JPH11279502A

JPH11279502A - 透明性再剥離型粘着剤及び透明性再剥離型情報担持シート

Info

Publication number: JPH11279502A
Application number: JP9983098A
Authority: JP
Inventors: Yuji Shimizu; 雄二清水
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1998-03-30
Filing date: 1998-03-30
Publication date: 1999-10-12

Abstract

(57)【要約】【課題】一時的な接合面を剥離すると内部に記載され
た情報を視認できるダイレクトメール等の葉書用紙等
で、再剥離型粘着層を透明にし、その下に写真調画像等
を印刷しても曇りなく視認できる様にする。【解決手段】透明性再剥離型粘着剤は、粘着主剤にソー
プフリー乳化重合で得られた、ＳＢＲ、ＮＢＲ、アクリ
ル系樹脂等のラテックスを用い、充填剤として屈折率
１．６０以下のポリスチレン樹脂粒子等の非孔質粒子を
用いる。透明性再剥離型情報担持シートは、基材の再剥
離する接着予定面に、接着前及び剥離後は通常の状態で
は接着しないこの透明性再剥離型粘着層を塗布形成した
情報担持シートであって、基材と透明性再剥離型粘着層
間にプロセスカラーで印刷したフルカラーの写真調の画
像情報等の可視情報が有る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、親展葉書、ダイレ
クトメール、通知書、パンフレット、クジ等に使用さ
れ、一時的に接合した接合面を剥離すると内部に記載さ
れた情報を視認できる再剥離型情報担持シートに用いる
再剥離型粘着剤、および得られる再剥離型情報担持シー
トに関する。特に再剥離型粘着層の下に形成された印刷
による写真調画像等の可視情報を曇りなく見られる透明
性を持つ粘着剤及び再剥離型情報担持シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、剥がして開くと内部に記載された
情報を見ることができる親展葉書やダイレクトメール等
が、セキュリティ性や情報記載量の点から普及してい
る。例えば、葉書の二倍大の葉書用紙を情報が記載済の
面を内側にして二つ折りする際に、二枚の透明熱可塑性
樹脂フィルムを剥離可能に接着し両面に感圧粘着層を施
した再剥離性樹脂シートを挟み込んで、一枚の葉書のと
するものである。剥離時は前記樹脂フィルム同士の接合
面で剥がれ、樹脂フィルムを透して情報を視認できる。
この形態は、再剥離性樹脂シートが高価で挟み込みも煩
雑だが、画像情報等を全面印刷したものでも可能なた
め、商品広告等のダイレクトメール等で多用されてい
る。

【０００３】また、情報記載前に仮接着予定面に再剥離
型粘着層を予め形成しておき、該粘着層上に文字等をノ
ンインパクトプリンタ（ＮＩＰ）等で印字後に折り込ん
で葉書とする再剥離型情報担持シートもある。このよう
なシートに形成される再剥離型粘着層は、一般に天然ゴ
ムラテックス等の再剥離不能な通常の感圧性接着剤、即
ち非剥離性の感圧粘着剤に、シリカ、澱粉等の充填剤を
添加した接着剤を塗布形成したものである。充填剤は接
着前の粘着性を落とし、また接着後の剥離を可能にする
とともに、接合面への印刷適性や耐ブロッキング性等を
与える。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、利用明細等
のセキュリティ性が目的の場合は、文字等の情報が視認
できれば充分であるが、ダイレクトメール等では伝達す
る情報の訴求効果が重要であり、例えばフルカラーで印
刷された商品の写真調画像を、その商品価値を損なうこ
となく最大限に表現することが望まれる。しかし、前記
再剥離性樹脂シートに比べコスト的に優れたものとなる
上記再剥離型粘着層はシリカや澱粉等の充填剤で表面が
荒く、該層の上に形成された印刷画像は色合いがくすん
だ感じで光沢感もなく、通常のオフセットやグラビア印
刷物の出来ばえに比較して著しく画質が劣る。このた
め、従来のダイレクトメール等の写真調の画像情報を印
刷する用途では、コスト高で挟み込みを要し葉書への製
造工程が煩雑となっても、前記した再剥離型粘着層によ
る情報担持シートを多用していた。再剥離性樹脂シート
ならば透明な樹脂フィルムによる為に、画質が低下せず
光沢感も得られるからである。

【０００５】また、ダイレクトメールが再剥離性樹脂シ
ートを使うのは、インク付着面積の大きい写真調画像等
が印刷されていても、再剥離させる接合面の接着性が低
下しないからでもある。再剥離型粘着層では、接合面と
なる該層上に印刷されたインクの層は剥離層として働き
その部分の接着力はない。インクの接着性への悪影響の
問題は、印刷を再剥離型粘着層の下に行っても解決しな
い。それは、下のインク層と再剥離型粘着層との接着力
が弱く、再剥離時にインクと再剥離型粘着層との間で剥
離したり、葉書の形態に製造する工程中の接合前に再剥
離型粘着層の浮きや剥離が発生する危険性による。ま
た、再剥離型粘着層が含有する多孔質のシリカや澱粉等
の充填剤により、該層の透明性が低下し該層を透して見
る下の印刷画像が曇るという画質低下の問題も起こる。
この曇りは、親展葉書等の単なる文字情報の伝達のみで
あれば、文字の視認性が低下する程ではないので何ら問
題はないが、ダイレクトメールの様にフルカラーの写真
調の印刷画像により商品を訴求する場合においては、大
きな問題である。

【０００６】そこで、本発明の課題は、特にダイレクト
メール等の記載された情報の特に画質が望まれる用途に
おける再剥離性情報担持シートについて、安価な塗布タ
イプである再剥離型粘着層による構成でも、該層の下に
印刷形成されたカラー画像等を曇りなく視認できる、透
明性の有る再剥離型粘着層を形成し得る透明性再剥離型
粘着剤と、該粘着剤を用いた透明性再剥離型情報担持シ
ートを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで本発明の透明性再
剥離型粘着剤は、接着前及び剥離後は通常の状態では接
着せず少なくとも圧力により接着する再剥離型粘着剤に
ついて、少なくとも粘着主剤と充填剤とから構成し、且
つ該充填剤を屈折率１．６０以下の非孔質充填剤とする
ことで、透明性に優れた再剥離型粘着層が得られる再剥
離型粘着剤とした。上記特定の非孔質充填剤には、例え
ばポリスチレン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子等の球状の
樹脂粒子等を用いる。また、粘着主剤には、スチレン−
ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴムラテックスなどのゴムラテックス、或いはアク
リル系樹脂ラテックス等を用いる。

【０００８】一方、本発明の透明性再剥離型情報担持シ
ートは、以上の様な透明性再剥離型粘着剤による透明な
再剥離型粘着層を、基材の可視情報が形成されたその上
に形成した構成として、再剥離型粘着層の下にある可視
情報を曇りなく視認できるようにした。また、可視情報
には固定情報を、また再剥離型粘着層上には可変情報を
形成する。固定情報は単色又はプロセスカラー等の多色
による単色画像又はカラー画像であり、フルカラーの写
真調画像の場合には特に、透明性の再剥離型粘着層の優
れた特性が発揮される。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の透明性再剥離型粘
着剤、及び該粘着剤を用いた、本発明の透明性再剥離型
情報担持シートの実施形態を詳述する。

【００１０】透明性再剥離型粘着剤は、先ず、その接着
特性については、該粘着剤を塗工して得られる透明性再
剥離型粘着層が、接着前及び剥離後は粘着性がなくて通
常の状態では他のものと接着せず、圧力、また必要に応
じて熱を併用することにより他のものと接着し、剥離時
は透明性再剥離型粘着層は塗工された基材側に残り透明
性再剥離型粘着層と他のものとの界面（接合面）で剥離
するものであればよい。この事は、塗工形成した透明性
再剥離型粘着層の下に可視情報が形成されていても、剥
離時に可視情報を構成するインクとの界面で透明性再剥
離型粘着層が剥離しない特性を有す事でもある。また、
透明性再剥離型粘着層の外面に可変情報を形成する場合
は、接合後の接合面の剥離時に元の透明性再剥離型粘着
層側に該可変情報が残存する特性を発揮するものであれ
ばよい。

【００１１】そして、本発明の透明性再剥離型粘着剤
は、塗工形成して得た透明性再剥離型粘着層により、該
層の下の可視情報を透明感を持って視認できることが、
従来の再剥離型粘着剤に無い特徴である。このため、本
発明の透明性再剥離型粘着剤は粘着主剤と充填剤とを主
成分とするが、その充填剤として屈折率が１．６０以下
の非孔質充填剤を用いる。

【００１２】先ず、粘着主剤としては、従来公知の再剥
離型粘着剤に使用される各種ゴム等の感圧粘着剤でも良
い。これら感圧粘着剤はそれ自身非剥離性であり、この
ような感圧粘着剤は、例えば、ゴムラテックスとして主
として天然ゴム（ＮＲ）にメタクリル酸メチルをグラフ
ト重合（ＰＭＭＡ）したアクリル変性天然ゴム（以下、
ＰＭＭＡ−ＮＲという）である。ＰＭＭＡによる変性
は、ＮＲ自身は自着性が強く優れた感圧接着性を示す
が、基材への接着性が低いためにこれを向上させる為で
ある。但し、ＰＭＭＡ−ＮＲはインクへの接着性が低
く、塗工形成した透明性再剥離型粘着層の下の可視情報
として印刷インクによる付着面積が大きい印刷領域があ
る場合には、そのインク層と透明性再剥離型粘着層との
接着力を得にくい。したがって、透明性再剥離型粘着層
の塗工形成時に、或いは塗工後に該再剥離型粘着層の上
に可変情報を印字形成時に、そして透明性再剥離型粘着
層を塗工形成したシートを一枚の葉書の形態に整えるべ
くシート接合工程中に透明性再剥離型粘着層が剥がれ落
ちたり、或いは接合後に再剥離するときに、接合面で剥
離せずにインク層と透明性再剥離型粘着層との間で剥離
するなど剥離面が安定せず、美観を損ねるという危険性
もあり、用途は選ぶ必要がある。

【００１３】そこで、粘着主剤として、上記ＰＭＭＡ−
ＮＲに代わるラテックスとして、特に、ソープフリー乳
化重合で得られる、スチレン−ブタジエンゴム（ＳＢ
Ｒ）やアクリロニトリル−ブタジエンゴム（ＮＢＲ）の
ゴムラテックス、或いはポリアクリル酸エステル等のア
クリル系樹脂ラテックス等を用いると、優れた感圧接着
性を示しながら、印刷インクへの接着力が強い等の優れ
た性能を与えることができる点でより好ましい。また、
これらのラテックスは水系のエマルションとして供給さ
れる。特に、ソープフリー乳化重合法によって得たこれ
らのラテックスは、特殊なオリゴマータイプの乳化剤を
使用し低分子量の乳化剤を含有しないために、そのガラ
ス転移温度Ｔｇのわりには最低造膜温度が低く、ドライ
タック（べたつき感）が少ない点で好ましい。その上、
上記エマルションはイソプロピルアルコール（ＩＰＡ）
との混和性に優れているために、ＩＰＡを消泡剤として
使用でき、ブリード（接着界面に移行した消泡剤で接着
力の経時安定性が低下する）の原因となる通常の消泡剤
が不要であり、また塗工時の固形分調整も任意の割合に
出来るという利点がある。例えば、ＩＰＡはエマルショ
ン原液１００重量部に対して３００重量部程度まで使用
できる。従って、塗液の発泡や版詰まり等を発生しにく
く出来、グラビア塗工適性に優れている。また、上記エ
マルションのラテックスは、ＮＲベースのラテックスに
付きまとう自然劣化によるベトツキや接着力の変化等の
経時安定性の問題がなく品質安定化に寄与する利点もあ
る。

【００１４】また、これらのエマルションは、塗工形成
される透明性再剥離型粘着層の下の可視情報として、オ
フセット印刷によるカラー印刷の他に、面積階調表現で
なく濃度階調表現でありインクの付着面積的により厳し
いグラビア印刷によるカラー印刷等に対しても接着性が
優れている、透明性再剥離型粘着層を与えることができ
る。また、粘着主剤としては、これらソープフリー乳化
重合によるラテックスに、低分子量の乳化剤を用いた通
常の乳化重合によるラテックスとして、スチレン−ブタ
ジエンゴム（ＳＢＲ）、カルボキシ変性ＳＢＲ（ＸＳＢ
Ｒ）、アクリロニトリル−ブタジエンゴム（ＮＢＲ）、
或いは、アクリル変性天然ゴム（ＰＭＭＡ−ＮＲ）、ポ
リアクリル酸エステル等のアクリル樹脂系ラテックスの
粘着剤等も、種々の特性向上の為に併用することもでき
る。なお、前記ＩＰＡ以外の希釈剤として水、通常の消
泡剤等の従来公知の添加剤を、グラビア塗工適性、経時
的特性等を妨げない範囲で適宜用いてもよい。例えば、
上記ポリアクリル酸エステル系ラテックス、ＰＭＭＡ−
ＮＲ系ラテックスの粘着剤を使用する時は、ＩＰＡの添
加はゲル化を起こす等の問題があるため、水と通常の消
泡剤を用いる。

【００１５】以上、特にソープフリー乳化重合から得ら
れるエマルションのラテックスによる粘着主剤のみによ
る透明性再剥離型粘着剤としても、ある程度の接着性能
を発揮した上で透明性が得られるが、接着力の抑制成分
として屈折率等を特定した充填剤を加えると、透明性を
維持した上で接着力抑制の調整がよりし易くなる。

【００１６】すなわち、本発明では充填剤として、屈折
率が１．６０以下の非孔質充填剤を用いる。充填剤とし
ては、いわゆる体質顔料に属する各種充填剤もあるが、
従来公知で良く使用されてきたシリカ等の嵩高で吸油量
が１００ｍｌ／１００ｇ以上と多く多孔質のものは好ま
しくない。また、後述する如く、平均粒径が１μｍ未満
では、粘着主剤の接着力抑止力効果が少ない。従って、
本発明で用いる充填剤としては、いわゆる体質顔料に属
する中でも、屈折率が１．６０以下で、凝集粒子でなく
一次粒子で平均粒径が１μｍ以上で、吸油量が少なく
（例えば５０ｍｌ／１００ｇ以下）非孔質であるものが
好ましく、この条件を満たすものならば、特に限定され
ない。例えば、カオリン（屈折率１．５６）、アルミナ
（屈折率１．５０）等は好ましい。なお、沈降硫酸バリ
ウムは屈折率が１．６４で好ましくない。また、例え
ば、平均粒子径が０．１〜２０μｍ程度で形状が球形
の、ポリスチレン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子の樹脂粒
子も好ましい。屈折率はポリスチレンが１．５９、アク
リル樹脂はポリメチルメタクリレートの場合１．４９で
ある。ポリスチレン樹脂粒子やアクリル樹脂粒子は前記
したソープフリー乳化重合で得られるラテックスの粘着
主剤と組み合わせることで、良好なる調整された接着
力、及び該接着力による耐ブロッキング性等と、良好な
透明性、さらに光沢性も有する透明性再剥離型粘着層を
与える。充填剤の屈折率を１．６０以下とすれば、粘着
主剤（例えば、ＮＢＲの屈折率は１．４１）と充填剤と
の屈折率差を、粘着主剤中に分散された充填剤と粘着主
剤との界面での光の反射、散乱による透明性の低下を効
果的に防止する程度にすることが出来る。粘着主剤はラ
テックスで樹脂である事から、充填剤も樹脂からなる樹
脂粒子を用いる事は、屈折率を１．６０以下のものと
し、且つ球形であるので非孔質のために好ましい。な
お、ポリスチレン樹脂粒子やアクリル樹脂粒子は、架橋
ポリスチレン樹脂粒子や架橋アクリル樹脂粒子等の架橋
樹脂粒子として用いると、耐熱性の要求される用途に適
用できる。

【００１７】ところで、従来公知で多用されているシリ
カは、屈折率が１．４５と屈折率１．６０以下である
が、本発明の充填剤として好ましくない。シリカは平均
粒子径がｎｍオーダの一次粒子が凝集して平均粒子径が
１〜５μｍ程度の二次粒子を構成した多孔質の粒子であ
り、この多孔質性が塗工形成される再剥離型粘着層の透
明性を阻害するからである。多孔質性は吸油量の多さを
目安にもでき、吸油量は少ない方が良い。なお、所望の
透明性を損なわない範囲で、前記樹脂粒子等の非孔質粒
子と、シリカ等の多孔質の無機粒子、或いは澱粉等の粒
径の大きい有機粒子等を併用してもよい。これらと併用
すれば、透明性再剥離型粘着層の表面を適度に粗面化し
て、シリコーンオイル吸収性、印刷適性、スタンプ適性
等を向上させることもできる。

【００１８】また、非孔質粒子の粒径は、通常、塗工形
成する透明性再剥離型粘着層の膜厚は１〜５μｍ程度と
するが、例えば６〜１０μｍ程度の膜厚よりも大きな平
均粒径の樹脂粒子を大量に加えて粒子が該層から突出し
て表面が荒れても、透明性を失わない程度に、該層の膜
厚よりも小さいことが好ましい。ただ、表面をある程度
荒らして、透明性を維持しつつ平滑面からの鏡面反射に
よる鏡面光沢感を抑え気味にして防眩性を持たせること
もできる。従って、目的とする透明性再剥離型粘着層の
膜厚にもよるが、非孔質粒子のサイズは最大粒子が２０
μｍ以下、好ましくは１０μｍ以下とし、これを平均粒
子径でみれば、その粒子径分布（特に最大径側）にもよ
るが、３〜１０μｍの範囲が好ましく、６〜１０μｍの
範囲が最適である。なお、平均粒子径が０．１μｍ未満
と小さくなると、粘着主剤の接着力の抑止作用が少なく
なってしまう。なお、耐ブロッキング防止に使用する従
来公知の澱粉は、平均粒子径がおおよそ１０〜３０μｍ
程あり、好ましくない。

【００１９】充填剤の配合量は、例えば、ポリスチレン
等の樹脂粒子であれば、粘着主剤１００重量部当たり１
〜１００重量部である。なお、配合量は、用いる粘着主
剤のドライタック及び目的とする物性により適宜調整す
るものである。

【００２０】なお、上記本発明の透明性再剥離型粘着剤
は、通常、粘着主剤がエマルションで供給されるから、
これに所望の上記充填剤やその他の添加剤が加えられた
塗液の形態であり、該塗液をグラビアコート、エアナイ
フコート等の従来公知の塗工手段で、基材に塗工すれ
ば、透明性再剥離型粘着層が得られる。

【００２１】次に、上記透明性再剥離型粘着剤を使用し
た、本発明の透明性再剥離型情報担持シートを詳述す
る。

【００２２】図１は、本発明の透明性再剥離型情報担持
シートの一実施例を示す部分断面図である。同図に示す
本発明の透明性再剥離型情報担持シート１０は、基材１
と塗布形成された透明性再剥離型粘着層２との間に可視
情報３を有し、さらに透明性再剥離型粘着層２の外面に
可変情報４を有する構成である。基材１と透明性再剥離
型粘着層２との界面（実際には基材１の表面）が可視情
報が形成される第１の情報記載面Ｐ１であり、透明性再
剥離型粘着層２の外面（表面）が可変情報が形成される
第２の情報記載面Ｐ２であり、且つ他のものとの接合面
Ｐ３、すなわち接着予定面でもある。

【００２３】ところで、前記した如く、塗工する本発明
の透明性再剥離型粘着剤に、その粘着主剤として、特
に、ソープフリー乳化重合で得られる、スチレン−ブタ
ジエンゴム（ＳＢＲ）やアクリロニトリル−ブタジエン
ゴム（ＮＢＲ）のゴムラテックス、或いはポリアクリル
酸エステル等のアクリル系樹脂ラテックス等を用いたも
のを使うと、優れた感圧接着性を示しながら、印刷イン
クへの接着力が強いという優れた性能が得られる。この
ため、印刷インクの付着面積が大きい可視情報でも基材
と透明性再剥離型粘着層との間に形成できる。この性能
は特にダイレクトメール等では重要な意味を持つ。

【００２４】すなわち、ダイレクトメール等では一枚の
葉書の実質的な面積を拡大し多くの情報を伝達できるこ
とは重要な要素である。また、ダイレクトメールでは伝
達する情報の訴求効果も重要であり、例えば商品のカラ
ー写真をプロセスカラーで印刷しようとすると（印刷手
段にはグラビア印刷、シルクスクリーン印刷等があるが
通常はオフセット印刷で行う）、網点により濃度階調を
表現し、且つ３色又は通常はブラックインクも含めた４
色による階調画像を形成するために、印刷による画像情
報の領域部分はプリンタで文字等を印刷記録した領域に
比較して、インク付着面積が極めて広くなる。従って、
再剥離型粘着層の上に写真調の画像情報を印刷形成する
従来の形態では、剥離層として作用するインクの層の影
響が無視できなくなる。

【００２５】そこで、従来はこのような画像情報を掲載
する場合には、その領域の接着性は期待できないので、
接合面の周縁部は避けて形成した。周縁部では再剥離の
きっかけとなるからである。また、周縁部を避けた中央
部であっても、対面する接合面にもインクが形成されて
いれば、インク同士が対面する部分は殆ど接着性を期待
できない。文字等からなる可変情報では略同じ位置であ
っても、文字を形成する線画が微妙にずれるので問題は
ないが、特に、網点からなる写真調の画像情報の印刷領
域が対面すると、インク付着部同士の対面部分が多いか
ら接着性低下の問題は大きい。したがって、網点、或い
は全ベタでインクを接合面に形成する場合は、その対面
する接合面には同様な網点や全ベタの模様（画像情報）
が来ない様に形成した。すなわち、図５の如く、従来の
再剥離型情報担持シートである二つ折り葉書用紙２０
は、その第１シート１１及び第２シート１２に写真調の
画像情報がそれぞれ可視情報３ｃ及び３ｄとして形成さ
れているが、折込線５ｃで折り重ねたときに可視情報３
ｃ及び３ｄ同士が対面しない位置にレイアウトしてあ
る。なお、図６は図５のＢ−Ｂ線での断面図であり、再
剥離型粘着層２ｃの外面、すなわち接合面Ｐ３に可視情
報３ｄが形成されていることを示す。

【００２６】以上の様に、再剥離型粘着層の上に印刷で
可視情報を形成する従来のものは、低コストは実現でき
るが、写真調の画像情報等のインク付着面積が広い情報
を形成するときは、その画像情報の領域の面積、及びレ
イアウト上の制約があり、また、再剥離型粘着層の表面
が荒れているので、光沢も得られないということが最大
の欠点であり、プロセス印刷を用いたダイレクトメール
用途では実用上使用できなかった。このため、従来、ダ
イレクトメール等の写真調の画像情報を印刷する用途で
は、コスト高となっても接合面の接着性へ影響せず印刷
面積に制約がなく、また光沢感も得られる、前述の再剥
離性樹脂シートを用いることが多かった。

【００２７】しかし、本発明の透明性再剥離型粘着剤で
ソープフリー乳化重合によるラテックスを用いたもので
は、上記インキ付着面積による接着性の低下の問題も解
決できる。そこで、以下の説明では、透明性とともに可
視情報として画像情報が形成された例について説明す
る。

【００２８】すなわち、図２は透明性再剥離型情報担持
シートの一実施例としてダイレクトメール用のＺ折りタ
イプの葉書用シート１０ａの表面図を示し、図３は図２
の葉書用シート１０ａのＡ−Ａ線での断面図を示し、図
４はこの葉書用シート１０ａをＺ折りし接着予定面同士
を透明性再剥離型粘着層で接合して得られた一枚の葉書
を示す断面図である。

【００２９】図２の葉書用シート１０ａは、三つ折りタ
イプの一種であるＺ折りタイプのものであり、何方も葉
書大のサイズの第１シート１１、第２シート１２及び第
３シート１３とに区画され、それらは折り込み線５ａ及
び５ｂを介して連接している。そして、第２シート１２
及び第３シート１３には、その周縁部を僅かに残して中
央全面に且つ接合時に略対面する位置に可視情報３ａ及
び３ｂとして、それぞれにフルカラーの写真調の画像情
報がオフセット印刷により形成されている。なお、周縁
部を残してあるのは、図面上でシート１２及び１３に形
成された可視情報３を該シートに対して区別して見やす
くするためで、可視情報はシート１２及び１３の全面に
わたって形成されていてもかまわない。そして、これら
の可視情報３ａ及び３ｂを覆うように各シート１１、１
２及び１３の全面に透明性再剥離型粘着層が塗工形成し
てある。このうち、第２シート１２及び第３シート１３
の表側が接着予定面となる。さらに、第１シート１１の
透明性再剥離型粘着層２ａの外面（表面）には宛て名等
の可変情報がプリンタによって印字形成されている。

【００３０】以上を図２のＡ−Ａ線での断面図である図
３で、さらに説明すれば、第１シート１１、第２シート
１２及び第３シート１３の表面側には、全面に透明性再
剥離型粘着層２ａが形成されており、また各シートの裏
面側にも全面に表面側と同じ組成の透明性再剥離型粘着
層２ｂが形成されている。なお、裏面側の透明性再剥離
型粘着層２ｂは同一組成とせず、非透明の或いは永久接
着の粘着層或いは接着層でもよい。また、接着予定面と
ならない、第１シート１１の表面側の透明性再剥離型粘
着層２ａ、及び第３シート１３の裏面側の透明性再剥離
型粘着層２ｂは、省略することもできる。そして、図４
は、このような透明性再剥離型情報担持シート１０ａを
Ｚ折りして一枚の葉書とした場合の断面図を示す。この
葉書を接合面Ｐ３で剥離すれば、可視情報３ａ及び３ｂ
を透明感を持って視認できる。

【００３１】なお、上記実施例はＺ折りタイプの葉書用
紙であったが、本発明の透明性再剥離型情報担持シート
を葉書用シートとして使用する場合は、Ｚ折りタイプ以
外のその他の三つ折りタイプ、四つ折りタイプ、或いは
二つ折りタイプ、或いは図７の如く葉書大のサイズの第
１シート１４と葉書大よりも小なるサイズの第２シート
１５とが連接した葉書用紙１０ｂを、折込線５で折り返
して一枚の葉書とする半折りタイプ等の従来各種の形態
に適用できる。また、折込線も葉書の縦方向に限らず横
方向でも良い。また、一枚の用紙を折らずに、複数枚の
用紙を積層するタイプでも良い。また、多数のマージナ
ル孔が連設されたマージナル部を有し且つ一単位の用紙
が複数連続した連続帳票でも良いし、カット紙プリンタ
専用の枚葉のシートでも良い。また、用途は、ダイレク
トメール、親展葉書等の葉書用シートに限らず、パンフ
レット、通知書、クジ等の各種用途のシートで、透明感
が望まれる用途で使用できるものである。

【００３２】次に、本発明の透明性再剥離型情報担持シ
ートで使用できる基材１としては、固定情報等の可視情
報を印刷等の手段により形成でき、また再剥離時に透明
性再剥離型粘着層が基材側に残り透明性再剥離型粘着層
と他面との界面（接合面）で剥離する様な基材面を提供
できるものであればよく、従来公知のものが使用でき
る。具体的にはＮＩＰ（ノンインパクトプリンタ）用紙
等の紙類の他、合成紙、ポリプロピレン樹脂、セルロー
ス系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の
樹脂フィルム類、不織布類、及びこれらの複合体等でも
よい。また、樹脂フィルムの場合は、印刷適性、接着性
等を好適とするためにコロナ処理やマット処理等の表面
処理を施しておいても良い。

【００３３】可視情報３は、基材自身に感熱記録紙やジ
アゾ記録紙等を用いるインクの付着によらない記録方式
で形成しても良いが、通常は基材にインクを印刷するこ
とで形成する。特に本発明では、印刷手法としてプリン
タ等のみならず、オフセット印刷等のよる通常のカラー
印刷も使用できる点が最大の特徴である。印刷手法とし
ては、この他、グラビア印刷、活版印刷、フレキソ印
刷、シルクスクリーン印刷、電子写真印刷、インクジェ
ット印刷等でも良い。また、印刷のインクとしては、オ
フセットインク、グラビアインク、紫外線硬化型のオフ
セット用等のインクでも良い。なお、紫外線硬化型のオ
フセットインクは、通常の酸化重合型のオフセットイン
クに対して高価だが、硬化度合いを一定に管理し易い。
但し、紫外線硬化型インクは、耐摩性、耐熱性付与の為
に、シリコーンが含まれているものが上市されている
が、濡れが悪く、接着剤の接着性が劣るため、シリコー
ン成分は含まないインクが良い。一方、酸化重合型は放
置時間で硬化度合いが異なるので、その上に再剥離型粘
着層を塗工形成して接着させるのに、品質管理上、制御
しにくいという難がある。但しこれらインクは用途によ
り使い分ければ良い。

【００３４】また、可視情報としては、単なる黒色の文
字や記号等以外に、単色や多色のカラー印刷でもよく、
また黒白や二色或いはフルカラーの写真調の画像情報で
もよい。特に、カラー原稿を、イエロー、マゼンタ、シ
アン、それに必要に応じてブラックも加えたプロセスカ
ラー成分に色分解して得た色分解画像情報を用いて、該
プロセスカラーでオフセット印刷等で印刷形成したカラ
ー画像情報でも良いことは、本発明の透明性再剥離型情
報担持シートの大きな利点である。なお、カラー原稿と
は、印刷製版に於ける従来公知の原稿であり、カラーフ
ィルムやカラー印画紙等の他に、コンピュータで人工的
に創成した無形又は有形の原稿等も含む。また、色分解
して得た色分解画像情報とは、オフセット印刷であれば
各プロセスカラー毎の印刷版という有形のものである
が、インクジェット印刷や電子写真印刷等であれば適宜
メモリ等に蓄積される電気的な信号という無形のもので
ある。

【００３５】また、可視情報３は、透明性再剥離型粘着
層を形成する前に形成する必要があることから、葉書の
宛名等の可変情報でも良いが、商品説明等の固定情報の
方が適している。なお、可変情報とは、一単位の透明性
再剥離型情報担持シート毎に異なる情報、一単位の透明
性再剥離型情報担持シートの或る複数単位を一群とし
て、該一群の中で異なる情報である。具体的には、葉書
用シートであれば、宛名、利用明細内容等である。ま
た、固定情報とは、一単位の透明性再剥離型情報担持シ
ート間で共通する情報、一単位の透明性再剥離型情報担
持シートの或る複数単位を一群として、該一群の中で共
通する情報である。具体的には、葉書用シートであれ
ば、商品説明、差出人の情報、可変情報の記入枠等であ
る。

【００３６】なお、本発明の透明性再剥離型情報担持シ
ートは、基本的には以上の基材、透明性再剥離型粘着
層、及び可視情報からなるが、透明性再剥離型粘着層の
上に例えば文字等の別の可視情報も印字形成した形態と
しても良い。また、透明性再剥離型粘着層に従来使用し
ていたシリカ等の充填剤を含有させて表面を適度に荒ら
せば、印刷インクの印刷適性やスタンプ適性等も持たせ
ることもできる。

【００３７】また、本発明の透明性再剥離型情報担持シ
ートは、従来公知の方法によって、周縁部の一部等の透
明性再剥離型粘着層の外面にインク等による剥離層を設
けたり、重ね合わせるシートの角をカットしたりして、
再剥離時の剥離のきっかけを作っておいてもよい。ま
た、再剥離する接合面は、対面する面に互いに透明性再
剥離型粘着層を形成することを前提とするが、例えば、
接合時等の圧力の調整によっては、或いは合成紙等でそ
の表面物性から接着性が比較的安定しておれば、片面の
みの透明性再剥離型粘着層による接合でも再剥離性の接
合面、及び剥離後の再剥離型粘着層の透明性を享受する
ことが出来る。

【００３８】

【実施例】以下、本発明の透明性再剥離型粘着剤及びそ
れを用いた透明性再剥離型情報担持シートについて、実
施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。

【００３９】基材として、フォーム用マットコート紙
（日本製紙（株）製、ＭＣ−Ｍ＜９０＞）を用い、この
用紙をＺ折りした時に対面する両接着予定面を三等分し
た領域にし、その一つはインクによる可視情報の領域が
対面する様に、次の一つには可視領域と基材とが対面す
る様に、最後の一つには基材と基材とが対面する様にし
て、ＵＶ硬化型インクでベタ柄をオフセット印刷した
後、紫外線照射しインクを硬化させて、可視情報として
のインク層を形成した。次いで、印刷領域を含む用紙の
全面に、表１及び表２に示す粘着主剤及び充填剤を原料
に用い、表３に示す配合の透明性再剥離型粘着剤及び比
較例としての再剥離型粘着剤を塗工して再剥離型粘着層
を成形した。塗工は線数１５０線、版深５０μｍのコン
ベンショナルグラビア版を使用したグラビアコータによ
り、乾燥塗布重量を３ｇ／ｍ²とした。さらに、実施例
及び比較例の再剥離型粘着層の上に、フラッシュ定着式
連続帳票用のノンインパクトプリンタ（昭和情報機器
（株）製、ＳＸ−６３００III ）で文字を印字形成し
た。

【００４０】なお、比較例は、オフセット印刷による画
像形成を、従来の（透明性が悪い）再剥離型粘着層を形
成した後に該層の上に行ったものである。

【００４１】以上に様にして得られた、実施例及び比較
例の再剥離型粘着層上に文字がプリントされている、再
剥離型情報担持シートの１枚をＺ折りして、メールシー
ラー（大日本印刷（株）製、ＭＳ−９０００）で圧力を
加えて（ローラギャップ１７０μｍ）、対面する再剥離
型粘着層同士を接合した後に接合面を剥離することで、
以下の各種性能を評価した。

【００４２】透明性：基材上に印刷形成したＵＶ硬化
型の黒インク部分について、再剥離型粘着層の塗工形成
の有無による曇り具合を目視で判断し透明性を評価し
た。差が無い（透明）ものは○、やや曇るものは△、曇
るものを×とした。用紙への接着性：再剥離型粘着層と用紙間の接着力
を、接合前の状態でセロハンテープ剥離により行い、優
れているものを○、やや劣るものを△、劣るものを×と
した。インクへの接着性：再剥離型粘着層と印刷インク層間
の接着力を、接合前の状態でセロハンテープ剥離により
行い、優れているものを○、やや劣るものを△、劣るも
のを×とした。：感圧接着性：接合直後の再剥離型粘着層同士の間の
剥離力をＪＩＳ−Ｋ６８５４が規定するＴ形剥離試験に
準じて測定した。剥離力が１０以上〜７５未満〔ｇ／２
５ｍｍ〕で適度なものを○、剥離力が５以上〜１０未満
〔ｇ／２５ｍｍ〕でやや劣り剥がれやすいか、又は７５
以上〜１２５未満〔ｇ／２５ｍｍ〕でやや強すぎるもの
を△、剥離力が５ｇ／２５ｍｍ未満で容易に剥がれ過ぎ
るか、又は１２５ｇ／２５ｍｍ以上で強過ぎるものを×
とした。ドライタック：触感で評価し、優れているものを○、
やや劣るものを△、劣るものを×とした。耐ブロッキング性：〔再剥離型粘着層同士が対向する
様に重ね合わせて、重りにより２０ｇ／ｃｍ²の圧力を
加えて常温常湿下で１週間放置することで評価し、優れ
ているものを○、やや劣るものを△、劣るものを×とし
た。グラビア塗工適性：インク化適性（発泡がないこと）
及び機上安定性（塗布面の均一性及び凝集異物発生がな
いこと）で評価し、これらが優れているものを○、やや
劣るものを△、劣るものを×とした。プリント適性：再剥離型粘着層上へのＮＩＰによるト
ナーの文字形成について、問題なく形成できるものを
○、やや劣るものを△、劣るものを×とした。再剥離適性：接合直後および一日経過後に接合面を剥
がしたときに、の感圧接着性による剥離力が、殆ど変
化しないもの（一般的には時間とともに上昇する）を
○、若干変化するものを△、大きく変化するものを×と
した。

【００４３】※再剥離型粘着剤の構成原料表１及び表２に、表３中の材料記号の内容を示す。ま
た、表３中の粘着主剤及び充填剤の配合量は重量基準
で、固型分の記載のあるものは固形分以外の溶媒分も含
んだ重量を示す。また、所望の塗工量になる様に、粘着
主剤と充填剤とに適量のＩＰＡを添加希釈した液を塗工
液として使用した。なお、表１中の記号Ｃのアクリル系
樹脂（Ａｃｒ）は、ＩＰＡではなく水で希釈し消泡剤を
用いた。

【００４４】

【表１】Ａ、Ｂ、Ｃはソープフリー乳化重合によるラテックス

【００４５】

【表２】

【００４６】なお、表２中、Ｄのホウ酸アルミニウム
は、結晶学的に２軸であり、結晶軸a)〜c)によって、そ
れぞれ屈折率が異なる。また、Ｅの沈降炭酸カルシウム
は、軽質炭酸カルシウムとも呼ばれ、結晶学的には「方
解石」と呼ばれる。「方解石」は異方性が２方向あるた
め、屈折率も２種ある。

【００４７】

【表３】

【００４８】

【発明の効果】本発明によれば、再剥離型粘着層が従来
のものに比較して優れた透明性を有するので、再剥離型
粘着層の下に情報を形成しても、白濁して曇った感じが
なく、透明性をもって視認できる。また、特定の粘着主
剤等を用いればインクとの接着力が低下せず、透明性再
剥離型粘着層の下の可視情報を、印刷付着面積の大きい
ものとできるので、フルカラーの写真調画像情報等を多
用する用途に適している。特に、ダイレクトメールでは
商品の訴求効果の点から印刷品質が要求されるので、塗
工形成タイプの再剥離型粘着層では印刷品質が劣る為、
高価な再剥離性樹脂シートを従来は使用していたが、本
発明では安価な塗工形成タイプとして透明性再剥離型粘
着層を用いる事ができるので、顕著な経費削減効果が得
られる。また、インクにより接着性が低下しない点につ
いては、透明性再剥離型粘着層と基材上の情報記載面の
全領域に対して自由なサイズで印刷できるので、接合時
に対面する情報記載面に同様な印刷領域があっても接着
性に影響しないから、印刷領域を自由にレイアウトでき
る利点もある。さらに、第２の情報記載面として、透明
性再剥離型粘着層の外面にも文字等をプリントできるの
で、宛て名等の可変情報にも対応できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の透明性再剥離型情報担持シートの一実
施例の層構成を示す部分断面図。

【図２】本発明の透明性再剥離型情報担持シートの一実
施例であるＺ折りタイプの葉書用シートを示す表面図。

【図３】図２の葉書用シートのＡ−Ａ線での断面図。

【図４】図２の葉書用シートをＺ折りして得られる一枚
の葉書の断面図。

【図５】従来の材料構成による写真調印刷の可視情報の
形成領域を示す平面図。

【図６】図５のＢ−Ｂ線での断面図。

【図７】本発明の透明性再剥離型情報担持シートの他の
実施例である半折りタイプを示す断面図。

【符号の説明】

１基材２，２ａ，２ｂ透明性再剥離型粘着層３，３ａ，３ｂ可視情報４可変情報５，５ａ〜５ｃ折込線１０、１０ａ，１０ｂ透明性再剥離型情報担持シート１１，１４第１シート１２，１５第２シート１３第３シート２０従来の再剥離型情報担持シートＰ１第１の情報記載面（写真調の印刷が可能）Ｐ２第２の情報記載面（可変情報のプリントが可能）Ｐ３接合面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】接着前及び剥離後は通常の状態では接着
せず、少なくとも圧力により接着する再剥離型粘着剤で
あって、粘着主剤と充填剤とを少なくとも含有し、該充
填剤が屈折率１．６０以下の非孔質充填剤である、透明
性再剥離型粘着剤。
【請求項２】充填剤が樹脂粒子である請求項１記載の
透明性再剥離型粘着剤。
【請求項３】樹脂粒子が球状粒子である請求項２記載
の透明性再剥離型粘着剤。
【請求項４】球状粒子がポリスチレン樹脂粒子、アク
リル樹脂粒子のいずれか一方又は両方である請求項３記
載の透明性再剥離型粘着剤。
【請求項５】粘着主剤が、ゴムラテックス及びアクリ
ル系樹脂ラテックスの群から選ばれたものである請求項
１〜４のいずれか１項に記載の透明性再剥離型粘着剤。
【請求項６】ゴムラテックスが、スチレン−ブタジエ
ンゴムラテックス又はアクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムラテックスである請求項５記載の透明性再剥離型粘着
剤。
【請求項７】ゴムラテックス及びアクリル系樹脂ラテ
ックスが、ソープフリー乳化重合で得られたものである
請求項５又は６記載の透明性再剥離型粘着剤。
【請求項８】水性エマルション型塗液である請求項１
〜７のいずれか１項に記載の透明性再剥離型粘着剤。
【請求項９】水性エマルション型塗液がイソプロピル
アルコールを含有する請求項８記載の透明性再剥離型粘
着剤。
【請求項１０】少なくとも基材の再剥離する接着予定
面に、接着前及び剥離後は通常の状態では接着しない透
明性再剥離型粘着層が塗布形成されている情報担持シー
トであって、基材と透明性再剥離型粘着層との間には可
視情報が形成されており、該透明性再剥離型粘着層が請
求項１〜９のいずれか１項に記載の透明性再剥離型粘着
剤により形成されている透明性再剥離型情報担持シー
ト。
【請求項１１】可視情報が固定情報である請求項１０
記載の透明性再剥離型情報担持シート。
【請求項１２】透明性再剥離型粘着層の外面に可変情
報が形成されている請求項１０又は１１記載の透明性再
剥離型情報担持シート。
【請求項１３】可視情報が、画像情報である請求項１
０，１１又は１２記載の透明性再剥離型情報担持シー
ト。
【請求項１４】画像情報が、単色又は多色による印刷
で形成されている請求項１３記載の透明性再剥離型情報
担持シート。
【請求項１５】画像情報が、プロセスカラーによる印
刷で形成されている請求項１４記載の透明性再剥離型情
報担持シート。
【請求項１６】画像情報が、カラー原稿をプロセスカ
ラーに色分解して得た色分解画像情報を用いたプロセス
カラーによる印刷で形成された、カラー画像情報である
請求項１５記載の透明性再剥離型情報担持シート。
【請求項１７】画像情報が写真調画像情報である請求
項１３〜１６項のいずれか１項に記載の透明性再剥離型
情報担持シート。