JP2003074691A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2003074691A
JP2003074691A JP2001269005A JP2001269005A JP2003074691A JP 2003074691 A JP2003074691 A JP 2003074691A JP 2001269005 A JP2001269005 A JP 2001269005A JP 2001269005 A JP2001269005 A JP 2001269005A JP 2003074691 A JP2003074691 A JP 2003074691A
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JP
Japan
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lockup
vehicle speed
oil temperature
deceleration
transmission
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JP2001269005A
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English (en)
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Takahiro Miyajima
貴博 宮嶋
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロックアップクラッチの締結領域を拡大して
燃費を向上させる。 【解決手段】 トルクコンバータに設けられたロックア
ップクラッチの制御モードを、車両の減速度が予め設定
された基準減速度以上となったときに通常減速モードか
ら急減速モードに切り換える。急減速モードのロックア
ップ解放車速Vr2はロックアップクラッチの解放遅れ
によるエンジンストールやエンジン回転数のオーバーシ
ュートを防ぐように通常減速モードのロックアップ解放
車速Vr1に比べて高く設定され、一方、通常減速モー
ドではロックアップ領域を低速側に拡大するようにロッ
クアップ解放車速Vr1は低く設定されている。また、
ロックアップ解放車速Vr1,Vr2をATFの油温T
が低い程高い値に設定し、油温Tの変化に応じてロック
アップ作動の応答遅れが生じない程度にロックアップ解
放車速Vr1,Vr2を設定し得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動変速機の制御装
置に関し、特に、ロックアップクラッチの制御に適用し
て有効なものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速装置としては、遊星歯車機構を
有する多段式自動変速機やベルトを用いて無段階に自動
変速動作を行うベルト式無段変速機等があり、いずれの
自動変速機においても、その発進クラッチとしてトルク
コンバータを有している。
【0003】トルクコンバータはエンジンと変速機部と
の間に設けられており、その内部に満たされたATF
(Automatic Transmission Fluid)を介してエンジンの
動力を変速機部へ伝達するようになっている。このよう
なトルクコンバータには、例えば特開平8-178053号公報
に示すように、ロックアップクラッチが設けられている
ものがある。ロックアップクラッチは、エンジンのクラ
ンク軸と変速機部とを選択的に直結状態として、本来、
滑り要素にて連結するトルクコンバータによる動力損失
を無くして燃費を向上させるためのものであり、車両が
所定の車速以上となったときに締結され、車両の発進動
作時もしくは停止動作時等車両が所定の車速以下となっ
たときには解放されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、更なる燃費向上
のために、ロックアップ領域をより低速側に広げる制御
が求められている。しかし、ロックアップ領域をあまり
低速側に広げると、例えば車輪のロックが生じやすい低
ミュー路等で急減速を行った場合には、急減速を開始し
てから車輪がロックする間に、ロックアップクラッチを
締結状態から解放状態へ切り換えることができずにエン
ジンがストールする可能性がある。これは、ロックアッ
プクラッチがトルクコンバータ内のATFの油圧により
制御されるようになっているため、ロックアップ締結状
態と解放状態との切り換えにはタイムラグが生じるから
である。また、このタイムラグは車両の運転開始直後等
の低油温時つまりATFの粘度が高いとき程大きくなる
ため、ロックアップ解放車速を設定する際には、ATF
油温が低い状態において低ミュー路等で急減速した場合
であってもエンジンストールを生じない程度に高めに設
定することが必要となる。したがって、車両の走行後、
ATF油温が適正となった場合や、通常の乾燥路面で通
常の減速を行った場合であっても、ロックアップクラッ
チは前述の要求を満たすように設定された高い車速で解
放状態とされることになり、ロックアップクラッチの燃
費向上効果を十分に得ることができなかった。
【0005】本発明の目的は、ロックアップクラッチの
締結領域を拡大して燃費を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の自動変速機の制
御装置は、エンジンのクランク軸の回転が入力される変
速機部と前記クランク軸を前記変速機部に直結させるロ
ックアップクラッチを備えるトルクコンバータとを有す
る自動変速機の制御装置であって、車両の減速度を検出
する減速度検出手段と、前記減速度検出手段により車両
の急減速が検出されたときには、前記ロックアップクラ
ッチが解放されるロックアップ解放車速を通常の減速時
よりも高い値に設定する制御手段とを有することを特徴
とする。
【0007】本発明の自動変速機の制御装置は、前記ロ
ックアップ解放車速を変速機の油温が低い程高い値に設
定することを特徴とする。
【0008】本発明の自動変速機の制御装置は、エンジ
ンのクランク軸の回転が入力される変速機部と前記クラ
ンク軸を前記変速機部に直結させるロックアップクラッ
チを備えるトルクコンバータとを有する自動変速機の制
御装置であって、変速機の油温を検出する油温センサ
と、前記油温センサに検出される油温に基づいて、前記
ロックアップクラッチが解放されるロックアップ解放車
速を前記変速機の油温が低い程高い値に設定する制御手
段とを有することを特徴とする。
【0009】本発明の自動変速機の制御装置は、前記ロ
ックアップクラッチが締結されるロックアップ締結車速
を変速機の油温が低い程高い値に設定することを特徴と
する。
【0010】本発明にあっては、ロックアップクラッチ
の応答遅れによるエンジンストールやエンジン回転数の
オーバーシュートが生じやすい車両の急減速時にはロッ
クアップ解放車速が通常の減速時よりも高く設定される
ようにしたので、通常の減速時のロックアップ解放車速
を低速側に拡大することができるため燃費を向上するこ
とができる。
【0011】また、本発明にあっては、ロックアップク
ラッチの応答遅れによるエンジンストールやエンジン回
転数のオーバーシュートが生じやすい変速機の油温が低
いとき程ロックアップ解放車速を高い値に設定するよう
にしたので、油温の変化に応じてロックアップクラッチ
の応答遅れが生じない程度にロックアップ解放車速を低
速側に拡大することができるため燃費を向上させること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1はベルト式無段変速機の駆動系の概略
を示す説明図であり、この自動変速機としてのベルト式
無段変速機(CVT)は、エンジン1のクランク軸2の
出力が入力されるトルクコンバータ20と、前後進切換
装置30を介してトルクコンバータ20の出力が伝達さ
れる無段変速機部40とを有している。
【0014】トルクコンバータ20はクランク軸2に連
結されて回転するフロントカバー21と、このフロント
カバー21に連結されたポンプ側ケース22とを有し、
ポンプ側ケース22の内側に設けられたポンプインペラ
23に対向して配置されたタービンランナー24はター
ビン軸25に直結されている。またポンプ側ケース22
には油圧ポンプ3を駆動するオイルポンプシャフト26
が取り付けられており、このオイルポンプシャフト26
はクランク軸2に直結して回転駆動されている。ポンプ
インペラ23とタービンランナー24との間にはステー
タ27が配置され、ステータ27はワンウェイクラッチ
28により支持されている。タービンランナー24には
フロントカバー21に係合するロックアップクラッチ2
9が設けられており、ロックアップクラッチ29の一方
側はアプライ室29aであり、他方側はリリース室29
bとなっている。そして、アプライ室29aおよびリリ
ース室29b内に油圧ポンプ3から供給されるATF
(Automatic Transmission Fluid)の油圧を循環させる
ことによりトルクコンバータ20は作動状態となる。
【0015】ロックアップクラッチ29は、油圧ポンプ
3からアプライ室29aとリリース室29bとに供給さ
れる油圧により締結状態と解放状態とに切り換えられる
ようになっている。ロックアップ作動時には油圧ポンプ
3から吐出されたATFをアプライ室29aに供給し、
一方、リリース室29bの油圧を排出する。これによ
り、ロックアップクラッチ29の前後で圧力差が生じ、
ロックアップクラッチ29はフロントカバー21に押し
付けられフロントカバー21と一体に回転することにな
る。よって、ロックアップ状態となると、ロックアップ
クラッチ29と連結されているタービン軸25はフロン
トカバー21を介してクランク軸2と直結されることに
なり、本来、滑り要素にて連結するトルクコンバータ2
0による動力損失を減らすことができる。ロックアップ
解除時は、ロックアップ作動時とは逆に、リリース室2
9bに油圧が流入し、アプライ室29aの油圧が排出さ
れて、リリース室29bの圧力がアプライ室29aの圧
力を上回ることになる。よって、ロックアップクラッチ
29はフロントカバー21から強制的に引き離され、ロ
ックアップが解除される。
【0016】前後進切換機構30はトルクコンバータ2
0の出力軸であるタービン軸25の回転を無段変速機部
40に車両を前進させる方向に伝達するための前進用ク
ラッチ31と、車両を後退させる方向に伝達するための
後退用クラッチ32とを有している。前進用クラッチ3
1を接続状態とするとタービン軸25は無段変速機部4
0の入力軸つまりプライマリ軸41と直結状態となりタ
ービン軸25の回転はプライマリ軸41に車両を前進さ
せる方向に伝達されることになる。後退用クラッチ32
を接続状態とするとタービン軸25の回転は遊星歯車機
構33によって逆方向に減速してプライマリ軸41に伝
達され、車両を後退させることになる。
【0017】無段変速機部40は、前後進切換装置30
に連結されたプライマリ軸41と、これと平行となった
出力軸つまりセカンダリ軸42とを有している。
【0018】プライマリ軸41にはプライマリプーリ4
3が設けられており、このプライマリプーリ43はプラ
イマリ軸41に一体となった固定プーリ43aと、これ
に対向してプライマリ軸41にボールスプラインなどに
より軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ43bと
を有し、プーリのコーン面間隔つまりプーリ溝幅が可変
となっている。セカンダリ軸42にはセカンダリプーリ
44が設けられており、このセカンダリプーリ44はセ
カンダリ軸42に一体となった固定プーリ44aと、こ
れに対向してセカンダリ軸42に可動プーリ43bと同
様にして軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ44
bとを有し、プーリ溝幅が可変となっている。
【0019】プライマリプーリ43とセカンダリプーリ
44との間には動力伝達要素としての駆動ベルト45が
掛け渡されており、両方のプーリ43,44の溝幅を変
化させてそれぞれのプーリに対する駆動ベルト45の巻
き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸
41の回転がセカンダリ軸42に無段階に変速されて伝
達されることになる。駆動ベルト45のプライマリプー
リ43に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプー
リ44に対する巻き付け径をRsとすると、変速比Rは
R=Rs/Rpとなる。
【0020】セカンダリ軸42の回転は減速歯車および
ディファレンシャル装置46を有する歯車列を介して駆
動輪47a,47bに伝達されるようになっており、前
輪駆動の場合には駆動輪47a,47bは前輪となる。
【0021】プライマリプーリ43の溝幅を変化させる
ために、プライマリ軸41にはプランジャ48が固定さ
れ、このプランジャ48の外周面に摺動自在に接触する
プライマリシリンダ49が可動プーリ43bに固定され
ており、プランジャ48とプライマリシリンダ49とに
より駆動油室50が形成されている。一方、セカンダリ
軸42にはプランジャ51が固定され、このプランジャ
51の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ
52が可動プーリ44bに固定されており、プランジャ
51とセカンダリシリンダ52とにより駆動油室53が
形成されている。したがって、プライマリシリンダ49
内の駆動油室50に作動油を供給してその容積を大きく
すると、可動プーリ43bはプライマリシリンダ49と
ともに固定プーリ43a側に移動してプーリ溝幅が狭く
なり、逆に容積を小さくするとプーリ溝幅が広くなる。
また、セカンダリシリンダ52内の駆動油室53に作動
油を供給してその容積を大きくすると、可動プーリ44
bはセカンダリシリンダ52とともに固定プーリ44a
側に移動してプーリ溝幅が狭くなり、逆に容積を小さく
するとプーリ溝幅が広くなる。それぞれの溝幅は、プラ
イマリ側の駆動油室50に導入されるプライマリ圧Pp
と、セカンダリ側の駆動油室53に導入されるセカンダ
リ圧Psとを調整することにより設定される。
【0022】それぞれの駆動油室50,53に対しては
オイルポンプ3によってオイルパン60内の作動油が供
給されるようになっており、オイルポンプ3の吐出口に
接続されたライン圧路つまりセカンダリ圧路61は、駆
動油室53に連通されるとともにセカンダリ圧調整弁6
2のセカンダリ圧ポートに連通されている。このセカン
ダリ圧調整弁62によって駆動油室53に供給されるセ
カンダリ圧Psは、駆動ベルト45に必要な伝達容量に
見合った圧力に調整される。つまり、登坂や急加速など
のようにエンジン出力が大きいときには、セカンダリ圧
Psは上げられて駆動ベルト45のスリップが防止さ
れ、エンジン出力が小さいときには下げられてオイルポ
ンプ3のロスと伝達効率の向上が図られる。
【0023】セカンダリ圧路61はプライマリ圧調整弁
63のセカンダリ圧ポートに連通油路64を介して接続
されており、このプライマリ圧調整弁63のプライマリ
圧ポートはプライマリ圧路65を介してプライマリ側の
駆動油室50に連通されている。このプライマリ圧調整
弁63によってプライマリ圧Ppは、目標変速比、車速
Vなどに応じた値に調整され、プライマリプーリ43の
溝幅が変化して変速比Rが制御される。セカンダリ圧調
整弁62およびプライマリ圧調整弁63は、それぞれ比
例ソレノイド弁であり、制御装置70からそれぞれのソ
レノイドコイル62a,63aに供給される電流値を制
御することによってセカンダリ圧Psとプライマリ圧Pp
が調整される。
【0024】制御装置70には、プライマリプーリ43
の回転数Nを検出するプーリ回転数センサ71、車速V
を検出する車速センサ72、運転者により選択された走
行レンジを検出するレンジ検出センサ73、ATFの温
度を検出する油温センサ74および運転者により操作さ
れる図示しないブレーキペダルの作動を検出するブレー
キスイッチ75などからの検出信号が送られるようにな
っている。制御装置70は、それぞれのセンサからの信
号に基づいてそれぞれのソレノイドコイル62a,63
aに対する電流値を演算する中央演算処理装置と、演算
式やマップデータが格納されたメモリとを有している。
【0025】制御装置70は、このベルト式無段変速機
におけるロックアップクラッチ29の制御を行うように
なっている。そして、その制御は、車両減速時には通常
減速モードと急減速モードのそれぞれのモードに応じて
行われるようになっている。そのため、制御手段として
の制御装置70のメモリ内には通常減速モード用と急減
速モード用の2つのマップが格納されており、それぞれ
のモードに応じたマップを選択できるようになってい
る。また、減速度検出手段としての制御装置70は、車
速センサ72から入力される車速Vの単位時間あたりの
車速低下量から車両の減速度Gを算出するようになって
おり、この減速度Gを基にして通常減速モードと急減速
モードとの切り換えを行うようになっている。
【0026】図2は通常減速モードと急減速モードとを
有するベルト式無段変速機の車両減速時の制御手順を示
すフローチャートである。また、図3(a)は通常減速
モードにおけるロックアップ解放車速とATF油温との
関係を示す相関表であり、図3(b)は急減速モードに
おけるロックアップ解放車速とATF油温との関係を示
す相関表である。さらに、図3(c)はロックアップ締
結車速とATF油温との関係を示す相関表であり、図4
は通常減速モードと急減速モードとのロックアップ領域
を示す相関図である。
【0027】(通常減速モード)車両が減速状態であっ
て、その減速度Gが予め設定された基準減速度Ga以下
である場合にはロックアップクラッチ29は通常減速モ
ードにて制御されることになる。
【0028】図2に示すように、まず、ステップS1に
より減速度Gが基準減速度Gaより大きいか否かを判断
し、減速度Gが基準減速度Ga以下である場合にはステ
ップS2により通常減速モードが設定されることにな
る。
【0029】通常減速モードにおいては、ロックアップ
解放車速Vrは、図3(a)に示す通常減速モード用の
マップM1にて補間計算されることにより設定されるこ
とになる。通常減速モード用のマップM1は、ロックア
ップ解放車速Vr1と油温センサ74により検出される
ATF油温Tとが相関する1次元テーブルとなってお
り、ATF油温Tが低いときにはロックアップ解放車速
Vrを高く設定し、油温Tが高いときにはロックアップ
解放車速Vrを低く設定するようにしている。そして、
ステップS3において車速Vがロックアップ解放車速V
rより大きいか否かが判断されることになる。ここで、
車速Vがロックアップ解放車速Vrより大きいと判断さ
れた場合には、ステップ4にてロックアップクラッチ2
9は締結され、小さいと判断された場合にはステップ5
にてロックアップクラッチ29は解放される。たとえ
ば、ATF油温が70度の場合では、ロックアップ解放
車速Vrは16km/hに設定されることになり、車両
がその車速が16km/h以上の状態から減速して車速
が16km/hとなった時にロックアップクラッチ29
は締結状態から解放状態に切り換えられることになる。
そして、このロックアップ解放車速Vrは、ATFの油
温Tに応じて変化されることになるのである。
【0030】このように、ロックアップ解放車速Vrを
ATFの油温Tが低い程高い値に設定するようにしたの
で、油温Tの変化に応じてロックアップクラッチ29の
応答遅れが生じない程度にロックアップ解放車速Vrを
低速側に拡大することができるため、トルクコンバータ
20による動力損失を減らして燃費を向上することがで
きる。また、車両減速時におけるエンジン1の燃料カッ
ト領域が拡大されることにもなり、さらに燃費を向上す
ることができる。
【0031】(急減速モード)一方、ステップS1によ
り減速度Gが基準減速度Gaより大きいと判断された場
合には、ステップS6により急減速モードが設定される
ことになる。なお、このとき、運転者が図示しないブレ
ーキを踏んだことをブレーキスイッチ75からの信号に
より検出したときにのみ、急減速モードを設定するよう
にしてもよい。
【0032】急減速モードでは、ロックアップ解放車速
Vrは、図3(b)に示す急減速モード用のマップM2
にて補間計算されることにより設定されることになる。
急減速モード用のマップM2は、ロックアップ解放車速
Vr2と油温センサ74により検出されるATF油温T
とが相関する1次元テーブルとなっており、ATF油温
Tが低いときにはロックアップ解放車速Vrを高く設定
し、油温Tの上昇に合わせてロックアップ解放車速Vr
を低下させるようになっている。また、図4に示すよう
に、急減速モードにおけるロックアップ解放車速Vr2
は通常減速モードにおけるロックアップ解放車速Vr1
に比べて高く設定されている。つまり、車両が急減速を
した場合には、通常の減速時に比べてロックアップ解放
車速Vrが高く設定されて高い車速Vにおいてロックア
ップクラッチ29の解放動作が開始されるようになって
いる。たとえば、油温が70度の場合では、通常減速モ
ードでは車両が減速してその車速が16km/hとなっ
たときにロックアップが締結状態から解放状態に切り換
えられるが、車両が急減速して急減速モードが設定され
た場合には、車速が18km/hとなったときに解放状
態に切り換えられることになる。
【0033】このように、ロックアップクラッチ29の
応答遅れによるエンジンストールやエンジン回転数のオ
ーバーシュートが生じやすい車両の急減速時にはロック
アップ解放車速Vrが通常の減速時よりも高く設定され
るようにしたので、通常の減速時のロックアップ領域を
低速側に拡大して燃費を向上することができる。車両が
急減速をした場合にはロックアップ解放車速Vrを高く
変化させるようにして、ロックアップクラッチ29の解
放遅れによるエンジンストールやエンジン回転数のオー
バーシュートを防ぐことができるようにしたので、通常
走行時にはロックアップ解放車速を低速側に拡大するこ
とができるため燃費を向上させることができる。
【0034】なお、制御装置70は、図2に示すフロー
を、たとえば10msec程度に設定される所定の時間
毎に繰り返し実行することになる。
【0035】次に、ロックアップクラッチ29を解放状
態から締結状態への切り換え制御について説明する。
【0036】ロックアップ締結車速Vaは、予めメモリ
内に格納された図3(c)に示す締結制御用のマップM
3にて補間計算されることにより設定されるようになっ
ている。締結制御用のマップM3は、ロックアップ締結
車速Vaと油温センサ74により検出されるATF油温
Tとが相関する1次元テーブルとなっており、ATF油
温Tが低いときにはロックアップ締結車速Vaを高く設
定し、油温Tが高いときにはロックアップ締結車速Va
を低く設定するようにしている。たとえば、ATF油温
が70度の場合ではロックアップ締結車速Vaは18k
m/hに設定されることになり、車両が停止状態等その
車速が18km/h以下の状態から加速して、その車速
が18km/hに達した時にロックアップクラッチ29
が解放状態から締結状態に切り換えられることになる。
そして、このロックアップ締結車速Vaは、ATFの油
温Tに応じて変化されることになるのである。
【0037】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態
においては、変速機部はプライマリプーリ43とセカン
ダリプーリ44およびベルト45を有する無段変速機部
40となっているが、これに限らず、遊星歯車機構を有
する多段式自動変速機など他の形式の変速機としてもよ
い。
【0038】また、前記実施の形態においては、ロック
アップ解放車速は、通常減速モードと急減速モードとの
切り換えに加えて、ATF油温Tの変化に応じて変化さ
れるようになっているが、これに限らず、いずれか一方
の条件のみで変化されるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、ロックアップクラッチ
の応答遅れによるエンジンストールやエンジン回転数の
オーバーシュートが生じやすい車両の急減速時にはロッ
クアップ解放車速が通常の減速時よりも高く設定される
ようにしたので、通常の減速時のロックアップ解放車速
を低速側に拡大することができるため燃費を向上させる
ことができる。
【0040】また、本発明によれば、ロックアップクラ
ッチの応答遅れによるエンジンストールやエンジン回転
数のオーバーシュートが生じやすい変速機の油温が低い
とき程ロックアップ解放車速を高い値に設定するように
したので、油温の変化に応じてロックアップクラッチの
応答遅れが生じない程度にロックアップ解放車速を低速
側に拡大することができるため燃費を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるベルト式無段変速
機の駆動系の概略を示す説明図である。
【図2】図2は通常減速モードと急減速モードとを有す
るベルト式無段変速機の車両減速時の制御手順を示すフ
ローチャートである。
【図3】(a)は通常減速モードにおけるロックアップ
解放車速とATF油温との関係を示す相関表であり、
(b)は急減速モードにおけるロックアップ解放車速と
ATF油温との関係を示す相関表であり、(c)はロッ
クアップ締結車速とATF油温との関係を示す相関表で
ある。
【図4】通常減速モードと急減速モードとのロックアッ
プ領域を示す相関図である。
【符号の説明】
1 エンジン 20 トルクコンバータ 29 ロックアップクラッチ 30 前後進切換装置 40 無段変速機部 43 プライマリプーリ 44 セカンダリプーリ 70 制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランク軸の回転が入力され
    る変速機部と前記クランク軸を前記変速機部に直結させ
    るロックアップクラッチを備えるトルクコンバータとを
    有する自動変速機の制御装置であって、 車両の減速度を検出する減速度検出手段と、 前記減速度検出手段により車両の急減速が検出されたと
    きには、前記ロックアップクラッチが解放されるロック
    アップ解放車速を通常の減速時よりも高い値に設定する
    制御手段とを有することを特徴とする自動変速機の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機の制御装置に
    おいて、前記ロックアップ解放車速を変速機の油温が低
    い程高い値に設定することを特徴とする自動変速機の制
    御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンのクランク軸の回転が入力され
    る変速機部と前記クランク軸を前記変速機部に直結させ
    るロックアップクラッチを備えるトルクコンバータとを
    有する自動変速機の制御装置であって、 変速機の油温を検出する油温センサと、 前記油温センサに検出される油温に基づいて、前記ロッ
    クアップクラッチが解放されるロックアップ解放車速を
    前記変速機の油温が低い程高い値に設定する制御手段と
    を有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,3のいずれか一項に記載
    の自動変速機の制御装置において、前記ロックアップク
    ラッチが締結されるロックアップ締結車速を変速機の油
    温が低い程高い値に設定することを特徴とする自動変速
    機の制御装置。
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