JP2000203999A - 半導体シリコンウェ―ハとその製造方法 - Google Patents
半導体シリコンウェ―ハとその製造方法Info
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Abstract
ハ表面におけるCOP及び表層数μm深さのCOPの発生源で
あり、八面体ボイドからなるGrown‐in欠陥を効果的に
消滅させたシリコン単結晶ウェーハとその製造方法の提
供。 【解決手段】 窒素をドープしてCOP及びボイドのサイ
ズを縮小し、水素及び/又は不活性ガス雰囲気下の熱処
理で、表面近傍の酸素を外方拡散させて、酸素の未飽和
領域を形成して表面近傍の八面体ボイドの内壁酸化膜を
除去した後、酸素または酸素と不活性ガスの混合ガス雰
囲気での酸化熱処理を行うことにより、強制的に格子間
シリコン原子を注入し、表面近傍の八面体ボイドを完全
に消減させ、同時にウェーハ内部にIG層を形成すること
ができ、これまでの水素及びアルゴンに代表される不活
性ガス雰囲気での熱処理のみでは完全に消滅させること
ができなかったGrown‐in欠陥を、表面から10μm程度ま
でほぼ完全に消滅させることができる。
Description
l Originated Particle)及びウェーハ表層数μm深さのC
OP源となるGrown‐in欠陥を、効果的に消滅させたシリ
コン単結晶ウェーハの製造方法に係り、窒素をドープし
たシリコン単結晶から切り出したシリコンウェーハにお
いて、水素及び/又は(and/or)不活性ガスでの熱処理に
よる表面近傍のGrown‐in欠陥の溶け残りを、酸化性雰
囲気で熱処理することにより、強制的にウェーハ表面か
ら格子間シリコン原子を注入し、表面近傍のGrown‐in
欠陥を効率良く格子間シリコン原子で埋めつくして完全
に消滅させ、デバイス特性の向上を図ることを特徴と
し、従来の方法と比較してより低温熱処理が可能で、よ
り短時間で深い位置までボイドを消滅させることがで
き、低コスト化が可能な半導体シリコンウェーハとその
製造方法に関する。
FZ法がある。CZ(Czochralski)法は、石英坩堝に充填し
たシリコン多結晶をヒーターで加熱溶融した後、この融
液に種結晶を浸し、これを回転させながら上方に引き上
げることによって単結晶を成長させる方法である。FZ(F
loating Zone)法は、多結晶シリコンインゴットの一部
を高周波で加熱溶融して溶融帯域を作り、この溶融帯域
を移動させながら単結晶を成長させる方法である。
したシリコン単結晶から切り出したウェーハが用いられ
ている。CZ法で製造したシリコンウェーハには、結晶育
成中に過剰に導入された点欠陥(空孔、格子間シリコン
原子)から生じたgrown‐in欠陥(以降、単に欠陥と記す)
が含まれている。空孔起因の欠陥が形成されるか、それ
とも格子間シリコン原子起因の欠陥が形成されるかは、
単結晶の成長速度Vと単結晶成長時の融点から1300℃付
近までの温度勾配Gの比V/Gによって決まることが知られ
ている。
する臨界値(以降、単に臨界値と記す)より大きい場合に
は、空孔が凝集して0.1μm程度の八面体を基本形とした
空洞(ボイド)欠陥が形成され、V/Gが臨界値以下である
場合には格子間シリコン原子が凝集して転位クラスター
が形成される。
ェーハは、ボイドが形成される条件で成長させた単結晶
から切り出したウェーハである。このボイドが、研磨に
よってウェーハ表面に露出すると微小なピットになる。
によって検出されたことからCrystal Originated Parti
cle(COP)と呼ばれている。COPはデバイスの歩留まりを
低下させることが知られており、COP密度(単位面積当た
りのCOP数)を低減する必要がある。
あっても、ウェーハ表面近傍のデバイス活性層中に存在
すれば、デバイスの特性を劣化させることが知られてい
る。従って、COPだけでなく、ウェーハ表面近傍に存在
するボイドの密度も低減する必要がある。
晶育成時にボイド欠陥の形成温度範囲(1100℃前後)を徐
冷することによってボイドを低減することが行われてき
たが、この方法では単位体積あたりのボイド数は減少す
るが、ボイドのサイズは肥大する。
微細化が進み、COPやボイドのサイズが無視できなくな
り、表面及びデバイス活性領域において、COPやボイド
が存在しないウェーハが求められるようになった。その
結果、先端デバイス用基板としては、エピタキシャルウ
ェーハやCOPを消滅させた水素アニールウェーハが用い
られている。
高く、また水素・アルゴンアニールウェーハは、表面近
傍の酸素が外方拡散し、酸素が未飽和となるために表面
近傍のGrown‐in欠陥の内壁酸化膜が溶解し、熱平衡状
態によって供給される格子間シリコン原子により、ウェ
ーハ表面のみGrown‐in欠陥の完全な消滅が起こるが、
ウェーハ表面深さ1μmの位置においてもGrown‐in欠陥
の溶け残りが多数存在し、表面活性領域での完全性は不
十分であり、デバイス歩留りに影響する。
るため、酸素濃度が4×1017atoms/cm3以上のシリコン単
結晶に急速冷却を施し、加工して得られたウェーハに少
なくとも1000℃で1時間の熱処理を施すか、あるいは急
速冷却の代わりに少なくとも1×1014atoms/cm3以上の窒
素ドーピングを行い、同様に熱処理する方法が提案(特
開平10-098047)されているが、これも極表層の欠陥は低
減されるが、それより深い表面活性領域での完全性は不
十分であり、デバイス歩留りに影響することが懸念され
る。
コン単結晶からスライスしたウェーハにおいて、ウェー
ハ表面におけるCOPと表面から数μm深さの表層における
COPの発生源であって八面体ボイドからなるGrown‐in欠
陥を、効率よく消滅させることが困難であるという問題
の解消を目的とし、また、被処理ウェーハの性状に特定
の条件を課することなく、水素や不活性ガス雰囲気(amb
ient)で高温熱処理する従来方法を用いてウェーハ表面
とその近傍の該欠陥を完全に消減させることが可能なシ
リコン単結晶ウェーハとその製造方法の提供を目的とし
ている。
び/または不活性ガス雰囲気で高温熱処理する方法を用
い、ウェーハ表面並びにその近傍の八面体ボイドからな
るGrown‐in欠陥を効果的に消滅させることが可能な熱
処理について種々検討した結果、水素及び/または不活
性ガス雰囲気での熱処理により、ウェーハ表面近傍の八
面体ボイド(Grown‐in欠陥)の内壁酸化膜が除去され、
前記熱処理後に行う酸化熱処理によって格子間シリコン
原子の注入が起こり、ウェーハ表面近傍のボイド欠陥が
完全消滅した半導体シリコンウェーハが得られ、目的と
するGrown‐in欠陥の完全消滅が実現できることを知見
した。
消滅させる場合には、COPやボイドのサイズが小さい方
が有利であると考え、窒素をドープしたシリコン単結晶
から切り出したシリコンウェーハに上記の高温熱処理を
施したところ、窒素をドープしていないウェーハよりも
短時間でCOPが消滅し、さらに、水素を含む雰囲気中ま
たは不活性ガス雰囲気中で熱処理を施すことによって表
面から所要深さまでのボイド欠陥の内壁酸化膜を除去し
た後、酸素を含む雰囲気中で熱処理を行い強制的に格子
間シリコン原子を注入することにより、より短時間で深
い位置、例えば10μm深さまでボイドを消滅させること
が可能であることを知見し、この発明を完成した。
シリコンウェーハ製造プロセスにおいて、熱処理にアル
ゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気を採用すると、
最初の高温熱処理終了後、次の酸化熱処理のためにその
温度を保持するか、昇温あるいは降温しながら酸素雰囲
気に置換あるいは酸素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気
へと移行させることが容易であることを知見した。
て、使用するウェーハは、最終の鏡面研磨されたウェー
ハでもよく、あるいはアルゴン雰囲気下で熱処理中にピ
ットを生じるような熱処理炉を使用する場合は、最終研
磨前の荒研磨されたウェーハ等を使用し、熱処理後に最
終の鏡面研磨を施すことも可能であること、さらにはこ
の発明の熱処理を施す前に、予め熱酸化膜をわずかに成
長させたウェーハを使用してピットが発生する温度域
を、この熱酸化膜により保護させる方法も併用できるこ
とを知見した。
するのは、ボイドに対する縮小効果やCOPやボイドの消
滅に要する熱処理時間の短縮効果を目的とし、かかる効
果を得るには1×1013atoms/cm3以上となるなるように窒
素をドープするが、高すぎると結晶引上時に多結晶化す
るので、5×1015atoms/cm3程度迄とするのが望ましい。
素をドープできるのであれば、どのような方法でもよ
く、原料(多結晶シリコン)中あるいはシリコン融液中へ
の窒素化合物の混合、窒素を添加したFZシリコン結晶や
表面に窒化珪素膜を形成したシリコンウェーハの原料へ
の混合、引上炉内へ窒素あるいは窒素化合物ガスを流し
ながらの単結晶育成、溶融前の高温においての原料への
窒素あるいは窒素化合物ガスの吹き付け、窒化物製坩堝
の使用等が挙げられる。
熱処理により、八面体ボイドの内壁酸化膜は除去された
が、溶け残りとして存在しているGrown‐in欠陥を完全
に消滅させることを目的とするもので、まずウェーハに
水素又は不活性ガスあるいはその混合ガスによる熱処理
を施すと、表面近傍のGrown‐in欠陥の消滅が起こる
が、表面から深さ1μm程度の領域においても内壁酸化膜
が溶解してサイズが縮小したボイドの溶け残りが残る。
不活性ガスによる高温熱処理によってGrown‐in欠陥の
内壁酸化膜を除去した後、酸素ガス単独または酸素と不
活性ガスの混合ガス雰囲気等の熱処理で、強制的に格子
間シリコン原子を注入し、表面近傍のGrown‐in欠陥を
格子間シリコン原子で埋めることにより完全に消滅させ
る。
コン原子が注入されて酸素析出物が抑制されることが懸
念されるが、最初に水素及び/または不活性ガスによる
熱処理を施しているため、ウェーハ内部で酸素析出物は
充分成長しており、次の酸素雰囲気の熱処理により酸素
析出物が消滅しないため、デバイスプロセスでの重金属
汚染のIGによるゲッタリング効果が期待できる。また、
この酸素析出物密度を制御する方法としては、熱処理炉
への投入温度、投入後の保持時間、あるいは昇温速度を
変更することにより制御可能である。
リコン原子を意図的に熱平衡より過剰な非平衡状態で注
入させるため、得られるウェーハはその表面から10μm
までのGrown‐in欠陥フリー領域が形成される利点があ
る。また、この発明は、水素及び/又は不活性ガス雰囲
気の熱処理によって得られる酸素外方拡散、すなわち酸
素雰囲気の熱処理に比べても著しい拡散が起こる酸素外
方拡散を利用して、酸素が未飽和になった領域のGrown-
in欠陥の内壁酸化膜を溶解させるもので、酸素濃度など
に関しても対象とするウェーハに性状的な制限が一切な
いという利点がある。
性ガス雰囲気の熱処理は、その最低温度が1000℃未満で
は八面体ボイドの内壁酸化膜が十分に除去できないか、
もしくは長時間の熱処理が必要となるため、1000℃以上
が好ましく、また最高温度が1350℃を越えるとスリップ
を防ぐことが非常に困難になり、かつ汚染問題も生じる
ため1350℃以下が好ましい。さらに好ましい温度範囲は
1150℃から1250℃である。
間は、八面体ボイドの内壁酸化膜を溶解させるのに1000
℃では50時間程度が必要である。この最初の高温熱処理
は、好ましくは1200℃前後の温度範囲で1時間から4時間
程度で行うことが望ましい。
子間シリコン原子を注入させるためには800℃以上を必
要とするが、上限温度は上記のスリップや汚染問題によ
り1350℃以下とする。さらに好ましい温度範囲は1150℃
から1250℃である。
れたGrown‐in欠陥を消滅させるのに800℃では50時間程
度の時間を要する。望ましくは1200℃前後の温度範囲で
1時間から2時間程度が望ましい。
ウェーハを貼り合わせSOI基板の活性側基板として利用
することも可能であり、活性側の基板はこの発明の酸化
時に所望の酸化膜厚まで成長させ支持基板と貼り合わせ
てもよく、またこの発明の熱処理後、酸化膜を除去し、
所望の酸化膜厚を成長させた支持基板に貼り合せを行う
か、もしくはこの発明の熱処理後に酸化膜除去、再鏡面
研磨工程を追加した後、この基板あるいは支持基板に所
望の酸化膜成長後、張り合わせてもよい。
ャル成長用基板としても利用できる。すなわち、薄いエ
ピタキシャル膜成長を行う場合、従来の基板では表面の
COPがエピタキシャル成長膜にも影響を及ぼすことが問
題となるが、この発明による基板はかかる問題を回避す
ることができる。
単結晶と窒素濃度1×1014atoms/cm3のシリコン単結晶か
ら切り出したウェーハに対して水素雰囲気中1200℃で1
時間の熱処理を行った後、酸素雰囲気中1200℃で15分間
の熱処理を行った。
5、7、10μmの再研磨を行い、レーザーパーティクルカ
ウンターでCOP数を測定したところ図1の結果が得られ
た。この結果から、窒素ドープウェーハの方がボイドは
より深い位置まで消滅することが分かる。
単結晶と窒素濃度1×1014atoms/cm3のシリコン単結晶か
ら切り出したウェーハに対して水素雰囲気中1200℃で1
時間の熱処理を行った後、酸素雰囲気中1200℃で5分か
ら60分間の熱処理を行った。
コン単結晶から切り出したウェーハに対して水素雰囲気
中1200℃で1時間の熱処理を行ったサンプルAと、水素雰
囲気中1200℃で1時間の熱処理を行った後、酸素雰囲気
中1200℃で15分の熱処理を行った本発明サンプルBを作
製した。
5、7、10μmの再研磨を行い、レーザーパーティクルカ
ウンターでCOP数を測定したところ図3の結果が得られ
た。この結果から、上記サンプルAに代表される単一熱
処理(特開平10‐98047記載の熱処理)に比べて、この発
明ではより深い位置までボイドが消滅することが分か
る。
素をドープしてCOP及びボイドのサイズを縮小し、水素
及び/又は不活性ガスでの熱処理における表面近傍のCOP
欠陥の溶け残りを、酸素単独または酸素と不活性ガスの
混合ガス、あるいは水蒸気などの組み合わせによる酸化
性雰囲気での熱処理により、強制的にウェーハ表面から
格子間シリコン原子を注入して表面近傍のGrown‐in欠
陥を効率良く格子間シリコン原子で埋めつくすことによ
り、欠陥を完全に消滅させてデバイス特性の向上を図る
ことが可能で、これまでの水素及びアルゴンに代表され
る不活性ガス雰囲気での熱処理のみでは完全に消滅させ
ることができなかったGrown‐in欠陥を、表面から10μm
程度までほぼ完全に消滅させることができ、エピタキシ
ャルウェーハ並みの良好な特性の半導体シリコンウェー
ハが低コストで得られる。さらにはこの発明の熱処理を
行ったウェーハでは、バルク中に重金属のゲッタリング
に十分な酸素析出物が形成されており、IG効果も期待で
きる。
関係を示すグラフである。
時間と深さ10μmにおけるCOP数との関係を示すグラフで
ある。
関係を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 窒素をドープしたシリコン単結晶から切
り出したシリコンウェーハに、水素及び/または不活性
ガス雰囲気下の熱処理を施し、表面から所要深さまでの
ボイド欠陥(Grown‐in欠陥)の内壁酸化膜を除去した
後、酸化熱処理を行い強制的に格子間シリコン原子を注
入させることにより、Grown‐in欠陥を消滅させる半導
体シリコンウェーハの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、シリコン単結晶中の窒
素濃度は1×1013atoms/cm3以上である半導体シリコンウ
ェーハの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において、水素及び/または不活
性ガス雰囲気下の熱処理が1000℃以上1350℃以下の温度
で50時間以下の熱処理であり、酸化熱処理が800℃以上1
350℃以下の温度範囲で50時間以下の処理である半導体
シリコンウェーハの製造方法。 - 【請求項4】 請求項3において、水素を含む雰囲気中で
の熱処理後、不活性ガスを導入して水素ガス濃度を十分
低下させてから連続して酸素を含む雰囲気中で熱処理を
行う半導体シリコンウェーハの製造方法。 - 【請求項5】 請求項3において、不活性ガス雰囲気中で
の熱処理後、その熱処理直後に、連続して酸素を含む雰
囲気中で熱処理を行う半導体シリコンウェーハの製造方
法。 - 【請求項6】 請求項3において、水素を含む雰囲気中ま
たは不活性ガス雰囲気中での熱処理を行った後に、ウェ
ーハを一旦熱処理炉の外に取り出し、酸素を含む雰囲気
中で熱処理を行う半導体シリコンウェーハの製造方法。 - 【請求項7】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
晶ウェーハで、窒素濃度は1×1013atoms/cm3以上であ
り、表面から10μm深さまでのGrown‐in欠陥が消滅した
半導体シリコンウェーハ。
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- 1999-01-08 JP JP00278599A patent/JP4038910B2/ja not_active Expired - Fee Related
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