JP2001102385A - 点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハ - Google Patents

点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハ

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JP2001102385A JP2000228463A JP2000228463A JP2001102385A JP 2001102385 A JP2001102385 A JP 2001102385A JP 2000228463 A JP2000228463 A JP 2000228463A JP 2000228463 A JP2000228463 A JP 2000228463A JP 2001102385 A JP2001102385 A JP 2001102385A
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Kazuhiro Harada
和浩 原田
Hisashi Furuya
久 降屋
Yukio Muroi
幸男 室井
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーフェクト領域[P]からなるインゴット
から切出されたシリコンウェーハであっても、ウェーハ
面内で均一なゲッタリング効果が得られる。 【解決手段】 インゴット内での空孔型点欠陥が支配的
に存在する領域を[V]とし、格子間シリコン型点欠陥
が支配的に存在する領域を[I]とし、空孔型点欠陥の
凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しな
いパーフェクト領域を[P]とするとき、領域[PI
からなるか、又は領域[PV]と領域[P I]の双方から
なりかつ領域[PV]/領域[PI]が面積比で9未満で
あるウェーハである。但し、領域[PV]は領域[V]
に隣接しかつ酸化誘起積層欠陥を形成し得る最低の空孔
型点欠陥濃度未満の空孔型点欠陥濃度を有する領域であ
り、領域[PI]は領域[I]に隣接し、かつ侵入型転
位を形成し得る最低の格子間シリコン型点欠陥濃度未満
の格子間シリコン型点欠陥濃度を有する領域である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(以下、CZ法という。)により作られ、半導体集積
回路を製造するために用いられるシリコンウェーハに関
する。更に詳しくはゲッタリング源を有し、かつ点欠陥
の凝集体が存在しないシリコンウェーハに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路を製造する工程に
おいて、歩留りを低下させる原因として酸化誘起積層欠
陥(Oxidation Induced Stacking Fault、以下、OSF
という。)の核となる酸素析出物の微小欠陥や、結晶に
起因したパーティクル(Crystal Originated Particl
e、以下、COPという。)や、或いは侵入型転位(Int
erstitial-type Large Dislocation、以下、LDとい
う。)の存在が挙げられている。OSFは、結晶成長時
にその核となる微小欠陥が導入され、半導体デバイスを
製造する際の酸化工程等で顕在化し、作製したデバイス
のリーク電流の増加等の不良原因になる。また鏡面研磨
後のシリコンウェーハをアンモニアと過酸化水素の混合
液で洗浄すると、ウェーハ表面にピットが形成され、こ
のウェーハをパーティクルカウンタで測定すると、ピッ
トも本来のパーティクルとともにパーティクルとして検
出される。上記ピットは結晶に起因したものであり、本
来のパーティクルと区別するために、COPと称され
る。このウェーハ表面のピットであるCOPは電気的特
性、例えば酸化膜の経時絶縁破壊特性(Time Dependent
dielectric Breakdown、TDDB)、酸化膜耐圧特性
(Time Zero Dielectric Breakdown、TZDB)等を劣
化させる原因となる。またCOPがウェーハ表面に存在
するとデバイスの配線工程において段差を生じ、この段
差は断線の原因となって、製品の歩留りを低くする。更
にLDは、転位クラスタとも呼ばれたり、或いはこの欠
陥を生じたシリコンウェーハをフッ酸を主成分とする選
択エッチング液に浸漬するとピットを生じることから転
位ピットとも呼ばれる。
【0003】以上のことから、半導体集積回路を製造す
るために用いられるシリコンウェーハからOSF、CO
P及びLDを減少させることが必要となっている。この
OSF、COP及びLDを有しない無欠陥のシリコンウ
ェーハが特開平11−1393号公報に開示されてい
る。この無欠陥のシリコンウェーハは、シリコン単結晶
インゴット内での空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリ
コン型点欠陥の凝集体がそれぞれ存在しないパーフェク
ト領域を[P]とするとき、パーフェクト領域[P]か
らなるインゴットから切出されたシリコンウェーハであ
る。パーフェクト領域[P]は、格子間シリコン型点欠
陥が支配的に存在する領域[I]と、シリコン単結晶イ
ンゴット内で空孔型点欠陥が支配的に存在する領域
[V]との間に介在する。一方、半導体デバイスメーカ
ーの中には、OSF、COP及びLDを有しない上に、
デバイス工程で生じる汚染をゲッタリングする能力を有
するシリコンウェーハを求めるメーカーが存在する。ゲ
ッタリング能力が十分に備わっていないウェーハでは、
デバイス工程での汚染により接合リーク等を生じ、これ
により製品の歩留まりを低下させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記パーフェ
クト領域[P]からなるインゴットから切出されたシリ
コンウェーハの中で空孔型点欠陥濃度が比較的低いウェ
ーハは、デバイス工程の熱処理においてウェーハ面内で
均一に酸素析出が起らず、これによりゲッタリング効果
が十分に得られない場合がある。本発明の目的は、パー
フェクト領域[P]からなるインゴットから切出された
シリコンウェーハであっても、ウェーハ面内で均一なゲ
ッタリング効果が得られるシリコンウェーハを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
シリコン単結晶インゴット内での格子間シリコン型点欠
陥が支配的に存在する領域を[I]とし、空孔型点欠陥
が支配的に存在する領域を[V]とし、格子間シリコン
型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しな
いパーフェクト領域を[P]とするとき、パーフェクト
領域[P]からなるインゴットから切出された点欠陥の
凝集体が存在しないシリコンウェーハにおいて、領域
[I]に隣接し、かつ侵入型転位を形成し得る最低の格
子間シリコン型点欠陥濃度未満の格子間シリコン型点欠
陥濃度を有する領域を[PI]とし;領域[V]に隣接
し、かつ酸化誘起積層欠陥を形成し得る最低の空孔型点
欠陥濃度未満の空孔型点欠陥濃度を有する領域を
[PV]とするとき;領域[PI]からなるか、或いは領
域[PI]と領域[PV]の双方からなり領域[PV]/
領域[PI]が面積比で9未満であって、かつ炭素濃度
が1〜5×1015/cm3であることを特徴とする点欠
陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハである。請求
項2に係る発明は、領域[PI]からなるか、或いは領
域[PI]と領域[PV]の双方からなり領域[PV]/
領域[PI]が面積比で9未満であって、かつウェーハ
裏面に厚さ0.1〜1.6μmのポリシリコン層が形成
されたことを特徴とする点欠陥の凝集体が存在しないシ
リコンウェーハである。請求項3に係る発明は、領域
[PI]からなるか、或いは領域[PI]と領域[PV
の双方からなり領域[PV]/領域[PI]が面積比で9
未満であって、かつ炭素濃度が1〜5×1015/cm3
であり、ウェーハ裏面に厚さ0.1〜1.6μmのポリ
シリコン層が形成されたことを特徴とする点欠陥の凝集
体が存在しないシリコンウェーハである。
【0006】領域[PI]が豊富であって、即ち空孔型
点欠陥よりも格子間シリコン型点欠陥に富んだウェーハ
であっても、炭素濃度を通常のCZウェーハより高い上
記範囲内の濃度にするか、又はウェーハ裏面にポリシリ
コン層を形成することにより、このウェーハを例えば8
00℃で4時間熱処理した後、1000℃で16時間熱
処理すれば、ウェーハのすべての面において酸素析出が
均一に行われ、ウェーハ周縁部及びウェーハ中心部との
間でばらつきのない均一なゲッタリング効果が得られ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のシリコンウェーハは、C
Z法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からインゴ
ットをボロンコフ(Voronkov)の理論に基づいた所定の
引上げ速度プロファイルで引上げた後、このインゴット
をスライスして作製される。一般的に、CZ法によりホ
ットゾーン炉内のシリコン融液からシリコン単結晶のイ
ンゴットを引上げたときには、シリコン単結晶における
欠陥として、点欠陥(point defect)と点欠陥の凝集体
(agglomerates:三次元欠陥)が発生する。点欠陥は空
孔型点欠陥と格子間シリコン型点欠陥という二つの一般
的な形態がある。空孔型点欠陥は一つのシリコン原子が
シリコン結晶格子で正常的な位置の一つから離脱したも
のである。このような空孔が空孔型点欠陥になる。一
方、原子がシリコン結晶の格子点以外の位置(インター
スチシャルサイト)で発見されるとこれが格子間シリコ
ン点欠陥になる。
【0008】点欠陥は一般的にシリコン融液(溶融シリ
コン)とインゴット(固状シリコン)の間の接触面で形
成される。しかし、インゴットを継続的に引上げること
によって接触面であった部分は引上げとともに冷却し始
める。冷却の間、空孔型点欠陥又は格子間シリコン型点
欠陥は拡散により互いに合併して、空孔型点欠陥の凝集
体(vacancy agglomerates)又は格子間シリコン型点欠
陥の凝集体(interstitial agglomerates)が形成され
る。言い換えれば、凝集体は点欠陥の合併に起因して発
生する三次元構造である。空孔型点欠陥の凝集体は前述
したCOPの他に、LSTD(Laser ScatteringTomogr
aph Defects)又はFPD(Flow Pattern Defects)と
呼ばれる欠陥を含み、格子間シリコン型点欠陥の凝集体
は前述したLDと呼ばれる欠陥を含む。FPDとは、イ
ンゴットをスライスして作製されたシリコンウェーハを
30分間セコ(Secco)エッチング液で化学エッチング
したときに現れる特異なフローパターンを呈する痕跡の
源であり、LSTDとは、シリコン単結晶内に赤外線を
照射したときにシリコンとは異なる屈折率を有し散乱光
を発生する源である。
【0009】ボロンコフの理論は、欠陥の数が少ない高
純度インゴットを成長させるために、インゴットの引上
げ速度をV(mm/分)、ホットゾーン構造でインゴッ
ト−シリコン融液の接触面の温度勾配をG(℃/mm)
とするときに、V/G(mm 2/分・℃)を制御するこ
とである。この理論では、図1に示すように、V/Gを
よこ軸にとり、空孔型点欠陥濃度と格子間シリコン型点
欠陥濃度を同一のたて軸にとって、V/Gと点欠陥濃度
との関係を図式的に表現し、空孔領域と格子間シリコン
領域の境界がV/Gによって決定されることを説明して
いる。より詳しくは、V/G比が臨界点以上では空孔型
点欠陥濃度が上昇したインゴットが形成される反面、V
/G比が臨界点以下では格子間シリコン型点欠陥濃度が
上昇したインゴットが形成される。図1において、
[I]は格子間シリコン型点欠陥が支配的であって、格
子間シリコン型点欠陥が存在する領域((V/G)1
下)を示し、[V]はインゴット内での空孔型点欠陥が
支配的であって、空孔型点欠陥の凝集体が存在する領域
((V/G)2以上)を示し、[P]は空孔型点欠陥の凝
集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しない
パーフェクト領域((V/G)1〜(V/G)2)を示す。領
域[P]に隣接する領域[V]にはOSF核を形成する
領域((V/G)2〜(V/G)3)が存在する。
【0010】このパーフェクト領域[P]は更に領域
[PI]と領域[PV]に分類される。[PI]はV/G
比が上記(V/G)1から臨界点までの領域であり、
[PV]はV/G比が臨界点から上記(V/G)2までの領
域である。即ち、[PI]は領域[I]に隣接し、かつ
侵入型転位を形成し得る最低の格子間シリコン型点欠陥
濃度未満の格子間シリコン型点欠陥濃度を有する領域で
あり、[PV]は領域[V]に隣接し、かつOSFを形
成し得る最低の空孔型点欠陥濃度未満の空孔型点欠陥濃
度を有する領域である。
【0011】本発明の所定の引上げ速度プロファイル
は、インゴットがホットゾーン炉内のシリコン溶融物か
ら引上げられる時、温度勾配に対する引上げ速度の比
(V/G)が格子間シリコン型点欠陥の凝集体の発生を
防止する第1臨界比((V/G)1)以上であって、空孔
型点欠陥の凝集体をインゴットの中央にある空孔型点欠
陥が支配的に存在する領域内に制限する第2臨界比
((V/G)2)以下に維持されるように決められる。
【0012】この引上げ速度のプロファイルは、実験的
に基準インゴットを軸方向にスライスすることで、又は
これらの技術を組合わせることで、シミュレーションに
よって上記ボロンコフの理論に基づき決定される。即
ち、この決定は、シミュレーションの後、インゴットの
軸方向スライス及びスライスされたウェーハの確認を行
い、更にシミュレーションを繰り返すことによりなされ
る。シミュレーションのために複数種類の引上げ速度が
所定の範囲で決められ、複数個の基準インゴットが成長
される。図2に示すように、シミュレーションのための
引上げ速度プロファイルは1.2mm/分のような高い
引上げ速度(a)から0.5mm/分の低い引上げ速度
(c)及び再び高い引上げ速度(d)に調整される。上記
低い引上げ速度は0.4mm/分又はそれ以下であるこ
ともあってもよく、引上げ速度(b)及び(d)での変化
は線形的なものが望ましい。
【0013】異なった速度で引上げられた複数個の基準
インゴットは各別に軸方向にスライスされる。最適のV
/Gが軸方向のスライス、ウェーハの確認及びシミュレ
ーションの結果の相関関係から決定され、続いて最適な
引上げ速度プロファイルが決定され、そのプロファイル
でインゴットが製造される。実際の引上げ速度プロファ
イルは所望のインゴットの直径、使用される特定のホッ
トゾーン炉及びシリコン融液の品質等を含めてこれに限
定されない多くの変数に依存する。
【0014】引上げ速度を徐々に低下させてV/Gを連
続的に低下させたときのインゴットの断面図を描いてみ
ると、図3に示される事実が分かる。図3には、インゴ
ット内での空孔型点欠陥が支配的に存在する領域が
[V]、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領
域が[I]、及び空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリ
コン型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域が
[P]としてそれぞれ示される。図3に示すように、イ
ンゴットの軸方向位置P1は、中央に空孔型点欠陥が支
配的に存在する領域を含む。位置P3は格子間シリコン
型点欠陥が支配的に存在するリング領域及び中央のパー
フェクト領域を含む。また位置P2は、本発明に関連す
る中央に空孔型点欠陥の凝集体もなく、縁部分に格子間
シリコン型点欠陥の凝集体もないので全てパーフェクト
領域である。
【0015】図3から明らかなように、位置P1に対応
したウェーハW1は、中央に空孔型点欠陥が支配的に存
在する領域を含む。位置P3に対応したウェーハW3は、
格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するリング及び
中央のパーフェクト領域を含む。また位置P2に対応し
たウェーハW2は、本発明に係るウェーハであって、中
央に空孔型点欠陥の凝集体もないし、縁部分に格子間シ
リコン型点欠陥の凝集体もないので全てパーフェクト領
域である。この空孔型点欠陥が支配的に存在する領域の
パーフェクト領域に接する僅かな領域(図1の(V/G)
2〜(V/G)3)は、ウェーハ面内でCOPもLDも発生
していない領域である。しかしこのシリコンウェーハW
1に対して、従来のOSF顕在化熱処理に従った、酸素
雰囲気下、1000℃±30℃の温度で2〜5時間熱処
理し、引続き1130℃±30℃の温度で1〜16時間
熱処理すると、OSFを生じる。図4に示すように、ウ
ェーハW1ではウェーハの半径の1/2付近にOSFリ
ングが発生する。このOSFリングで囲まれた空孔型点
欠陥が支配的に存在する領域はCOPが出現する傾向が
ある。
【0016】本発明のシリコンウェーハが上述したよう
に領域[PI]からなるか、或いは領域[PV]/領域
[PI]が面積比で9未満の場合には、空孔型点欠陥濃
度が低いため、第一にウェーハ中の炭素濃度を1〜5×
1015/cm3になるように制御するか、又は第二にウ
ェーハ裏面に厚さ0.1〜1.6μmのポリシリコン層
を形成するか、或いは第三にこれら両方を行う。第一な
いし第三の制御又は加工を行うことにより空孔型点欠陥
濃度が低くても、所定の熱処理により酸素析出物が作ら
れ、ウェーハ面内で均一なイントリンシックゲッタリン
グ効果を有するようになる。この所定の熱処理は、デバ
イス製造工程におけるウェーハ熱処理などである。一例
を挙げれば、窒素や酸素雰囲気下、600〜800℃で
1〜24時間第1段熱処理した後、窒素や酸素雰囲気
下、1000〜1150℃で1〜16時間第2段熱処理
する。好ましくは800℃で4時間熱処理した後、10
00℃で16時間熱処理する。
【0017】第一のウェーハ中の炭素濃度の制御は、C
Z法に基づいて多結晶シリコンを融解するときに純炭素
を添加して、インゴット中の炭素濃度[Cs]が1〜5×
10 15/cm3になるように行われる。炭素濃度が1×
1015/cm3未満ではイントリンシックゲッタリング
効果に乏しく、5×1015/cm3を超えると、所定の
熱処理時に酸素析出核の析出過多が起こり過剰な酸素析
出物を生じる不具合がある。また第二のウェーハ裏面の
ポリシリコン層の形成は、上記条件で引上げられたイン
ゴットをスライスして作製されたシリコンウェーハの裏
面に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により
例えばSiH4を用いて650℃±30℃の温度でポリ
シリコン層が厚さ0.1〜1.6μm、好ましくは0.
5〜1.0μmで形成される。ポリシリコン層の厚さが
0.1μm未満ではイントリンシックゲッタリング効果
に乏しく、1.6μmを超えると生産性が低下する不具
合を生じる。なお、本発明のシリコンウェーハ中の酸素
濃度は、1×1018〜1.45×1018/cm3(旧AS
TM)である。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 <実施例1>原料の多結晶シリコンに純炭素を加えてこ
れを融解し、このシリコン融液からインゴット全長が図
3に示した位置P2に対応する領域であって、図1に示
したV/Gが(V/G)1以上(V/G)2以下の領域に入
り、かつ領域[PV]/領域[PI]が面積比で約1にな
るように、インゴットを引上げた。引上げられたインゴ
ットからスライスされたシリコンウェーハをラッピング
し、面取り加工を施した後、化学エッチング処理により
ウェーハ表面のダメージを除去して鏡面シリコンウェー
ハを得た。
【0019】<実施例2>原料の多結晶シリコンに加え
る純炭素の量を実施例1より多くした以外、実施例1と
同様にして鏡面ウェーハを得た。 <実施例3>インゴット全長を図3に示した位置P2
対応する領域であって、図1に示したV/Gが(V/G)
1以上(V/G)2以下の領域に入り、かつ領域[PV]/
領域[PI]が面積比で約1になるようにインゴットを
引上げた。引上げられたインゴットを実施例1と同様に
加工した後、ウェーハ裏面にCVD法により、SiH 4
を用いて650℃で0.5μmの厚さでポリシリコン層
を形成した。その後、鏡面研磨してシリコンウェーハを
得た。 <実施例4>ウェーハ裏面のポリシリコン層の厚さを
1.0μmにした以外は、実施例3と同様にして鏡面ウ
ェーハを得た。
【0020】<実施例5>ウェーハ裏面のポリシリコン
層の厚さを1.5μmにした以外は、実施例3と同様に
して鏡面ウェーハを得た。
【0021】<実施例6>原料の多結晶シリコンに純炭
素を加えてこれを融解し、このシリコン融液からインゴ
ット全長が図3に示した位置P2に対応する領域であっ
て、図1に示したV/Gが(V/G)1以上(V/G)2以下
の領域に入り、かつ領域[PV]/領域[PI]が面積比
で約1になるようにインゴットを引上げた。引上げられ
たインゴットを実施例1と同様に加工した後、ウェーハ
裏面にCVD法により、SiH4を用いて650℃で
1.0μmの厚さでポリシリコン層を形成した。その
後、鏡面研磨してシリコンウェーハを得た。 <実施例7>原料の多結晶シリコンに加える純炭素の量
を多くした以外、実施例6と同様にして鏡面ウェーハを
得た。 <実施例8>ウェーハ裏面のポリシリコン層の厚さを
1.5μmにした以外は、実施例6と同様にして鏡面ウ
ェーハを得た。 <実施例9>ウェーハ裏面のポリシリコン層の厚さを
1.5μmにした以外は、実施例7と同様にして鏡面ウ
ェーハを得た。
【0022】<比較例1>インゴット全長が図3に示し
た位置P2に対応する領域であって、図1に示したV/
Gが臨界点以上(V/G)2以下の領域に入り、かつ領域
[PV]/領域[P I]が面積比で約1になるようにイン
ゴットを引上げた。引上げられたインゴットからスライ
スされたシリコンウェーハをラッピングし、面取り加工
を施した後、化学エッチング処理によりウェーハ表面の
ダメージを除去して鏡面ウェーハを得た。 <比較例2>原料の多結晶シリコンに加える純炭素の量
を実施例2より多くした以外、実施例2と同様にして鏡
面ウェーハを得た。 <比較例3>原料の多結晶シリコンに加える純炭素の量
を実施例6より多くした以外、実施例6と同様にして鏡
面ウェーハを得た。
【0023】<比較例4>ウェーハ裏面のポリシリコン
層の厚さを1.5μmにした以外は、比較例3と同様に
して鏡面ウェーハを得た。 <比較例5>ウェーハ裏面のポリシリコン層の厚さを
2.0μmにした以外は、実施例8と同様にして鏡面ウ
ェーハを得た。 <比較例6>ウェーハ裏面のポリシリコン層の厚さを
0.5μmにした以外は、実施例7と同様にして鏡面ウ
ェーハを得た。
【0024】<比較評価>実施例1〜9及び比較例1〜
6の各シリコンウェーハ中のカーボン濃度を荷電粒子放
射化分析により、ウェーハ中の酸素濃度をフーリエ変換
赤外分光(FT−IR)によりそれぞれ測定した。更に
各ウェーハを酸素雰囲気下、800℃で4時間熱処理し
た後、酸素雰囲気下、1000℃で16時間熱処理し
た。熱処理した後、各ウェーハを劈開し、更にウェーハ
表面をライト(Wright)エッチング液で選択エッチング
を行い、光学顕微鏡の観察により、ウェーハ表面から深
さ300μmにおけるウェーハ中心部と、ウェーハの半
径の1/2付近の酸素析出物(Bulk Micro Defect、以
下、BMDという。)を測定しその密度を求めた。これ
らの結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、シリコンウェー
ハの熱処理後に、比較例1〜6ではウェーハ中心部とウ
ェーハの半径の1/2付近の双方において、BMD密度
がイントリンシックゲッタリング効果があるとされる1
8/cm3〜1011/cm3の範囲に入らなかったのに
対して、実施例1〜9のシリコンウェーハではウェーハ
中心部とウェーハの半径の1/2付近の双方において、
BMD密度がイントリンシックゲッタリング効果がある
とされる108/cm3〜1011/cm3の範囲に入って
いた。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、領
域[PV]/領域[PI]が面積比で9未満の場合には第
一にウェーハ中の炭素濃度を1〜5×1015/cm3
なるように制御するか、又は第二にウェーハ裏面に厚さ
0.1〜1.6μmのポリシリコン層を形成するか、或
いは第三にこれら両方を行うことにより、空孔型点欠陥
濃度が低くても、所定の熱処理により酸素析出物が作ら
れ、イントリンシックゲッタリング効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボロンコフの理論を基づいた、V/G比が臨界
点以上では空孔豊富インゴットが形成され、V/G比が
臨界点以下では格子間シリコン豊富インゴットが形成さ
れることを示す図。
【図2】所望の引上げ速度プロファイルを決定するため
の引上げ速度の変化を示す特性図。
【図3】本発明による基準インゴットの空孔が支配的に
存在する領域、格子間シリコンが支配的に存在する領域
及びパーフェクト領域を示すX線トポグラフィの概略
図。
【図4】図3の位置P1に対応するシリコンウェーハW1
にOSFリングが出現する状況を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン単結晶インゴット内での格子間
    シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域を[I]と
    し、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を[V]と
    し、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥
    の凝集体が存在しないパーフェクト領域を[P]とする
    とき、 前記パーフェクト領域[P]からなるインゴットから切
    出された点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハ
    において、 前記領域[I]に隣接し、かつ侵入型転位を形成し得る
    最低の格子間シリコン型点欠陥濃度未満の格子間シリコ
    ン型点欠陥濃度を有する領域を[PI]とし;前記領域
    [V]に隣接し、かつ酸化誘起積層欠陥を形成し得る最
    低の空孔型点欠陥濃度未満の空孔型点欠陥濃度を有する
    領域を[PV]とするとき;領域[PI]からなるか、或
    いは領域[PV]と領域[PI]の双方からなり領域[P
    V]/領域[PI]が面積比で9未満であって、かつ炭素
    濃度が1〜5×1015/cm3であることを特徴とする
    点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハ。
  2. 【請求項2】 シリコン単結晶インゴット内での格子間
    シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域を[I]と
    し、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を[V]と
    し、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥
    の凝集体が存在しないパーフェクト領域を[P]とする
    とき、 前記パーフェクト領域[P]からなるインゴットから切
    出された点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハ
    において、 前記領域[I]に隣接し、かつ侵入型転位を形成し得る
    最低の格子間シリコン型点欠陥濃度未満の格子間シリコ
    ン型点欠陥濃度を有する領域を[PI]とし;前記領域
    [V]に隣接し、かつ酸化誘起積層欠陥を形成し得る最
    低の空孔型点欠陥濃度未満の空孔型点欠陥濃度を有する
    領域を[PV]とするとき;領域[PI]からなるか、或
    いは領域[PV]と領域[PI]の双方からなり領域[P
    V]/領域[PI]が面積比で9未満であって、かつウェ
    ーハ裏面に厚さ0.1〜1.6μmのポリシリコン層が
    形成されたことを特徴とする点欠陥の凝集体が存在しな
    いシリコンウェーハ。
  3. 【請求項3】 シリコン単結晶インゴット内での格子間
    シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域を[I]と
    し、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を[V]と
    し、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥
    の凝集体が存在しないパーフェクト領域を[P]とする
    とき、 前記パーフェクト領域[P]からなるインゴットから切
    出された点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハ
    において、 前記領域[I]に隣接し、かつ侵入型転位を形成し得る
    最低の格子間シリコン型点欠陥濃度未満の格子間シリコ
    ン型点欠陥濃度を有する領域を[PI]とし;前記領域
    [V]に隣接し、かつ酸化誘起積層欠陥を形成し得る最
    低の空孔型点欠陥濃度未満の空孔型点欠陥濃度を有する
    領域を[PV]とするとき;領域[PI]からなるか、或
    いは領域[PV]と領域[PI]の双方からなり領域[P
    V]/領域[PI]が面積比で9未満であって、かつ炭素
    濃度が1〜5×1015/cm3であり、ウェーハ裏面に
    厚さ0.1〜1.6μmのポリシリコン層が形成された
    ことを特徴とする点欠陥の凝集体が存在しないシリコン
    ウェーハ。
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