JP2003108132A - オーディオ情報再生装置及びオーディオ情報再生システム - Google Patents

オーディオ情報再生装置及びオーディオ情報再生システム

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JP2003108132A
JP2003108132A JP2001303026A JP2001303026A JP2003108132A JP 2003108132 A JP2003108132 A JP 2003108132A JP 2001303026 A JP2001303026 A JP 2001303026A JP 2001303026 A JP2001303026 A JP 2001303026A JP 2003108132 A JP2003108132 A JP 2003108132A
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浩二 小倉
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    • G10H2210/031Musical analysis, i.e. isolation, extraction or identification of musical elements or musical parameters from a raw acoustic signal or from an encoded audio signal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクジョッキーなどが2つの曲をつなぎ
合わせて途切れなく再生する場合に、再生速度のみなら
ず、拍の位置をも合わせて再生することを可能とするオ
ーディオ情報再生装置を提供する。 【解決手段】 楽曲がオーディオ情報として記録された
光ディスクなどの記録媒体からオーディオ情報が読み出
される。読み出されたオーディオ情報を処理することに
より、その楽曲中のBPM値及び拍の位置が検出され
る。そして、検出されたBPM値及び拍の位置に基づい
て、オーディオ情報を再生することにより、記録媒体か
ら楽曲が再生される。PBM値は楽曲のテンポを示し、
拍(ビート)は各楽曲中で繰り返される音の強弱を示す
ので、検出されたBPM値及び拍位置に基づいてオーデ
ィオ情報を再生することにより、楽曲は正しいテンポ及
び拍子で違和感無く再生される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽曲に対応するオ
ーディオ情報が記録された記録媒体の再生装置の技術分
野に属し、特にいわゆるディスクジョッキー(DJ)が
複数の記録媒体から楽曲を途切れなく再生するためのオ
ーディオ情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、クラブと呼ばれる店舗、施設で
は、ディスクジョッキーと呼ばれる音楽編集者がダンス
ミュージックを選択して再生し、これに合わせて人々が
ダンスを踊って楽しむ。通常、ダンスミュージックとし
て再生される楽曲は数分程度のものが多いため、ディス
クジョッキーは複数の楽曲を途切れないようにうまくつ
なぎあわせて再生して、人々が楽曲の切れ目をあまり感
じずに継続的にダンスを楽しむことができるようにして
いる。
【0003】複数の楽曲を途切れなく再生し続けるため
には、再生中の1つの楽曲が終了する際にその再生音量
を徐々に低下させるとともに、次の楽曲の再生を開始し
て音量を徐々に上昇させて、2つの楽曲を途切れなくつ
なぎ合わせる。例えば、ディスク型のオーディオ記録媒
体を利用する場合、少なくとも2台のディスクプレイヤ
ーを用意し、まず1枚の音楽ディスクから楽曲を再生す
る。その楽曲の再生が終わりに近づくと、ディスクジョ
ッキーはもう一台のディスクプレイヤーで他の音楽ディ
スクから別の楽曲の再生を開始する。その際、つなぎ合
わせる2つの楽曲のリズムが揃わないと、2つの楽曲の
つなぎ目がぎこちなく聞こえてしまう。
【0004】そこで、2つの楽曲のオーディオデータか
らそれぞれの単位時間あたりの拍数(BPM:Beat Per
Minute、曲の早さに対応する)を検出し、2つの楽曲
のBPMが一致するようにディスクプレイヤーの再生速
度を制御することが可能なオーディオ情報再生装置が知
られている。なお、楽曲のオーディオデータからBPM
を検出する方法は、例えば特開平8−201542号公
報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、BPMを検出
して、つなぎ合わせようとする2つの楽曲の再生速度を
一致させたとしても、曲の拍の位置がずれていると、聞
いている人はやはり違和感を感じてしまう。
【0006】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であり、ディスクジョッキーなどが2つの曲をつなぎ合
わせて途切れなく再生する場合に、再生速度のみなら
ず、拍の位置をも合わせて再生することを可能とするオ
ーディオ情報再生装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点で
は、オーディオ情報再生装置において、記録媒体から、
楽曲を構成するオーディオ情報を読み取る読取手段と、
前記オーディオ情報に基づいて、前記楽曲中の拍位置を
検出する拍検出手段と、検出された拍位置に基づいて、
前記オーディオ情報を再生する再生手段と、を備える。
【0008】また、同様の観点では、記録媒体から、楽
曲を構成するオーディオ情報を読み取る読取手段と、前
記オーディオ情報に基づいて、前記楽曲中の拍位置を検
出する拍検出手段と、検出された拍位置に基づいて、前
記オーディオ情報を再生する再生手段と、を備えるオー
ディオ情報再生装置としてコンピュータを機能させるた
めのコンピュータプログラムが提供される。
【0009】上記のオーディオ情報再生装置によれば、
楽曲がオーディオ情報として記録された光ディスクなど
の記録媒体からオーディオ情報が読み出される。読み出
されたオーディオ情報を処理することにより、その楽曲
中の拍の位置が検出される。そして、検出された拍の位
置に基づいて、オーディオ情報を再生することにより、
記録媒体から楽曲が再生される。
【0010】ここで、拍(ビート)は各楽曲中で繰り返
される音の強弱を示すので、検出された拍位置に基づい
てオーディオ情報を再生することにより、楽曲は正しい
拍子で違和感無く再生される。
【0011】上記のオーディオ情報再生装置の一態様で
は、前記オーディオ情報に基づいて、前記楽曲の速度値
を検出する速度検出手段をさらに備え、前記拍検出手段
は、前記速度値を用いて前記拍位置を検出する。
【0012】この態様によれば、記録媒体から読み出さ
れたオーディオ情報から、楽曲の速度値が検出される。
速度値は、例えば単位時間あたり(毎分)に含まれる拍
(Beat)の数を示すBPM(Beat Per Minute)値とす
ることができ、楽曲の速度、テンポを示している。楽曲
中における拍は、その楽曲のテンポに応じた一定の時間
的周期毎に現れるので、検出された速度値に基づいて拍
位置を検出することにより、正確に拍位置を検出するこ
とが可能となる。
【0013】上記のオーディオ情報再生装置の他の一態
様では、前記拍検出手段は、前記オーディオ情報のレベ
ルのピークを検出するレベル検出手段と、前記ピークが
拍に相当するか否かを判定する判定手段と、を備える。
【0014】この態様によれば、記録媒体から読み出さ
れたオーディオ情報のレベルが検出され、レベルのピー
クが検出される。このようなピークは、楽曲中の楽音の
強弱に基づいて複数検出される。そして、検出された複
数のピークそれぞれについて、そのピークが拍に相当す
るか否かが判定される。拍は、楽音中の音の強弱、特に
音の強い部分に対応するので、検出された複数のピーク
のなかから拍を判定することにより、正しい拍検出が可
能となる。
【0015】上記のオーディオ情報再生装置のさらに他
の一態様では、前記判定手段は、判定対象のピークと、
時間的に当該判定対象のピークの1つ前のピークとの時
間間隔が、前記速度値に基づいて決定される拍間時間の
整数倍に相当するという第1の条件を具備するか否かを
判定する第1判定手段と、前記判定対象のピークと、時
間的に当該判定対象のピークの1つ前に位置し、かつ、
拍と判定されたピークとの時間間隔が、前記速度値に基
づいて決定される拍間時間の整数倍に相当するという第
2の条件を具備するか否かを判定する第2判定手段と、
前記判定対象のピークが、前記第1の条件及び前記第2
の条件の両方を具備した場合に、当該判定対象のピーク
を拍と判定する手段と、を備える。
【0016】この態様によれば、オーディオ情報から検
出された複数のピークの各々が拍であるか否かが、2つ
の条件に照らして判定される。第1の条件は、判定対象
のピークと、時間的に当該判定対象のピークの1つ前の
ピークとの時間間隔が、前記速度値に基づいて決定され
る拍間時間の整数倍に相当するというものである。ま
た、第2の条件は、前記判定対象のピークと、時間的に
当該判定対象のピークの1つ前に位置し、かつ、拍と判
定されたピークとの時間間隔が、前記速度値に基づいて
決定される拍間時間の整数倍に相当するというものであ
る。
【0017】楽曲中の拍は、その楽曲のテンポに応じて
一定周期で繰り返し現れるものであるので、理論的にB
PM値などの速度値に基づいて決定される拍間時間の整
数倍で現れるはずである。なお、拍間時間とは、1つの
拍と次の拍との間の時間であり、速度値に基づいて1つ
の値に決まるものである。よって、拍に対応するピーク
は、その1つ前の拍に対応するピークから、拍間時間の
整数倍経過した時間軸上の位置に現れるはずである。第
2の条件はこの条件を調べており、この第2の条件を具
備するピークのみが拍の候補とされる。
【0018】また、第2の条件のみで拍の判定を行う
と、1つ前の拍に対応すると判定されたピークが、実は
楽曲の拍には対応していない(即ち、拍であると誤判定
されている)場合には、誤判定された拍の周期でその後
の拍がずっと誤判定されてしまう。ある周期のピークが
拍であると誤判定されている場合には、それらのピーク
の周期とはずれた位置で本当の拍に対応するピークが現
れるはずである。よって、第1の条件により、連続する
ピーク間の時間間隔が拍間時間の整数倍に対応するピー
クのみを拍と決定することとすれば、正しい拍に対応す
る位置で現れたピークに基づいて、その後は正しい拍が
検出されるようになる。
【0019】よって、以上の第1の条件と第2の条件の
両方を具備するピークのみを拍と判定することにより、
正確な拍検出が実行される。
【0020】上記のオーディオ情報再生装置のさらに他
の一態様では、前記判定手段は、前記判定対象のピーク
と、時間的に当該判定対象のピークの1つ前に位置し、
かつ、拍と判定されたピークとの時間間隔が、前記速度
値に基づいて決定される拍間時間の所定倍数に対応する
時間以上である場合に、前記判定対象のピークの1つ前
のピークから前記拍間時間の所定倍数に対応する時間軸
上の位置に拍があると決定する手段をさらに備える。
【0021】この態様によれば、所定時間以上拍と判定
されるピークが現れない場合には、その後の拍検出に支
障が出るので、便宜上強制的に拍を決定してしまう。そ
のように強制的に決定された拍が誤っていたとしても、
第1の条件を加味して拍検出を行っているため、正しい
拍が検出されるようになる。よって、強制的に拍を決定
することにより、拍検出処理が円滑に進むようにしてい
る。
【0022】上記のオーディオ情報再生装置のさらに他
の一態様では、前記判定手段は、1つの楽曲に対応する
前記オーディオ情報の読取開始後に前記レベル検出手段
が最初に検出したピークを拍であると決定する手段をさ
らに備える。
【0023】この態様によれば、過去に拍であると判定
されたピークが存在しないと、条件2の判定が実行でき
ないので、楽曲の最初に検出されたピークを強制的に拍
であると決定して、その後の拍検出処理を円滑に行える
ようにしている。そのように強制的に決定された拍が誤
っていたとしても、条件1を含んだ判定が行われるの
で、処理を継続するうちに正しい拍が検出されるように
なる。
【0024】上記のオーディオ情報再生装置のさらに他
の一態様では、前記速度値と、前記拍検出手段により検
出された拍位置とに基づいて、前記検出された拍位置を
補間する手段をさらに備える。
【0025】この態様によれば、検出された拍のうち、
不足している拍が補間により補われる。拍検出は、オー
ディオ情報レベルのピークに基づいて検出されるため、
拍の位置に対応してもオーディオ情報のレベルが低い場
合は拍として検出できず、よって、楽曲中の全ての拍が
検出できるわけではない。よって、検出された拍に基づ
いて必要な補間を行って周期的な拍位置を設定し、それ
に基づいて楽曲の再生が行われる。
【0026】上記のオーディオ情報再生装置のさらに他
の一態様では、前記速度値と、前記拍検出手段により検
出された拍位置とに基づいて、拍位置を予測する手段を
さらに備える。
【0027】この態様によれば、再生装置の構成上、拍
検出処理に先だって楽曲の再生が行われるタイプの再生
装置では、既に検出された拍位置に基づいて、将来の拍
位置を予測し、予測された拍位置に基づいて楽曲の再生
が行われる。
【0028】上記のオーディオ情報再生装置のさらに他
の一態様では、前記レベル検出手段は、前記オーディオ
情報を複数の帯域に分割する手段と、時間的に近接する
前記帯域毎のオーディオ情報を加算処理することによ
り、前記ピークを検出する手段と、を備える。
【0029】この態様では、オーディオ情報を複数の帯
域に分割し、帯域別得られたレベルを加算することによ
りピークが検出される。よって、記録媒体から読み出さ
れたオーディオ情報にノイズが含まれる場合に、ノイズ
の影響を軽減して正確なピーク検出を行うことができ
る。
【0030】上記のオーディオ情報再生装置のさらに他
の一態様では、前記レベル検出手段は、前記ピークが所
定時間以上検出されない場合に、最後に検出されたピー
クから所定時間後の時間軸上の位置にピークを設定する
手段をさらに備える。
【0031】この態様では、オーディオ情報からピーク
が長い時間にわたって検出されない場合には、強制的に
ピークを設定する。楽曲によっては、拍の位置において
もオーディオ情報レベルが低い場合があるので、ある程
度強制的に拍の候補であるピークを設定して、拍の判定
を行うことにより、円滑に拍検出処理が実行できるよう
にする。
【0032】本発明の他の観点によれば、オーディオ情
報再生システムにおいて、上記の構成を有する第1のオ
ーディオ情報再生装置及び第2のオーディオ情報再生装
置と、前記第1のオーディオ情報再生装置からの第1の
再生オーディオ情報、及び、前記第2のオーディオ情報
再生装置からの第2の再生オーディオ情報が、それぞれ
の速度値及び拍位置が一致するように再生されるよう
に、前記第1のオーディオ再生装置及び前記第2のオー
ディオ再生装置を制御する制御手段と、を備える。
【0033】上記のオーディオ情報再生システムによれ
ば、2つのオーディオ情報再生装置からの楽曲再生が同
期して行われる。2つのオーディオ再生装置の同期処理
は、それぞれの再生装置からの再生オーディオ情報の速
度値及び拍位置が一致するように各再生装置を制御する
ことにより行われる。これにより、例えばDJなどが1
つの曲から次の曲へと再生曲を切り換える際に、曲のテ
ンポと拍の位置が一致した状態で曲が切り換わるので、
聞いている者が違和感を感じることが少ない。
【0034】上記オーディオ情報再生システムの一態様
では、前記制御手段は、前記第2の再生オーディオ情報
の速度値が前記第1の再生オーディオ情報の速度値に一
致するように前記第2のオーディオ再生装置を制御する
手段と、前記第1の再生オーディオ情報の速度値が前記
第2の再生オーディオ情報の速度値と一致した状態で、
前記第2の再生オーディオ情報の拍位置が、前記第1の
再生オーディオ情報の拍位置と一致するように前記第2
のオーディオ再生装置を制御する手段と、を備える。
【0035】この態様によれば、2つのオーディオ情報
再生装置からの再生は、まず、BPM値などの速度値が
一致するように各再生装置の再生速度が制御され、次
に、再生速度が一致した状態で拍位置も一致するように
再生装置の再生位置が制御される。
【0036】上記オーディオ情報再生システムの他の一
態様では、前記第1のオーディオ情報再生装置は、前記
第1の再生オーディオ情報中の拍頭の位置を検出する第
1の拍頭検出手段を備え、前記第2のオーディオ情報再
生装置は、前記第2の再生オーディオ情報中の拍頭の位
置を検出する第2の拍頭検出手段を備え、前記制御手段
は、前記第2の再生オーディオ情報の拍頭位置を、前記
第1の再生オーディオ情報の拍頭位置と一致させるよう
に前記第2のオーディオ情報再生装置を制御する手段を
備える。
【0037】この態様では、各再生オーディオ情報か
ら、拍頭が検出される。ここで拍頭とは、楽曲を構成す
る小節の頭に位置する強拍である。よって、2つのオー
ディオ情報再生装置からの再生オーディオ情報の拍頭が
相互に一致するように再生することにより、2つの楽曲
の再生位置を小節単位で一致させることができ、聞く者
が感じる違和感をより小さくすることができる。
【0038】上記のオーディオ情報再生システムのさら
に他の一態様では、前記第1の拍頭検出手段及び前記第
2の拍頭検出手段は、操作者が入力装置を操作したタイ
ミングを前記拍頭の位置として検出する。
【0039】この態様によれば、再生された楽曲を聴い
て操作者が拍頭位置を手動入力するので、単純な構成で
拍頭位置を容易に検出することができる。
【0040】上記のオーディオ情報再生システムのさら
に他の一態様では、前記第1の拍頭検出手段及び前記第
2の拍頭検出手段は、前記記録媒体上に記録された前記
楽曲毎の時間管理情報に基づいて、前記拍頭の位置を検
出する。
【0041】この態様によれば、記録媒体に記録された
楽曲毎の時間管理情報に基づいて、各楽曲の拍頭位置が
自動検出される。CDなどのディスク型記録媒体では、
記録された楽曲毎に、その楽曲の先頭からの時間を示す
情報(タイムコード、アドレスなど)が記録されてい
る。通常、1つの楽曲中でテンポ(即ち、BPM値)が
変わることは少ないので、BPM値に基づいてその楽曲
の1小節に対応する時間が算出できる。よって、時間管
理情報を参照して、楽曲中における小節の頭、即ち拍頭
の位置を検出することができる。
【0042】本発明のさらに他の観点では、オーディオ
情報再生装置において、記録媒体から、楽曲を構成する
オーディオ情報を読み取る読取手段と、前記オーディオ
情報に基づいて、前記楽曲の速度値を検出する速度検出
手段と、前記速度値を用いて、前記オーディオ情報から
前記楽曲中の拍位置を検出する拍検出手段と、前記の再
生オーディオ情報中の拍頭の位置を検出する拍頭検出手
段と、前記速度値、前記拍位置及び前記拍頭の位置に基
づいて、前記オーディオ情報を再生する再生手段と、を
備える。
【0043】上記のように構成されたオーディオ情報再
生装置によれば、記録媒体から、楽曲に対応するオーデ
ィオ情報が読み出され、それに基づいて速度値及び拍位
置が検出されるとともに、オーディオ情報中に拍頭の位
置が検出される。再生手段は速度値、拍位置及び拍頭の
位置に基づいてオーディオ情報を再生することにより、
楽曲が正しいテンポ及び拍子で再生される。
【0044】上記のオーディオ情報再生装置の一態様で
は、前記拍頭検出手段は、前記記録媒体上に記録された
前記楽曲毎の時間管理情報に基づいて、前記拍頭の位置
を検出する。
【0045】この態様では、記録媒体に記録された楽曲
毎の時間管理情報に基づいて、各楽曲の拍頭位置が自動
検出される。CDなどのディスク型記録媒体では、記録
された楽曲毎に、その楽曲の先頭からの時間を示す情報
(タイムコード、アドレスなど)が記録されている。通
常、1つの楽曲中でテンポ(即ち、BPM値などの速度
値)が変わることは少ないので、時間管理情報を参照し
て、楽曲中における小節の頭、即ち拍頭の位置を検出す
ることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】[前提説明]本発明の実施形態の
説明に先立ち、拍(ビート:Beat)の概念について簡単
に述べておく。
【0047】拍(ビート)とは音楽の時間的継続におけ
る基本単位であり、各楽曲中で繰り返される音の強弱を
示す。拍には強拍と弱拍とがあり、それらの組み合わせ
により小節ごとの楽曲が形成される。一小節は、二拍子
では強拍−弱拍により構成され、三拍子では強拍−弱拍
−弱拍により構成され、四拍子では強拍−弱拍−中強拍
−弱拍から構成される。なお、本明細書では、一小節の
頭、即ち一小節の最初に位置する強拍を「拍頭」と呼
ぶ。
【0048】[オーディオ情報再生装置]次に、図面を
参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、前述のクラブなど
において楽曲を演奏するために使用され、複数のプレー
ヤから出力される楽曲を重畳して演奏用の楽曲を生成す
るミキサを含むオーディオ情報再生装置に対して本発明
を適用した場合の実施の形態である。
【0049】始めに、実施形態に係るオーディオ情報再
生装置の全体構成及び動作について、図1を用いて説明
する。なお、図1は実施形態に係るオーディオ情報再生
装置の概要構成を示すブロック図である。
【0050】図1に示すように、本実施形態に係るオー
ディオ情報再生装置Sは、ミキサ1と、プレーヤ2及び
3と、アンプ4と、スピーカ5及び6と、により構成さ
れている。プレーヤ2及び3は、いわゆるアナログレコ
ードを再生するアナログプレーヤであってもよいし、コ
ンパクトディスク(CD(Compact Disk))又はDVD
をディジタル的に再生するディジタルプレーヤであって
もよい。また、プレーヤ2及び3をパーソナルコンピュ
ータなどにより構成し、再生用ソフトウェア(プログラ
ム)を実行することによりCD、DVD、メモリカード
又はハードディスクなどに記録された音楽ファイルを再
生するものとしてもよい。なお、以下の説明では、プレ
ーヤ2及び3はCDなどの光ディスクからディジタルオ
ーディオ情報を再生するものとする。
【0051】なお、上記ミキサ1とプレーヤ2及び3と
は実際には一体的にオーディオラック等内に据え付けら
れている。
【0052】次に、各部の概要動作を説明する。
【0053】先ず、各プレーヤ2及び3は、それぞれ光
ディスクを再生し、複数の楽曲を含む楽曲信号を生成し
てミキサ1に出力する。ミキサ1は、上記ディスクジョ
ッキーの操作に基づいて、生成された各楽曲信号を合成
し、ミキサ信号Smxを生成してアンプ4へ出力する。
【0054】アンプ4は、ミキサ信号Smxに含まれる各
楽曲を増幅し、左チャンネルに含まれるべきオーディオ
情報(楽器等の音情報及び歌唱等の音声情報の双方を含
む。以下、同じ。)を含む左信号Solと右チャンネルに
含まれるべきオーディオ情報を含む右信号Sorとを夫々
生成し、左チャンネル用のスピーカ5及び右チャンネル
用のスピーカ6へそれぞれ出力する。これにより、各ス
ピーカ5及び6は対応する左信号Sol及び右信号Sorに
含まれるオーディオ情報を音として出力する。
【0055】次に、本発明に係るミキサ1並びにプレー
ヤ2及び3の細部構成及び動作について、図2を用いて
説明する。なお、図2は本発明に係るミキサ1並びにプ
レーヤ2及び3の細部構成を示すブロック図である。
【0056】先ず、図2に示すように、再生すべき楽曲
がディジタルオーディオ情報として記録されている光デ
ィスクDAを再生するプレーヤ2は、ピックアップ10
と、デコーダ11と、DSP(Digital Signal Process
or)12と、メモリ13と、D/A(ディジタル/アナ
ログ)コンバータ14と、サブCPU15と、VCO
(Voltage Controlled Oscillator)16と、により構
成されている。
【0057】一方、再生すべき楽曲が記録されている光
ディスクDBを再生するプレーヤ3は、上記プレーヤ2
と同様の構成を備えており、具体的には、ピックアップ
20と、デコーダ21と、DSP22と、メモリ23
と、D/Aコンバータ24と、サブCPU25と、VC
O26と、により構成されている。
【0058】さらに、ミキサ1は、CPU30と、操作
部31と、表示部32と、加算器33と、により構成さ
れている。
【0059】次に、各部の動作を説明する。なお、以下
の説明において、プレーヤ2とプレーヤ3とはほぼ同様
の態様で動作するので、これらは共通的に説明する。
【0060】プレーヤ2又は3において、光ディスクD
A又はDBからそれぞれに記録されているダンス用の楽
曲を再生する場合には、先ず、ピックアップ10又は2
0が半導体レーザ等よりなる図示しない光源を駆動する
ことにより再生用の光ビームB1又はB2を射出し、そ
れぞれの光ディスクDA又はDBからの反射光を受光す
ることにより当該光ディスクDA又はDBに記録されて
いる楽曲に対応するRF(Radio Frequency)信号であ
る再生信号Spa又はSpbをそれぞれ生成し、デコーダ1
1又は21に出力する。
【0061】これにより、デコーダ11又は21は、入
力される再生信号Spa又はSpbに対して波形整形処理、
復号処理及び増幅処理等を施すと共にこれらをディジタ
ル化し、ディジタル復号信号Sda又はSdbをそれぞれ生
成し、DSP12又は22へ出力する。
【0062】なお、上述したピックアップ10又は20
における再生信号Spa又はSpbの生成及びデコーダ11
又は21におけるディジタル復号信号Sda又はSdbの生
成は、例えば4倍速などの高速で実行され、生成された
ディジタル復号信号Sda又はSdbが4倍速でDSP12
又は22に出力される。
【0063】そして、DSP12又は22は、入力され
るディジタル復号信号Sda又はSdbに含まれる再生すべ
き楽曲のBPM(Beat Per Minutes)値をそれぞれ検出
するとともに、再生すべき楽曲に含まれる拍位置を検出
し、当該BPM値及び拍位置を示す情報を含む同期制御
信号Sbpa又はSbpbをそれぞれサブCPU15又は25
に出力する。さらに、DSP12又は22は、サブCP
U15又は25からの後述する制御信号Scda又はScdb
に基づいてディジタル復号信号Sda又はSdbに対して後
述する種々の処理を施し、楽曲信号Sra又はSrbを生成
してD/Aコンバータ14又は24にそれぞれ出力す
る。
【0064】このとき、DSP12又は22は当該処理
に必要なデータをメモリ信号Smoa又はSmobとして一時
的にメモリ13又は23に記憶させ、更に当該記憶され
ているデータをメモリ信号Smia又はSmibとしてメモリ
13又は23から読み出しつつ当該処理を行う。ここ
で、光ディスクDA又はDBからの再生信号Spa又はS
pbの検出からメモリ信号Smoa又はSmobのメモリ13又
は23への記憶までの一連の処理は例えば4倍速などに
より高速で実行され、一方メモリ信号Smia又はSmibの
メモリ13又は23からの読み出し以降の各処理は通常
の速度(すなわち、一倍速)により実行される。
【0065】そして、D/Aコンバータ14又は24
は、処理された楽曲信号Sra又はSrbをそれぞれアナロ
グ信号に変換し、アナログ楽曲信号Saa又はSabを生成
して加算器33へ出力する。
【0066】このとき、DSP12又は22からの楽曲
信号Sra又はSrbの読み出し速度及びD/Aコンバータ
14又は24におけるディジタル/アナログ変換周波数
(変換速度)は、それぞれVCO16又は26からの速
度制御信号Sfva及びSfda又は速度制御信号Sfvb及び
Sfdbに基づいて制御され、より具体的には、DSP1
2又は22へのディジタル復号信号Sda又はSdbの入力
速度が4倍速であっても上記通常の速度とされている。
【0067】そして、加算器33は、当該アナログ楽曲
信号Saaとアナログ楽曲信号Sabとを加算し、ミキサ1
の出力としての上記ミキサ信号Smxを生成してアンプ4
へ出力する。
【0068】一方、上述した各部材の処理において、サ
ブCPU15又は25は、CPU30からの制御信号S
ca又はScb並びにDSP12又は22からの同期制御信
号Sbpa又はSbpbに基づくと共に相互に制御信号Sccの
授受を行いつつ、制御信号Scda又はScdbを生成してD
SP12又は22へ出力する。
【0069】これと並行して、サブCPU15又は25
は、VCO16又は26の動作を制御するための制御信
号Scva又はScvbを生成してVCO16又は26にそれ
ぞれ出力する。これにより、VCO16又は26は、上
述したようにDSP12又は22からの楽曲信号Sra又
はSrbの出力速度及びD/Aコンバータ14又は24に
おけるディジタル/アナログ変換周波数を制御すべく、
上記速度制御信号Sfva及びSfda又は速度制御信号Sfv
b及びSfdbをそれぞれ生成してDSP12又は22並び
にD/Aコンバータ14又は24へ出力する。
【0070】更に、CPU30は、サブCPU15又は
25に上述した再生制御を実行させるべく上記制御信号
Sca又はScbを生成して当該サブCPU15又は25に
出力する。
【0071】このとき、CPU30を介してミキサ1並
びにプレーヤ2及び3の動作を指定するための操作は操
作部31において実行され、当該操作に対応する操作信
号SinがCPU30へ出力される。そして、CPU30
は、当該操作信号Sinに基づいて上記制御を行う。
【0072】更に、上記CPU30により制御されるミ
キサ1並びにプレーヤ2及び3の動作に係る情報(具体
的には、上記検出された各BPM値等)は当該CPU3
0から表示信号Sdpとして出力され、表示部32におい
てディスクジョッキー等に対して表示される。
【0073】[DSPの構成及び動作]次に、DSP1
2及び22について説明する。なお、DSP12と22
は同一の構成を有するので、以下の説明は1つのDSP
12のみについて説明する。
【0074】図3に、DSP12の内部の概略構成を示
す。以下の説明においては、DSP内部の構成要素のう
ち、特に本発明の拍検出に関連する部分を主として説明
を行う。図3に示すように、DSP12は、レベル検出
部35と、再生制御部36と、BPM検出部37と、拍
検出部38とを備える。
【0075】デコーダ11から出力されるディジタル復
号信号Sdaは、再生制御部36に入力される。前述のよ
うに、ディジタル復号信号Sdaは例えば4倍速で読み出
された信号であり、再生制御部36はこれをメモリ信号
Smoaとしてメモリ13に供給する。そして、再生制御
部36は、メモリ13に一時的に記憶したオーディオ再
生信号をメモリ信号Smiaとして通常速度で読み出し、
再生信号SraとしてD/Aコンバータ14へ供給する。
こうして、光ディスクDAからオーディオ信号が再生さ
れる。
【0076】また、デコーダ11から出力されたディジ
タル復号信号Sdaはレベル検出部35にも入力される。
レベル検出部35は、光ディスクDAからの読取信号で
あるディジタル復号信号Sdaに含まれるオーディオデー
タのレベルを検出し、レベル検出信号SdetをBPM検
出部37及び拍検出部38に供給する。
【0077】本実施形態では、レベル検出部35は、デ
ィジタル復号信号Sdaを低域、中域及び高域の3つの周
波数帯域に分割し、各帯域毎に信号レベルを検出してオ
ーディオ信号中に含まれるオーディオ信号のレベルを示
すレベル検出信号(ディジタルデータ値)を得る。そし
て、各帯域のレベル検出信号をレベル検出信号Sdetと
してBPM検出部37及び拍検出部38へ供給する。
【0078】BPM検出部37は、各帯域のレベル検出
信号に基づいてBPMを求め、同期制御信号Sbpaに含
めてサブCPU15へ供給する。具体的には、BPM検
出部は図4に示すように、レベル検出部35からのレベ
ル検出信号Sdetに基づいて、オーディオ信号波形のピ
ークを検出し、連続するピークの間隔を求める。検出さ
れたピークが楽曲の拍位置に対応すると仮定すれば、ピ
ーク間隔に基づいてBPM(1分あたりに含まれる拍の
数)が計算により求められる。実際には、ピーク間隔の
検出を所定時間にわたって行い、検出されたピーク間隔
値を統計的に処理してBPMを算出する。なお、BPM
検出の詳細な方法については、例えば特開平8−201
542号公報に記載されている。
【0079】一方、拍検出部38は、レベル検出部38
から供給された、各帯域毎のレベル検出信号Sdetに基
づいて、再生オーディオ信号中の拍の位置を検出し、拍
位置を示す信号を同期制御信号Sbpaに含めてサブCP
U15に供給する。
【0080】こうして、デコーダ11から出力されるデ
ィジタル復号信号Sdaに基づいて、DSP12は再生さ
れたオーディオ信号のBPM値及び拍位置の情報を含む
再生制御信号Sbpaを生成し、サブCPU15へ供給す
る。
【0081】一方、プレーヤ3内のDSP22も上述の
DSP12と同様の処理を行い、デコーダ21から出力
されるディジタル復号信号Sdbに基づいて、再生された
オーディオ信号のBPM値及び拍位置の情報を含む再生
制御信号SbpbをサブCPU25へ供給する。
【0082】後に詳しく述べるように、ミキサ1内のC
PU30は、これらの再生制御信号Sbpa及びSbpbに基
づいて、2つのプレーヤ2及び3の同期再生を行う。
【0083】[拍位置の検出]次に、拍位置の検出方法
について詳細に説明する。拍位置の検出は、レベル検出
部35から出力された各帯域毎のレベル検出信号に基づ
いて行われる。本実施形態では、レベル検出部35は低
域、中域及び高域の3帯域毎に再生オーディオ信号レベ
ルを検出する。
【0084】拍検出処理では、まず、(1)これら3帯
域の再生オーディオ信号レベルに基づいて、全帯域の再
生オーディオ信号レベルのピークを検出し、次に、
(2)検出された複数のピークについて2つの条件に基
づいて、それら各ピークが再生オーディオ信号中の拍に
相当するか否かを判定して拍位置を検出する、という手
順で処理が実行される。
【0085】まず、全帯域の再生オーディオ信号レベル
のピーク検出について図5を参照して説明する。図5
(a)はレベル検出部35から出力された3帯域のレベ
ル検出信号を表示したグラフである。図5(a)におい
て、横軸は時間に対応し、横軸に付された数値は再生オ
ーディオ信号のBPMに応じて決まる特定の時間幅(以
下、「ポイント」と呼ぶ。)を示す。例えば再生される
曲が4拍子でテンポが120BPMであり、1拍が8ポ
イントに対応するとすれば、1ポイントは1/16秒に
対応することになる。なお、この時間軸は説明の便宜上
設定したものであり、テンポの異なる曲では当然に異な
ることになる。また、図5(a)の縦軸は、レベル検出
部35により検出された再生オーディオ信号(ディジタ
ル信号)の検出レベルを示す。
【0086】まず、図5(a)に示すように、各帯域
(低域、中域及び高域)の再生オーディオ信号のレベル
が時系列に整列される。そして、検出された再生オーデ
ィオ信号のうち、時間軸上で近接しているものをそれぞ
れ加算して加算値を計算する。
【0087】図5(b)はこうして計算された加算値を
縦軸に示しており、横軸は図5(a)と同一の時間軸を
示している。なお、「時間軸上で近接している」とは、
所定の時間幅内にあることをいう。図5(a)に示す例
では、1/8拍以内にあるデータを近接していると判定
している。図5(a)及び(b)の例では、1拍が8ポ
イントに対応するので、前後1ポイント以内にある(即
ち、隣接する)データが加算されている。
【0088】こうして、図5(b)に示すように加算値
が求められると、次に得られた加算値について、前後の
加算値のレベルを比較することにより、ピークを検出す
る。つまり、図5(b)に示すように、加算値を直線で
結んでグラフ化した際のピークのみを選択する(即ち、
ボトムは選択しない)。図5(b)の例では、ピークp
1〜p5、p7及びp8が選択される。
【0089】次に、こうして得られたピークに加え、図
5(b)に示す加算値のグラフにおいて所定時間以上ピ
ークが現れない場合には、強制的にピークを設定する。
本例では、約2拍以上ピークが現れない場合には、前の
ピークから2拍目に相当する位置付近に存在するデータ
をピークとみなすこととしている。但し、図5(b)で
は、2拍に±1/8拍の誤差分を加味して、1.875
拍(1+7/8拍)以上ピークが現れないので、ピークp
6のデータを強制的にピークとみなしている。
【0090】以上のようにして、再生オーディオ信号に
含まれるピークが検出される。これらピークは、再生オ
ーディオ信号中におけるレベルが高い部分であり、楽曲
の拍の候補であると考えられる。
【0091】次に、拍の候補として得られた各ピークに
ついて、実際にそれらが拍であるか否かの判定を行う。
判定する際には、以下の2つの条件の両方が具備された
場合に、そのピークを拍であると判定することとする。
【0092】(条件1):判定の対象となるピークと、
それに時間的に先行するピークとの間の時間間隔が、B
PMに基づいて算出された拍間時間の1〜4の整数倍
(但し、所定の誤差分を含む)に相当すること。
【0093】(条件2):判定の対象となるピークと、
それに時間的に先行する拍位置(拍であると判定された
ピークの位置)との間の時間間隔が、BPMに基づいて
算出された拍間時間の整数倍(但し、所定の誤差分を含
む)に相当すること。
【0094】上記の条件2は、既に拍であると判定され
たピークがあれば、BPMに基づいて次の拍位置はある
程度予測できるので、次の拍が来るであろうと予測され
る位置付近にあるピークを拍と判定するものである。
【0095】また、条件1は、実際には拍に対応しない
ピークを誤って拍であると判定した場合に、誤った拍位
置に基づいて、その後の拍検出が修正できないまま継続
されてしまうことを防止するために行うものである。
【0096】上記条件1及び条件2における誤差分は、
例えば拍間時間の1〜4の整数倍に対して、±1/16
拍程度とすることができる。
【0097】次に、上記条件1及び条件2を利用した拍
検出処理の具体例について図5及び図6を参照して説明
する。図6は、図5(a)及び(b)に示す再生オーデ
ィオ信号についての拍検出結果を示す。図6(a)は条
件1についての判定結果、図6(b)は条件2について
の判定結果、図6(c)は条件1及び条件2に基づく最
終的判定結果を示す。
【0098】まず、条件1の判定例について図6(a)
を参照して説明する。図5(b)に示すように、先に述
べた方法により特定されたピークp1〜p8について、
それぞれ、その1つ前のピークとの時間間隔を計算し、
その時間間隔が何拍に相当するかを計算する。計算結果
が図6(a)に示されている。
【0099】前のピークとの時間間隔がBPMから求め
た拍間時間の1〜4の整数倍に相当する場合、そのピー
クを拍であると判定する。なお、この例ではBPMから
求められた拍間時間の±1/16を許容誤差としている。よ
って、図6(a)に示すように、ピークp4及びp5に
ついての判定結果がOKとなり、条件1を具備すること
がわかる。
【0100】次に、条件2の判定例について図6(b)
を参照して説明する。同様に図5(b)に示す各ピーク
p1〜p8について、そのピークの前の拍との時間間隔
を計算し、その時間間隔が、BPMから求められた拍間
時間の整数倍に相当するか否かを計算する。計算結果が
図6(b)に示されている。前の拍との時間間隔が、B
PMから求められた拍間時間の整数倍に相当する場合、
そのピークを拍であると判定している。
【0101】なお、この例ではBPMから求められた拍
間時間の±1/16を許容誤差として判定している。また、
曲の再生開始後、最初に得られたピークは、それより先
行する拍は存在しないので、拍とみなすことにしてい
る。図6(b)に示されるように、ピークp1、p3、
p4、p5、p7及びp8がOKであり、条件2を具備
することがわかる。
【0102】次に、こうして得られた条件1及び条件2
の判定結果から、両条件をともに満足するピークのみを
最終的に拍であると判定する。その結果を図6(c)に
示す。最終的に、ピークp1、p4、p5が拍と判定さ
れている。
【0103】なお、ピークp1は、曲の再生開始後、最
初に検出されたピークであるために、拍であると強制的
に決定されている。もちろん、この決定が誤りであるこ
と、即ちピークp1が実は拍ではない、ということがあ
りうる。しかし、本発明の拍検出処理では、条件2のみ
でなく、条件1を加味して最終的な拍検出を行っている
ので、いずれは正しい拍が検出されることになる。
【0104】即ち、条件1では、前のピークとの時間間
隔がBPMから求められる拍間時間の整数倍に相当する
もののみを検出している。もしピークp1を拍であると
した決定が誤りであるならば、上述の方法により拍検出
を続けていくうちに、正しい拍の位置に相当するピーク
が検出されるはずである(再生されている音楽中の正し
い拍の位置において、明確なピークを示すレベルの再生
オーディオ信号が得られるはずであるから)。よって、
そのような正しい拍の位置に相当するピークが検出され
た後は、そのピークに対してBPMから得られた拍間時
間の整数倍に位置するピークのみが条件1によって拍で
あると判定されることになる。その結果、その後は正し
い拍の位置が検出されることになる。このように、条件
1を加味して拍の検出を行うことにより、条件2のみを
使用していたならば生じるであろう誤判定を補正するこ
とができるのである。
【0105】このような誤判定は、例えば曲の最初が比
較的静かな曲(低いレベルで曲が開始する曲)において
生じやすい。つまり、曲の最初の部分においては、正し
い拍の位置においても明確に大きいレベルの再生オーデ
ィオ信号が検出されないので、条件2により、最初に得
られたピークを強制的に拍であるとみなしてしまい、実
はこれは正しい拍位置とは異なっているということが起
きうる。しかし、条件1及び条件2を併用した上述の判
定を継続していけば、やがては曲の正しい拍位置におい
て明確に大きなレベルの再生データが得られるので、そ
の後は正しい拍の位置が検出されるようになる。
【0106】さらに、条件2の判定においては、判定対
象となるピークが前の拍位置から4拍分以上の時間間隔
を有する場合は、そのピークを拍として強制的に決定す
るものとする。これは、あまり長い時間にわたって拍が
判定されないと処理が不安定になるので、とりあえず拍
を決定してしまうのである。この決定が誤っていた場合
でも、上述のように条件1による判定が併用される結
果、その後正しい拍位置の検出が行われるようになる。
【0107】次に、上記の拍検出処理の流れについて、
図7を参照して説明する。図7は、拍検出処理のフロー
チャートである。なお、以下に説明する拍検出処理は、
図1及び図2に示すプレーヤ2又は3内の拍検出部38
により行われる。
【0108】また、この処理は、光ディスクからの再生
オーディオ信号の読み取りと並行して行われる。光ディ
スクから高速(例えば4倍速)で読み出された再生オー
ディオ信号は一旦メモり13又は23に読み込まれ、通
常速度でメモリ13又は23から読み出されて音楽とし
て再生されるが、拍検出部38はレベル検出部35から
順に供給されるレベル検出データSdetについて順に以
下の処理を実行する。
【0109】まず、拍検出部38はレベル検出部35か
ら供給される、各帯域毎のレベル検出信号を受け取り
(ステップS1)、レベル検出信号を図5(a)に示す
ように時系列に整列する(ステップS2)。次に、拍検
出部38は、図5(b)に示すように、時間軸上で近接
するレベル検出信号を加算して加算値を求め、それに基
づいてピークを決定する(ステップS3)。この処理
は、拍検出部38が、レベル検出部35から連続して入
力されるレベル検出信号(ディジタルデータ)を加算す
ることにより行われる。よって、レベル検出部35から
順にレベル検出信号が入力される間に、それらの加算値
に基づいてピークが順に決定されていくことになる。
【0110】次に、拍検出部は、ステップS3で順に得
られた1つのピークについて、順に上述の条件1の判定
を行う(ステップS4)。判定対象のピークが条件1を
具備しない場合は、処理はステップS4へ戻り、次のピ
ークについての判定を行う。一方、判定対象のピークが
条件1を具備する場合は(ステップS4;Yes)、その
ピークが条件2を具備しているか否かを判定する(ステ
ップS5)。
【0111】条件2を具備している場合、そのピークは
拍であると判定される(ステップS7)。一方、条件2
を具備していない場合(ステップS5;No)、そのピー
クがその前の拍から4拍以上経過した位置にあるか否か
を判定する(ステップS6)。4拍以上経過している場
合、処理はステップS7へ進み、そのピークを拍とみな
す。一方、4拍以上経過していない場合、処理はステッ
プS4へ戻り、次のピークについての判定が行われる。
【0112】こうして、光ディスクからの再生オーディ
オ信号に基づいて拍の検出が行われ、検出された拍の位
置が再生制御信号Scda及びScdbに含められてサブCP
U15及び25へそれぞれ送られる。
【0113】なお、上記の実施形態では光ディスクから
の再生オーディオ信号を低域、中域及び広域の3帯域に
分割してレベル検出を行っているが、2帯域又は4帯域
以上に分割して同様の処理を行うことも可能である。分
割する帯域数を増加させると、特定の周波数のノイズの
影響を受けにくくなるので、精度が向上する傾向があ
る。
【0114】[2台のプレーヤの同期再生]次に、上記
のようにして検出された拍位置、及びBPM値を利用し
て、2台のプレーヤを同期させて音楽を再生する同期再
生処理について説明する。図8に、同期再生処理のフロ
ーチャートを示す。なお、以下に説明する同期再生処理
は、図1に示すミキサ1内のCPU30、プレーヤ2内
のサブCPU15及びプレーヤ3内のサブCPU25が
それぞれ予め用意されたプログラムを実行して相互に処
理を行うことにより実現される。
【0115】まず、サブCPU15の制御の下、プレー
ヤ2が光ディスクDAからオーディオ信号の読み取りを
開始し、さらにサブCPU25の制御の下、プレーヤ3
が光ディスクDBからオーディオ信号の読み取りを開始
する(ステップS11)。
【0116】次に、各プレーヤ2及び3内において、図
7を参照して説明した方法により、各オーディオ信号中
の拍を検出する(ステップS12)。
【0117】次に、各プレーヤ2及び3において、再生
すべきオーディオ信号中の次の拍が検出されているか否
かを判定する(ステップS13)。これは、具体的に
は、DSP12又は22内のBPM検出部37により検
出されたBPM値に基づいて、次の拍が到来するであろ
うと予測される時間軸上の位置付近に、ステップS12
の拍検出処理によって拍位置が検出されているか否かを
判定する。
【0118】上述の拍検出処理においては、一般的に楽
曲の全ての再生位置において拍が検出されるわけではな
い。楽曲に対して、実際の拍位置は周期的に存在するの
であるが、実際の楽曲の拍位置における音量(記録デー
タのレベル)が小さいような場合は、その拍位置は検出
することができない。従って、次の拍位置が拍検出処理
により検出されていない場合は、拍検出処理により検出
された拍位置と、BPM検出部37により検出されたB
PM値に基づいて、不足している拍位置を補間により決
定する(ステップS14)。即ち、BPM値により、拍
間時間が計算できるので、検出された拍位置に対して、
上述の拍間時間だけ経過した時間軸上の位置に拍を位置
を設定することにより、上述の補間を行うことができ
る。
【0119】こうして、次の拍位置が決定すると、プレ
ーヤ2と3の同期処理が行われる(ステップS15)。
同期処理の詳細を図9のフローチャートに示す。
【0120】図9において、まず、各DSP12及び2
2により得られたBPM値に基づいて、プレーヤ2と3
の再生速度を一致させる(ステップS20)。次に、プ
レーヤ2と3においてそれぞれ得られた次の拍位置を比
較する(ステップS21)。なお、各プレーヤ2及び3
においては、それぞれDSP12及び22内の拍検出部
38により得られた拍位置が再生制御信号Sbpa及びSb
pbとしてサブCPU15及び25にそれぞれ入力されて
いる。また、各サブCPU15及び25は、不足してい
る拍位置をステップS14において補間により決定して
いる。これにより、各サブCPU15及び25は、それ
ぞれプレーヤ2及び3における次の拍位置を認知してい
るので、CPU30はサブCPU15及び25から次の
拍位置の情報を取得し、両者を比較する。
【0121】そしてCPU30は、プレーヤ2と3の拍
位置を一致させるように再生位置を決定する処理を行
う。即ち、ステップS21における比較の結果、2つの
プレーヤにおける次の拍位置の差がBPM/2より大き
い場合(ステップS22;Yes)には、プレーヤ3の再
生速度を下げるようにサブCPU25を制御する(ステ
ップS23)。逆に、次の拍位置の差がBPM/2より
小さい場合(ステップS22;No)には、CPU30は
プレーヤ3の再生速度を上げるようにサブCPU25を
制御する(ステップS24)。
【0122】こうして同期処理が完了し、プレーヤ2と
3の拍位置が一致するように各プレーヤの再生位置が決
定される。
【0123】そして、処理は図8に戻り、両プレーヤ2
及び3はオーディオ信号の再生を実行する(ステップS
16)。この際、各プレーヤ2及び3は、それぞれのD
SP12及び22内で検出されたBPMが一致するよう
に再生速度の制御を継続する。これにより、両プレーヤ
から再生される音楽は、再生速度が一致しているのみな
らず、拍位置も一致して再生されることになる。
【0124】上記の処理は楽曲の再生開始後に継続的に
実行される。よって、各プレーヤ2及び3において楽曲
が再生される間に、図8に示す処理が順に継続的に行わ
れ、両プレーヤから同期して楽曲が再生される。
【0125】なお、上記の説明では、各プレーヤにおい
て、光ディスクから読み出したオーディオ情報をメモリ
内に一時的に格納し、次の拍位置を検出し又は補間によ
り決定した後で、その拍位置に対応するオーディオ情報
をメモリから読み出して再生する場合について説明して
いる。しかし、プレーヤの内部構成によっては、拍検出
及び補間による拍位置の決定が完了する前にオーディオ
情報を再生しなければならない場合もあり得る。そのよ
うな場合には、拍検出処理により検出された拍位置に基
づいて、補間ではなく、時間的に先行する拍位置を予測
して決定することにより、同様に図8に示した同期再生
を実行することができる。なお、その場合、実際に拍検
出処理により拍位置が決定された後で、検出された拍位
置に基づいて予測された拍位置を修正することにより、
正しい拍位置に従って同期再生を進行させることができ
る。
【0126】[拍頭の検出及び同期処理]上記の同期再
生処理では、各光ディスクから読み取ったオーディオ情
報に基づいてBPMと拍位置が検出され、BPMに従っ
て再生速度が一致するように、かつ、拍位置が一致する
ように2台のプレーヤが制御されて楽曲が同期再生され
る。再生速度と拍位置が一致していれば再生された楽曲
における違和感は小さいが、厳密には、各楽曲における
拍頭(各小節における最初の拍)の位置を一致させるこ
とができれば、2つのプレーヤから再生される楽曲の再
生位置が小節単位で一致するので、さらに望ましい。
【0127】これを実現するためには、上述の拍検出処
理において検出された拍(及び、不足しているとして補
間又は予測により得られた拍)中の拍頭を特定すること
が必要となる。拍頭が特定できれば、ステップS15の
同期処理において、それぞれの拍頭が一致するように2
台のプレーヤの再生位置を制御すればよい。以下に、拍
頭を検出する方法を示す。
【0128】1つの方法は、ディスクジョッキーなどの
操作者が拍頭の位置を手動入力する方法である。即ち、
曲の再生後、上記の同期再生処理の実行中に、操作者が
再生された音楽を聞きつつミキサ1の操作部31などを
使用して、拍頭の位置を入力する。これは、ミキサ1に
設けられた特定のボタンを、操作者が拍頭のタイミング
で押すことにより行うことができる。
【0129】もう1つの方法は、各楽曲のデータからタ
イムコードなどの時間管理情報を抽出し、計算により拍
頭の位置を特定する方法である。CDなどの光ディスク
には、記録された各曲の先頭からカウントした時間管理
情報が記録されている。この時間管理情報は、記録媒体
の種類によって、タイムコード、アドレスなど種々の形
態を有する。曲の再生を開始すれば、その曲のBPMが
DSPにより検出される。通常、1つの曲においてBP
M値は変化しないので、BPM値に基づき、曲中のある
再生位置において、その位置が曲の先頭から何小節目の
何拍目であるかを計算により得ることができる。例えば
4拍子でBPMが120の曲であれば、60秒間に12
0拍があるので、1小節(=4拍)は2秒に相当する。
よって、曲の頭から2秒毎に、1小節の頭、即ち拍頭が
到来することになる。こうして、光ディスクに記録され
ている時間管理情報から、各小節の拍頭を検出すること
ができる。
【0130】こうして、拍頭を検出できれば、DSPに
より検出されたBPM及び拍位置とともに拍頭の位置を
利用して、2台のプレーヤからの再生楽曲を小節単位で
同期させて再生することが可能となる。
【0131】[変形例]図1及び図2に示すオーディオ
情報再生装置は、ミキサ1とプレーヤ2及び3とにより
構成され、ミキサ1はCPU30と操作部31と表示部
32と加算器33とを備えている。その代わりに、CP
U30、操作部31、表示部32などをプレーヤ側に設
け、加算器33のみをミキサとするような種類のオーデ
ィオ情報再生装置に対しても本発明を適用することがで
きる。
【0132】また、上記の実施形態では、オーディオ情
報再生装置を構成するプレーヤ2及び3はCDプレーヤ
などのディスクプレーヤを例示しているが、そのような
専用プレーヤの代わりに、プレーヤ2及び3を音楽再生
ソフトウェア(プログラム)を備えたパーソナルコンピ
ュータなどにより構成することもできる。
【0133】また、本発明による拍位置の検出機能、及
び検出した拍位置が一致するように複数の楽曲の再生を
制御する機能をソフトウェア(プログラム)として実現
することもできる。その場合、そのプログラムを、CD
やDVDなどの再生用ドライブを備えるパーソナルコン
ピュータなどにおいて実行することにより、ミキサ及び
専用のプレーヤを使用する上述の実施形態と同等の楽曲
再生を実現することができる。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光ディスクなどの記録媒体に記録された音楽データか
ら、その楽曲の拍位置を検出することができる。よっ
て、再生速度のみならず、拍位置が一致するように2台
のプレーヤを制御することにより、2つの記録媒体から
の音楽再生を同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したオーディオ情報再生装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すオーディオ情報再生装置の詳細構成
を示すブロック図である。
【図3】図2に示すDSPの内部構成を示すブロック図
である。
【図4】DSPにより実行されるBPM検出処理を概念
的に説明する図である。
【図5】DSPにより実行される拍検出処理の一部を概
念的に説明する図である。
【図6】拍検出処理の具体例を示す図表である。
【図7】拍検出処理のフローチャートである。
【図8】拍検出処理を含む同期再生処理のフローチャー
トである。
【図9】図8に示す同期再生処理中の同期処理を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 ミキサ 2、3 プレーヤ 4 アンプ 5、6 スピーカ 11、21 デコーダ 12、22 DSP 13、23 メモリ 15、25 サブCPU 35 レベル検出部 36 再生制御部 37 BPM検出部 38 拍検出部
フロントページの続き (72)発明者 千葉 健介 埼玉県所沢市花園4丁目2610番地 パイオ ニア株式会社所沢工場内 (72)発明者 船田 健明 埼玉県所沢市花園4丁目2610番地 パイオ ニア株式会社所沢工場内 Fターム(参考) 5D077 AA26 BA23 BB18 GA01 5D378 MM67

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体から、楽曲を構成するオーディ
    オ情報を読み取る読取手段と、 前記オーディオ情報に基づいて、前記楽曲中の拍位置を
    検出する拍検出手段と、 検出された拍位置に基づいて、前記オーディオ情報を再
    生する再生手段と、を備えることを特徴とするオーディ
    オ情報再生装置。
  2. 【請求項2】 前記オーディオ情報に基づいて、前記楽
    曲の速度値を検出する速度検出手段をさらに備え、前記
    拍検出手段は、前記速度値を用いて前記拍位置を検出す
    ることを特徴とする請求項1に記載のオーディオ情報再
    生装置。
  3. 【請求項3】前記拍検出手段は、 前記オーディオ情報のレベルのピークを検出するレベル
    検出手段と、 前記ピークが拍に相当するか否かを判定する判定手段
    と、を備えることを特徴とする請求項2に記載のオーデ
    ィオ情報再生装置。
  4. 【請求項4】 前記判定手段は、 判定対象のピークと、時間的に当該判定対象のピークの
    1つ前のピークとの時間間隔が、前記速度値に基づいて
    決定される拍間時間の整数倍に相当するという第1の条
    件を具備するか否かを判定する第1判定手段と、 前記判定対象のピークと、時間的に当該判定対象のピー
    クの1つ前に位置し、かつ、拍と判定されたピークとの
    時間間隔が、前記速度値に基づいて決定される拍間時間
    の整数倍に相当するという第2の条件を具備するか否か
    を判定する第2判定手段と、 前記判定対象のピークが、前記第1の条件及び前記第2
    の条件の両方を具備した場合に、当該判定対象のピーク
    を拍と判定する手段と、を備えることを特徴とする請求
    項3に記載のオーディオ情報再生装置。
  5. 【請求項5】 前記判定手段は、前記判定対象のピーク
    と、時間的に当該判定対象のピークの1つ前に位置し、
    かつ、拍と判定されたピークとの時間間隔が、前記速度
    値に基づいて決定される拍間時間の所定倍数に対応する
    時間以上である場合に、前記判定対象のピークの1つ前
    のピークから前記拍間時間の所定倍数に対応する時間軸
    上の位置に拍があると決定する手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項4に記載のオーディオ情報再生装
    置。
  6. 【請求項6】 前記判定手段は、1つの楽曲に対応する
    前記オーディオ情報の読取開始後に前記レベル検出手段
    が最初に検出したピークを拍であると決定する手段をさ
    らに備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか
    一項に記載のオーディオ情報再生装置。
  7. 【請求項7】 前記速度値と、前記拍検出手段により検
    出された拍位置とに基づいて、前記検出された拍位置を
    補間する手段をさらに備えることを特徴とする請求項4
    乃至6のいずれか一項に記載のオーディオ情報再生装
    置。
  8. 【請求項8】 前記速度値と、前記拍検出手段により検
    出された拍位置とに基づいて、拍位置を予測する手段を
    さらに備えることを特徴とする請求項4乃至6のいずれ
    か一項に記載のオーディオ情報再生装置。
  9. 【請求項9】 前記レベル検出手段は、 前記オーディオ情報を複数の帯域に分割する手段と、 時間的に近接する前記帯域毎のオーディオ情報を加算処
    理することにより、前記ピークを検出する手段と、を備
    えることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか一項に
    記載のオーディオ情報再生装置。
  10. 【請求項10】 前記レベル検出手段は、前記ピークが
    所定時間以上検出されない場合に、最後に検出されたピ
    ークから所定時間後の時間軸上の位置にピークを設定す
    る手段をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載
    のオーディオ情報再生装置。
  11. 【請求項11】 請求項2乃至10のいずれか一項に記
    載の第1のオーディオ情報再生装置及び第2のオーディ
    オ情報再生装置と、 前記第1のオーディオ情報再生装置からの第1の再生オ
    ーディオ情報、及び、前記第2のオーディオ情報再生装
    置からの第2の再生オーディオ情報が、それぞれの速度
    値及び拍位置が一致するように再生されるように、前記
    第1のオーディオ再生装置及び前記第2のオーディオ再
    生装置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とす
    るオーディオ情報再生システム。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、 前記第2の再生オーディオ情報の速度値が前記第1の再
    生オーディオ情報の速度値に一致するように前記第2の
    オーディオ再生装置を制御する手段と、 前記第1の再生オーディオ情報の速度値が前記第2の再
    生オーディオ情報の速度値と一致した状態で、前記第2
    の再生オーディオ情報の拍位置が、前記第1の再生オー
    ディオ情報の拍位置と一致するように前記第2のオーデ
    ィオ再生装置を制御する手段と、を備えることを特徴と
    する請求項11に記載のオーディオ情報再生システム。
  13. 【請求項13】 前記第1のオーディオ情報再生装置
    は、前記第1の再生オーディオ情報中の拍頭の位置を検
    出する第1の拍頭検出手段を備え、 前記第2のオーディオ情報再生装置は、前記第2の再生
    オーディオ情報中の拍頭の位置を検出する第2の拍頭検
    出手段を備え、 前記制御手段は、前記第2の再生オーディオ情報の拍頭
    の位置を、前記第1の再生オーディオ情報の拍頭の位置
    と一致させるように前記第2のオーディオ情報再生装置
    を制御する手段を備えることを特徴とする請求項11又
    は12に記載のオーディオ情報再生システム。
  14. 【請求項14】 前記第1の拍頭検出手段及び前記第2
    の拍頭検出手段は、操作者が入力装置を操作したタイミ
    ングを前記拍頭の位置として検出することを特徴とする
    請求項13に記載のオーディオ情報再生システム。
  15. 【請求項15】 前記第1の拍頭検出手段及び前記第2
    の拍頭検出手段は、前記記録媒体上に記録された前記楽
    曲毎の時間管理情報に基づいて、前記拍頭の位置を検出
    することを特徴とする請求項13に記載のオーディオ情
    報再生システム。
  16. 【請求項16】 記録媒体から、楽曲を構成するオーデ
    ィオ情報を読み取る読取手段と、 前記オーディオ情報に基づいて、前記楽曲の速度値を検
    出する速度検出手段と、 前記速度値を用いて、前記オーディオ情報から前記楽曲
    中の拍位置を検出する拍検出手段と、 前記の再生オーディオ情報中の拍頭の位置を検出する拍
    頭検出手段と、 前記速度値、前記拍位置及び前記拍頭の位置に基づい
    て、前記オーディオ情報を再生する再生手段と、を備え
    ることを特徴とするオーディオ情報再生装置。
  17. 【請求項17】 前記拍頭検出手段は、前記記録媒体上
    に記録された前記楽曲毎の時間管理情報に基づいて、前
    記拍頭の位置を検出することを特徴とする請求項16に
    記載のオーディオ情報再生装置。
  18. 【請求項18】 記録媒体から、楽曲を構成するオーデ
    ィオ情報を読み取る読取手段と、 前記オーディオ情報に基づいて、前記楽曲中の拍位置を
    検出する拍検出手段と、 検出された拍位置に基づいて、前記オーディオ情報を再
    生する再生手段と、を備えるオーディオ情報再生装置と
    してコンピュータを機能させるためのコンピュータプロ
    グラム。
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