JP2003077925A - シリコンウェーハの製造方法及びシリコンウェーハ - Google Patents
シリコンウェーハの製造方法及びシリコンウェーハInfo
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Abstract
ンウェーハ内部でのBMD形成を行う。 【解決手段】 シリコンウェーハを雰囲気ガス中で熱処
理して内部に空孔を形成するシリコンウェーハの製造方
法であって、予め窒素を添加したシリコンウェーハWに
前記熱処理を施す。
Description
の内部でのBMD形成を促進するシリコンウェーハの製
造方法及びシリコンウェーハに関する。
されたシリコン単結晶を加工して作製されたシリコンウ
ェーハは、酸素不純物を多く含んでおり、この酸素不純
物は転位や欠陥等を生じさせる酸素析出物(BMD:Bulk M
icro Defect)となる。この酸素析出物がデバイスが形
成される表面にある場合、リーク電流増大や酸化膜耐圧
低下等の原因になって半導体デバイスの特性に大きな影
響を及ぼす。
対し、1250°C以上の高温で短時間の急速加熱・急
冷の熱処理(RTA)を所定の雰囲気ガス中で施し、内
部に過剰の原子空孔(Vacancy、以下、単に空孔
と称す)を導入するとともに、この後の熱処理で表層に
おいて空孔を外方拡散させることによりDZ層(無欠陥
層)を均一に形成する方法が用いられている(例えば、
国際公開公報 WO 98/38675に記載の技術)。そして、
上記DZ層形成後に、上記温度より低温で熱処理を施す
ことで、内部の欠陥層として酸素析出核を形成・安定化
してゲッタリング効果を有するBMD層を形成する工程
が採用されている。また、他の従来技術(例えば、国際
公開公報 WO 98/45507に記載の技術)として、先ず酸
素雰囲気化で熱処理を行い、続けて非酸化性雰囲気下で
熱処理を行うことで表層でのDZと内部でのBMD形成
を行っている。
行う装置としては、シリコンウェーハを石英チューブ内
に設置するとともに石英チューブ内に雰囲気ガスを供給
しながら外部から赤外線ランプ等を用いたランプ加熱に
よる赤外線照射を行うものが用いられる。また、このよ
うな熱処理装置では、上記雰囲気ガスとしてN2(窒
素)が主に用いられている。すなわち、高温でN2が分
解され、シリコンウェーハの表面にSixNy(窒化膜)
が形成されることにより、空孔を注入することができ、
内部のBMD密度を適度に高めることができるためであ
る。
ハは、上記したようにDZ層形成のための熱処理を終え
た後にさらに熱処理を施される。この熱処理は、シリコ
ンウェーハを800°C程度の比較的低温で加熱してシ
リコンウェーハ内部で酸素析出核を生成させ、その後1
000°C程度の比較的高温で加熱して酸素析出核を成
長させるものである。しかし、上記のような熱処理にお
いて、酸素析出核を十分に成長させるためには、例えば
1000°C以上に加熱しておく時間が合計で10時間
以上必要であった。
ので、従来よりも短時間かつ低温の熱処理で内部でのB
MD形成を行うシリコンウェーハの製造方法及びこの製
造方法によって製造されたシリコンウェーハを提供する
ことを目的としている。
決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明
にかかるシリコンウェーハの製造方法は、シリコンウェ
ーハを窒化ガスを含む雰囲気ガス中で熱処理して内部に
空孔を形成する工程を有するシリコンウェーハの製造方
法であって、予め窒素を添加したシリコンウェーハに前
記熱処理を施すことを特徴としている。また、本発明の
シリコンウェーハの製造方法では、シリコンウェーハの
窒素濃度を、1×1012個/cm3から5×1015個/
cm3の範囲内とした技術が採用される。また、本発明
のシリコンウェーハの製造方法では、上記のシリコンウ
ェーハの製造方法において、熱処理されるシリコンウェ
ーハを、シリコン単結晶インゴット内での格子間シリコ
ン型点欠陥が支配的に存在する領域を〔I〕とし、空孔
型点欠陥が支配的に存在する領域を〔V〕とし、格子間
シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が
存在しないパーフェクト領域を〔P〕とするときに、パ
ーフェクト領域〔P〕からなるインゴットから切り出さ
れた点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハとす
る技術が採用される。また、本発明のシリコンウェーハ
の製造方法は、前記熱処理後に、該熱処理よりも低い温
度で前記シリコンウェーハを熱処理して表層に無欠陥層
を形成すると共に内部の空孔に酸素を析出させる技術が
採用される。
項1から3のいずれかに記載のシリコンウェーハの製造
方法によって製造されるシリコンウェーハであって、前
記熱処理の急速加熱、急速冷却により、シリコンウェー
ハ内部に1×1012/cm3以上の空孔を導入してなる
ことを特徴としている。また、本発明にかかるシリコン
ウェーハは、熱処理により内部に新たに空孔が形成され
たシリコンウェーハであって、予め窒素を添加したシリ
コンウェーハに前記熱処理を施してなることを特徴とし
ている。また、本発明のシリコンウェーハでは、窒素濃
度を1×1012個/cm3から5×1015個/cm3の範
囲内とした技術が採用される。また、本発明のシリコン
ウェーハでは、少なくとも表層に無欠陥層が形成されて
いると共に内部の空孔に前記酸素が析出されている技術
が採用される。
コンウェーハでは、熱処理されるシリコンウェーハとし
て、予め窒素が添加されたシリコン融液から引き上げら
れて窒素濃度が高められたシリコン単結晶をスライスし
て得られるシリコンウェーハを用いている。このシリコ
ンウェーハは、内部の窒素と空孔とが相互作用を引き起
こし、熱処理後の冷却の際における空孔の消滅が抑制さ
れるので、シリコンウェーハ内のBMDが増加しやすく
なる。なお、窒素をドープしたウェーハに対しても、表
層の外方拡散による低格子間酸素化を行うアニール処理
が、表層のCOP(Crystal Originated Particle)低
減と高BMD化を図るアニール処理は、従来より行われ
ているが、上記本発明の空孔形成のための熱処理工程は
行われていなかった。また、本発明のシリコンウェーハ
の製造方法では、シリコンウェーハがパーフェクト領域
〔P〕からなるインゴットから切り出された点欠陥の凝
集体が存在しないシリコンウェーハであるので、熱処理
時に注入される空孔を対消滅させる格子間シリコン型点
欠陥がほとんどなく、酸素析出に必要な空孔が効率的に
注入される。また、空孔型点欠陥もほとんど存在しない
ため、RTA処理により十分な空孔密度を確保すること
ができる。また、本発明のシリコンウェーハの製造方法
では、熱処理後に、該熱処理よりも低い温度でシリコン
ウェーハを熱処理して表層に無欠陥層を形成すると共に
内部の空孔に酸素を析出させる析出処理するので、デバ
イス形成に好適なDZ層を表層に有すると共に近接ゲッ
タリング効果を有する高BMD密度領域を内部に有する
高機能シリコンウェーハを作製することができる。ま
た、このシリコンウェーハでは、シリコンウェーハ内部
に1×1012/cm 3以上の空孔が導入されているの
で、この後の酸素析出のための熱処理を施せば、十分な
密度のBMD層を得ることができる。
いて、図面を参照しながら説明する。本発明にかかるシ
リコンウェーハは、例えば図1に示す熱処理装置1によ
って、熱処理前のシリコンウェーハWに熱処理を施すこ
とによって得られる。この熱処理装置1は、石英チュー
ブ2内に支持具等を用いてその内面から離間させた状態
にしてシリコンウェーハWを設置するとともに石英チュ
ーブ2内に雰囲気ガスGを供給しながら外部から赤外線
ランプ3等を用いたランプ加熱による赤外線照射を行っ
て熱処理するものである。
ン原料が所定量入れられてさらに所定量のSi3N4が添
加されたルツボ内のシリコン融液から引き上げられたシ
リコン単結晶をスライスしたものである。このシリコン
ウェーハW中の窒素濃度は、1×1012個/cm3から
5×101 5個/cm3の範囲内に設定される。この窒素
濃度は、上記濃度範囲内で、必要とするBMD密度が低
い場合には低く設定され、必要とするBMD密度が高い
場合には高く設定され、析出熱処理の条件に即して適宜
調整されるものである。
3に示すように、シリコン単結晶インゴット内での格子
間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域を〔I〕と
し、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を〔V〕と
し、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥
の凝集体が存在しないパーフェクト領域を〔P〕とする
ときに、パーフェクト領域〔P〕からなるインゴットか
ら切り出された点欠陥の凝集体が存在しないものを用い
ている。なお、空孔型点欠陥は、一つのシリコン原子が
シリコン結晶格子で正常な一つから離脱した空孔による
欠陥であり、また、格子間シリコン点欠陥は、原子がシ
リコン結晶の格子点以外の位置(インタースチシャルサ
イト)にある場合の欠陥をいう。すなわち、このパーフ
ェクト領域〔P〕からなるシリコンウェーハは、例えば
特開平1−1393号公報に提案されているように、C
Z法によりホットゾーン内のシリコン融液からインゴッ
トをボロンコフ(Voronkov)理論に基づいた引上速度プ
ロファイルで引き上げられ、このインゴットをスライス
して作成される。
分)とし、ルツボ中のシリコン融液とインゴットとの界
面近傍におけるインゴット鉛直方向の温度勾配をG(℃
/mm)とするとき、熱酸化処理をした際にリング状に
発生するOSF(OxidationInduced Stacking Fault;酸
素誘起積層欠陥)がウェーハ中心部で消滅するように、
V/G(mm2/分・℃)の値を決めて作られる。上記
ボロンコフ理論では、図3に示すように、V/Gを横軸
にとり、空孔型点欠陥濃度と格子間シリコン型欠陥濃度
を同一の縦軸にとって、V/Gと点欠陥濃度との関係を
図式的に表現し、空孔領域と格子間シリコン領域の境界
がV/Gによって決定されることを説明している。より
詳しくは、V/G比が臨界点以上では空孔型点欠陥濃度
が優勢なインゴットが形成される反面、V/G比が臨界
点以上では格子間シリコン型点欠陥濃度が優勢なインゴ
ットが形成される。図3において、〔I〕は格子間シリ
コン型点欠陥が支配的であって、格子間シリコン点欠陥
が存在する領域((V/G)1以下)を示し、〔V〕は
インゴット内での空孔型点欠陥が支配的であって、空孔
型点欠陥の凝集体が存在する領域((V/G) 2以下)
を示し、〔P〕は空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリ
コン型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域
((V/G)1〜(V/G)2)を示す。領域〔P〕に隣
接する領域〔V〕にはOSF核を形成する領域〔OS
F〕((V/G)2〜(V/G)3)が存在する。したが
って、シリコンウェーハに供されるインゴットの引上速
度プロファイルは、インゴットがホットゾーン内のシリ
コン融液から引き上げられるとき、温度勾配に対する引
上速度の比(V/G)が格子間シリコン型点欠陥の凝集
体の発生を防止する第1臨界比((V/G)1)以上で
あって、空孔型点欠陥の凝集体をインゴットの中央にあ
る空孔型点欠陥が支配的に存在する領域内に制限する第
2臨界比((V/G)2)以下に維持されるように決め
られる。この引上速度のプロファイルは、実験的に基準
インゴットを軸方向にスライスすることやシミュレーシ
ョンによって上記ボロンコフ理論に基づいて決定され
る。このようにパーフェクト領域〔P〕で作製されたシ
リコンウェーハは、OSF、COP等を有しない無欠陥
のウェーハとなるものであるが、逆にIG効果が低いた
め、上記実施形態による熱処理を施せば、十分に高密度
なBMD層を内部に形成でき、近接ゲッタリング効果を
備えることができる。なお、COP等の点欠陥の凝集体
が検出方法によって検出感度、検出下限値が異なる値を
示すことがある。そのため、本明細書において、「点欠
陥の凝集体が存在しない」の意味は、鏡面加工されたシ
リコン単結晶を無攪拌セコエッチングを施した後に光学
顕微鏡により、観察面積とエッチング取り代との積を検
査体積として観察した際に、フローパターン(空孔型欠
陥)及び転位クラスタ(格子間シリコン型点欠陥)の各
凝集体が1×10-3cm3の検査体積に対して1個欠陥
が検出された場合を検出下限値(1×103個/cm3)
とするとき、点欠陥の凝集体の数が上記検出下限値以下
であることをいう。
は、1000°Cから1350°Cの温度範囲で、スパ
イクアニールまたは5分以下で急速加熱、急速冷却(例
えば、50°C/秒の昇温または降温)のRTA(Rapi
d Thermal Annealing)処理である。このRTA処理に
よりシリコンウェーハW内に空孔が注入される。この熱
処理は、希望する酸素析出核の析出形態に即して不活性
雰囲気下もしくは窒素雰囲気下で行われる。この熱処理
を施すことによって、シリコンウェーハW内部に1×1
012/cm3以上の空孔を導入する。ここで、シリコン
ウェーハWがパーフェクト領域〔P〕からなるインゴッ
トから切り出された点欠陥の凝集体が存在しないシリコ
ンウェーハであるので、熱処理時に注入される空孔を対
消滅させる格子間シリコン型点欠陥がほとんどなく、酸
素析出に必要な空孔が効率的に注入される。また、空孔
型点欠陥もほとんど存在しないため、RTA処理により
十分な空孔密度を確保することができる。次に、DZ層
形成及び酸素析出のための熱処理(例えば、800°C
4時間の熱処理及びその後に1000°C16時間行う
熱処理)を行う。この熱処理は、上記RTA処理の熱処
理よりも低い温度で行う、空孔への酸素析出のための熱
処理であって、この熱処理によって酸素析出核の安定化
を図り、析出物の成長を行うものである。この熱処理の
際、図2に示すように、表裏面からの空孔や酸素の外方
拡散、表層の酸化により注入された格子間のSiと空孔
との対消滅によりDZ層11が形成され、またこれらの
DZ層11の内側に高いBMD(酸素析出物)濃度を有
するBMD層12が形成される。ここで、シリコンウェ
ーハW内部に1×1012/cm3以上の空孔が導入され
ているので、この酸素析出のための熱処理によって、十
分な密度のBMD層を得ることができる。
は、予め窒素がドーピングされたシリコンウェーハWを
熱処理するものであるので、シリコンウェーハ内部の窒
素と空孔とが相互作用を引き起こし、熱処理後の冷却の
際における空孔の消滅が抑制されることとなり、シリコ
ンウェーハ内のBMDが増加しやすくなる。
温度で行った場合には、従来の製造方法よりもBMD密
度の高いシリコンウェーハを得ることができる。また、
このようにBMDが形成されやすいので、酸素析出核の
生成のための熱処理を省くことも可能となる。さらに、
従来よりも短時間かつ低温の熱処理で従来と同程度のB
MD密度をもつシリコンウェーハを得ることができる。
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば、上記実施の形態では、シリコンウェーハWに熱処
理を施す際に赤外線ランプ3を使ってシリコンウェーハ
Wに赤外線を照射して加熱したが、他の光線(可視光
等)により加熱しても構わない。また、上記DZ層形成
または酸素析出のための熱処理をデバイス作成工程前に
特に行わず、その後のデバイス作成工程に伴って行われ
る熱処理で行っても構わない。
ハ、すなわち本発明にかかるシリコンウェーハと、この
シリコンウェーハとは窒素を添加しなかった以外は同一
の製造条件で製造したシリコンウェーハ(従来のシリコ
ンウェーハ)のそれぞれに同一の条件でDZ層形成及び
酸素析出のための熱処理を施し、各ウェーハについて熱
処理後(二段の析出熱処理;800°Cで4時間の熱処
理を施しさらに1000°Cで16時間の熱処理を施し
た後)における内部でのBMD密度を測定した。この結
果を図4のグラフに示す。この試験では、予め窒素を添
加したシリコンウェーハとして、それぞれ窒素濃度が1
×1013個(atoms)/cm3、1×1014個/c
m3、1×1015個/cm3のものを用意した。
シリコンウェーハでは、上記熱処理の温度が1100°
Cである場合にはBMD密度は約7×106個/cm3程
度であり、熱処理温度が1150°Cである場合にも同
様に約7×106個/cm3程度である(光学顕微鏡での
検出限界)。そして、さらに熱処理温度を上げても、B
MD密度は約3.5×107個/cm3程度とあまり増加
せず、熱処理温度が1250°Cとなることでようやく
BMD密度を約7×109個/cm3程度まで高めること
ができた。
ウェーハにおいて、窒素濃度が1×1013個/cm3、
1×1014個/cm3のものでは、上記熱処理の温度が
1100°Cである場合には、そのBMD密度は窒素を
添加しなかったシリコンウェーハと同じく約7×106
個/cm3程度であるが、窒素濃度が1×1015個/c
m 3のものでは、BMD密度は約6×107個/cm3程
度と、窒素を添加しなかったシリコンウェーハを120
0°Cで熱処理した場合よりも高いBMD密度を得るこ
とができた。そして、これら予め窒素を添加したシリコ
ンウェーハは、熱処理温度を1150°Cに上げると、
窒素濃度が1×1013個/cm3のものではBMD密度
は約9×108個/cm3程度、窒素濃度が1×1014個
/cm3のものではBMD密度は約6×109個/cm3
程度、窒素濃度が1×1015個/cm3のものではBM
D密度は約9×109個/cm3程度と、いずれも窒素を
添加しなかったシリコンウェーハを1200°Cで熱処
理した場合よりも遙かに高いBMD密度を得ることがで
きた。さらに熱処理温度を1200°Cまで上げると、
予め窒素を添加したシリコンウェーハのうち最もBMD
密度が低いものでもBMD密度は約9×109個/cm3
程度(窒素濃度が1×1013個/cm3のもの)とな
り、窒素を添加しなかったシリコンウェーハを1250
°Cで熱処理した場合よりも高いBMD密度を得ること
ができた。そして、熱処理温度を1250°とした場合
にも、予め窒素を添加したシリコンウェーハのすべて
で、窒素を添加しなかったシリコンウェーハよりも高い
BMD密度を得ることができた。このことから、予め窒
素を添加したシリコンウェーハでは、窒素を添加しなか
ったものに比べて低い熱処理温度でより高いBMD密度
を得ることができることがわかる。
本発明にかかるシリコンウェーハの製造方法及びシリコ
ンウェーハによれば、予め窒素を添加したシリコンウェ
ーハを熱処理するので、内部の窒素と空孔との相互作用
によって熱処理後の冷却の際における空孔の消滅が抑制
されて、シリコンウェーハ内のBMDが増加する。この
ため、この熱処理を従来と同じ時間、温度で行った場合
には、従来の製造方法よりもBMD密度の高いシリコン
ウェーハを得ることができる。また、このようにBMD
が形成されやすいので、酸素析出核の生成のための熱処
理を省くことも可能となる。さらに、従来よりも短時間
かつ低温の熱処理で従来と同程度のBMD密度をもつシ
リコンウェーハを得ることができる。従って、大口径化
されるウェーハの熱処理に好適であり、特に200mm
よりも大きい径の300mmのウェーハにおいて、さら
に有効である。
を概略的に示す図である。
を示す断面図である。
点以上では空孔豊富インゴットが形成され、V/G比が
臨界点以下では格子間シリコン豊富インゴットが形成さ
れ、パーフェクト領域が第1臨界比((V)/G)1)
以上第2臨界比(V/G)2)以下であることを示す図
である。
素を添加しなかったシリコンウェーハのそれぞれに施し
た熱処理の温度と熱処理後の各シリコンウェハ内部のB
MD密度との関係を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 シリコンウェーハを窒化ガスを含む雰囲
気ガス中で熱処理して内部に空孔を形成する工程を有す
るシリコンウェーハの製造方法であって、 予め窒素を添加したシリコンウェーハに前記熱処理を施
すことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。 - 【請求項2】 前記シリコンウェーハの窒素濃度を、1
×1012個/cm3から5×1015個/cm3の範囲内と
したことを特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハ
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のシリコンウェ
ーハの製造方法において、前記熱処理されるシリコンウ
ェーハは、シリコン単結晶インゴット内での格子間シリ
コン型点欠陥が支配的に存在する領域を〔I〕とし、空
孔型点欠陥が支配的に存在する領域を〔V〕とし、格子
間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体
が存在しないパーフェクト領域を〔P〕とするときに、
パーフェクト領域〔P〕からなるインゴットから切り出
された点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハで
あることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のシリ
コンウェーハの製造方法において、 前記熱処理後に、該熱処理よりも低い温度で前記シリコ
ンウェーハを熱処理して表層に無欠陥層を形成すると共
に内部の空孔に酸素を析出させる析出処理することを特
徴とするシリコンウェーハの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1から3のいずれかに記載のシリ
コンウェーハの製造方法によって製造されるシリコンウ
ェーハであって、前記熱処理の急速加熱、急速冷却によ
り、シリコンウェーハ内部に1×1012/cm3以上の
空孔を導入してなることを特徴とするシリコンウェー
ハ。 - 【請求項6】 熱処理により内部に新たに空孔が形成さ
れたシリコンウェーハであって、 予め窒素を添加したシリコンウェーハに前記熱処理を施
してなることを特徴とするシリコンウェーハ。 - 【請求項7】 請求項6に記載のシリコンウェーハにお
いて、窒素濃度を1×1012個/cm3から5×1015
個/cm3の範囲内としたことを特徴とするシリコンウ
ェーハ。 - 【請求項8】 請求項6または7に記載のシリコンウェ
ーハにおいて、少なくとも表層に無欠陥層が形成されて
いるとともに内部の前記空孔に酸素が析出されているこ
とを特徴とするシリコンウェーハ。
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