界面活性剤などの各種添加剤が塗膜性能を損なわない範囲で添加できる。誘電層の厚みとしては、下限として1μm以上、好ましくは3μm以上、上限として20μm以下、好ましくは10μm以下が好ましい。この厚みにより良好な静電記録特性を得ることができる。
【0041】
また、インクジェット記録方式に対する記録層3としては、公知のインク受容層に用いられている樹脂、即ち主として親水性高分子あるいは水溶性高分子から構成される。このような親水性高分子あるいは水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル酸、アクリルアミド共重合体、メラミン樹脂、ポリエーテルポリオールまたはその架橋物等の合成樹脂やゼラチン、カゼイン、でんぷん、キチン、キトサン等の天然樹脂、必要に応じて適度に耐水化された水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂を既知の方法で硬化させた化合物、水溶性でシンナモイル基、スチルバゾリウム基、スチルキノリウム基、ジアゾ基を持った樹脂等の1種もしくは2種以上が使用可能である。
【0042】
その他、記録層3には必要に応じて、顔料、分散剤、蛍光染料、PH調整剤、消泡剤、湿潤剤、防腐剤、酸化防止剤、界面活性剤などの各種添加剤が塗膜性能を損なわない範囲で添加できる。
【0043】
このようなインクジェット記録方式に対する記録層3は、樹脂に必要に応じて顔料などを添加したものを適当な溶媒に溶解または分散した塗布液を作製し、これを隠蔽層2上にロールコーター、メイヤーバーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター法などで塗布乾燥することにより、形成することができる。
【0044】
なお、このような記録層3を剥離可能で、かつ隠蔽性を有するように構成することで、前記隠蔽層2を省略することも可能である。
【0045】
【作用】
本発明の記録材料は、基材1上に隠蔽層2及び記録層3をこの順に形成したものであるが、該材料は、記録層3面に記録部4を形成後(図2(a)参照)、あるいは記録前に、記録層3及び隠蔽層2を所定パターンにカッティングして不要部分を剥離する(図2(b)参照)。そうすると、記録層3が透明である場合には記録部4と独立した所定パターンの隠蔽部分20を簡易に得ることができる(図2(c)、図3参照)。
【0046】
また、本発明の記録材料は、隠蔽層2と記録層3とが基材1の一方の面上に存在するので、記録後に当該記録面側からのカッティング作業が行えるため、予めカッティング箇所の誤りを防止できるとともに、グリッドロールタイプのカッティングプロッターを使用する際に、記録材料の記録面がローリング部などの搬送部に接触することがなく、即ち、記録層3が機械の搬送部分に接触することがないので、記録層3を損傷させることもない。
【0047】
さらに、隠蔽層2にインクジェット記録などの記録適性を予め付与しておくことにより、記録層用塗布液の塗布量が少量で済み、経済的である。
【0048】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を説明する。尚、本発明において特に示さない限り、「%」、「部」は全て重量基準である。
【0049】
[実施例1]
厚さ75μmの透明ポリエステルフィルム(ルミラーQ−81:東レ社)上に、トルエン75部に対して接着剤(ペーパーセメント、有効成分15%:福岡工業社)を25部溶解させた接着層塗布液をメイヤーバーコーター法により塗布乾燥させ、厚さ1.5μmの再接着可能な層を形成させ、その後この層上に酢酸エチル40部とトルエン40部の混合溶媒に対し硝化綿(HIG−2:旭化成工業社)9部とひまし油9部を溶解させ、酸化チタン(FR−55:古河機械金属社)2部を分散させた隠蔽層塗布液を同様に塗布し、35μmの剥離性を有する白色隠蔽層を形成した。
【0050】
さらに、この隠蔽層上に水95部に対してポリビニルアルコール(ゴーセノールGH−17、鹸化度86.5〜90%:日本合成化学社)5部を溶解させたインク吸収性塗布液をメイヤーバーコーター法により塗工、110℃で2分間の条件で乾燥させ5μmの透明なインクジェット記録層を設けて、インクジェット記録適性を有する記録材料を得た。
【0051】
この記録材料の記録層にインクジェットプリンター(BJC410J:キャノン社)で画像を記録後、記録層側から記録部を見ながら、記録層及び隠蔽層をカッターで記録パターンに沿ってカットし不要部分を剥離して表示物を得た。記録部の真下には白色部が存在するため、記録層側から見ると記録部は隠蔽性を有していた。
【0052】
したがって、この表示物の背面に装飾紙を置いた場合であっても、記録部に装飾部分が裏移りすることなく、記録部の正当な評価が行え、校正刷りとして使用できた。
【0053】
なお、一度、剥離した記録層及び隠蔽層を再び貼り直すこともできた。
【0054】
[実施例2]
厚さ75μmの透明ポリエステルフィルム(ルミラーT−60:東レ社)上に、トルエン10部とイソプロピルアルコール10部の混合溶媒に対しウレタン樹脂(タケラックE−350A、固形分25%:武田薬品工業社)30部を溶解させ、酸化チタン(FR−55:古河機械金属社)3部を分散させた隠蔽層塗布液をメイヤーバーコーター法にて塗布し、120℃で3分間の条件で乾燥させて、25μmの剥離性を有する白色隠蔽層を形成した。
【0055】
また、この隠蔽層上に、有機溶剤に溶解したアクリル樹脂(パラロイドB44:ローム・アンド・ハース社)100部に対して酸化スズ・アンチモンの金属酸化物を100部分散させた導電層用塗布液をメイヤーバーコーター法にて塗布・乾燥させて、厚さ0.7μmの導電層を得た。この導電層の上に、有機溶剤に溶解したアクリル樹脂(パラロイドB44:ローム・アンド・ハース社)100部、非結晶性シリカ(サイリシア770:富士シリシア社)10部を分散させたものをメイヤーバーコーター法にて塗布・乾燥させて、厚さ6μmとなるように誘電層を形成し、静電記録適性を有する記録材料を得た。
【0056】
この記録材料を、静電プロッタDCS5400(ラスターグラフィック社製)を用いて画像を記録後、誘電層側から記録部を見ながら、誘電層、導電層及び隠蔽層をカッターで記録パターンから約1cm外側の形状に沿ってカットし不要部分を剥離して表示物を得た。記録部の真下には当該記録部と相似形状の白色部が存在するため、誘電層側から見ると記録部は隠蔽性を有していた。
【0057】
したがって、この表示物の背面に、装飾紙を置いた場合であっても、記録部に装飾部分が裏移りすることなく、記録部の正当な評価が行え、校正刷りとして使用できた。
【0058】
なお、一度、剥離した導電層、誘電層及び隠蔽層を再び貼り直すこともできた。
【0059】
[実施例3]
実施例1の透明フィルムに代えて、着色されたポリエステルフィルムを使用した他は、実施例1と同様にして、記録材料を得た。
【0060】
そして、実施例1と同様にして、画像を記録後、記録層及び隠蔽層を記録パターンに沿ってカットし不要部分を剥離して表示物を得た。記録部の真下には白色部が存在するため、記録層側から見ると記録部は隠蔽性を有しており、さらに剥離除去した部分に対応する基材の着色部が露出された。
【0061】
この表示物はディスプレイ材料にそのまま使用できた。
【0062】
なお、一度、剥離した記録層及び隠蔽層を再び貼り直すこともできた。
【0063】
【発明の効果】
本発明の記録材料によれば、インクジェット記録用インクのように隠蔽性のない記録インクを用いた記録方式によっても、画像記録後に必要に応じて、記録層及び隠蔽層を記録パターンに沿ってカッティング後、不要部分を剥離除去するだけで、隠蔽性のある記録部分を得ることができるとともに(実施例1参照)、背景部分に任意パターンの隠蔽部分を形成することができる(実施例2参照)。
【0064】
したがって、特殊なトナー、インク、機器を用いたり、着色紙や着色フィルムを貼り付けたり、別途、着色塗料をコーティングする等の別作業を要せずに、簡単に記録部、着色部、透明部等を形成することができ、また、隠蔽部分を広面積に渡って形成する場合でも、トナーやインクをいたずらに消費することなく、しかも記録ムラのない隠蔽部分を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の記録材料の一実施例を示す断面図である。
【図2】 本発明の記録材料を用いた表示物の作成方法の一実施例を示す断面図である。
【図3】 本発明の記録材料を用いて作製した表示物の表面図である。
【図4】 従来の記録材料の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1:基材
2:剥離性隠蔽層
3:記録層
4:記録部
5:カット部
20:隠蔽部分
Claims (2)
- 透明基材上に隠蔽層及び記録層を順次積層したものであって、該隠蔽層が剥離性を有し再接着可能であることを特徴とする記録材料。
- 記録層が、静電記録方式、インクジェット記録方式、電子写真方式、LBP方式、LED方式、熱溶融転写方式、熱昇華転写方式、イオンフロー方式から選択される何れか1種の記録方式による記録適性を有することを特徴とする請求項1記載の記録材料。
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