JP2001353958A - 記録用シート - Google Patents
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Abstract
た印刷にも適した記録用シートを得る。 【解決手段】本発明の記録用シート10のインク透過層
13には無機フィラーとバインダー剤とを主成分とする
非水溶性成分100重量部に対してアミン系化合物を主
成分とする非イオン性界面活性剤が10重量部以上10
0重量部未満の範囲で添加されており、このようなイン
ク透過層に塗布されたインクは横方向に拡散されず、深
さ方向に直進して吸収されるので、本発明の記録用シー
トにインクに形成される印刷画像には滲み(バィンディ
ング)が生じ難い。
Description
る記録に用いられる記録用シートに関し、特に、顔料イ
ンクを用いた場合のインクジェットプリンタ印刷に適し
た記録用シートに関する。
サーなどの出力プリンターとして、ワイヤードット記録
方式、感熱発色記録方式、感熱溶融転写記録方式、感熱
昇華転写記録方式、電子写真記録方式、インクジェット
記録方式などの種々の方式が用いられている。
記録用シートとして上質紙を用いることが可能である
上、他の記録方式に比べて印刷コストが安い、印刷時の
騒音が少ない、印刷装置が小型である、印刷速度が速い
となどの優れた特徴を有しており、近年、その用途が急
速に広がっている。
られる記録用シートには種々のものが提案されている。
図5(a)の符号110はインクジェット記録方式に用
いられる記録用シートの一例を示している。
1と、基体111表面に形成されたインク受容層112
と、インク受容層112表面に形成されたインク透過層
113とを有している。
クジェット記録を行う場合には、インクジェットプリン
タのノズルからインク透過層113の表面へ向けてイン
ク114を噴射する(図5(a))。
過層113には、一般に無機フィラーや有機フィラーな
どが添加されており、インク透過層113のバインダー
剤となる樹脂中にこれらのフィラー粒子が分散される
と、フィラーの粒子間の間隙によって、インク透過層1
13内に多孔質構造が形成される。
114は、この多孔質構造の空孔を通ってインク透過層
113表面から内部へ浸透する。インク透過層113内
に浸透したインク114はインク透過層113内で更に
深さ方向に浸透し、インク受容層112に到達するとイ
ンク受容層112に吸収される。
は、透明な基体111のインク受容層112を有しない
面からドット117として観察され、これらドット11
7の集合体が印刷画像として観察される(図5
(b))。このような記録用シート110は、近年、オ
ーバーヘッドプロジェクターや電飾広告などに盛んに使
用されている。
載されているように、インク透過層113に界面活性剤
を添加すれば、特に着色剤として染料を用いた染料イン
クに対するインク透過性をより向上させることが可能で
ある。
存在する染料とは異なり、インク中で粒子として存在す
る顔料を着色剤として用いたインクは、着色剤である顔
料が上記のようなインク透過層113内に浸透され難
く、顔料がインク透過層内に滞積されてしまう。
る着色成分の量が少なくなってしまい、基体110表面
から観察される画像(反射画像)の印刷濃度が低くなっ
てしまう。
過層113には、疎水性の有機フィラーが用いられてい
るが、このような有機フィラーは一般に無機フィラーに
比べて高価であり、記録用シート110全体のコストが
高くなってしまう。
カを用いることは容易に考案されるが、シリカはその表
面がシラノ−ル基のような親水性基で覆われ、水性イン
クに対して親和性を有しているため、インクジェットプ
リンタに一般に用いられる水性インクはインク透過層1
13内で深さ方向だけでは無く、横方向にも浸透し、イ
ンク透過層113内で拡散されてしまう。
113中で異なるインク114同士が混ざりあい、その
結果、印刷画像のドット117が重なり合い、その重な
りあった部分が印刷画像の滲み(バンディング)として
観察されてしまう。
従来の技術の課題を解決するためになされたもので、染
料インクはもとより顔料インクを使用した場合にも、基
体側から観察される印刷濃度が高く、精細画質が得られ
る安価な記録用シートを製造する技術を提供する。
に請求項1記載の発明は、インクを保持するインク受容
層と、前記インク受容層表面に配置され、インクを透過
させ、前記インク受容層にインクを輸送するインク透過
層とを有し、前記インク透過層には無機フィラーと、バ
インダー剤と、界面活性剤とが含有された記録用シート
であって、前記無機フィラーと前記バインダー剤とを主
成分とする非水溶性成分100重量部に対して前記界面
活性剤が10重量部以上100重量部以下の範囲で前記
インク透過層に含有されており、前記インク透過層に含
有された前記界面活性剤はアミン系化合物を主成分とす
るノニオン性の界面活性剤であることを特徴とする。請
求項2記載の発明は請求項1記載の記録用シートであっ
て、前記アミン系化合物にはその構造中にエーテル結合
が含まれることを特徴とする。請求項3記載の発明は請
求項1又は請求項2のいずれか1項記載の記録用シート
であって、前記無機フィラーはシリカからなることを特
徴とする。請求項4記載の発明は請求項1乃至請求項3
のいずれか1項記載の記録用シートであって、前記バイ
ンダー剤はポリエステル樹脂を主成分とすることを特徴
とする。請求項5記載の発明は請求項1乃至請求項4の
いずれか1項記載の記録用シートであって、前記インク
受容層にはカチオン基を有する化合物が含有されたこと
を特徴とする。請求項6記載の発明は請求項5記載の記
録用シートであって、前記カチオン基を有する化合物は
カチオン基を有する樹脂であることを特徴とする。請求
項7記載の発明は請求項5又は請求項6のいずれか1項
記載の記録用シートであって、前記インク受容層には前
記カチオン基を有する化合物とは異なる親水性の樹脂が
含有されたことを特徴とする。
発明の記録用シートのインク透過層には、無機フィラー
とバインダー剤(本発明ではバインダー剤として非水溶
性の樹脂を用いる)とを主成分とする非水溶性成分10
0重量部に対して10重量部以上と多量な界面活性剤が
添加されており、このようなインク透過層に印字された
インクは深さ方向に直進して浸透され、横方向には拡散
されないので、本発明の記録用シートに形成される印刷
画像には滲みが生じ無い。
ンク中で粒子として存在するので、顔料インクは染料イ
ンクに比べ深さ方向に浸透する速度が遅く、インクの横
方向への拡散が生じやすいが、本発明ではインク透過層
のインク拡散性が抑制されているため、顔料インクを用
いた場合でも印刷画像に滲みが生じない。
ば、顔料インクを用いた場合でも滲みがない印刷画像を
形成することができる。
層にカチオン基を有する化合物を含有させれば、インク
受容層内でのインク定着性が向上するのでインク透過層
とインク受容層との境界面やインク受容層内でもインク
の滲みが生じ難くなり、より高品質の印刷画像を形成す
ることができる。
の製造工程と共に図面を用いて説明する。先ず、カチオ
ン基を有する樹脂(ここでは変性ウレタン樹脂(大日本
インキ化学(株)社製の商品名「IJ60」、固形分1
5%)を用いた)40重量部に対し、この樹脂とは異な
る親水性の樹脂(ここではポリビニルピロリドン(BA
SF社製の商品名「ルビスコールK−90」)を用い
た)6重量部と、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)
社製の商品名「H42」)3重量部と、イオン交換水5
1重量部とを添加し、これらをジャーミルで3時間攪拌
することによりインク受容層用の塗工液を得た。
タレート樹脂から成る透明な基体を示しており(ここで
は東洋紡(株)社製の商品名「コスモシャインA410
0」(膜厚100μm、片面易接着処理済み)を用い
た)、この基体11の表面に上記工程で作成したインク
受容層用の塗工液をバーコーターを用いて塗布し、次い
で熱風循環式オーブンによって120℃で3分間乾燥さ
せ、インク受容層12を形成した(同図(b))。ここ
では乾燥後の厚さが13μmになるようにインク受容層
12を形成した。
クロヘキサン14重量部とを混合し、溶剤とした。この
溶剤をディゾルバーで攪拌しながら、バインダー剤であ
るポリエステル樹脂(東洋紡(株)社製の商品名「バイ
ロン200」)を15重量部添加し、2時間攪拌してポ
リエステル樹脂が溶媒に溶解された状態の樹脂液を作成
した。
(水沢化学(株)社製の商品名「ミズカシルP52
7」、平均粒径1.6μm)15重量部と、アミン系の
化合物からなるノニオン性界面活性剤であるポリオキシ
エチレン(以下POEと略記する)オレイルアミン(日
光ケミカルズ(株)社製の商品名「TAMNO−5」)
10重量部とを添加した後、更に1時間攪拌し、インク
透過層用の塗工液を作成した。
容層12表面に上記工程で作成したインク透過層用の塗
工液をワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、全体を熱
風循環式オーブンを用いて120℃で3分間乾燥させ、
インク透過層13を形成した(同図(c))。ここでは
乾燥後の厚さが12μmになるようにインク透過層13
を形成した。
が形成された状態の本発明の記録用シートを示してい
る。次に、顔料インクが充填されたインクジェットプリ
ンタ(ローランド(株)社製の商品名「FJ−40」)
を用い、上記工程で形成された記録用シート10のイン
ク透過層13表面に所定の印刷画像(8パターンの各人
物画像)を印刷した。
用シート10を用い、下記に示す「印刷濃度」、「透過
画像バンディング」の各評価試験を行った。これらの結
果を下記表1に実施例1として示す。
11のインク受容層12及びインク透過層13が形成さ
れていない面から画像(反射画像)を目視により観察し
た。ここでは、記録用シート10から30cm離れた距
離で観察を行った。
『○』、印刷画像の色濃度が低い場合を『×』とし、そ
れらの結果を下記表1に記載した 〔透過画像バンディング〕記録用シート10のインク透
過層13が形成された面を光源に向けて配置したとき
に、この記録用シート10のインク受容層12及びイン
ク透過層13が形成されていない面から観察される画像
(透過画像)の滲み(バンディング)の有無を目視によ
り観察した。
う位置までの距離をそれぞれ変化させて観察を行い、そ
の距離が30cm未満のときでも滲みが確認されないも
のを『○』、その距離が30cm未満のときには滲みが
確認されるが、30cm以上1m未満のときには滲みが
確認されないものを『△』、その距離が1m未満のとき
には滲みが確認されるが、1m以上のときには滲みが確
認されないものを『×』とし、それらの結果を下記表1
に記載した。
性剤に代え、上記表1に示した6種類のノニオン性界面
活性剤を用い、各界面活性剤と実施例1と同じ樹脂液と
実施例1と同じ無機フィラーとをそれぞれ実施例1と同
じ重量比率で混合し、実施例1と同じ工程で6種類のイ
ンク透過層用の塗工液を作成した。
それぞれ図1(b)で示した状態のインク受容層12の
表面に、実施例1と同じ工程で塗布、乾燥してインク透
過層13を形成し、実施例2〜7の記録用シート10を
作成した。
4ではアミン系化合物を主成分とするノニオン性界面活
性剤を用い、実施例2ではPOE(15)オレイルアミ
ン(日光ケミカルズ(株)社製の商品名「TAMNO−
15」)を、実施例3ではPOE(5)ステアリルアミ
ン(日光ケミカルズ(株)社製の商品名「TAMNS−
5」)を、実施例4ではPOE(10)ステアリルアミ
ン(日光ケミカルズ(株)社製の商品名「TAMNS−
10」)をそれぞれ用いた。
るPOE(8)ステアリルプロピレンジアミン(日光ケ
ミカルズ(株)社製の商品名「TAMNS−8」)を、
実施例6では分子中にエーテル結合を有するアミン系化
合物であるPOE(2)ラウリルアミノエーテル(松本
油脂製薬(株)社製の商品名「TB128」)を、実施
例7ではその分子中にエーテル結合を有するアミン系化
合物であるPOE(10)ラウリルアミノエーテル(松
本油脂製薬(株)社製の商品名「ゾンデスAL−1
0」)をそれぞれノニオン性界面活性剤として用いた。
実施例1と同じ工程でそれぞれ印刷画像の印刷に用い、
実施例1と同じ条件で「印刷濃度」、「透過画像バンデ
ィング」の各評価試験を行った。これらの評価結果を上
記表1に示した。
性剤に代え、上記表1に示した3種類のアニオン性また
はカチオン性の界面活性剤を用い、各界面活性剤と実施
例1と同じ無機フィラーと、実施例1と同じ樹脂液とを
それぞれ実施例1と同じ重量比率で混合し、実施例1と
同じ工程で調整して4種類のインク透過層用の塗工液を
作成した。
それぞれ図1(b)に示した状態のインク受容層の表面
に実施例1と同じ工程で塗布、乾燥してインク透過層を
形成し、比較例1〜4の記録用シートを得た。
性界面活性剤であるアルキルエーテルサルフォートTE
A塩(日本油脂(株)社製の商品名「パーソフトSF
T」)を、比較例2ではアニオン性界面活性剤であるポ
リカルボン酸(花王(株)社製の商品名「ホモゲノール
L95」)を、比較例3ではカチオン性界面活性剤であ
るオクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(日
本油脂(株)社製の商品名「カチオンAB」)を、比較
例4ではカチオン性界面活性剤であるアルキルジメチル
ベンジルアンモニウムクロライド(日本油脂(株)社製
の商品名「カチオンF2−35R」)をそれぞれ用い
た。
た樹脂液85重量部に、実施例1に用いた無機フィラー
を15重量部添加し、実施例1と同じ工程で界面活性剤
が含有されていないインク透過層用の塗工液を作成し
た。
ンク受容層の表面に実施例1と同じ工程で塗布後、乾燥
し、界面活性剤が含有されていないインク透過層を形成
し、比較例5の記録用シートを得た。
例1と同じ工程でそれぞれ印刷画像の印刷に用い、実施
例1と同じ条件で「印刷濃度」、「透過画像バンディン
グ」の各評価試験に用いた。これらの評価結果を上記表
1に示した。
7では「透過画像バンディング」「印刷濃度」に高い評
価が得られた。比較例1、5では「印刷濃度」には良好
な結果が得られたが印刷画像(透過画像)に滲みが確認
された。また、比較例2〜4では基体11印刷濃度が低
い上、観察される透過画像が白くぼやけていた。
重量部に実施例1と同じバインダー剤15重量部と実施
例1と同じ無機フィラー15重量部とを添加し、更に、
実施例6と同じ界面活性剤(POE(2)ラウリルアミ
ノエーテル)を下記表2に示したように3重量部以上3
0重量部以下の範囲で添加し、実施例1と同じ工程で5
種類のインク透過層用の塗工液を作成した。
のインク受容層12表面に、実施例1と同じ工程でそれ
ぞれ塗布した後、乾燥させ、各インク透過層13を形成
し、実施例8〜12の記録用シート10を作成した。
1と同じ条件で印刷画像を形成し、各試験片を作成し
た。これらの試験片を用い、実施例1と同じ条件で「透
過画像バンディング」と、下記に示す「塗膜接着性試
験」とを行った。これらの評価結果を下記表2に示す。
に実施例1と同じ条件で印刷画像の印刷を行った後、イ
ンク透過層13の印刷画像が形成された面(インクの塗
布部分)に透明粘着テープの粘着面を貼着した後、これ
を剥離した。インク透過層13の透明粘着テープが貼着
された部分が剥離しなかったものを『○』、剥離したも
のを『×』として評価する。
70重量部に実施例1と同じバインダー剤15重量部と
実施例1と同じ無機フィラー15重量部とを添加し、更
に、実施例6と同じ界面活性剤(POE(2)ラウリル
アミノエーテル)を下記表2に示したように3重量部未
満もしくは30重量部を超える範囲で添加し、実施例1
と同じ工程で5種類のインク透過層用の塗工液を作成し
た。
のインク受容層表面に実施例1と同じ工程でそれぞれ塗
布した後、乾燥させ、各インク透過層を形成し、比較例
6、7、8の記録用シートを作成した。
用い、実施例1と同じ条件で印刷画像を形成した後、実
施例8〜12と同じ条件で、「透過画像バンディン
グ」、「塗膜接着性試験」の各評価試験を行った。これ
らの評価結果を上記表2に示した。
とバインダー剤からなる非水溶性成分30重量部に対し
て、ノニオン性界面活性剤の添加量が3重量部以上30
重量部以下の範囲にある実施例8〜12では比較例6、
7、8に比べ、「透過画像バンディング」に優れた結果
が得られた。
ニオン性界面活性剤の添加量が3重量部以上20重量部
以下の範囲にある実施例8〜11では「塗膜接着性試
験」においても優れた結果が得られた。
0のインク透過層13表面に、それぞれ異なる3種類の
顔料インクを用いて印刷画像を形成した。これらの記録
用シート10のインク透過層13表面(印刷面)から観
察されるドットと、基体11のインク受容層12及びイ
ンク透過層13が形成されていない面(観察面)から観
察されるドットのそれぞれの径の大きさを測定した。
図3のグラフはシアンの顔料インクを、図4のグラフは
マゼンタの顔料インクをそれぞれ用いた場合の各ドット
径を示しており、それぞれのグラフの縦軸は横軸の位置
に記載した実施例7と比較例5のドット径を示してい
る。
施例7の記録用シート10に形成された印刷画像のドッ
トは比較例5の記録用シートに形成されたものに比べ、
観察面と印刷面とから観察されるドット径が近似してお
り、インク透過層13に着弾されたインクがインク透過
層13及びインク受容層12内で拡散せず、深さ方向に
直進して透過されたことが確認された。
10の他の実施例を下記に説明する。先ず、実施例1〜
12に用いたものとは異なる水溶性の樹脂(ここではカ
チオン基を有する樹脂である水溶性の変性ウレタン樹脂
(大日本インキ化学(株)社製の商品名「IJ50」)
を用いた)の水溶液をインク受容層用の塗工液とし、こ
のインク受容層用塗工液を図1(a)に示した状態の基
体11表面に実施例1と同じ工程で塗布、乾燥させ、イ
ンク受容層12を形成した。
1と同じインク透過層用塗工液を実施例1と同じ工程で
塗布、乾燥させ、インク透過層13を形成し、記録用シ
ート10を得た(実施例13)。
ン樹脂に代え、6種類の樹脂、すなわち、変性ポリビニ
ルアルコール(クラレ(株)社製の商品名「CM31
8」、アクリル共重合体(大阪有機化学工業(株)社製
の商品名「IJAP480」)、水溶性ポリエステル
(高松油脂(株)社製の商品名「NS122L」)、け
ん価度が99のポリビニルアルコール(クラレ(株)社
製の商品名「PVA117」)、変性ポリビニルアルコ
ール(クラレ(株)社製の商品名「KM118」、又
は、上記の水溶性ポリエステルとは異なる種類の水溶性
ポリエステル(高松油脂(株)社製の商品名「NS30
0L」)のいずれか1種類の樹脂を用いて、6種類のイ
ンク受容層用塗工液を作成した。
記実施例13と同じ工程で基体11表面にインク受容層
12を形成した後、これらのインク受容層12表面に実
施例1と同じインク透過層13を形成し、各記録用シー
ト10を作成した(実施例14〜19)。
0を用いて実施例1と同じ条件で印刷画像を形成し、各
試験片を作成した。これらの試験片を、下記に示す「透
過画像バンディング」、「反射画像バンディング」、
「バンディング総合評価」の各評価試験に用いた。
0のインク透過層13が形成された面を光源に向けて配
置し、この記録用シート10のインク受容層12及びイ
ンク透過層13が形成されていない面から観察される画
像(透過画像)の滲み(バンディング)の有無を目視に
より観察した。
う位置までの距離をそれぞれ変化させて観察を行い、そ
の距離が30cm未満のときでも滲みが確認されないも
のを『○』、その距離が30cm未満のときには滲みが
確認されるが、30cm以上1m未満のときには滲みが
確認されないものを『△』、その距離が1m未満のとき
には滲みが確認されるが、1m以上のときには滲みが確
認されないものを『×』とし、下記表3にそれらの結果
を記載した。
に、室内灯の下で各試験片に形成された印刷画像を記録
用シート10のインク受容層12及びインク透過層13
を有しない面から目視により観察し、光の反射によって
観察される画像(反射画像)の滲みの有無を目視により
確認した。ここでは記録用シート10から30cm離れ
た位置で観察を行った。
『○』、滲みが確認できるものを『×』とし、下記表3
にそれらの結果を記載した。
受容層用塗工液を用いて基体上にインク受容層を形成し
た後、上記比較例5に用いたものと同じ界面活性剤が添
加されていないインク透過層用塗工液を用いて、実施例
1と同じ工程でインク透過層を形成し、比較例9の記録
用シートを得た。
印刷画像を形成して試験片を作成し、この試験片を上記
実施例13〜19と同じ条件で「透過画像バンディン
グ」、「反射画像バンディング」の各評価試験に用い
た。これらの評価結果を上記表3に示した。
中で正の電荷を持つもの(ポリカチオン)をカチオン性
の樹脂、化合物中にアニオン基を有し、水溶液中で負の
電荷を持つもの(ポリアニオン)をアニオン性の樹脂、
水溶液中で電荷を有しないものをノニオン性の樹脂とす
ると、実施例13で用いた変性ウレタン樹脂と、実施例
14で用いた変性ポリビニルアルコールと、実施例15
で用いたアクリル共重合体はカチオン性の樹脂、実施例
16で用いたポリエステルと実施例17で用いたポリビ
ニルアルコールはノニオン性の樹脂、実施例18に用い
た変性ポリビニルアルコールと実施例19に用いたポリ
エステルはアニオン性の樹脂となる。
層12にカチオン性の樹脂を用いた実施例13〜15で
は、アニオン性又はノニオン性の樹脂を用いた他の実施
例16〜19及び比較例9に比べ、反射画像、透過画像
共にバンディングが見られず、良好な結果が得られた。
13〜15では、カチオン性の樹脂がインク着色剤を定
着させる定着剤としても機能し、インク受容層12のイ
ンク着色成分の定着性が向上されためと推測される。
剤が添加されたインク透過層13とカチオン性の樹脂が
添加されたインク受容層12とを有する記録用シート1
0では、インク受容層12内とインク透過層13内の両
方で滲みが生じ難いので、より高品質な印刷画像が得ら
れることが確認された。
レートを用いる場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものでは無い。
チレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリメチルメタクレート、ポリカーボネ
イト、透明紙、酢酸セルロース、ポリアクリレート、ポ
リエーテルスルホン等を用いることができる。
基体11の材質にポリエチレンテフタレート、硬質ポリ
塩化ビニル、ポリプロピレン、トリアセテートなどを用
いると良い。基体11の厚さも特に限定されるものでは
ないが、一般的には50〜200μmである。
のであれば特に基体11を用いる必要が無く、インク受
容層12とその表面に形成されたインク透過層13から
なる2層構造の記録用シート10を得ることが可能であ
る。
層13に添加される無機フィラーとしてシリカを用いた
が本発明はこれに限定されるものでは無く、例えば、ア
ルミナゾル、擬ベーマイトゾル、タルク、カオリン、ク
レー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、チタンホワイト、硫酸バ
リウム、二酸化チタン、珪酸アルミニウム、珪酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、スメクタイト、ゼオライ
ト、珪藻土などを用いることができる。
にポリウレタン、ポリアクリル、フェノキシ、SISな
どの樹脂を用いることも可能である。
ー剤の主成分もポリエステルに限定されるものでは無
く、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリレー
ト、エラストマー、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ス
チレン‐アクリル共重合体、ポリアクリル、ポリビニル
エーテル、ポリアミド、ポリオレファン、ポリシリコー
ン、グアナミン、ポリテトラフルオロエチレン、なども
用いることができる。
容層12に用いることができる樹脂としては親水性の樹
脂であれば種々のものを用いることが可能である。
与するためには、水を吸収して体積が増える性質を有す
る水溶性或いは親水性の樹脂を用いることが望ましく、
例えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、デンプン、
アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアミド、
ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、ポリビニルアセタール、メラニン、ポリエステ
ル、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリアリルアミン等
を用いることができる。
ク受容層12にカチオン基を有するカチオン性樹脂を添
加した場合により優れた記録用シート10を得ることが
できる。
合物は樹脂に限定されるものでは無く、例えば、カチオ
ン性界面活性剤やその粒子表面にカチオン基を露出させ
たフィラーなども用いることが可能である。
ク受容層12用の塗工液を塗布する際には、ワイヤーバ
ーやバーコーターだけではなく、ナイフコータ、グラビ
アコータ等の種々のコーティング装置を用いることがで
きる。
料インクを用いる場合に優れた印刷結果が得られるが、
本発明はこれに限定されるものでは無い。本発明の記録
用シートを用いれば、顔料インクだけでは無く、染料イ
ンクを用いた場合でも印刷品質の良い印刷画像を形成す
ることが可能である。
インクを用いた場合でも印刷画像に滲みが生じ難く、発
色濃度が高い記録用シートを得ることができる。
する工程図
説明するための図
説明するための図
説明するための図
明するための図
Claims (7)
- 【請求項1】インクを保持するインク受容層と、 前記インク受容層表面に配置され、インクを透過させ、
前記インク受容層にインクを輸送するインク透過層とを
有し、 前記インク透過層には無機フィラーと、バインダー剤
と、界面活性剤とが含有された記録用シートであって、 前記無機フィラーと前記バインダー剤とを主成分とする
非水溶性成分100重量部に対して前記界面活性剤が1
0重量部以上100重量部以下の範囲で前記インク透過
層に含有されており、 前記インク透過層に含有された前記界面活性剤はアミン
系化合物を主成分とするノニオン性の界面活性剤である
ことを特徴とする記録用シート。 - 【請求項2】前記アミン系化合物はその構造中にエーテ
ル結合が含まれる請求項1記載の記録用シート。 - 【請求項3】前記無機フィラーはシリカからなる請求項
1または請求項2のいずれか1項記載の記録用シート。 - 【請求項4】前記バインダー剤はポリエステル樹脂を主
成分とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の
記録用シート。 - 【請求項5】前記インク受容層にはカチオン基を有する
化合物が含有された請求項1乃至請求項4のいずれか1
項記載の記録用シート。 - 【請求項6】前記カチオン基を有する化合物はカチオン
基を有する樹脂であることを特徴とする請求項5記載の
記録用シート。 - 【請求項7】前記インク受容層には前記カチオン基を有
する化合物とは異なる親水性の樹脂が含有された請求項
5または請求項6のいずれか1項記載の記録用シート。
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